JP4581037B2 - 中継装置、通信システム及び通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の通信装置間でデータを送受信する通信システムに関する。特に、通信装置間のデータの送受信を中継する中継装置を複数備え、中継装置間でデータを交換する場合に、データの交換に要する時間を短縮させることができると共に、各中継装置が持つデータの同一性をより確実に担保することができる中継装置、該中継装置を含む通信システム及び通信方法に関する。
近年では、複数の通信装置を接続し、各通信装置に夫々機能を割り振って相互にデータを交換し、連携して多様な処理を行なわせるシステムが各分野で利用されている。例えば、車両に配される車載LAN(Local Area Network)の分野では、通信装置としてECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)を用い、各ECUに夫々特化させた処理を行なわせて相互にデータを交換することにより、システムとして多様な機能を実現させている。
各通信装置の機能の特化、また各通信装置が行なうことができる機能の増加に伴ない、通信媒体に接続される通信装置の数及び種別も増加する。更に、システムとして多様な機能が期待されるようになることから、各通信装置がデータを共有して連携する必要が生じ、送出されるデータの量は増加する。
通信線で送受信されるデータ量の増大はコリジョン(衝突)によるデータの遅延又は欠落を招く。データの著しい遅延又は欠落は、ECUによるブレーキ制御等の運転補助機能に対して致命的な場合がある。
そこで、通信線を複数に分け、異なる通信線にECUを夫々接続する構成が一般的である。データを共通に使用するECUをまとめることで通信線の使用の無駄を抑えることができるからである。また、ECUの種類の増大に対して効率的に通信線を利用するため、通信速度の異なる通信線に、送受信するデータの種類によりECUを分別して接続する構成もある。これらの構成では、異なる通信線間はデータの送受信を制御する中継装置により接続される。
各通信装置を複数のグループに分けた場合であっても各通信装置の制御に必要なデータを中継装置が全て転送する構成では通信線に送出されるデータの量は低減されない。そこで、特許文献1には各通信装置から受信したデータを一旦データベースに記憶し、各通信装置が必要とするデータを適宜データベースから読み出して送信するようにし、更にデータベースを有する装置間でデータベースに記録されたデータを送受信し、データベースをを共有する技術が開示されている。
特開2007−300331号公報
特許文献1に開示された技術により、各通信装置を複数の群に分け、異なる群間のデータの送受信はデータベースを有する装置が中継する構成とし、データベースを共有させることによって遅延を低減させることができる。このようにデータベースを有する装置により異なる群の通信装置間のデータの送受信を中継する構成とした場合、中継処理の更なる高速化が要求されるときにはデータベースを有する中継装置間での通信量を削減する構成が望まれる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、データベースを有する中継装置間でデータを交換するに際し、識別情報と識別情報に対応する数値情報との対からなるデータの内、数値情報のみを適宜組み合わせて送受信することにより通信量を削減することができ、更に各装置で確定通知が受信されない限りデータベースを更新しない構成とすることによって各中継装置のデータベースの同一性を担保することができる中継装置、該中継装置を含む通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
第1発明に係る中継装置は、数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する外部装置に接続され、外部装置とのデータの送受信を行なう第1の通信手段、及びデータベースにデータを記憶する手段を備え、データベースから読み出したデータを前記第1の通信手段により外部装置へ送信して外部装置間のデータの送受信を中継する中継装置において、他の中継装置との間で通信を行なう第2の通信手段と、外部装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報を前記データベースに対する第1のバッファに記憶する手段と、一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成する手段と、作成したデータフレームを前記第2の通信手段により送信する手段と、データフレームを他の中継装置から受信した場合、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶する手段と、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する更新手段と、データベースに記憶するデータの確定を示す確定通知を他の中継装置から受信したか否かを判断する手段とを備え、確定通知を受信したと判断した場合に前記更新手段により更新を行なうようにしてあることを特徴とする。
第2発明に係る中継装置は、確定通知を受信していないと判断した場合に、他の中継装置から前記確定通知が送信されたことを示す送信情報を受信したとき、前記更新手段により更新を行なうようにしてあることを特徴とする。
第3発明に係る中継装置は、数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する外部装置に接続され、外部装置とのデータの送受信を行なう第1の通信手段、及びデータベースにデータを記憶する手段を備え、データベースから読み出したデータを前記第1の通信手段により外部装置へ送信して外部装置間のデータの送受信を中継する中継装置において、他の中継装置との間で通信を行なう第2の通信手段と、外部装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報を前記データベースに対する第1のバッファに記憶する手段と、一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成する手段と、作成したデータフレームを前記第2の通信手段により他の中継装置へ送信する手段と、データフレームを他の中継装置から受信した場合、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶する手段と、データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が確定すべきと判断した場合に、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する更新手段と、前記判断手段が確定すべきと判断した場合、前記第2の通信手段によりデータの確定を示す確定通知を他の中継装置へ送信する手段とを備えることを特徴とする。
第4発明に係る中継装置は、第3発明において前の周期で前記確定通知を送信したか否かを示す通知情報を前記第2の通信手段により送信する通知情報送信手段を更に備え、前記判断手段が確定すべきと判断した場合、次の周期で前記通知情報送信手段により前記確定通知を送信したことを示す通知情報を送信させるようにしてあることを特徴とする。
第5発明に係る中継装置は、第3発明において前記判断手段が確定すべきでないと判断した場合、次の周期で前記通知情報送信手段により前記確定通知を送信していないこと示す通知情報を送信させるようにしてあり、前の周期で作成したデータフレームを再送するようにしてあることを特徴とする。
第6発明に係る通信システムは、数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する複数の通信装置により夫々構成される複数の通信装置群と、該複数の通信装置群に群毎に一又は複数接続され、通信装置とのデータの送受信を行なう第1の通信手段、データベースにデータを記憶する手段、データベースから読み出したデータを前記第1の通信手段により通信装置へ送信する手段を備え、相互に接続され、通信装置間のデータの送受信を中継する複数の中継装置とを含む通信システムにおいて、各中継装置は、他の中継装置との間で通信を行なう第2の通信手段と、接続している通信装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報を前記データベースに対する第1のバッファに記憶する手段と、一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成する手段と、作成したデータフレームを前記第2の通信手段により他の中継装置へ送信する手段と、他の中継装置からデータフレームを受信した場合、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶する手段と前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する更新手段とを備え、各中継装置の内の特定の中継装置は、データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断する判断手段と、該判断手段が確定すべきと判断した場合、前記第2の通信手段によりデータの確定を示す確定通知を他の中継装置へ送信する手段とを備え、前記判断手段が確定すべきと判断した場合、前記更新手段により更新を行なうようにしてあり、前記特定の中継装置以外の中継装置は、前記確定通知を特定の中継装置から受信したか否かを判断する手段と、確定通知を受信したと判断した場合、前記更新手段により更新を行なうようにしてあることを特徴とする。
第7発明に係る通信システムは、第6発明において各中継装置は直列的に接続されており、前記特定の中継装置は、各中継装置の内の一端に位置する中継装置であることを特徴とする。
第8発明に係る通信システムは、第7発明において各中継装置の内の前記特定の中継装置と逆の一端に位置する中継装置は、自身以外の全ての中継装置から送信されるデータフレームを受信するまで、作成したデータフレームの送信を待機するようにしてあり、他の中継装置は、前記第2の通信手段により両隣に接続されている中継装置の内の一方からデータフレームを受信した場合、他方へデータフレームを転送する手段を備えるようにしてあることを特徴とする。
第9発明に係る通信システムは、第7発明又は第8発明において前記特定の中継装置の判断手段は、他の全ての中継装置からのデータフレームを受信した場合、データを確定すべきと判断するようにしてあることを特徴とする。
第10発明に係る通信方法は、数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する複数の通信装置により夫々構成される複数の通信装置群に群毎に一又は複数接続され、通信装置からデータを受信し、データベースにデータを記憶し、前記データベースから読み出したデータを通信装置へ送信し、通信装置間のデータの送受信を中継するように相互に接続される複数の中継装置による通信方法において、各中継装置は、接続している通信装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報をを前記データベースに対する第1のバッファに記憶し、一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成し、作成したデータフレームを他の中継装置へ送信し、他の中継装置から送信されるデータフレームを受信し、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶し、各中継装置の内の特定の中継装置は、データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断し、確定すべきと判断した場合、データの確定を更に示す確定通知を他の中継装置へ送信し、確定すべきと判断した場合、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新し、前記特定の中継装置以外の中継装置は、前記確定通知を特定の中継装置から受信したか否かを判断し、確定通知を受信したと判断した場合、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新することを特徴とする。
本発明では、外部装置(通信装置)が送受信し、更に中継装置のデータベースに記憶されるデータを交換する場合、各中継装置は、外部装置との通信を行なう第1の通信手段とは異なる第2の通信手段によって数値情報を含むデータフレームを送受信することにより交換する。データの種類が多いほど識別情報を表わすための情報長が長くなり、更に中継装置間で交換するデータの数に応じて識別情報の情報長の総計は長くなる。しかしながら、本発明では中継装置間における送受信でデータ毎の識別情報の送受信が省略されるので通信量が削減される。更に、各中継装置は外部装置から受信されるデータ及び中継装置間で送受信するデータを一時的にデータベースに対する第1及び第2のバッファに記憶しておく。そして各中継装置はデータの確定を示す確定通知を受信しない限り、第1及び第2バッファに記憶している数値情報によってデータベースを更新することはない。各中継装置で確定通知が受信されたときに一斉にデータベースの更新がされる。
本発明では、各中継装置は周期的にデータフレームを作成して交換する。他の中継装置から確定通知を受信していない場合、データベースの更新がされない。次の周期の期間に、前の周期で確定通知が送信されたことを示す送信情報を受信したときは、前の周期で受信して第1及び第2のバッファに記憶してある数値情報でデータベースを更新する。確定通知が送信されている場合は、他の中継装置で既にデータベースの更新がされている可能性がある。したがって、当該中継装置でも早急に更新をすることにより、他の中継装置のデータベースと同一とすることができる。これにより、中継装置間でデータの交換に失敗した場合もできる限り早くリカバリーしてデータベースの同一性を確保することが可能である。
本発明では、各中継装置は周期的にデータフレームを作成して交換する。その際に、データフレームの交換に失敗した可能性があり、各中継装置が第2のバッファに記憶しているデータは揃っていないはずであるためにデータを確定すべきでないと判断される場合は確定通知が送信されない。この場合、確定通知が送信されていないことを示す送信情報が送信される。そして、次の周期の期間で、各中継装置により改めてデータフレームが作成され交換がされる際に前の周期のデータフレームが再送される。したがって各中継装置は他の中継装置でも前の周期でデータベースの更新がされていないことを認識することができ、次に他の中継装置とと共に確定通知を受信するまでデータベースの更新を行なわない。これにより、データベースの同一性を担保することが可能である。
本発明では、各中継装置は直列的に接続される。そして直列的に接続される各中継装置の一端に位置する中継装置が、データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断する特定の中継装置として機能する。直列的に接続されることにより送受信が一箇所ででも失敗した場合は送受信が途切れる。したがって、一端に位置する特定の中継装置は、受信すべきデータフレーム又は各種情報を受信できないことにより、いずれかの中継装置間での送受信が失敗した可能性が高いことを認識できる。全ての中継装置間で送受信が成功した場合は、データが各中継装置で揃っているのでデータベースの更新が可能であり、一箇所でも失敗した場合は、届くべきデータが届いていない可能性が高いのでデータベースの更新をすべきでないと判断できる。これにより、データベースの同一性を担保することが可能である。
本発明では、直列的に接続されている各中継装置の内、特定の中継装置とは逆の一端に位置する中継装置が自身以外の全中継装置からのデータフレームを受信しない限り、いずれかでデータフレームの送受信が失敗していることになるので自身が作成したデータフレームを送信しない。これにより、特定の中継装置とは逆の一端に位置する中継装置からのデータフレームは、特定の中継装置からのデータフレームの応答としての機能を発揮する。これにより、各中継装置間でのデータフレームの送受信がいずれでも成功しているか否かの判断が容易となる。また、効率的なデータフレームの送受信が可能となる。
本発明では、直列的に接続されている各中継装置の内の一端に位置する特定の中継装置は、他の中継装置からの全データフレームが届いた場合、各中継装置間でのデータフレームの送受信がいずれでも成功したことを認識することができる。この場合、データが各中継装置で揃っているので各中継装置でデータベースを更新してもデータベースの内容はほぼ同一である。全データフレームの内の一つでも届かない場合、いずれか一箇所で送受信が失敗している。この場合、届くべきデータが届いていない可能性が高いのでデータベースの更新をすべきでないと判断できる。これにより、データベースの同一性を担保することが可能である。
本発明による場合、異なる群の外部装置(通信装置)間のデータを中継するために自身のデータベースのデータを他の中継装置と交換するに際し、データベースに含まれるデータの数値情報に対応する識別情報の送信が省略されて中継装置間の通信量を削減することができる。中継装置間における通信量を削減することにより、中継装置のデータベースのデータ交換に要する時間を短縮して高速に完了させることが可能になる。また、各中継装置は他装置から送信される確定通知を受信しない限りデータベースを更新しない。したがって、一部の中継装置でデータの交換に失敗した場合は各中継装置でデータベースを更新しないようにすることができ、異なる群の外部装置間でのデータの同一性を担保することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、以下の実施の形態では、データの送受信処理を行なうECU(Electronic Control Unit)が複数接続される車載通信システムに本発明に係る通信システムを適用した場合を例に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における車載通信システムの構成を示す構成図である。車載通信システムは、データを送受信する通信装置であり、群をなすECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…と、群毎に各ECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…を接続している通信線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hと、通信線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに夫々接続しており、各ECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…間のデータの送受信を中継する中継装置3a,3b,3c,3dと、中継装置3a,3b,3c,3dを接続している通信線4a,4b,4cとを含む。
実施の形態1における車載通信システムは、幹線となる通信線4a,4b,4cにより接続される中継装置3a,3b,3c,3dを介して複数の群をなすECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…間を接続する幹線型の車載ネットワークを構成している。以下、説明を明瞭とするため、通信線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hを支線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hと呼び、通信線4a,4b,4cを幹線4a,4b,4cと呼ぶ。
ECU1a,1a,…は支線2aに、ECU1b,1b,…は支線2bに、ECU1c,1c,…は支線2cに、ECU1d,1d,…は支線2dに夫々接続している。また、ECU1e,1e,…は支線2fに、ECU1f,1f,…は支線2fに、ECU1g,1g,…は支線2gに、ECU1h,1h,…は支線2hに夫々接続している。なお、支線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hを介した各ECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…間の接続形態は図1に示すようにバス型とする。後述するようにECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…は、CAN(Controller Area Network)のプロトコルに準じてデータを送受信するからである。しかしながら支線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hにおける接続形態はこれに限らず、スター型、ディジーチェーン型等のいずれの接続形態でもよい。
中継装置3a,3b,3c,3d間の幹線4a,4b,4cを介した接続形態は、ディジーチェーン型とする。中継装置3a及び中継装置3b間は幹線4aを介して接続されている。中継装置3b及び中継装置3c間は幹線4bを介して接続されている。中継装置3c及び中継装置3d間は幹線4cを介して接続されている。そして中継装置3a,3b,3c,3dは夫々、データベース31a,31b,31c,31dとして使用する記憶領域を備えている。
中継装置3aは基本的に、支線2a,2bを介して接続しているECU1a,1a,…,1b,1b,…から送信されたデータをデータベース31aに記憶する。中継装置3aはデータベース31aから読み出したデータをECU1a,1a,…,1b,1b,…へ送信する。更に、中継装置3aはECU1a,1a,…,1b,1b,…から受信したデータを他の中継装置3b,3c,3dへ送信し、他の中継装置3b,3c,3dから受信したデータをデータベース31aに記憶する。他の中継装置3b,3c,3dも同様に、他の中継装置3a,3b,3c,3dから受信したデータをデータベース31b,31c,31dに記憶する。これにより、データベース31a,31b,31c,31dが同一内容となるように同期され、異なる支線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2fに接続しているECU1a,1a,…,1b,1b,…,1c,1c,…,1d,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…が夫々同一のデータを使用することができる。
図2は、実施の形態1における車載通信システムを構成するECU1c及び中継装置3bの内部構成を示すブロック図である。
ECU1cは、各構成部の動作を制御する制御部10と、制御に必要なデータを記憶する記憶部11と、支線2cとの通信を制御する通信制御部12とを備える。他のECU1a,1b,1d,1e,1f,1g,1hの内部構成はECU1cと同様であるので詳細な説明を省略する。
ECU1cの制御部10は、図示しない車両のバッテリー、オルタネータ等の電力供給装置から電力の供給を受けて各構成部の動作を制御するようにしてある。
記憶部11は揮発性のメモリを利用し、制御部10は処理の過程で発生する各種情報、後述するようにセンサから入力された信号が表す測定値又は中継装置3bから受信したデータを一時的に記憶部11に記憶する。
通信制御部12は、ネットワークコントローラチップを有して通信線2cとの通信を実現する。ECU1cの制御部10は、通信制御部12を介してデータを送受信する。
このように構成されるECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…は測定値、計算値、制御値等の各種物理量の数値情報を含むデータの送信又はエンジン、ブレーキ等のマイクロコンピュータによる制御が可能な装置である。例えばECU1cはABS(Antilock Brake System)として機能し、車輪の回転速度(車輪速)を検知する図示しないセンサと接続されている。ECU1cは、車両の制動時にセンサを介して検知した車輪速に基づいてブレーキを制御すると共に、車輪速の測定値をデータとして通信線2cを介して中継装置3bへ送信する。
なお、ECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…から送信されるデータは、車輪速、温度、角度等のデータの属性を識別する属性ID(Identification Data)と、夫々の具体的な数値情報(属性値)との対で構成される。例えば、車輪速を表わすデータは、車輪速に割り振られた属性ID「10」と、属性値「3000(rpm:revolutions per minute)」との対からなる。また、数値情報にはオン・オフ、上・中・下等の切り替えのための制御値を数値情報で表わしたもの(オン:1,オフ:0、上:1,中:0,下:マイナス1)も含まれる。
更に、ECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…と、中継装置3a,3b,3c,3dとのデータの送受信は、複数のデータがまとめられた「メッセージ」の送受信によって実行される。車載装置1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,…は、通信制御部12によりデータを送信する場合、自身の動作によって得られるデータ群をメッセージとして送信する。
通信線(支線)2c,2dは、CANのプロトコルに基づく通信線を利用し、ECU1c,1c,…,1d,1d,…の通信制御部12は夫々、CANプロトコルに基づき支線2c,2dを介してメッセージを送受信する。なお、ECU1c,1c,…,1d,1d,…は、CANプロトコルに基づきメッセージを送信する場合、メッセージは複数のデータの組み合わせ毎に規定されているメッセージID、即ち「CAN ID」を含み、組み合わせに応じた属性値群をまとめて送信するようにしてある。
なお、支線2c,2dはこれに限らず、LIN(Local Interconnect Network)、FlexRay(登録商標)等のプロトコルに基づくメッセージの送受信が可能であってもよい。他の支線2a,2b,2e,2f,2g,2hも通信線2a,2bと同様である。なお、各ECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…から送受信されるデータの種類に応じて支線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hを夫々異なるプロトコルの通信線で構成してもよい。
中継装置3bは、各構成部の動作を制御する制御部30bと、支線2c及び支線2dに接続されている支線通信部32bと、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性のメモリを利用した一時記憶領域33bと、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically EPROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを利用した記憶部34bとを備える。そして、中継装置3bは幹線4aに接続されている第1幹線通信部35b及び幹線4bに接続されている第2幹線通信部36bとを備える。中継装置3a,3c,3dの内部構成は中継装置3bの内部構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
制御部30bはMPU(Micro Processing Unit)を利用し、図示しない車両のオルタネータ、バッテリー等の電力供給装置から電力の供給を受けて各構成部の動作を制御するように構成してある。
支線通信部32bは、支線2c,2dを介して接続しているECU1c,1c,…,1d,1d,…とのデータの送受信を実現する。なお、中継装置3bとECU1c,1c,…,1d,1d,…との間のデータの送受信は上述のようにメッセージの送受信により実行される。そして、支線通信部32bは複数のポートを有し、夫々のポートにより同時にメッセージを送受信することが可能な構成とする。実施の形態1における中継装置3bが備える支線通信部32bはポートを8つ有し、8ポートから同時にメッセージを送受信することが可能である。
一時記憶領域33bには、制御部30bがデータを記憶するデータベース31bのための記憶領域が設けられている。なお、データベース31bは中継装置3bの外部に存在する記憶装置内の領域に設けられ、中継装置3bが接続して読み書きが可能な構成としてもよい。一時記憶領域33bにはデータベース31bの他に、受信したデータ(メッセージ)を一時的に記憶する第1受信バッファ37b及び第2受信バッファ38bのための記憶領域が設けられている。
記憶部34bには、制御部30bが第1幹線通信部35bにより他の中継装置3bと通信する際に参照する対応表39bが予め記憶されている。対応表39bの詳細については後述する。各中継装置3a,3b,3c,3dで記憶されている対応表39a,39b,39c,39dはいずれも同一の内容である。
第1幹線通信部35bは幹線4aを介して接続している中継装置3aとの通信を実現する。また、第2幹線通信36bは幹線4bを介して接続している中継装置3cとの通信を実現する。制御部30bは、第1幹線通信部35bによる中継装置3aとの通信、及び第2幹線通信部36bによる中継装置3cとの通信を同時に行なうことができる。
制御部30bは、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bによる他の中継装置3a,3cとの通信を例えば1ミリ秒等の一定期間毎に周期的に行なう。なお、以下の説明では当該周期を同期周期と呼ぶ。他の中継装置3a,3c,3dでも一定期間毎に周期的に行なうようにしてあり、その周期は精度よく時間的に同期されている。周期の同期の方法については既存の方法でも新しい方法でも問わない。例えば各中継装置3aがGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して時間情報を取得する機能を有し、取得した時間情報に基づいて自身が備えるタイマーと他の中継装置3b,3c,3dが夫々備えるタイマーとを同期させるようにしてもよい。なぜならば、車載通信システムでは、ECUが多数であっても高速且つ確実にデータが中継されることが要求されるからである。また、同時に取得できる同一のデータは同一の数値情報を有しているべきであり、より高速化且つ同一性の担保が要求される点で、車載通信システムでは高速に且つ同期して処理を行なうことが必要であるからである。
なお、中継装置3aも第1幹線通信部35a及び第2幹線通信部36bを備え、同時に通信を行なうことができる。しかしながら実施の形態1では中継装置3aは第2幹線通信部36aにより幹線4aを介して中継装置3bと接続される。実施の形態1では中継装置3aは中継装置3b以外の中継装置とは接続されていないので第1幹線通信部35aを使用しない。同様に中継装置3dも第1幹線通信部35d及び第2幹線通信部36dを備える。実施の形態1では幹線通信部35dにより幹線4cを介して中継装置3cと接続されており、第2幹線通信部36dを使用しない。中継装置3dより後段に更に他の中継装置が接続される場合は第2幹線通信部36dを使用してディジーチェーン型に接続する構成とし、中継装置3dは第1幹線通信部35dによる中継装置3cとの通信と第2幹線通信部36dによる他の中継装置との通信を実現するようにすればよい。
このように構成される車載通信システムにおけるECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…及び中継装置3a,3b,3c,3d間における通信処理について説明する。
図3は、実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置3aの制御部30aがメッセージを受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。他の中継装置3b,3c,3dの制御部30b,30c,30dによる処理手順は、中継装置3aの制御部30aによる処理手順と同様であるので詳細な説明を省略する。
制御部30aは支線通信部32aにより、支線2a,2bを介して接続されているECU1a,1a,…,1b,1b,…から送信されたメッセージを受信したか否かを判断する(ステップS11)。制御部30aは、メッセージを受信していないと判断した場合(S11:NO)、処理をステップS11へ戻す。
制御部30aは、メッセージを受信したと判断した場合(S11:YES)、受信したメッセージを一旦第1受信バッファ37aに記憶し(ステップS12)、メッセージを受信した場合の処理を終了する。
制御部30aは、図3のフローチャートに示した処理手順を継続して行なう。即ち、ECU1a,1a,…,1b,1b,…からメッセージが受信される都度、制御部30aはこれを記憶する。そして、受信バッファ37aに記憶したメッセージに含まれる属性値群は、後述するタイミングで属性値ID毎にデータベース31aに記憶される。その際、データベース31aには属性値ID及び属性値の対の形式で記憶される。
制御部30aは、データベース31aに記憶してあるデータの属性値群からメッセージを作成し、当該メッセージを必要とするECU1a,1a,…,1b,1b,…へ支線通信部32aにより適宜送信する。送信タイミングは例えば、送信先のECU1a,1a,…,1b,1b,…毎にスケジューリングされていてもよい。この場合制御部30aは記憶部34aに記憶されるスケジュールを参照してメッセージを生成して送信する。また、制御部30aはデータベース31aに記憶されている属性値を監視し、データベース31aが更新されることで属性値が変化した場合に当該属性値を含むメッセージを必要とするECU1a,1a,…,1b,1b,…へ送信するようにしてもよい。
次に、中継装置3a,3b,3c,3dが、夫々のデータベース31a,31b,31c,31dに記憶しているデータを相互に交換する際の処理について説明する。
制御部30aは、データベース31aに記憶されるデータを他の中継装置3b,3c,3dと交換する場合、基本的に以下のようにする。制御部30aは、データベース31aから属性値を識別する属性値ID及び属性値の対からなるデータを読み出して送信するのではなく、一旦第1受信バッファ37bに記憶しておいたメッセージを利用して送受信を行なう。詳細には、制御部30aはメッセージをまとめたフレームにより送信する。このときのフレームを以下、幹線フレームと呼ぶ。そして、中継装置3aの制御部30aは、他の中継装置3b,3c,3dから送信された幹線フレームを第2幹線通信部36aにより受信する。制御部30aは受信した幹線フレームを第2受信バッファ38aに記憶しておく。そして、受信バッファ38aに記憶される幹線フレームのメッセージに含まれる属性値群は後述するタイミングでデータベース31aに記憶される。
同様に、中継装置3bの制御部30bは、第1幹線通信部35bから受信した幹線フレームを第2受信バッファ38bに記憶すると共に第2幹線通信部36bにより転送する。なお、中継装置3bの制御部30bは、第1幹線通信部35bによる送受信と第2幹線通信部36bによる送受信を同時に行なうことができる。したがって、制御部30bは自身が作成した幹線フレームを第2幹線通信部36bにより中継装置3cへ送信しつつ、中継装置3aから送信される幹線フレームを第1幹線通信部35bにより受信することができる。なお、制御部30bは第1幹線通信部35bにおいては受信を優先し、第2幹線通信部36bにおいては送信を優先する。中継装置3cの制御部30cも中継装置3bの制御部30bと同様である。
中継装置3dの制御部30dは、中継装置3cから受信する幹線フレームを受信した場合、第2受信バッファ38dに記憶する。そして中継装置3dの制御部30dは第1幹線通信部35dにおいては送信よりも受信を優先する。つまり、制御部30dは、中継装置3cが作成して送信する幹線フレーム、及び中継装置3cが受信して転送する幹線フレーム全てを第1幹線通信部35dにより受信するまで、自身が作成した幹線フレームは送信しない。
なお、上述のように各中継装置3a,3b,3c,3dがメッセージを利用した幹線フレームを送信することにより以下の効果を奏する。CANに準じて送受信されるメッセージは属性値の一又は複数の組み合わせで構成され、その組み合わせ毎にCAN IDが規定されている。したがって、メッセージを利用することにより属性値毎の属性値IDの送信を省略できる。なおCANに準じたメッセージのみならず、新たに、ECU1a,1a,…,1b,1b,…から送信されるメッセージよりも更に効率的に属性値群をまとめたデータフレームを規定し、更にデータフレームが含む属性値の数及びその属性値IDに応じてデータフレームIDを規定して用いる構成としてもよい。
図4は、実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,30b,30c,30dが送信する幹線フレームのフォーマット例を示す説明図である。図4(a)に実施の形態1における中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,3b,3c,3dが送信する幹線フレームのフォーマット例を示し、図4(b)は比較のために属性値ID及び属性値からなるデータが複数送信される場合のフォーマット例を示す。
図4(a)に示すように、幹線フレームのフォーマットは先頭にヘッダが付加され、末尾に幹線フレームの終了を示すトレーラが付加されて構成される。中継装置3aから送信される幹線フレームのヘッダとトレーラとの間には、中継装置3aがECU1a,1a,…,1b,1b,…から受信して第1受信バッファ37aに記憶してあるm個のメッセージが含まれる。そして夫々のメッセージに属性値群の数、及び属性値IDの組み合わせに応じて予め定めてあるメッセージID(CAN ID)と、直後に続く属性値群の合計のサイズ(情報長)とが含まれる。なおこの場合、メッセージに含まれる属性値群の合計の最大サイズは8バイトである。そして、属性値群のフィールドのサイズ(情報長)をバイト単位で表わすフィールド自体は、最大8を表わせばよいので4ビットである。CAN IDは11ビットで表わされるので、1メッセージ当たりのサイズはバイト単位に切り上げたときは10バイトとなる。
図4(b)には、図4(a)の比較のために属性値ID及び属性値からなるデータが複数送信される場合の例が示されている。この場合も、先頭にはヘッダが付加され、末尾には送信の終了を示すトレーラが付加されて構成される。中継装置3aがECU1a,1a,…,1b,1b,…から受信して第1受信バッファ37aに記憶してあるメッセージに含まれる属性値がk個ある場合には、ヘッダとトレーラとの間に属性値ID及び属性値の対がk個分含まれる。なおこの場合、属性値IDは2バイトで表わされるとする。
図5は、実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置3aの記憶部34aに記憶されている対応表39aの内容例を示す説明図である。なお、図5中のnは任意の自然数である。図5の説明図に示すように、メッセージIDに対応付けて含まれる属性値数、含まれる属性値毎に属性値ID、メッセージ中の位置(順序)、及び情報長(ビット単位)が記憶されている。図5の内容例では、メッセージIDが「1」のメッセージには属性値が「2」含まれていることを示している。メッセージIDが「1」のメッセージに含まれる1つめの属性値は、属性値IDが「1」であって「1」番目に「1」ビット分の情報長で含まれ、2つめの属性値は、属性値IDが「2」であって「2」番目に「1」ビット分の情報長で含まれることを示している。
図5に示される他の例では、メッセージIDが「2」のメッセージには属性値が「4」含まれていることを示している。メッセージIDが「2」のメッセージに含まれる1つめの属性値は、属性値IDが「20」であって「2」番目に「1」ビット分の情報長で含まれ、2つめの属性値は、属性値IDが「50」であって「4」番目に「8」ビット分の情報長で含まれることを示している。メッセージIDが「3」のメッセージには属性値が「n」含まれていることを示している。メッセージIDが「3」のメッセージに含まれる1つめの属性値は、属性値IDが「8」であって「4」番目に「3」ビット分の情報長で含まれ、2つめの属性値は、属性値IDが「5」であって「n」番目に「4」ビット分の情報長で含まれることを示している。そして、メッセージIDが「4」のメッセージには属性値が「64」含まれていることを示している。メッセージIDが「4」のメッセージに含まれる1つめの属性値は、属性値IDが「1」であって「1」番目に「1」ビット分の情報長で含まれ、2つめの属性値は、属性値IDが「2」であって「2」番目に「1」ビット分の情報長で含まれることを示している。
中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,30b,30c,30dは、図4(a)に示したようなフォーマットの幹線フレームを受信した場合、受信した幹線フレームを第2受信バッファ38a,38b,38c,38dに記憶しておく。そして、中継装置3b,3cは、第1幹線通信部35b,35c又は第2幹線通信部36b,36cのいずれか一方から幹線フレームを受信した場合、他方へ転送する。
制御部30a,30b,30c,30dは後にデータベースを更新するに際し、第2受信バッファ38a,38b,38c,38dに記憶してある幹線フレームから、メッセージIDに基づいて対応表39a,39b,39c,39dを夫々参照し、属性値を取り出す。このように夫々対応表39a,39b,39c,39dを参照することによって、中継装置3a,3b,3c,3dが属性値IDを含めずに属性値群のみを含むメッセージ、及び該メッセージをまとめた幹線フレームによりデータを送受信した場合であっても、中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,30b,30c,30dは、メッセージにはいずれのデータの属性値が含まれているかを認識して取り出すことができる。
なお、制御部30a,30b,30c,30dは、幹線フレームを受信した場合に対応表39a,39b,39c,39dを夫々参照し、データフレームIDに基づいて予め属性値を取り出し、第2受信バッファ38a,38b,38c,38dに記憶しておく構成としてもよい。
このようにして第1受信バッファ37a,37b,37c,37dにはECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…から受信されたメッセージが記憶される。そして、第2受信バッファ38a,38b,38c,38dには中継装置3a,3b,3c,3d間で交換された幹線フレームが記憶される。
ここで、ディジーチェーンの一端(始端)に位置する中継装置3aは特定の中継装置として機能し、データベース31a,31b,31c,31dに記憶するデータを確定してよいことを示すCOMMIT(確定通知)を発行する。中継装置3aはCOMMITを第2幹線通信部36aにより中継装置3bへ送信する。中継装置3aからCOMMITを受信した中継装置3bは、隣の中継装置3cへCOMMITを転送する。中継装置3cは、転送されたCOMMITを更に中継装置3dへ転送する。各中継装置3a,3b,3c,3cは、COMMITを発行する際又はCOMMITを受信した場合に、第1受信バッファ37a,37b,37c,37d及び第2受信バッファ38a,38b,38c,38dに記憶されているメッセージから属性値群を読み出し、データべース31a,31b,31c,31dを更新する。
実施の形態1における中継装置3a,3b,3c,3dによる幹線フレームの送受信及びデータベース31a,31b,31c,31dの更新の処理は夫々、以下に示すように一部の処理が異なる。そこで、夫々の処理の詳細についてフローチャートを参照して説明する。
図6は、実施の形態1において特定の中継装置として機能する中継装置3aの制御部30aが幹線フレームを送受信し、データベース31aを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。
制御部30aは同期周期(例えば1ミリ秒)が到来した場合、記憶部34aの対応表39aを参照し、ECU1a,1a,…,1b,1b,…から受信して一時的に記憶してある第1受信バッファ37aからメッセージを読み出し(ステップS201)、幹線フレームを作成し(ステップS202)、作成した幹線フレームを第2幹線通信部36aにより中継装置3bへ送信する(ステップS203)。
その後、制御部30aは第2幹線通信部36aにより、他の中継装置3b,3c,3dから送信される幹線フレームを受信したか否かを判断する(ステップS204)。制御部30aは、幹線フレームを受信していないと判断した場合(S204:NO)、処理をステップS204へ戻す。制御部30aは、幹線フレームを受信したと判断した場合(S204:YES)、受信した幹線フレームを第2受信バッファ38aに記憶する(ステップS205)。制御部30aは、受信した幹線フレームが中継装置3dから送信されたものであるか否かにより、最終フレームを受信したか否かを判断する(ステップS206)。幹線フレームのヘッダに送信元が記載されていれば、制御部30aは送信元を識別可能である。幹線フレームに含まれるメッセージIDで識別してもよい。
ステップS206における判断処理を行なうのは以下の理由による。後述するように、中継装置3dは中継装置3a,3b,3cから送信される幹線フレームをいずれも受信するまで、自身が作成する幹線フレームを送信しない。中継装置3dから幹線フレームが送信されるということは、中継装置3dへ中継装置3aからの幹線フレームを含む他の幹線フレームが全て届いたからである。即ち、特定の中継装置として機能する中継装置3aから一番遠くに位置する中継装置3dからの幹線フレームは、中継装置3aへの応答(ACK:Acknowledge)としての機能を発揮する。そして、中継装置3dから中継装置3aへ応答が順次転送されて受信されることにより、中継装置3aは、中継装置3b,3cでも全幹線フレーム、即ち最終フレームを受信したことを確認することができる。
制御部30aは、受信した幹線フレームが中継装置3dから送信されたものでなく、最終フレームでないと判断した場合(S206:NO)、処理をステップS204へ戻す。制御部30aは、受信した幹線フレームが中継装置3dから送信されたものであり、最終フレームであると判断した場合(S206:YES)、全中継装置3a,3b,3c,3dで幹線フレームの送受信に成功したこととなるので、各中継装置3b,3c,3dでデータベース31b,31c,31dに記憶するデータを確定して更新すべくCOMMITを発行して中継装置3bへ送信する(ステップS207)。
そして制御部30aは、ステップS201で第1受信バッファ37aから読み出したメッセージから属性値を取り出し(ステップS208)、第2受信バッファ38aに記憶されている幹線フレームに含まれるメッセージからも属性値を取り出す(ステップS209)。制御部30aは、ステップS208及びステップS209で取り出した属性値群をデータベース31aに記憶することによりデータベース31aを更新し(ステップS210)、処理を終了する。
図7は、実施の形態1における中継装置3bの制御部30bが幹線フレームを送受信し、データベース31bを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。中継装置3cの制御部30cによる処理手順は、中継装置3bの制御部30bの処理手順と同様であるので詳細な説明を省略する。
制御部30bは中継装置3a,3c,3dと時間的に同期している同期周期が到来した場合、記憶部34bの対応表39bを参照し、ECU1c,1c,…,1d,1d,…から受信して一時的に記憶してある第1受信バッファ37bからメッセージを読み出す(ステップS301)。制御部30bは読み出したメッセージにより幹線フレームを作成する(ステップS302)。
制御部30bは、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかにより、他の中継装置3a,3cから幹線フレームの受信を開始したか、又は、送信すべき幹線フレームがある場合に第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかにより幹線フレームの送信が可能か否かを判断する(ステップS303)。制御部30bは、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれからも幹線フレームの受信を開始しておらず、且つ送信すべき幹線フレームもない場合(S303:NO)、処理をステップS303へ戻す。
制御部30bは、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかにより、他の中継装置3a,3cから幹線フレームの受信を開始したか、又は、送信すべき幹線フレームがある場合に第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかにより幹線フレームの送信が可能であると判断した場合(S303:YES)、幹線フレームを受信しているか否かを判断する(ステップS304)。制御部30bは、幹線フレームを受信していると判断した場合(S304:YES)、受信した幹線フレームを第2受信バッファに一時的に記憶しておく(ステップS305)。
制御部30bは、ステップS304で幹線フレームを受信していないと判断した場合(S304:NO)、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかにより、送信すべき幹線フレームの送信が可能か否かを判断する(ステップS306)。制御部30bは、送信が不可能であると判断した場合(S306:NO)、処理をステップS303へ戻す。制御部30bは、送信が可能であると判断した場合(S306:YES)、自身が作成した幹線フレーム、又は他の中継装置3a,3cから受信して他へ送信すべく一時的に記憶してある幹線フレームを送信する(ステップS307)。
なお、ステップS304において幹線フレームを受信していないと判断した場合にステップS306へ進めたが、制御部30bは、第1幹線通信部35bによる送信又は受信の処理と、第2幹線通信部36bによる送信又は受信の処理とを同時に可能である。第1幹線通信部35bにより幹線フレームを受信しつつ、第2幹線通信部36bにより幹線フレームを送信できる。したがって、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかにより幹線フレームを受信していると判断した場合(S304:YES)であっても幹線フレームを受信して一時的に記憶しつつ(S305)、ステップS306に処理を進め、第1幹線通信部35b及び第2幹線通信部36bのいずれかが空いており、送信すべき幹線フレームがある場合には幹線フレームを送信する(S307)。
次に制御部30bは、後述するように全ての幹線フレームを受信した中継装置3dから送信される幹線フレーム、即ち最終フレームを受信したか否かを判断する(ステップS308)。制御部30bは、最終フレームを受信していないと判断した場合(S308:NO)、処理をステップS303へ戻す。
制御部30bは、最終フレームを受信した場合、自身以外の他の全ての中継装置3b,3c,3dからの幹線フレームを受信したことになる。したがって制御部30bは最終フレームを受信したと判断した場合(S308:YES)、中継装置3aから発行されるCOMMITを受信したか否かを判断する(ステップS309)。制御部30bは、COMMITを受信していないと判断した場合(S309:NO)、処理をステップS309へ戻し、COMMITを受信したと判断するまで待機する。
制御部30bは、COMMITを受信したと判断した場合(S309:YES)、ステップS301で第1受信バッファ37bより読み出してあるメッセージから属性値を取り出す(ステップS310)。また、制御部30bは第2受信バッファ38bに記憶してある幹線フレームのメッセージから属性値を取り出す(ステップS311)。制御部30bは、ステップS310及びステップS311で取り出した属性値群をデータベース31bに記憶することによりデータベース31bを更新し(ステップS312)、処理を終了する。
図8は、実施の形態1における中継装置3dの制御部30dが幹線フレームを送受信し、データベース31dを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。中継装置3dは、ディジーチェーン型に接続されている中継装置3a,3b,3c,3dの内、一端に位置する特定の中継装置3aとは逆の一端に位置する中継装置3dである。したがって、中継装置3dは間に位置する中継装置3b,3cと一部異なる処理を行なう。
制御部30dは中継装置3a,3b,3cと同期している同期周期が到来した場合、記憶部34dの対応表39dを参照し、ECU1g,1g,…,1h,1h,…から受信して維持的に記憶してある第1受信バッファ37dからメッセージを読み出す(ステップS401)。制御部30dは読み出したメッセージにより幹線フレームを作成する(ステップS402)。
制御部30dは、第1幹線通信部35dにより、他の中継装置3a,3b,3cから送信される幹線フレームを受信したか否かを判断する(ステップS403)。制御部30dは、幹線フレームを受信していないと判断した場合(S403:NO)、処理をステップS403へ戻す。制御部30dは、幹線フレームを受信したと判断した場合(S403:YES)、受信した幹線フレームを第2受信バッファ38dに記憶する(ステップS404)。
次に制御部30dは、他の中継装置3a,3b,3cから送信される幹線フレームを全て受信したか否かを判断する(ステップS405)。制御部30dは、全てを受信してはいないと判断した場合(S405:NO)、処理をステップS403へ戻す。制御部30dは、全てを受信したと判断した場合(S405:YES)、自身がステップS402で作成した幹線フレームを最終フレームとして第1幹線通信部35dにより送信する(ステップS406)。最終フレームは上述のように中継装置3aへの応答としての機能を発揮する。
そして制御部30dは、中継装置3aから発行されるCOMMITを受信したか否かを判断する(ステップS407)。制御部30dは、COMMITを受信していないと判断した場合(S407:NO)、処理をステップS407へ戻し、COMMITを受信したと判断するまで待機する。
制御部30dは、COMMITを受信したと判断した場合(S407:YES)、ステップS401で第1受信バッファ37dより読み出してあるメッセージから属性値を取り出す(ステップS408)。また、制御部30dは第2受信バッファ38dに記憶してある幹線フレームのメッセージから属性値を取り出す(ステップS409)。制御部30dは、ステップS408及びステップS409で取り出した属性値群をデータベース31dに記憶することによりデータべース31dを更新し(ステップS410)、処理を終了する。
次に、図6乃至図8のフローチャートに示した処理手順を、具体例を挙げて説明する。図9は、実施の形態1における中継装置3a,3b,3c,3dのデータベース31a,31b,31c,31dが幹線フレームの送受信により更新される過程を模式的に示す説明図である。
図9の説明図には、中継装置3a,3b,3c,3d間のディジーチェーン型の接続形態をブロック図により示している。また、中継装置3a,3b,3c,3d夫々のデータベース31a,31b,31c,31d、それに対する第1受信バッファ37a,37b,37c,37d及び第2受信バッファ38a,38b,38c,38dの構成をブロック図により示している。更に図9の説明図は、中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,30b,30c,30dが夫々、図6乃至図8のフローチャートに示した処理手順を実行することにより、幹線フレームが送受信される様子を時系列に示している。図9中の符号を省略したブロックは、第2受信バッファ38a,38b,38c,38dを示している。
図6乃至図8のフローチャートに示したように、同期期間が到来した場合、各中継装置3a,3b,3c,3dでは夫々第1受信バッファ37a,37b,37c,37dに記憶されていたメッセージから幹線フレームに含められるべき属性値群A,B,C,Dが夫々読み出される。図9の説明図では、説明を簡略とするために、第2受信バッファ38a,38b,38c,38dに他の中継装置から受信した幹線フレームに含まれる属性値群と共に一時的に記憶されるとするが、これに限らず一時記憶領域33a,33b,33c,33dの他の記憶領域に記憶させるようにしてもよい。
そして同期処理が開始されると、中継装置3aは第1受信バッファ37aから読み出して作成された属性値群Aを含む幹線フレームを中継装置3bへ送信する。なお、上述したように、各中継装置3a,3b,3c,3dの第1幹線通信部35bにおいては受信を優先し、第2幹線通信部36bにおいては送信を優先する。したがって、中継装置3bは、中継装置3aから送信される幹線フレームを受信すると共に、属性値群Bを含む幹線フレームを中継装置3cへ送信する。これにより、中継装置3bは幹線フレームから属性値群Aを取り出して第2受信バッファ38bに記憶する。中継装置3cは中継装置3aから送信される幹線フレームを受信すると共に、属性値群Cを含む幹線フレームを中継装置3dへ送信する。
続いて、中継装置3bは中継装置3aから受信した属性値群Aを含む幹線フレームを中継装置3cへ送信しつつ、第1幹線通信部35bが空いているので属性値群Bを含む幹線フレームを中継装置3aへ送信する。同時に、中継装置3cは第2幹線通信部36cが空くので、中継装置3bから受信した属性値群Bを含む幹線フレームを中継装置3dへ転送する。これにより、中継装置3cの第2受信バッファ38cには、属性値群A,B,Cが記憶される。
次のタイミングで中継装置3cは第1幹線通信部35cが空くので属性値群Cを含む幹線フレームを中継装置3bへ送信しつつ、中継装置3bから受信した属性値群Aを含む幹線フレームを中継装置3dへ転送する。これにより、中継装置3dの第2受信バッファ38dには、全属性値群A,B,C,Dが記憶される。
中継装置3dは属性値群A,B,Cを夫々含む幹線フレームを全て受信したので、属性値群Dを含む幹線フレームを最終フレームとして中継装置3cへ送信する。同時に、中継装置3bは前のタイミングで受信した属性値群Cを含む幹線フレームを中継装置3aへ転送する。これにより、中継装置3cの第2受信バッファ38cには、全属性値群A,B,C,Dが記憶される。
中継装置3cへ送信された最終フレームは送受信にエラーが起こらないかぎり、中継装置3cから中継装置3bへ、更に中継装置3bから中継装置3aへ転送される。これにより、中継装置3a,3bの第2受信バッファ38a,38bにも、全属性値群A,B,C,Dが記憶される。中継装置3aは、最終フレームを受信することにより全中継装置3a,3b,3c,3dが全幹線フレームを受信したことを確認し、COMMITを発行する。
中継装置3aから発行されたCOMMITは、中継装置3aから中継装置3bへ、中継装置3bから中継装置3cへ、中継装置3cから中継装置3dへ送信される。各中継装置3a,3b,3c,3dはCOMMITを発行した場合、又はCOMMITを受信した場合は、受信して記憶してある全幹線フレームから属性値群を取り出してデータベース31a,31b,31c,31dを更新する。
このように特定の中継装置として機能する中継装置3aがCOMMITを発行し、中継装置3b,3c,3d間でCOMMITを順次転送することにより、データベース31a,31b,31c,31dの内容がほぼ同時に同一の内容に同期される。最終フレームが特定の中継装置として機能する中継装置3aで受信されなかった場合、又は中継装置3b,3c,3dでCOMMITを受信できなかった場合など、幹線4a,4b,4cを介した通信にエラーが発生した場合は同期されない。中継装置3a,3b,3c,3dのいずれかでいずれかの幹線データを受信していない場合にデータベース31a,31b,31c,31dを更新したときは、データベース31a,31b,31c,31dの内容が異なる状況となる。例えば、異なる支線2b及び2cに夫々接続されているECU1bと、ECU1cとで受信する車輪速の具体的数値が3000(rpm)と2500(rpm)とで異なるという状況になる。
車載通信システムのように多数の装置の連携制御によって処理が行なわれる場合、いずれのECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…でも使用するデータの同一性が必要とされる。これに対し、実施の形態1における各中継装置3a,3b,3c,3dの処理により、データベース31a,31b,31c,31dの内容が異なる状況となることを回避し、データの同一性を担保することができる。
そして、実施の形態1においては幹線4a,4b,4cを介した中継装置3a,3b,3c,3d間の通信を、複数の属性値群を含むメッセージを更に複数含む幹線フレームのフォーマットにより行なう構成としたので、属性値毎の属性値IDの送受信が省略され、通信量が削減される。通信量の削減の効果について、具体的な数値を挙げて以下に説明する。
中継装置3a,3b,3c,3dは、1ミリ秒毎に図6乃至図8のフローチャートに示した処理手順を繰り返し、図9の説明図に示したように幹線フレームを送受信する。1ミリ秒の周期が到来するまでに、中継装置3a,3b,3c,3dの支線通信部32a,32b,32c,32d夫々の8つのポートで、1ビットからなる64個の属性値を含むメッセージを4回受信する場合を例に以下に説明する。
同期期間が開始する時点で各中継装置3a,3b,3c,3dの第1受信バッファ37a,37b,37c,37dには夫々、1ビットからなる2048個(=8ポート×4メッセージ(1ポート当たりのメッセージ数)×64個(1メッセージに含まれる属性値数))の属性値が記憶されている。
中継装置3aが図4(a)に示したように幹線フレームにより中継装置3bへ属性値を送信する際に要する通信量は、以下の式1のように算出される。なおこの場合、64個の1ビットからなる属性値(8バイト)が一のメッセージに含まれるとする。したがって、一の幹線フレームは32個のメッセージを含み送信される。
{(ID_L+DLC_L+D_L)×m}+H_L+T_L
={(11(ビット)+4(ビット)+8(バイト))×32}+H_L+T_L
={(10(バイト))×32}+H_L+T_L
=320(バイト)+H_L+T_L …(1)
ただし、
ID_L:メッセージIDの情報長
DLC_L:属性値群の情報長を表わすフィールドの情報長
D_L:属性値群の情報長
m:メッセージ数
H_L:ヘッダの情報長
T_L:トレーラの情報長
これにより、図9の説明図に示したように、データベース31a,31b,31c,31dが同期されるまでに中継装置3a,3b,3c,3d間の通信量は以下の式2のように算出される。
{1×320(バイト)+H_L+T_L}(中継装置3aから中継装置3bへ)
+{1×320(バイト)+H_L+T_L}(中継装置3bから中継装置3cへ)
+{1×320(バイト)+H_L+T_L}(中継装置3cから中継装置3dへ)
+{1×320(バイト)+H_L+T_L}(中継装置3dから中継装置3cへ)
+{1×320(バイト)+H_L+T_L}(中継装置3cから中継装置3bへ)
+{1×320(バイト)+H_L+T_L}(中継装置3bから中継装置3aへ)
=1920(バイト)+6×(H_L+T_L)…(2)
図9の説明図では中継装置3a,3b,3c,3d間で12回の幹線フレームの送受信が行なわれている。しかしながら、各幹線フレームは属性値群A、B、C及びD毎に夫々送受信され、且つ、幹線フレームの送受信は同時に行なわれている場合がある。したがって、1ミリ秒毎の周期の間にデータベース31a,31b,31c,31dの同期に要する時間は、1920バイト分が幹線4a,4b,4cで送受信されるために要する時間である。幹線4a,4b,4cの通信速度が100Mbpsである場合、1920バイトの情報の送受信に要する時間は約154マイクロ秒である。1ミリ秒毎の周期の間に1920バイト分の送受信は十分に間に合う。
比較のために、中継装置3aが図4(b)に示したように、属性値ID及び属性値の対が属性値の数分含まれるフォーマットで中継装置3bへ属性値を送信する構成とした場合の通信量について説明する。中継装置3aから中継装置3bへの送信に要する通信量は、以下の式3のように算出される。
{(属性値IDの情報長+属性値の情報長)×属性値の数}+ヘッダの情報長+トレーラの情報長
={(2(バイト)+1(ビット))×2048}+h_L+t_L
=4352(バイト)+h_L+t_L…(3)
ただし、
h_L:ヘッダの情報長
t_L:トレーラの情報長
これにより、中継装置3a,3b,3c,3d間の通信量は以下の式4のように算出される。なおこの場合、中継装置3b,3c,3dは、受信した幹線フレームに自身の受信バッファ37b,37c,37dに記憶されている属性値群を追加して転送する。そして、属性値群A,B,Cを含む幹線フレームを受信する中継装置3dは、全属性値群A,B,C,Dを含む幹線フレームを中継装置3cへ送信する。そして全属性値群A,B,C,Dを含む幹線フレームが中継装置3cから中継装置3bへ、中継装置3bから中継装置3aへ巡回的に転送される。
{1×4352(バイト)+h_L+t_L}(中継装置3aから中継装置3bへ)
+{2×4352(バイト)}(中継装置3bから中継装置3cへ)
+{3×4352(バイト)}(中継装置3cから中継装置3dへ)
+{4×4352(バイト)}(中継装置3dから中継装置3cへ)
+{4×4352(バイト)}(中継装置3cから中継装置3bへ)
+{4×4352(バイト)}(中継装置3bから中継装置3aへ)
=78336(バイト)+(h_L+t_L)…(4)
式4により、1ミリ秒毎の周期の間に、78336バイト分が幹線4a,4b,4cで送受信されることが必要となる。しかしながら、幹線4a,4b,4cの通信速度が100Mbpsである場合には78336バイトの情報の送受信に要する時間は6ミリ秒である。1ミリ秒毎の周期の間での送受信には間に合わない。
このように、中継装置3a,3b,3c,3d間においてデータベース31a,31b,31c,31dの内容を同期させるためにデータを送受信する際に、図4(a)に示したようなフォーマットの幹線フレームを作成して送受信することにより、中継装置3a,3b,3c,3d間における通信量を最大約1/40まで削減することができる。したがって、中継装置3a,3b,3c,3d間のデータベース31a,31b,31c,31dの同期に要する時間を短縮して高速に完了させることができ、異なる支線2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに接続されているECU1a,…,1b,…,1c,…,1d,…,1e,…,1f,…,1g,…,1h,…間でのデータの同一性、及び中継の即時性が担保される。
(実施の形態2)
実施の形態1では、図6乃至図8のフローチャート及び図9の説明図で説明したとおり、中継装置3a,3b,3c,3d間の幹線フレーム及びCOMMITの送受信がいずれも成功する場合の例を示した。実施の形態2では、いずれかの送受信が失敗した場合でも、できる限り早くリカバリーしてデータベースの同一性を確保することができる処理を追加した構成とする。
実施の形態2における車載通信システムの構成は、各中継装置3a,3b,3c,3dによる処理の詳細以外は実施の形態1と同様である。したがって、実施の形態1と同一の符号を付して各構成部についての詳細について説明を省略し、以下に相違点である処理の詳細を説明する。
実施の形態2における各中継装置3a,3b,3c,3dはデータベース31a,31b,31c,31d夫々に記憶しているデータに、記憶してから又は受信してからの経過時間の長さを示すエイジ情報を付加して記憶する。詳細には、各中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,30b,30c,30dは同期期間が経過する都度、属性値が更新されていない場合、属性値に付加してある自然数からなるエイジを1ずつ加算する。
また実施の形態2における中継装置3aは、自身が同期期間中にCOMMITを発行したか否かを一時記憶領域33aに記憶しておく。その他の中継装置3b,3cでも、各同期期間において最終フレームを受信したか否か、及びCOMMITを受信したか否かを一時記憶領域33b,33cに記憶しておく。中継装置3dも各同期期間中にCOMMITを受信したか否かを記憶しておく。
そして中継装置3aは、同期期間が開始して作成した幹線フレームを送信するに際し、前回COMMITを発行したか否かを示すCOMMIT有無情報(通知情報)を共に送信する。中継装置3b,3c,3dはCOMMIT有無情報を受信した場合にその内容に応じてリカバリーが必要な場合、リカバリー処理を行なう。
以下、各中継装置3a,3b,3c,3dによる処理の詳細について、フローチャートを参照して説明する。
図10及び図11は、実施の形態2における中継装置3aの制御部30aが幹線フレームを送受信し、データベース31aを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、実施の形態1における図6のフローチャートに示した処理手順と共通する処理については、同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部30aは、幹線フレームを作成した後(S202)、一時記憶領域33aに記憶してある情報を参照し、前回の同期期間でCOMMITを発行したか否か(COMMIT有無)を判断する(ステップS51)。制御部30aは、前回COMMITを発行したと判断した場合(S51:YES)、中継装置3b,3c,3dでもデータベース31b,31c,31dの更新がされているはずなので、ステップS202で作成した幹線フレーム及びCOMMITを発行したことを示すCOMMIT有の情報を送信する(ステップS52)。
制御部30aは、前回最終フレームを受信しなかったことによりCOMMITを発行していないと判断した場合(S51:NO)、前回送信した幹線フレームを再送する(ステップS53)。なお、再送する幹線フレームに含まれる属性値群には後述するように、1加算されたエイジが付加されている。そして、制御部30aは、ステップS202で作成した幹線フレーム及びCOMMITを発行していないことを示すCOMMIT無の情報を送信する(ステップS54)。
制御部30aは、処理を開始してから1ミリ秒の同期期間を超過したか否かを判断する(ステップS55)。制御部30aは、未だ同期期間を超過していないと判断した場合(S55:NO)、他の中継装置3b,3c,3dから送信される幹線フレームを受信したか否かを判断し(S204)、受信していないと判断した場合は(S204:NO)、処理をステップS55へ戻す。
そして、制御部30aは他の中継装置3b,3c,3dのいずれかから幹線フレームを受信したと判断した場合(S204:YES)、幹線フレームを記憶し(S205)、受信した幹線フレームが最終フレームであったか否かを判断する(S206)。このとき制御部30aが最終フレームでないと判断した場合(S206:NO)、処理をステップS55へ戻す。
制御部30aが最終フレームを受信し(S206:YES)、COMMITを発行した場合(S207)、制御部30aはCOMMITを発行したこと(COMMIT有)を記憶し(ステップS56)、第1受信バッファ37a及び第2受信バッファ38aから属性値を取り出して(S208、S209)、データベース31aを更新し(S210)、同期期間における処理を終了する。
制御部30aは、最終フレームを受信することなしに同期期間を超過したと判断した場合(S55:YES)、COMMITを発行しなかったこと(COMMIT無)を記憶し(ステップS57)、第1受信バッファ37aより読み出したメッセージに含まれる属性値群及び第2受信バッファの幹線フレームのメッセージに含まれる属性値群に付加されているエイジを1加算し(ステップS58)、データベース31aを更新することなしに同期期間における処理を終了する。
図12及び図13は、実施の形態2における中継装置3bの制御部30bが幹線フレームを送受信し、データベース31bを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。中継装置3cの制御部30cによる処理手順は、中継装置3bの制御部30bの処理手順と同様であるので詳細な説明を省略する。また、実施の形態1における図7のフローチャートに示した処理手順と共通する処理については、同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部30bは、幹線フレームを作成した後(S302)、処理を開始してから1ミリ秒の同期期間を超過したか否かを判断する(ステップS601)。制御部30bは、同期期間を超過していないと判断した場合(S601:NO)、他の中継装置3a,3cから幹線フレームの受信を開始したか、又は、送信すべき幹線フレームの送信が可能か否かを判断する(S303)。
そして、制御部30bは、幹線フレームを受信していると判断した場合(S304:YES)、受信している幹線フレームが中継装置3aから送信された幹線フレームであってCOMMIT有無情報を共に受信しているか否かを判断する(ステップS602)。制御部30bは、COMMIT有無情報を受信していないと判断した場合(S602:NO)、中継装置3cからの幹線フレームであるから第2受信バッファ38bに記憶して(S305)、処理をステップS308へ進める。
制御部30bは、COMMIT有無情報を共に受信していると判断した場合(S602:YES)、受信したCOMMIT有無情報に応じた処理を行ない(ステップS603)、処理をステップS308へ進める。ステップS603におけるCOMMIT有無情報に応じた処理については後述にて詳細を説明する(図14参照)。
なお、制御部30bは、ステップS303からS307までの処理において幹線フレームも受信しておらず、送信も不可能であると判断した場合には(S303:NO、S306:NO)、処理をステップS601へ戻す。
そして制御部30bは、送信が可能であると判断した場合(S306:YES)、自身における記憶では前回の同期期間でCOMMITを受信した(COMMIT有)か否かを判断する(ステップS604)。制御部30bは、COMMITを受信したと記憶している場合(S604:YES)、送信すべく一時的に記憶してある幹線フレームを送信する(S307)。制御部30bは、ステップS604においてCOMMITを受信したと記憶していない場合(S604:NO)、前回自身が作成して送信した幹線フレームを再送する(ステップS605)。なお、再送する幹線フレームに含まれる属性値群には後述するように、1加算されたエイジが付加されている。
制御部30bは、ステップS308で最終フレームを受信したか否かを判断する(S308)。このとき制御部30bは最終フレームを受信していないと判断した場合(S308:NO)、処理をステップS601へ戻す。そして、制御部30bは、最終フレームを受信したと判断した場合(S308:YES)、最終フレームを受信したことを記憶しておく(ステップS606)。
制御部30bは、最終フレームを受信して記憶した後は、COMMITを受信するまでに同期期間を超過したか否かを判断する(ステップS607)。制御部30bは、同期期間を超過していないと判断した場合(S607:NO)、COMMITを受信したか否かを判断し(S309)、受信していないと判断した場合(S309:NO)、処理をステップS607へ戻す。制御部30bは、同期期間を超過する前にCOMMITを受信したと判断した場合(S309:YES)、COMMITを受信したことを記憶しておき(ステップS608)、第1受信バッファ37b及び第2受信バッファ38bから属性値を取り出して(S310、S311)、データベース31bを更新し(S312)、同期期間における処理を終了する。
制御部30bは、ステップS601で最終フレームを受信することなしに同期期間を超過したと判断した場合(S601:YES)、及び、ステップS607でCOMMITを受信することなしに同期期間を超過したと判断した場合(S607:YES)、いずれもCOMMITを受信していないこと(未受信)を記憶しておく(ステップS609)。制御部30bは、最終フレームは受信しているか否かを判断し(ステップS610)、最終フレームを受信していると判断した場合は(S610:YES)、第2受信バッファ38bに記憶されている受信済みの全幹線フレームのメッセージに含まれる属性値群を持ち越しとし、付加されているエイジを1加算する(ステップS611)。更に制御部30bは、第1受信バッファ37bより読み出したメッセージに含まれる属性値群を持ち越しとし、付加されているエイジを1加算して(ステップS612)、同期期間における処理を終了する。
制御部30bは、ステップS610において最終フレームも受信していないと判断した場合(S610:NO)、第1受信バッファ37bより読み出したメッセージに含まれる属性値群を持ち越しとし、付加されているエイジを1加算して(S612)、同期期間における処理を終了する。
図14は、実施の形態2における中継装置3bの制御部30bにより実行されるCOMMIT有無情報に応じた処理の詳細を示すフローチャートである。中継装置3cの制御部30cも同様の処理を行なう。
制御部30bは、中継装置3aから幹線フレームと共にCOMMIT有無情報を受信した場合(図12、ステップS602:YES)、受信したCOMMIT有無情報がCOMMIT有、即ち前回COMMITを発行したこと(COMMIT有)を示しているか否かを判断する(ステップS71)。制御部30bは、COMMIT有無情報がCOMMIT有を示していると判断した場合(S71:YES)、自身におけるCOMMITを受信したか否かの情報と矛盾するか否かを判断する(ステップS72)。制御部30bは、自身における記憶でも前回の同期期間でCOMMITを受信しており、矛盾しないと判断した場合(S72:NO)、前回の同期期間でデータベース31bを同期済みであるので、中継装置3aから受信した新たな幹線フレームはそのまま第2受信バッファ38bに記憶し(ステップS73)、処理を図12及び図13のフローチャート中のステップS308へ戻す。
制御部30bは、ステップS72で自身における記憶では前回の同期期間でCOMMITを受信しておらず、矛盾すると判断した場合(S72:YES)、中継装置3aではCOMMITを発行してデータベース31aを既に更新済みであるので、前回の同期期間で持ち越しとした属性値群によりデータベース31bを更新する(ステップS74)。このとき、中継装置3a,3b,3c,3dはディジーチェーン型に接続されているので中継装置3aでCOMMITが発行されているのであれば、中継装置3bでも最終フレームの転送をしているはずであり、持ち越しとしてあるデータは全属性値群であってデータベース31aの内容と同一である。つまり、前回の同期期間でCOMMITの受信に失敗したとしても、この時点で中継装置3aのデータベース31aとの内容の同期がリカバリー可能である。そして、制御部30bは、受信した幹線フレームは第2受信バッファ38bに記憶して(S73)、処理を図12及び図13のフローチャート中のステップS308へ戻す。
制御部30bは、ステップS71でCOMMIT有無情報がCOMMIT無を示していると判断した場合(S71:NO)、自身におけるCOMMITを受信したか否かの情報と矛盾するか否かを判断する(ステップS75)。制御部30bは、自身における記憶でも前回の同期期間でCOMMITを受信しておらず、矛盾しないと判断した場合(S75:NO)、前回の同期期間で持ち越しとした属性値群の内、支線通信部32bにより受信したメッセージより取り出した属性値群以外は破棄する(ステップS76)。この場合、中継装置3aからは、前回送信された幹線フレームが再送されるので制御部30bは再送分と、新たに作成されて送信される幹線フレームを第2受信バッファ38bに記憶し(ステップS77)、処理を図12及び図13のフローチャート中のステップS308へ戻す。
そして制御部30bは、ステップS75において自身における記憶では前回の同期期間でCOMMITを受信しており、矛盾すると判断した場合は(S75:YES)、予期しない状況であるためエラー処理を行ない(ステップS78)、処理を図12及び図13のフローチャート中のステップS308へ戻す。
図15及び図16は、実施の形態2における中継装置3dの制御部30dが幹線フレームを送受信し、データベース31dを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。実施の形態1における図8のフローチャートに示した処理手順と共通する処理については、同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部30dは、幹線フレームを作成した後(S402)、処理を開始してから1ミリ秒の同期期間を超過したか否かを判断する(ステップS801)。制御部30dは、同期期間を超過していないと判断した場合(S801:NO)、中継装置3a,3b,3cから送信される幹線フレームを受信したか否かを判断し(S403)、受信していないと判断した場合(S403:NO)、処理をステップS801へ戻す。
制御部30dは、幹線フレームを受信したと判断した場合(S403:YES)、受信している幹線フレームが中継装置3aから送信された幹線フレームであって、COMMIT有無情報を共に受信しているか否かを判断する(ステップS802)。制御部30bは、COMMIT有無情報を受信していないと判断した場合(S802:NO)、中継装置3b,3cからの幹線フレームであるから第2受信バッファ38dに記憶して(S404)、処理をステップS405へ進める。
制御部30dは、COMMIT有無情報を受信していると判断した場合(S802:YES)、受信したCOMMIT有無情報に応じた処理を行ない(ステップS803)、処理をステップS405へ進める。ステップS803におけるCOMMIT有無情報に応じた処理については、中継装置3bについて説明した処理(図12、ステップS603)と同一であるので詳細な説明は省略する(図14参照)。
制御部30dは、ステップS405で他の中継装置3a,3b,3cからの幹線フレームを全て受信していないと判断した場合(S405:NO)、処理をステップS801へ戻す。制御部30dは、全て受信したと判断して(S405:YES)、自身が作成した最終フレームを送信する(S406)。
そしてこのとき制御部30dは、受信したCOMMIT有無情報がCOMMIT有を示しているか否かを判断する(ステップS804)。制御部30dは、COMMIT有無情報がCOMMIT無を示している場合(S804:NO)、前回の同期期間で自身が作成して送信した幹線フレーム(最終フレーム)を再送する(ステップS805)。前回の同期期間で送信した最終フレームが、少なくとも中継装置3aへは届いていないからである。なお、再送する幹線フレームに含まれる属性値群には後述するように、1加算されたエイジが付加されている。制御部30dは、COMMIT有を示している場合(S804:YES)、処理を次のステップS806へ進める。この場合、前回通常処理によってデータベース31dが更新されているか、又は前回持ち越された場合もステップS803における処理で更新したので、再送する必要がないからである。
そして制御部30dは、中継装置3aにより発行されるCOMMITを受信するまでに同期期間を超過したか否かを判断する(ステップS806)。制御部30dは、同期期間を超過していないと判断した場合(S806:NO)、COMMITを受信したか否かを判断し(S407)、受信していないと判断した場合(S407:NO)、処理をステップS806へ戻す。制御部30bは、同期期間を超過する前にCOMMITを受信したと判断した場合(S407:YES)、COMMITを受信したことを記憶しておき(ステップS807)、第1受信バッファ37d及び第2受信バッファ38dから属性値を取り出して(S408、S409)、データベース31dを更新し(S410)、同期期間における処理を終了する。
制御部30dは、ステップS801で中継装置3a,3b,3cからの全幹線フレームを受信することなしに同期期間を超過したと判断した場合(S801:YES)、及び、ステップS806でCOMMITを受信することなしに同期期間を超過したと判断した場合(S806:YES)、いずれもCOMMITを受信していないこと(未受信)を記憶しておく(ステップS808)。制御部30dは、中継装置3a,3b,3cからの全幹線フレームは受信しているか否かを判断し(ステップS809)、全幹線フレームを受信していると判断した場合は(S809:YES)、第2受信バッファ38dに記憶されている受信済みの幹線フレームのメッセージに含まれる属性値群を持ち越しとし、付加されているエイジを1加算する(ステップS810)。更に制御部30dは、第1受信バッファ37dより読み出したメッセージに含まれる属性値群を持ち越しとし、付加されているエイジを1加算して(ステップS811)、同期期間における処理を終了する。
制御部30dは、ステップS809において全幹線フレームも受信していないと判断した場合(S809:NO)、第1受信バッファ37dより読み出したメッセージに含まれる属性値群を持ち越しとし、付加されているエイジを1加算して(S811)、同期期間における処理を終了する。
次に、図10乃至図16のフローチャートに示した処理手順を、具体例を挙げて説明する。図17は、実施の形態2における中継装置3a,3b,3c,3dのデータベース31a,31b,31c,31dが幹線フレームの送受信により更新される過程を模式的に示す説明図である。なお、図17の説明図では、前の同期期間で中継装置3aからCOMMITが発行されなかった場合にリカバリーがされる過程を示している。
図17の説明図の構成は、実施の形態1における図9の説明図における構成と同様であるので、各構成部の詳細な説明は省略する。
図10乃至図16のフローチャートに示したように、前の同期期間では同期期間が到来した場合に各中継装置3a,3b,3c,3dの第1受信バッファ37a,37b,37c,37dに記憶されていたメッセージから幹線フレームに含められるべき属性値群A,B,C,Dが夫々読み出される。そして、幹線フレームの送受信が行なわれる。しかしながら、幹線フレームの送受信に失敗して同期期間中に中継装置3aが最終フレームを受信しなかった場合はCOMMITは発行されない。この場合は勿論、データベース31a,31b,31c,31dの更新も行なわれない。
次の同期期間では、前の同期期間の間に各中継装置3a,3b,3c,3dの第1受信バッファ37a,37b,37c,37dに記憶されていたメッセージから幹線フレームに含められるべき属性値群E,F,G,Hが夫々読み出される。なお、各中継装置3a,3b,3c,3dは夫々、持ち越し属性値群A、A,B、B,C、C,Dを記憶している。中継装置3aは前の同期期間でCOMMITを発行しなかった。したがって、COMMIT無を示すCOMMIT有無情報と、前回送信した属性値群Aを含む幹線フレーム(再送)が属性値群Eを含む幹線フレームと共に中継装置3bに送信される。中継装置3bは、持ち越されていた属性値群A,Bの内の属性値群Aを削除し改めて再送された幹線フレーム及び新たに作成されて送信された幹線フレームから属性値群A,Eを取り出して第2受信バッファ38bに属性値群B,Fと共に記憶する。同様に、中継装置3cでも持ち越されていた属性値群Bは削除され、再送された幹線フレーム及び新たに作成されて送信された幹線フレームから属性値群B,Fが取り出されて第2受信バッファ38cに属性値群C,Gと共に記憶される。中継装置3dでも同様である。
その後は図17に示すように、前回の同期期間中に中継装置3a,3b,3c,3dから送受信されたはずの幹線フレームが再送される。そして、中継装置3a,3b,3c,3d全てが、再送分の幹線フレームを含めた全幹線フレームを受信したことが確認された場合、即ち、中継装置3aが属性値群Dを含む幹線フレーム(再送)及び新たに作成された属性群Hを含む幹線フレームを受信し、COMMITを発行した場合に初めて、属性値群A,B,C,D,E,F,G,Hによりデータベース31a,31b,31c,31dが夫々更新される。これにより、中継装置3a,3b,3c,3d間での幹線フレームの送受信がいずれかのタイミングで失敗した場合であっても次にリカバリーをすることができる。更に、再度COMMITが発行されるまでデータベース31a,31b,31c,31dの更新がされないので、データベース31a,31b,31c,31dの内容の同一性を担保することができる。
図18は、実施の形態2における中継装置3a,3b,3c,3dのデータベース31a,31b,31c,31dが幹線フレームの送受信により更新される過程を模式的に示す説明図である。なお、図18の説明図では、前の同期期間で中継装置3aから発行されたCOMMITが中継装置3bで受信できなかった場合にリカバリーがされる過程を示している。図18の説明図の構成も、実施の形態1における図9の説明図における構成と同様であるので、各構成部の詳細な説明は省略する。
図10乃至図16のフローチャートに示したように、前の同期期間では同期期間が到来した場合に各中継装置3a,3b,3c,3dの第1受信バッファ37a,37b,37c,37dに記憶されていたメッセージから幹線フレームに含められるべき属性値群A,B,C,Dが夫々読み出される。そして、幹線フレームの送受信が行なわれる。中継装置3dからの最終フレームが中継装置3aで受信された場合はCOMMITが発行されデータベース31aも属性値群A,B,C,Dにより更新されている。しかしながら、中継装置3aが発行したCOMMITが中継装置3bで受信できなかった場合、全属性群A,B,C,Dを受信バッファ38bに記憶しているにも拘らず、データベース31bの更新がされない。他の中継装置3c,3dでも、全属性群A,B,C,Dを受信バッファ38c,38dに記憶しているにも拘らず、データベース31c,31dの更新がされない。この場合、データベース31aの内容と、データベース31b,31c,31dの内容とがずれてしまう。
しかしながら、実施の形態2における中継装置3a,3b,3c,3dによる図10乃至図16のフローチャートに示した処理によって、以下のように早期にリカバリーが可能である。
次の同期期間では、前の同期期間の間に各中継装置3a,3b,3c,3dの第1受信バッファ37a,37b,37c,37dに記憶されていたメッセージから幹線フレームに含められるべき属性値群E,F,G,Hが夫々読み出される。中継装置3aは、前回COMMITを発行して送信したことを記憶している。したがって中継装置3aからは、新たに属性値群Eを含む幹線フレームが送信される。このとき、中継装置3aからはCOMMIT有を示すCOMMIT有無情報も送信される。したがって、中継装置3bの制御部30bが図14に示した処理手順の内のステップS71,S72,S74の処理が行ない、データベース31bを持ち越されている属性値群A,B,C,Dにより更新する。これにより、データベース31bは中継装置3aのデータベース31aと同一の内容となる。
同様に、中継装置3aから送信されるCOMMIT有を示すCOMMIT有無情報により、次のタイミングで中継装置3cの制御部30cも、データベース31cを持ち越されている属性値群A,B,C,Dにより更新する。これにより、データベース31cも中継装置3a,3bのデータベース31a,データベース31bと同一の内容となる。更に次のタイミングで、中継装置3dの制御部30dも、データベース31dを持ち越されている属性値群A,B,C,Dにより更新する。このように、中継装置31a,31b,31c,31d間で最後にCOMMITの送受信に失敗した場合も、できる限り早くリカバリーしてデータベース31a,31b,31c,31dの同一性を確保することが可能である。
なお、実施の形態1及び2における車載通信システムでは、4つの中継装置3a,3b,3c,3d間をディジーチェーン型に接続した場合の例を示した。本発明はこれに限らない。中継装置の数も4に限らず、2,3,5等であってもよい。また、接続形態もディジーチェーン型によらずバス型、スター型でもよい。この場合も、特定の中継装置が全中継装置からの幹線フレームを受信したか否かによって夫々のデータベースを更新すべきことを示すCOMMITを発行する。ただし、ディジーチェーン型のようにいずれかの送受信が失敗した場合にこれを検知するためには、各中継装置3a,3b,3c,3dにおけう処理に設計変更が必要である。
なお、実施の形態1及び2における車載通信システムの中継装置3a,3b,3c,3dの制御部30a,30b,30c,30dが夫々幹線フレームを受信する際には対応表39a,39b,39c,39dを参照する構成としたが、これに限らない。例えば、各中継装置3a,3b,3c,3d間で送受信される幹線フレームに含まれるメッセージの数、順序、及びメッセージ内における属性値の組み合わせ及び順序を、中継装置毎に予め決めておき、幹線フレームを受信した中継装置は送信元の中継装置を特定することにより、正確に属性値を読み出すようにしてもよい。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1における車載通信システムの構成を示す構成図である。 実施の形態1における車載通信システムを構成するECU及び中継装置の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置の制御部がメッセージを受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置の制御部が送信する幹線フレームのフォーマット例を示す説明図である。 実施の形態1における車載通信システムを構成する中継装置の記憶部に記憶されている対応表の内容例を示す説明図である。 実施の形態1において特定の中継装置として機能する中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態1における中継装置のデータベースが幹線フレームの送受信により更新される過程を模式的に示す説明図である。 実施の形態2における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置の制御部により実行されるCOMMIT有無情報に応じた処理の詳細を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置の制御部が幹線フレームを送受信し、データベースを更新する処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2における中継装置のデータベースが幹線フレームの送受信により更新される過程を模式的に示す説明図である。 実施の形態2における中継装置のデータベースが幹線フレームの送受信により更新される過程を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h ECU
2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2g 通信線(支線)
3a,3b,3c,3d 中継装置
30a,30b,30c,30d 制御部
31a,31b,31c,31d データベース
32a,32b,32c,32d 支線通信部
35a,35b,35c,35d 第1幹線通信部
36a,36b,36c,36d 第2幹線通信部
37a,37b,37c,37d 第1受信バッファ
38a,38b,38c,38d 第2受信バッファ
4a,4b,4c 通信線(幹線)

Claims (10)

  1. 数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する外部装置に接続され、外部装置とのデータの送受信を行なう第1の通信手段、及びデータベースにデータを記憶する手段を備え、データベースから読み出したデータを前記第1の通信手段により外部装置へ送信して外部装置間のデータの送受信を中継する中継装置において、
    他の中継装置との間で通信を行なう第2の通信手段と、
    外部装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報を前記データベースに対する第1のバッファに記憶する手段と、
    一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成する手段と、
    作成したデータフレームを前記第2の通信手段により送信する手段と、
    データフレームを他の中継装置から受信した場合、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶する手段と、
    前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する更新手段と、
    データベースに記憶するデータの確定を示す確定通知を他の中継装置から受信したか否かを判断する手段と
    を備え、
    確定通知を受信したと判断した場合に前記更新手段により更新を行なうようにしてあること
    を特徴とする中継装置。
  2. 確定通知を受信していないと判断した場合に、他の中継装置から前記確定通知が送信されたことを示す送信情報を受信したとき、前記更新手段により更新を行なうようにしてあること
    を特徴とする請求項1に記載の中継装置。
  3. 数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する外部装置に接続され、外部装置とのデータの送受信を行なう第1の通信手段、及びデータベースにデータを記憶する手段を備え、データベースから読み出したデータを前記第1の通信手段により外部装置へ送信して外部装置間のデータの送受信を中継する中継装置において、
    他の中継装置との間で通信を行なう第2の通信手段と、
    外部装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報を前記データベースに対する第1のバッファに記憶する手段と、
    一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成する手段と、
    作成したデータフレームを前記第2の通信手段により他の中継装置へ送信する手段と、
    データフレームを他の中継装置から受信した場合、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶する手段と、
    データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段が確定すべきと判断した場合に、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する更新手段と、
    前記判断手段が確定すべきと判断した場合、前記第2の通信手段によりデータの確定を示す確定通知を他の中継装置へ送信する手段と
    を備えることを特徴とする中継装置。
  4. 前の周期で前記確定通知を送信したか否かを示す通知情報を前記第2の通信手段により送信する通知情報送信手段を更に備え、
    前記判断手段が確定すべきと判断した場合、次の周期で前記通知情報送信手段により前記確定通知を送信したことを示す通知情報を送信させるようにしてあること
    を特徴とする請求項3に記載の中継装置。
  5. 前記判断手段が確定すべきでないと判断した場合、次の周期で前記通知情報送信手段により前記確定通知を送信していないこと示す通知情報を送信させるようにしてあり、
    前の周期で作成したデータフレームを再送するようにしてあること
    を特徴とする請求項3に記載の中継装置。
  6. 数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する複数の通信装置により夫々構成される複数の通信装置群と、該複数の通信装置群に群毎に一又は複数接続され、通信装置とのデータの送受信を行なう第1の通信手段、データベースにデータを記憶する手段、データベースから読み出したデータを前記第1の通信手段により通信装置へ送信する手段を備え、相互に接続され、通信装置間のデータの送受信を中継する複数の中継装置とを含む通信システムにおいて、
    各中継装置は、
    他の中継装置との間で通信を行なう第2の通信手段と、
    接続している通信装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報を前記データベースに対する第1のバッファに記憶する手段と、
    一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成する手段と、
    作成したデータフレームを前記第2の通信手段により他の中継装置へ送信する手段と、
    他の中継装置からデータフレームを受信した場合、受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶する手段と
    前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する更新手段と
    を備え、
    各中継装置の内の特定の中継装置は、
    データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断する判断手段と、
    該判断手段が確定すべきと判断した場合、前記第2の通信手段によりデータの確定を示す確定通知を他の中継装置へ送信する手段と
    を備え、
    前記判断手段が確定すべきと判断した場合、前記更新手段により更新を行なうようにしてあり、
    前記特定の中継装置以外の中継装置は、
    前記確定通知を特定の中継装置から受信したか否かを判断する手段と、
    確定通知を受信したと判断した場合、前記更新手段により更新を行なうようにしてあること
    を特徴とする通信システム。
  7. 各中継装置は直列的に接続されており、
    前記特定の中継装置は、
    各中継装置の内の一端に位置する中継装置であること
    を特徴とする請求項6に記載の通信システム。
  8. 各中継装置の内の前記特定の中継装置と逆の一端に位置する中継装置は、
    自身以外の全ての中継装置から送信されるデータフレームを受信するまで、作成したデータフレームの送信を待機するようにしてあり、
    他の中継装置は、前記第2の通信手段により両隣に接続されている中継装置の内の一方からデータフレームを受信した場合、他方へデータフレームを転送する手段を備えるようにしてあること
    を特徴とする請求項7に記載の通信システム。
  9. 前記特定の中継装置の判断手段は、他の全ての中継装置からのデータフレームを受信した場合、データを確定すべきと判断するようにしてあること
    を特徴とする請求項7又は8に記載の通信システム。
  10. 数値情報及び該数値情報の識別情報を含むデータを周期的に送受信する複数の通信装置により夫々構成される複数の通信装置群に群毎に一又は複数接続され、通信装置からデータを受信し、データベースにデータを記憶し、前記データベースから読み出したデータを通信装置へ送信し、通信装置間のデータの送受信を中継するように相互に接続される複数の中継装置による通信方法において、
    各中継装置は、
    接続している通信装置からデータを受信する都度、受信した一又は複数のデータの数値情報をを前記データベースに対する第1のバッファに記憶し、
    一定の周期で、前記第1のバッファに記憶されている数値情報を読み出して該数値情報を含むデータフレームを作成し、
    作成したデータフレームを他の中継装置へ送信し、
    他の中継装置から送信されるデータフレームを受信し、
    受信したデータフレーム、又は該データフレームに含まれる数値情報を前記データベースに対する第2のバッファに記憶し、
    各中継装置の内の特定の中継装置は、
    データベースに記憶するデータを確定すべきか否かを判断し、
    確定すべきと判断した場合、データの確定を更に示す確定通知を他の中継装置へ送信し、
    確定すべきと判断した場合、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新し、
    前記特定の中継装置以外の中継装置は、
    前記確定通知を特定の中継装置から受信したか否かを判断し、
    確定通知を受信したと判断した場合、前記第1及び第2のバッファの数値情報により、データベースのデータの数値情報を更新する
    ことを特徴とする通信方法。
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