JP2007300331A - 車載データベースシステム - Google Patents

車載データベースシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2007300331A
JP2007300331A JP2006125794A JP2006125794A JP2007300331A JP 2007300331 A JP2007300331 A JP 2007300331A JP 2006125794 A JP2006125794 A JP 2006125794A JP 2006125794 A JP2006125794 A JP 2006125794A JP 2007300331 A JP2007300331 A JP 2007300331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
database
data
ecu
transmission
update data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006125794A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Hisada
俊哉 久田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Wiring Systems Ltd, AutoNetworks Technologies Ltd, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Wiring Systems Ltd
Priority to JP2006125794A priority Critical patent/JP2007300331A/ja
Publication of JP2007300331A publication Critical patent/JP2007300331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】リソースの限られたECUを効率よく用いて、必要な更新データを高速で送受信し、送受信遅れによる遅延を起こしにくく、車載LANの通信負荷率を低減して、信頼性の高い車載データベースシステムを提供する。
【解決手段】データベース分配ノードは、それぞれ、データベースを有する処理部と、該処理部とECUとの間でデータを送受信するECU側送受信手段と、前記伝送路を介して他のデータベース分配ノードとの間でデータの送受信を行うノード間送受信手段とを備え、前記ECU側送受信手段を介してECUから受信して1つのデータベース分配ノードのデータベースに記録される更新データを、前記ノード間送受信手段および前記伝送路を介して他のデータベース分配ノードにブロードキャストさせ、他のデータベース分配ノードが該更新データを受信可能とし、必要な更新データを他のデータベース分配ノードに記録させて共有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載データベースシステムに関するものであり、特に、車載LANによる通信を最適化して通信負荷率を下げ、各部のリソースの消費率を抑える車載データベースシステムに関する。
近年、自動車の機能増加に伴い、自動車に搭載される電子制御ユニット(ECU)の数が増加する傾向にある。また、各ECUを車両制御ネットワーク(以下、単に車載LANという)によって接続するように構成されている。ところで、パッシブなバス型および/またはスター型の伝送路(共有媒体)に接続されるECUの数には限界があり、また、単位時間内に送受信できるデータ量にも限界がある。このために、ECUの数や通信するデータ量が増加すると、ECUを接続する伝送路を分割して、各分割した各伝送路における通信負荷率を下げることが行われる。
例えば、図8に示す例では、複数のECU90a〜90c、ECU90d,90e……をそれぞれCAN(Controller Area Network)に準拠する車載LANの共有媒体からなる伝送路(以下、バスという)91a、91bを用いて接続している。また、両バス91a,91bはゲートウェイ92によって接続して、各ECU90a〜90e…間で各種データを通信できるように構成されている。つまり、一つのECU90aに接続されたセンサ93aで測定された測定値や状態などを示すデータDpaを、例えば10ms間隔でバス91aに出力すると、同じバス91a内に接続された各ECU90b、90cがこのデータDpaを10ms間隔で受信することができる。また、必要なときだけゲートウェイ92によってデータDpa…を中継することにより各バス91a,91bにおける通信負荷率を下げることが考えられている。
しかしながら、上記構成の車載LANでは、どのECU90a…をどのバス91a,91bに接続するかを適切に設定しなければ、各バス91a,91bにおける通信負荷率を引き下げることができないという問題がある。
また、近年ではFlexRay(登録商標)、MOST(Media Oriented Systems Transport)、D2B(Domestic Digital Bus)など、より高速に通信できる車載LANを幹線として用いることにより、通信量の増大に対応することが考えられる。
そして、特に図9に示す、FlexRayに準拠する車載LANでは、各ECU90a〜90cにおいて共有媒体のバスを用いた通信のタイミングを同期させることにより、データ量が増加してもデータの衝突が発生しないように管理している。ECU90a〜ECU90cはそれぞれFlexRay通信手段95a〜95cを備え、各FlexRay通信手段95a〜95cにはそれぞれ送信バッファ96a〜96cと受信バッファ97a〜97cとを備えている。各ECU90a〜90cはいずれも通信サイクル中の予め定められた時点m1〜m3において送信バッファ96a〜96c内のデータをFlexRayのバス(図示していない)に送信することにより、衝突することなくデータを送信することができる。
ところが、上記構成の車載LANでは、バスを使用できる時点m1〜m3が定められているので、車載LANの設計が煩雑になるという問題がある。また、特に近年のECU90a〜90cにおいては、通信手段95a〜95cを介するデータの送受信を行うためのタスク処理T11〜T34がそれぞれ実行される場合が多く、タスク処理T11〜T34を管理するタイマーに遅れが生じることにより、前記通信サイクル中の定められた時点m1,m2…に間に合わなくなり、データの送信に遅れが発生することがある。そして、これによって制御に遅れが生じ、各ECU90a〜90cにさらなるストレスを与える原因となる。このようなストレスの発生は、各ECU90a〜90c間の論理的な結合の数が増えれば増えるほど問題となり、自動車の性能増加に伴ってますます問題となることが懸念される。
そこで、図10に示すように、Flex−Rayなどの比較的高速にデータ通信を行うことができる伝送路98を幹線として用いて車載ハブ99a〜99cを接続し、この車載ハブ99a〜99cに対して例えばCAN等の比較的低速な伝送路を介してECU90a…を接続することにより、各部の通信負荷率を下げながら増大するデータを送受信可能とすると共に各ECUが必要とするデータDpa…を容易に送受信できるようにすることも考えられている。
ところが、この構成を用いたとしても各ECU90a…が通信される不必要なデータDpa…を一旦受信する処理を行う必要が生じ、そのリソースを無駄に消費するという問題が生じることがある。つまり、データDpa…を必要とするECU90a…が接続された車載ハブは必要が見込まれる全てのデータDpa…を中継するので、大半のECU90a…にとって不要なデータDpa…を中継するために、各ECU90a…のリソースを無駄に消費することがあった。また、受信側のECUにおいて必要としているデータDpaの受信間隔が例えば1秒といった長い間隔で十分あったとしても、送信側のECU90aが短い(例えば10ms)間隔でデータDpaを送信する場合は、関係する全てのECU90a…この短い間隔でデータを受信することになり、これによってバスの通信負荷率が引き上げられる原因となる。そして、通信負荷率が上がれば上がるほど、衝突の発生に伴ってデータ送信に遅延が生じる可能性が高くなるという問題がある。
一方、特開2005−159568号公報(特許文献1)では、各データに優先順位を定めて、送信エラーなどによって送信タイミングが遅れたときに、優先順位の高いデータから送信することにより、優先順位の高いデータに関しては通信負荷率が上がった状態でも大きく遅れることがないようにする構成も提案されている。
特開2005−159568号公報
しかしながら、データ量が増大したために、通信負荷率がさらに引き上げられたバスにおいては、優先順位の設定をしても遅れが生じることがある。さらに、優先順位の高いメッセージが優先されればされるほど優先順位の低いデータは遅れるという問題も生じる。
また、近年の車載LANには信頼性も求められているが、車載LANの規模が大きくなればなるほど、また、車載LANの構成が複雑になればなるほど、通信不良などの問題が発生する可能性が高くなるという問題がある。加えて、車載LANに接続されるECUの数が多くなると、各ECUがデータを送受信する対象となるECUの数が多くなり、それだけ、車載LAN全体の設計が複雑になったり、各ECU内で行う処理が複雑になるので、車載LANのスケーラビリティが悪くなるという問題も生じている。
本発明は、前記問題を考慮に入れてなされたものであって、リソースの限られたECUを効率よく用いて、必要な更新データを高速で送受信し、送受信遅れによる遅延を起こしにくく、車載LANの通信負荷率を低減して、信頼性の高い車載データベースシステムを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、
複数の群に分けられると共に各群毎に1以上設けられるECUと、
前記各群内のECUに接続されて各群毎に1個設けられるデータベース分配ノードと、
複数の前記データベース分配ノードを接続する共有媒体からなる伝送路とを有する車載LANを備え、
前記各データベース分配ノードは、それぞれ、データベースを有する処理部と、該処理部と前記接続したECUとの間でデータを送受信するECU側送受信手段と、前記伝送路を介して他のデータベース分配ノードとの間でデータの送受信を行うノード間送受信手段とを備え、
前記ECU側送受信手段を介してECUから受信して1つのデータベース分配ノードのデータベースに記録される更新データを、前記ノード間送受信手段および前記伝送路を介して他のデータベース分配ノードにブロードキャストさせ、他のデータベース分配ノードが該更新データを受信可能とし、必要な更新データを他のデータベース分配ノードに記録させて共有させる構成としていることを特徴とする車載データベースシステム
を提供している。
前記ECUの群分けは、機能毎の群分けとしていることが好ましいが、近接位置に配置されるECUをまとめて群分けしてもよい。伝送路は全てのデータベース分配ノードが共有する媒体であればよく、典型的にはバス型またはスター型のネットワークを形成する通信線であるが、分岐部にリピータなどのアクティブな素子を備えるものであってもよい。共有媒体からなる伝送路を介して複数のデータベース分配ノードを接続する場合には、接続できるデータベース分配ノードの数に限界が生じるが、各データベース分配ノードに複数のECUを接続することにより、ECU数の増加に容易に対応することができる。
本発明では、まず、ECUを群分けし、これら群毎にデータベースを備えたデータベース分配ノードを設けている。各群内のECUの更新データをデータベースに記録し、該データベースに記録した更新データを他のデータベース分配ノードに送信して、他のデータベース分配ノードにおいても必要な更新データをそのデータベースに記録させて、更新データを共有できる構成としている。
このように、ECUを群分けし、ECUが1つのデータベース分配ノードとの間でデータの送受信をするように構成された車載LANは、全てのECUを共有媒体からなる伝送路に直接的に接続するように構成された車載LANに比べて、各ECUが送受信するデータの量を少なくすることができる。また、各部において送受信されるデータ量を削減できるのでECUとデータベース分配ノードとの間を接続する通信線路の通信負荷率を下げることができ、それだけ更新データの送信時の衝突を回避できる。
加えて、ECUがデータを送受信する相手がデータベース分配ノードだけであるからECUの増減に伴って車載LANの全体の通信タイミングを調節する等の煩雑な処理を一切不要とすることができ、きわめて容易に新しいECUを車載LANに接続することができる。つまり、車載LANのスケーラビリティを引き上げることができる。また、低い処理能力を有するECUであっても複雑な車載LANに接続して必要なデータの送受信を行うことができる。
さらに、各群に夫々1つ設けたデータベース分配ノード間では、データベース分配ノードに記録される更新データのみを前記伝送路にブロードキャストさせているため、伝送路における通信負荷率を下げて、衝突の発生による送信遅れを防止できる。また、共有媒体からなる伝送路を用いたブロードキャストによって各データベース分配ノードが更新データを共有することにより、全てのデータベース分配ノードが同時に同じ更新データを受信できるので、データベース分配ノード間における時間的なずれを可及的に小さくすることができる。加えて、更新データを受信するデータベース分配ノードは必要な更新データのみを取り込むようにする場合には、データ処理量の増大を抑制できる。
各データベース分配ノードは、他のデータベース分配ノードから取得する更新データを、該データベース分配ノードと接続するECUに所要のタイミングで送信しているため、該データベース分配ノードを介して行われるECUへの送信も遅延せず、ECUによる制御遅れの発生を防止できる。
前記データベース分配ノード間の伝送路は、各データベース分配ノードを接続するバスであり、
前記ノード間送受信手段は、所定の周期の間にECU側受信手段を介して受信しデータベースに登録された更新データをまとめて前記バスに送信し、前記バスから受信する更新データを用いてデータベースを更新できるようにするものであることが好ましい。
前記構成によれば、前記データベース分配ノード間の伝送路は、伝送路にアクティブなリピータのような素子を備えることなく各データベース分配ノードを接続するバスであることにより、製造コストを抑えながら、受信側の各データベース分配ノード内のデータベースにおいて同時に更新データを更新させることができる。なお、前記バスにはバス上の一点から伝送路に3以上の分岐を設けてなるいわゆるバス・スター型のネットワークを含んでいる。
加えて、所定の周期の間にECU側受信手段を介して受信しデータベースに登録された更新データをまとめてバスに送信することにより、各データベース分配ノード間で効率よくデータを共有化できる。また、所定の周期毎にデータベースを共有化できるので、ノード間受信手段に間におけるデータベースの共有化を図ることができる。
並行する前記伝送路を複数備えると共に、
前記ノード間送受信手段に、前記伝送路の数に合わせて同じデータを並行して送受信する複数のポートと、各ポートを介して受信するデータの正確性を確認し、正しく受信できたデータを処理部に出力するデータ確認手段とを設けることが好ましい。
前記構成によれば、車載LANに障害が発生してデータの送受信を正確に行うことができない状況が発生したとしても、何れか一つの伝送路を介してデータの送受信を正確に行うことができれば、データの送受信を行うことが可能であるから、信頼性の高いシステムが実現できる。すなわち、各データベース分配ノードに設けたデータベースの共有化を高い信頼性をもって確実に行うことにより、データベース分配ノードに接続されるECUはデータベースとの間で必要なデータの送受信さえできれば、車載LAN全体の通信状況の影響を受けることなく適切な制御を行うことができる。つまり、車載LANの構成が複雑になっても高い信頼性を保つことができる。
前記ノード間送受信手段は、前記伝送路を介してデータを通信エラーなく受信したときに、受信データの受信完了を示す受信情報を返信する受信通知手段と、前記伝送路にデータを送信した後に他の前記データベース分配ノードから前記受信完了を示す受信情報を受信しなかった場合にこの受信エラーのあったデータを再送するデータ再送手段を有することが好ましい。
前記構成によれば、受信通知手段がデータを正しく受信したときに、受信完了を示す受信情報を返信するので、データ再送手段が受信完了を示す受信情報を受信しなかったときに受信エラーのあったデータを再送して、より確実なデータの送受信を行うことができる。つまり、これによってデータベース分配ノードによるデータベースの共有化をさらに確実に行うことができ、車載LAN全体の信頼性を向上させることができる。
同様に、前記ノード間受信手段は、前記伝送路を介して受信するデータに通信エラーがあるときにのみ、受信データの受信エラーを示す受信情報を返信する受信通知手段と、前記伝送路にデータを送信した後に他の前記データベース分配ノードから前記受信エラーを示す受信情報を受信した場合にこの受信エラーのあったデータを再送するデータ再送手段を有するものであることが好ましい。
前記データベース分配ノードは、各ECUに接続されるセンサからの更新データを前記データベース分配ノードに送信すると共に前記データベースに記録する一方、該データベース分配ノードのデータベースに記録された他のデータベース分配ノードからの更新データを、ECUによって設定されたタイミングあるいはECU側からの送信要求に応じてECUへ送信するものであることが好ましい。
前記構成によれば、ECUに接続されるセンサからの更新データが早い周期でデータベースに登録されて、その都度データベースが共有化させられる場合にも、ECUによって設定されたタイミングあるいはECU側からの送信要求に応じてECUへ送信することができる。例えば、ブレーキ制御用ECUでは、接続する車輪速センサで検出する車輪速の検出値(rpm)を接続したECUに送信し、ECUを介してデータベース分配ノードは受信する更新データをその都度データベースに記録し、各データベース分配ノード間でデータベースの共有化が行われる。そして、他のデータベース分配ノードが車輪速度の検出値データが必要な場合には、その更新データを取得し、そのデータベースに記録している。この記録した更新データは、該データベース分配ノードに接続したECUへ予め設定したタイミングあるいはECU側からの要求に応じて送信する。ECUにデータを送信するタイミングは、例えば、前記車輪速センサで車輪速を検出するタイミングよりも長く設定することにより、ECUとデータベース分配ノードとの間で無駄なデータの送受信を防止して、この部分の通信負荷率を低く抑えることができる。
なお、前記データベースの共有化を行うタイミングも前記センサからのデータの受信が要求されているタイミングに合わせて行うことにより、データベース分配ノード間を接続する伝送路における通信負荷率を低く抑えることも考えられる。
前述したように、本発明によれば、まず、多数のECUを複数に群分けし、これら群毎に記録手段を備えたデータベース分配ノードを設け、各群内のECUの更新データはデータベースに記録し、必要に応じて所要のECUへ記録した更新データを送信しており、ECUは伝送路に対して直接的にデータの送受信を行う必要がないので、ECU数やメッセージ数などの車載LANの設計変更を容易に行うことができる。また、データベース分配ノードと各ECUとの間で送受信されるデータの量を削減でき、この部分における通信負荷率を下げて衝突を回避することができる。なお、データベース分配ノードを介在させることにより、接続ノード数に限界がある共有媒体からなる伝送路を用いて、多数のECUの間でデータの送受信を行うことができる。つまり、車載LANのスケーラビリティを引き上げることができる。
さらに、各群に夫々1つ設けたデータベース分配ノード間では、更新データを伝送路を通して送信し、各データベース分配ノード間で更新データを共有する構成としているため、通信負荷率を下げて、衝突の発生による送信遅れを防止できる。また、各データベース分配ノードとの間は共有媒体からなる伝送路を用いて接続され、この伝送路を介して更新データがブロードキャストさせることにより、全てのデータベース分配ノードが同時に同じ更新データを受信できるので、データベースの共有化を速やかに行うことができる。
図1は本発明の第一実施形態に係る車載データベースシステム1の構成を示す図である。
図1中において、2a,2b…は車両の各部に配置されたECU(以下、各ECU2a,2b…を区別する必要がないときはECU2と称す)で、2a〜2cが第1群A、2d〜2fが第2群B、2gと2hが第3群Cとして、群分けしており、第4群以降については図示および詳細な説明を省略する。
前記各群A,B…にはそれぞれ1つのデータベース分配ノード4a,4b…(以下、各データベース分配ノード4a,4b…を区別する必要がない場合にデータベース分配ノード4と称す)を設けている。前記データベース分配ノード4aはECU2a〜2cと夫々、CANに準拠する車載LANのバス(以下、CANバスと称す)8によって接続している。同様にデータベース分配ノード4bはECU2d〜2fと夫々CANバス8を介して接続し、データベース分配ノード4cはECU2g、2hと夫々CANバス8を介して接続している。
前記データベース分配ノード4a、4b、4cはイーサネット(登録商標)などに準拠する一対の伝送路5a,5b(以下、まとめて伝送路5と称す)を介して接続されている。なお、伝送路5を用いて送受信されるデータの伝送エラー率は伝送路5の数の二乗に反比例するように下げられるので、伝送路5の数を3以上設けて信頼性をさらに向上することも可能である。
前記各ECU2a,2b…には、車両状態や各種物理量の測定値などの更新データDa,Db…を検出してECUへ出力するセンサ6a,6b…を接続している。(以下、区別する必要がない場合には、単にセンサ6、更新データDと称す。)
前記各データベース分配ノード4は複数のECU2a,2b…に接続すると共に、前記伝送路5を介して他のデータベース分配ノード4に接続し、データベース分配ノード4間およびECU2a,2b…との間で各種更新データを高速に送受信するハブの役割を果たすと共に、前記更新データDを記録するデータベース7を有するものである。
各データベース分配ノード4は、図1に示すように、処理部13と、処理部13と前記ECU2との間で更新データを送受信するECU側送受信手段を構成するCAN通信手段11と、処理部13と他のデータベース分配ノード4の処理部との間で前記伝送路5を介して更新データを送受信するノード間送受信手段を構成するイーサネット通信手段12を備え、処理部13は、データベース7を備える記録手段21と、出力タイミング設定手段22と、データ出力手段23と、データベース更新手段24を備えている。
前記伝送路5a,5bはそれぞれ車載LANの単一セグメントを構成するもので、伝送路5a,5b内にスイッチやリピーターのようなアクティブなノードおよびゲートウェイを介在させていないツイストペアケーブルなどの通信線からなり、分岐点において3方向以上に分岐するようにスター接続された、所謂バス・スター型のネットワークを構成する通信線である。本実施形態のように伝送路5をパッシブな共有媒体からなるバス型の通信線とすることにより、遅延時間を最小限に抑えることが可能であるが、光通信を利用したMOST,D2B、IDb1394やIEEE1394(登録商標)などに準拠して通信を行うもの、さらには、工業用LAN、FlexRayを用いて形成してもよい。
記録手段21とCAN通信手段11とは、データ出力手段23と出力タイミング設定手段22を介して接続している。また、記録手段21とイーサネット通信手段12とはデータベース更新手段24を介して接続している。
なお、図1中では、データベース分配ノード4aのみに、前記記録手段21等を記載しているが、他のデータベース分配ノード4b…にも備えられている。
前記イーサネット通信手段12は前記一対の伝送路5a,5bに対応して、高速通信が可能なイーサネット(登録商標)に準拠する一対のポート12a,12bを備えるものである。また、イーサネット通信手段12は各ポート12a,12bを介して受信するデータの正確性を確認するデータ確認手段31と、伝送路5から受信するデータDの受信状況を受信情報として返信する受信通知手段32と、伝送路5にデータDを送信した後に受信完了を示す受信情報を受信できなかった場合にデータDを再送するデータ再送手段33とを備えている。
また、前記イーサネット通信手段12は、伝送路5に直接的に接続されて電気信号のやりとりを行うインターフェース(図示省略)と、このインターフェースを用いてイーサネットに準拠した通信を制御する通信コントローラ(図示省略)とを含み、ポート12a、ポート12bにより伝送路5a,5bと接続され、両伝送路5a,5bを用いて同じ更新データDの送受信を並行して行うものである。ポート12a、ポート12bはそれぞれ送信部と受信部があり、例えば半二重の通信を可能とするものである。なお、伝送路5が光通信を行うものである場合に、車載LAN通信手段として光送受信ユニットを設けるなど、適宜に変形される。
データベース分配ノード4に設けるECU側接続手段となる前記CAN通信手段11は、前記CANバス8を介してECU2と接続して各種更新データの入出力を行っている。
CANトランシーバやCANコントローラを有するものであるが、ECU2とデータベース分配ノード4との接続部にLINなどの車載LANを用いる場合には、CAN通信手段11としてLINに準拠する通信手段と通信コントローラが必要である。また、ECU2とデータベース分配ノード4との接続部に車載LANを用いない場合には、通信手段としてのインターフェイスを形成することができる。この場合、ECU2はセンサ6側に設けられた更新データDの出力手段を構成する制御部である。
また、データベース分配ノード4の記録手段12のデータベース7では、該データベース分配ノード4に接続したECUを介してセンサ6から得られる更新データDをデータ加工する事なく、そのまま記録している。
図2に示すように、データベース7には、少なくとも前記更新データDの識別情報ID(IDa,IDb…)と、これに対応する属性値データVDa,VDb…とが記録される。 かつ、前記LAN9を介して受信する他のデータベース分配ノード4の記録手段21に記録される更新データDのうち、当該データベース分配ノード4において、必要な更新データも記録されるようにしている。
なお、図2では、識別情報IDとして理解しやすいように「車輪速」などを示しているが、実際には決まったビット数の値からなる識別情報IDである。同様に、属性値データVDa…として単位付きの数値を属性値データVDa…を例示しているが、データベース7に記録される属性値データVDa…に単位の情報が必ず含ませなければならないことを意味しているのではない。
前記記録手段21として、データ出力手段23によって読み書き可能に構成されたRAMを用い、バックアップ電源などを用いて電源供給が途絶えた状態でも記憶内容を保持できるものとしている。なお、フラッシュメモリのように不揮発性を備えた書き換え可能な記録手段を用いてもよい。また、記録手段21内には、出力タイミング設定手段22によって設定され、データ出力手段23によって用いられる出力タイミング設定テーブルTが記録されている。
なお、本実施形態では出力タイミング設定テーブルTが出力タイミング設定手段22によって動的に設定されるものであるから、この出力タイミング設定テーブルTを記録する記録手段21も書き換え可能である必要がある。しかしながら、この出力タイミング設定テーブルTは固定的に設定してあってもよい。この場合、テーブルTが記録されるメモリ12をROMにしてもよい。
前記記録手段21に記録された更新データDをECU2側へ出力するデータ出力手段23は、記録手段12のデータベース7内の更新データDを読み書きし、更新データDを必要とするECU2に出力するものである。また、前記出力タイミング設定手段22はこの更新データDの出力タイミングを設定するものである。
データベース更新手段24はデータ出力手段23を介して更新データDの入力があった時に、対応する更新データを記録手段12のデータベース7に登録すると共に、更新データDを含む更新データフレームを車載LAN9を介して隣接するデータベース分配ノード側に送信する一方、隣接するデータベース分配ノードから受信した更新データフレームに含まれる他ノードの更新データDをデータベース7に登録する機能を有する。
以下に、前記構成からなる本発明の車載データベースシステム1における動作について説明する。
まず、各ECU2には接続したセンサ6からの検出値が入力される。ECU2は入力した検出値を用いて更新データDを作成しこれをデータベース分配ノード4に送信する。各データベース分配ノード4は更新データDを自ノードのデータベース7に記録する。また、更新データDは各データベース分配ノード4a〜4fにおいて所定の周期(例えばΔT=1ms)毎にまとめられて、更新データフレームが生成される。
各データベース分配ノード4は生成されたーデータフレームをデータベース更新手段24で設定したタイミングで一対の伝送路5a,5bに送信することにより、更新データの共有化を図る。データベース交信手段24に設定される更新データDの送信タイミングは、前記所定の周期ΔT毎に行われ、各データベース分配ノード4a,4b…からの更新データDの送信は、データベース分配ノード4a,4b…に付与させた識別情報の順番に行われる。以下の説明では一例としてデータベース分配ノード4a,次いで、データベース分配ノード4b…の順番で更新データDの送信を行う例を示す。
図3はデータベース分配ノード4aが更新データDを送信している状態を示す図である。図3に示す状態ではデータベース分配ノード4aが伝送路5a,5bのバスマスタとなって、伝送路5a,5bのそれぞれに同じ内容の更新データフレームDa,Dbが送信され、両更新データフレームDa,Dbは全てのデータベース分配ノード4b〜4fにブロードキャストされる。つまり、データベース分配ノード4aにおけるイーサネット通信手段12の各ポート12a,12bはいずれも送信ポートとして機能し、他のデータベース分配ノード4b〜4fにおけるイーサネット通信手段12の各ポート12a,12bは受信ポートとして機能する。
前記更新データフレームDa,Dbを受信した各データベース分配ノード4b〜4fでは、イーサネット通信手段12に設けたデータ確認手段31が各伝送路5a,5bを介して受信した更新データフレームDa,DbのCRCチェックなどの誤り検出や誤り補正を実行するなどして、データの受信状況を確認し、正しく受信できた更新データフレームDa,Dbの何れか一方を、処理部13に出力する。処理部13では正しく受信できた更新データフレームDaまたはDbに含まれる更新データDを用いてデータベース7の更新を更新する。
また、イーサネット通信手段12に設けた受信通知手段33が、前記定められた順番でデータベース分配ノード4aに通信情報(受信完了を示す通信情報ACKまたは受信エラーを示す通信情報NACK)を返信する。
図4は各データベース分配ノード4b〜4fが通信情報を返信している状態を示す図である。図4に示す状態ではデータベース分配ノード4b〜4fが順番に伝送路5a,5bのバスマスタとなって、通信情報ACK/NACKを返信する例を示している。なお、前記受信エラーの通信情報NACKを送信するのは、データ確認手段31によって全ての伝送路5a,5bを介して受信した更新データフレームDa,Dbにおいて異常受信を検出したとき、および、受信するはずのデータを受信できなかったときの何れかである。図4に示す例では、データベース分配ノード4bだけが受信エラーを示す通信情報NACKを返信しており、他のデータベース分配ノード4c〜4fは受信完了の通信情報ACKを返信している。このとき、データベース分配ノード4aにおけるイーサネット通信手段12の各ポート12aは受信ポートとして機能する。
前記データベース分配ノード4aが受信エラーを示す通信情報NACKを受信した場合は、前記データ再送手段33が通信エラーの発生していたデータベース分配ノード4bに対して再び更新データフレームDa,Dbの再送を行う。
なお、図4の例では各データベース分配ノード4b〜4fが1つの伝送路5aを介して通信情報ACK/NACKを返信する例を示しているが、通信情報ACK/NACKの返信を伝送路5a,5bの両方を用いて別々に行って、送受信にかかる時間の短縮を図ってもよい。
本発明の車載データベースシステム1では、1つのデータベース分配ノード4aから送信される更新データフレームDa,Dbが他の全てのデータベース分配ノード4b〜4fにブロードキャストされるので、複数のデータベース分配ノード4b〜4fに同時に更新データDを送信することができ、それだけ速やかにデータベース7の共有化を行うことができる。
図5は前記所定の周期ΔT毎に各データベース分配ノード4a,4b…間で繰り返して行われる更新データDの送受信の送信タイミングを示す図である。図5において、時点t0〜t1の間に、データベース分配ノード4aが他のデータベース分配ノード4b〜4fに更新データDを送信し、時点t1〜t2の間に他のデータベース分配ノード4b〜4fからデータベース分配ノード4aに受信情報ACK/NACKが返信される。また、以下、時点t2〜t3の間に各データベース分配ノード4b〜4fが順番に更新データDを送信し、これに対する受信情報ACK/NACKが返信される。
また、全てのデータベース分配ノード4a〜4fが更新データDの送信を終了した時点t3から時点t4の間に受信エラーが発生した更新データDの再送が行われ、続いて再送された更新データDに対する受信情報ACK/NACKが返信される。このように、受信情報ACK/NACKによって受信状況を確認して、受信エラーが生じた更新データDを同一周期内に再送することにより、信頼性を高めることができる。
なお、前記再送された更新データDが一度の再送で成功しない場合には、同一周期内で複数回同じように再送してもよい。また、再送回数に最大値を定めて制限を設けてもよい。上述したように、前記受信情報の返信や更新データDの再送を行うことにより、信頼性を高くすることが可能であるが、伝送路を用いた更新データDの送受信を行う場合の物理層のエラーレートが十分に低い場合には、受信情報の返信や更新データDの再送を省略して、更新データDの送受信をより速やかに行うようにしてもよい。
また、前記所定の周期ΔT内に更新された更新データDの量が多く、1つの更新データフレーム内に収まらない場合には、1回の送信タイミングにおいて複数の更新データフレームを送信することができる。あるいは、更新データDを再送する場合と同様に、同一周期内で複数のフレームに分けて送信することができる。
次に、前記更新データをECU2に送信するタイミングについて説明する。
ECU2は、出力タイミングテーブルTに設定されたタイミングに基づいて、データ出力手段23を介して更新データDをデータベース7から受け取る。
データ出力手段23は前記メモリ12内の出力タイミング設定テーブルTに従って、ECU2…が必要とするタイミングにおいて更新データD…を出力することができる。また、各ECU2…からの即時出力要求Raを入力したときは、即時出力の要求に応じてデータベース7内の指定された識別情報IDの更新データDをCANバス8側に出力する。なお、即時出力要求Raには即時出力を要求する更新データDを識別するための識別情報IDが含まれている。
また、本実施形態では出力タイミング設定手段22において、各ECU2からの出力要求Rbを入力し、この出力要求Rbに従って各データベース分配ノード4における出力タイミング設定テーブルTをそれぞれ動的に更新することができるように構成されている。なお、この出力要求Rbにも出力タイミングを設定する更新データDを識別するための識別情報と、その出力タイミングの設定値とが含まれ、出力タイミングを定めるためのパラメータも含まれることが好ましい。
図6は図1に示す車載データベースシステム1における前記出力タイミング設定テーブルT(とりわけ、データベース分配ノード4c内のメモリ12に記録された出力タイミング設定テーブルTc)の例を示しており、この出力タイミング設定テーブルTは、更新データDの識別情報ID(個々の識別情報IDを符号IDa,IDb…を用いて表す)と、これらに対応する更新データDの出力タイミングTi(それぞれ、個々のタイミング設定値を符号Tia,Tib…を用いて表す)と、各更新データDの送信タイミングのパラメータPar(各パラメータをそれぞれ符号Para,Parb…を用いて表す)とを記録したものである。
図6に示す例では、識別情報IDaが「車輪速」である属性値データIDaについて、出力タイミングTiaが「変化時出力」に設定されて、パラメータParaは「間引きなし」に設定されている。従って、前記処理手段13が前記データ出力手段23により前記出力タイミング設定テーブルTcに従ったタイミングで更新データD…を出力することにより、更新データDをECU2iが必要とするタイミングでCANバス8に出力することができる。すなわち、データベース7内の更新データDにアップデートがあった時点で、ECU2g,2h…(図1,2参照)側のCANバス8に出力することができる。
本例のように、出力タイミング設定テーブルTにおいて、間引きなしで変化時出力の設定を行う設定を行う場合には、ECU2iはECU2aからの更新データDを、データベース8の更新にかかる僅かな遅延を除いて、リアルタイムに受け取ることができる。しかも、車輪速の測定値に変化がないときには、その更新データDをCANバス8に出力しないことによって、意味のない更新データDの出力を抑えることができる。
なお、前記出力タイミングTiとして「リアルタイム出力」を設定し、更新データDの値に変化がなくてもECU2から入力された更新データがある毎に、更新データDをCANバス8に出力するようにしてもよい。これによって、更新データDの供給側と受取側のECU2はデータベース7を間に介していることを意識することなく、直結的な感覚で更新データDの受け渡しを行うことができる。
逆に、前記タイミングTiとして「所定間隔出力」を設定し、各供給側ECU2からアップデートされる更新データDを幾らか間引いて、受取側ECU2に出力するようにしてもよい。この場合、前記パラメータParとして受取側ECU2が必要とする更新データDの受取時間間隔を設定することにより、受取側ECU2にとって必要な間隔(例えばパラメータParcに示すように1秒ごとなど)で更新データDを受けとることができる。これによって、CANバス8を用いた無駄な通信を激減させることができる。
また、図6の例に示すように、出力タイミングTibとして「閾超過時出力」が設定されていてもよい。本例の場合、識別情報IDbが「操舵角」である更新データDについて、閾超過時出力が設定されており、閾値はパラメータParbにおいて「±5deg 毎」に設定されている。すなわち、前記データ出力手段23が前記出力タイミング設定テーブルTcを参照することにより、更新データDを例えば操舵角が5°間隔でCANバス8に出力することができる。これがECU2iにより必要とされているタイミングである。
なお、図6に示す出力タイミング設定テーブルTcには出力タイミングTiとして、「変化時出力」「閾値超過時出力」「所定間隔出力」を開示し、上記説明において「リアルタイム出力」の設定が可能であることを説明しているが、これらの文言は本発明を分かりやすく示すものであり、本発明はこれらの設定値に限定されるものではなく、実際には出力タイミングの設定値は数値や記号であることが好ましい。同様にパラメータParも上述した記述が重要な要素ではないことはいうまでもない。
また、自ノードに接続されたECU2に送信する更新データは、他ノードに接続されたECU2の更新データだけでなく、自ノードに接続されたECU2の更新データでもよい。
図1〜図6を用いて説明した、実施形態では、前記伝送路5a,5bが、イーサネット(登録商標)に準拠したツイストペアケーブルなどの共有媒体からなるバスである例を示しているが、本発明はこの点に限定されるものではない。すなわち、伝送路5a,5bはFlex−Rayなどの比較的高速な通信を行うことができるものを用いても形成されてもよい。
Flex−Rayを用いる場合、前記一対の伝送路5a,5bを用いた送受信の二重化において、Flex−Rayの二重化機能を使用することができる。また、前記所定の周期ΔTをFlex−Rayのコミュニケーションサイクルにすることが好ましい。さらに、各Flex−Rayのダイナミックセグメント(フレーム長可変領域)のみを利用して各データベース分配ノード4a,4b…が更新データDを順次送信するように構成することが好ましい。
この場合、Flex−Rayの通信速度が一般的な10Mbpsであるとして、前記更新データフレームDa,Dbの最大データ長が254バイトであり、更新データフレームが送信される最大時間tfは以下の式(1)に示すように約210μs程度である。
tf=(254+8)×2[μs]=210[μs] … 式(1)
また、前記受信情報ACK/NACKのデータ長を最小の2バイトとしてフレーム長は、8バイトであり、受信情報ACK/NACKの送信に要する時間tackは約8μsである。
ここで、一例として、ノード数を4とし、最大再送回数を1とすると、各データベース分配ノード4a〜4fが初回の更新データを送信する最大時間tmaxは式(2)に示すように約1msである。
tmax=4×(210[μs]+8[μs]×(4−1))=約1[ms]
… 式(2)
また、再送時の更新データを送信する最大時間は全て再送となったとしても約1msであるから、前記所定の周期ΔTを2msとすることができる。つまり、Flex−Rayを幹線として用いた車載データベースシステム1を構成したとしても、2ms毎にデータベース7を共有化することができる。
図7は本発明の第2実施形態にかかるものであり、図1に示す構成の車載データベースシステム1の伝送路5a,5bをFlex−Rayに準拠するものとし、かつ、Flex−Rayのスタティックセグメントを利用した場合において、前記所定の周期ΔT毎に各データベース分配ノード4a,4b…間で繰り返して行われる更新データDの送受信の送信タイミングの別の例を示す図である。
本実施形態では、Flex−Rayのスタティックセグメント(フレーム長固定領域)を利用して、各データベース分配ノード4a…が順次更新データフレームDa,Dbをそれぞれ送信し、これを受信する各データベース分配ノード4b…は受信情報ACK/NACKの返信を行わない用に設定する。この場合、時点t0〜t1の間にデータベース分配ノード4aが他のデータベース分配ノード4b…に更新データDを送信し、以下、時点t2〜t4の間に各データベース分配ノード4b…が順番に更新データDを送信する。
各データベース分配ノード4a…が送信する一周期内に送信できる更新データDの大きさを254バイトとすると各データベース分配ノード4a…が送信する更新データフレームDa,Dbを送信するために取り分けられる時間はそれぞれ210μs程度となり、図7に示すように4個のデータベース分配ノード4a〜4dをFlex−Rayによって接続する場合は、データ送信時間は約840μsであるから、前記所定の周期ΔTを1msとすることができる。
本実施形態のようにFlex−Rayのスタティックセグメントを用いて各データベース分配ノード4a…の更新データフレームの送受信を行うことにより、Flex−Rayが持っているバス保護機能(バスガーディアンと呼ばれている)を利用して、車載データベースシステム1の信頼性をさらに向上させることができる。
本発明の第一実施形態に係る車載データベースシステムの構成を示す図である。 データベースの具体的な例を示す図である。 データベース分配ノードのデータベースの更新を行なう場合の説明図である。 データベース分配ノードのデータベースの更新を行なう場合の説明図である。 前記データベースの更新を行う周期を説明する図である。 出力タイミング設定テーブルの具体的な例を示す図である。 第二実施形態に係る車載データベースシステムの通信周期の例を示す図である。 従来の車載LANによって接続されたECU間の通信システムの構成を示す図である。 FlexRayを用いたECU間の通信システムの構成を示す図である。 高速通信が可能な幹線を用いて複数のECUを論理的に接続する通信システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 車載データベースシステム
2 ECU
4 データベース分配ノード
5a、5b 伝送路
7 データベース
11 ECU側送受信手段
12 ノード間送受信手段
22 出力タイミング設定手段
23 データ出力手段
24 データベース更新手段
31 データ確認手段
32 受信通知手段
33 データ再送手段
D 更新データ

Claims (5)

  1. 複数の群に分けられると共に各群毎に1以上設けられるECUと、
    前記各群内のECUに接続されて各群毎に1個設けられるデータベース分配ノードと、
    複数の前記データベース分配ノードを接続する共有媒体からなる伝送路とを有する車載LANを備え、
    前記各データベース分配ノードは、それぞれ、データベースを有する処理部と、該処理部と前記接続したECUとの間でデータを送受信するECU側送受信手段と、前記伝送路を介して他のデータベース分配ノードとの間でデータの送受信を行うノード間送受信手段とを備え、
    前記ECU側送受信手段を介してECUから受信して1つのデータベース分配ノードのデータベースに記録される更新データを、前記ノード間送受信手段および前記伝送路を介して他のデータベース分配ノードにブロードキャストさせ、他のデータベース分配ノードが該更新データを受信可能とし、必要な更新データを他のデータベース分配ノードに記録させて共有させる構成としていることを特徴とする車載データベースシステム。
  2. 前記データベース分配ノード間の伝送路は、各データベース分配ノードを接続するバスであり、
    前記ノード間送受信手段は、所定の周期の間にECU側受信手段を介して受信しデータベースに登録された更新データをまとめて前記バスに送信し、前記バスから受信する更新データを用いてデータベースを更新できるようにするものである請求項1に記載の車載データベースシステム。
  3. 並行する前記伝送路を複数備えると共に、
    前記ノード間送受信手段に、前記伝送路の数に合わせて同じデータを並行して送受信する複数のポートと、各ポートを介して受信するデータの正確性を確認し、正しく受信できたデータを処理部に出力するデータ確認手段とを設けた請求項1または請求項2に記載の車載データベースシステム。
  4. 前記ノード間送受信手段は、前記伝送路を介してデータを通信エラーなく受信したときに、受信データの受信完了を示す受信情報を返信する受信通知手段と、前記伝送路にデータを送信した後に他の前記データベース分配ノードから前記受信完了を示す受信情報を受信しなかった場合にこの受信エラーのあったデータを再送するデータ再送手段を有する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載データベースシステム。
  5. 前記データベース分配ノードは、各ECUに接続されるセンサからの更新データを前記データベース分配ノードに送信すると共に前記データベースに記録する一方、該データベース分配ノードのデータベースに記録された他のデータベース分配ノードからの更新データを、ECUによって設定されたタイミングあるいはECU側からの送信要求に応じてECUへ送信するものである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載データベースシステム。
JP2006125794A 2006-04-28 2006-04-28 車載データベースシステム Pending JP2007300331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125794A JP2007300331A (ja) 2006-04-28 2006-04-28 車載データベースシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006125794A JP2007300331A (ja) 2006-04-28 2006-04-28 車載データベースシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007300331A true JP2007300331A (ja) 2007-11-15

Family

ID=38769464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006125794A Pending JP2007300331A (ja) 2006-04-28 2006-04-28 車載データベースシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007300331A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201386A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 車載通信システム及び車載通信方法
JP2009286191A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Denso Corp プログラム書換システム
DE112009001525T5 (de) 2008-07-10 2011-04-14 AUTONETWORKS Technologies, LTD., Yokkaichi Vermittlungsvorrichtung, Kommunikationssystem und Kommunikationsverfahren
DE112009001668T5 (de) 2008-07-10 2011-06-22 AutoNetworks Technologies, Ltd., Mie Weiterleitungsvorrichtung, Kommunikationssystem und Kommunikationsverfahren
JP2012099877A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Mitsubishi Electric Corp 通信制御システム
JP2012204937A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Fujitsu Ten Ltd 通信装置および通信システム
JP2012204936A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Fujitsu Ten Ltd 通信装置および通信システム
US8934351B2 (en) 2011-03-24 2015-01-13 Fujitsu Ten Limited Communication apparatus and communication system
JPWO2018088030A1 (ja) * 2016-11-10 2019-02-14 株式会社オートネットワーク技術研究所 車載通信システム
US10683824B2 (en) 2014-10-07 2020-06-16 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Engine control system, vehicle system, and engine control method

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127973A (ja) * 1998-10-29 2000-05-09 Hitachi Ltd 運行管理システム
JP2000284808A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Mitsubishi Electric Corp 車両制御通信システム
JP2005104453A (ja) * 2003-09-12 2005-04-21 Nippon Soken Inc 情報放送装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127973A (ja) * 1998-10-29 2000-05-09 Hitachi Ltd 運行管理システム
JP2000284808A (ja) * 1999-03-31 2000-10-13 Mitsubishi Electric Corp 車両制御通信システム
JP2005104453A (ja) * 2003-09-12 2005-04-21 Nippon Soken Inc 情報放送装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201386A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 車載通信システム及び車載通信方法
JP2009286191A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Denso Corp プログラム書換システム
US8867535B2 (en) 2008-07-10 2014-10-21 National University Corporation Nagoya University Relay apparatus, communication system and communication method
DE112009001668T5 (de) 2008-07-10 2011-06-22 AutoNetworks Technologies, Ltd., Mie Weiterleitungsvorrichtung, Kommunikationssystem und Kommunikationsverfahren
DE112009001525T9 (de) 2008-07-10 2012-06-06 Autonetworks Technologies, Ltd. Vermittlungsvorrichtung, Kommunikationssystem und Kommunikationsverfahren
US8457548B2 (en) 2008-07-10 2013-06-04 National University Corporation Nagoya University Relay device, communication system and communication method
DE112009001525T5 (de) 2008-07-10 2011-04-14 AUTONETWORKS Technologies, LTD., Yokkaichi Vermittlungsvorrichtung, Kommunikationssystem und Kommunikationsverfahren
JP2012099877A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Mitsubishi Electric Corp 通信制御システム
JP2012204937A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Fujitsu Ten Ltd 通信装置および通信システム
JP2012204936A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Fujitsu Ten Ltd 通信装置および通信システム
US8934351B2 (en) 2011-03-24 2015-01-13 Fujitsu Ten Limited Communication apparatus and communication system
US10683824B2 (en) 2014-10-07 2020-06-16 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Engine control system, vehicle system, and engine control method
JPWO2018088030A1 (ja) * 2016-11-10 2019-02-14 株式会社オートネットワーク技術研究所 車載通信システム
US10523273B1 (en) 2016-11-10 2019-12-31 Autonetworks Technologies, Ltd. Vehicle-mounted communication system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007300331A (ja) 車載データベースシステム
US10979245B2 (en) Gateway device determining whether or not received frame is appropriate
US8448035B2 (en) Communication system adapting for car, communication apparatus adapting for car, and communication method adapting for car
JP4593626B2 (ja) 車載データベースシステム
CN105388858B (zh) 网络中通信节点的操作方法
US11256498B2 (en) Node, a vehicle, an integrated circuit and method for updating at least one rule in a controller area network
US11018897B2 (en) Electronic control unit, communication method, and onboard network system
WO2014057643A1 (ja) 中継装置
JP2007038904A (ja) 車載ゲートウェイ装置及び同装置におけるメッセージ中継方法
CN111865742A (zh) 车辆及车内消息传输方法
US20170134299A1 (en) Method and apparatus for controlling message over heterogeneous network
JP2007251828A (ja) 車載データベースシステム
US11715337B2 (en) Controller diagnostic device and method thereof
JP4709037B2 (ja) 車載データベースシステム
JP2007135011A (ja) 中継接続ユニットおよび仮想車載lanシステム
JPH10257078A (ja) 車両多重通信装置
JP2007251826A (ja) 車載データベースシステム
JP4839140B2 (ja) 中継接続ユニット
KR101612825B1 (ko) Can 컨트롤러, 차량 내부 통신을 위한 게이트웨이 및 그 제어 방법
JP2007336179A (ja) 車載データベースシステム
JP2008227591A (ja) 車載用の中継接続ユニット
JP6406559B2 (ja) 通信装置、通信方法、およびプログラム
JP2009017154A (ja) 車載ゲートウェイ装置
JP2007249616A (ja) 車載データベースシステムおよび車載データベース分配ノード
JP2014204160A (ja) ゲートウェイ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20080926

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20101015

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20101109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20110107

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110208

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111011