JP4583638B2 - アセチルリジン認識モノクローナル抗体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なモノクローナル抗体及びその製造方法に関する。詳しくは、隣接のアミノ酸の種類に依存せずに蛋白質中のNε-アセチルリジン残基を認識し得るモノクローナル抗体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年真核生物の遺伝子発現制御においてコアヒストンのN末端領域のリジン残基のNε-アセチル化が重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。そのアセチル化を担う酵素であるヒストンアセチルトランスフェラーゼ及び脱アセチル化を担う酵素であるヒストンデアセチラーゼは1996年に初めてクローニングされたが、その後同活性を有する分子が複数見出されてきている。また、近年ではヒストン以外にp53、TCF、HMG−1等種々の非ヒストン蛋白質がアセチル化を受けることが明らかにされてきており、アセチル化はリン酸化に匹敵する広範な役割を果たす翻訳後修飾である可能性が指摘されるようになった。
上記の様な未知の新規アセチル化蛋白質を検索するためにはNε-アセチルリジン残基を特異的にかつ隣接アミノ酸のいかんを問わず認識するプローブ分子が有用であることは論を待たない。その様な目的に最もかなった分子としては抗体が考えられるが、これまでに隣接アミノ酸の種類によらず様々な状況下のアセチルリジンを認識できる抗体はほとんど報告されていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した如き現状に鑑みなされたもので、隣接のアミノ酸の種類に特に依存せず広範囲の隣接アミノ酸を許容し得る、Nε−アセチルリジン認識抗アセチルリジンモノクローナル抗体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、広範囲の隣接アミノ酸を許容する抗アセチルリジンモノクローナル抗体を作製することに成功した。また、作製したモノクローナル抗体の可変領域のcDNA配列を決定することにより、作製した抗体が互いに類似した構造上の特徴を有していることを明らかにし、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、Nε−アセチルリジンを認識するモノクローナル抗体に関する。詳しくは、蛋白質中のNε−アセチルリジンを認識するに際し、隣接のアミノ酸の種類に特に依存せず広範囲の隣接アミノ酸を許容し得る、該モノクローナル抗体に関する。
【0006】
更に詳しくは、(1)軽鎖が、不変領域が配列番号:1に記載されたアミノ酸配列からなり、可変領域が配列番号:2に記載されたアミノ酸配列又は該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるものであって、且つ、(2)重鎖が、不変領域が配列番号:3に記載されたアミノ酸配列からなり、可変領域が配列番号:4に記載されたアミノ酸配列又は該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、該モノクローナル抗体に関する。
【0007】
また、本発明は、化学的にアセチル化した蛋白質を抗原として用いることを特徴とする該モノクローナル抗体の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のモノクローナル抗体において、軽鎖の可変領域が、配列番号:2に記載されたアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるものとしては、例えば、配列番号:5、配列番号:6又は配列番号:7等に記載のアミノ酸配列を有するものが挙げられる。
また、本発明のモノクローナル抗体において、重鎖の可変領域が、配列番号:4に記載されたアミノ酸配列おいて1若しくは数個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるものとしては、例えば、配列番号:8に記載のアミノ酸配列を有するもの等が、1若しくは数個のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列からなるものとしては、例えば、配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有するもの等が、また、1若しくは数個のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列からなるものとしては、例えば、配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有するもの等が、それぞれ挙げられる。
【0009】
本発明のモノクローナル抗体は、Nε−アセチルリジンを認識する抗体であって、且つ、蛋白質中に存在するNε−アセチルリジン残基を認識する際に、隣接のアミノ酸の種類に特に依存せず、広範な隣接アミノ酸を許容するという性質を有するが、これらの抗体はアセチルリジンを含有する様々な分子を抗原に用いることにより製造することができる。特に優れた性質の抗体は、複数のリジン残基を持つ蛋白質を化学的にアセチル化したものを抗原として用いる作製方法によりもたらされる。
本発明の抗体は、例えばアセチルリジンを含む合成ペプチドをムラサキカサガイヘモシアニン等のキャリアー蛋白質に結合させたもの、あるいは複数のリジン残基を化学的にアセチル化した蛋白質、例えば無水酢酸でアセチル化したムラサキカサガイヘモシアニンを抗原として用いて動物、例えばマウスを免疫し、得られた抗体産生細胞、例えば脾臓細胞を、例えばミエローマ細胞と融合させることによって不死化することにより得られる抗体産生不死化細胞により産生される。
上記抗原分子の内、分子中に複数のリジン残基を含む蛋白質を化学的にアセチル化したものを用いる方法は単一のリジン残基を含むペプチドを抗原とした方法よりもより好ましい。従って、優れた抗体を得るために多種類のアセチルリジン含有ペプチドの混合物を用いることが好ましいことは容易に想像できる。
【0010】
また、別の方法として、例えばファージにディスプレーされた抗体ライブラリーを抗原とのアフィニティーによりスクリーニングする様な方法により抗体産生細胞を得ることもできる。
この様な抗体産生不死化細胞を得るためには従来から使用されているモノクローナル抗体産生技術及び将来開発される新たなモノクローナル抗体産生技術をともに全て利用出来る。
【0011】
抗体産生細胞のスクリーニングは複数のリジン残基をアセチル化した抗原とは異なる蛋白質、例えばアセチル化ウシ血清アルブミンや種々の隣接アミノ酸を有するアセチルリジン含有ペプチドを用いて、なるべく多くの隣接アミノ酸を許容する抗体を産生するクローンを選別することにより行うことができる。また、産生された抗体分子は、アセチルリジンを固相化したアフィニティーカラムや、プロテインAを用いたアフィニティーカラムにより精製できる。
産生された抗体が本発明の抗体であるかどうかは、抗体産生不死化細胞の抗体遺伝子の可変領域のDNA配列を解析し、それを蛋白質に翻訳した際の配列的特徴が上記配列に高度に類似するかどうかで判断できる。
【0012】
また、本発明は前記してきた本発明のNε−アセチルリジンを認識するモノクローナル抗体をコードする遺伝子、好ましくはDNAを提供するものでもある。本発明のDNAの例を配列表の配列番号11〜18に示す。配列番号の11〜14は軽鎖に関するものであり、配列番号15〜18は重鎖に関するものである。本発明のDNAはこれらの相補鎖又はこれらの塩基配列にストリージェントな条件下でハイブリダイズし得る塩基配列を包含している。
本発明のモノクローナル抗体は、感作動物としてマウス、ラット、ウサギ、イヌなどの各種の哺乳動物や、ニワトリなどの鳥類などを使用することもできる。また、本発明のモノクローナル抗体の可変領域及び/又は超可変領域をもちいてキメラ抗体やヒト型抗体にすることもできる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0014】
実施例1.抗Nε−アセチルリジンモノクローナル抗体の作製
表1に記載の三種類の免疫用抗原及びスクリーニング用抗原の組み合わせで抗Nε−アセチルリジンモノクローナル抗体の作製を行った。なお、ウシ血清アルブミン及びムラサキカサガイヘモシアニンのアセチル化は、無水酢酸を用いて以下の方法で行った。10mgの蛋白質を1mlのホウ酸緩衝液(20mM Na2B4O7,pH9.3)に溶解し、氷冷下、250μmolの無水酢酸(約22.6μl)と500μlの1M NaOHを加え、30分間時々かき混ぜながらインキュベートした。反応終了後、G−25ゲルろ過(PD−10,ファルマシア社)を用いて溶媒交換して、アセチル化蛋白質のリン酸緩衝液(PBS)溶液を得た。
【0015】
【表1】
【0016】
免疫はBalb/cマウスのメスにて行い、一週間ごとに3回、一回目はフロインド完全アジュバントを、二回目及び三回目はフロインド不完全アジュバントを用いて、背部皮下に行った。免疫量は0.1mg/マウスである。
免疫が成立したマウスから、常法を用いて抗アセチルリジンモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマのクローニングを行った。その結果、ケース1からクローン−1、ケース2からクローン−2、ケース3からクローン−3及びクローン−4の計4クローンをそれぞれ樹立できた。ELISAプレート(岩城硝子、AquaBind plate)にC末システインを介して共有結合した種々のアセチルリジン含有ペプチドを用いて、それらに対する反応性を比較した結果を図1に示した。図1中、Aはクローン−1、Bはクローン−2、Cはクローン−3、Dはクローン−4の結果をそれぞれ示す。各グラフの右には吸光度0.5を与える時の各抗体の濃度を記してある。なお、図中使用されたペプチドの一覧は以下の表2に示すとおりである。図1に示されるように、クローン−1〜−4のいずれの抗体も様々な隣接アミノ酸が存在する条件下でアセチルリジンに対して結合反応性を示すことが判った。この実験からは、特にクローン−2〜−4の三つが今回調べたペプチドのいずれともほぼ同程度の反応性を示し、隣接アミノ酸を広く許容することが明らかになった。
また、抗体のアイソタイプを決定した結果、いずれもIgG1κであることを確認した。
【0017】
【表2】
【0018】
実施例2.ウエスタンブロッティング法によるアセチル化蛋白質の検出
B16/BL6、MOLT−4F、HeLa−S3、COS-1、及びCOS-7の5種の細胞を1μMのヒストンデアセチラーゼ阻害剤CHAP31で24時間処理した後、細胞ライセートを調製し、電気泳動で展開後、上記4種の抗体を一次抗体として使用して、アセチル化蛋白質の検出を実施した。結果を図2に示す。図2中、A、B、C、Dはそれぞれ、クローン−1、クローン−2、クローン−3、及びクローン−4抗体を用いて検出を行った結果を示す。ウエスタンブロッティングに用いた一次抗体の濃度は、それぞれ、107、65.7、258、及び158ng/mlであり、いずれもアセチル化ウシ血清アルブミンを固相化したELISAにおいて同じ反応性(A492=1)を与える濃度である。各細胞を1μMのCHAP31で24時間処理した後の細胞(+)または無処理の細胞(−)から総細胞ライセートを調製した。各レーンには20μgの蛋白質を乗せた。用いた5種の細胞は1:B16/BL6、2:MOLT−4F、3:HeLa−S3、4:COS-1、及び5:COS-7である。
図2に示されるように、実施例1のケース1で作製したクローン−1抗体はCHAP31で亢進したヒストンのアセチル化以外検出出来ず、またケース2で作製したクローン−2はヒストン以外に数個の蛋白を検出できるがそれ以外に対する反応性は不十分であったのに対して、ケース3で作製したクローン−3及びクローン−4抗体はMOLT−4F、COS-1、及びCOS-7細胞においてヒストン以外に、50kDa付近の位置のアセチル化蛋白質を強く検出し、更に、MOLT−4F細胞では20kDa付近及び高分子部分の複数の蛋白質を、COS-7細胞では更に多くのアセチル化蛋白質を検出出来ることが分かった。この検討により、ウエスタンブロッティング法によるアセチル化非ヒストン蛋白質の検出には、アセチル化ムラサキカサガイヘモシアニンを抗原として用いたクローン−3及び−4が特に優れていることが確認された。即ち、アセチルリジンの隣接アミノ酸をより広く許容する抗体を作製するためには、アセチル化ムラサキカサガイヘモシアニンに代表される、蛋白質内の複数のリジン残基がアセチル化された分子を抗原として用いることが優れていることが判った。
【0019】
実施例3.Nε−アセチルリジンに対する特異性の確認
作製した抗体がNε−アセチル化リジンに特異的に反応していることを確かめるために、ELISAプレートにアセチル化ウシ血清アルブミンを固相化し、各抗体のELISA反応性がNε−アセチルリジン及びNα−アセチルリジンで競合されるかどうかを調べた。即ち、1μg/mlのアセチル化ウシ血清アルブミンのリン酸緩衝液(50μl)溶液で一晩4℃で固相化したELISAプレートを用いて、各抗体1μg/mlを反応させる条件でNε−アセチルリジン及びNα−アセチルリジンによる阻害を調べた。結果を図3に示す。図3中、●、▲、■及び◆は、Nε−アセチルリジンによる阻害を、また、○、△、□及び◇は、Nα−アセチルリジンによる阻害を調べた結果をそれぞれ示す。また、●及び○はクローン−1を用いた場合の結果を、▲及び△はクローン−2を用いた場合の結果を、■及び□はクローン−3を用いた場合の結果を、◆及び◇はクローン−4を用いた場合の結果をそれぞれ示す。
図3から明らかなように、クローン−1〜−4のいずれの抗体の反応もNε−アセチルリジンによっては競合され反応性が低下したが、Nα−アセチルリジンでは競合されず、これらの抗体がNε−アセチルリジンに特異的に反応していることが明らかになった。
【0020】
実施例4.各抗体の可変領域のcDNA及びアミノ酸配列決定
どの様な可変領域のアミノ酸配列がAKL3H6及びAKL5C1抗体の上記実施例に示されたような優れた性質を担っているのかを明らかにするために、ハイブリドーマより各抗体のL鎖及びH鎖の可変領域のDNAをクローニングし、その配列を決定した。クローニングは、まずハイブリドーマからQIAGEN社のRNeasy Mini Kitを用いてRNAを単離した後、random−9merをテンプレートとして用いSawady TechnologyのTrueScript II RTを用いて逆転写反応を実施し、更に、5'−プライマーとしてNovagen社のmixプライマーを、3'−プライマーとして、軽鎖に関しては、5'−ACTGTTCAGGACGCCATTTTGTCGTTCACT−3’、重鎖に関しては、5'−GGATCCAGAGTTCCAGGTCACTGT−3’をプライマーとして用いてSawady Technology社のSuperTaq 2x kitによるPCR法により可変領域cDNAを増幅することにより行った。得られたDNA断片はNovagen社のpT7 Blue T−VectorにTaKaRaのDNA Ligation kit ver.2を用いてライゲートし、それを用いて宝酒造のJM109コンピテントセルをトランスフォームし、X−gal、アンピシリン、IPTG含有プレートに播種後、白いコロニーをピックアップした。正常なサイズのインサートを含むクローン各5種よりプラスミドを調製後、ABI PRISM 310型自動シーケンサーを用いてDNA配列を決定した。決定した配列は一部にPCRエラーによると思われる変異が認められた以外は5クローンとも同じ配列を示したので、その配列をもって目的のDNA配列とした。結果を配列番号:11〜配列番号:18に示す。
また、上記のごとく決定したDNA配列を元にしてL鎖及びH鎖のアミノ酸配列を推定した結果を配列番号:19〜配列番号:26に示す。
また、図4には、アミノ酸配列をアラインし、各抗体の重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を比較した結果を示す。なお、アミノ酸は一文字表記で表した。また、可変領域中の相補性決定領域を四角で囲って、CDR1〜3と明示した。この図で判る通り、3回の独立の免疫操作により得た4種の抗体は何れも共通のフレームワーク構造を有しており、この共通性がアセチルリジン認識自体に何らかの重要性をもっているものと思われる。一方、実施例1及び2で示したような、抗体間の性質の違いは、ここで示される、配列のわずかな違いに帰着されるはずであるが、立体構造的な情報がない現時点では、どこの部分の差異が抗体のどういう性質の違いをもたらしているのかまでは明らかでない。
【0021】
【発明の効果】
本発明の抗体はアセチルリジンの隣接アミノ酸の種類に余り依存せずアセチルリジンを検出することができるので、既知の種々のアセチル化蛋白質のアセチル化状態を検出するのに有用である。例えば、種々の刺激剤の影響下ヒストンのアセチル化レベルがどう変動するかをウエスタンブロッティング等の方法で容易に検出できる。また、本発明の抗体は同様の理由から未知の新たなアセチルリジン含有蛋白質を検索するのにも非常に有用である。具体的には、本抗体を用いた免疫沈降法や本抗体を固相化したアフィニティーカラムあるいは抗体チップ等を使用することにより、未知の新規なアセチルリジン含有蛋白質を見出せることが予想される。更に、本発明の抗体はモノクローナル抗体であるから、既に樹立された方法により一本鎖抗体に改変可能で、あるいは、エピトープがアセチルリジンと小さいことから、軽鎖または重鎖のいずれか一方のみで活性を持つ可能性もあり、そうなればこれをコードするDNAを用いたツー・ハイブリッド法により、抗体に対するアフィニティーの弱いアセチルリジン含有蛋白質を発見することにも用いることもできる。また、種々の細胞内で発現させることにより、アセチルリジン含有蛋白質の機能解析にも用い得る。更に、将来的に病態と何らかの関連を示すアセチル化蛋白質の存在が明らかになった上は、その診断法を構築する上で重要な役割を果たし得る。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の4種の抗アセチルリジンモノクローナル抗体の種々のアセチルリジン含有ペプチドに対する反応性の比較(ELISA法)を示したものである。
【図2】図2は、本発明の4種の抗アセチルリジンモノクローナル抗体による、種々の細胞の総細胞ライセート中のアセチル化蛋白質の検出結果を示す。
【図3】図3は、本発明の4種の抗アセチルリジンモノクローナル抗体のELISA反応性がNε−アセチルリジン及びNα−アセチルリジンで競合されるかどうかを調べた結果を示す。
【図4】図4は、本発明の4種の抗アセチルリジンモノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を比較した結果を示す。
Claims (6)
- Nε−アセチルリジンを認識するモノクローナル抗体であって、
(1)軽鎖の可変領域が配列番号:2、5、6又は7に記載されたアミノ酸配列からなるものであって、且つ、(2)重鎖の可変領域が配列番号:4、8、9又は10に記載されたアミノ酸配列からなるものである、モノクローナル抗体。 - モノクローナル抗体が、(1)軽鎖の不変領域が配列番号:1に記載されたアミノ酸配列からなり、且つ、(2)重鎖の不変領域が配列番号:3に記載されたアミノ酸配列からなるものである請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- 請求項1又は2に記載のN ε −アセチルリジンを認識するモノクローナル抗体をコードする遺伝子。
- (1)軽鎖をコードする遺伝子が配列番号:11〜14のいずれかに記載された塩基配列からなるか、又は、(2)重鎖をコードする遺伝子が配列番号:15〜18に記載された塩基酸配列からなる、請求項3に記載の遺伝子。
- 化学的にアセチル化した、分子内に複数のリジンを有する蛋白質を抗原として用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のモノクローナル抗体の製造方法。
- 化学的にアセチル化した蛋白質がアセチル化したムラサキカサガイヘモシアニンである請求項5に記載の製造方法。
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