JP2003033425A - 金属器具の消毒方法およびその装置 - Google Patents

金属器具の消毒方法およびその装置

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JP2003033425A
JP2003033425A JP2001220471A JP2001220471A JP2003033425A JP 2003033425 A JP2003033425 A JP 2003033425A JP 2001220471 A JP2001220471 A JP 2001220471A JP 2001220471 A JP2001220471 A JP 2001220471A JP 2003033425 A JP2003033425 A JP 2003033425A
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disinfection
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Masahiro Takahashi
正浩 高橋
Eisuke Wada
英輔 和田
Toraichi Katsube
寅市 勝部
Yoshikazu Hashiguchi
芳和 橋口
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JONAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 諸々の器具の消毒を残留塩素や活性酸素を含
む電解水を用いて行う場合に、対象となる器具が金属部
を有するとき、その金属部の腐食が避けがたく生じてし
まうことを防止することのできる、真に有用な金属器具
の消毒方法および装置を提供する。 【解決手段】 水中で塩素イオンを生じる電離性無機塩
素化合物の水溶液中に陽極電極を設置するとともに、該
水溶液中に消毒しようとする金属器具を投入し、少なく
とも前記金属器具を陰極として、前記水溶液中に直流電
流を印加し、前記水溶液を電気分解することによって、
前記水溶液を残留塩素を主成分とする殺菌水に変化させ
るとともに、前記金属器具が腐食しないような不活性状
態に該金属器具を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電離性無機塩素化
合物の水溶液を電気分解して得られる次亜塩素酸を主成
分とする溶液(いわゆる電解水;本明細書では殺菌水と
称す)を用いた器具の殺菌および消毒方法に関する。さ
らに詳しくは、金属製器具もしくは少なくとも一部に金
属が使われている器具(以下、単に金属器具と記す)
を、前記殺菌水を用いて、前記器具の金属部を腐食させ
ることなく、充分に消毒することのできる金属器具の殺
菌および消毒方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象とする殺菌および消毒を要
する金属器具とは、人または動物の医学的治療に用いる
メス、切開ばさみ、内視鏡、歯科用治具などの医療用器
具、食堂や厨房で用いられる食事用器具や料理用道具や
器具などの使用時に人や動物の体表面や体内に接触する
器具を総称するものである。
【0003】このような金属器具は、例えば、医療用器
具に代表されるように、使用の都度あるいは使用にあた
って、洗浄と殺菌および消毒が行なわれる。これらの医
療用に用いられる器具の殺菌・消毒方法としては、高温
・高圧水蒸気に曝す方法やオゾンガスに曝す方法、次亜
塩素酸やグルタールアルデヒドあるいはクロルヘキシジ
ンなどの化学薬品溶液に曝す方法がある。
【0004】電離性無機塩素化合物の水溶液を、電気分
解して得られる次亜塩素酸溶液を用いて殺菌および消毒
を行なう方法は、従来、公知である。以下に、無機の塩
素化合物の水溶液を電気分解して、次亜塩素酸を生成さ
せ、それを殺菌および消毒に用いる従来の技術について
述べる。
【0005】なお、用語の定義として、水に塩素を溶解
したあとに残存する消毒力のある有効塩素を残留塩素と
称する。また、水中において、他の物質と結合せずに存
在する残留塩素を遊離残留塩素といい、Cl2(溶存塩
素)、HClO(次亜塩素酸)、ClO(次亜塩素酸
イオン)が相当し、アンモニアや有機物に結合したもの
を結合残留塩素といい、クロラミンなどが相当する。次
に、消毒、殺菌等の用語について定義する。「病原微生
物学」岩田和男編 南山堂発行や「水質衛生学」金子光
美著:技報堂発行によれば、消毒とは、病原性微生物と
考えられるものの感染力をなくすこと。煮沸消毒、紫外
線照射、水道における塩素消毒やオゾン処理がこれに相
当する。滅菌とは、微生物の生活力を物理的または化学
的手段で奪うか、フィルターなどで除去すること。殺菌
とは、微生物の生活力をなくすことで、厳密には不活性
化という。除菌とは、所定の安全度を確保する目的で、
微生物を除くこと。濾過や凝集沈殿などがこれに相当す
る。防腐とは、微生物の発育を抑え、目的の物の変化を
防ぐこと。食品の腐敗を防ぐために防腐剤を添加するの
がその例であると、記載されている。本発明では、消毒
や滅菌または殺菌の少なくともいずれかの作用・効果を
示す場合を、「殺菌・消毒」もしくは「消毒」という一
語にて代表させて表す。
【0006】周知のように、水の電導度を高めるために
硫酸または苛性ソーダの希薄な水溶液を電気分解する
と、水は分解して水素と酸素を生成する。硫酸または苛
性ソーダの代わりに、無機の塩素化合物、代表的には塩
化ナトリウムの水溶液に直流電流を流して、電気分解す
ると、水の電気分解反応と塩化ナトリウムの電気分解反
応とが生じる。陽極部に塩素や酸素、陰極部に水酸化ナ
トリウムと水素が生成する。このときの生成量は、周知
のように、ファラデーの法則に従い流した電流に比例す
る。
【0007】このときの反応は次のようである。 水の電解反応: 2H2O = 2H + O ・・・(1)
【0008】このときに生成する酸素O2の素である酸
素ラジカルは、漂白力や酸化力が強く、消毒力がある。
文献によっては、この酸素ラジカルが他のイオンに働い
てスーパーヒドロキシラジカルやパーオキシラジカルな
どの生成とその消毒効果をうたっているものもある。 食塩水の電解反応: 2NaCl + 2H2O = H + Cl + 2NaOH ・・・(2)
【0009】このとき、陽極に生成した塩素は、水と反
応して次亜塩素酸と塩酸とになる。この場合の塩素が水
と反応する反応式と化学平衡は、その溶液のPH値、温
度、共存物質に依存する。特にPH値には大きく依存す
る。
【0010】塩素は水に溶けると、次のように加水分解
して塩酸と次亜塩素酸になる。 Cl2 + H2O = HCl + HClO ・・・(3)
【0011】このときの化学平衡は、次の式で表され
る。 Kh = [HClO][H][CL] / [Cl] ・・・(4)
【0012】Khは平衡定数で、水温0〜20℃で1.5
〜4.0×10-4 (mol/L)であり、PHが7前
後の水では遊離の塩素は事実上存在しない。
【0013】HClOは、さらに次のようにイオン化す
る。 HClO = H + ClO ・・・(5)
【0014】このときの化学平衡は、次の式で表され
る。 Ki = [H][ClO] / [HClO] ・・・(6)
【0015】Kiは平衡定数で、水温0〜25℃で1.6
〜3.2×10-8(mol/L)で、20℃では2.7
×10-8(mol/L)である。温度の影響について
は、KhとKiの平衡定数として記載したように、水温
が低くなると、式(3)、(4)、(5)の化学平衡
は、周知のvan't hoff−Arrheniusの式により左へ傾
く。
【0016】上記の反応系において、溶液のPH値のみ
を変化させた場合:つまり、式(3)、(4)、(5)
の水素イオン濃度[H]を変えた場合:水中の遊離残留
塩素はCl2、HClO、ClO の3形態があるが、
その存在比率はPHに依存する。この関係を式(4)、
(6)を用いて計算した結果の概略値を、次の表に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】上述の電気分解を、隔膜を用いずに行なう
と、塩素は水酸化ナトリウムと反応して次亜塩素酸ソー
ダを生じる。また、塩化ナトリウムの変わりに塩化カル
シウムを用いると、次亜塩素酸カルシウムを生じる。
【0019】これらの次亜塩素酸塩は水に溶けると、次
のように加水分解して次亜塩素酸を生じる。 NaClO + H2O = HClO + NaOH ・・・(7) CaClO + H2O = HClO + CaOH ・・・(8)
【0020】式(5)、(6)も溶液のPHを変えた場
合:水中の遊離残留塩素はCl2、HClO、ClO
の3形態をとる。
【0021】また、塩素は溶液中にアンモニアが存在す
れば、結合残留塩素であるクロラミンを生成する。 NH(アンモニア)→ NHCl(モノクロラミン)→
NHCl(ジクロラミン)
【0022】生成するクロラミンの性状は、PHが低
く、塩素/アンモニアの比率が高くなるほど塩素数の多
いものが出来やすい。
【0023】一方、遊離残留塩素の形態および結合残留
塩素のクロラミン形態による殺菌・消毒力については、
おおまかに次のような順となる。 Cl2 > HClO > ClO > NHCl2 > NHCl ≒
有機性塩素
【0024】これらの残留塩素の消毒効果については、
ButterfildとWattieおよびSobseyらが多くの研究報告を
しており、その代表的な報告例が「水質衛生学」金子光
美著:技報堂発行や「水の消毒」金子光美著:(財団法
人)日本環境整備教育センター発行に記載されている。
【0025】次に、上記の電離性無機塩素化合物の水溶
液を電気分解して活性酸素や残留塩素を生成させ、それ
の殺菌・消毒力を用いる具体的な方法や装置の例を挙げ
る。
【0026】特開平1−180293号公報には、塩化
ナトリウムや塩酸の水溶液を電気分解し、その溶液のP
Hを1.5〜3.1の範囲に保つことを特徴とした殺菌
水の製法が記載されている。特開平6−292892号
公報には塩化ナトリウムと無機酸の混合水溶液を電気分
解し、溶液中に活性酸素(酸素ラジカル)を生成させる
方法と装置が記載されている。また、陽極と陰極を一定
時間ごとに反転させることも記載されている。特開平7
−136660号公報には、隔膜を介して得られる酸性
水とアルカリ性水とを流量制御弁を用いることで、任意
のPHの電解水を得る方法が記載されている。特開平9
−108307号公報には、塩化ナトリウム水溶液を、
隔膜を有する電解槽で電気分解し、PHを2.7以下と
した電解酸性水の製造装置と医療器具の消毒装置が記載
されている。特開平10−118654号公報には、食
塩または塩化カルシウムの水溶液を、無隔膜の電解質で
電気分解して得られる弱アルカリ性の電解水を作り、こ
れを隔膜を有する電解槽の陽極室に導き、再度電解し
て、PH5〜9の弱酸性の電解水を得る方法が記載され
ている。特開平2000−167556号公報には、電
極の陽極と陰極を反転させることにより、陰極に電解ス
ケールが付着するのを防ぐ方法が記載されている。これ
らはいずれも、金属塩化物の水溶液を電気分解すると、
次亜塩素酸や次亜塩素酸塩、次亜塩素酸イオンあるいは
発生期の酸素ラジカル(活性酸素)が生成し、生成物が
殺菌や消毒力を有する効果を利用するものであり、それ
に加えて溶液のPH調節や装置の生成効率や電極の効率
を上げる工夫をしている。特開平10−237681号
公報には、配水管の電気防食滅菌方法および装置が提案
されている。この方法は、本発明者らの提案によるもの
であるが、給水管や給湯菅を対象として、直流電流を用
いて、水中に陽極と置き、配水管内面の金属を陰極とし
て電流を流し、金属を電気化学的に不活性状態とするこ
とで、金属の腐食を防ぐことにある。また、そうするこ
とによって、結果的に殺菌効果が得られることを特徴と
している。
【0027】残留塩素濃度と各種病原性微生物に対する
消毒効果についてのデータは、既述の文献「水の消
毒」、「水質衛生学」を含め各種の文献に記載されてい
る。その中で残留塩素溶液に浸漬した時間と消毒効果の
関係を“時間・濃度積”として示しており、参考とな
る。
【0028】最近では、毒性が少なく、廃液処理が簡単
で、次亜塩素酸系薬剤を水に溶かしたものより消毒効果
の高いという特徴から、電解水が各種の分野で使用され
るようになった。医療用の分野でも、器具類の洗浄消毒
に低コストで、短時間の処理で殺菌・消毒できる電解水
が注目を集めている。ところで、金属塩化物の水溶液の
電気分解により得られる残留塩素の殺菌・消毒力につい
ては、既述したように残留塩素の形態で大きく変わり、
なかでもPHが低い、すなわち酸性溶液ほどその効果が
高いことが知られている。活性酸素の消毒効果について
の文献やデータは本発明者の手元に無いが、活性酸素の
作用・効果は過酸化水素水やオゾンから生成する酸素ラ
ジカルと同一であり、広く認知されている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、残留塩
素濃度が高く、PHが低い溶液であるほど、注意を特に
払うべき問題点がある。そのことについて触れた文献と
して、例えば、「消化器内視鏡」Vol,11 No.6 1999に
「電解中性水を用いた内視鏡の洗浄殺菌効果」東京慈恵
会医科大学内視鏡部 桂俊司、鈴木博昭氏他による研究
報告がある。ここでは、残留塩素濃度が20ppmで、
PH5.5〜7.0の溶液中での内視鏡の、鉗子口内の
洗浄殺菌効果の例と鉗子の腐食について記載されてい
る。そこには冒頭文に強酸性水の有用性と機器に対する
腐食性が採り上げられている。また、その引例文献も多
数紹介されている。そこでの最大の問題点は、金属部の
腐食である。標題の研究報告では、金属腐食を抑えなが
ら、短時間に、いかに消毒効果を上げられたかについて
既述されており、PHが5.5〜7.0の電解水であれ
ば、ステンレス部は腐食が少なかったと記載されてい
る。この研究に用いられた、電解中性水のメーカー資料
には、PH値が異なる残留塩素溶液に、各種金属を浸漬
したときの、金属に対する錆比較試験結果が記載されて
いる。このデータについては、本発明の実施例の項で引
用するが、概要としてはPHが低いほど、かつ残留塩素
濃度が高いほど金属の腐食が激しくなるという問題点が
記載されている。
【0030】水中における金属の腐食と、水中の溶存酸
素や活性酸素、塩分が及ぼす作用、あるいはPH値と腐
食関係等については、Pourbaix氏による研究報告が著名
であり、金属の腐食・防食を業とする分野では、最も広
く認知されている。 水中における金属の腐食という視点
で、次亜塩素酸を含む電解殺菌水、つまり、無機塩素化
合物、残留塩素、溶存酸素、活性酸素などを含む水、お
よびその溶液のPHについて観察すると、電解殺菌水
は、金属の腐食を著しく促進する条件を備えている。
【0031】したがって、本発明の課題は、諸々の器具
の消毒を残留塩素や活性酸素を含む電解水を用いて行う
場合に、対象となる器具が金属部を有するとき、その金
属部の腐食が避けがたく生じてしまうことを防止するこ
とのできる、真に有用な金属器具の消毒方法および装置
を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、鋭意、実験、検討を重ねたところ、
下記のような知見を得るに至った。
【0033】直流電流を用いて電離性無機塩素化合物の
水溶液を電気分解し残留塩素を主成分とする殺菌水を生
成させるためには、水溶液中に陽極と陰極の双方の電極
が必要である。このような電気分解によって得られる殺
菌水中に、少なくとも金属部を有する器具を浸漬し、殺
菌・消毒する場合、同時に、その金属が腐食しないよう
にしなければならない。これが、本発明の主な課題であ
る。金属の防食を行う方法としては、電気的な防食が周
知であるが、前述のような殺菌水の生成環境と電気防食
環境とを同時に実現することは、容易ではない。金属器
具の電気的な防食を行なうためには、その金属を陰極に
接続して、その環境下における金属の防食電流を流すこ
とが必須条件となる。すなわち、最低限の必須条件は、
水溶液中に陽極電極を置き、少なくとも防食の対象とす
る金属を陰極として、その環境下における金属の防食電
流を流すことである。
【0034】金属の腐食(溶出)は、その金属が水中に
おいて原子価に応じた電子を失い、陽イオン化すること
に始まる。この腐食反応は化学的あるいは電気化学的な
反応であるから、外部からこの反応を阻止できるだけの
エネルギーを与えれば腐食は停止する。例えば、PH7
の水中での鉄の腐食反応を電気化学的に停止させる(化
学的に不活性状態にする)には、鉄の電位を−0.6V
以下に下げることで可能となる。周知のように、この電
位を不活性電位あるいは防食電位という。各種金属の防
食電位は、ギブスの自由エネルギー関係式から計算でき
る。このときの腐食を食い止めるのに必要な単位面積あ
たりの電流を防食電流密度といい、鉄では50mA/m
である。ただし、金属の防食電位は、環境に応じて
変化するのでそれを求めるのは容易ではないが、金属を
カソード防食方法で腐食しないようにすることは容易で
ある。この方法の原理は、外部電流によって局部電池の
カソードをアノードの平衡電位にまで分極させることに
ある。つまり、金属が腐食(溶出)するときに失う電子
またはそれ以上の電子を、電流を用いて供給すればよ
い。腐食を防ぐために、実用上においてどの程度の電流
を必要とするかは、そのときの金属が置かれている環境
によって異なるが、その値が事前に知られていなくと
も、プルベイ図などを参考にして電流値を上げていけ
ば、どこかの時点で腐食は停止する。そのときの状態の
金属は、腐食という観点からは不活性状態にあることに
なる。
【0035】電解殺菌水の溶液に、医療用器具などの金
属器具を浸漬して殺菌・消毒する場合、その金属部が腐
食しないような陰極防食の条件を満たす電位・電流密度
がどれだけであれば良いかということに関する報告例は
見出していない。金属の電気防食の分野においても、金
属がステンレスや銅合金の場合について、海水中などで
の報告がなされている程度である。金属が合金である場
合は、その金属の防食電位が環境によって様々な値を示
し、その腐食反応が合金であるがゆえに更に複雑なため
である。
【0036】本発明者らは、前述の好適な陰極防食条件
を満たす定量値を見出すために、多くの実験を行った。
その結果、殺菌水の生成と、金属器具の金属部の防食と
を同時に行なうことが可能な直流電流の出力値は、5〜
1000mAであることが判明した。水溶液へのこのよ
うな直流電流値を印加する出力回路としては、出力電圧
が1〜50Vの範囲で、出力電流が前述のように5〜1
000mAの範囲を発生させる能力があればよい。これ
だけの出力があれば、電解殺菌水を製造するために必要
な電流と、得られた電解殺菌水に金属器具を浸漬した場
合に、その金属部が腐食しないような不活性状態に保つ
のに必要な電圧×電流が得られる。
【0037】前述の範囲の電圧と電流を、適宜組み合わ
せれば、電離性無機塩素化合物の水溶液の導電率や容量
が異なっていても、また防食の対象となる金属やその表
面積が異なっていても殆どの場合は支障なく、所望濃度
の殺菌水の生成と金属器具の防食とを同時に行なうこと
が可能である。
【0038】なお、水の電解で生成する水素と酸素(空
気の場合も同じ)の混合気体は、周知のように、爆発し
やすく危険である。したがって、電離性無機塩素化合物
の水溶液の電気分解による殺菌水の生成と金属器具の電
気防食とを実施する場合には、水溶液への印加電流値を
このような事態が発生しない範囲に設定することが必要
となる。そのような観点から、例えば、「新・工場電気
設備防爆指針」産業安全研究所技術指針によれば、水素
ガスの点火電圧と電流の関係は、15Vで1000m
A、20Vで500mA、30Vで150mA、40V
で80mA、50Vで60mAである。したがって、水
溶液に直流電流を印加する直流電流出力回路からの出力
電圧×電流の関係もこれを基準に安全上の設計をしてお
くことが好ましい。水溶液への印加電流値は、本発明の
目的である電解殺菌水の製造と金属の陰極防食との同時
実現を満たす重要な要素であるので、前述の安全基準と
兼ね合わせることのできる条件を設定することが大切と
なる。そのことを考慮すると、金属器具の殺菌および防
食では、出力電圧を下げて電流を確保することの方が好
ましい。実際に、殺菌水の生成と、電解殺菌水に金属器
具を浸漬した場合に金属器具を金属部が腐食しないよう
な不活性状態に保つのに必要な電圧×電流における関係
では、主として電流が関与するのであって、電圧はほと
んど無関係である。このときの電圧の働きは、単にその
電流を出力させるのに必要なのであって、必要な電流が
出力できる電圧があればよい。例えば、同じ電流を出力
させるには、電離性無機塩素化合物の水溶液の導電率が
低い水(希薄な溶液)では導電率が高い水よりも、より
高い電圧を要する。
【0039】このような観点から、直流電流出力回路か
らの出力電圧は、1〜50V、さらに好ましくは2〜3
0V、特に好ましくは2〜25Vである。そして、問題
の出力電流は5〜1000mA、さらに好ましくは10
〜800mA、特に好ましくは10〜500mAの範囲
である。この場合の具体的な例としては、前述の範囲
で、水素ガスの点火電圧×電流の値以下の組合せに出力
をセットしておく、あるいは出力電圧と出力電流の積算
値が上記の安全基準値以下となるような制御回路として
組み込んでおけばよい。
【0040】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
もので、本発明にかかる金属器具の消毒方法は、水中で
塩素イオンを生じる電離性無機塩素化合物の水溶液中に
陽極電極を設置するとともに、該水溶液中に消毒しよう
とする金属器具を投入し、少なくとも前記金属器具を陰
極として、前記水溶液中に直流電流を印加し、前記水溶
液を電気分解することによって、前記水溶液を残留塩素
を主成分とする殺菌水に変化させるとともに、前記金属
器具が腐食しないような不活性状態に該金属器具を保つ
ことを特徴とする。
【0041】また、本発明にかかる金属器具の消毒装置
は、水中で塩素イオンを生じる電離性無機塩素化合物の
水溶液を満たした電解槽と、前記水溶液中に設置した陽
極電極と、前記水溶液中で消毒しようとする金属器具に
電気的に接続される陰極端子と、前記陽極電極および陰
極端子が接続され、少なくとも前記金属器具を陰極とし
て、前記水溶液中に直流電流を印加し、前記水溶液を電
気分解することによって、前記水溶液を残留塩素を主成
分とする殺菌水に変化させるとともに、前記金属器具が
腐食しないような不活性状態に該金属器具を保つ直流電
流出力回路と、を有することを特徴とする。
【0042】なお、本発明の消毒方法および装置におい
て、水溶液から殺菌水を生成して同時に金属器具の防食
を同一空間で行わず、分離系で殺菌水を生成し、その殺
菌水を導入し、その殺菌水中に所定値の電流を印加する
ことによって、殺菌水の特性を維持しつつ金属器具の防
食を同時に行うようにしてもよい。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明において、水中で塩素イオ
ンを生じる電離性無機塩素化合物とは、クロムや鉛の塩
化物などのように明らかに有害な化合物を除く塩化物
で、具体的には塩化ナトリウム、食塩、岩塩、塩化カリ
ウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモ
ニウム、塩酸、清涼な深層海水などである。
【0044】塩素に限らず、ハロゲン元素の化合物は、
例えばフッ素や臭素、沃素などは酸化力を有するため
に、消毒力を持つものが多い。本発明に用いる水溶液に
は、これらが予め含まれていても支障が無い。水溶液の
濃度は、その溶液の電解によって殺菌・消毒に有効な残
留塩素濃度を確保できる濃度であれば良い。殺菌水に
は、残留塩素以外に電解によって生成する活性酸素など
が含まれていても良い。
【0045】次に、本発明において、金属部器具は、前
述したものであるが、代表例は、医療用器具である。こ
の医療用の器具としては「図解小外科テキスト」出口康
夫訳南江堂、「新しい腹腔鏡下手術」吉田和彦 森俊幸
著 メジカルビュー社、「マイクロサージャリー」波利
井清紀 金原出版、「臨床歯周外科学」長谷川明著クイ
ンテッセンス出版などに記載されているものが対象とな
る。具体的には、各種のメス、吸引嘴管、剪刃、鉗子、
各種鉤、ゾンデ、探査子、持針器、ピンセット、縫合
針、内視鏡、クリップアプライヤー、ステイプラー、デ
ンタルミラー、歯周深針、歯周ポケット測定器、スケー
ラー、マーカー、歯肉剥離子、匙、鋏、のみ、ヤスリ、
骨バーやダイヤモンドバー等の各種バーなどが挙げられ
る。医療器具は、特に殺菌・消毒が重要で、かつ、使い
捨てにするにはその価格上問題があるものである。であ
るからといって、スペアーを多量に揃えておくわけにも
いかない。そこで望まれることは、使用後は短時間で殺
菌・消毒して次の患者に使用可能とすることが特に望ま
れている。特に医療器具のうち内視鏡については、かか
る事情が顕著である。この内視鏡は現代医療において欠
かせないものであり、非常に高価で、スペア−を置くに
しても数は限られる代表格の器具である。そこで望まれ
ることは、使用後は短時間で殺菌・消毒して次の検査に
使用可能とすることである。したがって、このような医
療用器具に本願発明の消毒方法および装置を用いること
の大きな利点がある。なお、金属器具が外科手術や歯科
治療に用いられる器具である場合、それらは小物である
ことが多いから殺菌・消毒装置としても小型で済み、出
力電流も少なくて済む。したがって、電気的な安全性に
おいて、例えば、JIS T 0601−1(199
9)「医用電気機器 安全に関する一般的要求事項」に
記載の規格を満たしやすい。
【0046】また、電解殺菌水の溶液に金属器具を浸漬
し殺菌・消毒する場合、その溶液を攪拌または/および
器具類に振動を与えながら行なうことが好ましい。とい
うのは、殺菌・消毒の効果を高めるには、消毒剤と微生
物がいかに効率よく接触するかにかかってくるからであ
る。この接触効率を上げるための具体的な手段として
は、溶液を攪拌する手段や超音波による水溶液および金
属器具を振動させる手段がある。
【0047】また、電解殺菌水の溶液に、器具を浸漬し
て殺菌・消毒する場合、その溶液の残留塩素濃度が2m
g/L以上、PH値が4〜8.5の範囲であることが好
ましい。残留塩素濃度と浸漬時間の積が殺菌・消毒に関
与することは先に述べたとおりである。つまり、残留塩
素濃度が少なければ、消毒に要する時間がかかる。電解
殺菌水を用いる理由のひとつは、短時間の浸漬処理で殺
菌・消毒効果が高いことにある。これらの効果は、残留
塩素や活性酸素の濃度によるから、処理時間を短縮する
には濃度を高めることが重要となる。水道水の水質基準
に拠れば、残留塩素濃度は0.1mg/L以上で1mg
/L(1ppm)程度となっている。この濃度でも1時
間も浸漬すれば、通常の病原性微生物は不活性化する。
本発明では、さらに短時間処理を目的としているので、
残留塩素濃度は、好ましくは2mg/L以上、さらに好
ましくは5〜1000mg/L、特に好ましくは10〜
500mg/Lの範囲である。上限値を設けたのは、そ
れ以上に濃度を上げても、もはや、殺菌・消毒の時間を
それ以上に短縮できないからである。参考として、次亜
塩素酸ソーダによる消毒の基準として、飲料水やプール
では0.1〜1ppm、器具、浴槽タイルでは50pp
m、汚染器具では500ppm、著しい汚染器具は10
00ppmが示されている。
【0048】次に、本発明に用いる殺菌水のPH値の範
囲を4〜8.5に設定している目的と効果について、先
にかなり詳細に述べたので、ここでは簡単に説明する。
表1に溶液のPHと遊離残留塩素の形態比率(%)を示
した。溶存塩素(Cl)が多く含まれるPH環境の殺
菌・消毒力は非常に優れている。次亜塩素酸(HCl
O)がこれに次ぐ。次亜塩素酸イオン(HClO)に
なると、その消毒力は次亜塩素酸の数十分の1である
と、文献によっては記載されている。従って本発明で
も、よりPHの低い溶液を対象にしたいのであるが、そ
れには二つの問題がある。ひとつは、強酸性下で、かつ
酸化力を持つ水溶液中における金属の腐食防止は、より
多くの電流を必要とすることである。二つ目には、その
環境下で金属の腐食防止をなすには、金属の陰極防食に
おける電流を大きくかけなければならなくなる。そうす
ると、溶液の電気分解がさらにかけた電流に比例して増
加し、それに応じた塩素と酸素と水素ガスが生成する。
多量の塩素ガスの発生は水への溶解速度を超える恐れが
ある。酸素や水素ガスの多量の生成も、何らかの要因で
爆発限界となる恐れが有る。溶存塩素の毒性の問題もあ
る。一方、PH値の高い領域は、残留塩素が次亜塩素酸
イオンの形態をとるため、殺菌・消毒力が低下する。す
なわち、次亜塩素酸イオンの形態をとるPH値の高い領
域では、より多くの電気分解を行なう必要がある。
【0049】つまり、このことが、より好ましいPH値
の範囲としてPH値を4〜8.5に設定している理由で
ある。残留塩素の形態とPH値の関係については、表1
に示した。
【0050】また、本発明において、隔膜を用いて食塩
水を電気分解すれば、陰極側には苛性ソーダが生成する
のでアルカリ化し、陽極側は次亜塩素酸と塩酸が生成す
るので酸性化する。食塩水の電気分解を続けるほど、こ
の傾向は強くなり、強酸性溶液と強アルカリ性の溶液と
なる。本発明では、先に説明したように、好ましくはP
H値が4未満にならないように調整する。その方法とし
ては、PHセンサーを介して電流制御を行なってもよ
い。また、陰極室のアルカリ溶液を、適宜、陽極室に導
入しても良い。隔膜を設けないで食塩水を電気分解すれ
ば、生成する塩酸および次亜塩素酸と苛性ソーダが中和
反応する。しかしながら、次亜塩素酸ナトリウムは弱酸
と強塩基の反応物なので、溶液全体としては次第にアル
カリ化する。
【0051】この系の溶液のPH値が8.5を越えない
ようにする方法の具体例として、予め、あるいは使用に
あたって、酢酸や塩酸、炭酸、燐酸、塩化アンモニウム
などを加えて、そのPH値を4〜6.5にすることは効
果的である。次亜塩素酸はこれらの酸より弱酸なので、
生成する苛性ソーダは酢酸や塩酸、炭酸、燐酸などと先
に反応し、次亜塩素酸はその間はイオン化しないため、
消毒効果が安定に保たれる。これを利用するわけであ
る。特に、多塩基酸は、反応基数も多く、PHの緩衝作
用もあるため、有効である。あるいは、電離性無機塩化
物として、水溶液の状態では弱酸性となる塩化アンモニ
ウム(例えば、0.5%溶液のPHは5.3である)を
用いても良い。
【0052】また、電解殺菌水の溶液に金属器具を浸漬
し殺菌・消毒していると、経時的に溶液中に汚濁物質が
生じる。この汚濁物質は、特に本発明にかかる消毒方法
を阻害するものではないが、溶液の透明性を確保するこ
とは操作上好ましいので、濾過により除去してもよい。
また、そのための手段を装置に設置してもよい。
【0053】本発明の消毒装置においては、水中で塩素
イオンを生じる電離性無機塩素化合物の水溶液を、直流
電流を用いて電気分解し残留塩素を主成分とする殺菌水
(電解殺菌水)を生成させるが、具体的には、電離性無
機塩素化合物の水溶液中に白金やイリジウム、チタンな
どを電極材料として、電離性無機塩素化合物の水溶液中
に両極を置き、これに直流のプラスとマイナス電流を印
加することで電解殺菌水を得る。本発明装置では、それ
と同時に、電解殺菌水中において金属器具を、陰極防食
方法を用いて防食する。具体的には、殺菌水に上述の電
極材料からなる陽極を置き、防食の対象とする金属部を
陰極として、防食の対象とする金属部が不活性を保つよ
うな量の直流電流を流す。つまり、電解殺菌水の製法と
金属の陰極防食との間には、電気化学的な共通項が有
り、これをうまくセットして、電解殺菌水の製造と金属
器具の電解殺菌水中での腐食防止を同時に行なう。
【0054】本発明装置において、電離性無機塩素化合
物としてカルシウム塩やマグネシウム塩を用いて、隔膜
で電解室を仕切ると、陰極の表面に水酸化カルシウムや
炭酸カルシウムあるいは水酸化マグネシウムなどの難溶
性の化合物が次第に付着し、電解効率が低下する場合が
ある。また、カルシウム塩やマグネシウム塩も隔膜を使
用しない場合においても、水道水などのカルシウムやマ
グネシウムを含む水を溶媒として用いると陰極となる金
属表面に同様の現象が生じる。このような場合は、陽極
と陰極を定期的に反転させることによって、かかる現象
を防ぐことが出来る。ただし、電極を反転させる方法を
用いる場合は、防食対象である金属部は陰極にすること
が必要である。具体的な方法の例としては、反転電極材
料に、白金または白金をメッキあるいは被覆したチタ
ン、または白金・イリジウムを材料とした1対の電極を
電解殺菌水の生成用として用い、一方の防食対象である
金属器具は常時陰極となる回路の端子に接続すればよ
い。
【0055】本発明において用いる直流電流の電源とし
ては、例えば、一般の交流電流、簡易発電機、自動車の
バッテリー、乾電池や蓄電池などを用いることができ
る。
【0056】また、消毒対象の金属器具が小物であり、
それらを数多く一度に消毒したい場合は、各々をマイナ
ス極に接続する手間を省く必要があり、その手段とし
て、例えば、金属製の籠に金属器具を電気が導通するよ
うに入れて、籠をマイナス極に接続すればよい。この他
にも、金属製容器の電解槽を作り、これに水中で塩素イ
オンを生じる電離性無機塩素化合物の水溶液を入れ、陽
極をその溶液中に置き、電解槽を陰極に接続しておき、
器具を陽極に接触しないようにして、電解槽に沈め、金
属器具と電解槽とを接触状態におけば、器具は金属製電
解槽と導通して陰極となり、金属器具の防食が可能とな
る。
【0057】本発明では、電離性無機塩素化合物の水溶
液から電解殺菌水を生成させ、その溶液に器具を浸漬し
て、殺菌・消毒する場合、好ましくは、殺菌水を撹拌し
たり、殺菌水および金属器具を振動させる。その効果に
ついて、電解殺菌水を製造する場合について簡単に説明
を補足する。水中で塩素イオンを生じる電離性無機塩素
化合物の水溶液中に、白金やイリジウム、チタンなどの
耐塩素性材料を電極材料(特に陽極材料)として形成し
た陰陽の両極を置き、これに直流のプラスとマイナス電
流を印加することで電解殺菌水が得られることは、先に
述べた。このときの電極表面では水素や酸素および塩素
が生成する。電極表面に気体が付着すると、電解効率が
低下する。塩素や酸素、そして水素は、通常はガス形態
であるため、泡として電極表面に付着したり、あるいは
気泡として空気中に逃れる。これを電極表面から引き剥
がし、効率よく水中に拡散または溶解させるためには、
攪拌機やマグネットスターラーを用いて溶液を攪拌する
とか、バイブレーターや超音波発生装置などを用いて、
溶液や電極、あるいは金属器具に振動を与えることが効
果的である。また、そのような動的エネルギーの印加
は、洗浄にも効果的である。
【0058】本発明において、電離性無機塩素化合物の
水溶液に直流電流を流して電気分解を行なう場合、生成
する残留塩素濃度を制御する簡単な方法のひとつは、そ
の原料である電離性無機塩素化合物の水溶液の濃度を予
め決めて残留塩素濃度が1000mg/Lを越えないよ
うにしておくことである。これとは別な方法としては、
電解槽の溶液に陽極を置くが、陰極は器具が小物であれ
ば、それを入れる金属製の籠にのみマイナス極を接続し
ておく方法を用いる。こうしておけば、籠を浸漬したと
きのみ電流が流れることを利用することである。さらに
は、塩分濃度や導電度や残留塩素濃度をセンサーで検出
し、所望の濃度になったときに出力電流を低下または停
止することである。この他に、電解量は流した電流に比
例するのを利用して、電気回路にタイマーをセットして
所定時間がきたら電流を低下または停止する回路を組み
込むことである。このような回路を組み込む、あるいは
装置とすることによって、電離性無機塩素化合物の水溶
液の濃度範囲を広げることができる。そのようにするこ
とによって、濃度としては0.005%〜過飽和まで利
用できる。しかしながら、濃度が希薄な場合は残留塩素
の生成効率が低く、逆に必要以上の濃度にすることは経
済的ではない。それらのことから、好ましくは0.01
〜10%の範囲、さらに好ましくは0.1〜5%であ
る。特に好ましくは0.2〜3%の範囲である。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
するが、以下の実施例は本発明を説明するに好適な例に
過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
【0060】(実施例1)図1は、本発明にかかる金属
器具の消毒装置の第1の実施例の概略構成図である。図
中、符号1は直流電流出力装置である。また、2は電解
槽であり、この電解槽2の内部には電離性無機塩化物の
水溶液3が満たされている。水溶液3が満たされた電解
槽2の内部には、前記直流電流出力装置1の+極および
−極にそれぞれ接続された陽極4および陰極5が設置さ
れている。陰極5は電解槽2の底部寄りに設置され、陽
極4は陰極5より上部に設置されている。さらに電解槽
2には撹拌手段6が取り付けられており、水溶液3を撹
拌し、電極表面への泡の付着防止や器物の洗浄効果を上
げることができるようになっている。また、符号7は、
消毒の対象である小物金属器具を入れるステンレス製の
網籠であり、導線を介して直流電流出力装置1の−極に
接続されており、不図示の昇降装置により昇降可能とな
っている。
【0061】本装置では、おもに前記陽極4および陰極
5とによって水溶液3を電気分解して殺菌水を生成し、
網籠(陰極)7と陽極4とによって網籠7内の金属器具
の防食を行う。電気分解によって、水溶液3中の残留塩
素濃度が殺菌・消毒に充分な濃度になった後、網籠7を
水溶液中に所定の時間浸漬し、その後、引き上げて水洗
し乾燥すればよい。
【0062】(実施例2)図2は、本発明にかかる金属
器具の消毒装置の第2の実施例の概略構成図である。こ
の装置では、図に示すように、電解槽2が可動式の隔膜
8によって2室に分離されるようになっていることと、
2室の分離された一方に陽極4が設置され、他方に陰極
5が設置されていることが、前記図1の装置と異なるだ
けであり、他の構成は同様である。網籠7は、当然、陽
極4が設置された室に昇降されるようになっている。
【0063】この実施例2の装置では、陰極5と陽極4
の間をイオン交換膜などの隔膜8で仕切って電流を流す
ことにより、陽極4側に酸性の電解水、陰極5側にアル
カリ性の電解水が得られる。殺菌・消毒は陽極側の溶液
で行なう。隔膜8は上下にスライドが可能であり、それ
によって双方の溶液が少しずつ混和できるようにしてあ
る。陽極4側のPH値が4を切るような値になれば、隔
膜8を上にスライドさせ、PH値を4〜6程度に戻す。
【0064】(実施例3)図3は、本発明にかかる金属
器具の消毒装置の第3の実施例の概略構成図である。本
実施例装置の特徴は、直流電流出力装置10が網籠7に
接続される−極と、二つの反転極とを持ち、これら反転
極には電解槽2内に設置された反転電極11,12に接
続されていること、そして水溶液3、網籠7内の金属器
具、そして電極を振動させる超音波発生手段13が設置
されていることであり、その他の構成および作用は、前
述の図1および2の装置と同様である。
【0065】この装置では、反転電極とすることで、陰
極に付着するカルシウムやマグネシウムなどの水に溶け
にくい化合物を電気的に溶かして取り除くことができ
る。
【0066】(実施例4)図4は、本発明にかかる金属
器具の消毒装置の第4の実施例の概略構成図である。本
実施例装置の特徴は、対象とする金属器具が歯科用のマ
イクロモータ・アーム14に直接的に直流電流出力装置
1の−極が接続されていること、同−極が同時に金属製
電解槽2に接続されており、電解槽2が陰極を兼ねてい
ることであり、その他の構成および作用は、前述の図3
の装置と同様である。
【0067】(実施例5)図5は、前述の実施例3(図
3)の消毒装置の電気回路的構成の一例を示したもので
ある。図中、符号20は交流電源を示すものであり、こ
の交流電源20から電力が直流電流出力装置10に供給
される。この直流電流出力装置10は、直流電流出力回
路21と、電流制御回路22と、電気極性反転回路23
と、電流制御回路24とから構成されている。
【0068】直流電流出力回路21の+ラインに電流制
御回路22を介装し、その先に電気極性反転回路23を
接続する。この回路23には直流電流出力回路21の−
ラインも直接接続する。この−ラインは途中で分岐して
電流制御回路24に接続する。前記電気極性反転回路2
3により電解槽2内の電極11,12の極性が一定時間
毎に反転する。電極11,12のいずれかは必ず陽極に
なっているのに対し、金属器具を収納する網籠7は常時
陰極となっている。
【0069】また、この装置では、殺菌のための所要電
流と、防食のための所要電流とが大幅に異なり、両者を
制御する必要性がある場合に、それを満たすための一つ
の方式として、常時−ラインである端子線に電流制御回
路24を設けている。この電流制御回路24には可変抵
抗器を入れる構成など周知の構成が用いられる。
【0070】(参考例1)AC100Vを電源とし、こ
れを整流してDC20Vとし、最大450mAまでの出
力が制御可能な直流電流出力装置を準備した。電極とし
て白金メッキチタン線(3φ)を2本準備した。白金メ
ッキチタン線(3φ)を陽極と陰極として、リード線を
介して前記直流電流出力装置に接続した。0.3%の塩
化ナトリウム水溶液500ccをビーカーに入れて、大
気に開放状態で、マグネットスターラーを用いて攪拌し
ながら、白金メッキチタン電極を溶液に浸漬し、直流電
流出力装置から5分間電流を流した。このときの電流
(mA)と溶液中に生成した次亜塩素酸の濃度(mg/
L)、および、その生成量を求め、それらの値から30
分後に生成する概略の次亜塩素酸濃度の計算値、出力電
流に対する次亜塩素酸の生成効率(%)を算出した。そ
の結果を表2に記載した。それによれば、10〜75m
Aの出力電流に対する次亜塩素酸の生成効率はほぼ8%
であるが、100〜250mAでの生成効率はほぼ17
%と高い値となった。75〜100mAの間で、次亜塩
素酸の生成効率が急に向上するのは、水と塩化ナトリウ
ムが共存している場合は、低電流では水の電解が優勢で
あるが、ある電流値以上では塩化ナトリウムの電解速度
が速くなるではないかと思われる。なお、いずれの溶液
もPH値は7であり、電解前後の変化はほとんど認めら
れなかった。この結果から、内容量が500cc程度の
殺菌・消毒装置であれば、0.3%の食塩水を用いて、
10mAの電流でも30分後にはほぼ2mg/Lの次亜
塩素酸が得られることが分かった。
【0071】
【表2】
【0072】備考;次亜塩素酸の生成効率:ファラデー
の法則により、電解効率が100%ならば、1ファラデ
ー(96500クーロン)の電流で、塩素を1g原子
(35.5g)生じる。生成した1g原子の塩素は水と
直ちに反応して、塩化水素の1/2モルと次亜塩素酸を
1/2モル(18.25g)生成する。よって、溶液中
に1mAの電流を1時間流したとき、計算上の次亜塩素
酸の生成量は、2.668mg/mAとなる。ゆえに、
溶液の量が1リットルであれば、その濃度は、2.66
8mg/Lとなる。この値を基礎に、生成効率を算出し
た。
【0073】(参考例2)食塩水濃度を3%とした以外
は、参考例1と同じ装置および方法で、水溶液に25m
Aの電流を、直流電流出力装置から5分間電流を流し
た。このときに生成した次亜塩素酸の濃度は、7.2m
g/Lであった。この値は、参考例1の次亜塩素酸の生
成量と比べると、8倍の値となっている。観察による
と、食塩水の濃度が高くなるほど、電極表面からの細泡
の出方が少なくなる。このことから、食塩の濃度が高く
なるに従い、溶液の伝導率が良くなり、それによって、
塩化ナトリウムの電解効率が向上しているものと、推定
される。
【0074】(実施例6)参考例1に記載したと同一の
方法および装置で、75mAの電流を印加して、次亜塩
素酸濃度が60mg/Lの電解殺菌水を製造した。この
溶液中に、防食対象の金属器具に見立てた表面積が約1
00cmの鋼板(50×100×1mm)を、リード
線を介して直流電流出力装置の陰極に接続して、浸漬し
た。その結果、16時間放置後も鋼板の腐食は認められ
なかった。
【0075】(比較例1)前記実施例6に対する比較例
として、同一鋼板を単に次亜塩素酸濃度が60mg/L
の電解殺菌水に浸漬した。この場合、20分後には明ら
かな腐食が認められた。
【0076】(実施例7)実施例6に記載した方法で、
AC100Vを電源とし、これを整流してDC20Vと
し、最大450mAまでの出力が制御可能な直流電流出
力装置を準備した。陽極電極として白金メッキチタン線
(3φ)と、防食対象の金属器具に見立てた表面積が約
100cmの鋼板(50×100×1mm)を準備し
た。白金メッキチタン線(3φ)を、リード線を介して
陽極に、鋼板を、リード線を介して陰極に接続した。
0.3%の塩化ナトリウム水溶液500ccをビーカー
に入れて、マグネットスターラーを用いて攪拌しなが
ら、白金メッキチタンと鋼板を溶液に浸漬し、直流電流
出力装置から所定の電流を24時間流し続けた。このと
きの鋼板が腐食するかどうかを観察した。その結果を表
3に示した。なお、初期の溶液のPH値は6.9であ
り、25mAの電流を24時間流した後の溶液のPH値
は7.5を示し、最も高くなったものでもPH値は8.
5であった。また、25mAの電流を24時間流した後
の、溶液の次亜塩素酸の平衡濃度は25mg/Lであ
り、これがこの条件での生成と分解および蒸散のバラン
ス状態であると思われる。この結果から、次亜塩素酸濃
度が25mg/L場合を例にとれば、電解殺菌水のPH
値が7〜8.5の範囲では、錆びやすい金属材の代表的
な鉄であっても、鋼板の単位面積当り0.25mA/c
の電流を流せば、腐食しないことが分かった。つま
り、電気防食の特徴のひとつとして、防食対象とする金
属がその環境下で電気化学的な不活性状態にあれば、浸
漬時間の影響を受けなくなるということである。
【0077】(比較例2)前記実施例7の比較例とし
て、同一鋼板を、次亜塩素酸の初期濃度が0.7mg/
Lの水道水および0.3%の塩化ナトリウム水溶液に浸
漬した。その結果、いずれの場合も1時間以内に腐食が
認められた。
【0078】
【表3】
【0079】(実施例8)実施例6に記載した直流電流
出力装置を用いて、陽極電極として白金メッキチタン
(3φ)と、防食対象の金属器具に見立てた表面積が約
100cmの鋼板とSUS304板(50×100×
1mm)を準備した。白金メッキチタン(3φ)を、リ
ード線を介して陽極に、SUS板および鋼板を、リード
線を介して陰極に接続した。0.3%の塩化ナトリウム
水溶液を予め電解して、次亜塩素酸濃度を20mg/L
とした溶液のPHを塩酸でPH2.7としたものと、P
H4.0とした水溶液500ccを各々ビーカーに入れ
て、白金メッキチタンを陽極とし、SUS板および鋼板
を陰極として、上記の溶液に各々を浸漬し、直流電流出
力装置から25mAの電流を流し続けた。
【0080】その結果を表4に示した。表から明らかな
ように、PH4の溶液の鋼板は、1ヵ月経過後も腐食を
起こさなかったのに対して、参考例のPH2.7の強酸
性電解水溶液中に浸漬した鋼板は、2.5時間後には腐
食した。つまり、鋼板はこの環境下では、供給された電
流値では未だ完全に不活性状態になっていないことを示
している。
【0081】
【表4】
【0082】(比較例3)次亜塩素酸ナトリウムの水溶
液を用い、その初期PH値を塩酸を用いて2.6と5.
0に調整した。こうして得られた溶液およびPH調整な
しの溶液に、寸法が50×100×1mmの鋼板および
SUS304板を、浸漬(溶液の量は1L)した。浸漬
期間は10日間であり、浸漬液は毎日1回、上述の液に
更新した。その結果の概要を表5に示した。
【0083】(実施例9)前記比較例3に対応する実施
例として、同じ溶液中に白金クラッドチタン陽極を置
き、ステンレスを陰極に接続して、50mAの電流を流
し続けた結果を同じく表5に記載した。浸漬期間は10
日間であり、浸漬液は毎日1回、上述の液に更新した。
【0084】
【表5】
【0085】(備考) 腐食のランク; A:腐食を認め
ない、B:少し腐食がある、C:錆が発生し、溶液も濁
る、D:著しく腐食する
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
諸々の器具の消毒を残留塩素や活性酸素を含む電解水を
用いて行う場合に、対象となる器具が金属部を有すると
き、その金属部の腐食が避けがたく生じてしまうことを
防止することのできる、真に有用な金属器具の消毒方法
および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる金属器具の消毒装置の第1の実
施例の概略構成図である。
【図2】本発明にかかる金属器具の消毒装置の第2の実
施例の概略構成図である。
【図3】本発明にかかる金属器具の消毒装置の第3の実
施例の概略構成図である。
【図4】本発明にかかる金属器具の消毒装置の第4の実
施例の概略構成図である。
【図5】本発明にかかる金属器具の消毒装置の第3の実
施例の電気回路的構成を示す図である。
【符号の説明】
1,10 直流電流出力装置 2 電解槽 3 水溶液 4 陽極 5 陰極 6 撹拌手段 7 金属器具を収納する網籠 8 隔膜 11,12 極性反転電極 13 超音波発生手段 14 歯科用マイクロモータ・アーム 20 交流電源 21 直流電流出力回路 22、24 電流制御回路 23 電気極性反転回路
フロントページの続き (72)発明者 橋口 芳和 東京都世田谷区宮坂3−18−6 Fターム(参考) 4C058 AA06 AA13 AA14 AA15 BB02 BB07 CC02 DD07 DD11 DD12 JJ07 JJ26 4D061 DA02 DB10 EA02 EB02 EB05 EB13 EB30 EB37 EB39 ED12 ED13 ED15 ED20 GA22 GC12 GC14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中で塩素イオンを生じる電離性無機塩
    素化合物の水溶液中に陽極電極を設置するとともに、該
    水溶液中に消毒しようとする金属器具を投入し、少なく
    とも前記金属器具を陰極として、前記水溶液中に直流電
    流を印加し、前記水溶液を電気分解することによって、
    前記水溶液を残留塩素を主成分とする殺菌水に変化させ
    るとともに、前記金属器具が腐食しないような不活性状
    態に該金属器具を保つことを特徴とする金属器具の消毒
    方法。
  2. 【請求項2】 前記殺菌水の生成および前記金属器具の
    不活性状態への維持を、前記水溶液中に印加する直流電
    流値を5〜1000mAに制御することによって、実現
    することを特徴とする請求項1に記載の消毒方法。
  3. 【請求項3】 前記印加電流値は、印加電圧を1〜50
    Vに制御することにより実現することを特徴とする請求
    項2に記載の消毒方法。
  4. 【請求項4】 前記殺菌水の残留塩素濃度は2mg/L
    以上であり、そのPH値は4〜8.5の範囲にあること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の消毒
    方法。
  5. 【請求項5】 前記水溶液を撹拌することを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載の消毒方法。
  6. 【請求項6】 前記水溶液および金属器具を超音波によ
    り振動させることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の消毒方法。
  7. 【請求項7】 前記消毒しようとする金属器具が医療用
    器具であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    かに記載の消毒方法。
  8. 【請求項8】 残留塩素濃度が2mg/L以上、PH値
    が4〜8.5の範囲にある殺菌水中に陽極電極を設置す
    るとともに、該殺菌水中に消毒しようとする金属器具を
    投入し、少なくとも前記金属器具を陰極として、前記殺
    菌水中に直流電流を印加し、前記殺菌水の残留塩素濃度
    およびPH値を所定の範囲に維持するとともに、前記金
    属器具が腐食しないような不活性状態に該金属器具を保
    つことを特徴とする金属器具の消毒方法。
  9. 【請求項9】 前記殺菌水の特性維持および前記金属器
    具の不活性状態への維持を、前記水溶液中に印加する直
    流電流値を5〜1000mAに制御することによって、
    実現することを特徴とする請求項8に記載の消毒方法。
  10. 【請求項10】 水中で塩素イオンを生じる電離性無機
    塩素化合物の水溶液を満たした電解槽と、 前記水溶液中に設置した陽極電極と、 前記水溶液中で消毒しようとする金属器具に電気的に接
    続される陰極端子と、 前記陽極電極および陰極端子が接続され、少なくとも前
    記金属器具を陰極として、前記水溶液中に直流電流を印
    加し、前記水溶液を電気分解することによって、前記水
    溶液を残留塩素を主成分とする殺菌水に変化させるとと
    もに、前記金属器具が腐食しないような不活性状態に該
    金属器具を保つ直流電流出力回路と、を有することを特
    徴とする金属器具の消毒装置。
  11. 【請求項11】 前記直流電流出力回路はその出力直流
    電流値を5〜1000mAの範囲の任意の値に設定可能
    であることを特徴とする請求項10に記載の消毒装置。
  12. 【請求項12】 前記直流電流出力回路はその印加電圧
    を1〜50Vに制御することにより前記印加電流値を実
    現することを特徴とする請求項11に記載の消毒装置。
  13. 【請求項13】 前記殺菌水の残留塩素濃度は2mg/
    L以上であり、そのPH値は4〜8.5の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載
    の消毒装置。
  14. 【請求項14】 前記水溶液を撹拌する撹拌手段をさら
    に有することを特徴とする請求項10ないし13のいず
    れかに記載の消毒装置。
  15. 【請求項15】 前記水溶液および金属器具を超音波に
    より振動させる超音波発生手段をさらに有することを特
    徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の消毒
    装置。
  16. 【請求項16】 前記消毒しようとする金属器具が医療
    用器具であることを特徴とする請求項10ないし15の
    いずれかに記載の消毒方法。
  17. 【請求項17】 残留塩素濃度は2mg/L以上であ
    り、そのPH値は4〜8.5の範囲にある殺菌水を満た
    した水槽と、 前記殺菌水中に設置した陽極電極と、 前記殺菌水中で消毒しようとする金属器具に電気的に接
    続される陰極端子と、 前記陽極電極および陰極端子が接続され、少なくとも前
    記金属器具を陰極として、前記殺菌水中に直流電流を印
    加し、前記殺菌水の残留塩素濃度およびPH値を所定の
    範囲に維持するとともに、前記金属器具が腐食しないよ
    うな不活性状態に該金属器具を保つ直流電流出力回路
    と、を有することを特徴とする金属器具の消毒装置。
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