JP4580124B2 - ワイパアーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車のウインドシールドガラス等を払拭するワイパ装置におけるワイパアームに係り、特に洗浄液を払拭面へ噴出するウォッシャノズルを備えたワイパアームに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のウインドシールドガラス等を払拭する車両用ワイパ装置は、ワイパアームとこのワイパアームに保持されたワイパブレードとによって構成されている。
【0003】
ワイパアームは、アームヘッドの一端部がピボット軸に固定されており、アームヘッドの他端部にはリテーナが所定角度回動可能に支軸を介して連結されている。これらアームヘッドとリテーナとの間にはスプリングが取り付けられており、常にリテーナをウインドシールドガラス等の払拭面の方向へ付勢している。リテーナの先端部には、アームピースが固着されている。アームピースの先端部は略U字状に屈曲されたフックとなっており、ワイパブレードを連結保持している。一方、ワイパブレードは、払拭面に接触して払拭するブレードラバーと、このブレードラバーを保持する複数の保持レバーとによって構成されている。
【0004】
この車両用ワイパ装置の作動時には、ワイパアーム及びワイパブレードが往復回動することにより、ブレードラバーがウインドシールドガラス面に密着しながら移動して雨滴を払拭する。
【0005】
ところで、従来より、特にガラス面が大きく車両のウォッシャノズルから噴出される洗浄液の着水ポイントまでの距離が遠い場合、噴出される洗浄液をワイパブレードで払拭される目的ポイントにより確実に着水させるため、ワイパアームにウォッシャノズルを設けて洗浄液を噴出するようにしたウォッシャノズル付きのワイパアームが知られている(一例として、実開平6−33763号公報)。
【0006】
前記公報に示されたワイパアームにおいては、ワイパブレードで払拭される払拭面の目的ポイントに洗浄液を確実に着水させることができる。
【0007】
しかしながら、前記公報に示された如き従来のウォッシャノズル付きのワイパアームでは、このワイパアームを構成するアームピースにウォッシャノズルのボディ部分をネジ止めや溶着によって固定したり、あるいはクランプ等の特別構造によって固定する構成となっており、ウォッシャノズルが通常はワイパアーム(アームピース)の外部(払拭面側)に突出して設けられているので、外観見栄え(デザイン性)が劣るだけでなく、払拭面に堆積して氷結した雪にワイパアーム即ち外部に突出配置されたウォッシャノズルが衝突すると損傷する恐れがある。
特に、このようなウォッシャノズルは通常は樹脂製であるため、前記損傷防止のための対策は必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、外観見栄え(デザイン性)が向上し、しかも、ワイパアームに設けられたウォッシャノズルの損傷をも防止することができるワイパアームを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明のワイパアームは、洗浄液を供給する配管ホースが配設されると共に、前記配管ホースが接続され洗浄液を払拭面へ噴出するウォッシャノズルを備えたワイパアームにおいて、前記ワイパアームは、一対の側壁及び上壁を有して払拭面方向に開口する断面コ字状を成し、前記一対の側壁及び前記ウォッシャノズルには互いに嵌合し合う凹凸部が設けられ、前記ウォッシャノズルは、前記ワイパアーム内部の前記一対の側壁の間に配置され、前記凹凸部が互いに嵌合することで前記ワイパアームに保持されると共に、嵌合された前記凹凸部の凹部と凸部を互いに押し付けるべく前記ワイパアームの上壁裏面に弾性押圧状態で接触する弾性押圧片を一体に有する、ことを特徴としている。
【0010】
請求項1記載のワイパアームでは、ウォッシャノズルは、払拭面方向に開口する断面コ字状のワイパアーム内部の一対の側壁の間に配置され、凹凸部が互いに嵌合することで保持される。このように、単に凹凸部を互いに嵌合させるだけで取付け固定が完了するため、ウォッシャノズルの固定を特別な別部品を要せず容易に行なうことができる。また、ウォッシャノズルは、断面コ字状のワイパアームの内部に配置されるため、外部からの見栄えが向上する。しかも、氷雪との衝突などの外力による損傷を防止できる。
【0011】
さらに、凹凸部を予め所定位置に設けることにより、ウォッシャノズルの取付位置の位置決めを行なうことが可能になる。
また、上壁裏面に弾性押圧状態で接触する弾性押圧片をウォッシャノズルと一体に形成したので、ワイパアーム側壁高さ方向のウォッシャノズルのガタつきを防止することができる。
【0012】
請求項2に係る発明のワイパアームは、請求項1記載のワイパアームにおいて、前記凹凸部は、互いに嵌合した状態において前記ウォッシャノズルを前記ワイパアームに対して回転不能に保持する非円形または非円環形の断面形状に形成されている、ことを特徴としている。
【0013】
請求項2記載のワイパアームでは、凹凸部が互いに嵌合することでウォッシャノズルがワイパアームの側壁間に固定されるが、この凹凸部の形状によって嵌合だけでウォッシャノズルはワイパアームに対して回転不能に保持されるため、ウォッシャノズルの噴射口の位置ズレ(噴射方向のズレ)を防止することができる。したがって、洗浄液の着水点が振動などで意に反して変更されてしまうことを防止できる
請求項3に係る発明のワイパアームは、請求項1記載のワイパアームにおいて、前記凹凸部のうち凸部はテーパ形の断面形状に形成され、その側壁部分が前記凹部の開口周縁部分に線接触状態で嵌合する、ことを特徴としている。
【0014】
例えば、ウォッシャノズルが樹脂材によって製造されている場合等においては製造過程における樹脂材の硬化による所謂「ヒケ」などで、ワイパアームの側壁とウォッシャノズルとの間で寸法誤差が生じ、ウォッシャノズルをワイパアームに取り付けた際にウォッシャノズルにガタつきを生じる恐れがある。この点、請求項3記載のワイパアームでは、凹凸部のうち凸部はテーパ形の断面形状に形成されその側壁部分が凹部の開口周縁部分に線接触状態で嵌合するため、仮に前記寸法誤差があっても、特別な部品を要せず装着するだけで側壁との間の(幅方向の)ウォッシャノズルのガタつきを防止することができ、しかもこれと同時に、ウォッシャノズルのワイパアーム側壁高さ方向のガタつきをも防止することができる。
【0015】
請求項4に係る発明のワイパアームは、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のワイパアームにおいて、前記ウォッシャノズルは、前記一対の側壁の少なくとも一方に弾性押圧状態で接触する押圧片を一体に有する、ことを特徴としている。
【0016】
請求項4記載のワイパアームでは、一対の側壁の少なくとも一方に弾性押圧状態で接触する押圧片をウォッシャノズルと一体に形成したので、仮に前述の如き寸法誤差があっても、特別な部品を要せず装着するだけで側壁との間のウォッシャノズルのガタつきを防止することができる。
【0019】
請求項5に係る発明のワイパアームは、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のワイパアームにおいて、前記弾性押圧片は、前記凹凸部による嵌合保持部分を軸として互いに反対回転方向に押圧し合う一対を有する、ことを特徴としている。
【0020】
請求項5記載のワイパアームでは、凹凸部による嵌合保持部分を軸として互いに反対回転方向に押圧し合う一対の弾性押圧片をウォッシャノズルと一体に形成したので、この一対の弾性押圧片によってウォッシャノズルは前記軸(凹凸部による嵌合保持部分)を中心に回動しようとする力が釣合い、ウォッシャノズルの回動を阻止させつつもウォッシャノズルのワイパアーム側壁高さ方向のガタつきをも防止することができる。
【0021】
請求項6に係る発明のワイパアームは、洗浄液を供給する配管ホースが配設されると共に、前記配管ホースが接続され洗浄液を払拭面へ噴出するウォッシャノズルを備えたワイパアームにおいて、前記ワイパアームは、一対の側壁及び上壁を有して払拭面方向に開口する断面コ字状を成し、前記一対の側壁の内側には、凹部と、凹部よりも前記側壁部の端部側に該端部に開放する案内スロープ溝とが設けられ、前記ウォッシャノズルは、前記ワイパアーム内部の前記一対の側壁の間に配置されると共に、前記開口から前記案内スロープ溝に案内されて前記凹部に嵌合された凸部を有し、且つ、前記凸部と前記凹部が互いに嵌合することで前記ワイパアームに保持されている、ことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の第1の実施の形態に係るワイパアーム10の全体構成が裏面図にて示されている。また、図2にはこのワイパアーム10の主要部分の構成が斜視図にて示されている。
【0024】
ワイパアーム10は、アームヘッド12及びリテーナ14を備えている。アームヘッド12は、その一端部が、車体に設けられた回動軸としてのピボットシャフト(図示省略)に固定されており、常にピボットシャフトと共に回動する。アームヘッド12の裏面側一端部には、前記ピボットシャフトの周囲を囲繞するスカート部16が形成されており、また、裏面側中央部には長手方向に沿って波状に長孔18が形成されており後述する配管ホース46の配索用となっている。
【0025】
アームヘッド12の他端部には、リテーナ14がウインドシールドガラスに接近及び離間する方向に所定角度回動可能に支軸Qを介して連結されている。このリテーナ14は、一対の側壁22及び上壁24を有してその裏面側が下方(払拭面方向)へ向けて開口する断面コ字状に形成されている。また、リテーナ14の一対の側壁22の長手方向中間部分には、後述する中間ウォッシャノズル34に対応して、楕円形(長円形)の凹部26が設けられており、さらに、リテーナ14の一対の側壁22の長手方向先端部分には、同様に後述する先端ウォッシャノズル36に対応して、楕円形(長円形)の凹部28が設けられている。
【0026】
さらに、リテーナ14とアームヘッド12との間には、スプリング30が掛け渡されている。このスプリング30は所謂引張りコイルスプリングとされており、そのコイル部30Aがリテーナ14の断面コ字状内に配置されて常にリテーナ14をウインドシールドガラスの払拭面の方向へ付勢している。
【0027】
また、リテーナ14の先端部には、リテーナ14と共にワイパアーム10を構成するアームピース32がリベットまたはリテーナの一対の側壁22の一部によって握持されるようにカシメられて固着されている。アームピース32の先端部は略U字状に屈曲されてフック(図示省略)となっており、ワイパブレードをクリップ部材(何れも図示省略)を介して連結保持している。
【0028】
またさらに、上記構成のワイパアーム10には、中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36が設けられている。
【0029】
図2に詳細に示す如く、中間ウォッシャノズル34にはその側部に凸部38が形成されており、前述したリテーナ14の凹部26に嵌合する。すなわち、中間ウォッシャノズル34は、リテーナ14内部の一対の側壁22の間に配置され、凹部26に対応する楕円形(長円形)の凸部38が嵌合することで、リテーナ14に対して回転不能に保持された構成となっている。さらに、中間ウォッシャノズル34にはその頂部(リテーナ14の上壁24の側)に弾性押圧片としての一対の押圧片40が一体に形成されている。これら一対の押圧片40は、凸部38に対して互いに反対方向へ向けて延出されており、リテーナ14の上壁24の裏面に弾性押圧状態で接触している。これにより、凹部26及び凸部38による中間ウォッシャノズル34の嵌合保持部分を軸として、互いに反対回転方向に押圧し合うように構成されている。
【0030】
この中間ウォッシャノズル34は、導入ニップル48から導出ニップル50に連通する本流路と、この本流路から分岐して噴射口に連通する分流路とを有する構成となっている。
【0031】
一方、先端ウォッシャノズル36にも同様にその側部に凸部42が形成されており、前述したリテーナ14の凹部28に嵌合する。すなわち、先端ウォッシャノズル36は、リテーナ14内部の一対の側壁22の間に配置され、凹部28に凸部42が嵌合することで、リテーナ14に対して回転不能に保持された構成となっている。さらに、先端ウォッシャノズル36にはその頂部(リテーナ14の上壁24の側)に弾性押圧片としての一対の押圧片44が一体に形成されている。これら一対の押圧片44は、凸部42に対して互いに反対方向へ向けて延出されており、リテーナ14の上壁24の裏面に弾性押圧状態で接触している。これにより、凹部28及び凸部42による先端ウォッシャノズル36の嵌合保持部分を軸として、互いに反対回転方向に押圧し合うように構成されている。
【0032】
以上の構成の中間ウォッシャノズル34には、配管ホース46の一端が連結されている。この配管ホース46は、車体内に設けられた図示を省略したウォッシャタンクにウォッシャポンプを介して接続されており、ピボットシャフトの近傍に設けられた車両ボディのホース取出し口から車体外へ引き出され、さらに、アームヘッド12の裏面側に導入され、長孔18に挟持されて側壁22内側に沿って配設されている。さらに、側壁22内側に沿って配設された配管ホース46は、前述したスプリング30のコイル部を貫通してリテーナ14先端側に導出されて中間ウォッシャノズル34の導入ニップル48に接続された構成となっている。さらに、中間ウォッシャノズル34の導出ニップル50には補助ホース52の一端が連結されており、この補助ホース52の他端は先端ウォッシャノズル36の導入ニップル54に接続されている。これにより、配管ホース46を介して中間ウォッシャノズル34に洗浄液を配送することができると共に、補助ホース52を介して先端ウォッシャノズル36に洗浄液を配送することができる構成である。
【0033】
次に本第1の実施の形態の作用を説明する。
【0034】
上記構成のワイパアーム10が用いられたワイパ装置では、ピボットシャフトの回動に伴ってワイパアーム10が往復回動することにより、ワイパブレードが往復回動してウインドシールドガラス面の雨滴等を払拭する。
【0035】
ここで、このワイパアーム10では、中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36が一体に設けられているため、ワイパブレードの払拭範囲が大きくても、中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36から噴出される洗浄液を、ワイパブレードで払拭される目的ポイントに確実に着水させることができる。
【0036】
またここで、このワイパアーム10では、中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36は、払拭面方向に開口する断面コ字状のリテーナ14内部の一対の側壁22の間に配置され、凹部26及び凸部38が互いに嵌合することで中間ウォッシャノズル34が保持されると共に、凹部28及び凸部42が互いに嵌合することで先端ウォッシャノズル36が保持される。このように、単に凹部26及び凸部38、あるいは凹部28及び凸部42を互いに嵌合させるだけで取付け固定が完了するため、中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36の固定を特別な別部品を要せず容易に行なうことができる。また、これらの中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36は、断面コ字状のリテーナ14の内部に配置されるため、外部からの見栄えが向上する。しかも、氷雪との衝突などの外力による損傷を防止できる。
【0037】
また、中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36は、凹部26及び凸部38、あるいは凹部28及び凸部42が互いに嵌合することで保持されて固定されるため、中間ウォッシャノズル34や先端ウォッシャノズル36をリテーナ14に装着する際の取付位置の位置決めを行なうことができる。
【0038】
さらに、これらの凹部26及び凸部38あるいは凹部28及び凸部42は、互いに嵌合した状態において中間ウォッシャノズル34や先端ウォッシャノズル36をリテーナ14に対して回転不能に保持する楕円形(長円形)すなわち非円形または非円環形の断面形状に形成されているため、中間ウォッシャノズル34や先端ウォッシャノズル36の噴射口の位置ズレ(噴射方向のズレ)を防止することができる。したがって、洗浄液の着水点が振動などで意に反して変更されてしまうことを防止できる。
【0039】
またさらに、中間ウォッシャノズル34は、リテーナ14の上壁24の裏面に弾性押圧状態で接触する一対の押圧片40を一体に有しており、また、先端ウォッシャノズル36は同様の一対の押圧片44を一体に有している。これら一対の押圧片40、押圧片44は、端部にそれぞれ突起40A、あるいは突起44Aを有しており、中間ウォッシャノズル34や先端ウォッシャノズル36をリテーナ14の側壁22に取り付ける際に、この突起40Aあるいは突起44Aが上壁24の裏面に当接し、更に裏面に押圧すると押圧片40あるいは押圧片44が撓んで凸部38あるいは凸部42がそれぞれ凹部26あるいは凹部28に嵌合する。
このため、これらの一対の押圧片40によって中間ウォッシャノズル34は前記凹部26及び凸部38による嵌合保持部分を中心に回動しようとする力が釣合い、中間ウォッシャノズル34の回動を阻止させつつも中間ウォッシャノズル34がリテーナ14高さ方向にガタつくことをも防止することができる。またこれと同様に、一対の押圧片44によって先端ウォッシャノズル36は前記凹部28及び凸部42による嵌合保持部分を中心に回動しようとする力が釣合い、先端ウォッシャノズル36の回動を阻止させつつも先端ウォッシャノズル36がリテーナ14高さ方向にガタつくことをも防止することができる。
【0040】
このように、第1の実施の形態に係るワイパアーム10は、外観見栄え(デザイン性)が向上し、しかも、リテーナ14に設けられた中間ウォッシャノズル34及び先端ウォッシャノズル36の損傷をも防止することができる。
【0041】
なお、中間ウォッシャノズル34や先端ウォッシャノズル36において、一対の押圧片40や一対の押圧片44の一方を省略し、図3に示す如く、これに代えて単なる突起56を設けた構成とすることもできる。この場合であっても、中間ウォッシャノズル34あるいは先端ウォッシャノズル36は、他方の押圧片40または押圧片44によって付勢され、中間ウォッシャノズル34や先端ウォッシャノズル36の回動を阻止させつつもリテーナ14高さ方向にガタつくことをも防止することができる。
【0042】
また、前述した第1の実施の形態においては、中間ウォッシャノズル34に凸部38が形成されリテーナ14の側壁22に凹部26が設けられた構成としたが、これに限らず、中間ウォッシャノズル34に凹部26を形成しリテーナ14の側壁22に凸部38を設ける構成としてもよい。また、先端ウォッシャノズル36についても、同様である。
【0043】
次に、本発明の他の実施の形態を説明する。
【0044】
なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品には前記第1の実施の形態と同一の符号を付与しその説明を省略する。
【0045】
図4には本発明の第2の実施の形態に係るワイパアーム60の主要部分の構成が斜視図にて示されている。
【0046】
ワイパアーム60では、先端ウォッシャノズル64が設けられている。先端ウォッシャノズル64には、その頂部(リテーナ14の上壁24の側)に弾性押圧片としての押圧片66が一体に形成されている。この押圧片66は、先端ウォッシャノズル64の一端側から他端側へ向けて所謂U字状に屈曲して延出されており、リテーナ14の上壁24の裏面に弾性押圧状態で接触している。
【0047】
なお、中間ウォッシャノズルについても同様の構成となっており、図示及び説明を省略する。
【0048】
上記構成のワイパアーム60においても、中間ウォッシャノズル及び先端ウォッシャノズル64は、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。特に、押圧片66を1つとしてリテーナ14の上壁24の裏面に弾性押圧状態で接触させたので、より小型に構成してワイパアーム60高さ方向のガタツキを防止でき、ウォッシャノズルの配置スペースが制限された小さなスペースに配置する場合に好適である。
【0049】
次に、図5には本発明の第3の実施の形態に係るワイパアーム70の主要部分の構成が断面図にて示されている。
【0050】
ワイパアーム70では、先端ウォッシャノズル74が設けられている。先端ウォッシャノズル74にはその側部に断面楔形状の凸部76が形成されており、リテーナ14の側壁22に設けられた断面楔形状の凹部78に嵌合する。すなわち、先端ウォッシャノズル74は、リテーナ14内部の一対の側壁22の間に配置され、凹部78に凸部76が嵌合することで、リテーナ14に対して回転不能に保持された構成となっている。
【0051】
なお、中間ウォッシャノズルについても同様の構成となっており、図示及び説明を省略する。
【0052】
上記構成のワイパアーム70においても、中間ウォッシャノズル及び先端ウォッシャノズル74は、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。特に、凸部76が断面楔形状であると共に、凹部78もこれに対応して断面楔形状としているので、中間ウォッシャノズルまたは先端ウォッシャノズル74をリテーナ14の断面コ字状の開口側から挿入する場合にこの凸部76がリテーナ14の一対の側壁22を外方に徐々に撓ませつつ、側壁22の縁部に引っ掛かることなく容易に挿入でき、組付けが容易となる。
【0053】
なお、前述した第3の実施の形態においては、中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル74に凸部76が形成されリテーナ14の側壁22に凹部78が設けられた構成としたが、これに限らず、図6に示す如く中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル74に凹部78を形成しリテーナ14の側壁22に凸部76を設ける構成としてもよい。
【0054】
次に、図7には本発明の参考例に係るワイパアーム80の主要部分の構成が斜視図にて示されている。
【0055】
ワイパアーム80では、先端ウォッシャノズル84にはその側部に断面楔形状の凸部86が形成されており、さらに、この凸部86に交差して案内突起88が形成されている。これらの凸部86と案内突起88は全体としてT字形を成している。一方、リテーナ14の一対の側壁22の長手方向先端部分には、先端ウォッシャノズル84の凸部86に対応して断面楔形状の凹部90が設けられており、さらに、この凹部90と交差ししかも側壁22の端部に開放され案内突起88に対応する案内溝92が設けられている。この案内溝92は、先端ウォッシャノズル84の組付け方向に沿って形成されている。
【0056】
先端ウォッシャノズル84は、案内突起88が案内溝92の開放端から挿入されこれに案内されながら組み付けられて、凹部90に凸部86が嵌合することで、リテーナ14に対して回転不能に保持された構成となっている。
【0057】
なお、中間ウォッシャノズルについても同様の構成となっており、図示及び説明を省略する。
【0058】
上記構成のワイパアーム80においても、中間ウォッシャノズル及び先端84は、払拭面方向に開口する断面コ字状のリテーナ14内部の一対の側壁22の間に配置され、凹部90及び凸部86が互いに嵌合することで保持されるため、中間ウォッシャノズル及び先端ウォッシャノズル84の固定を特別な別部品を要せず容易に行なうことができる。特にこの場合、中間ウォッシャノズル及び先端ウォッシャノズル84は、案内突起88が案内溝92の開放端から挿入されこれに案内されながら組み付けられるため、組付性が一層向上する。
【0059】
なお、この本発明の参考例においても、中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル84に凹部90及び案内溝92を形成しリテーナ14の側壁22に凸部86及び案内突起88を設ける構成としてもよい。
【0060】
さらに、凹部90と案内溝92とを分離して設けることができる。すなわち、図8に示す本発明の第4の実施の形態の如く、先端ウォッシャノズル85の凸部86に対応してリテーナ14の一対の側壁22に凹部91を設けると共に、この凹部91の直近に、側壁22の端部に開放する案内スロープ溝93を設ける構成としてもよい。この案内スロープ溝93は、凹部91(凸部86)と略同一の幅寸法に形成されている。この場合においても、先端ウォッシャノズル85は、凸部86が案内スロープ溝93の開放端から挿入されこれに案内されながら組み付けられるため、組付性が一層向上する。
【0061】
図9には本発明の第5の実施の形態に係るワイパアーム100の主要部分の構成が斜視図にて示されており、図10には当該部分の断面図が示されている。
【0062】
ワイパアーム100では、先端ウォッシャノズル104には、その側部(リテーナ14の一方の側壁22の側)に押圧片としての押圧片106が一体に形成されている。この押圧片106は、先端ウォッシャノズル104の頂上角部から底部側へ向けて所謂U字状に屈曲して延出されており、リテーナ14の一方の側壁22に弾性押圧状態で接触する。また、この押圧片106には、前述した第3の実施の形態と同様の凸部76が形成されており、リテーナ14の側壁22に設けられた凹部78に嵌合する。
【0063】
なお、中間ウォッシャノズルについても同様の構成となっており、図示及び説明を省略する。
【0064】
上記構成のワイパアーム100においても、前述した第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様の作用効果を有する。特に、中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル104が樹脂材によって製造されている場合等においては製造過程における樹脂材の硬化による所謂「ヒケ」などで、リテーナ14の側壁22と中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル104との間で寸法誤差が生じ、中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル104をリテーナ14に取り付けた際にガタつきを生じる恐れがある。この点、本第5の実施の形態に係るワイパアーム100では、リテーナ14の一方の側壁22に弾性押圧状態で接触する押圧片106を中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル104と一体に形成したので、仮に前記寸法誤差があっても、特別な部品を要せず装着するだけで側壁22との間のガタつきを防止することができる。
【0065】
なお、前記第5の実施の形態においては、中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル104の片側にのみ押圧片106を設けた構成としたが、これに限らず、この押圧片106を中間ウォッシャノズルや先端ウォッシャノズル104の両側に設け、リテーナ14の両方の側壁22に弾性押圧状態で接触するように構成してもよい。
【0066】
また、前記第5の実施の形態においては、押圧片106に凸部76を形成した構成としたが、これに限らず、図11に示す先端ウォッシャノズル108の如く、押圧片106を凸部76と分離独立して設ける構成としてもよい。この場合であっても、この先端ウォッシャノズル108は、押圧片106によって付勢されるため、ガタつきを防止することができる。
【0067】
図12には本発明の第6の実施の形態に係るワイパアーム110の主要部分の構成が断面図にて示されている。
【0068】
ワイパアーム110では、先端ウォッシャノズル114は、一方の側部に、前述した第5の実施の形態に係る先端ウォッシャノズル104と同様の押圧片106が一体に形成されており、さらに、他方の側部には、凸部116が一体に形成されている。凸部116は、円錐台形(断面がテーパー状)に形成されており、リテーナ14の側壁22に設けられた凹部118に嵌合する。
【0069】
なお、中間ウォッシャノズルについても同様の構成となっており、図示及び説明を省略する。
【0070】
上記構成のワイパアーム110においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。さらに、このワイパアーム110においては、リテーナ14の一方の側壁22に押圧片106が弾性押圧状態で接触するのみならず、凸部116が凹部118に嵌合して凹部118の開口周縁部分が凸部116の側部116Aに線接触する。したがって、前述した第5の実施の形態に係るワイパアーム100と同様に、特別な部品を要せず装着するだけで側壁22との間の(幅方向の)ガタつきを防止することができ、しかもこれと同時に、先端ウォッシャノズル114のワイパアーム110の側壁高さ方向のガタつきをも防止することができる。
【0071】
次に、図13には本発明の第7の実施の形態に係るワイパアーム120の主要部分の構成が断面図にて示されている。
【0072】
ワイパアーム120では、先端ウォッシャノズル124は、リテーナ14内部の一対の側壁22の間に配置され、一対の側壁22に接触してこの側壁22との緊縛力によって保持されている。
【0073】
なお、中間ウォッシャノズルについても同様の構成となっており、図示及び説明を省略する。
【0074】
上記構成のワイパアーム120においても、中間ウォッシャノズル及び先端ウォッシャノズル124の固定を特別な別部品を要せず容易に行なうことができる。また、これらの中間ウォッシャノズル及び先端ウォッシャノズル124は、断面コ字状のリテーナ14の内部に配置されるため、外部からの見栄えが向上する。しかも、氷雪との衝突などの外力からの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るワイパアームの全体構成を示す裏面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す斜視図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係るワイパアームの中間ウォッシャノズルの他の例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す斜視図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す断面図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の他の例を示す断面図である。
【図7】 本発明の参考例に係るワイパアームの主要部分の構成を示す斜視図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態の変形例に係るワイパアームの主要部分の構成を示す斜視図である。
【図9】 本発明の第5の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す斜視図である。
【図10】 本発明の第5の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す断面図である。
【図11】 本発明の第5の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の他の例を示す斜視図である。
【図12】 本発明の第6の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す断面図である。
【図13】 本発明の第7の実施の形態に係るワイパアームの主要部分の構成を示す断面図である。
Claims (6)
- 洗浄液を供給する配管ホースが配設されると共に、前記配管ホースが接続され洗浄液を払拭面へ噴出するウォッシャノズルを備えたワイパアームにおいて、
前記ワイパアームは、一対の側壁及び上壁を有して払拭面方向に開口する断面コ字状を成し、
前記一対の側壁及び前記ウォッシャノズルには互いに嵌合し合う凹凸部が設けられ、
前記ウォッシャノズルは、前記ワイパアーム内部の前記一対の側壁の間に配置され、前記凹凸部が互いに嵌合することで前記ワイパアームに保持されると共に、嵌合された前記凹凸部の凹部と凸部を互いに押し付けるべく前記ワイパアームの上壁裏面に弾性押圧状態で接触する弾性押圧片を一体に有する、
ことを特徴とするワイパアーム。 - 前記凹凸部は、互いに嵌合した状態において前記ウォッシャノズルを前記ワイパアームに対して回転不能に保持する非円形または非円環形の断面形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載のワイパアーム。 - 前記凹凸部のうち凸部はテーパ形の断面形状に形成され、その側壁部分が前記凹部の開口周縁部分に線接触状態で嵌合する、
ことを特徴とする請求項1記載のワイパアーム。 - 前記ウォッシャノズルは、前記一対の側壁の少なくとも一方に弾性押圧状態で接触する押圧片を一体に有する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のワイパアーム。 - 前記弾性押圧片は、前記凹凸部による嵌合保持部分を軸として互いに反対回転方向に押圧し合う一対を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のワイパアーム。
- 洗浄液を供給する配管ホースが配設されると共に、前記配管ホースが接続され洗浄液を払拭面へ噴出するウォッシャノズルを備えたワイパアームにおいて、
前記ワイパアームは、一対の側壁及び上壁を有して払拭面方向に開口する断面コ字状を成し、
前記一対の側壁の内側には、凹部と、凹部よりも前記側壁部の端部側に該端部に開放する案内スロープ溝とが設けられ、
前記ウォッシャノズルは、前記ワイパアーム内部の前記一対の側壁の間に配置されると共に、前記開口から前記案内スロープ溝に案内されて前記凹部に嵌合された凸部を有し、且つ、前記凸部と前記凹部が互いに嵌合することで前記ワイパアームに保持されている、
ことを特徴とするワイパアーム。
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