以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す図である。図2は、本発明の一実施の形態にかかる撮像装置のユーザに面する側(背面側)の構成を示す図である。図3は、本発明の一実施の形態にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1〜図3に示すように、撮像装置1は、撮像部2と、発光部3と、測光部4と、タイマー5と、操作入力部6と、表示部7と、タッチパネル8と、記憶部9と、通信部10と、制御部11と、を備える。
撮像部2は、レンズ部21と、レンズ駆動部22と、絞り部23と、絞り駆動部24と、シャッター部25と、シャッター駆動部26と、撮像素子27と、撮像駆動部28と、信号処理部29と、を有する。
レンズ部21は、フォーカスおよびズーム可能な複数のレンズによって構成され、所定の視野領域から光を集光する。レンズ駆動部22は、ステッピングモータやDCモータ等を用いて構成され、レンズ部21のレンズ群を光軸L1上に沿って移動させることにより、レンズ部21のピント位置や焦点距離等の変更を行う。
絞り部23は、レンズ部21が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部24は、ステッピングモータ等によって構成され、絞り部23を駆動する。
シャッター部25は、撮像素子27の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッター駆動部26は、ステッピングモータ等によって構成され、レリーズ信号に応じてシャッター部25を駆動する。
撮像素子27は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等によって構成される。撮像素子27は、レンズ部21が集光した光を受光して光電変換を行うことによって、光を電気信号(アナログ信号)に変換する。撮像駆動部28は、撮像素子27を駆動するタイミングパルスを生成し、撮像素子27が光電変換した電気信号を信号処理部29に出力させる。
信号処理部29は、アナログアンプやA/D変換器等によって構成される。信号処理部29は、撮影感度に応じて撮像素子27から出力される電気信号に増幅(ゲイン調整)等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データに変換して制御部11に出力する。
発光部3は、キセノンランプまたはLED(Light Emitting Diode)等を用いて構成される。発光部3は、撮像装置1が撮像する視野領域へ向けて補助光であるストロボ光を照射する。
測光部4は、制御部11を介して画像データを取得して被写体の輝度を検出し、この検出した輝度に基づいて、静止画または動画の露出条件を算出して制御部11に出力する。
タイマー5は、計時機能や撮影日時の判定機能を有する。タイマー5は、撮像された画像データに日時データを付加させるため、制御部11に日時データを出力する。
操作入力部6は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切換える電源スイッチ61と、静止画撮影の指示を与えるレリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチ62と、撮像装置1に設定された各種撮影モードを切換える撮影モード切換スイッチ63と、撮像装置1の各種設定を切換える操作スイッチ64と、撮像装置1の各種設定(撮影条件)を表示部7に表示させるメニュースイッチ65と、撮像部2の画角を変更する指示信号の入力を受け付けるズームスイッチ66と、を有する。
表示部7は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて実現される。表示部7は、撮像部2が生成する画像データに対応する画像を表示する。表示部7は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。
タッチパネル8は、表示部7の表示画面上に重ねて設けられる(図2を参照)。タッチパネル8は、ユーザが表示部7で表示される情報に基づいて接触(タッチ)した位置を検出し、この接触位置に応じた操作信号の入力を受け付ける。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等がある。本実施の形態では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。なお、本実施の形態では、タッチパネル8が入力部として機能する。
記憶部9は、撮像装置1の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部9は、撮像部2が撮像した画像データを記憶する画像データ記憶部91と、撮像装置1が実行する各種プログラムおよび撮像プログラムを記録するプログラム記憶部92と、画像データに施す各種特殊効果処理(アートフィルタ)の内容を記憶する特殊効果情報記憶部93と、撮像素子27の画素ピッチに関する情報を記憶する画素ピッチ情報記憶部94と、撮像装置1が自動露出(AE)制御を行う際に参照するプログラム線図情報記憶部95と、を有する。
通信部10は、通信インターフェースとしての機能を有し、ネットワーク(図示せず)を介してサーバ(図示せず)やパーソナルコンピュータ等の外部処理装置と双方向に送受信を行う。通信部10は、外部処理装置との間で送受信を行うことにより、撮像装置1の各種プログラムデータや推奨度情報テーブルに関するデータを取得する。なお、通信部10は、有線または無線LAN(Local Area Network)を介してネットワークに接続される。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等によって実現される。制御部11は、操作入力部6およびタッチパネル8からの操作信号等に応じて記憶部9のプログラム記憶部92からプログラムを読み出して実行し、撮像装置1を構成する各部に対して制御信号を送信したりデータを転送したりすることにより、撮像装置1の動作を制御する。
制御部11の詳細な構成を説明する。制御部11は、画像処理部111と、顔検出部112と、特殊効果設定部113と、制御限界変更部114と、制御限界判定部115と、推奨部116と、撮影制御部117と、表示制御部118と、を有する。
画像処理部111は、信号処理部29から出力される画像データに対して各種の画像処理を施す。具体的には、画像処理部111は、画像データに対して、少なくともエッジ強調、ホワイトバランス、階調補正、色補正およびγ補正を含む画像処理を行う。画像処理部111は、特殊効果処理部111aを有する。
特殊効果処理部111aは、画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせる特殊効果処理を行う。この特殊効果処理としては、エッジ強調処理、ぼかし処理、シェーディング追加処理、ノイズパターン重畳処理、画像合成処理、コントラスト処理、隣接色混合処理、色相・彩度変換処理、幾何変換処理、色置換処理、トーンカーブ処理、エッジ混合処理および輪郭線強調処理のいずれか一つ以上を組み合わせた処理である。具体的には、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果情報を参照して、画像データに対して特殊効果処理を行う。
図4は、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理における画像処理の組み合わせ情報としての特殊効果処理情報テーブルを示す図である。図4に示すように、特殊効果処理情報テーブルT1には、特殊効果の名称、処理の内容、画像処理の組み合わせがそれぞれ記載されている。
ここで、上述した各特殊効果処理について説明する。本実施の形態では、特殊効果処理部111aは、特殊効果処理として水彩、水墨、野獣および点描を行う。
水彩は、水彩絵の具で描いたような淡い仕上がりを表現する特殊効果処理である。
水墨は、墨で描いたような描写ですべての輪郭をモノクロで表現する特殊効果処理である。
野獣は、油絵を荒々しいタッチで塗りたくるような表現主義の絵画的な仕上がりを表現する特殊効果処理である。
点描は、点描風の仕上がりを表現する特殊効果処理である。
また、図4に示すように、特殊効果処理情報テーブルT1には、特殊効果が「水彩」の場合、処理の内容として「特殊効果処理1」が記載され、画像処理の組み合わせとして「コントラスト低下処理」、「隣接色混合処理」および「彩度低下処理」がそれぞれ記載されている。このように、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理における画像処理の組み合わせ情報を参照して、ユーザによって選択されて設定された特殊効果処理を行う。なお、図4に示す点描効果を出すために、適宜ランダムノイズを重畳するようなプロセスがあるが、このノイズ重畳量は、その時の画像信号増幅率(感度)や被写体の明るさによって目立つノイズがあるので、こうした条件によって切り換えるようにしてもよい。例えば、暗くて撮像信号量が少ないシーンでは、回路から発生している同様のノイズが増幅され画像上で目立つので、この時は、図4の画像処理におけるノイズパターンを重畳しないようにする。これと同様に露出やピント制御上発生する画質変化要因が予測された場合は、あえて図4のような画像処理の強さを変更してもよい。
顔検出部112は、画像データに含まれる人物の顔をパターンマッチングによって検出する。なお、顔検出部112は、人物の顔だけでなく、犬や猫等の顔を検出してもよい。さらに、顔検出部112は、パターンマッチング以外の周知技術を用いて人物の顔を検出してもよい。
特殊効果設定部113は、操作入力部6またはタッチパネル8からの操作信号等に応じて、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT1を参照して、特殊効果処理部111aが行うべき特殊効果処理を設定する。また、特殊効果設定部113は、顔検出部112の検出結果に応じて、特殊効果処理部111aに実行させるべき特殊効果処理を設定してもよい。さらに、特殊効果設定部113は、撮像装置1に対する設定条件または被写体の条件に応じて、特殊効果処理の組み合わせの配分や強度を変更して特殊効果処理部111aに実行させるべき特殊効果処理を設定してもよい。たとえば、特殊効果設定部113は、被写体が暗い場合、点描処理のノイズパターン重畳処理の配分や強度を変更して特殊効果処理部111aに設定するようにしてもよい。
制御限界変更部114は、特殊効果設定部113が特殊効果処理部111aに設定した特殊効果処理の内容に応じて、撮影前に設定された撮像装置1に対する一または複数の設定条件によって定まる撮影時の制御限界を変更する。ここで、設定条件とは、シャッター部25のシャッター速度、絞り部23の絞り値、撮影感度、露出値(EV値)および露光時間、レンズ部21の繰り出し量、被写体深度および画角等である。また、制御限界には、シャッター速度、絞り値および撮影感度によって定まる露出の露出限界と、画像データのコントラストおよびレンズ部21の繰り出し量に基づいて定まる被写体にピントを合わせる際の至近限界が含まれる。さらに、制御限界は、その他の限界、たとえば信号処理部29による撮影感度の上昇に伴うゲインアップの撮影感度限界、ズーム動作のズーム限界、マニュアルフォーカス(以下、「MF」という)によるマニュアルフォーカス限界、被写体にピントを合わせる際のレンズ部21の至近限界、被写体の明るさ限界および手ブレ限界を含む。
制御限界判定部115は、制御限界変更部114が設定した制御限界に基づいて、撮影制御部117による撮像装置1の各種動作の制御が制御限界に達しているか否かを判断する。具体的には、制御限界判定部115は、撮影制御部117の制御もと、シャッター速度限界、絞り値限界、撮影感度限界、ズーム限界、MF限界、至近限界、被写体の明るさ限界および手ブレ限界等を判定する。
推奨部116は、撮影前に設定された撮像装置1に対する一または複数の設定条件によって定まる撮影時の制御限界に基づいて、特殊効果処理部111aが実行することが可能な複数の特殊効果処理のいずれか一つ以上を推奨する。具体的には、推奨部116は、撮影前に設定された撮像装置1に対する一または複数の設定条件によって定まる撮影時の制御限界に基づいて、特殊効果処理部111aに適用可能な特殊効果処理を推奨する。たとえば、推奨部116は、制御限界判定部115によって撮影感度が撮影感度限界に達していると判定された場合、特殊効果処理部111aが実行可能な複数の特殊効果処理から「点描」を推奨する。
撮影制御部117は、静止画レリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、シャッター駆動部26および撮像駆動部28の駆動によって撮像素子27が出力した画像データに対し、信号処理部29および画像処理部111が所定の処理を施す動作をいう。このようにして処理が施された画像データは、制御部11によって画像データ記憶部91に記憶される。撮影制御部117は、操作入力部6およびタッチパネル8からの操作信号に応じて、レンズ駆動部22、絞り駆動部24、撮像駆動部28および発光部3を制御する。たとえば、撮影制御部117は、ズームスイッチ66から画角を変更する指示信号が入力された場合、レンズ駆動部22を駆動することにより、レンズ部21のズームに寄与するレンズ群を光軸L1上に沿って移動させる。
表示制御部118は、メニュースイッチ65から指示信号が入力された場合、撮像装置1の操作メニュー画面を表示部7に表示させる。また、表示制御部118は、制御限界判定部115の判定結果に応じて、撮影時において制御限界の内容に対応する情報としてアイコンを表示部7に表示させる。また、表示制御部118は、撮影時において各種撮影条件の数値、たとえば、露出値、絞り値、シャッター速度、撮影感度を表示部7に表示させる。さらに、表示制御部118は、推奨部116が推奨した特殊効果処理に関する情報を表示部7に表示させる。具体的には、表示制御部118は、推奨部116が推奨した適用可能な特殊効果処理に対応する情報をアイコンとして表示部7に表示させる。
以上の構成を有する撮像装置1において、撮影制御部117による制御限界の概要について説明する。図5は、撮影制御部117による制御を模式的に説明する図である。図6〜図8は、図5に示す状況下において、撮像素子27が生成する画像データに対応する画像である。なお、以下において、説明を簡略化するため、レンズ部21のレンズ群を単レンズのフォーカスレンズで表現する。
図5に示すように、被写体O1に対してレンズ部21のピントが合った状態(図5(a)、繰り出し量=0)から被写体O1が撮像素子27側に移動した場合(図5(b))、被写体O1に対してレンズ部21のピントが合わなくなる。このため、撮影制御部117は、レンズ駆動部22を駆動し、被写体O1に対してレンズ部21のピントが合うように、レンズ部21を光軸L1上に沿って被写体O1側に向けて繰り出させる(図5(b)→図5(c))。これにより、撮像素子27は、被写体O1にピントが合った画像データ(たとえば図6の画像W1を参照)を生成することができる。
また、図5(c)に示す状況から被写体O1がレンズ部21のピントを合わせられる距離d1より撮像素子27側に近づいた場合、レンズ部21の繰り出しが限界(たとえば繰り出し量=Z1)であるとき、撮像素子27の撮像面で結像される被写体O1の像にボケが生じる(ボケ量=S1)。具体的には、図7に示すように、被写体O1がボケた画像W2になる。このため、撮影制御部117は、被写体O1に対してレンズ部21のピントを合わせることができない至近限界に達する。なお、図7においては、ボケを点線で表現した。
図5(d)に示す状況下から被写体O1のボケを低減させる場合、撮影制御部117は、絞り駆動部24を駆動して、絞り部23の開口(F値を拡大)を絞りこむことにより(図5(e))、被写体O1のボケを目立たせなくする。この際、撮像素子27は、絞り部23が絞られることによって受光する光量が減少するため、同じ露光時間では十分な露光量を得ることができない。このため、撮影制御部117は、信号処理部29による画像データの増幅の強度を高めることにより、撮影感度を上げる制御を行う。この制御により撮影感度を上げすぎた場合、画像データに含まれるノイズまで強く増幅してしまいノイズの多い画像となり、撮影制御部117の制御による適切な露出を得ることができない露出限界に達する。具体的には、図8に示すように、被写体O1にノイズが多く生じた画像W3となる。しかし、ユーザによっては、趣向を変えて、作風の一つとしてノイズを敢えて強調して表現したい場合があり、単に撮影制御部117による制御限界とするには問題である。すなわち、ユーザが所望する画像表現に従って、制御限界が定まる。なお、図8においては、ノイズを点で表現した。
さらに、図5(d)の状況下で生成されたボケた画像W3であっても、特殊効果処理部111aが特殊効果処理を行うことによって、画像の表現にバリエーションを増やすことができるとともに、特殊効果処理の内容によっては、撮影制御部117による制御限界の許容範囲を拡大することも可能である。たとえば、図9に示すように、図5(d)の状況下で生成されたボケた画像W2に特殊効果処理として「水彩」を施した場合、ボケた画像W2が柔らかい線での表現での絵画調の画像W4になり、ボケを気にすることがなくなる。さらに、図10に示すように、図5(d)の状況下で生成されたボケた画像W2に特殊効果処理として「野獣」を施した場合、ボケた画像W2が荒々しいタッチで塗りたくるような現実主義的な油彩の絵画調の画像W5となり、もともとのボケが画像の中に紛れることでボケが気にならなくなるだけでなく、独創的な画像になる。
また、図11に示すように、図5(e)の状況下で生成されたノイズが生じている画像W3に特殊効果処理として「点描」を施すことによって、点描風の表現でノイズを埋没させることで、絵画的な効果が大きな画像W6となり、ノイズも作風の一つになる。
そこで、本実施の形態では、ユーザによって選択された特殊効果処理の選択結果に基づいて、制御限界変更部114が撮影前に設定された撮像装置1に対する一または複数の設定条件によって定める撮影時の撮影制御部117による制御限界を変更する。さらに、本実施の形態では、表示制御部118が撮影制御部117による制御限界に関する情報を表示部7に表示させるとともに、撮影制御部117による制御が制御限界のとき、推奨部116によって推奨された適用可能な特殊効果処理に関する情報を表示部7に表示させる。
つぎに、本実施の形態にかかる撮像装置1が行う動作について説明する。図12は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
図12において、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合について説明する(ステップS101:Yes)。この場合、制御部11は、表示部7にメニュー画面を表示させるメニュー表示操作が行われたか否かを判断する(ステップS102)。具体的には、メニュースイッチ65が操作されることによりメニュー画面の表示を指示する指示信号が入力されたか否かを判断する。メニュー表示操作が行われた場合(ステップS102:Yes)、撮像装置1は後述するステップS103へ移行する。一方、所定時間内(たとえば3秒内)にメニュー表示操作が行われない場合(ステップS102:No)、撮像装置1は後述するステップS124へ移行する。
ステップS102において、メニュー表示操作が行われた場合(ステップS102:Yes)について説明する。この場合、表示制御部118は、メニュー画面を表示部7に表示させる(ステップS103)。具体的には、図13に示すように、表示制御部118は、メニュー画面W10を表示部7に表示させる。メニュー画面W10には、撮像装置1の各種操作の指示信号の入力を受け付けるアイコンA1〜A5が含まれる。アイコンA1は、特殊効果処理(アートフィルタ)に関する操作メニュー画面を表示部7に表示させる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA2は、撮像装置1の露出を調整する操作メニュー画面を表示部7に表示させる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA3は、ストロボに関する操作メニュー画面を表示部7に表示させる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA4は、撮像装置1の各種設定、たとえばアスペクトやファイル形式に関する操作メニュー画面を表示部7に表示させる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。アイコンA5は、セルフ撮影に関するメニュー画面を表示部7に表示させる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。なお、表示制御部118は、ユーザがタッチしたアイコンをタッチパネル8から入力される指示信号に応じて識別可能な表示態様、たとえば色や点滅等で表示させてもよい。
続いて、アイコンA1が操作されることにより、特殊効果処理が選択された場合(ステップS104:Yes)、表示制御部118は、特殊効果処理の一覧を表示する特殊効果操作メニュー画面を表示部7に表示させる(ステップS105)。具体的には、図14に示すように、表示制御部118は、特殊効果処理に関する特殊効果処理操作メニュー画面W11を表示部7に表示させる。水彩アイコンA11は、水彩処理を特殊効果処理部111aに行わせる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。野獣アイコンA12は、野獣処理を特殊効果処理部111aに行わせる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。点描アイコンA13は、点描処理を特殊効果処理部111aに行わせる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。水墨アイコンA14は、水墨処理を特殊効果処理部111aに行わせる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。中止アイコンA15は、特殊効果処理部111aに設定した特殊効果処理の中止を指示する指示信号の入力を受け付けるアイコンである。
ステップS105の後、点描アイコンA13が操作されることにより、特殊効果処理として点描が選択されて設定された場合(ステップS106:Yes)、特殊効果設定部113は、タッチパネル8から入力された指示信号に応じて、特殊効果処理部111aが実行すべき特殊効果処理として「点描」を設定し、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT1(図4)を参照して、特殊効果設定部113によって設定された「点描」の処理内容に対応する特殊効果処理4を実行する(ステップS107)。なお、この時、制御限界を超えた操作での撮影が行われた場合、これによって発生することが予測されるノイズ分を減らして、画像処理におけるノイズパターンレベルを設定するようにする。
続いて、表示制御部118は、ユーザによる操作結果を反映したライブビュー画像を表示部7に表示させる(ステップS108)。たとえば、図15に示すように、表示制御部118は、撮像部2によって生成された画像データに対して、特殊効果処理部111aが元の画像に対して点描処理を施したライブビュー画像W12を表示部7に表示させる。さらに、表示制御部118は、表示部7が表示しているライブビュー画像W12に施されている特殊効果処理に関する情報をアイコン、たとえば点描アイコンA21として表示部7に表示させる。これにより、ユーザは、表示部7で表示されるライブビュー画像を見ながら選択した特殊効果処理の内容を直ぐに確認することができる。
その後、撮像装置1は、撮影制御部117による制御限界によって各構成部の制御限界である場合に警告表示および制御限界に応じた特殊効果処理の推奨を行う表示処理を実行する(ステップS109)。なお、表示処理の詳細は後述する。
続いて、表示制御部118は、表示処理後に推奨部116によって特殊効果処理が推奨されている場合(ステップS110:Yes)、推奨する特殊効果処理に関する情報を表示部7に表示させる(ステップS111)。たとえば、図16に示すように、表示制御部118は、表示部7が表示するライブビュー画像W12中に、推奨部116によって推奨された特殊効果に関する情報としてアイコンA31を表示させる。アイコンA31は、推奨部116によって推奨された特殊効果処理の一覧を表示するメニュー画面(たとえば図17を参照)を表示部7に表示させる指示信号の入力を受け付けるアイコンである。図17は、メニュー画面の表示例を示す図である。さらに、表示制御部118は、制御限界判定部115によって撮影制御部117が制御限界であると判定された場合、制御限界の内容、たとえば至近限界であることを示すアイコンA32をアイコンA31と合わせて表示部7に表示させる。
その後、制御部11は、タッチパネル8から入力される指示信号に応じて特殊効果処理に関するアイコンA31が選択されたか否かを判断する(ステップS112)。特殊効果処理に関するアイコンA31が選択された場合(ステップS112:Yes)、撮像装置1はステップS106へ戻る。一方、所定時間内(たとえば3秒内)に特殊効果処理に関するアイコンA31が選択されていない場合(ステップS112:No)、撮像装置1はステップS113へ移行する。
ステップS113において、レリーズスイッチ62が操作されることによりレリーズ信号が入力された場合(ステップS113:Yes)、撮像装置1は、撮影制御部117の制御のもと、画像データを記憶部9の画像データ記憶部91に記録する(ステップS114)。
続いて、電源スイッチ61が操作されることにより、撮像装置1の電源が電源オフされた場合(ステップS115:Yes)、撮像装置1は一連の処理を終了する。一方、電源スイッチ61が操作されていない場合(ステップS115:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
ステップS113において、所定時間内(たとえば3秒内)にレリーズスイッチ62の操作がない場合(ステップS113:No)、撮像装置1はステップS115へ移行する。
ステップS106において、点描アイコンA13が選択されず(ステップS106:No)、水墨アイコンA14が選択された場合(ステップS116:Yes)、特殊効果設定部113は、タッチパネル8から入力された指示信号に応じて、特殊効果処理部111aが行うべき特殊効果処理として水墨処理を設定し、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT1を参照して、特殊効果設定部113によって設定された水墨処理の内容に対応する特殊効果処理2を画像データに実行する(ステップS117)。その後、撮像装置1はステップS108へ移行する。
ステップS106において、点描アイコンA13および水墨アイコンA14が選択されず(ステップS106:No,ステップS116:No)、野獣アイコンA12が操作された場合(ステップS118:Yes)、特殊効果設定部113は、タッチパネル8から入力された指示信号に応じて、特殊効果処理部111aが行うべき特殊効果処理として野獣処理を設定し、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT1を参照して、特殊効果設定部113によって設定され野獣処理の内容に対応する特殊効果処理3を画像データに実行する(ステップS119)。その後、撮像装置1はステップS108へ移行する。
ステップS106において、点描アイコンA13、水墨アイコンA14および野獣アイコンA12が選択されず(ステップS106:No,ステップS116:No,ステップS118:No)、水彩アイコンA11が選択された場合(ステップS120:Yes)、特殊効果設定部113は、タッチパネル8から入力された指示信号に応じて、特殊効果処理部111aが行うべき特殊効果処理として水彩処理を設定し、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT1を参照し、特殊効果設定部113によって設定された水彩処理の内容に対応する特殊効果処理1を画像データに実行する(ステップS121)。その後、撮像装置1はステップS108へ移行する。
ステップS106において、点描アイコンA13,水墨画アイコンA14、野獣アイコンA12および水彩アイコンA11が選択されず(ステップS106:No,ステップS116:No,ステップS118:No,ステップS120:No)、中止アイコンA15が操作された場合(ステップS122:Yes)、撮像装置1はステップS108へ移行する。一方、所定時間内(たとえば3秒内)に中止アイコンA15が選択されない場合(ステップS122:No)、撮像装置1はステップS106へ戻る。
ステップS104において、特殊効果処理に関する特殊効果アイコンA1が選択されていない場合(ステップS104:No)について説明する。この場合、制御部11は、他のアイコン操作に応じた処理を実行し(ステップS123)、撮像装置1はステップS108へ移行する。
つぎに、ステップS102において、メニュー表示操作が行われていない場合(ステップS102:No)について説明する。この場合において、撮像装置1の露出や画角等を手動で調整するマニュアル操作が行われた場合(ステップS124:Yes)、制御部11は、各種設定のパラメータを切換えるパラメータ切換処理を実行する(ステップS125)。なお、パラメータ切換処理の詳細については後述する。
続いて、撮影制御部117は、パラメータ切換処理によって切換えられた各種設定のパラメータに対応した露出制御を実行し(ステップS126)、撮像装置1はステップS108へ移行する。
ステップS124において、マニュアル操作が行われていない場合(ステップS124:No)について説明する。この場合、撮影制御部117は、露出およびピントを自動で調整するAE・AF処理を実行し(ステップS127)、撮像装置1はステップS108へ移行する。なお、AE・AF処理の詳細については後述する。
つぎに、ステップS101において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:No)について説明する。この場合において、撮像装置1が再生モードに設定されているとき(ステップS128:Yes)、表示制御部118は、画像データ記憶部91が記憶する画像データを表示部7に表示させる(ステップS129)。
続いて、画像データを再生する終了操作が行われた場合(ステップS130:Yes)、撮像装置1はステップS115へ移行する。一方、画像データの再生を終了する操作が行われていない場合(ステップS130:No)、撮像装置1はステップS128へ戻る。
ステップS128において、撮像装置1が再生モードに設定されていない場合(ステップS128:No)、撮像装置1はステップS115へ戻る。
つぎに、図12に示したステップS125のパラメータ切換処理について説明する。図18は、図12に示すパラメータ切換処理の概要を示すフローチャートである。
図18に示すように、撮像部2のピントを切換えるMF切換操作または画角を切換えるズーム切換操作が行われた場合(ステップS201:Yes)、制御限界判定部115は、MF切換操作による撮像部2のピント合わせMF限界またはズーム切換操作による撮像部2の画角を変更するズーム限界であるか否かを判定する(ステップS202)。MF限界またはズーム限界である場合(ステップS202:Yes)、制御限界判定部115は、撮像部2がMF限界またはズーム限界であると判定し(ステップS203)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
これに対して、MF限界およびズーム限界それぞれが制御限界でない場合(ステップS202:No)、撮影制御部117は、MF切換操作またはズーム切換操作に応じて、レンズ駆動部22を駆動してレンズ部21を光軸L1上に沿って移動させることにより、撮像部2のピントの切換または撮像部2の画角の切換を行う(ステップS204)。その後、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS201において、MF切換操作またはズーム切換操作がなく(ステップS201:No)、撮像部2の絞りを切換える絞り切換操作が行われた場合(ステップS205:Yes)、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに実行させる特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されているか否かを判断する(ステップS206)。特殊効果処理部111aに実行させる特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されている場合(ステップS206:Yes)、撮像装置1は後述するステップS207へ移行する。一方、特殊効果処理部111aに実行させる特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されていない場合(ステップS206:No)、撮像装置1は後述するステップS211へ移行する。
ステップS206において、特殊効果処理部111aに実行させる特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されている場合(ステップS206:Yes)について説明する。この場合、制御限界変更部114は、特殊効果処理部111aに実行させる特殊効果処理として設定された水彩処理または水墨処理に応じて、絞り値の制御限界を記録する画像データの画素ピッチ幅αを用いてF>5αに変更して設定する(ステップS207)。
図19は、制御限界変更部114が変更して設定する絞り値の制御限界を概念的に説明する図である。図19に示す横軸が絞り値(F値)を示し、縦軸が撮像素子27に結像される結像スポット径を示す。また、曲線c1が絞り値と結像スポット径との関係を示している。さらに、K1が絞り値の理論値を示し、K2が実際に回折限界によりボケが生じる絞り値を示す。一般に絞り値が大きいほど像の明るさが暗く、スポット径が大きいほど性能が悪い。
図19に示すように、制御限界変更部114は、絞り値を回折の影響により画像が悪化する領域D1になるように絞り値の制御限界を、ユーザによって撮影前に設定された絞り値およびシャッター速度にとって定まる初期状態の絞り値から変更して設定する。具体的には、結像スポット径をε、絞り値をF、使用する光の波長をλとすると、回折限界の理論式により、
ε=1.22Fλ ・・・(1)
となる。
一方、画像データ記憶部91に記憶する画像データの画素ピッチをα(μm)、撮像素子27の解像限界はαを用いて1/2αで表される。
したがって、絞り値が撮像素子27の解像限界を超えて小さくならないようにするためには、
1.22Fλ>2α ・・・(2)
を満たす必要がある。つまり、
F>1.64α/λ ・・・(3)
を満足させることが条件となる。
ここで、撮影で使用する可視光線の波長をλ=546(nm)とすると、
F>3.0×α/1 ・・・(4)
となり、F値の理論限界の条件式が求まる(絞り値K1)。
一方、絞り値を絞り込んでいくと(絞り値Fを2→2.8→・・・→11)、回折限界が生じる。このため、式(4)のF値に対して2段明るい絞り値(絞り値K2)から画像にボケが生じる。したがって、
F>1.5α ・・・(5)
をF値の限界の条件式として用いる。
このように、制御限界変更部114は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに設定された特殊効果処理の内容に応じて、絞り値を上述した式(5)を満たすように変更して設定する。たとえば、制御限界変更部114は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに設定された特殊効果処理が点描処理であり、記録する画像データの画素ピッチαが5(μm)である場合、F値の限界の条件式をF>5αとなるように変更して設定する。また、制御限界変更部114は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに設定された特殊効果処理が水彩処理または水墨処理であり、記録する画像データの画素ピッチαが5(μm)である場合、F値の限界の条件式をF>3aとなるように変更して設定する。これにより、制御限界変更部114は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに設定される特殊効果処理の内容に応じて、絞り値の制御限界を変更して設定するので、撮影制御部117による露出限界を緩和することができる。なお、制御限界変更部114は、特殊効果処理に組み合わせられた画像処理の強度、たとえばコントラストの強度や彩度に応じて、絞り値を設定するようにしてもよい。
図18に戻り、ステップS208以降の説明を続ける。ステップS208において、制御限界判定部115は、絞り切換操作による撮像部2の絞り値が絞り限界(F>5α)に達しているか否かを判断する。絞り値が絞り限界に達している場合(ステップS208:Yes)、制御限界判定部115は、絞り切換操作による絞り値が絞り限界であると判定し(ステップS209)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
これに対して、絞り値が絞り限界に達していない場合(ステップS208:No)、撮影制御部117は、絞り切換操作に応じた操作量に基づいて、絞り駆動部24を駆動し、絞り部23の絞りを切換え(ステップS210)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS206において、特殊効果処理部111aに行わせる特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されていない場合(ステップS206:No)について説明する。この場合、制御限界判定部115は、絞り切換操作による撮像部2の絞り値が絞り限界(F>3α)に達したか否かを判断する(ステップS211)。絞り値が絞り限界に達している場合(ステップS211:Yes)、制御限界判定部115は、絞り切換操作による絞り値が絞り限界であると判定し(ステップS212)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
これに対して、絞り値が絞り限界に達していない場合(ステップS211:No)、撮影制御部117は、絞り切換操作に応じた操作量に基づいて、絞り駆動部24を駆動し、絞り部23の絞りを切換え(ステップS213)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
つぎに、MF切換操作、ズーム切換操作および絞り切換操作がなく(ステップS201:No,ステップS205:No)、撮像部2のシャッター速度切換操作が行われた場合(ステップS214:Yes)について説明する。この場合、制御限界判定部115は、シャッター速度切換操作による撮像部2のシャッター速度がシャッター速度限界に達したか否かを判定する(ステップS215)。シャッター速度がシャッター速度限界に達した場合(ステップS215:Yes)、制御限界判定部115は、シャッター速度がシャッター速度限界であると判定し(ステップS216)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
これに対して、シャッター速度がシャッター速度限界に達してない場合(ステップS215:No)、撮影制御部117は、シャッター速度切換操作に応じた操作量に基づいて、シャッター速度を切換え(ステップS217)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
つぎに、MF切換操作またはズーム切換操作、絞り切換操作およびシャッター速度切換操作がなく(ステップS201:No,ステップS205:No,ステップS214:No)、撮像部2の撮影感度切換操作が行われた場合(ステップS218:Yes)について説明する。この場合、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されているか否かを判断する(ステップS219)。特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されている場合(ステップS219:Yes)、撮像装置1は後述するステップS220へ移行する。一方、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されていない場合(ステップS219:No)、撮像装置1は後述するステップS224へ移行する。
ステップS219において、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されている場合(ステップS219:Yes)について説明する。この場合、制御限界変更部114は、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として設定された点描処理に応じて、撮影感度の撮影感度限界をISO6400に変更して設定する(ステップS220)。
続いて、制御限界判定部115は、撮影感度切換操作による撮像部2の撮影感度がISO6400以上であるか否かを判定する(ステップS221)。撮像部2の撮影感度がISO6400以上である場合(ステップS221:Yes)、制御限界判定部115は、撮像部2の撮影感度が限界であると判定し(ステップS222)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
これに対して、撮像部2の撮影感度がISO6400以上でない場合(ステップS221:No)、撮影制御部117は、撮影感度切換操作による撮影感度に応じて、信号処理部29が撮像素子27から出力される画像データに対して行う増幅(ゲイン調整)のレベルを切換え(ステップS223)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS219において、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されていない場合(ステップS219:No)について説明する。この場合、制御限界判定部115は、撮影感度切換操作による撮像部2の撮影感度がISO1600以上であるか否かを判定する(ステップS224)。撮像部2の撮影感度がISO1600以上である場合(ステップS224:Yes)、制御限界判定部115は、撮像部2の撮影感度が撮影感度限界であると判定し(ステップS225)、撮像装置1は図12に示すメインルーチンに戻る。
これに対して、撮像部2の撮影感度がISO1600以上でない場合(ステップS224:No)、撮影制御部117は、撮影感度切換操作による撮影感動に応じて、信号処理部29が撮像素子27から出力される画像データに対して行う増幅のレベルを切換え(ステップS226)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
つぎに、図12に示したステップS127のAF・AE処理について説明する。図20は、図12に示すAF・AE処理の概要を示すフローチャートである。
図20に示すように、撮影制御部117は、レンズ駆動部22を駆動し、レンズ部21を光軸L1上に沿って移動を開始し(ステップS301)、撮像素子27が順次生成した画像データに基づいて、コントラストの検出を開始する(ステップS302)。
続いて、制御限界判定部115は、撮像素子27が順次生成した画像データのコントラストがレンズ部21の至近で増加しているか否かを判定する(ステップS303)。画像データのコントラストがレンズ部21の至近で増加している場合(ステップS303:Yes)、制御限界判定部115は、レンズ部21の至近限界であると判定する(ステップS304)。
その後、撮影制御部117は、レンズ駆動部22の駆動を停止し、レンズ部21を至近限界の位置で停止させ(ステップS305)、撮像装置1は後述するステップS307へ移行する。
ステップS303において、画像データのコントラストがレンズ部21の至近で増加していない場合(ステップS302:No)について説明する。この場合、撮影制御部117は、レンズ駆動部22を駆動し、レンズ部21を光軸L1上に沿って移動させながら画像データのコントラストがピークになる位置で停止させ(ステップS306)、撮像装置1は後述するステップS307へ移行する。
ステップS307において、制御部11は、信号処理部29を介して撮像素子27から出力される画像データに基づいて、被写体までの距離を検出し(ステップS307)、被写体の明るさを検出する(ステップS308)。
続いて、撮影制御部117は、制御限界判定部115によってレンズ部21が至近限界であると判定されている場合(ステップS309:Yes)、プログラム線図情報記憶部95が記憶するプログラム線図と被写体の明るさにと基づいて、絞り値、シャッター速度および撮影感度それぞれを設定する(ステップS310)。
その後、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されているか否かを判断する(ステップS311)。特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されている場合(ステップS311:Yes)、撮像装置1は後述するステップS312へ移行する。一方、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されていない場合(ステップS311:No)、撮像装置1は後述するステップS314へ移行する。
ステップS312において、制御限界判定部115は、撮影制御部117によって設定された撮影感度がISO6400以上であるか否かを判定する。撮影感度がISO6400以上である場合(ステップS312:Yes)、制御限界判定部115は、被写体の明るさが明るさ限界であると判定し(ステップS313)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。一方、撮影感度がISO6400以上でない場合(ステップS312:No)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS314において、制御限界判定部115は、撮影制御部117によって設定された撮影感度がISO1600以上であるか否かを判定する。撮影感度がISO1600以上である場合(ステップS314:Yes)、制御限界判定部115は、被写体の明るさが限界であると判定し(ステップS315)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。一方、撮影感度がISO1600以上でない場合(ステップS314:No)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS309において、制御限界判定部115によってレンズ部21の至近限界であると判定されていない場合(ステップS309:No)について説明する。この場合、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として水彩処理、水墨処理または点描処理のいずれかが設定されているか否かを判断する(ステップS316)。特殊効果処理部111aに特殊効果処理として処理水彩、水墨処理または点描処理のいずれかが設定されている場合(ステップS316:Yes)、制御限界変更部114は、絞り部23の絞り値をF>5αに変更して設定し(ステップS317)、撮像装置1は後述するステップS319へ移行する。
これに対して、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として水彩処理、水墨処理または点描処理のいずれも設定されていない場合(ステップS316:No)、制御限界変更部114は、絞り部23の絞り値をF>3αに変更して設定し(ステップS318)、撮像装置1は後述するステップS319へ移行する。
ステップS319において、撮影制御部117は、プログラム線図情報記憶部95が記憶するプログラム線図と絞り値とに基づいて、シャッター速度および撮影感度を設定する。
続いて、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されているか否かを判断する(ステップS320)。特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されている場合(ステップS320:Yes)、撮像装置1は後述するステップS321へ移行する。一方、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として点描処理が設定されていない場合(ステップS320:No)、撮像装置1は後述するステップS323へ移行する。
ステップS321において、制御限界判定部115は、撮影制御部117によって設定された撮影感度がISO6400以上であるか否かを判定する。撮影感度がISO6400以上である場合(ステップS322:Yes)、制御限界判定部115は、被写体の明るさが明るさ限界であると判定し(ステップS322)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。一方、撮影感度がISO6400以上でない場合(ステップS321:No)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS323において、制御限界判定部115は、撮影制御部117によって設定された撮影感度がISO1600以上であるか否かを判定する。撮影感度がISO1600以上である場合(ステップS323:Yes)、被写体の明るさが明るさ限界であると判定し(ステップS324)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。一方、撮影感度がISO1600以上でない場合(ステップS323:No)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
つぎに、図12に示したステップS109の表示処理について説明する。図21は、図12に示した表示処理の概要を示すフローチャートである。
図21に示すように、制御限界判定部115によってレンズ部21のMF限界またはズーム限界であると判定されている場合(ステップS401:Yes)、表示制御部118は、MF限界またはズーム限界であることを示す警告を表示部7に表示させ(ステップS402)、撮像装置1はステップS403へ移行する。一方、制御限界判定部115によってレンズ部21のMF限界またはズーム限界でないと判定されている場合(ステップS401:No)、撮像装置1はステップS403に移行する。
続いて、制御限界判定部115によってシャッター部25のシャッター速度限界であると判定された場合(ステップS403:Yes)、表示制御部118は、シャッター速度限界であることを示す警告を表示部7に表示させ(ステップS404)、撮像装置1はステップS405へ移行する。一方、制御限界判定部115によってシャッター部25のシャッター速度限界でないと判定されている場合(ステップS403:No)、撮像装置1はステップS405へ移行する。
その後、制御限界判定部115によって絞り部23の絞り限界であると判定されている場合(ステップS405:Yes)、表示制御部118は、絞り部23が絞り限界であることを示す警告を表示部7に表示させ(ステップS406)、撮像装置1はステップS407へ移行する。一方、制御限界判定部115によって絞り部23の絞り限界でないと判定されている場合(ステップS405:No)、撮像装置1はステップS407へ移行する。
続いて、制御限界判定部115によって撮影感度が撮影感度限界であると判定されている場合(ステップS407:Yes)、表示制御部118は、撮影感度が撮影感度限界であることを示す警告を表示部7に表示させ(ステップS408)、撮像装置1はステップS409へ移行する。一方、制御限界判定部115によって撮影感度が撮影感度限界でないと判定されている場合(ステップS407:No)、撮像装置1はステップS409へ移行する。
ステップS409において、制御限界判定部115によって被写体の明るさが明るさ限界であると判定されている場合(ステップS409:Yes)について説明する。この場合、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として野獣処理が設定されているか否かを判断する(ステップS410)。特殊効果処理部111aに特殊効果処理として野獣処理が設定されている場合(ステップS410:Yes)、撮像装置1は後述するステップS411へ移行する。一方、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として「野獣」が設定されていない場合(ステップS410:No)、撮像装置1は後述するステップS413へ移行する。
ステップS411において、撮像装置1に設定されたシャッター部25のシャッター速度が1/10以上である場合(ステップS411:Yes)、表示制御部118は、撮影時に手ブレが生じやすくなることを示す警告を表示部7に表示させる(ステップS412)。具体的には、表示制御部118は、図22に示すように、表示部7が表示する画像W13中に撮影時に手ブレが生じやすくなることを示す警告をアイコンA31として表示部7に表示させる。その後、撮像装置1は後述するステップS416へ移行する。一方、シャッター速度が1/10以上でない場合(ステップS411:No)、撮像装置1は後述するステップS416へ移行する。
ステップS413において、撮像装置1に設定されたシャッター部25のシャッター速度が1/100以上である場合(ステップS413:Yes)、表示制御部118は、撮影時に手ブレが生じやすくなることを示す警告を表示部7に表示させる(ステップS414)。
続いて、推奨部116は、撮影時に各種設定された撮像装置1の撮影条件における限界情報に基づいて、特殊効果処理として野獣処理を推奨し(ステップS415)、撮像装置1は後述するステップS416へ移行する。
ステップS413において、撮像装置1に設定されたシャッター部25のシャッター速度が1/100以上でない場合(ステップS413:No)、撮像装置1は後述するステップS416へ移行する。
ステップS416において、制御限界判定部115によって至近限界であると判定されている場合(ステップS416:Yes)について説明する。この場合、制御部11は、特殊効果設定部113によって特殊効果処理部111aに特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されているか否かを判断する(ステップS417)。特殊効果処理部111aに特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されている場合(ステップS417:Yes)、表示制御部118は、至近限界であることを示す警告を表示部7に表示させ(ステップS418)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS417において、特殊効果処理部111aに特殊効果処理として水彩処理または水墨処理が設定されていない場合(ステップS417:No)について説明する。この場合、表示制御部118は、至近限界であることを示す警告を表示部7に表示させる(ステップS419)。
続いて、推奨部116は、撮影時に推奨する特殊効果処理として水彩処理、水墨処理または点描処理を設定し(ステップS420)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
ステップS416において、制御限界判定部115によって至近限界であると判定されていない場合(ステップS416:No)、撮像装置1は図12に示したメインルーチンに戻る。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、制御限界変更部114が選択された特殊効果処理の内容に基づいて、撮影前に設定された撮像装置1に対して一または複数の設定条件によって定まる撮影時の制御限界を変更する。これにより、撮影時に設定された撮像装置1の設定条件によって定まる制御限界を緩和することができ、撮影できる範囲を拡大することができる。
さらに、本発明の一実施の形態によれば、制御限界変更部114が撮影した画像データを画像データ記憶部91に記憶する際の画素ピッチに応じて、敢えて画像にボケが生じるように絞り部23の絞りを設定し、特殊効果処理部111aがボケた画像に特殊効果処理を施すので、より撮影できる範囲を拡大することができるとともに、特殊効果処理によって画像のボケを目立たせなくすることができる。
また、本発明の一実施の形態によれば、推奨部116が撮影前に設定された撮像装置1に対する一または複数の設定条件によって定まる撮影時の制御限界に基づいて、特殊効果処理部111aが実行可能な特殊効果処理のいずれか一つ以上を推奨し、表示制御部118が推奨部116によって推奨された特殊効果処理に関する情報を表示部7に表示させる。これにより、撮影時に設定された撮像装置1の設定条件によって定まる制御限界に適した特殊効果処理の選択の指針となる情報をユーザに提示することができる。
さらにまた、本発明の一実施の形態によれば、表示制御部118が制御限界判定部115によって撮影制御部117による制御を制御限界であると判定した場合、表示部7に制御限界であることを示す情報を表示部7に表示させるとともに、推奨部116によって推奨された特殊効果処理に関する情報を表示部7に表示させる。これにより、ユーザは、表示部7が表示するライブビュー画像を見ながら特殊効果処理の選択または撮像装置1の設定条件の変更を行うことができる。
なお、本発明の一実施の形態では、特殊効果処理部111aが実行可能な特殊効果処理として水彩、水墨、野獣、点描を例に挙げたが、他の特殊効果処理も実行することができる。たとえば、図23に示すように、特殊効果処理部111aは、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT2を参照して、画像データに対して特殊効果処理を行ってもよい。さらに。推奨部116は、特殊効果情報記憶部93が記憶する特殊効果処理情報テーブルT2を参照して、撮影制御部117による制御限界に応じて推奨する特殊効果処理を変更してもよい。たとえば、推奨部116は、特殊効果処理の「水墨」に換えて、特殊効果処理の画像処理の特徴として、彩度、コントラストおよびWB(ホワイトバランス)がほぼ同じ「ラフモノクローム」を推奨するようにしてもよい。
ここで、図23に示した各特殊効果処理について説明する。
ファンタジックフォーカスは、柔らかいトーンの中で空気感を表現しつつ、被写体のディティールを残しながら幸福な光に包まれたように美しく幻想的に表現する特殊効果処理である。
ポップアートは、色をカラフルに強調し、明るく楽しい雰囲気に表現する特殊効果処理である。
ラフモノクロームは、モノクロ写真ならではの力強さ、荒々しさを表現する特殊効果処理である。
また、本発明の一実施の形態では、特殊効果処理部111aは、画像データに対して補助的な視覚的な効果を生じさせる特殊補助効果処理を行ってもよい。この特殊補助効果処理としては、画像データに対して、ぼかし処理、シェーディング追加処理、ノイズパターン重畳処理のいずれか一つを行う処理である。これにより、撮影制御部117が撮影感度を上げて撮影する場合であっても、特殊効果処理部111aが画像データに対してノイズパターン重畳処理を行うことにより、画像に生じたノイズを隠すことができるので、制御限界の許容範囲を緩和することができる。
また、本発明の一実施の形態では、通信部10を介してパーソナルコンピュータやサーバ等の外部処理装置に接続することによって、特殊効果情報記憶部93が通信部10を介して受信した情報に基づいて特殊効果処理情報テーブルT1の更新または書き換えを行ってもよい。さらに、記憶部9に装着可能な記憶媒体、たとえばメモリカード等に新たに追加された特殊効果処理の処理内容を記憶させ、制御部11が記憶媒体から新たに追加された特殊効果の処理内容を取得し、取得した特殊効果処理の処理内容を特殊効果情報記憶部93に記憶させることで特殊効果処理情報テーブルの更新または書き換えを行ってもよい。
また、本発明の一実施の形態では、撮像装置1をデジタルカメラとして説明していたが、たとえばデジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話やタブレット型携帯機器等の撮影機能および表示機能を備えた各種電子機器に適用することができる。