JP4581233B2 - 車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

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    • B21J9/00Forging presses
    • B21J9/02Special design or construction
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る車輪支持用転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪は、車輪支持用転がり軸受ユニットにより懸架装置に支持する。
この様な車輪支持用転がり軸受ユニットのうち、部品点数の低減によるコスト低減と小型・軽量化とを目的として、ハブと内輪との結合固定にナットを使用しない構造が、例えば特開平11−129703号公報に記載されている様に、従来から知られている。図5〜6は、この公報に記載されて従来から知られている車輪支持用転がり軸受ユニット1を示している。
【0003】
この従来から知られている車輪支持用転がり軸受ユニット1は、ハブ2と、内輪3と、外輪4と、複数個の転動体5、5とを備える。このうちのハブ2の外周面の外端(外とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向外側を言い、図3、8を除く各図の左。反対に、車両の幅方向中央側を内と言い、図3、8を除く各図の右。)寄り部分には、車輪を支持する為の第一のフランジ6を形成している。又、このハブ2の中間部外周面には第一の内輪軌道7を、同じく内端部には外径寸法が小さくなった段部8を、それぞれ形成している。そして、上記内輪3をこの段部8に外嵌し、更にかしめ部9により固定している。尚、上記第一の内輪軌道7は、上記ハブ2の中間部外周面に直接形成する他、このハブ2の中間部に外嵌した別体の内輪の外周面に形成する場合もある。この様な場合には、上記ハブ2の端部でこの別体の内輪よりも軸方向内方に突出した部分が、上記内輪3を外嵌する為の段部となる。
【0004】
この為に上記ハブ2の内端部に、このかしめ部9を構成する為の円筒部10を形成している。この円筒部10の肉厚は、図7に示した、この円筒部10を直径方向外方にかしめ広げる以前の状態で、先端縁に向かう程小さくなっている。この為上記ハブ2の内端面に、奥部に向かう程次第に内径が小さくなるテーパ孔11を形成している。
【0005】
上記ハブ2の内端部に上記内輪3を固定すべく、上述の様な円筒部10の先端部をかしめ広げるには、上記ハブ2が軸方向にずれ動かない様に固定した状態で、図6に示す様に、押型12を上記円筒部10の先端部に強く押し付ける。この押型12の先端面(図6の左端面)中央部には、上記円筒部10の内側に押し込み自在な円錐台状の凸部13を形成し、この凸部13の周囲に断面円弧状の凹部14を、この凸部13の全周を囲む状態で形成している。尚、この凹部14の断面形状は、この凹部14により上記円筒部10の先端部を塑性変形させる事で得られるかしめ部9の断面形状が、基端部から先端部に向かう程厚さ寸法が漸次小さくなり、特にこの厚さ寸法が先端部で急激に小さくなる様に、外径側に向かう程曲率半径が小さくなる複合曲面としている。
【0006】
上述の様な形状並びに寸法の凸部13と凹部14とを有する押型12を上記円筒部10の先端部に押し付ければ、この円筒部10の先端部を直径方向外方にかしめ広げて、上記かしめ部9を形成する事ができる。そして、このかしめ部9とハブ2の内端部に形成した段部8の段差面23との間で上記内輪3を挟持して、この内輪3を上記ハブ2に固定できる。
【0007】
一方、前記外輪4の内周面には、上記ハブ2の中間部外周面に形成した第一の内輪軌道7と対向する第一の外輪軌道15、及び、上記内輪3の外周面に形成した第二の内輪軌道16に対向する第二の外輪軌道17を形成している。そして、これら第一、第二の内輪軌道7、16と第一、第二の外輪軌道15、17との間に前記転動体5、5を、それぞれ保持器18、18により転動自在に保持した状態で、複数個ずつ設けている。尚、図示の例では、転動体5、5として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、これら転動体としてテーパころを使用する場合もある。
【0008】
上述の様な車輪支持用転がり軸受ユニット1を自動車に組み付けるには、上記外輪4の外周面に形成した第二のフランジ19により、この外輪4を懸架装置に固定し、上記第一のフランジ6に車輪を固定する。この結果、この車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する事ができる。
【0009】
尚、上述の様に構成し作用する車輪支持用転がり軸受ユニット1を造るべく、前記円筒部10を塑性変形させて(かしめ広げて)前記かしめ部9を形成する作業を行なうのに好ましくは、図8に示す様な揺動プレス装置20を使用する。この揺動プレス装置20は、押型12と、抑え治具21と、ホルダ22とを備える。上記円筒部10をかしめ広げて上記かしめ部9を形成する際には、上記ホルダ22を介してハブ2を上方に押圧しつつ、上記押型12を揺動変位させる。即ち、この押型12の中心軸と上記ハブ2の中心軸とを角度θだけ傾斜させた状態で、この押型12を、このハブ2の中心軸を中心として揺動変位させる。この様な揺動プレスにより上記かしめ部9を形成する際には、上記押型12の円周方向の一部が上記円筒部10を押圧する事になり、上記かしめ部9の加工作業は部分的に且つ円周方向に連続して進行する事になる。この為、一般的な鍛造加工により上記かしめ部9を形成する場合に比べて、加工時に上記円筒部10に加える荷重を小さくできる。尚、上記抑え治具21は、上記押型12によるかしめ部9の加工時に内輪3及び上記ハブ2が径方向に振れる事を防止する。
【0010】
更に、上述の様な従来構造で、ハブ2の一部外周面で図5に斜格子で示した部分を焼き入れ硬化する事により、当該部分の耐久性向上を図る事も、前記特開平11−129703号公報に記載されている。即ち、前記第一の内輪軌道7部分、前記第一のフランジ6の基端部分、及び前記段部8の基半部分に焼き入れ処理を施して、当該部分の硬度を、Hv550〜900程度に高くする。これに対し、上記かしめ部9を構成すべき上記円筒部10の硬度は、Hv200〜300程度と低くして、この円筒部10を塑性変形し易くする。
【0011】
尚、上記斜格子で示した焼き入れ処理を施す部分のうち、上記第一の内輪軌道7部分は、上記転動体5の転動面との当接に基づいて大きな面圧を受ける為、転がり疲れ寿命を確保する為に硬化させる。又、上記第一のフランジ6の基端部分は、車輪を固定した上記第一のフランジ6から受けるモーメント荷重に拘らず、上記基端部分が変形する事を防止する為に硬化させる。又、上記段部8の基半部外周面は、上記内輪3の嵌合圧力及び上記複数の転動体5から上記内輪3が受けるラジアル荷重に拘らず、この段部8の外周面が変形するのを防止したり、又、上記内輪3との嵌合部であるこの段部8の外周面に、フレッチング摩耗が発生する事を防止する為に硬化させる。又、上記段部8の段差面23部分は、後述するかしめ作業により上記内輪3に加わる軸方向荷重に拘らず、この段差面23が変形するのを防止したり、更に、上記内輪3の外端面との当接面であるこの段差面23に、フレッチング摩耗が発生する事を防止する為に硬化させる。又、上記段部8の外周面と上記段差面23との連続部である隅R部分は、応力集中により変形する事を防止する為に硬化させる。
【0012】
更に、特開平10−95203号公報には、図9に示す様に、ハブ2aの内端部で内輪3の嵌合部よりも突出した部分の外径を、この嵌合部の外径よりも僅かに小さくする構造が記載されている。即ち、上記ハブ2aの内端部に形成した円筒部10aの基端部外周面で、この内輪3の内端開口部に形成した傾斜面24よりも少しだけ第二の内輪軌道16に寄った部分に、0.02〜1mm程度の僅かな段差Hを有する段差部25を形成する。そして、上記円筒部10aのうちの外径の小さくなった部分を、直径方向外方にかしめ広げ、上記傾斜面24を抑え付ける様にしている。この様に円筒部10aを直径方向外方にかしめ広げる際には、上記段差部25がかしめ広げ作業に伴って折れ曲がる部分の起点となる。この為、かしめ広げ作業に伴って上記円筒部10aに無理な力が加わりにくくなり、かしめ広げ部分に亀裂等の損傷が発生しにくくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来構造によれば、小型且つ軽量な車輪支持用転がり軸受ユニットを、低コストで実現できる可能性がある反面、十分な耐久性並びに信頼性を確保しつつ十分なコストの低減を図る為には、ハブ2、2aに対し内輪3を固定する為のかしめ部9に、亀裂等の損傷が発生するのを防止して、歩留を向上させる必要がある。
本発明は、この様な事情に鑑み、かしめ部に亀裂等の損傷が発生する事を防止し、十分な歩留向上効果により、十分なコスト低減を図れる車輪支持用転がり軸受ユニットを実現すべく発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットのうち、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットは、前述した従来の車輪支持用転がり軸受ユニットと同様に、一端部外周面に第一のフランジを形成し、中間部外周面に第一の内輪軌道を一体又は別体の内輪を介して設けたハブと、このハブの他端部に外嵌された、外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪と、内周面に上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を形成した外輪と、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備える。そして、上記ハブの他端部で少なくともこのハブに外嵌した内輪よりも突出した部分に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部により、上記ハブに外嵌した内輪をこのハブに結合固定している。
又、請求項2に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットも、やはり前述した従来の車輪支持用転がり軸受ユニットと同様に、一端部外周面に第一のフランジを形成し、中間部外周面に第一の内輪軌道を直接又は別体の内輪を介して設けたハブと、このハブの他端部に設けられた、上記第一の内輪軌道を設けた部分よりも外径寸法が小さくなった段部と、外周面に第二の内輪軌道を形成してこの段部に外嵌した内輪と、内周面に上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を、外周面に第二のフランジを、それぞれ形成した外輪と、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備える。そして、上記ハブの他端部で少なくとも上記段部に外嵌した内輪よりも突出した部分に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部により、上記段部に外嵌した内輪をこの段部の段差面に向け抑え付けて、この段部に外嵌した内輪を上記ハブに結合固定している。
【0015】
特に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットに於いては、上記ハブは炭素鋼製であり、上記円筒部のうちで上記かしめ部の形成作業に伴って塑性変形する部分の(かしめ加工時に於ける)結晶粒の平均断面積を0.030mm2 以下としている。又、好ましくは、この部分の結晶粒の平均断面積を0.020mm2 以下、より好ましくは0.0156mm2 以下、更に好ましくは0.012mm2 以下とする。
又、上記ハブを構成する炭素鋼として好ましくは、上記第一の内輪軌道をハブの中間部外周面に直接形成する場合には、Cの含有量が0.45〜1.10重量%であるものを、上記第一の内輪軌道をハブとは別体の内輪の外周面に形成する場合には、Cの含有量が0.20〜1.10重量%であるものを、それぞれ使用する。この様な炭素鋼としては、例えばS53C、S35C等を使用できる。
【0016】
【作用】
上述の様に構成する本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、かしめ部を形成すべき円筒部を構成する炭素鋼の結晶粒の平均断面積を、0.030mm2 以下と小さく抑えているので、この円筒部を直径方向外方にかしめ広げて上記かしめ部を形成する作業に伴って、このかしめ部に亀裂等の損傷が発生する事を、有効に防止できる。この結果、本発明によれば、車輪支持用転がり軸受ユニットのコストを、耐久性及び信頼性を確保しつつ、十分に低減できる。
尚、上記炭素鋼の結晶粒の平均断面積を、0.030mm2 以下に抑えれば、上記かしめ部に実用上問題となる様な欠陥を生じる事はない。但し、上記平均断面積が0.030mm2 に近い場合には、得られるかしめ部に、車輪支持用転がり軸受ユニットとして実用上問題がない程度の小さい皺が生じる事が若干ある。又、上記平均断面積が0.020mm2 に近い場合には、生じる皺はより小さく、発生頻度もより低くなるが、依然として皺が生じる場合が極く稀にある。これに対して、上記平均断面積が0.0156mm2 以下の場合には、しわが発生する事が殆どなくなる。更に、上記平均断面積が0.012mm2 以下の場合には、得られるかしめ部に皺が発生する事はなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、各部の変形や摩耗を防止し、しかもかしめ部9を形成する際に、ハブ2bの一部に亀裂等の損傷が発生するのを防止する為の構造にある。その他の部分の構造、製造方法、作用は、前述の図5〜9に示した従来技術の場合と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分並びに前述した従来技術とは異なる部分を中心に説明する。尚、本発明の対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットには、ハブ2bの中間部外周面に第一の内輪軌道7を形成するのに、図1〜2に示す様にハブ2bに対し直接形成する構造の他、図4に示す様に、ハブ2cの中間部に、外周面に第一の内輪軌道7を形成した別体の内輪3aを外嵌するものもある。この図4に示した様な構造の場合には、上記ハブ2cの内端部で上記別体の内輪3aの内端面よりも内方に突出した部分が、外周面に第二の内輪軌道16を形成した内輪3を外嵌する為の段部8aとなる。又、上記別体の内輪3aの内端面が段差面23aとなる。
【0018】
本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aを構成するハブ2bは、炭素鋼製で、内輪3を外嵌する為の段部8を含む表面部分(図1の斜格子部分)を焼き入れ処理により硬化させている(当該部分の硬度をHv550〜900程度に高くしている)。尚、焼き入れ硬化する部分は、前述の図5に示した従来構造の場合と同様に、上記段部8の基半部分だけでなく、第一の内輪軌道7部分から第一のフランジ6の基端部分にまで達する部分とする。又、上記ハブ2bの内端部に設けた円筒部10bの外周面には、基端側(図1〜2の左側)が大径でこの円筒部10bの先端縁側(図1〜2の右側)が小径となる段差部25を設けている。この段差部25の段差Hは、0.02〜0.12mm程度としている。又、この段差部25は、断面円弧状の曲面として、少なくとも小径側部分(上記円筒部10bの先端寄り部分の外周面)と滑らかに連続させている。
【0019】
特に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニット1aを構成するハブ2bの場合には、このハブ2bのうち、このハブ2bに対し内輪3を固定する為のかしめ部9を形成する為の上記円筒部10b部分(焼き入れ硬化していない部分で、図の鎖線αよりも右側部分)を構成する炭素鋼の、上記かしめ部9を形成する以前での結晶粒の平均断面積を、図3(A)に示す様に、0.012mm2 若しくはそれ以下{図3(A)は0.012mm2 }としている。この様に上記円筒部10b部分を構成する炭素鋼の結晶粒の平均断面積を所定値にするのは、上記ハブ2bを鍛造加工した後、常温にまで冷却する時間を調節する事により行なう。
【0020】
更に、本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aを構成するハブ2bの場合には、上記円筒部10bのうちで上記段差部25及びこの段差部25よりも先端寄り部分には、上記焼き入れ処理を施していない。即ち、図1に斜格子で示した焼き入れ硬化部分は、上記段差部25よりも上記円筒部10bの基端寄り(段差面23寄りで、図1〜2の左寄り)部分で終了している。従って、上記段差部25及び円筒部10bの中間部乃至先端寄り部分を構成している上記炭素鋼は、生若しくは半生の状態で、上記斜格子で示した焼き入れ硬化部分に比べて遥かに軟らかい(硬度がHv200〜300程度)。
【0021】
上述の様に構成する本例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aの場合には、上記段部8の基端寄り部分を含む表面部分を焼き入れ処理により硬化させているので、この表面部分に変形や摩耗等の損傷が発生するのを防止できる。又、上記円筒部10bの外周面に段差部25を設けているので、この円筒部10bを直径方向外方にかしめ広げるかしめ広げ作業時に、かしめ広げ部分に亀裂等の損傷が発生しにくくなる。
【0022】
しかも、本例の場合には、かしめ部9を構成すべき上記円筒部10bを構成する炭素鋼の結晶粒の平均断面積を、0.012mm2 と、小さく抑えているので、上記円筒部10bを直径方向外方にかしめ広げて上記かしめ部9を形成する作業に伴って、このかしめ部9に亀裂等の欠陥が発生する事を、有効に防止できる。
この点に関し、本発明者が行なった実験に就いて、図3を参照しつつ、説明する。
【0023】
実験では、上記円筒部10bを構成する炭素鋼の結晶粒の平均断面積が、図3(A)に示す様に0.012mm2 であるものと、同図(B)に示す様に0.050mm2 であるものとの2種類を、それぞれ100個ずつ(合計200個)用意した。そして、各試料毎に上記円筒部10bをかしめ広げる作業を行ない、その結果得られたかしめ部9の欠陥の有無に就いて検証した。その結果、上記平均断面積が0.012mm2 であるものに就いては、総ての試料に関して欠陥が生じなかった(合格率100%)。これに対して、上記平均断面積が0.050mm2 であるものに就いては、40%の試料に就いて欠陥が生じた(合格率60%)。この様な実験により、上記円筒部10bを構成する炭素鋼の結晶粒の平均断面積を小さく抑える事が、上記かしめ部9の欠陥を無くす上で効果がある事が確認された。
【0024】
更に、本例の場合には、上記段差部25及びこの段差部25よりも先端寄り部分となる、上記円筒部10bの中間部乃至先端部には、上記焼き入れ処理を施していない。この為、上記かしめ広げ作業の際に、上記段差部25及びこの段差部25よりも先端寄り部分に亀裂等の損傷が発生する事を、より有効に防止できる。即ち、上記かしめ広げ作業時には、上記段差部25部分が確実に直径方向外方に塑性変形して、前記内輪3の内周面に密着する。この点の作用・効果に就いて、図10により説明する。
【0025】
例えば、前述の図5〜6に示した従来構造の第1例と、同じく図9に示した従来構造の第2例とをそのまま組み合わせ、円筒部10aの外周面に形成した段差部25を焼き入れ硬化した場合には、この円筒部10aを直径方向外方にかしめ広げてかしめ部を形成する際に、上記段差部25に亀裂等の損傷が発生し易くなる。即ち、図10(A)に示す様に、この段差部25にまで、同図に斜格子で示した硬化層が達していた場合、図10(B)に示す様に円筒部10aをかしめ広げようとしても、上記段差部25部分が塑性変形しにくく、得られたかしめ部9の基端部外周面でこの段差部25に対応する部分に、図10(C)に示す様な溝部26が残留する。そして、この溝部26から亀裂等の損傷が発生し易くなる。
【0026】
これに対して本例の場合には、段差部25を焼き入れ硬化していないので、この段差部25が容易に塑性変形し、前述の図10(C)に示した様な溝部26を形成する事がない。特に、本例の場合には、上記段差部25の段差Hが0.12mm以下と小さいので、亀裂の原因となる様な上記溝部26が生じる事を、より確実に防止できる。これらにより、本発明によれば、部品数の削減によるコスト削減効果だけでなく、製造時の不良品発生率の低減による歩留向上効果を十分に高めて、車輪支持用転がり軸受ユニット1aのコストを十分に低減できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、軽量且つ低コストで、しかも優れた耐久性を有する車輪支持用転がり軸受ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を、ハブの端部をかしめ広げる以前の状態で示す部分断面図。
【図2】同じく完成後の状態で示す半部断面図。
【図3】結晶粒の平均断面積が小さい場合と大きい場合との2例を、100倍に拡大して示す顕微鏡写真。
【図4】本発明の対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットの別の構造例を示す半部断面図。
【図5】従来構造の第1例を示す半部断面図。
【図6】第1例の構造の製造時に内輪を固定する為、ハブの内端部をかしめ広げる状態を示す部分拡大断面図。
【図7】同じくハブの内端部をかしめ広げる以前の状態で示す部分拡大断面図。
【図8】揺動プレス装置によりハブの内端部をかしめ広げる状態を示す要部縦断面図。
【図9】従来構造の第2例を示す、図7と同様の図。
【図10】段差部と焼き入れ硬化部分との位置関係が不適である場合に、かしめ作業時に欠陥が生じる状態を工程順に示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a 車輪支持用転がり軸受ユニット
2、2a、2b、2c ハブ
3、3a 内輪
4 外輪
5 転動体
6 第一のフランジ
7 第一の内輪軌道
8、8a 段部
9 かしめ部
10、10a、10b 円筒部
11 テーパ孔
12 押型
13 凸部
14 凹部
15 第一の外輪軌道
16 第二の内輪軌道
17 第二の外輪軌道
18 保持器
19 第二のフランジ
20 揺動プレス装置
21 抑え治具
22 ホルダ
23、23a 段差面
24 傾斜面
25 段差部
26 溝部

Claims (5)

  1. 一端部外周面に第一のフランジを形成し、中間部外周面に第一の内輪軌道を一体又は別体の内輪を介して設けたハブと、このハブの他端部に外嵌された、外周面に第二の内輪軌道を形成した内輪と、内周面に上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を形成した外輪と、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備え、上記ハブの他端部で少なくともこのハブに外嵌した内輪よりも突出した部分に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部により、上記ハブに外嵌した内輪をこのハブに結合固定した車輪支持用転がり軸受ユニットに於いて、上記ハブは炭素鋼製であり、上記円筒部のうちで上記かしめ部の形成作業に伴って塑性変形する部分の結晶粒の平均断面積を0.030mm2 以下とした事を特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニット。
  2. 一端部外周面に第一のフランジを形成し、中間部外周面に第一の内輪軌道を直接又は別体の内輪を介して設けたハブと、このハブの他端部に設けられた、上記第一の内輪軌道を設けた部分よりも外径寸法が小さくなった段部と、外周面に第二の内輪軌道を形成してこの段部に外嵌した内輪と、内周面に上記第一の内輪軌道に対向する第一の外輪軌道及び上記第二の内輪軌道に対向する第二の外輪軌道を、外周面に第二のフランジを、それぞれ形成した外輪と、上記第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ設けられた転動体とを備え、上記ハブの他端部で少なくとも上記段部に外嵌した内輪よりも突出した部分に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部により、上記段部に外嵌した内輪をこの段部の段差面に向け抑え付けて、この段部に外嵌した内輪を上記ハブに結合固定した車輪支持用転がり軸受ユニットに於いて、上記ハブは炭素鋼製であり、上記円筒部のうちで上記かしめ部の形成作業に伴って塑性変形する部分の結晶粒の平均断面積を0.030mm2 以下とした事を特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニット。
  3. 結晶粒の平均断面積を0.020mm2 以下とした、請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
  4. 結晶粒の平均断面積を0.0156mm2 以下とした、請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
  5. 結晶粒の平均断面積を0.012mm2 以下とした、請求項1〜2の何れかに記載した車輪支持用転がり軸受ユニット。
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