JP2016119616A - リング型ネットワークシステム、そのマスタノード - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のノードをディジーチェイン接続して成るリング型ネットワークシステムに係わり、断線が生じた場合のノードの脱落を防止することができる。【解決手段】マスタ局と複数のスレーブ局の各局がディジーチェイン接続されてリング状の回線を構成するリング型ネットワークシステムにおいて、ディジーチェイン接続された局群の両端の局同士を更にディジーチェイン接続する。この構成において、マスタ局10は、立ち上がり時等に、自局の2つのループバック制御部11,12の何れか一方を強制的にループバック状態とする。そして、運用中、断線時ループバック制御部14が、断線検出時にこの強制ループバック状態を解除する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のノードをディジーチェイン接続して成るリング型ネットワークシステムに関する。
例えば、特許文献1には、複数のノード(局)をディジーチェイン接続し、このディジーチェイン接続された両端の局で回線(信号線)を折り返すことにより、リング状の伝送経路を形成するようにした、リング型ネットワークシステムに関する発明が、開示されている。
特許文献1の発明は、上記リング型ネットワークシステムに関して、局の立ち上がりのばらつきにより作動するループバックの影響による誤作動を回避してシステムの信頼性向上を図るものである。
また、特許文献2の発明は、上記リング型ネットワークシステムに関して、電気的には接続されていながら正常に通信ができないような論理的な断線状態が発生した場合であっても、ループバックを行うことを可能にし、通信を継続できるようにした発明である。
特許文献2の従来技術では、例えば、マスタ局が、送信が連続して失敗したことを検知したときに、断線検出フレームを生成して、これを自局に隣接する各スレーブ局に送信する。スレーブ局では、断線検出フレームを受信したときに応答し、自局が末端局ではない場合には、送信元局以外の隣接局に対して断線検出フレームを送信する。そして、断線検出フレームを送信してから所定時間経過しても隣接局からの応答を受信できない場合には、自局を末端局としてループバックを行う。
特開2012−70025号公報 特開2012−182512号公報
図7に、上記特許文献1,2に記載の従来技術による上記ディジーチェイン接続によるリング型ネットワークシステムの構成例を示す。
図7(a)に示すように、リング型ネットワークシステムは、1台のマスタ局50と複数台のスレーブ局60(60A,60B、60C、60D)から成り、各局(ノード)が自局に隣接する他局(隣接局)と、信号線により接続されている。そして、両端の局すなわち図示の例ではスレーブ局60A及びスレーブ局60Dにおいて信号を折り返すことで(ループバックすることで)、リング状の伝送路を形成している。
尚、上記信号線は、例えば、Ethernet(イーサネット)回線である。よく知られているように、イーサネット回線は、2本の信号線を用いるものである。また、尚、任意のフレーム(パケット)が、各ノードによってバケツリレー方式で中継・転送される。各ノードは、フレームを中継・転送する際に、自ノードの識別ID等をフレームのヘッダ部等に追加格納する。これによって、このフレームを受信したノードは、それまで当該フレームがどのノードをどの順番で転送されてきたのか、分かるようになっている。
また、上記リング型ネットワークシステムは、例えば一例としては、SXバスやE-SXバス等を使用している。
また、図7(b)には、マスタ局50、スレーブ局60の構成の一部を示す。尚、何れの局も、不図示の他の構成(例えば他局との通信処理を行う通信機能部や、局内の何等かの内部処理を行う機能部など)も有しているが、これについては例えば一例が上記特許文献1に示されており、ここでは図示・説明は省略するものとする。
マスタ局50は、2つの物理層(物理層A、物理層B;通信ポート)にそれぞれ対応する2つのループバック制御部51、52を有している。ここでは、ループバック制御部51が物理層Aに係わり、ループバック制御部52が物理層Bに係わるものとする。各スレーブ局60も、2つの物理層(物理層A、物理層B)にそれぞれ対応する2つのループバック制御部61、62を有している。ここでは、ループバック制御部61が物理層Aに係わり、ループバック制御部62が物理層Bに係わるものとする。
また、マスタ局50、スレーブ局60は、不図示の通信制御部(例えば特許文献1のプロトコル制御部など)も有している。
そして、マスタ局50、スレーブ局60は、それぞれ、基本的には自ノードの2つの隣接局と通信(パケット送信またはパケット受信)を行う。但し、断線等により、2つの隣接局の何れか一方と通信を行えない場合も起こり得る。また、当然ながら、接続されている局が無い場合にも、通信が行えない。
マスタ局50の不図示の通信制御部は、ループバック制御部51と物理層Aを介して物理層A側の隣接局と通信を行い、ループバック制御部52と物理層Bを介して物理層B側の隣接局と通信を行う。
各スレーブ局60の不図示の通信制御部は、ループバック制御部61と物理層Aを介して物理層A側の隣接局と通信を行い、ループバック制御部62と物理層Bを介して物理層B側の隣接局と通信を行う。
但し、マスタ局50、各スレーブ局60は、何れか一方の隣接局と通信が行えない場合には、ループバックを行う。他局と通信できない場合とは、どちらか一方の物理層に通信線(他局)が接続されていない場合か、この通信線が断線した場合等である。
例えば、図示のスレーブ局60Bは、物理層B側は通信線によってマスタ局50と接続されており、物理層A側は通信線によってスレーブ局60Aと接続されている。これより、例えば、スレーブ局60Bは、物理層B側からマスタ局50から送信されたパケットを受信すると、これを物理層A側からスレーブ局60Aへ転送する。また、スレーブ局60Bは、物理層A側からスレーブ局60Aから送信されたパケットを受信すると、これを物理層B側からマスタ局50へ転送する。勿論、転送する際に、例えばパケットのデータを用いて何等かの処理を実行したり、自局の何等かのデータをパケットに付加して転送する等の処理を行う場合もある。
一方、例えば、図示のスレーブ局60Aは、物理層B側は通信線によってスレーブ局60Bと接続されているが、物理層A側には何も接続されていない。この場合、ループバック制御部61はループバック状態となっている。ループバック状態とは、一例としては、上記特許文献1における「SW1=OFF且つSW2=ON」(ここではSW1、SW2は不図示)の状態である。換言すれば、信号線の折り返し状態となっている。これより、スレーブ局60Aは、物理層B側からスレーブ局60Bから送信されたパケットを受信すると、これをループバック制御部61で折り返すことで、物理層B側からスレーブ局60Bへ返信する。
同様にして、図示のスレーブ局60Dは、その物理層B側に通信線(他局)が接続されていないことから、物理層A側から受信したパケットをループバックする。これは、図示の構成では、スレーブ局60Cから送信されたパケットを受信すると、これをスレーブ局60Cへループバックする。
この様にして、図7(a)に示す例の場合、例えば、マスタ局50から物理層Bを介して送信されたパケットが、マスタ局50→スレーブ局60C→スレーブ局60D→ループバックによりスレーブ局60C→マスタ局50→スレーブ局60B→スレーブ局60A→ループバックによりスレーブ局60B→マスタ局50というように巡回する、リング型ネットワークが構成されることになる。
尚、上記のように、マスタ局50、スレーブ局60の何れも、ループバック制御部を有しており、この構成によって必要に応じて上記信号線の折り返しを実現するが、これについては特許文献1等に記載されており、ここでは特に説明しない。
ここで、上記従来技術によれば、例えば上記図7の構成において、スレーブ局60A−スレーブ局60B間に断線が発生した場合、この断線を検出して、図8に示すように、スレーブ局60Bが自局において信号線を折り返すようになる。これによって、図8に示すように、マスタ局50から物理層Bを介して送信されたパケットが、マスタ局50→スレーブ局60C→スレーブ局60D→ループバックによりスレーブ局60C→マスタ局50→スレーブ局60B→ループバックによりマスタ局50というように巡回する、リング型ネットワークが再構成されることになる。
これによって、スレーブ局60B、マスタ局50、スレーブ局60C,60Dに関しては問題なく通信が行える。しかしながら、スレーブ局60Aは、他局と通信できない状態となり、スレーブ局60Aが脱落してしまうという問題が生じる。
尚、図9に、断線発生の他の例を示す。
図9に示す構成例は、1台のマスタ局50と4台のスレーブ局60(60A,60B,60C,60D)から構成される点では、上記図7(a)の構成例と同様であるが、各局間の接続関係が異なる。
すなわち、図9に示すように、マスタ局50の物理層A側には何も接続されておらず、マスタ局50の物理層B側には、スレーブ局60C→スレーブ局60D→スレーブ局60A→スレーブ局60Bの順に4台のスレーブ局60がディジーチェイン接続されている。スレーブ局60Bの物理層B側には他局は接続されておらず、よって、スレーブ局60Bにおいてループバックされる。
これより、正常な状態では、例えば図9(a)に示すように、マスタ局50から物理層Bを介して送信されたパケットが、マスタ局50→スレーブ局60C→スレーブ局60D→スレーブ局60A→スレーブ局60B→ループバックによりスレーブ局60A→スレーブ局60D→スレーブ局60C→マスタ局50というように巡回する、リング型ネットワークが構成されることになる。
そして、ここでは、任意のときに、図9(b)に示すように、スレーブ局60A−スレーブ局60B間で断線が生じたものとする。この場合、スレーブ局60Aが、物理層B側での断線を検出すると、ループバックすることになる。これより、図9(c)に示すように、マスタ局50から物理層Bを介して送信されたパケットが、マスタ局50→スレーブ局60C→スレーブ局60D→スレーブ局60A→ループバックによりスレーブ局60D→スレーブ局60C→マスタ局50というように巡回する状態となる。
つまり、この場合には、スレーブ局60Bが、脱落することになる。
本発明の課題は、複数のノードをディジーチェイン接続して成るリング型ネットワークシステムに係わり、断線が生じた場合のノードの脱落を防止することができるリング型ネットワークシステム、そのマスタノード等を、提供することである。
本発明のリング型ネットワークシステムは、マスタ局と複数のスレーブ局の各局がディジーチェイン接続されてリング状の回線を構成し、前記各局は、2つの通信手段を有し、該通信手段により自局と隣接する他局と前記回線を介して通信するが、断線により通信できない通信手段はループバック状態とするリング型ネットワークシステムであって、下記の特徴を有する。
まず、前記ディジーチェイン接続された局群の両端の局同士を更にディジーチェイン接続する。
前記マスタ局は、運用中、正常時には、前記2つの通信手段の何れか一方を強制的にループバック状態とする。
そして、前記マスタ局は、前記リング状の回線の任意の箇所に断線が生じたことが検出されると、前記強制的なループバック状態を解除する。
本発明のリング型ネットワークシステム、そのマスタノード等は、複数のノードをディジーチェイン接続して成るリング型ネットワークシステムに係わり、断線が生じた場合のノードの脱落を防止することができる。
(a)、(b)は、本例のリング型ネットワークシステムの構成図である。 (a)〜(d)は、通信時間の計測処理について説明する為の図である。 マスタ局のイニシャル処理のフローチャート図である。 (a)〜(c)は、イニシャル時の動作例を示す図である。 マスタ局の運用中の定期処理のフローチャート図である。 (a)〜(c)は、断線時の動作例を示す図である。 従来のディジーチェイン接続によるリング型ネットワークシステムの構成例を示す図である。 従来の断線発生した場合の動作例を示す図である。 従来の他の構成例・動作例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本例のリング型ネットワークシステムの構成図である。
図1(a)には全体構成を示し、図1(b)にはマスタ局、スレーブ局の各局(各ノード)の構成例を示す。
まず、図1(a)に示す全体構成について説明する。
図示のように、本例のリング型ネットワークシステムは、1台のマスタ局10と、複数台のスレーブ局20(20A,20B,20C,20D)を有し、基本的には上記図7の従来構成と同様に、各局が自局に隣接する他局(隣接局)と、信号線1により接続されている。すなわち、各局が上述したディジーチェイン接続している。
尚、信号線1は、例えば上記のようにEthernet(イーサネット)回線であってもよいが、この例に限らない。また、本例のリング型ネットワークシステムは、上記SXバスやE-SXバス等を用いるものであってもよいが、この例に限らない。
ここで、従来では両端の局(ノード)で信号線を折り返していたが、すなわち内部でループバックしていたが、本例では図示のように、両端の局同士も信号線1により接続している。つまり、図示の例では、両端の局であるスレーブ局20Aとスレーブ局20Dとの間も、通信線1により接続している。よって、スレーブ局20Aもスレーブ局20Dも、正常時にはループバック状態にはならない。
そして、図1(a)には示していないが、マスタ局に10おいて、2つのループバック制御部のうちの何れか一方を強制的にループバック状態にする。これは、例えばマスタ局10は、立ち上がり時等に、自局の何れか一方のループバック制御部を、強制的にループバック状態にする。尚、ループバック状態とは、一例としては、上記特許文献1における「SW1=OFF且つSW2=ON」(ここではSW1、SW2は不図示)の状態である。また、“強制的に”とは、断線の有無は関係なく、ということである。
その後、運用中に、システム上の任意の位置での断線があった場合、マスタ局10は、この断線発生を検出すると上記強制的なループバック状態を解除する。
概略的には、以上述べた構成・制御とすることで、断線が生じた場合のノードの脱落を防止することができる。
以下、更に詳しく説明する。
まず、図1(b)に示すように、マスタ局10は、2つの物理層(物理層A、物理層B;通信ポート)にそれぞれ対応する2つのループバック制御部11、12を有している。ここでは、ループバック制御部11が物理層Aに係わり、ループバック制御部12が物理層Bに係わるものとする。各スレーブ局20も、2つの物理層(物理層A、物理層B)にそれぞれ対応する2つのループバック制御部21、22を有している。ここでは、ループバック制御部21が物理層Aに係わり、ループバック制御部22が物理層Bに係わるものとする。
マスタ局10は、更に、遅延時間取得制御部13、断線時ループバック制御部14、同期機能部15等の各種機能部を有する。尚、マスタ局10は、不図示の通信制御部を有していても良い。この通信制御部の一例が特許文献1のマスタ局のプロトコル制御部であるが、この例に限らない。また、一例としては、上記各処理部13、14,15は、通信制御部の機能の一部と見做すこともできるものとする。不図示の通信制御部は、基本的に、ループバック制御部11,12を介して、隣接局との通信(パケット送信/受信)を行うものである。また、ループバック制御部11,12の構成・機能は、例えば一例が特許文献1に開示されており、ここでは特に図示・説明しない。
尚、各スレーブ局20も、不図示の通信制御部を有していても良い。この通信制御部の一例が特許文献1のスレーブ局のプロトコル制御部であるが、この例に限らない。
マスタ局10も各スレーブ局20も、不図示の通信制御部は、基本的には、上記ループバック制御部11,12(または21,22)を介して、隣接局との通信を行う。すなわち、例えば、ループバック制御部11(または21)と物理層Aを介して隣接局との通信を行い、ループバック制御部12(または22)と物理層Bを介して他の隣接局との通信を行う。但し、2つのループバック制御部11,12(または21,22)の何れか一方がループバック状態である場合には、この限りではない。
マスタ局10も各スレーブ局20も、不図示の通信制御部は、例えば、自局が有するループバック制御部の何れか一方を介して隣接局からの伝送フレーム(パケット)を受信すると、この伝送フレームの内容に応じた処理を実行すると共に、この伝送フレームを他方のループバック制御部を介して別の隣接局へ転送する。但し、この“他方のループバック制御部”が、上記ループバック状態である場合には、当該“他方のループバック制御部”に渡した伝送フレームが、そのまま戻ってくることになる。この場合、不図示の通信制御部は、この伝送フレームを上記一方のループバック制御部を介して隣接局に転送する。例えばこの様にして伝送フレームがループバックされることになる。
尚、図1(b)では示していないが、全ての局(ノード)において、物理層(PHY)A.Bには、特許文献1と同様に、不図示の受信部と送信部とリンク検出部が、備えられていても良い。リンク制御部は、自ノードの上流側、下流側の各隣接局との接続の有無を通信により検出する機能部である。
尚、各ループバック制御部11,12,21,22は、特許文献1と同様、MAC(Media Access Control)層に設けられており、特許文献1と同様の機能(スイッチ制御など)を有するものであってもよい。また、各局(ノード)は、自ノードの上流側の隣接局から渡された伝送フレームを、自ノードの下流側の隣接局に伝送する通常通信モードと、上流側の隣接局に折り返し伝送するループバックモード(折り返し通信モード)とを有するものと見做しても構わない。
尚、「ループバック制御部(11,12,21,22)+物理層(特に不図示の受信部と送信部)」を、通信手段と呼ぶものとしてもよい。これより、マスタ局10と複数のスレーブ局20の各局は、それぞれ、2つの通信手段を有し、該通信手段により自局と隣接する他局と回線(信号線1)を介して通信するが、断線により通信できない通信手段はループバック状態とする、ものと言うこともできる。更に、マスタ局10は、運用中、正常時には、自局の2つの通信手段の何れか一方を強制的にループバック状態とすると共に、リング状の回線の任意の箇所に断線が生じたことが検出されると、強制的なループバック状態を解除するものと言うこともできる。
尚、マスタ局10は、特に図示しないが、例えばCPU/MPU等の演算プロセッサ、メモリ等の記憶部を有しており、記憶部には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。上記不図示の演算プロセッサが、このアプリケーションプログラムを実行することにより、上記各種機能部11〜15の処理や制御が実現される。
スレーブ局20も、特に図示しないが、例えばCPU/MPU等の演算プロセッサ、メモリ等の記憶部を有しており、記憶部には予め所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。上記不図示の演算プロセッサが、このアプリケーションプログラムを実行することにより、上記各種機能部21、22の処理が実現される。
尚、基本的に、スレーブ局20の構成・動作は、上記従来技術と同様であってよい。
マスタ局10は、上記立ち上がり時等に、2つのループバック制御部11,12の何れか一方を強制的にループバック状態とする。そして、運用中、断線時ループバック制御部14が、断線検出時にこの強制ループバック状態を解除する。
尚、上記立ち上がり時に、上記強制的にループバック状態にする処理を行う前に、遅延時間取得制御部13による処理を行うものであってもよい。遅延時間取得制御部13は、隣接するノード間の各通信時間(図1(a)に示すTa、Tb、Tc、Td、Te)を計測する。
同期機能部15は、上記通信時間Ta〜Teに基づいて、全てのスレーブ局を自局に同期させる。同期機能部15は、例えば、上記立ち上がり時に、全てのスレーブ局を自局に同期させる。同期機能部15は、更に、上記断線発生によってパケットの流れが変化することで上記同期が崩れることに対応して、改めて全てのスレーブ局を自局に同期させる。また、同期機能部15は、例えば、運用中に定期的に、全てのスレーブ局を自局に同期させる処理を実行するものであっても構わない。
まず、上記遅延時間取得制御部13について説明する。
遅延時間取得制御部13は、例えばマスタ局10の立ち上がり時に、例えばまず物理層A側のループバック制御部11をループバック状態にして、隣接するノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta)を計測する。この計測処理を完了したら、続いて、上記物理層A側のループバック状態を解除し且つ物理層Bのループバック制御部12をループバック状態にして、計測できなかった図示の通信時間Tbを計測する。尚、通信時間Tbは、図示の通り、マスタ局10−スレーブ局20B間の通信時間である。
同様に、図示の通り、上記通信時間Tcはマスタ局10−スレーブ局20C間の通信時間であり、上記通信時間Tdはスレーブ局20C−20D間の通信時間であり、上記通信時間Teはスレーブ局20D−20A間の通信時間であり、上記通信時間Taはスレーブ局20A−20B間の通信時間である。
図2は、上記通信時間の計測処理について説明する為の図である。
尚、図2では、マスタ局10において物理層A側をループバックさせた状態で、上記各隣接ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta)を計測する処理について示すものとする。この場合、マスタ局10の物理層A側の隣接局であるスレーブ局20Bは、自局の物理層B側が通信できない状態であることから自局の物理層B側をループバック状態にする。これより、パケットの伝送経路は、図2(a)に示す状態となる。すなわち、マスタ局10の物理層B側から送信されたパケットは、マスタ局10→スレーブ局20C→スレーブ局20D→スレーブ局20A→スレーブ局20B→ループバックによりスレーブ局20A→スレーブ局20D→スレーブ局20C→マスタ局10というルートで巡回する。
この様な状態において、遅延時間取得制御部13は、特定のパケット(時刻ラッチメッセージとする)を送信する。尚、本例では、マスタ局10は、常に物理層B側からパケット送信するものとする。尚、もし、物理層B側がループバック状態であるならば、直ちにループバックして、結果的に、物理層A側からパケット送信されることになる。ここでは物理層A側がループバック状態であるので、まず、スレーブ局20Cが上記時刻ラッチメッセージを受信することになる。
その後、上記時刻ラッチメッセージは、スレーブ局20C→スレーブ局20D→スレーブ局20A→スレーブ局20Bの順に順次転送されていき、上記のことからスレーブ局20Bで折り返される。これより、その後、スレーブ局20B→スレーブ局20A→スレーブ局20D→スレーブ局20C→マスタ局10というルートで順次転送されて、マスタ局10に戻されることになる。この様に、各スレーブ局20は、時刻ラッチメッセージを2回(往きと帰り)受信することになる。
各スレーブ局20は、上記時刻ラッチメッセージを受信した場合には、受信時(2回;往きと帰り)の自局のタイマ値をラッチする。つまり、例えば、受信した時刻ラッチメッセージに自局の現在のタイマ値を含めて、これを次の局へ転送する。これにより、マスタ局10は、上記戻された時刻ラッチメッセージから、全てのスレーブ局20の時刻ラッチメッセージ受信時(2回;往きと帰り)のタイマ値を、取得することができる。尚、全ての局(ノード)は、不図示のタイマを有しており、タイマを動作させている。
尚、各スレーブ局20は、上記タイマ値と共に自ノードの識別IDも一緒に時刻ラッチメッセージに含めるようにしてもよいが、この例に限らない。また、当然、各タイマ値の時刻ラッチメッセージへの格納順も、分かるようになっている。これより、時刻ラッチメッセージの巡回経路も、分かることになる。すなわち、どの様な順序で各スレーブ局20を巡回したのか、分かることになる。但し、この例に限らず、例えば、上記従来のように、各ノードが、フレーム転送の際に、自ノードの識別IDをフレームのヘッダ部に追加格納するものである場合には、ヘッダ部を参照すれば、当該フレームがどの様な順序で各スレーブ局20を巡回したのか、分かることになる。
マスタ局10は、上記全スレーブ局20の各タイマ値に基づいて、各隣接ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta)を算出する。そして、この通信時間に基づいて、マスタ局10から各スレーブ局までの通信遅延時間を求める。
図2(a)には上記各ノードにおける上記メッセージ受信時(2回;往きと帰り)のタイマ値の具体例を示すが、図示のように、各局でタイマ値はバラバラである(同期していない)。例えば、スレーブ局20Aは、スレーブ局20Dの後にメッセージ受信するにも係わらず、そのタイマ値(=120)は、スレーブ局20Dのタイマ値(=200)よりも小さい。しかしながら、各ノード毎に、その往きと帰りのタイマ値は、同じタイマによって計測されているので、これを利用することで、各隣接ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta)を算出することができる。これもついて、以下、図2(a),(b)を参照して具体例を用いて説明する。
例えば、まず、スレーブ局20Aのタイマ値である‘120’(往き)と‘160’(帰り)は、同一のタイマによる計測値である。そして、図示の構成では、スレーブ局20Aの後段にあるのはスレーブ局20Bのみである。これは、例えば、スレーブ局20Bが折り返し局であると判別することから、後段にあるのはスレーブ局20Bのみであると判別できる。上記往きと帰りのタイマ値の差が最も小さいノードが、折り返し局であると判別される。図示の例では、スレーブ局20Bの上記往きと帰りのタイマ値の差は511−510=1(内部処理に掛かる時間と見做してよい)となり、全ノードのなかで最も小さい。
上記のことから、スレーブ局20Aのタイマ値である上記‘120’(往き)と‘160’(帰り)との差分(160−120=40)が、スレーブ局20A−20B間の往復の通信に掛かる時間と見做してよい。尚、厳密には、上記内部処理(ループバック処理等)に掛かる時間(=1)を、更に差し引く必要があるが、この時間は非常に短いので、無視しても構わないものとする。よって、スレーブ局20A−20B間の通信時間である上記通信時間Taは、上記往復通信時間(=40)の半分である‘20’と見做してよいことになる(Ta=20)。
また、スレーブ局20Dのタイマ値である‘200’(往き)と‘270’(帰り)と、上記求められた通信時間Taとによって、下記の式により、スレーブ局20D−20A間の通信時間である上記通信時間Teが求められる。
Te=(270−200−Ta×2)/2=(70−40)/2=15
同様にして、スレーブ局20Cのタイマ値である‘3’(往き)と‘103’(帰り)と、上記求められた通信時間Ta、Teとによって、下記の式により、スレーブ局20C−スレーブ局20D間の通信時間である上記通信時間Tdが求められる。
Td=(103−3−Ta×2−Te×2)/2=15
同様にして、マスタ局10Cのタイマ値である‘20’(往き)と‘130’(帰り)と、上記求められた通信時間Ta、Te、Tdとによって、下記の式により、マスタ局10C−スレーブ局20C間の通信時間である上記通信時間Tcが求められる。
Tc=(130−20−Ta×2−Te×2−Td×2)/2=5
そして、上記求められた各ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta)に基づいて、マスタ局10から各スレーブ局20までの通信遅延時間を、下記のように求める。
・マスタ局10からスレーブ局20Cまでの通信遅延時間Tmc=Tc=5
・マスタ局10からスレーブ局20Dまでの通信遅延時間Tmd=Tmc+Td=5+15=20
・マスタ局10からスレーブ局20Aまでの通信遅延時間Tme=Tmd+Te=20+15=35
・マスタ局10からスレーブ局20Bまでの通信遅延時間Tma=Tme+Ta=35+20=55
マスタ局10の遅延時間取得制御部13は、上記算出した各通信遅延時間を、全スレーブ局20へ配信する。各スレーブ局20は、配信された各通信遅延時間の中で自局に係わる通信遅延時間を取得・記憶する。上記一例の場合、スレーブ局20C,20D,20A,20Bには、それぞれ、図2(c)に示すように、‘5’、‘20’、‘35’、‘55’が記憶されることになる。
その後、マスタ局10の同期機能部15は、そのときの自局のタイマ値を全スレーブ局20へ配信する。例えば、図2(d)に示す例では、タイマ値‘30’が配信される。これより、各スレーブ局20は、配信されたタイマ値に、上記記憶されている通信遅延時間を加算した値を、自局のタイマにセットする。例えば、スレーブ局20Dは、図2(d)に示すように、‘50’(=30+20)を、自局のタイマ値にセットすることになる。そして、このときには、マスタ局10のタイマ値も‘50’になっているはずである。マスタ局10が上記タイマ値‘30’を送信した時点から、これをスレーブ局20Dを受信するまでに、上記通信遅延時間‘20’の時間が、掛かっているからである。
この様にして、スレーブ局20Dのタイマを、マスタ局10のタイマと同期させることができる。これは、他のスレーブ局20C,20A,20Bに関しても同様である。これより、同期機能部15は、全てのスレーブ局20(20D、20C,20A,20B)のタイマを、マスタ局10のタイマに同期させることができる。
尚、上記同期機能部15の処理は、その後の運用中においても定期的に実行するようにしてもよい。これは、各局のタイマの水晶発信子の個体差による時刻ズレを、補正する為である。また、上記同期機能部15の処理は、断線が検出されたときにも実行される。これについては、後述する。
尚、上記の状態のままであれば図1(a)に示す通信時間Tbは特に必要ないことになるが、断線発生等によりマスタ局10が物理層A側のループバック状態を解除した場合には、必要となるので、この通信時間Tbも図2と同様の手法により計測して記憶しておく。
図3は、マスタ局10のイニシャル処理のフローチャート図である。
また、図4(a)〜(c)には、イニシャル時の動作例を示す。
尚、以下のステップS11,S12の説明におけるパケットは、例えば上記時刻ラッチメッセージである。
イニシャル時にマスタ局10は、まず、上記遅延時間取得制御部13が、上述した隣接ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta)を計測する処理を実行する(ステップS11)。
すなわち、遅延時間取得制御部13は、まず、自局の物理層A側をループバック状態にする。これより、図4(a)に示す状態となる。すなわち、マスタ局10は、自局の物理層B側の通信ポートを用いて他局との通信を行う。これより、マスタ局10から送信されたパケットは、図示のスレーブ局20C→スレーブ局20D→スレーブ局20A→スレーブ局20Bの順に転送されていく。ここで、スレーブ局20Bは、マスタ局10と通信できないことから、自局の物理層B側をループバック状態にしていることになる。これより、スレーブ局20Bは、上記パケットを受信すると、これを折り返す。これより、このパケットは、図示のスレーブ局20B→スレーブ局20A→スレーブ局20D→スレーブ局20Cの順に転送されて、マスタ局10に戻される。
尚、各スレーブ局20は、パケット受信するとその時点の自局のタイマ値を当該パケットに格納してから下流のノードへ当該パケットを転送する。また、これにより、最終的にマスタ局10に戻されるパケットには、全てのスレーブ局20のタイマ値(往きと帰り)が、含まれていることになる。また、当然、マスタ局10は、上記パケットの送信時、受信時の自局のタイマ値は認識できる。これより、図2で説明したようにして、上記各通信時間Tc、Td、Ta、Teを求めることができ、以って上記各通信遅延時間Tmc、Tmd、Tme、Tmaを、求めることができる。
続いて、遅延時間取得制御部13は、ステップS11では計測できなかった隣接ノード間の通信時間(本例ではTbのみ)を計測する処理を実行する(ステップS12)。すなわち、まず、自局の物理層B側をループバック状態にする。これによって、図4(b)に示す状態となる。すなわち、マスタ局10は、自局の物理層A側の通信ポートを用いて他局との通信を行う。これより、マスタ局10から送信されたパケットは、図示のスレーブ局20B→スレーブ局20A→スレーブ局20D→スレーブ局20Cの順に転送されていく。ここで、スレーブ局20Cは、マスタ局10と通信出来ないことから、自局の物理層A側をループバック状態にしている。これより、自局の物理層B側で受信した上記パケットを、折り返す。これより、このパケットは、図示のスレーブ局20C→スレーブ局20D→スレーブ局20A→スレーブ局20Bの順に転送されて、マスタ局10に戻される。
これより、特に説明しないが、上記図4(a)の場合と略同様にして、マスタ局10−スレーブ局20B間の通信時間である通信時間Tbを求めることができる。
上述した処理によって、各隣接ノード間の通信時間を求めて記憶したら、マスタ局10は、自局を再び図4(a)の状態にする。すなわち自局の物理層A側をループバック状態にする(ステップS13)。これは、デフォルトで、何れか一方の物理層を強制的にループバック状態にする処理であり、ここでは仮に物理層Aをループバック状態とするが、物理層Bをループバック状態にしても構わない。
そして、同期機能部15が、上記のように各隣接ノード間の通信時間に基づいて各通信遅延時間Tmc、Tmd、Tme、Tmaを求めて、これらを各スレーブ局20へ配信する(ステップS14)。更に、その後の任意のときに、そのときの自局のタイマ値を、各スレーブ局20へ配信する(ステップS15)。これより、各スレーブ局20は、上述したようにして自局のタイマ値を再設定する。これより、上述したように、全てのスレーブ局20のタイマを、マスタ局10のタイマと同期させることができる。
尚、スレーブ局20の処理フロー図は、特に示さないが、基本的にはマスタ局10から送信される上記パケットに従った処理を実行する。勿論、各パケットには、そのパケットの種別を示す情報が含まれているので、スレーブ局20は、受信したパケットが、上記時刻ラッチメッセージであるのか、上記通信遅延時間を通知するパケットであるのかを判別できる。そして、受信したパケットの種別に応じて、上述した処理を実行する。
そして、運用開始することになる。この例では、運用開始時の状態は、図6(a)に示す状態となる。つまり、マスタ局10は、自局の物理層A側を強制的にループバック状態にして、運用開始する。これより、運用中は(後述する断線などが生じない限りは)パケットの巡回経路は、図4(a)で説明したものと同じとなる。そして、断線等の問題が生じない限りは、図6(a)に示す状態のまま運用されることになる。この様な状態において、任意のときに任意の箇所に、断線が発生した場合について、以下、説明する。
尚、図6は運用中の動作例を示す図であって、図6(a)は正常時、図6(b)、(c)は断線時の動作例である。
ここでは、具体例として図6(b)に示すように、スレーブ局20D−20A間に、断線が発生したものとする。
ここで、各スレーブ局20は、上記特許文献1,2に記載のスレーブ局と同様に、断線の有無を検出する機能や、断線を検出した場合に、これに応じてループバックを行う機能を有している。これより、上記のようにスレーブ局20D−20A間に断線が発生した場合、パケットの転送ルートは図6(b)に示す状態となる。
すなわち、まず、スレーブ局20Dが、スレーブ局20Aとの断線を検出することで、断線側をループバック状態にする。これより、図6(b)に示すように、マスタ局10から送出されるパケットは、スレーブ局20C→スレーブ局20Dの順に転送され、スレーブ局20Dでループバックされて、スレーブ局20D→スレーブ局20C→マスタ局10の順に転送されてマスタ局10に戻されることになる。
更に、スレーブ局20Aが、スレーブ局20Dとの断線を検出することで、断線側をループバック状態にする。上記のようにスレーブ局20Bが既にループバック状態であることから、図6(b)に示すように、断線時にスレーブ局20Aまたはスレーブ局20Bにパケットがあった場合には、当該パケットは、スレーブ局20A−スレーブ局20B間をループする状態となる。これは一例であるが、何れにしても、スレーブ局20A、スレーブ局20Bは、マスタ局10と通信できない状態となり、以ってスレーブ局20Aとスレーブ局20Bが脱落した状態となる。
ここで、マスタ局10は、運用中、例えば定期的に図5に示す処理を実行する。
図5は、マスタ局10の運用中の定期処理のフローチャート図である。
図示のように、マスタ局10は、定期的に、各スレーブ局20から断線検出状況やループバック状況を取得する(ステップS21)。これは、例えば特定の状況監視用の特定のパケットを送信し、各スレーブ局20はこの特定パケットを受信すると、自局の断線検出状況やループバック状況を特定パケットに含めて転送する。マスタ局10は、この特定パケットが戻ってくると、この特定パケットに含まれるデータに基づいて、「断線無し」から「断線あり」に変化したノードがあるか否かを判定する(ステップS22)。
「断線無し」から「断線あり」に変化したノードが1つも無い場合には(ステップS22,NO)、そのまま本処理を終了する。一方、「断線無し」から「断線あり」に変化したノードがある場合には(ステップS22,YES)、ステップS23の処理へ移行する。
上記一例の場合、上記図6(b)に状況となることから、マスタ局10は、スレーブ局20C,20Dだけしか通信出来なく成り、これら2つの局20の上記断線検出状況やループバック状況を取得することになる。そして、上記のように、スレーブ局20Dが、断線を検出してループバック状態になっていることから、上記ステップS22の判定はYESとなることになる。
そして、マスタ局10は、上記強制的なループバック状態を解除する(ステップS23)。上記の通り、運用前のイニシャル時において、マスタ局10は、断線検出されていないが物理層A側を強制的にループバック状態にしており、これを解除する。つまり、マスタ局10は、上記の通り、自局の物理層A側のループバック制御部11を強制的にループバック状態にしており、物理層A側の隣接局であるスレーブ局20Bとの直接的な通信は遮断しているが、この強制的ループバック状態を解除する。これより、直接的な通信として、スレーブ局20Cとの通信だけでなく、スレーブ局20Bとの通信が出来る状態となる。その一方で、マスタ局20A、20Dは、上述したループバック状態となっている。
これより、図6(c)に示す状態となる。すなわち、マスタ局10から送出されたパケットは、スレーブ局20C→スレーブ局20Dと転送され、スレーブ局20Dでループバックされて、今度はスレーブ局20D→スレーブ局20C→マスタ局10→スレーブ局20B→スレーブ局20Aと転送される。そして、スレーブ局20Aでループバックされて、スレーブ局20A→スレーブ局20B→マスタ局10と転送されることになる。つまり、通信から脱落するノードは、存在しないことになる。
尚、上記図6(c)に示す動作は、従来の図7に示す構成の動作(但し、断線は発生していない場合)と、略同様ということになる。
但し、図6(c)に示す動作(パケット巡回経路)は、上記図4(c)に示す動作(パケット巡回経路)とは異なるので、当然、上記通信遅延時間が異なる場合があることになる。よって、通信遅延時間を算出し直す必要がある。但し、各隣接ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta、Tb)は既に測定済みであるので、これらを用いて通信遅延時間を再度算出して配布する(ステップS24)。
算出方法は、例えば以下に述べる方法があるが、この例に限らない。
まず、特定のパケットを一巡させれば、そして各スレーブ局20がこの特定パケットを受信したら自局の識別IDを付加して転送すれば、マスタ局10は、パケットが一巡するルートが分かることになる。図6(c)に示す構成の場合、マスタ局10→スレーブ局20C→スレーブ局20D→スレーブ局20C→マスタ局10C→スレーブ局20B→スレーブ局20A→スレーブ局20B→マスタ局10というルートで、一巡することが分かる。
これより、このルートと、各ノード間の通信時間(Tc、Td、Te、Ta、Tb)とを用いれば、マスタ局10から各スレーブ局20までの通信遅延時間を、下記のように求める。
・マスタ局10からスレーブ局20Cまでの通信遅延時間Tmc=Tc
・マスタ局10からスレーブ局20Dまでの通信遅延時間Tmd=Tc+Td
・マスタ局10からスレーブ局20Bまでの通信遅延時間Tmb=(Tc+Td)×2+Tb
・マスタ局10からスレーブ局20Aまでの通信遅延時間Tma=(Tc+Td)×2+Tb+Ta
マスタ局10は、例えば上記のようにして通信遅延時間を算出し、これを各スレーブ局20へ配信して記憶させる(ステップS24)。その後、マスタ局10は、任意のときに自局の現在のタイマ値を各スレーブ局20へ配信することで、上記のようにタイマを同期させる(ステップS25)。
例えば上述したように、本例のリング型ネットワークシステム等によれば、複数のノード(局)をディジーチェイン接続して成るリング型ネットワークシステムに係わり、断線が生じた場合のノードの脱落を防止することができる。
尚、特に図示・説明しないが、本例のマスタ局10、スレーブ局20は、それぞれ、上記特許文献1,2の従来技術のマスタ局、スレーブ局の処理機能を、有していてもよい。これは、従来技術の全ての処理機能を有していても良いし、その中の一部の処理機能を有していてもよい。
すなわち、例えば、特許文献2と同様、本例の全てのノード(1台のマスタ局10と、複数台のスレーブ局20)は、それぞれ、物理層でネットワークの信号線を監視し、振幅(電位)が検出されないか、あるいは振幅が小さい等の理由により、断線やコネクタの脱落等による「断線」であると判定する機能を有する。断線箇所近傍の局(ノード)が、上記機能によって「断線」を検出することになる。そして、「断線」を検出したノードは、回線を折り返すループバックを行い、回線を接続状態に維持する。これによって切り離された局を除いた局間でデータ交換を継続することができる。
あるいは、本例のリング型ネットワークシステムは、特許文献2の発明と同様の機能を有するものであってもよい。すなわち、上記機能では信号線を伝搬する信号の振幅(電位)は検出できても、ネットワークケーブルの損傷等により電気的には接続されていても接触不良等の理由により、CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)異常等が多発して正常な通信ができないような「論理的な断線状態」が発生した場合には、対応できなかった。この為、ループバックができず、このため、通信を継続することができなくなる。
特許文献2の発明は、この様な問題を解決するものであり、本例のリング型ネットワークシステムも同様の機能を有していてもよい。
すなわち、マスタ局10は、送信が連続して失敗したことを検知したときに断線検出フレームを生成して。これを隣接するスレーブ局20に送信する。スレーブ局20では、断線検出フレームを受信したときに応答し、自局が末端局でない場合に、送信元局以外の隣接局に対して断線検出フレームを送信する。そして、スレーブ局20では、断線検出フレームを送信してから所定時間経過しても隣接局からその応答を受信できない場合に、自局を末端局としてループバックを行う。
尚、上述したことから、本説明における「断線」には、通常の物理的な断線だけでなく、上記「論理的な断線状態」も含まれるものであっても構わない。
1 信号線
10 マスタ局
11 ループバック制御部
12 ループバック制御部
13 遅延時間取得制御部
14 断線時ループバック制御部
15 同期機能部
20(20A,20B,20C,20D) スレーブ局
21 ループバック制御部
22 ループバック制御部

Claims (7)

  1. マスタ局と複数のスレーブ局の各局がディジーチェイン接続されてリング状の回線を構成し、前記各局は、2つの通信手段を有し、該通信手段により自局と隣接する他局と前記回線を介して通信するが、断線により通信できない通信手段はループバック状態とするリング型ネットワークシステムであって、
    前記ディジーチェイン接続された局群の両端の局同士を更にディジーチェイン接続すると共に、前記マスタ局は、運用中、正常時には、前記2つの通信手段の何れか一方を強制的にループバック状態とし、
    前記マスタ局は、前記リング状の回線の任意の箇所に断線が生じたことが検出されると、前記強制的なループバック状態を解除する断線時ループバック制御手段を有することを特徴とするリング型ネットワークシステム。
  2. 前記運用中、正常時には、前記マスタ局と隣接する局であって、前記強制的にループバック状態とされている通信手段側で接続されているスレーブ局は、該マスタ局に対応する通信手段が前記ループバック状態となり、
    前記運用中、正常時には、前記マスタ局の前記強制的なループバック状態とされていない通信手段から送出されたパケットは、前記各スレーブ局を順次転送されて、前記ループバック状態となっている通信手段を有するスレーブ局においてループバックされて、前記各スレーブ局を逆方向に転送されて前記マスタ局に戻されることを特徴とする請求項1記載のリング型ネットワークシステム。
  3. 前記運用中の前記断線検出後は、
    前記断線が生じた回線に接続されている2つの局は、それぞれ、その前記2つの通信手段のうち該断線が生じた回線に係わる通信手段は前記ループバック状態となり、
    前記マスタ局と隣接する局であって前記正常時に前記ループバック状態となっていたスレーブ局は、該ループバック状態が解除されており、
    前記マスタ局から送出されたパケットは、前記各スレーブ局を順次転送されて、前記断線箇所に係わる2つの局の一方の局でループバックされて逆方向に転送され、該逆方向に転送されたパケットを受信した前記マスタ局は、該パケットを前記強制的なループバック状態を解除された通信手段に対応する隣接局に転送し、該パケットは、該隣接局側の各スレーブ局を順次転送されて、前記断線箇所に係わる2つの局の他方の局でループバックされて逆方向に転送されて前記マスタ局に戻されることを特徴とする請求項2記載のリング型ネットワークシステム。
  4. 前記マスタ局は、立ち上がり時に、特定パケットを送信・回収して各スレーブ局のタイマ値を取得することで、隣接する局間の通信時間を求め、該求めた各通信時間に基づいて、マスタ局から各スレーブ局への通信遅延時間を算出して、該各通信遅延時間を各スレーブ局に配信する遅延時間取得制御手段と、
    任意のときに自局のタイマ値を各スレーブ局に配信することで、各スレーブ局のタイマを自局のタイマに同期させる同期機能手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のリング型ネットワークシステム。
  5. 前記各スレーブ局は、
    前記立ち上がり時に、前記遅延時間取得制御手段によって配信された前記通信遅延時間を、保持しておき、
    前記同期機能手段から送信される前記マスタ局のタイマ値を受信すると、該タイマ値に前記保持していた通信遅延時間を加算した値を、自局のタイマにセットすることで、自局のタイマをマスタ局のタイマに同期させることを特徴とする請求項4記載のリング型ネットワークシステム。
  6. 前記マスタ局は、前記立ち上がりの際に求めた前記隣接する局間の通信時間を保持しておき、
    遅延時間取得制御手段は、該保持していた前記隣接する局間の通信時間を用いて、前記断線が生じた後の新たなパケット伝送経路に応じた前記通信遅延時間を算出して、該算出した新たな各通信遅延時間を各スレーブ局に配信することを特徴とする請求項5記載のリング型ネットワークシステム。
  7. マスタ局と複数のスレーブ局の各局がディジーチェイン接続されてリング状の回線を構成し、前記各局は、2つの通信手段を有し、該通信手段により自局と隣接する他局と前記回線を介して通信するが、断線により通信できない通信手段はループバック状態とするリング型ネットワークシステムにおける該マスタ局であって、
    運用中、正常時には、自極の前記2つの通信手段の何れか一方を強制的にループバック状態とし、
    前記ディジーチェイン接続された局群の両端の局同士を更にディジーチェイン接続してなる前記リング状の回線の任意の箇所に断線が生じたことが検出されると、前記強制的なループバック状態を解除する断線時ループバック制御手段を有することを特徴とするリング型ネットワークシステムのマスタノード。
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