JP4582648B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は、撮像装置に関し、より具体的には、再生時の特殊効果を設定可能な撮像装置に関する。
従来、MPEG又はMotion JPEG等の圧縮方式を利用し、圧縮画像データを記録媒体に記録するビデオカメラが知られている。また、撮影時に、特殊効果を示す付加情報を画像データと一緒に記録媒体に記録し、再生時には、この付加情報に基づき、再生画像に特殊効果を施して出力するビデオカメラも知られている(特許文献1参照)。
また、画像に施す特殊効果として、画像にフィルム特有の細かな粒子状のノイズを付加し、あたかも映画用フィルムカメラで撮影したかのような画像処理が知られている(特許文献2)。この画像処理は、一般にフィルムグレイン処理と呼ばれる。フィルムグレイン処理で画像に付加されるフィルム特有の細かな粒子状のノイズ成分は、フィルムグレイン成分と呼ばれる。
特開平11−205754号公報 特許第3110763号
画像データを圧縮記録する従来のビデオカメラでは、高圧縮率で画像データを記録すると、再生画像に妨害ノイズ(モスキートノイズ、ブロックノイズ)が多く発生してしまう。妨害ノイズが発生した再生画像にフィルムグレイン成分を付加すると、妨害ノイズ成分とフィルムグレイン成分が重なってしまい見苦しい画像になる場合があった。
これに対して、記録時の圧縮率を低くすると、妨害ノイズが少なくなり、フィルムグレイン処理の効果が顕著になるが、記録データ量が増し、記録媒体の記録容量を消費してしまう。
また、特殊効果として、画像を微小な矩形領域で平均化するモザイク処理がある。モザイク処理では、矩形領域内の高周波分が失われるので、その矩形領域に対して高圧縮率で画像を記録し、再生画像に妨害ノイズが出現したとしても、支障ない。即ち、モザイク処理が予定されている場合、記録時の圧縮率を高くすることができる。
さらに、これらの問題を避けるため、ユーザは、再生画像に施す特殊効果に応じて、記録時の圧縮率を手動で設定又は変更しており、撮影時の負担になっていた。
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、特殊効果に応じて記録条件を自動設定する撮像装置を提示することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る撮像装置は、被写体の光学像を撮像し画像データを出力する撮像手段と、当該撮像手段からの画像データを圧縮する画像圧縮手段と、特殊効果を指定する特殊効果指定手段と、当該画像圧縮手段からの圧縮画像データと、当該特殊効果指定手段で指定された特殊効果を指定する特殊効果情報とを記録媒体に記録する記録手段と、当該特殊効果指定手段により所定の特殊効果が指定されることに応じて、当該撮像手段の撮像フレームレート及び当該画像圧縮手段における圧縮率の少なくとも1つを変更する制御手段とを具備し、当該所定の特殊効果が画像に粒子状のノイズを付加するフィルムグレイン処理であることを特徴とする。
本発明に係る撮像装置は、被写体の光学像を撮像し画像データを出力する撮像手段と、当該撮像手段からの画像データを圧縮する画像圧縮手段と、特殊効果として画像にフィルムグレイン処理を付加することを指定する特殊効果指定手段と、当該特殊効果指定手段による指定がなされた場合、当該画像圧縮手段における圧縮率を、当該指定がなされないときよりも低くする制御手段とを具備することを特徴とする
本発明によれば、フィルムグレイン処理の特殊効果が指定されることに応じて、圧縮及びフレームレートの少なくとも一方を変更して、画像を記録するので、特殊効果の効果を高めつつ、より効率的に記録媒体を使用できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るビデオカメラの概略構成ブロック図である。図1において、ビデオカメラ10は、カムコーダ、デジタルカメラ又は民放用のカメラ等である。ビデオカメラ10は、撮像部12、圧縮部14、操作部16、システム制御回路18、記録再生部20、記録媒体22、伸長部24、特殊効果処理部26及び表示部28を具備する。表示部28の代わりに、外部の表示装置を使用してもよい。
撮像部12はCCDセンサまたはCMOSセンサを具備し、被写体の光学像を画像信号に変換する。圧縮部14はMPEG2等の動画圧縮方式により、撮像部12からの画像信号を圧縮し、圧縮画像データを生成する。
操作部16は、フィルムグレイン処理を指示するフィルムグレインスイッチ(不図示)、モザイク処理を行うモザイクスイッチ(不図示)、及びこれら以外の特殊効果処理を指示するスイッチを具備する。また、ユーザは、操作部16により、圧縮率の変更を、「高」、「低」又は数値でシステム制御回路18に指示できる。図示していないが、操作部16は、記録された動画像の再生を指示する再生スイッチ(不図示)、動画像の再生を停止する停止スイッチ(不図示)、動画像の記録/停止を指示する記録スイッチ(不図示)等も備えている。
システム制御回路18は、撮像部12のカメラ制御、圧縮部14の圧縮制御、特殊効果処理部26の特殊効果制御、及びビデオカメラ10全体の制御を司る。図1では、各制御信号を破線で図示し、画像データを実線で示している。
記録再生部20は、圧縮部14からの圧縮画像データを記録媒体22に転送する。また、記録再生部20は、システム制御回路18からの特殊効果に関する制御信号(特殊効果情報)を記録媒体22に転送する。すなわち、記録再生部20は、圧縮画像データと特殊効果情報を一体に記録媒体22に記録する。記録媒体22は、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、又は不揮発性のメモリカード等である。
伸長部24は、記録媒体22から読み出された圧縮画像データを伸長し、元の画像データを復元する。特殊効果処理部26は、記録媒体22から読み出された特殊効果情報に従い、伸長部24で復元された画像信号に特殊効果を施す。施すべき特殊効果が無い場合、特殊効果処理部26は、伸長部24からの画像信号を表示部28にスルーする。表示部28は、特殊効果処理部26で特殊効果を施された再生画像、又はスルーされた再生画像を表示する。
次に、図2を用いて、本実施例の記録動作を説明する。図2は、本実施例の記録時の動作フローチャートである。
操作部16の記録スイッチが押下されると、システム制御回路18は、特殊効果処理の要求があったか否かを判別する(S10)。
フィルムグレインスイッチが押下されると(S11)、システム制御回路18は、圧縮部14に所定の低圧縮率を設定し(S12)、撮像部12のフレームレートをデフォルトの30フレーム/秒から24フレーム/秒に変更する(S13)。
また、特殊効果としてモザイク処理が選択された場合、具体的には、モザイクスイッチが押下された場合(S15)、システム制御回路18は、圧縮部14に所定の高圧縮率を設定し(S16)、撮像部12のフレームレートを30フレーム/秒に設定する(S17)。
特殊効果処理要求が無い場合には(S10)、ユーザは、任意の圧縮率を選択可能であり、システム制御回路18は、ユーザにより指定された圧縮率を圧縮部14に設定する(S18)。そして、システム制御回路18は、撮像部12のフレームレートを30フレーム/秒に設定する(S17)。
記録開始の指示に従い、撮像部12は、設定されたフレームレートで被写体を撮影し、圧縮部14は、設定された圧縮率で撮像部12からの画像データを圧縮する。記録再生部20は、圧縮部14からの圧縮画像データと、システム制御回路18からの特殊効果情報を、図3に示すような記録形式で一体に記録媒体22に記録する(S14)。特殊効果情報は、例えば、画像データのフレーム又はフィールド毎に付加情報として埋め込まれる。特殊効果処理要求が無い場合、特殊効果情報は、空白又はNULLである。
即ち、フィルムグレイン処理の場合、撮像部12は、24フレーム/秒で被写体を撮影し、圧縮部14は、設定された低圧縮率で撮像部12からの画像データを圧縮する。システム制御回路18は、フィルムグレイン処理を示す情報を特殊効果情報として記録再生部20に供給する。記録再生部20は、圧縮部14からの、24フレーム/秒で低圧縮率の圧縮画像データと、システム制御回路18からの特殊効果情報を、図3に示すような記録形式で一体に記録媒体22に記録する。
モザイク処理の場合、撮像部12は、30フレーム/秒で被写体を撮影し、圧縮部14は、設定された高圧縮率で撮像部12からの画像データを圧縮する。システム制御回路18は、モザイク処理を示す情報を特殊効果情報として記録再生部20に供給する。記録再生部20は、圧縮部14からの、30フレーム/秒で高圧縮率の圧縮画像データと、システム制御回路18からの特殊効果情報を、図3に示すような記録形式で一体に記録媒体22に記録する。
特殊効果処理の要求がない場合又はキャンセルされた場合、撮影条件又は記録条件は、ユーザの設定した圧縮率又はデフォルトの圧縮率で、30フレーム/秒での撮影になる。
次に、図4を用いて、再生動作を説明する。図4は、本実施例の再生動作のフローチャートである。
再生スイッチが押下されたか否かを判別する(S20)。再生スイッチが押下されないと(S20)、再生スイッチが押下されるまで待つ。再生スイッチが押下されると(S20)、システム制御回路18は、記録再生部20に指示して、記録媒体22から圧縮画像データを伸長部24に、特殊効果情報を特殊効果処理部26に読み出させる(S21)。
伸長部24は、記録再生部20からの圧縮画像データを伸長する。特殊効果処理部26は、読み出された特殊効果情報に基づき、伸長部24からの復元画像信号に特殊効果を施す。具体的には、フィルムグレイン処理の場合(S23)、特殊効果処理部26は、ランダムノイズ又はガウシアンノイズ等を伸長部24からの復元画像信号に重畳する(S24)。モザイク処理の場合(S26)、特殊効果処理部26は、復元画像信号の対象部分を微小な矩形領域で平均化する(S27)。フィルムグレイン処理でも、モザイク処理でもない場合、即ち、特殊効果が不要な場合に(S26)、特殊効果処理部26は、復元画像信号をスルーする(S28)。
ステップS24,S27,S28で処理された画像信号が表示部28に印加され、表示される(S25)。
なお、本実施例では、フィルムグレイン処理やモザイク処理を挙げて説明したが、特殊効果はこれに限らない。例えば、オートフェード(白フェード)があり、画像が徐々に白くなっていくオートフェード(白フェード)がある。このオートフェードに対しては、記録時に画像の圧縮率を高く設定する。また、オートフェードの他に、ワイプ、オーバーラップ等のフェーダー機能もある。
本実施例では、フィルムグレイン処理に対して圧縮率とフレームレートの両方を変更したが、どちらか一方だけを変更するようにしてもよい。
さらに、圧縮部14は、撮像部12からの24フレーム/秒の撮影画像を、2:3プルダウン方式(図5)又は2:3:3:2プルダウン方式(図6)で60フィールド/秒のNTSC信号に変換してから、圧縮してもよい。
他方、圧縮部14の圧縮方式としてH.264方式を用いる場合、H.264方式に備えられているデブロッキングフィルタをフィルムグレイン処理に利用できる。
圧縮部14以降の処理は、コンピュータで代替可能である。コンピュータ上で上記各機能を実現するソフトウエアのプログラムコードは、本発明の主要な一部を構成する。
このように、本実施例によれば、フィルムグレイン処理に対して撮影画像を低圧縮率で圧縮記録するので、画像中のブロックノイズ又はモスキートノイズを少なくすることができ、より効果的なフィルムグレイン処理が行える。モザイク処理に対しては、撮影画像の圧縮率を高く制御することで、より効果的に記録媒体22の容量を使用することができる。さらに、撮像部のフレームレートを24フレームレート/秒に制御することにより、フィルムグレインの効果を高めることができ、映画と同等の映像も楽しむことができる。
本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。 本実施例の記録動作のフローチャートである。 特殊効果情報と圧縮画像データの記録フォーマットの模式図である。 本実施例の再生動作のフローチャートである。 2:3プルダウン方式のイメージ図である。 2:3:3:2プルダウン方式のイメージ図である。
符号の説明
10 ビデオカメラ
12 撮像部
14 圧縮部
16 操作部
18 システム制御回路
20 記録再生部
22 記録媒体
24 伸長部
26 特殊効果処理部
28 表示部

Claims (5)

  1. 被写体の光学像を撮像し画像データを出力する撮像手段と
    当該撮像手段からの画像データを圧縮する画像圧縮手段と
    特殊効果を指定する特殊効果指定手段と
    当該画像圧縮手段からの圧縮画像データと、当該特殊効果指定手段で指定された特殊効果を指定する特殊効果情報とを記録媒体に記録する記録手段と
    当該特殊効果指定手段により所定の特殊効果が指定されることに応じて、当該撮像手段の撮像フレームレート及び当該画像圧縮手段における圧縮率の少なくとも1つを変更する制御手
    を具備し、
    当該所定の特殊効果が画像に粒子状のノイズを付加するフィルムグレイン処理であ
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 当該制御手段は、当該画像圧縮手段における圧縮率を、当該フィルムグレイン処理が指定されないときよりも低くすることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
  3. 当該制御手段は、当該撮像手段の撮像フレームレートを、当該フィルムグレイン処理が指定されないときよりも低くすることを特徴とする請求項又はに記載の撮像装置。
  4. 当該制御手段は、当該撮像手段の撮像フレームレートを24フレーム/秒に変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 被写体の光学像を撮像し画像データを出力する撮像手段と、
    当該撮像手段からの画像データを圧縮する画像圧縮手段と、
    特殊効果として画像にフィルムグレイン処理を付加することを指定する特殊効果指定手段と、
    当該特殊効果指定手段による指定がなされた場合、当該画像圧縮手段における圧縮率を、当該指定がなされないときよりも低くする制御手段
    とを具備することを特徴とする撮像装置。
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