JP4581077B2 - 酸化物イオン伝導体及びその製造方法 - Google Patents

酸化物イオン伝導体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物イオン伝導体及びその製造方法に関する。
固体中の酸素欠陥を介して、酸化物イオンが自由に可動できる酸化物イオン伝導体が、固体酸化物型燃料電池の電解質、酸素センサー等のガスセンサー、電気化学式酸素ポンプ等の酸素分離膜等として用いられている。
酸化物イオン伝導体の代表例は、酸化ジルコニウム(ZrO2)に少量のCaO、MgO、Y23、Gd23等の2価又は3価金属酸化物を固溶させた安定化ジルコニアと呼ばれる立方晶系ホタル石型の固溶体である。安定化ジルコニアは、耐熱性に優れているという特長がある。しかし、安定化ジルコニアの酸化物イオン伝導度は、1000℃では約100mS/cmであるが、温度の低下とともに著しく減少し、700℃で10mS/cmとなり、500℃では1mS/cm以下まで低下してしまう。このため、例えば、安定化ジルコニアを燃料電池の電解質として用いるときには、作動温度を800℃以上まで上げる必要があり、燃料電池セルの耐久性や電極、インターコネクタ等他の材料と適合させることに問題が生じている。そこで、800℃未満の温度でも高い酸化物イオン伝導度を有する材料が望まれている。
そこで、酸化物イオン伝導体として、La0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.23(LSGM)が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。LGSMの結晶構造は、ペロブスカイト型と言われる立方晶系の結晶構造を有し、安定性に優れるとともに、優れた酸化物イオン伝導体と考えられている。しかし、温度の低下とともに、ホール伝導がわずかに現れる傾向がある。
さらに、アパタイト型のランタン・シリコン酸化物では、La10Si627で酸化物イオン伝導性を示すことが見出されている(例えば、非特許文献1参照)。アパタイト型のランタン・シリコン酸化物の酸化物イオン伝導度は、700℃で安定化ジルコニアとほぼ同じ約10mS/cmである。そして、酸化物イオン伝導度の温度依存性が、安定化ジルコニアより小さいため、アパタイト型のランタン・シリコン酸化物は、700℃以下の低温では安定化ジルコニアより高い酸化物イオン伝導度を有するが、700℃以上の温度では安定化ジルコニアより低い酸化物イオン伝導度を有することとなっている。しかしながら、800℃未満で用いられる固体酸化物型燃料電池の電解質として、酸化物イオン伝導度が低くすぎた。
特開平10−114520号公報 Susumu Nakayama and Masatomi Sakamoto,「Electrical Properties of New Type High Oxide Ionic Conductor RE10Si6O27(RE=La,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy)」Journal of the European Ceramic Society 18(1998)1413−1418
そこで、本発明の目的は、低温でも酸化物イオン伝導度が高い酸化物イオン伝導体を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
La10±(Si6−x Mg )O27(1)
(式中、dは0.5である。)で表され、0<x≦0.6の関係を満たすことを特徴とする酸化物イオン伝導体である
本発明の酸化物イオン伝導体によれば、低温でも高い酸化物イオン伝導度を有している。
すなわち、本発明の酸化物イオン伝導体は、アパタイト型の六方晶系の結晶構造であるLa10Si627を基本結晶構造とし、この結晶構造のc軸方向に伸びている酸化物イオンのチャンネルに沿って酸化物イオン伝導を生じる。
さらに、Siの一定の割合をMgが占めることにより酸素空孔を生じ、この酸素空孔により酸化物イオン伝導性を発現させる。
このとき、xが0<x≦0.6の関係を満たすように限定したのは、この範囲を外れると酸化物イオン伝導度を低下させるからである。
Mgは、Siのイオン半径に近く、Si位置に置換し固溶しやすいからである。さらに、価数が2価であるため、多量の酸素欠陥が導入でき、かつ、配位する酸化物イオンとの静電引力が小さく、Mg−Oの原子間距離が長くなるため、格子全体を膨張させ、酸化物イオン伝導を有利とするからである。
この範囲を外れると酸化物イオン伝導度を少し低下させるからである。
また、本発明は、前記酸化物イオン伝導体を電解質として用いてなる固体酸化物型燃料電池も提供できる。
また、本発明は、前記酸化物イオン伝導体を用いてなるガスセンサーも提供できる。
また、本発明は、前記酸化物イオン伝導体を用いてなる酸素分離膜も提供できる。
さらに、本発明の製造方法は、La化合物、Si化合物及びMg化合物を、La:Si:Mgのモル比が10±d:6−x:x(d=0.5、0<x≦0.6)となるように混合して、ゾル溶液を生成させる混合工程と、前記ゾル溶液を固化させ、ゲル体を生成させる固化工程と、前記ゲル体を、1600〜1750℃で焼成した後、粉砕して混合粉末を作製する第1焼成工程と、前記混合粉末を成形体に成形し、さらに、1650〜1800℃で焼成し、焼結させる第2焼成工程とからなることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、ゾル・ゲル法を用いているので、可溶性の原料物質を溶液中で混合でき、さらに、第1焼成工程と第2焼成工程との2度の焼成を行っているので、酸化物イオン伝導体の材料均質性を高めることができ、その結果、単一相のアパタイト型の結晶構造を得ることができる。
以上説明したように、低温でも高い酸化物イオン伝導度を有している。
すなわち、本発明の酸化物イオン伝導体は、アパタイト型の六方晶系の結晶構造であるLa10Si627を基本結晶構造とし、この結晶構造のc軸方向に伸びている酸化物イオンのチャンネルに沿って酸化物イオン伝導を生じる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の酸化物イオン伝導体は、下記一般式(1);
La10±d(Si6-xx)O27(1)
(式中、Mは、同一若しくは異なって、Mg、Al、Sc、Ga、Y又はInを表す。dは、0.5である。)で表され、0<x≦0.9の関係を満たす。
すなわち、本発明の酸化物イオン伝導体は、アパタイト型の六方晶系の結晶構造であるLa10Si627を基本結晶構造とし、非遷移金属(M)がドープされた複合酸化物である。
したがって、本来4価金属が占めるサイトの一部を2価又は3価の非遷移金属(M)が占めることにより酸素空孔を生じ、この酸素空孔により酸化物イオン伝導性を発現させる。なお、酸素原子数は、この酸素空孔の分だけ減少することになる。
一般式(1)のxは、M元素の原子比であり、0<x≦0.9、好ましくは0<x≦0.6の関係を満たすように設定される。xが0<x≦0.9の関係を満たすように限定したのは、上記範囲を外れると酸化物イオン伝導度を低下させるからである。
なお、一般式(1)において、酸素の原子比を27で表示した(実際の酸素の原子比は27以下である。)が、これは酸素空孔の数が添加元素(M)の種類のみならず、温度、酸素分圧によっても変動するので、酸素の原子比を正確に表示することが困難なためである。
さらに、一般式(1)において、Laの原子比を(10±d)で表示したが、これはLaの原子比は10であることが好ましいが、Laの原子比を多少変更しても酸化物イオン伝導度が少ししか低下しないためである。
次に、本発明の酸化物イオン伝導体の製造方法の一例を説明する。
図1は、本発明の酸化物イオン伝導体の製造方法の一例を示す図である。
すなわち、本発明の酸化物イオン伝導体の製造方法は、La化合物、Mg化合物及びSi化合物を混合して、ゾル溶液を生成させる混合工程と、前記ゾル溶液を固化させ、ゲル体を生成させる固化工程と、前記ゲル体を、1600〜1750℃で焼成した後、粉砕して混合粉末を作製する第1焼成工程と、前記混合粉末を成形体に成形し、さらに、1650〜1800℃で焼成し、焼結させる第2焼成工程とからなる。
上記La化合物は、例えば、硝酸ランタン六水和物、塩化ランタン七水和物、ランタンアルコキシド(ランタントリエトキシド、ランタントリメトキシド等)等が挙げられる。
上記Mg化合物は、例えば、硝酸マグネシウム六水和物、塩化マグネシウム六水和物、マグネシウムアルコキシド(マグネシウムジエトキシド等)等が挙げられる。
上記Si化合物は、例えば、オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸テトラブチル等が挙げられる。
(1)混合工程
La化合物、Mg化合物及びSi化合物を所定の配合割合でアルコール中で混合して、ゾル溶液を生成させる。例えば、所定量のLa化合物及びMg化合物をアルコールに溶解し、さらに、アルコールで希釈した所定量のSi化合物を加え、この溶液を約55〜65℃で約1.5〜2.5時間加熱・撹拌し、充分混合する。次に、アルコールを蒸発させ、粘度の高いゾル溶液とする。
(2)固化工程
上記ゾル溶液を室温で数時間から数日静置することにより、固化させ、ゲル体とする。また、ゾル溶液を加熱することにより、固化させ、ゲル体としてもよい。
(3)第1焼成工程
上記ゲル体を600〜1000℃で3〜4時間焼成した後、粉砕して仮混合粉末を作製することが好ましく、その後、仮混合粉末を成形体に成形し、さらに、1600〜1750℃で1〜13時間焼成した後、粉砕して混合粉末を作製することが好ましい。なお、成形体に成形する方法は、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出し成形、テープキャスト成形等を用いてもよい。また、焼成雰囲気は、空気等の酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気が好ましい。
(4)第2焼成工程
上記混合粉末を成形体に成形し、さらに、1650〜1800℃で1〜13時間焼成し、焼結させる。なお、成形体に成形する方法は、一軸圧縮成形、静水圧プレス、押出し成形、テープキャスト成形等を用いてもよい。また、焼成雰囲気は、空気等の酸化性雰囲気又は不活性ガス雰囲気が好ましい。
したがって、本発明の製造方法によれば、ゾル・ゲル法を用いているので、可溶性の原料物質を溶液中で混合でき、さらに、第1焼成工程と第2焼成工程との2度の焼成を行っているので、酸化物イオン伝導体の材料均質性を高めることができ、その結果、単一相のアパタイト型の結晶構造を得ることができる。
また、本発明の酸化物イオン伝導体の製造方法は、一般的な原料固体粉末の固相間反応法であってもよい。すなわち、成分元素の各酸化物の粉末を所定の配合割合でボールミル等によって充分に混合し、混合物を作製した後、混合物を予備焼成し、粉砕して得られた粉末を成形体とし、さらに、成形体を高温で焼結することによっても製造できる。
このとき、原料である粉末としては、酸化物以外に、焼成中に分解して酸化物になる前駆物質を使用してもよい。
また、焼結温度は1600〜1800℃であり、焼成時間は数時間から数十時間であることが好ましい。
また、予備焼成は、焼結温度より低い温度で行われることが好ましい。なお、温度が低すぎたり、混合が不充分であったりすると、単一相のアパタイト型の結晶構造が得られないことがあるので、単一相のアパタイト型の結晶構造が得られるまで、粉砕・混合と予備焼成とを繰り返されて、焼結されることが好ましい。
そして、本発明の酸化物イオン伝導体は、低温でも高い酸化物イオン伝導性を有するので、固体酸化型燃料電池の電解質、酸素センサー等のガスセンサー、電気化学式酸素ポンプ等の酸素分離膜、ガス分離膜等として有用である。
例えば、本発明の酸化物イオン伝導体を固体酸化物型燃料電池の電解質に用いる場合、作動温度を、700〜800℃と低くしても、水蒸気又は他の排ガスによる発電を同時に行うか、或いは、熱源としてのエネルギー有効利用を同時に行うことで、固体酸化物型燃料電池としての発電効率を達成することができる。このように作動温度を低くできると、固体酸化物型燃料電池の構造材料にステンレス鋼等の鉄鋼材料を使用でき、作動温度を1000℃前後としたときに用いたNi−Cr合金やセラミックの材料と比べて、材料費を著しく低減できるという利点がある。
<実施例1>
(1)混合工程
La、Si、Mgのモル比がそれぞれ10:5.7:0.3になるように、硝酸ランタン六水和物及び硝酸マグネシウム六水和物をエタノールに溶解し、さらに、エタノールで希釈したオルトケイ酸テトラエチルを加えた。その後、この溶液を容器に蓋をして60℃で2時間加熱・撹拌し、充分混合した。次に、容器から蓋を取り去って加熱を続け、エタノールを蒸発させ、粘度の高いゾル溶液とした。
(2)固化工程
ゾル溶液を室温で数時間から数日静置することにより、固化させ、透明なゲル体とした。
(3)第1焼成工程
ゲル体を800℃で4時間焼成した後、粉砕して仮混合粉末を作製した。その後、仮混合粉末を直径13mm、厚さ1〜2mmの円板状にプレス成形し、さらに、空気中1700℃で12時間焼成した後、粉砕して混合粉末を作製した。
(4)第2焼成工程
混合粉末を直径13mm、厚さ0.5〜2mmの円板状にプレス成形し、さらに、空気中1750℃で12時間焼成し、焼結させ、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<実施例2及び3>
La、Si、Mgのモル比がそれぞれ10:6−x:xになるように、硝酸ランタン六水和物、硝酸マグネシウム六水和物、及び、オルトケイ酸テトラエチルを用いた以外は、実施例1と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<比較例1>
La、Siのモル比がそれぞれ10:6になるように、硝酸ランタン六水和物、及び、オルトケイ酸テトラエチルを用いた以外は、実施例1と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<実施例4>
第2焼成工程において、空気中1700℃で12時間焼成した以外は、実施例1と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<実施例5及び6>
La、Si、Mgのモル比がそれぞれ10:6−x:xになるように、硝酸ランタン六水和物、硝酸マグネシウム六水和物、及び、オルトケイ酸テトラエチルを用いた以外は、実施例4と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<比較例2>
La、Siのモル比がそれぞれ10:6になるように、硝酸ランタン六水和物、及び、オルトケイ酸テトラエチルを用いた以外は、実施例4と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<実施例7>
第2焼成工程において、空気中1750℃で2時間焼成した以外は、実施例1と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<実施例8及び9>
La、Si、Mgのモル比がそれぞれ10:6−x:xになるように、硝酸ランタン六水和物、硝酸マグネシウム六水和物、及び、オルトケイ酸テトラエチルを用いた以外は、実施例4と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<比較例3>
La、Siのモル比がそれぞれ10:6になるように、硝酸ランタン六水和物、及び、オルトケイ酸テトラエチルを用いた以外は、実施例7と同様に行った。そして、表1に示す酸化物イオン伝導体を得た。
<比較例4>
厚さ0.5mmの安定化ジルコニア(ZrO2−8mol%Y23系:ZR−8Y、(株)ニッカトー製)を酸化物イオン伝導体とした。
Figure 0004581077
<評価方法及び結果>
(1)粉末X線回折測定
図2〜4は、実施例1〜9及び比較例1〜3に係る酸化物イオン伝導体をX線回折法で調べた図である。図2〜4中の200、111等の指数は、アパタイト型の結晶構造の結晶面指数であり、主要なピークが全て指数付けでき、主構成相の結晶構造はアパタイト型とした。ただし、実施例3及び実施例9に係る酸化物イオン伝導体では、アパタイト型に由来するピーク以外に、他の結晶相による矢印で示すピークが観察された。
すなわち、x=0.9の実施例3及び実施例9に係る酸化物イオン伝導体を第2焼成工程において1750℃で焼成した場合には、Mgの全てがSi位置に置換して固溶することができなくなり、他の結晶相が生じたものと考えられる。しかし、x=0.9である実施例6に係る酸化物イオン伝導体を第2焼成工程において1700℃で焼成した場合には、他の結晶相は観察されなかった。
(2)酸化物イオン伝導度測定
実施例1〜9及び比較例1〜4に係る酸化物イオン伝導体の両面に、白金ペ−ストを塗布し、1000℃で焼付けて電極(電極面積7〜20mm2)を形成した。その後、電気炉中で温度を変化させ、周波数0.1Hz〜10MHzで電極間のインピーダンスをインピーダンスアナライザー(SI1260、ソーラートロン製)で測定した。そして、インピーダンスの実部と虚部とのコール・コールプロットにより、結晶粒内の抵抗を評価し、電極面積と試料の厚さとから酸化物イオン伝導度σ(S/cm)を計算した。その結果を図5及び6に示す。
なお、図5〜5−2は、実施例1〜9及び比較例1〜3に係る酸化物イオン伝導体の温度依存性を示す図であり、横軸に絶対温度T(K)の逆数をとり、縦軸に酸化物イオン伝導度σ(S/cm)の対数をとったものである。さらに、図5〜5−2中に、比較例4に係る酸化物イオン伝導度を一点鎖線で表示した。なお、図5は、実施例1〜3及び比較例1に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度を示し、図5−1は、実施例4〜6及び比較例2に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度を示し、図5−2は、実施例7〜9及び比較例3に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度を示す。
そして、図6〜6−2は、測定温度500、700及び800℃での酸化物イオン伝導度の置換量xに対する依存性を示す図である。なお、図6は、実施例1〜3及び比較例1に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度を示し、図6−1は、実施例4〜6及び比較例2に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度を示し、図6−2は、実施例7〜9及び比較例3に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度を示す。
図5−1により、実施例4〜6に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例2の酸化物イオン伝導度より高い値を示した。また、低温で、実施例4〜6に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例4に係る酸化物イオン伝導度より高い値を示した。特に、800℃未満の低温で、実施例5に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例4に係る酸化物イオン伝導度より高い値を示した。
図5により、実施例1及び2に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例1の酸化物イオン伝導度より高い値を示した。また、低温で、実施例1及び2に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例4に係る酸化物イオン伝導度より高い値を示した。特に、800℃未満の低温で、実施例1に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例4に係る酸化物イオン伝導度より高い値を示した。
図5−2により、実施例7及び8に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例3の酸化物イオン伝導度より高い値を示した。また、低温で、実施例7及び8に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例4に係る酸化物イオン伝導度より高い値を示した。特に、800℃以下の低温で、実施例7及び8に係る酸化物イオン伝導体の酸化物イオン伝導度は、比較例4に係る酸化物イオン伝導度より高い値を示した。
また、図6〜6−2により、全ての測定温度で置換とともに酸化物イオン伝導度が一度上昇し、x=0.3〜0.6付近で極大値を示した後、低下している。特に、0<x≦0.6の範囲で置換されたものは、置換されていないものより、全ての測定温度で高い酸化物イオン伝導度を示している。
以上説明したように、本発明によれば、低温でも高い酸化物イオン伝導度を有している。なお、上記実施例のうち、実施例3,6及び9は、本発明には含まれない。
本発明の酸化物イオン伝導体の製造方法の一例を示す図である。 実施例1〜3及び比較例1に係る酸化物イオン伝導体のX線回折パターンを示す図である。 実施例4〜6及び比較例2に係る酸化物イオン伝導体のX線回折パターンを示す図である。 実施例7〜9及び比較例3に係る酸化物イオン伝導体のX線回折パターンを示す図である。 酸化物イオン伝導度の温度依存性を示す図である。 酸化物イオン伝導度の温度依存性を示す図である。 酸化物イオン伝導度の温度依存性を示す図である。 測定温度500、700及び800℃での酸化物イオン伝導度の置換量xに対する依存性を示す図である。 測定温度500、700及び800℃での酸化物イオン伝導度の置換量xに対する依存性を示す図である。 測定温度500、700及び800℃での酸化物イオン伝導度の置換量xに対する依存性を示す図である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1);
    La10±(Si6−x Mg )O27(1)
    (式中、dは0.5である。)で表され、0<x≦0.6の関係を満たすことを特徴とする酸化物イオン伝導体。
  2. 請求項に記載の酸化物イオン伝導体を電解質として用いてなる固体酸化物型燃料電池。
  3. 請求項に記載の酸化物イオン伝導体を用いてなるガスセンサー。
  4. 請求項に記載の酸化物イオン伝導体を用いてなる酸素分離膜。
  5. La化合物、Si化合物及びMg化合物を、La:Si:Mgのモル比が10±d:6−x:x(d=0.5、0<x≦0.6)となるように混合して、ゾル溶液を生成させる混合工程と、
    前記ゾル溶液を固化させ、ゲル体を生成させる固化工程と、
    前記ゲル体を、1600〜1750℃で焼成した後、粉砕して混合粉末を作製する第1焼成工程と、
    前記混合粉末を成形体に成形し、さらに、1650〜1800℃で焼成し、焼結させる第2焼成工程と、
    からなる酸化物イオン伝導体の製造方法。
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JP2000348533A (ja) * 1999-06-01 2000-12-15 Yusaku Takita 酸素イオン伝導体

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