JP4583989B2 - パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セット及びこれを用いたパーマネントウエーブ加工用薬剤の調製方法 - Google Patents

パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セット及びこれを用いたパーマネントウエーブ加工用薬剤の調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セット、これを用いたパーマネントウエーブ加工用薬剤の調製方法ならびにパーマネントウエーブ加工方法に関する。
パーマネントウエーブは2つの工程により形成されることが知られている。即ち、還元剤の作用により毛髪のシスチン(ジスルフィド)結合を還元切断する工程と、その後の酸化剤を使用した中和または固定工程であり、この後者の工程によりシスチン(ジスルフィド)結合が復元する。
従来、毛髪のパーマネント加工で使用される化合物は、チオグリコール酸、システイン、アセチルシステイン、およびこれらの塩類などの一般にケラチン還元物質ともいわれる化合物が使用されてきた。これらの従来のケラチン還元物質ともいわれる化合物は、毛髪のパーマネント加工用としてアルカリ性条件下で実用的な性能を有するため、多くのパーマ液はpH9.5程度のアルカリ性に調整されている。しかし、アルカリ性に調整されたパーマ液は、毛髪や頭皮の損傷を引き起こすことが知られており、これら不都合を解決するために中性から弱酸性のpH領域(pH:3〜7.5、25℃)で使用可能なケラチン還元物質の開発が進められている。
例えば、このようなpH領域で使用されるケラチン還元物質として、チオグリコール酸のモノグリセロールエステルの使用が検討されている(例えば、特許文献1)。また、チオグリコール酸エステルでみられる皮膚障害を解決する目的でメルカプトグリコール酸アミド誘導体およびメルカプト乳酸アミド誘導体の使用も検討されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。さらには、弱酸性で効果を発揮するとされるシステアミンの使用も検討されている。(例えば、特許文献4)
特開平08−291031号公報 特表2000−507272号公報 特表2003−528901号公報 特開平03−271214号公報
しかしながら、特許文献1に提案されたチオグリコール酸モノグリセロールエステルは液状であり、取り扱い性、臭気に関しては優れているが、その構造中の水酸基に由来すると推定される感作性の報告もあり実用には至っていない。
特許文献2に提案されたメルカプトカルボン酸アミドには、皮膚刺激性があることは既に知られており、また特許文献3に提案されたメルカプトカルボン酸アミド誘導体でも同様の感作性が懸念され、更には精製不足や保存中に遊離する原料アミンによる感作性、皮膚刺激性なども懸念されるという問題がある。
特許文献4に提案されたシステアミンは、弱酸性〜酸性でのウエーブ性能は十分ではなく、更には、パーマ処置後の頭髪が独特の臭気を有するなど課題が多い。
このように従来より提案されていたケラチン還元物質では、必ずしも所望のパーマネントウエーブ加工用薬剤は得られていないのが現状であった。
かかる問題を解決するものとして、本出願人は既に、式(1)等で示される環状メルカプト化合物をケラチン還元性物質として含むパーマネントウエーブ加工用薬剤を提案した。このパーマネントウエーブ加工用薬剤によれば、毛髪や皮膚への刺激が少ない中性から弱酸性のpH領域において、既知の化合物よりも高いウエーブ性能を有し、毛髪や皮膚に与える刺激を軽減しつつ毛髪に確実にウエーブ加工を施すことができる。
しかしながら、該環状メルカプト化合物の水溶液中での安定性は充分とはいえず、改善の余地があった。たとえば、該環状メルカプト化合物と水とを含む組成物を2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤として予め調製しておいた場合、該環状メルカプト化合物が経時的に分解し、薬剤中の環状メルカプト化合物濃度が経時的に減少する上、分解に伴い着色や沈殿などが生じて外観を損ない商品価値を低下させるという問題点がある。
このため、本発明は、上記水存在下における経時安定性の問題を回避するとともに、上述した特定の環状メルカプト化合物を含む2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を確実に調製することのできるセット剤の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、上記特定の環状メルカプト化合物を水と接触させずに、それぞれ別々の剤として容器に充填しておき、用事の際にこれらを混合して2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を調製するようにすれば、水存在下における環状メルカプト化合物の経時安定性の問題を回避できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[11]の事項を含む。
[1]下記式(1)で示される化合物を含有する還元剤含有薬剤と、水を含有する希釈用薬剤とから構成されることを特徴とする2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット;
Figure 0004583989
(Xは−O−、−S−、−NH−、−NR1−のいずれかの構造を示す。R1は炭素数1〜6のアルキル基を示す。R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは酸
素原子または硫黄原子を示す。Rはメルカプト基を有してもよい二価の有機残基を示す。)。
[2]前記還元剤含有薬剤が、前記式(1)で示される化合物に加えて、有機溶剤を含有することを特徴とする[1]に記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
[3]前記式(1)のXが、−O−、−NH−、−NCH3−または−S−であること
を特徴とする[1]または[2]に記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1
剤調製セット。
[4]前記式(1)のYが、酸素原子であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
[5]前記式(1)のRが、アルキレン基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
[6]前記式(1)のRが、一つ以上のメルカプト基を有するアルキレン基であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
[7]前記式(1)で示される化合物が、
2−メルカプト−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトンおよび2−メルカプト−6−ヘキサノラクタムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]または[2]に記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の還元剤含有薬剤と希釈用薬剤とを、毛髪に塗布する前に予め混合し、2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を得ることを特徴とする2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤の調製方法。
[9]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットを用いることを特徴とする毛髪のパーマネントウエーブ加工方法。
[10]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットと、酸化剤を含有する2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤とから構成されることを特徴とする2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セット。
[11]上記[10]に記載された2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セットを用いることを特徴とする毛髪のパーマネントウエーブ加工方法。
本発明の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットによれば、上記特定の環状メルカプト化合物を水と接触させずに、それぞれ別々の剤として容器に充填しておき、用事の際にこれらを混合して2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を調製できるため、水存在下における環状メルカプト化合物の経時安定性の問題を回避することができる。
さらに、本発明の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットの還元剤含有薬剤が、上記特定の環状メルカプト化合物に加えて、有機溶剤を含有する場合には、還元剤含有薬剤全体の表面張力が向上するため、該還元剤含有薬剤が充填されている容器の内壁に対する成分の付着防止が可能となり、仮に容器内壁に還元剤含有薬剤が付着しても、付着残留分中の環状メルカプト化合物量は有機溶剤によって希釈されていることから、該環状メルカプト化合物の残留量低下が可能なため、最終的に得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤における上記環状メルカプト化合物の濃度調整を容易かつ確実に行うことができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット>
本発明の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットは、下記式(1)で示される環状メルカプト化合物を含有する還元剤含有薬剤と、水を含有する希釈用薬剤とから構成されることを特徴としている。
≪還元剤含有薬剤≫
環状メルカプト化合物
本発明に用いられる還元剤含有薬剤には、少なくとも下記式(1)で示される環状メルカプト化合物が含まれている。
Figure 0004583989
上記式(1)中、Xは−O−、−S−、−NH−、−NR1−のいずれかの構造を示し
、R1は炭素数1〜6のアルキル基を示す。R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは酸素原子または硫黄原子を示す。Rはメルカプト基を有してもよい二価の有機残基を示す。
1としては、メチル基、エチル基が毛髪への浸透性向上の点で望ましい。さらに好ま
しくは、R1がメチル基である。
Xとしては、−O−、−NH−、−NCH3−または−S−であることが、後述する水
を含む希釈用薬剤に対する溶解度の点から好ましい。
式(1)において、Yは酸素原子または硫黄原子を示すが、酸素原子が工業的な原料入手や取り扱い性の点でより好ましい。
また、R2としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基などが例示され、な
かでも水素原子、メチル基、エチル基が好適である。
Rはメルカプト基(−SH)を有してもよい二価の有機残基を示す。Rは、二価の有機基であれば、特に限定されないが、アルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、主鎖の炭素数が2〜6のアルキレン基が好ましい。また、分岐および/または側鎖を有して
いてもよい。側鎖としては、アルキル基、アルケニル基などが挙げられる。
また、Rがメルカプト基を有する場合、当該メルカプト基は1つであっても複数個であっても良いが、1個または2個が好ましい。とくに二価の有機残基としてはアルキレン基にメルカプト基が結合しているものが好ましい。また、アルキレン基へメルカプト基が結合する位置に特に制限はない。メルカプト基は直接アルキレン基に結合していても、さらにアルキレン基などを介していてもよい(例えばメルカプトエチル基)。
中でも、好ましいRとしては、工業的入手のしやすさの点でエチレン基、プロピレン基が挙げられる。
式(1)で示される化合物の具体例としては、2−メルカプト−3−プロピオラクトン、2−メルカプト−2−メチル−3−プロピオラクトン、2−メルカプト−3−メチル−
3−プロピオラクトン、2−メルカプト−3−エチル−3−プロピオラクトン、2−メルカプト−2,3−ジメチル−3−プロピオラクトン、2−メルカプト−3−プロピオラクタム、2−メルカプト−2−メチル−3−プロピオラクタム、2−メルカプト−3−メチル−3−プロピオラクタム、2−メルカプト−3−エチル−3−プロピオラクタム、2−メルカプト−2,3−ジメチル−3−プロピオラクタム、2−メルカプト−3−プロピオチオラクトン、2−メルカプト−2−メチル−3−プロピオチオラクトン、2−メルカプト−3−メチル−3−プロピオチオラクトン、2−メルカプト−3−エチル−3−プロピオチオラクトン、2−メルカプト−2,3−ジメチル−3−プロピオチオラクトン、2−メルカプト−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−2−メチル−4,4−ジメチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−3−(2−プロペニル)−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−2−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−3−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−3,4−ジメチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−2−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−3−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−2−メチル−4−ブチロチオラクトン、
2−メルカプト−3−メチル−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−3,4−ジメチル−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−2−エチル−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−3−エチル−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−2−メチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−3−メチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−3,4−ジメチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−2−エチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−3−エチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−5−バレロラクトン、2−メルカプト−2−メチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−3−メチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−4−メチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−メチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−2−エチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−3−エチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−エチル−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−バレロラクタム、2−メルカプト−2−メチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−3−メチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−4−メチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−5−メチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−2−エチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−3−エチル−5−バレロラクタム、
2−メルカプト−4−エチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−5−エチル−5−バレロラクタム、2−メルカプト−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−2−メチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−3−メチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−4−メチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−5−メチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−2−エチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−3−エチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−4−エチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−5−エチル−5−バレロチオラクトン、2−メルカプト−6−ヘキサノラクトン、2−メルカプト−2−メチル−6−ヘキサノラクトン、2−メルカプト−3−メチル−6−ヘキサノラクトン、2−メルカプト−4−メチル−6−ヘキサノラクトン、2−メルカプト−5−メチル−6−ヘキサノラクトン、2−メルカプト−6−メチル−6−ヘキサノラクトン、2−メルカプト−6−ヘキサノラクタム、2−メルカプト−2−メチル−6−ヘキサノラクタム、2−メルカプト−3−メチル−6−ヘキサノラクタム、2−メルカプト−4−メチル−6−ヘキサノラクタム、2−メルカプト−5−メチル−6−ヘキサノラクタム、2−メルカプト−6−メチル−6−ヘキサノラ
クタム、2−メルカプト−6−ヘキサノチオラクトン、2−メルカプト−2−メチル−6−ヘキサノチオラクトン、2−メルカプト−3−メチル−6−ヘキサノチオラクトン、2−メルカプト−4−メチル−6−ヘキサノチオラクトン、2−メルカプト−5−メチル−6−ヘキサノチオラクトン、2−メルカプト−6−メチル−6−ヘキサノチオラクトン、2−メルカプト−7−ヘプタノラクトン、2−メルカプト−7−ヘプタノチオラクトン、2−メルカプト−7−ヘプタノラクタム、2−メルカプト−8−オクタノラクトン、2−メルカプト−8−オクタノチオラクトン、2−メルカプト−8−オクタノラクタム、2−メルカプト−9−ノナラクトン、2−メルカプト−9−ノナチオラクトン、2−メルカプト−9−ノナラクタム、および、これらラクタム類のN−メチルあるいはN−エチル誘導体などが挙げられる。
これらの中でも、2−メルカプト−4−ブチロラクトン(2−メルカプト−4−ブタノリド)、2−メルカプト−4−ブチロチオラクトン、2−メルカプト−4−ブチロラクタム、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−5−バレロラクトン、2−メルカプト−5−バレロラクタム、2−メルカプト−6−ヘキサノラクタムが、パーマ性能および工業的な製造の観点で好ましい。
これらの化合物は、既知の方法に準じて製造可能である。例えば、ラクトン化合物、ラクタム化合物をハロゲン化化合物としたのちにメルカプト基を導入することで合成できる。
具体的には、メルカプトラクトン及びメルカプトチオラクトンは、市販のラクトンあるいはチオラクトンを使用して、J.Am.Chem.Soc.1945,.67.2218−2220に記載された方法により合成したハロゲン体、あるいは市販で入手可能なハロゲン体を用いて、さらにAnn.1960,639.146−56に記載された方法に準じて反応させることでラクトン誘導体が合成できる。
メルカプトラクタム類は、J.Am.Chem.Soc.1958.80.6233−6237に記載された方法に準じて合成したハロゲン化合物を用いて、ラクトン類と同様にAnn.1960,639.146−56に記載された方法に準じて反応させることによりラクタム誘導体を合成できる。
このような環状メルカプト化合物を、ケラチン還元性物質として含有するパーマネントウエーブ加工用薬剤は、毛髪に影響を与えない低pHで作用するとともに、良好なウエーブ加工効果を発揮し、皮膚に対する影響も少ない。その理由は明確ではないものの、前記化合物の構造を有することで従来の還元剤よりも親油性が増し、毛髪への浸透性が向上すると共に、複素環を有していることによって該環状メルカプト化合物が酸化されやすく、特に、中性、弱酸性でより酸化されやすく、その結果、従来より使用されていたメルカプト化合物と異なり、アルカリ性にせずとも還元剤として機能を発揮すると思料される。
ただし、このような環状メルカプト化合物は、水との共存下では経時によって分解反応が生じやすい。
このため、本発明では、使用する間際まで、上記特定の環状メルカプト化合物を水と接触させずに、それぞれを別々の剤として別の容器に充填しておき、使用する際にこれらをはじめて接触させて混合し、2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を調製する。第1剤をこのような用事調製タイプの多剤型セットの形態とすることで、該環状メルカプト化合物と水との分解反応の発生時期を可能な限り遅延させ、環状メルカプト化合物の濃度の減少を抑制し、毛髪に対するウエーブ加工効果をより有効に発揮させることができる。
有機溶剤
前記還元剤含有薬剤には、前記式(1)で示される環状メルカプト化合物に加えて、さらに有機溶剤が含まれていることが好ましい。
前記環状メルカプト化合物は室温で油状の液体であり、単独でも還元剤含有薬剤として使用することができるが、水と比較して表面張力が低いため、これを単独で容器に充填した場合には、容器の内壁に対する濡れ性がよすぎて、後述の希釈用薬剤と混合するために容器から出したときに、容器内に付着残留分が見られることがある。容器内の付着残留分は、最終的に得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤中に配合することができないため、結果的に該第1剤中の上記環状メルカプト化合物の濃度が想定した値に届かず、本来の毛髪に対するウエーブ加工効果を発揮しきれないといった事態が生じるおそれがある。
この場合、容器内の付着残留分を後述する希釈用薬剤などで数回共洗いすることで取り出し、上記環状メルカプト化合物の必要量を第1剤中に配合することも可能であるが、操作が煩雑で簡便でないため、実用上は好ましくない。
これに対して、前記還元剤含有薬剤に、上記環状メルカプト化合物に加えて有機溶剤を配合した場合には、還元剤含有薬剤全体の表面張力が向上するため、該還元剤含有薬剤が充填されている容器の内壁に対する成分の付着防止が可能となり、仮に容器内壁に還元剤含有薬剤が付着しても、付着残留分中の環状メルカプト化合物量は有機溶剤によって希釈されていることから、該環状メルカプト化合物の残留量低下が可能なため、最終的に得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤における上記環状メルカプト化合物の濃度調整を容易かつ確実に行うことができる
このような有機溶剤としては、上記環状メルカプト化合物を溶解することができ、化粧料に用いることのできる有機溶剤が挙げられる。なかでも、実質的に水を含まない有機溶剤が好ましく用いられる。ここで、実質的に水を含まない有機溶剤とは、蒸留操作や乾燥剤による乾燥処理などを施すことによって、不可避的に含有される水分を可能な限り低減した有機溶剤を意味する。
具体的には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、イソペンチルジオール、フェノキシエタノール、ジプロピレングリコール、3−メトキシ−3−プロパノール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、エトキシエタノール、2−メチルピロリドン、4−ブチロラクトン、5−カプロラクトン、PEG400、ポリソルベート20、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、α−アミルシンナムアルデヒド、アーモンド油、イソオイゲノール、イソプロピルメチルフェノール、γ−ウンデカラクトン、オイゲノール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、カカオ油、ケイ皮アルコール、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸シンナミル、酢酸トコフェロール、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、シクロヘキサン、
シトロネロール、シトロネラール、スクワラン、ステアリルアルコール、ダイズ油、ツバキ油、デシルアルデヒド、トコフェロール、γ−ナノラクトン、流動パラフィン、ヒマシ油、酢酸ラノリン、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコ
ール、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ミリスチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル、イソオクタン酸セチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、オリーブエチレン酸エチル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、
イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、グリセリンモノオレイルエーテル、ヘキサメチルテトラコサン、ヘキサメチルテトラコサンヘキサエン、水添ポリデセン、環状シリコーン・ポリメチルシロキサン・架橋型メチルポリシロキサンの混合物、ヒマシ油・コハク酸・イソステアリン酸縮合物、ヒマシ油・コハク酸・イソステアリン酸の縮合物と非イオン性界面活性剤の混合物、ヒマシ油・コハク酸・イソステアリン酸・カチオン性界面活性剤の縮合物、ヒマシ油・コハク酸・イソステアリン酸・カチオン性界面活性剤の縮合物と非イオン性界面活性剤の混合物、水添レシチン、水酸化レシチンの50%グリセリン溶液、水添レゾルシン、モノウンデシレン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ポリリシノレイン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカマカデミアナッツ油脂肪酸デカグリセリル、ポリリシノレイン酸デカグリセリル、モノオレイン酸POE(5)グリセリル(以下、ポリオキシエチレンをPOEとも記す。)、モノオレイン酸POE(15)グリセリル、モノラウリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノイソステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビット、POEラノリン、POE(5)ラノリンアルコール、
POE(10)ラノリンアルコール、POE(20)ラノリンアルコール、POE(3)ヒマシ油、POE(10)ヒマシ油、POE(20)ヒマシ油、POE(40)ヒマシ油、POE(50)ヒマシ油、POE(60)ヒマシ油、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(2)ラウリルエーテル、POE(4.2)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(5,5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエ
ーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(2)アルキルエーテル、POE(4)アルキルエーテル、
POE(10)アルキルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル(以下、ポリオキシプロピレンをPOPとも記す。)、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(1)POP(8)セチルエーテル、ジPOE(8)オレイルエーテルリン酸ナトリウム、ジPOE(2)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(4)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(6)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(8)アルキルエーテルリン酸、ジPOE(10)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(4)ラウリルエーテルリン酸、トリPOE(5)セチルエーテルリン酸、トリオレイルリン酸、トリPOE(2)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(6)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(8)アルキルエーテルリン酸、トリPOE(10)アルキルエーテルリン酸、POE(5)オレイン酸アミド、モノラウリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(6E.O.)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、1,1‘−メチレンビス(4−イソシアナトシクロヘキサン)ポリプロピレングリコール共重合体、オレイルサルコシン、POE(4)ラウリルエーテル酢酸、POE(10)ラウリルエーテル酢酸、POE(3)トリデシルエーテル酢酸、POE(7)トリデシルエーテル酢酸、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうちでは、後述する希釈用薬剤と混合してパーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を用事に調製する際に希釈用薬剤に溶解し易い点から2−メチルピロリドン、4−ブチロラクトン、プロピレングリコール、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(5)オレイン酸アミド、メチルポリシロキサンが好ましい。
該有機溶剤は、有機溶剤と前記環状メルカプト化合物との合計量を100質量%としたときに、好ましくは25〜95質量%、より好ましくは40〜90質量%の量で前記還元剤含有薬剤に含まれている。上記環状メルカプト化合物に加えて有機溶剤がこのような量で含まれていると、還元剤含有薬剤全体の表面張力が向上し、該還元剤含有薬剤が充填されている容器の内壁に対する成分の付着や残留を防止できる。
前記還元剤含有薬剤は、上述したように、少なくとも前記式(1)で示される環状メルカプト化合物、好ましくは該環状メルカプト化合物と前記有機溶剤とを含んでなるが、前者の場合には該環状メルカプト化合物を直接原液のまま容器に充填すればよく、後者の場合には、通常公知の方法で撹拌、混合、溶解、加熱等を適宜行って組成物を調製した後で容器に充填してもよく、充填する容器内で充填と同時あるいは充填後に組成物の調製を行ってもよい。
還元剤含有薬剤の容器への充填量は、後述する希釈用薬剤の使用量に応じて、還元剤含有薬剤と希釈用薬剤とを混合して得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤中の上記環状メルカプト化合物濃度が所望の範囲となるように予め計算して調整することが好ましい。
具体的には、2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤中に、上記式(1)で表される環状メルカプト化合物がチオグリコール酸還元力換算で、好ましくは0.2〜30%、より好ましくは1〜15%となる量で含まれるように、後述する希釈用薬剤の使用量
を考慮して、還元剤含有薬剤中の上記環状メルカプト化合物の濃度や還元剤含有薬剤の使用量を調整することが好ましい。上記環状メルカプト化合物の濃度がこの範囲にあれば、毛髪や皮膚へのダメージなく、ウエーブ効率を高く保持することができる。
チオグリコール酸還元力換算で0.2%未満では、パーマネントウエーブ加工用薬剤としての性能が全くでない場合がある。一方、30%を越えると、黒髪で代表されるモンゴロイド系人種の毛髪では極端な縮毛、キューティクルの部分剥離が促進されることで毛髪ダメージが大きくなることがある。
なお、チオグリコール酸還元力換算とは、医薬部外品に関するパーマネントウエーブ用剤品質規格で施術ごとに定められたケラチン還元性物質濃度の表記法であり、下記の方法(I)〜(III)に準じて測定された濃度である。
チオグリコール酸還元力換算
(I)試料10mLを100mLのメスフラスコに取り、化粧品原料基準に適合する精製水(以下、単に「水」と記載する。)を加えて全量を100mLとし、これを試験溶液とする。
(II)試験溶液20mLを正確に取り、水50mLおよび30%硫酸5mLを加え、穏やかに加熱し、5分間煮沸する。冷却後、0.1Nヨウ素液で滴定し、その消費量をAmLとする(指示薬:デンプン試液 3mL)。
(III)得られた滴定結果を下式によりチオグリコール酸換算の含有率として算出する

還元物質の含有率(チオグリコール酸として)(%)=0.4606×A
なお、化粧品分類のパーマネントウエーブ用剤(カーリング剤)は、パーマネントウエーブ工業会で自主規制値を設定しており、同様の測定方法により使用量が規定されている。
≪希釈用薬剤≫
本発明に用いられる希釈用薬剤には、少なくとも水が含まれている。水は、溶剤としての汎用性、取り扱いの容易さから好ましく用いられる。希釈用薬剤に用いることのできる水としては、とくに限定されないが、イオン交換水、蒸留水、精製水などの精製工程を経たものが好ましい。
水は、希釈用薬剤100質量%中に、通常30〜100質量%、好ましくは65〜98質量%の量で含まれるように用いることができる。
前記希釈用薬剤には、水に加えて、その他の成分として、本発明の効果を損なわない範囲内の量で、pH調整剤、膨潤剤、浸透促進剤、界面活性剤、緩衝剤、油剤、増粘剤、毛髪保護剤、湿潤剤、乳化剤、香料、染料、安定化剤、臭気マスキング剤、紫外線吸収剤などを用いることができる。
pH調整剤としては、塩酸、リン酸などの無機酸、あるいはリン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機酸塩;クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、シュウ酸などの有機酸、あるいはそのナトリウム塩;アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ剤が挙げられる。
pH調整剤は、希釈用薬剤と上述した還元剤含有薬剤とを混合して、2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を得た場合に、この第1剤全体のpHを所望の範囲に調整
できるような量で、希釈用薬剤に配合することが望ましい。
なお、この第1剤のpHについては特に制限は無く、pH9程度のアルカリ性でも良いが、好ましくはpH2.5〜8.7、更に好ましくはpH3.5〜8.0、もっとも好ましくはpH4.0〜7.5の範囲であることが望ましい。なお、この2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤はアルカリ性であっても効果があるものの、中性、弱酸性になるほどその効果が大きくなる。
膨潤剤、浸透促進剤としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メトキシ−3−プロパノール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、エチルカルビトール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、尿素、ベンジルアミン、2−メチルピロリドンなどが挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両イオン性、非イオン性のいずれであってもよく、また、シリコーン系界面活性剤であっても、バイオサーファクタントであってもよい。このような界面活性剤としては公知のものが例示される。
たとえば、アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、ジソジウムアルキルアミドエチルスルホコハク酸エステル、α−スルホン化脂肪族アルキルエステル塩、ナトリウムN-メチル-N-オレ
イルタウリン、ソジウムアルキルイセチネート、石油スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルメチルカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物などが例示される。
また、非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸モノ(ジ)エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ひまし油、脂肪酸ジエテノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第1〜3級脂肪アミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォリニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミドの尿素縮合物の塩、ポリエチレンポリアミン脂肪アミドの尿素縮合物の第4級アンモニウム塩などのハロゲン化物、オキソ酸塩、脂肪酸塩などが例示される。
両イオン性界面活性剤としては、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチル
アンモニオベタイン、N,N,N−トリメチル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N',N'−ジメチル−N'−β−ヒドロキシプロピレンアンモニオスルホベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニオベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリウニウム
ベタインなどが例示される。
シリコーン系界面活性剤としては、アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコンコポリマー、アモジメチコンなどのアミノ変性シリコン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコンコポリオール(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体)などが挙げられる。
バイオサーファクタントとしては、サーファクチンのナトリウム塩が挙げられる。サーファクチンとは7分子のアミノ酸からなる環状ペプチドの親水性部位と、長い脂肪酸残基による疎水性部位とで構成され、環の両端には二個のカルボキシル基があり、全体として2価のアニオンチャージを持つ。環状ペプチドは2分子のD−ロイシンを含み、L−ロイシンがL−バリンまたはL−イソロイシンに置換されていてもよい。また脂肪酸には鎖長と分岐位置は適宜選択される。
緩衝剤としては、無機緩衝剤のほか、アルギニン、リジンなどの塩基性アミノ酸を含む緩衝剤が挙げられる。
油剤としては、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、エステル油、トリグリセリド、ワセリン、ラノリンなどが挙げられる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、ペクチン、トラガントガム、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコール、カオリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシル酸、イソステアリン酸などの脂肪酸、ワセリンなどが挙げられる。
毛髪保護成分としては、コラーゲンやケラチンなどの加水分解物およびその誘導体などが挙げられる。
湿潤剤あるいは乳化剤としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトール、植物抽出エキス、ビタミン類、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸塩、カチオン性、アニオン性、両性、非イオン性の界面活性剤やポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテルなどのエーテル型非イオン界面活性剤、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルなどのシリコーン誘導体などが挙げられる。
安定剤としては、過剰還元防止を目的として、還元化合物のジスルフィド体のほか、ジチオジグリコール酸などがあげられる。
その他の添加剤としては、キレート剤として、エデト酸およびその金属塩、グルタミン酸4酢酸およびその金属塩、アスパラギン酸4酢酸およびその金属塩、プロピルジアミン4酢酸およびその金属塩などが挙げられる。
さらに、前記希釈用薬剤には、本発明の効果を損なわない範囲内の量で、従来から知られているケラチン還元物質、たとえば亜硫酸塩や亜硫酸水素塩のほか、チオグリコール酸およびそのモノグリセロールエステル、チオ乳酸、システイン、アセチルシステイン、システアミン、アシルシステアミンおよびそれらの塩類を併用してもよい。
<2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤の調製方法>
本発明の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤の調製方法は、上述した還元剤含有薬剤と希釈用薬剤とを、毛髪に塗布する前に予め混合し、2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を得ることを特徴としている。
すなわち、上記特定の環状メルカプト化合物を含む還元剤含有薬剤と、水を含む希釈用薬剤とを使用間際まで接触させず、それぞれ別々の剤として容器に充填しておき、用事の際にこれらを混合して2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を得るものである。
前記還元剤含有薬剤と、希釈用薬剤との混合比率は、還元剤含有薬剤中に含まれる上記環状メルカプト化合物の量に応じて適宜調整することが好ましい。
たとえば、最終的に得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤中に、上記式(1)で表される環状メルカプト化合物がチオグリコール酸還元力換算で2%含まれるようにするには、前記環状メルカプト化合物を50質量%含む還元剤含有薬剤5.2g(前記環状メルカプト化合物2.6g含有)に対して、希釈用薬剤94.8gを混合すればよい。なお、混合の順序、条件および方法はとくに限定されないが、使用者の便宜を図る点からは、1回の調製で還元剤含有薬剤および希釈用薬剤の全量を使いきる方式にして、各剤の全量を単に混合すればよい形態とすること望ましい。
得られた2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤は、その形態にとくに制限はなく、例えば、液状、泡状、ゲル状、クリーム状、ペーストなどの形態であってもよい。そして、その形態によって液タイプ、スプレータイプ、エアゾールタイプ、クリームタイプ、ゲルタイプ等、種々のタイプの薬剤として使用できる。
該2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤は、上記した環状メルカプト化合物を含んでいるので、皮膚への刺激が少ない中性から弱酸性のpH領域において、毛髪のパーマネントウエーブ加工性能に優れている。
<2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セット、毛髪のパーマネントウエーブ加工方法>
本発明の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セットは、上述した還元剤含有薬剤と希釈用薬剤とから構成される2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットと、酸化剤を含有する2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤とから構成されることを特徴としている。
酸化剤を含有する2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤としては、公知のものが挙げられる。具体的には、たとえば、一般的に使用される臭素酸ナトリウムの3〜8質量%程度の水溶液や過酸化水素、過ホウ酸ナトリウムなどの希釈液が使用できる。
本発明の毛髪のパーマネントウエーブ加工方法は、上述した2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セットを使用するものである限り、特に限定されるものではないが、例えば、毛髪に対するパーマネントウエーブ処理の方法としては、下記(1)〜(4)の工程を有する方法が挙げられる。なお、パーマネントウエーブ処理とは、パーマネントウエーブ形成処理、パーマネントウエーブ処理によるウエーブのばし処理および縮毛矯正処理を含めたものをいう。
(1)前記2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を調製し、毛髪に湿潤し、毛髪に型付けをするためのロッドで巻き込む。なお、縮毛矯正の際には、ロッドを使用しない。また、水巻などで毛髪を固定してから該第1剤を湿潤しても良い。
(2)薬剤を湿潤した後、室温にて放置する。その際、30℃から40℃程度の温度に加温することが好ましい。
(3)酸化剤を含有する2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤によって環状メ
ルカプト化合物を酸化し、毛髪を固定する。
(4)固定した毛髪からロッドを取り外し、毛髪を洗浄、シャンプー処理をし、乾燥する。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
2−メルカプト−4−ブチロラクトンの製造
70%水硫化ナトリウム(49g、0.6mmol、純正化学株式会社製)をメチルアルコール(500g、純正化学社製、特級)と精製水(蒸留後にイオン交換フィルターを通した水、500g)に溶解した。溶解した液を撹拌しながら氷冷下にて10℃以下まで冷却した。冷却した溶液に2−ブロモ−4−ブチロラクトン(100g、0.6mol、東京化成株式会社製)を約30分かけて滴下した。滴下完了後の液を10分間撹拌した後に、反応液を減圧下で約半量となるまで濃縮した。濃縮した液に、酢酸エチル(500mL、純正化学社製、特級)を加えて抽出した。得られた水相を酢酸エチル(500mL)で再抽出した。これらの抽出した有機相を合わせて、減圧下に濃縮、蒸留精製することで2−メルカプト−4−ブチロラクトン(23g、bp.94℃/0.3kPa、収率32%)を得た。
[参考例1]
還元剤含有薬剤の有効成分残留率評価テスト
2−メルカプト−4−ブチロラクトン(以下、略してMBLともいう。)2.6gと表1に記載の有機溶剤2.6gを混合し、還元剤含有薬剤を得た。得られた還元剤含有薬剤を容器重量の明らかな7mLポリエチレン製のフタ付き容器(開成工業社製、SK−7)に充填した後、該容器のフタを開け、逆さまの状態で30秒間放置して内容物をビーカーに移した。
次いで、空となった容器重量(テスト後容器重量)を測定し、この測定値と充填前の容器重量(テスト前容器重量)とから下記の式にて、2−メルカプト−4−ブチロラクトンの残留率を算出した。算出結果を表1に示す。
残留率(%)=[(テスト後容器重量−テスト前容器重量)×0.5]÷2.6×100
[参考例2]
還元剤含有薬剤の有効成分残留率評価テスト
還元剤含有薬剤として、2−メルカプト−4−ブチロラクトンを用い、2.6gを容器重量の明らかな5mLポリエチレン製のフタ付き容器(開成工業社製、SK−5)に充填した後、該容器のフタを開け、逆さまの状態で1分間放置して内容物をビーカーに移した。
次いで、空となった容器重量(テスト後容器重量)を測定し、この測定値と充填前の容器重量(テスト前容器重量)とから下記の式にて、2−メルカプト−4−ブチロラクトンの残留率を算出したところ、13%であった。
残留率(%)=[(テスト後容器重量−テスト前容器重量)]÷2.6×100
Figure 0004583989
表1より、還元剤含有薬剤としてMBLを原液で用いた場合(参考例2)と比較して、MBLと有機溶剤とを含む還元剤含有薬剤を用いた場合(参考例1)には、容器内に残留する有効成分(MBL)の量が減少していることがわかる。したがって、後者の方が、取り扱いがより容易であり、最終的に得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤におけるMBLの濃度調整を容易かつ確実に行うことができる。
[実施例1〜7]
下記パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤および下記パーマネントウエーブ加工用
薬剤の第2剤を用いてパーマネントウエーブ処理を行いパーマ性能への影響を確認した。パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤の調製
A液(還元剤含有薬剤):10mLのポリエチレン製フタ付き容器に2−メルカプト−4−ブチロラクトン2.6gと表2に記載の有機溶剤2.6gとを入れて混合した溶液。
B液(希釈用薬剤):100mLのポリエチレン製フタ付き容器に精製水(蒸留後にイオン交換フィルターを通した水)88.8g、プロピレングリコール3g、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル2g、リン酸二水素ナトリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム0.8gを加えて均一となるように混合した溶液。
A液の容器のフタを開け、逆さまの状態で30秒間放置して内容物をB液の入った容器に移した。次いで容器のフタを閉め、A液とB液との混合液が均一となるように30秒間振り混ぜ、パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を得た。
なお、このようにして得られた第1剤中の2-メルカプト-4-ブチロラクトンの含有量
は、チオグリコール酸還元力換算で2%に相当する。また、この第1剤のpHを表2に示す。
パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤の調製
臭素酸ナトリウム5g、および精製水95gを混合してパーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤を得た。
パーマネントウエーブ処理
ウエーブ効率は、フレグランスジャーナル臨時増刊(1984年、No.5、442ページ)記載の方法に従い、キルビー法により評価した。
まず、中国人毛髪(長さ約20cm)をキルビーの器具に固定した。33℃に加温した上記パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤に固定した毛髪を20分間浸した。その処理後に第1剤から取り出した毛髪から液が滴らない程度に軽く拭き取りとった。この毛髪に上記パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤を湿潤させて、25℃で10分間放置した。第2剤による上記処理が完了した後に、流水を用いて毛髪を洗浄し、キルビーの器具から毛髪を外した後、毛髪を乾燥した。このようにして得られた乾燥毛髪の採寸を行い、下記ウエーブ効率計算式によりウエーブ効率を算出した。結果を表2に示す。
ウエーブ効率(%)=100−[100×(B−A)]÷(C−A)
A:キルビー器具の1番目と6番目の棒の間隔(棒の中心点を実測)(mm)
B:カールした毛髪の6山の長さ(mm)
C:カールした毛髪を直線に伸ばした時の6山分の長さ(mm)
[実施例8]
A液として、2−メルカプト−4−ブチロラクトンを原液で使用した以外は、実施例1〜7と同様にパーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を調製した。
なお、このようにして得られた第1剤中の2-メルカプト-4-ブチロラクトンの含有量
は、チオグリコール酸還元力換算で2%に相当する。
また、この第1剤のpHは5.9であった。
次いで、得られたパーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を用いたほかは、実施例1〜7と同様にして、パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤を調製し、同様にパーマネントウエーブ処理を行い、ウエーブ効率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0004583989
表2より、還元剤含有薬剤としてMBLを原液で用いた場合(実施例8)と比較して、MBLと有機溶剤とを含む還元剤含有薬剤を用いた場合(実施例1〜7)の方が、ウエーブ効率がより優れていることが分かる。これは、還元剤含有薬剤に含まれる有効成分の容器内残留量が後者の方が少ないため、最終的に得られる2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤におけるMBLの濃度調整をより確実に行うことができるためと考えられる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で示される化合物を含有する還元剤含有薬剤と、水を含有する希釈用薬剤とから構成されることを特徴とする2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット;
    Figure 0004583989
    (Xは−O−、−S−、−NH−、−NR1−のいずれかの構造を示す。R1は炭素数1〜6のアルキル基を示す。R2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。Yは酸素原子または硫黄原子を示す。Rはメルカプト基を有してもよいアルキレン基を示す。)。
  2. 前記還元剤含有薬剤が、前記式(1)で示される化合物に加えて、有機溶剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
  3. 前記式(1)のXが、−O−、−NH−、−NCH3−または−S−であることを特徴とする請求項1または2に記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
  4. 前記式(1)のYが、酸素原子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
  5. 前記式(1)のRが、一つ以上のメルカプト基を有するアルキレン基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
  6. 前記式(1)で示される化合物が、
    2−メルカプト−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−メチル−4−ブチロラクトン、2−メルカプト−4−エチル−4−ブチロラクトンおよび2−メルカプト−6−ヘキサノラクタムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セット。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の還元剤含有薬剤と希釈用薬剤とを、毛髪に塗布する前に予め混合し、2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤を得ることを特徴とする2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤の調製方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットを用いることを特徴とする毛髪のパーマネントウエーブ加工方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第1剤調製セットと、酸化剤を含有する2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の第2剤とから構成されることを特徴とする2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セット。
  10. 請求項に記載された2剤式パーマネントウエーブ加工用薬剤の調製セットを用いることを特徴とする毛髪のパーマネントウエーブ加工方法。
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