JP4583120B2 - 防汚繊維布帛及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐汚染性及び着用快適性に優れた繊維布帛及びその製造方法に関し、特に、スポーツウェアー等の泥や草木によって汚れることの多い衣類に適する繊維布帛及びその製造方法に関する。
従来から、繊維に汚れが付着することを防止したり、付着した汚れを落ちやすくするための防汚処理手段が種々提案されている。
このような繊維の防汚性を向上させる方法の一つとして、洗濯での汚れを落ちやすくする親水加工による吸水SR(Soil Release)加工が知られている。吸水SR加工は、通常の水性もしくは油性の液状汚れに対しては、SR防汚効果は見られるものの、無機金属酸化物粒子である泥汚れに対しては、スライディングなどの過酷な物理的作用によって、繊維内部まで入り込んでしまった無機金属酸化物である泥汚れに対する効果がほとんどないという欠点を有している。
また、フッ素加工剤で繊維表面を被膜し、汚れを付きにくくするSG(Soil Guard)加工も広く知られている。この場合、液状の汚れは付きにくくなるが一旦汚れが付くと、フッ素による撥水性のため、洗剤自身も汚れに接近できなくなり、洗濯で除去することが困難であり、また着用快適性に必要な吸水性、制電性が得られていないという欠点をもっている。
このような問題に対処するために、洗濯時の洗浄性を高める方法として、フッ素系化合物に親水性を付与し、洗浄剤の作用をより効率的にできるSGR(Soil Guard & Release)加工も広く知られている。しかし、従来知られたSGR加工では十分な汚れに対する効果及び着用快適性は得られていない。
また特許文献1では繊維及び生地に平均粒子径が1μm以下の水不溶性粉体、例えば二酸化珪素、酸化アルミニウムなどの水不溶性紛体を含有させた処理液で処理することで汚れの付着抑制と汚れの離脱性能を促進させようとする提案がなされている。しかしこの処理単独では、スライディングや転倒したときなどの地面接触摩擦により付着した汚れは十分に除去できず、また着用快適性に必要な吸水性、制電性が得られていない。
また特許文献2では、変性オルガノシリケート及びアミノプラスト樹脂を含む処理液を付与し、熱処理することで黒ずみ汚れ防止を付与した防汚性ポリエステル系繊維布帛の提案がなされている。この処理では、無機金属酸化物粒子等の固体汚れには一応の効果があるものの、液体汚れに対しては十分な性能が得られない。
このように満足する防汚性と着用快適性を有する洗濯耐久性に優れた繊維布帛は未だ達成されていない。
特開平9−273071号公報 特開平9−268472号公報
本発明は、このような現状に鑑みて行われたもので、洗濯耐久性のある防汚性と着用快適性を有する繊維布帛及びその製造方法を提供することを目的とするものである。泥水汚れ、草木汁汚れや、特に、スライディング、転倒等の地面接触摩擦による過酷な物理的作用によって繊維内部まで入り込んでしまう汚れに対しても、洗濯することにより簡単に汚れを落すことができ、かつ再汚染性が少ない繊維布帛及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために次の構成を有する。
本発明は、第1に、「複合被膜層をもつ繊維布帛であって、複合被膜層の内層がアニオン性を有する親水性樹脂からなり、外層がシリカ微粒子をその表面に存在するシラノール基と反応性を有する官能基とカチオン性基とを有する有機化合物で表面処理したカチオン性シリコーン系化合物微粒子からなることを特徴とする防汚性に優れた繊維布帛。」である。
本発明は、第2に、親水性樹脂が、アニオン性を有するポリエステル系親水性樹脂であることを特徴とする上記の繊維布帛である。
本発明は、第3に、「繊維布帛に親水性樹脂を含有する処理液を付与後、シリカ微粒子をその表面に存在するシラノール基と反応性を有する官能基とカチオン性基とを有する有機化合物で表面処理したカチオン性シリコーン系化合物微粒子を含有する処理液で付与し、乾燥することを特徴とする防汚繊維布帛の製造方法。」である。
本発明の繊維布帛は、複合被膜層の内層に親水性成分であるアニオン性樹脂をもち、カチオン性シリコーン化合物が外層に電気的に吸着している構造をもつことにより、スライディング、転倒等の地面接触摩擦による過酷な物理的作用によって繊維内部まで入り込んでしまう汚れに対しても、洗濯することにより簡単に落すことができ、かつ再汚染性が少ないという顕著な効果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維布帛は、複合被膜層即ち少なくとも2層の被膜層を有するものである。そのうち内層はアニオン性親水性樹脂から形成され、外層はカチオン性シリコーン系化合物微粒子からなるものである。
本発明において、複合被膜層の内層としてアニオン性親水性樹脂層を形成することにより、洗濯時に洗浄剤の汚れへの接近を容易にし、洗浄力を高め、その結果として汚れ除去性を高くする効果が発現できる。また内層が親水性の樹脂層であることから、吸水性を高め着用時の発汗等を素早く吸水することができる。さらに制電性があるため、静電気発生を抑え、土、埃等の粒子汚れの付着を防止することができる。
本発明において、内層を形成するアニオン性親水性樹脂としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等のジオール成分と、テレフタル酸やイソフタル酸等のジカルボン酸成分からなるポリエステル系樹脂の一部がアニオン化されたものが望ましい。特にポリエステル共重合体の分子末端の一方又は両方をアニオン化したものが好ましい。これらを用いることにより、防汚性、吸水性、制電性能が向上し、安定した耐久性のある性能が得られる。
アニオン性親水性樹脂の付与方法としては、アニオン性親水性樹脂を含む処理液に繊維布帛を浸漬し、浴中で110〜150℃で吸尽処理する事により固着させる方法が好ましい。また、アニオン性親水性樹脂を含む水性処理液中に繊維布帛を浸漬する方法、処理液をスプレーする方法、塗布する方法等により、繊維布帛を構成する単繊維の表面、間隙、交絡点に処理液を浸透、付与後熱処理する方法を用いることもできる。
乾燥熱処理条件は、付与方法により異なるが、処理液中に繊維布帛を浸漬し浴中吸尽処理したものは40〜180℃で熱処理し、処理液中に浸漬する方法、処理液をスプレーする方法、塗布する方法では110℃から180℃で熱処理することが望ましい。
アニオン性親水性樹脂の付与量は、加工性と防汚性の効果から、繊維重量に対し固形分換算で0.1重量%から10重量%であることが好適である。
0.1重量%未満であると防汚性、吸水性、制電性能の効果が低下するおそれがあり、10重量%より多いと風合いが硬くなったり、染色堅牢度を悪くするおそれがある。
本発明の繊維布帛は外層にカチオン性シリコーン系化合物微粒子を有する。
カチオン性シリコーン系化合物とは、SiO結合をもち且つアミノ基や4級アンモニウム基等のカチオン性有機基をもつ化合物である。Si原子に結合する4個のOに有機基が結合し、その有機基の数により、1官能基〜4官能基の変性シリコーン系化合物が存在するが、本発明では微粒子を形成していると共にカチオン性を示すものであることを要する。
微粒子の形成性、形状、及び微粒子表面の硬さから、カチオン変性オルガノシリケート微粒子が好適である。カチオン変性オルガノシリケート微粒子は、表面に有機基を有するため、ある程度の弾性があり、外層に形成させても繊維布帛の風合いを悪化させることはない。
カチオン変性オルガノシリケート微粒子は公知であり、通常、アミノエトキシシランやアミノアルキルジグリシジルエーテル等のアミノ基やそれらを4級化したアンモニウム基と、シリカ表面のシラノール基に対して反応性を有する官能基との双方を有する有機化合物によりシリカ微粒子を表面処理することによって製造される。本発明では1〜3級アミノ基をもつ有機基もカチオン性を示す基に包含され、アミノ基やアンモニウム基以外の適宜のカチオン性基を用いうる。またカチオン性基の量も全体としてカチオン性を示す限り特に制限されない。
本発明で用いるカチオン性シリコーン系化合物微粒子の平均粒径は1μm以下が好ましく、特に0.01μm〜1μmが好ましい。このような粒径の微粒子を用いることで微粒子が単繊維表面の微細孔の隙間に入り込んで、汚れが付着するのを防止する効果を発揮し、また単繊維同士の間隙や交絡点等を被覆することにより、予め物質が残存し易い箇所が被覆され、洗濯による洗浄力が及びにくい箇所に汚れが入りにくくなるという作用を示す。尚、カチオン性シリコーン系化合物が微粒子の形状をなしていないエラストマーである場合には、最外層に形成された被膜が粘弾性を有し、泥等の固体汚れが付着すると、形成されたエラストマー被膜が圧着変形し、更には汚れがエラストマー被膜内に潜り込む状態となり、容易に離れにくくなる。また液体汚れに対しても、エラストマーの持つ粘弾性が付着した汚れの脱着を阻害し、期待させる効果が得られない。
平均粒径が0.01μm未満では防汚性が低下する傾向にあり、1μmより大きくなると防汚性能の低下と洗濯耐久性が低下するおそれがあり、繊維表面がざらつき、風合いが悪化するおそれがある。
また、カチオン性シリコーン系化合物微粒子と共に、平均粒径が1μm以下の正帯電シリカ、アルミナ等の水不溶性紛体を併用することで防汚性能の向上も期待できる。
カチオン性シリコーン系化合物微粒子を含む処理液の付与方法としては、処理液をアニオン性親水性樹脂を付与した繊維布帛に含浸吸尽させ、乾燥熱処理することにより固着させる方法が好ましい。また、処理液をスプレーする方法、処理液を塗布する方法等により、繊維布帛を構成する単繊維の表面、間隙、交絡点に処理液を浸透、付与する方法を用いることができる。
乾燥熱処理条件は、40〜180℃で熱処理することが好ましい。
カチオン性シリコーン系化合物微粒子の付与量は、加工性と防汚性の効果から、繊維重量に対し固形分換算で0.1重量%〜20重量%であることが好適である。0.1重量%未満であると防汚性の効果が低下するおそれがあり、20重量%より多くしても防汚性の向上が見られなく、また風合いが硬くなるおそれがある。
本発明で用いる繊維布帛は、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン等の合成繊維からなる織物、編物、不織布等である。これらの合成繊維にアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、レーヨン、ベンベルグ等の再生繊維、綿、羊毛、シルク等の天然繊維が混繊、交織編されていても差し支えない。
[実施例]
本発明を更に詳しく説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は何等これらの実施例に限定されるものではない。
(1)「供試生地1」
ポリエステルフィラメント110dtex/36fとポリエステルフィラメント84dtex/36fで編成された編地(生地重量150g/m)を常法により精練、プレセットを行った。これを供試生地1とする。
「供試生地2」
6ナイロンフィラメント78dtex/36fで編成された編地(生地重量160g/m)を常法により精練、プレセットを行った。これを供試生地2とする。
(2)泥に対する防汚性評価(固体汚れ評価)
赤玉土と通常の土を重量比で1:1となるように配合し、これを試験用土とする。次に15cm角の試料を2枚用意し、1枚の試料の表中央に試験用土を5g置く。更にもう1枚の試料の表を試験用土に接するように置き、2枚の試料を45kPaの圧力で3分間すり合わせ、2枚とも均等に試験用土を付着させる。その後、汚れた試料を24時間放置し、1枚を泥汚れ試料、もう1枚を下記の汚れ除去性の評価試料に使用する。
(3)草木汁に対する防汚性評価(液体汚れ評価)
高麗芝の切断片を試験用芝とする。次に15cm角の試料を2枚用意し、1枚の試料の表中央に試料用芝を5g置く。更にもう一枚の試料の表を試験用芝に接するように置き、2枚の試料を45kPaの圧力で3分間すり合わせ、2枚とも均等に試験用土を付着させる。その後、汚れた試料を24時間放置し、1枚を芝生汚れ試料、もう1枚を下記の汚れ除去性の評価試料に使用する。
(4)汚れ除去性の評価方法
各汚れ試料の1枚をJIS−L0217−103法にて洗濯処理を行い、もう1枚の汚れ試料(洗濯前無し)の試料と目視判定を行った。
判定方法:視覚により、表1に示す5等級に判定した。
Figure 0004583120
(5)洗濯耐久性
JIS−L0217−130法による繰り返し洗濯試験にて20回洗濯し、良く乾燥させた生地を用いて、上記の(2)、(3)の評価を行った。
供試生地1を、アニオン性親水性ポリエステル樹脂“SR−1000”(高松油脂(株)製;固形分10重量%)の12%owfを酢酸にてpH4.5に調整した処理液にて、浴比1:20、130℃×30分間吸尽処理を行った後、120℃×2分間乾燥した。この時のアニオン性親水性ポリエステル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.1重量%であった。その後、平均粒径0.03μmのカチオン性変性オルガノシリケート微粒子“BAYGARD AS”(バイエル(株)製;固形分20重量%)の6%owfを酢酸にてpH5.5に調整した水性処理液にて、浴比1:20、40℃×10分間吸尽処理を行った後、120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のカチオン性変性オルガノシリケート微粒子の付着量は、繊維重量に対し1.1重量%であった。得られた繊維素材の各防汚性の結果を表2に示す。
供試生地1を、アニオン性親水性ポリエステル樹脂“SR−1000”(高松油脂(株)製;固形分10重量%)の12重量%の水溶液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を除去、次いで120℃×2分間乾燥した。この時のアニオン性親水性ポリエステル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。その後、平均粒径0.03μmのカチオン性変性オルガノシリケート微粒子“BAYGARD AS”(バイエル(株)製;固形分20重量%)の6重量%水分散液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を除去、次いで120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のカチオン性変性オルガノシリケート微粒子の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。得られた繊維素材の防汚性の結果を表2に示す。
供試生地1を、アニオン性親水性ポリアクリル樹脂“RD−144”(互応化学工業(株)製;固形分30重量%)の4重量%とオキサゾリン基含有架橋剤“エポクロスWS−500”(日本触媒(株);固形分40%)の0.2重量%との水溶液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を徐去、次いで120℃×2分間乾燥した。この時のアニオン性親水性ポリアクリル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.1重量%であった。その後、平均粒径0.03μmのカチオン性変性オルガノシリケート微粒子“BAYGARD AS”(バイエル(株)製;固形分20重量%)の6重量%水分散液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を徐去、次いで120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のカチオン性変性オルガノシリケート微粒子の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。得られた繊維素材の防汚性の結果を表2に示す。
供試生地2を、アニオン性親水性ポリアクリル樹脂“RD−144”(互応化学工業(株)製;固形分30重量%)の4重量%とオキサゾリン基含有架橋剤“エポクロスWS−500”(日本触媒(株);固形分40%)の0.2重量%との水溶液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を徐去、次いで120℃×2分間乾燥した。この時のアニオン性親水性ポリアクリル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。その後、平均粒径0.03μmのカチオン性変性オルガノシリケート微粒子“BAYGARD AS”(バイエル(株)製;固形分20重量%)の6重量%水分散液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を徐去、次いで120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のカチオン性変性オルガノシリケート微粒子の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。得られた繊維素材の防汚性の結果を表2に示す。
〔比較例1〕
供試生地1を、アニオン性親水性ポリエステル樹脂“SR−1000”(高松油脂(株)製;固形分10重量%)の12%owfを酢酸にてpH4.5に調整した処理液にて、浴比1:20、130℃×30分間吸尽処理を行った後、120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のアニオン性親水性ポリエステル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.1重量%であった。得られた繊維素材の各防汚性の結果は表2に示す。
〔比較例2〕
供試生地1を、平均粒径0.03μmのカチオン性変性オルガノシリケート微粒子“BAYGARD AS”(バイエル(株)製;固形分20重量%)の6%owfを酢酸にてpH5.5に調整した処理液にて、浴比1:20、40℃×10分間吸尽処理を行った後、120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のカチオン性変性オルガノシリケート微粒子の付着量は、繊維重量に対し1.1重量%であった。得られた繊維素材の各防汚性の結果は表2に示す。
〔比較例3〕
供試生地1を、アニオン性親水性ポリエステル樹脂“SR−1000”(高松油脂(株)製;固形分10重量%)の12重量%の水溶液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を除去、次いで120℃×2分間乾燥した。この時のアニオン性親水性ポリエステル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。その後、平均粒径0.7μmの負電荷を帯びるシリコーン系微粒子“XC99−A8808”(ジーイー東芝シリコーン(株)製;単一製品100%)の1.2重量%水分散液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を除去、次いで120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時の負電荷を帯びるシリコーン系微粒子の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。得られた繊維素材の防汚性の結果を表2に示す。
〔比較例4〕
供試生地1を、アニオン性親水性ポリエステル樹脂“SR−1000”(高松油脂(株)製;固形分10重量%)の12重量%の水溶液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を除去、次いで120℃×2分間乾燥した。この時のアニオン性親水性ポリエステル樹脂の付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。その後、エラストマー状のカチオン性アミノ変性シリコーン系化合物である“ニッカシリコンAM−202”(日華化学(株)製;固形分29重量%)の4重量%水溶液に浸漬し、圧搾機にて圧搾率100%になるよう余剰液を除去、次いで120℃×2分間乾燥を行い、繊維素材を作製した。この時のエラストマーの付着量は、繊維重量に対し1.0重量%であった。得られた繊維素材の各防汚性の結果を表2に示す。
Figure 0004583120
表2から分かるように、実施例では泥のような固体汚れ、草木汁のような液体汚れの両汚れに対しても、洗濯による汚れ除去効果があり、かつ耐久性も得られている。
比較例1のアニオン性親水性ポリエステル樹脂のみを処理した繊維素材は、草木汁のような液体汚れには効果があるものの、泥のような固体汚れには効果が低い。
比較例2のカチオン性変性オルガノシリケート微粒子のみを処理した繊維素材は、泥のような固体汚れに対し初期の効果はあるものの、耐久性は得られない。これは、アニオン性親水性樹脂が固着処理されていないため、カチオン性変性オルガノシリケート微粒子が電気的に吸着せず、耐久性が得られていないことが分かる。また草木汁のような液体汚れには効果が低い。
比較例3のアニオン性親水性ポリエステル樹脂を処理した後、負電化を帯びるシリコーン系微粒子を処理した繊維素材は、泥のような固体汚れに対し初期の効果はるものの、耐久性は得られない。これは、アニオン性親水性樹脂が固着されていても、更に付与したシリコーン系微粒子が負電化を帯びるため電気的に吸着せず、耐久性が得られていないことが分かる。
比較例4のアニオン性親水性ポリエステル樹脂を処理した後、カチオン性シリコーン系化合物のエラストマーを処理した繊維素材は、実施例1及び2のような効果は得られない。これは、エラストマーの持つ粘弾性により、泥のような固体汚れが付くとエラストマー被膜内に潜り込む状態となり、容易に離れにくくなり、また草木汁のような液体汚れに対しても付着した汚れの脱着を阻害していることがいえる。

Claims (3)

  1. 複合被膜層をもつ繊維布帛であって、複合被膜層の内層がアニオン性を有する親水性樹脂からなり、外層がシリカ微粒子をその表面に存在するシラノール基と反応性を有する官能基とカチオン性基とを有する有機化合物で表面処理したカチオン性シリコーン系化合物微粒子からなることを特徴とする防汚性に優れた繊維布帛。
  2. 親水性樹脂が、アニオン性を有するポリエステル系親水性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の繊維布帛。
  3. 繊維布帛に親水性樹脂を含有する処理液を付与後、シリカ微粒子をその表面に存在するシラノール基と反応性を有する官能基とカチオン性基とを有する有機化合物で表面処理したカチオン性シリコーン系化合物微粒子を含有する処理液で付与し、乾燥することを特徴とする防汚繊維布帛の製造方法。
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