JP4582455B2 - Al合金反射膜、光情報記録媒体及びAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

Al合金反射膜、光情報記録媒体及びAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲット Download PDF

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この発明は、表面が平滑で、温度変化に伴う結晶粒の成長が小さく、さらに反射率が高くかつ温度変化があっても反射率の変化が小さいAl合金反射膜及び同Al合金反射膜を備えた光情報記録媒体並びに同Al合金反射膜形成用スパッタリングターゲットに関する。
CDやDVDに使用する光記録情報媒体の反射層として、通常AlやAgの薄膜が使用されている。反射層に必要な条件として、使用するレーザー光に対して高い反射率を持つこと及び相変化材料から保護層を介して熱を急速に拡散させるための高い熱伝導性を持つことが要求されている。
上記Agの反射膜は、硫黄や水分等による腐蝕が問題であり、またディスクの温度上昇に伴って、急速に結晶粒が成長し、表面粗さが粗大化するという問題があった。これを改善するために、Agに他の元素を添加する提案がなされている。しかし、この合金元素の添加は、反射率の低下を招くという問題があった。
Al系反射膜では、Agのような硫黄や水分に対する腐蝕の問題は生じないが、同様に結晶粒が粗大化し、表面粗さが粗大化するという問題がある。
従来は、光透過層となる透明なプラスチックの厚い基板を成膜の基板とし、その上に第1保護層、記録層、第2記録層、反射層と順に積層してDVD等を作製し、透明のプラスチックの基板側からレーザー光を照射していた。この場合、反射層は積層面に相対することになるので比較的平滑な面である。したがって、それがレーザー光の反射面となるため、積層面の表面粗さは大きな問題とはならなかった。
しかし、最近記録密度を高めるために、レーザー光の短波長化及びレンズの高開口数化が検討されている。このレンズの高開口数化の場合には、ディスクの傾きに対するマージンや収差を補償するために、記録・再生光の照射を行う側のプラスチックス層を、現在のDVD層よりも、はるかに薄くする必要がある。
この場合には、薄い透明なプラスチックを成膜の基板に使用することができないので、基板として透明なプラスチック以外の材料を使用し、上記とは全くの逆工程で、基板上に反射層、第2保護層、記録層、第1保護層、光透過層を形成することになる。
この構造では、反射層は成膜の表面がレーザーに露出し、その面が反射光となるので、面の結晶成長の抑制及び表面の平滑性は非常に重要となる。すなわち、レーザー光が照射される反射膜の表面凹凸が大きくなると、反射層の表面でレーザー光が散乱されるため、ノイズが上昇するという問題が生じることとなる。
また、光情報記録媒体の記録密度を高めるためには、記録マークを小さくする必要があるが、上記のように反射膜の上に極めて薄い保護層を介して記録膜を成膜するために、反射膜の結晶粒粗大化に起因する表面凹凸が記録層に直接反映されるため、記録マークの微細化に限界が生じてしまうという問題があった。
本発明者の一人、井上明久外1名は、Al合金からなるナノ組織超高強度軽金属材料の研究を報告した(非特許文献1参照)。しかし、この場合は、高温強度と耐熱性を目指したもので、結晶成長の抑制及び表面の平滑性に関する知見は得られておらず、光情報記録媒体用Al合金反射層として、適切な特性を備えているか否かについては全く未知数であった。
川村能人、井上明久共著「ナノ組織超高強度軽金属材料の動向と展望」「まてりあ」第41巻、第6号(2002)小特集、頁414〜417
本発明は、以上の問題を解決するものであり、光情報記録媒体の記録密度を高めるために記録マークを小さくすることが可能であり、Al合金反射膜の反射率が高く、表面が平滑で、温度変化に伴う結晶粒の成長が小さくかつ反射率の変化が小さい、Al合金反射膜及び同Al合金反射膜を備えた光情報記録媒体並びに同Al合金反射膜形成用スパッタリングターゲットを得ることを課題とする。
本発明は、上記課題に鑑み、Al系反射膜を中心とする改良を行い、次の発明を提案する。
その1)として、光情報記録媒体に用いるAl合金反射膜であって、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射膜を提供する。
その2)として、波長633nm及び波長405nmのレーザー光を照射した場合の反射率が80%以上である1)記載のAl合金反射膜を提供する。
その3)として、Al合金反射膜の表面粗さRaが100Å以下である1)又は2)記載のAl合金反射膜を提供する。
その4)として、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射層を備えていることを特徴とする光情報記録媒体を提供する。
その5)として、波長633nm及び波長405nmのレーザー光を照射した場合の反射率が80%以上であるAl合金反射層を備えている4)記載の光情報記録媒体を提供する。
その6)として、表面粗さRaが100Å以下であるAl合金反射層を備えている4)又は5)記載の光情報記録媒体を提供する。
その7)として、基板上に形成されたCr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射層、Al合金反射層上に保護層を介して形成された記録層及び該記録層上に保護層を介して形成された光透過層からなることを特徴とする光情報記録媒体を提供する。
その8)として、光情報記録媒体に用いるAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲットであって、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲットを提供する。
本発明のAl合金反射膜は、温度変化に伴う結晶粒の成長が小さく、反射率が高く、さらに温度変化に伴う反射率の変化が小さいので、同Al合金反射膜を備えた光情報記録媒体は、記録マークを小さくすることが可能であり、記録密度を高めることができるという優れた効果を有する。また、同Al合金反射膜の形成に際し使用するスパッタリング法は、成膜の厚さを任意に調節可能である優れた成膜方法であり、同スパッタリング法に使用するターゲットを安定して製造できるという著しい効果を有する。
本発明の光情報記録媒体に用いるAl合金反射膜は、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl系合金反射膜である。この合金組成にすることにより、温度変化に伴う結晶粒の成長を抑制できる。
下記実施例に示すように、100°C120時間の加熱処理を施した場合でも、表面粗さRaが100Å以下を達成できる。Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0at%未満では、表面粗さRaが100Åを超え粗大化する。また、4.0at%を超えると反射率が低下するので、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%に調整して含有させるのが良いと言える。
これによって、本発明のAl合金反射膜は、波長633nm及び波長405nmのレーザー光を照射した場合の反射率80%以上を、容易に達成可能となる。
このように、反射率が高くさらに温度変化に伴う反射率の変化が小さいので、本発明のAl合金反射膜を備えた光情報記録媒体は、記録マークを小さくすることが可能であり、記録密度を高めることができるという優れた効果を有する。
本発明の光情報記録媒体は、基板上に形成されたCr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射層、Al合金反射層上に保護層を介して形成された記録層及び該記録層上に保護層を介して形成された光透過層からなる光情報記録媒体に特に有効である。
なお、本発明のAl合金反射膜温は、温度変化に伴う結晶粒の成長が小さく、反射率が高く、さらに温度変化に伴う反射率の変化が小さいという特性を備えているので、光透過層となる透明なプラスチックの厚い基板を成膜の基板とし、その上に第1保護層、記録層、第2記録層、反射層と順に積層してDVD等を作製するという従来の工程においても適用できることは言うまでもない。この場合においても、結晶粒の微細化の効果は、同様に有効である。
本発明のAl合金反射膜を形成する手段として、スパッタリング成膜法が有効である。スパッタリング法は、ターゲットの組成、組織、性質等が薄膜の性状に直接反映されるからである。本発明のターゲットをスパッタリングすることにより得られたスパッタ膜は、ターゲットの組成が直接Al合金反射膜に反映され、良好な反射膜を形成することが可能となる。
したがって、本発明は、光情報記録媒体に用いるAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲットであって、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲットを提供する。
次に、実施例について説明する。なお、本実施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に含まれる他の態様及び変形を含むものである。
(実施例1〜9)
純度3N以上のAl粉、Cr粉、Fe粉、Ti粉を、実施例1〜9に示すように、それぞれ所定量秤量した。次に、これらをV型混合機等の混合機を用いて混合した。
そしてこれらを、ホットプレスにて250kgf/cmの荷重をかけ600°Cで焼結し、焼結後、所定の形状に機械加工を施してそれぞれのAl合金ターゲットとした。
このAl合金ターゲットを用いて、アネルバ製スパッタリングマシンSPL−500でスパッタして、ガラス基板に1500Åの厚さに成膜した。スパッタパワーは1000W、雰囲気Ar、ガス圧0.5Pa、ガス流量を100sccmとした。
成膜したサンプルは、耐熱性を確認するため、真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した。スパッタ膜の反射率はJASCO製 V−570、表面粗さはVeeco製Dektak8にて評価した。この結果を表1に示す。
この表1に示す通り、実施例1は、Cr,Fe,Tiの添加量が本発明の下限値であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後においても、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率は、91.5%、92.2%であり、良好な反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、95Åから98Åと、やや大きくなったが、100Å以下の範囲であり、平滑な表面を得られ、本願発明の範囲を満足していた。
実施例2は、Cr,Fe,Tiの添加量が本発明のほぼ中間値にあるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、86.4%、87.6%であり、良好な反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、65Åから60Åと、むしろ低下し、極めて良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例3は、Cr,Fe,Tiの添加量が本発明の上限値であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、81.4%、82.8%となりやや低下したが、いずれも本願発明の範囲にあり、良好な反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、51Åから56Åと、極めて良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例4は、CrとFeの添加量が本発明の下限値、Tiの添加量が本発明の上限値の場合であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、87.2%、85.3%であり、良好な反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、57Åから85Åとやや増えているが、良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例5は、CrとTiの添加量が本発明の下限値、Feの添加量が本発明の上限値の場合であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、86.0%、84.1%であり、良好な反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、61Åから88Åとやや増えているが、良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例6は、FeとTiの添加量が本発明の下限値、Crの添加量が本発明の上限値の場合であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、85.4%、83.7%であり、良好な反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、66Åから68Åと若干増えているが、良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例7は、Crの添加量が本発明の下限値、FeとTiの添加量が本発明の上限値の場合であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、84.0%、82.4%とやや低下したが、いずれも良好な範囲の反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、57Åから55Åとなったが、この表面粗さRaは極めて良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例8は、Feの添加量が本発明の下限値、CrとTiの添加量が本発明の上限値の場合であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、82.4%、80.6%と低下したが、いずれも良好な範囲の反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理後に、55Åから60Åとなったが、この表面粗さRaは極めて良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
実施例9は、Tiの添加量が本発明の下限値、CrとFeの添加量が本発明の上限値の場合であるが、成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、80.9%、80.1%と低下したが、いずれも良好な範囲の反射率を示した。
また、表面粗さRaは加熱処理前後で、87Å、87Åと変化なく、この表面粗さRaは良好な範囲にあり、平滑な表面を得られた。
(比較例1−6)
純度3N以上のAl粉、Cr粉、Fe粉、Ti粉を、比較例1〜6に示すように、それぞれ所定量秤量した。次に、これらをV型混合機等の混合機を用いて混合した。
そして実施例と同様に、これらをホットプレスにて250kgf/cmの荷重をかけ600°Cで焼結し、焼結後、所定の形状に機械加工を施してそれぞれのAl合金ターゲットとした。
このAl合金ターゲットを、実施例と同様にスパッタして、ガラス基板に1500Åの厚さに成膜した。成膜したサンプルは、耐熱性を確認するため、真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した。スパッタ膜の反射率を同様にして評価した。
比較例1は、表1に示すように、Cr,Fe,Tiの添加量が、いずれも0.1at%で、本発明の添加量に達していないものである。成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、95.1%、91.4%と良好な反射率を示したが、表面粗さRaは加熱処理後に、41Åから320Åと粗大化して安定せず、表面が粗く、好ましくない結果となった。
比較例2は、表1に示すように、Cr,Fe,Tiの添加量が、いずれも0.5at%で、本発明の添加量よりも過剰に添加されたものである。成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、表面粗さRaは加熱処理後に、68Åから65Åと良好な範囲にあるが、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、78.5%、77.7%と反射率が低下し、本願発明の目的を達成することができず、好ましくない結果となった。
比較例3は、表1に示すように、Cr,Fe,Tiの無添加の場合である。成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、96.3%、91.0%と、比較例1と同様に良好な反射率を示したが、表面粗さRaは加熱処理後に、37Åから321Åと粗大化して安定せず、表面が粗く、好ましくない結果となった。
比較例4は、表1に示すように、CrとFeが無添加で、Tiの添加量のみを1.8at%としたものである。本発明の添加量と比較するとバランスがとれていないことが分る。成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、93.8%、97.1%と反射率は、本発明の目的の範囲にあるが、表面粗さRaは加熱処理後に、35Åから544Åと著しく粗大化し、本願発明の目的を達成することができず、好ましくない結果となった。
このようにアンバランスな添加は、むしろ好ましくないことが分った。
比較例5は、表1に示すように、Crの添加量のみ2.0at%とし、FeとTiは無添加としたものである。本発明の添加量と比較するとバランスがとれていないことが分る。成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、91.2%、90.6%と反射率は、本発明の目的の範囲にあるが、表面粗さRaは加熱処理後に、58Åから685Åと著しく粗大化し、本願発明の目的を達成することができず、好ましくない結果となった。同様に、このようにアンバランスな添加は、むしろ好ましくないことが分った。
比較例6は、表1に示すように、Feの添加量のみ2.0at%とし、CrとTiは無添加としたものである。本発明の添加量と比較するとバランスがとれていないことが分る。成膜後及び真空中、100°C、120時間の条件でアニール試験を施した後において、波長633nm、405nmのレーザー光の照射による反射率が、94.5%、93.3%と反射率は、本発明の目的の範囲にあるが、表面粗さRaは加熱処理後に、65Åから774Åと著しく粗大化し、本願発明の目的を達成することができず、好ましくない結果となった。同様に、このようにアンバランスな添加は、むしろ好ましくないことが分った。
Figure 0004582455
本発明のAl合金反射膜は、温度変化に伴う結晶粒の成長が小さく、反射率が高く、さらに温度変化に伴う反射率の変化が小さいので、同Al合金反射膜を備えた光情報記録媒体は、記録マークを小さくすることが可能であり、記録密度を高めることができるという優れた効果を有する。したがって、光情報記録媒体用反射膜として有用である。
また、Al合金反射膜の形成に際し使用するスパッタリング法は、ターゲットの組成が直接Al合金反射膜に反映され、良好な反射膜を形成することが可能であり、かつ成膜の厚さを任意に調節可能である優れた成膜方法であり、Al合金反射膜形成用スパッタリングターゲットとして使用できる。

Claims (8)

  1. 光情報記録媒体に用いるAl合金反射膜であって、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とするAl合金反射膜。
  2. 波長633nm及び波長405nmのレーザー光を照射した場合の反射率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載のAl合金反射膜。
  3. Al合金反射膜の表面粗さRaが100Å以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のAl合金反射膜。
  4. Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射層を備えていることを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 波長633nm及び波長405nmのレーザー光を照射した場合の反射率が80%以上であるAl合金反射層を備えていることを特徴とする請求項4記載の光情報記録媒体。
  6. 表面粗さRaが100Å以下であるAl合金反射層を備えていることを特徴とする請求項4又は5記載の光情報記録媒体。
  7. 基板上に形成されたCr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなるAl合金反射層、Al合金反射層上に保護層を介して形成された記録層及び該記録層上に保護層を介して形成された光透過層からなることを特徴とする光情報記録媒体。
  8. 光情報記録媒体に用いるAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲットであって、Cr,Fe,Tiをそれぞれ1.0〜4.0at%含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなることを特徴とするAl合金反射膜形成用スパッタリングターゲット。
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