JP4577476B2 - 薬品容器の連続自動洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬品容器の連続自動洗浄装置及び方法、更に詳しくは、上面の角部又は周辺部又はそれらの近傍に薬品を出し入れする開口部が設けられた使用済み又は未使用の薬品容器を、前記開口部が上面の下方に位置するように傾斜させた状態又は水平な状態で移動させながら、使用済みの薬品容器の場合は、薬品容器内の残渣薬品切りをし、適する洗浄液(例えば、水)で外側及び内側を迅速に洗浄し、更に洗浄後に前記薬品容器の内外に残留又は付着した洗浄液に対して洗浄液切りを行い得る薬品容器の連続自動洗浄装置、並びに該装置を使用する薬品容器の連続自動洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々の薬品、例えば人体や環境に対して有害作用や刺激作用を及ぼし得る酸(例えば、硫酸、硝酸、塩酸、酢酸等)、アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等)などが入っていた使用済みの薬品容器、例えばプラスチック容器(いわゆる、ポリ缶又はポリタンク)を、再使用、再生利用、廃棄等のために適する洗浄液を用いて洗浄するときは、前記容器の外側及び内側に付着・残留している薬品を完全に洗い落とすため、前記容器の一つ一つを手作業により洗浄していた。また、未使用の薬品容器でも、内部が汚れている場合は、洗浄する必要がある。
【0003】
通常、前記洗浄液として水を用いるが、洗浄後、前記容器内外、特に容器の内側に残水が溜まっているので、前記容器内の残水を切るために、洗浄後に前記容器の乾燥工程を設けたり、前記容器をエアーブローしたり、或いは再度、前記容器内の残水を手作業で一つ一つ抜き出していた。
【0004】
しかしながら、手作業による薬品容器の洗浄は効率が悪く、薬品が付着・残留している複数の使用済み又は未使用の薬品容器を洗浄するのに多大な時間を費やすと共に、洗浄作業に従事する者の人件費も膨大なものとなり、使用者の負担となっていた。
また、薬品容器を手作業により洗浄すると、人体に有害な薬品、いわゆる劇薬が入っていた使用済みの薬品容器の場合には、洗浄に際して薬品が作業者に付着して、作業者の健康を害するなどの弊害が生じ得る。
【0005】
更に、使用済みの薬品容器を再使用する場合、洗浄後の薬品容器に再度薬品を充填する必要があり、この場合、前記容器の洗浄部と前記容器への薬品の充填部とは互いに接近させて、例えば連続して設けることが好ましいが、前記容器への薬品の充填に際しては、洗浄後に前記容器内に残る残水が特に問題となる。
すなわち、洗浄液として水を用いた場合、前述の如く、薬品容器内の残水を切るための前記容器のエアーブローや残水の手作業による抜き出しが必要となるため、薬品容器の洗浄装置と前記薬品容器への薬品の充填装置とを連続して設けて、薬品容器の洗浄と前記薬品容器への薬品の充填とを連続的に行うことは困難又は不可能であった。
【0006】
作業者への危険を防止するため及び薬品容器の洗浄を効率良く行うために、薬品容器の自動洗浄装置が提案されている。例えば、特開平5−253554号公報には、薬品が残留・付着している使用済みの容器を所定の位置に連続的に送り込む容器の移送機構と、容器に残留・付着している薬品を洗い落とす洗浄機構と、移送機構により送り込まれた容器を挟持して洗浄機構内で容器を移動させるマニプレータと、洗浄を終えた容器を所定の位置に送り出す容器の搬送機構とから成る容器の自動洗浄装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−253554号公報に開示された容器の自動洗浄装置においては、洗浄機構内で容器の外側及び内側を洗浄するために、容器の移動又は回転手段としてマニプレータを使用している。すなわち、例えば、マニプレータにより容器を挟持して反転させることにより、口部を下向きにして、該口部から、容器内に残留していた薬品を排出している。
【0008】
しかしながら、マニプレータを使用する特開平5−253554号公報の容器の自動洗浄装置は、以下に例示するような種々の問題点を有している。
1)マニプレータでは一度に少数(例えば、一個)の容器しか挟持することが困難又はできないので、容器の移送及び洗浄効率が悪い。
2)複数のマニプレータを設置すると設備費が膨大となる。また、自動洗浄装置内に複数のマニプレータの設置場所を確保することが難しい。
3)種々の形状の容器を洗浄し得るが、その反面、特定形状の多量の容器を自動的に、迅速且つ連続的に洗浄することは困難である。
4)容器の外側を洗浄した後、マニプレータにより容器を反転させて、口部を下向きにして前記口部から容器内に残留している薬品を排出しており、洗浄操作が煩雑である。
5)マニプレータの動作が複雑であり、このため、自動洗浄装置全体の運転制御が複雑となる。また、このような複雑な機構を有する自動洗浄装置の維持・管理が難しい。
【0009】
本発明は前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、その目的とするところは、多数の使用済み又は未使用の薬品容器を安全且つ短時間で連続して自動的に洗浄することができると共に、構成が簡単で製造、運転制御、維持・管理が容易な薬品容器の連続自動洗浄装置、及び該装置を使用する薬品容器の連続自動洗浄方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは薬品容器の連続自動洗浄装置及び方法について鋭意検討した結果、薬品容器の移動又は回転手段としてマニプレータを用いることなく、コンベヤやスロープなどの慣用の移動手段や回転手段を好適に組み合わせて用いることにより、多数の使用済み又は未使用の薬品容器を連続して自動的に、且つ効率良く洗浄し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明の薬品容器の連続自動洗浄装置は、
(i) 薬品容器を洗浄機構IIに連続的に移送する移送機構Iと、
(ii)前記移送機構Iから移送された前記薬品容器の外部及び内部を所定の洗浄液で洗浄して、前記薬品容器の外部又は内部に付着・残留した薬品を除去する洗浄機構IIと、
(iii) 前記洗浄機構IIで洗浄された前記薬品容器を次の工程に搬送する搬送機構III と、
(iv)前記移送機構I、前記洗浄機構II、前記搬送機構III の運転を制御する制御機構IVとからなる、
(v) 上面の角部又は周辺部又はそれらの近傍に前記薬品を出し入れする開口部が設けられた薬品容器の連続自動洗浄装置であって、
(A)前記移送機構Iに、前記薬品容器の移送のとき、前記開口部が前記上面の下方に位置するように前記薬品容器が傾けて載置されていることを検知し得る検知手段が設けられており、
(B)前記洗浄機構IIにおいて、前記開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態とせしめるために前記薬品容器を、その水平姿勢から、前記開口部を通って前記薬品容器の高さ方向に伸びる軸線が水平面となす角度(円錐角度)が30度ないし70度となる姿勢まで傾ける残渣切り機構が設けられていることを特徴とする〔以下、イと称する〕。
【0012】
以下の薬品容器の連続自動洗浄装置が好ましい。
ロ)前記円錐角度が50度であるイの薬品容器の連続自動洗浄装置。
ハ)イ又はロの薬品容器の連続自動洗浄装置において、
(vi)前記移送機構Iが、
(vi-1)前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め上方を向いた状態の前記薬品容器を、所定の停止位置に一個ずつ連続的に送り込む供給コンベヤと、
(vi-2)前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で前記停止位置に載置された一個の前記薬品容器の下面を押圧して、駆動しているバケットコンベヤ上に、前記開口部が水平方向を向いた状態で載置させる押し込み装置と、
(vi-3)前記押し込み装置で押し込まれた前記薬品容器を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で所定数保持する前記バケットコンベヤとからなり、
(vii) 前記洗浄機構IIが、
(vii-1) 前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で前記バケットコンベヤ上に保持された所定数の前記薬品容器の下面を同時に引き込んで、供給シュート上に同時に載置させ、そして前記供給シュート上に載置された所定数の前記薬品容器を洗浄機構IIに同時に引き込んで薬品容器内の残渣薬品切りを行う引き込み装置と、
(vii-2) 前記供給シュートから引き込まれた前記薬品容器を前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で保持し、前記開口部から排出せしめた前記薬品を受け止める薬品受け部の薬品受け及びコンベヤと、
(vii-3) 前記薬品容器の外側表面を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で前記洗浄液で洗浄する外側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、
(vii-4) 前記薬品容器の内側表面を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で前記洗浄液で洗浄する内側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、
(vii-5) 外側及び内側を洗浄した後の前記薬品容器に、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で衝撃を与えて、前記薬品容器の外側表面及び内側表面に付着・残留した洗浄液の残存量を低減させるために洗浄液切りを行う洗浄液切り部のプッシャー及びコンベヤとからなり、
(viii)前記搬送機構III が、
(viii-1)前記洗浄液切りを行った後の前記薬品容器を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で押し上げ、そして前記薬品容器を前記開口部が上を向いた状態に反転させる反転部のプッシャー及びスロープと、
(viii-2)前記開口部が上を向いた状態の前記薬品容器を、充填機の設置場所を含む所定場所に搬送する搬送コンベヤと
からなる薬品容器の連続自動洗浄装置。
【0013】
本発明の薬品容器の連続自動洗浄方法は、上面の角部又は周辺部又はそれらの近傍に薬品を出し入れする開口部が設けられた薬品容器の連続自動洗浄装置を使用して前記薬品容器の外部又は内部に付着・残留した前記薬品を除去するにあたり、
前記開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態とせしめるために前記薬品容器を、その水平姿勢から、前記開口部を通って前記薬品容器の高さ方向に伸びる軸線が水平面となす角度(円錐角度)が30度ないし70度となる姿勢まで傾けることを特徴とする〔以下、ニと称する〕。
【0014】
以下の薬品容器の連続自動洗浄方法が好ましい。
ホ)前記円錐角度が50度であるニの薬品容器の連続自動洗浄方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の装置や方法は、使用済みの薬品容器及び未使用の薬品容器の何れにも適用することができる。本発明の装置や方法を未使用の薬品容器に適用する場合には、洗浄機構IIにおける残渣切り機構は、例えば、薬品容器内の汚れの原因となるもの(例えば異物、例えばプラスチック屑など)を排出するために有効である。
本発明の洗浄装置で洗浄し得る薬品容器は、薬品を入れるために通常使用される薬品容器、すなわち、上面の角部又は周辺部又はそれらの近傍に前記薬品を出し入れする開口部が設けられた薬品容器である。本発明の装置や方法を適用し得る範囲内で、前記薬品容器の大きさ(容量)、形状、材質等は、薬品の種類、形態(例えば、固体、液体、スラリー等)、量などに応じて適宜選択してよい。
例えば、前記薬品容器の容量は、4,5,13,14,16,20,100L(リットル)等であってよいが、10〜30Lの容量の容器は使用し易いので好ましい。
前記薬品容器の形状としては、例えば、角型、偏平角型、丸型、偏平丸型、ドラム缶型等が挙げられるが、特に角型の容器が好ましい。
前記薬品容器の材質は、ある程度の衝撃に耐えられる材質、例えば、汎用プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等が好ましい。
【0016】
移送機構Iに設ける検知手段は、薬品容器の開口部が上面の下方に位置することを確認し得るものであればよく、例えば、光学式センサ(赤外線センサ、レーザーセンサ、CCDセンサ)、超音波センサ、機械式センサ等を単独又は組み合わせて用いることができる。
【0017】
本装置の移送機構Iは、例えば、供給コンベヤと、押し込み装置と、バケットコンベヤとからなるものであってよい。以下、これらについて簡単に説明する。
I−1:供給コンベヤ
開口部が上面の下方に位置し且つ斜め上方を向いた状態の薬品容器を、所定の停止位置に一個ずつ連続的に送り込むために、例えば、前記薬品容器を斜め上方に移送し得るように傾斜して設けられたコンベヤ(例えば、チェーンコンベヤ)であってよい。供給コンベヤ上には、前記薬品容器を一個ずつ載置し固定するための適する係止手段、例えば、固定溝、固定バーなどを設けることが好ましい。供給コンベヤの幅、傾斜角度、移送速度等は適宜選択してよい。
供給コンベヤの上方の一端には、前記薬品容器を一時的に停止させるために、例えば、水平となった部分を有する停止部を設ける。
I−2:押し込み装置
開口部が上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で停止位置に載置された一個の薬品容器の下面を押圧して、駆動しているバケットコンベヤ上に、前記開口部が水平方向を向いた状態で載置させ得る装置であればよい。具体的には、例えば、適する駆動手段(例えば、モータ、エアシリンダー等)で駆動される板状又は棒状の押し込み部を有する装置であってよい。
I−3:バケットコンベヤ
押し込み装置で押し込まれた薬品容器を、開口部が上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で所定数(例えば、4個)保持する(溜める)装置であり、例えば、水平方向に薬品容器を移送し得るチェーンコンベヤなどであってよい。バケットコンベヤの幅、移送速度等は適宜選択してよい。
【0018】
本装置の洗浄機構IIは、例えば、引き込み装置と、薬品受け部の薬品受け及びコンベヤと、外側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、内側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、洗浄液切り部のプッシャー及びコンベヤとからなるものであってよい。以下、これらについて簡単に説明する。
II−1:引き込み装置
バケットコンベヤ上に保持された所定数の薬品容器の下面を同時に引き込んで(例えば、前記下面を押圧する)、供給シュート上に同時に載置させ、そしてこの時既に前記供給シュート上に載置された所定数の前記薬品容器を薬品受け部に同時に引き込むための装置である。機械的な構成は、例えば、前記I−2の押し込み装置と同様に、例えば、適する駆動手段(例えば、モータ、エアシリンダー等)で駆動される板状又は棒状の押し込み部を有する装置であってよい。
II−2:薬品受け部の薬品受け及びコンベヤ
薬品受け部には、使用済みの薬品容器の開口部から排出せしめた薬品(残渣薬品)を受け止め且つ集めるために、適する大きさ及び形状の薬品受け、例えば、樋状の薬品受けを設ける。なお、前記薬品受けは、未使用の薬品容器の開口部から排出せしめた異物などを受け止め且つ集めるためにも有効に機能する。
また、供給シュートから引き込まれた薬品容器が前記保持部のストッパーに軽く衝突して前記残渣薬品が排出される際、前記残渣薬品が周囲に飛散し易いので、必要であれば、防護フェンスなどの適切な防護手段を設けるとよい。
薬品受け部のコンベヤは、供給シュートから引き込まれた薬品容器を開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で保持し得るように、適切な保持部(例えば、固定板やストッパー)を設けたコンベヤ(例えば、チェーンコンベヤ)であってよい。従って、このコンベヤ自体を、薬品容器の移送面を水平面に対して所定角度(好ましくは、30度ないし70度、最も好ましくは50度)傾斜させて設けてもよいし、又は、コンベヤ上に前記所定角度傾斜させた前記保持部を設けてもよい。
II−3:外側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤ
外側洗浄部の洗浄装置は、薬品容器の外側表面を、該薬品容器の開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で洗浄液で洗浄し得る洗浄装置、例えば、適する洗浄液(例えば、工業用水)を薬品容器の外側表面全体に散布又は噴霧することができる装置であればよい。
外側洗浄部のコンベヤは、薬品受け部のコンベヤと同一のコンベヤであってもよいし、又は、薬品受け部のコンベヤとは別に設けたコンベヤであってもよい。
II−4:内側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤ
内側洗浄部の洗浄装置は、薬品容器の内側表面を、該薬品容器の開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で洗浄液で洗浄し得る洗浄装置であればよく、具体的には例えば、該薬品容器内部に挿入したノズルの先端から適する洗浄液(例えば、水道水又は純水)を薬品容器の内側表面全体に散布又は噴霧することができる装置が挙げられる。
内側洗浄部のコンベヤは、外側洗浄部のコンベヤと同一のコンベヤであってもよいし、又は、外側洗浄部のコンベヤとは別に設けたコンベヤであってもよい。
II−5:洗浄液切り部のプッシャー及びコンベヤ
洗浄液切り部のプッシャーは、外側及び内側を洗浄した後の薬品容器に、該薬品容器の開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で衝撃を与えて、該薬品容器の外側表面及び内側表面に付着・残留した洗浄液の残存量を低減させるために洗浄液切りを行うものであり、具体的には例えば、エアシリンダの一端に取り付けられた板状又は棒状の押圧部で薬品容器の下面を押圧する形式のプッシャーが挙げられる。
洗浄液切り部のコンベヤは、内側洗浄部のコンベヤと同一のコンベヤであってもよいし、又は、内側洗浄部のコンベヤとは別に設けたコンベヤであってもよい。
【0019】
本装置の搬送機構III は、反転部のプッシャー及びスロープと、搬送コンベヤとからなる。以下、これらについて簡単に説明する。
III −1:反転部のプッシャー及びスロープ
洗浄液切りを行った後の薬品容器を、該薬品容器の開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で押し上げるためのプッシャーは、例えば、前記洗浄機構IIのII−5:洗浄液切り部のプッシャーをその使用するのが都合が良いが、洗浄液切り部のプッシャーとは別のプッシャーを使用してもよい。
反転部のスロープは、このスロープに沿ってプッシャーで薬品容器を押し上げていった場合に、開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態にある前記薬品容器を前記開口部が上方を向いた状態に反転させることができるものであればよく、例えば、その一端がヘ字型をしたスロープが挙げられる。
III −2:搬送コンベヤ
開口部が上を向いた状態の薬品容器を充填機に搬送するコンベヤであればよく、慣用のコンベヤ、例えばローラーコンベヤを用いることができる。
【0020】
本発明の薬品容器の連続自動洗浄装置において、洗浄機構IIの各部(薬品受け部、外側洗浄部、内側洗浄部及び洗浄液切り部)で開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態とせしめるために前記薬品容器を傾斜させる角度は、その水平姿勢から、前記開口部を通って前記薬品容器の高さ方向に伸びる軸線が水平面となす角度(円錐角度)で30度ないし70度であることが好ましく、50度であることが特に好ましい。
【0021】
以下、図4に基づいて説明する。図4は、薬品容器として、直方体状の本体の一端面の角部近傍に開口部を有する薬品容器を用いる場合の例である。
前記円錐角度は、図4の角度θに対応する。またこの場合、図4の角度φは、例えば0度ないし90度の範囲内の好適な角度に設定してよい。
薬品容器の洗浄に際して、前記円錐角度(θ)が30度より小さくなるように薬品容器を傾けて、残渣切り、例えば残渣薬品切りを行ったり、例えば水で洗浄した後の水切りを行うと、薬品容器の側面部(図4の面efgh=面A)に残渣薬品や残水が溜り、残渣薬品切り又は水切りを行ってもなかなか残渣薬品又は残水を減らすことが困難である。
また逆に、前記円錐角度が70度より大きくなるように薬品容器を傾けて残渣薬品切り又は水切りを行うと、薬品容器の側面部に残渣薬品又は残水は溜まらないが、開口部が形成された薬品容器の上面部(図4の面cdef=面B;この場合、薬品容器は開口部を下側にして倒立した状態にあるので、上面部は下方に位置する)に残渣薬品又は残水が溜り、残渣薬品切り又は水切りを行ってもなかなか残渣薬品又は残水を減らすことが困難である。
それ故、前記円錐角度を30度ないし70度、特に50度とすれば、前記薬品容器を開口部を下側にして倒立した状態とした場合、前記薬品容器の側面部及び上面部に溜まる残渣薬品又は洗浄液残渣(例えば、残水)の合計量を最小にすることができてよい。
また、図4に示す前記円錐角度(θ)を好適に設定し、且つ図4に示す角度φを好適に設定すると、図4の前記薬品容器の角部e(開口部近傍)に残渣薬品又は洗浄液残渣(例えば、残水)を集めることができてよい。
【0022】
残渣薬品切りは、供給シュート上に載置された所定数の薬品容器を、引き込み装置により、開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で薬品受け部に同時に引き込み、薬品容器に軽い衝撃を与えて、薬品容器内の残渣薬品を排出することを意味する。
【0023】
洗浄液切り(例えば、水切り)は、薬品容器をプッシャー(例えば、エアシリンダー)で上下に移動させて前記薬品容器内の洗浄液残渣を排出することを意味する。前記エアシリンダーを用いる場合、その振幅は、薬品容器の大きさにもよるが、通常50〜200mmが好ましい。
前記エアシリンダーで薬品容器を押す(瞬間的に押す又は叩く)回数は、1回でもよいが、2回以上が好ましい。この回数を増やせば増やす程、洗浄液残渣を低減させる効果はあるが、洗浄液残渣の量と該洗浄液残渣を排出するために要する時間を考えると、エアシリンダーで薬品容器を押す回数は2回ないし3回が特に好ましい。
【0024】
本発明の薬品容器の連続自動洗浄装置において、外側洗浄部及び内側洗浄部で使用される洗浄液、例えば洗浄水は、必要であれば複数の洗浄水(例えば、工業用水、上水道水、イオン交換水、蒸留水、純水)を切り換えて使用することができる。
【0025】
本装置の前記移送機構I、前記洗浄機構II及び前記搬送機構III には各々、適する駆動機構を設けてよい。前記駆動機構は、工業分野において慣用の駆動装置を用いてよく、例えば、モーター、ベルト、チェーン、歯車、変速機等を単独又は組み合わせて用いたものであってよい。
【0026】
本装置の前記移送機構I、前記洗浄機構II及び前記搬送機構III を制御する制御機構IVは、工業分野において慣用の制御機構、例えば、制御盤やコンピューターシステム(例えば、パーソナルコンピューターシステム)を単独又は組み合わせて用いることができる。
前記の制御盤やコンピューターシステムは、本装置が設置されている場所又はその近傍に配置してもよいし、又は、必要であれば、本装置が設置されている場所から遠く離れた場所に配置して、本装置を遠隔操作してもよい。
【0027】
<作用>
本発明(装置及び方法)は、上面の角部又は周辺部又はそれらの近傍に薬品を出し入れする開口部が設けられた薬品容器を連続して自動的に洗浄するために最適に構成されている。
例えば本装置の移送機構Iに、前記開口部が前記上面の下方に位置するように前記薬品容器が傾けて載置されていることを検知し得る検知手段が設けられているので、このような姿勢以外の不都合な姿勢で移送機構Iの、例えば供給コンベヤ上に載置された薬品容器を自動的に検知することができる。検知された不都合な姿勢の薬品容器は、例えば、手作業により簡単に好適な姿勢に直すことができる。
好適な姿勢で移送機構Iに投入された薬品容器は、基本的にその姿勢(開口部が上面の下方に位置する姿勢)を保ったまま、自動的に、以後の洗浄機構II及び搬送機構III を経由して運ばれる。
洗浄機構IIにおいて、開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下を向いた状態とせしめるために薬品容器を、その水平姿勢から、前記開口部を通って前記薬品容器の高さ方向に伸びる軸線が水平面となす角度(円錐角度)で30度ないし70度、好ましくは50度傾けることにより、薬品容器の内部に残っている薬品残渣又は洗浄液残渣(例えば、残水)を開口部の周辺に集めることができ、例えば、軽い衝撃を与えることにより、薬品受け部や残水受け部へ容易に排出することができる。
【0028】
【実施例】
以下に、図面に基づいて本発明の実施例を更に詳細に説明する。
図1に、本発明の薬品容器の連続自動洗浄装置の一例の概略構成図を示す。本装置は、大別すると、除去すべき薬品が外部又は内部に付着・残留した使用済みの薬品容器を、洗浄機構IIの所定の位置に連続的に移送する移送機構Iと、前記移送機構Iから移送された前記薬品容器の外部又は内部に付着・残留した前記薬品を、排出し及び所定の洗浄液で洗浄する洗浄機構IIと、前記洗浄機構IIで洗浄された前記薬品容器を所定の場所に搬送する搬送機構III とからなる。
図1に示すように、前記洗浄機構IIは更に、▲1▼薬品受け及びコンベヤと、▲2▼外側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、▲3▼内側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、▲4▼洗浄液切り部のプッシャー及びコンベヤとからなる。
【0029】
図2に、本発明の装置及び方法を使用して薬品容器を連続して自動的に洗浄する場合の薬品容器の洗浄フロー図を示す。以下、この図に基づいて、本発明の各機構を更に詳しく説明する。
前記移送機構Iは、例えば、薬品容器を載置して移動させる供給コンベヤと、駆動しているバケットコンベヤと、供給コンベヤの上端部で停止状態にある薬品容器を押し込んでバケットコンベヤ上に載置させる押し込み装置とからなる。
【0030】
供給コンベヤは、例えば、連続した一対のラダー軸の両端に設けたチェーンを駆動装置で駆動することにより回転駆動させるチェーンコンベヤである。
使用済みの薬品容器が例えば角型である場合には、上面の角部近傍に開口部が設けられており、図3に示すように、開口部をラダー軸の方に向け、開口部を下側にし、且つ上方から見て開口部が一直線状に並ぶように一個ずつ順次供給コンベヤに連続して載置される。
供給コンベヤ上には、図3に示すように、例えばV字型の構造を有する薬品容器ガイドを設けると、薬品容器を所定の姿勢で容易に載置することができる。
【0031】
移送機構Iには、薬品容器が前記の所定の姿勢(開口部が上面の下方に位置するように薬品容器が傾けて載置されている)にあるかどうかを検知し得る検知手段が設けられているので、薬品容器が前記の所定の姿勢以外の姿勢(例えば、開口部が上面の上方に位置するように薬品容器が傾けて載置されている)にある場合には、例えば、警報(例えば、所定の音の発生や光の点滅など)を発生させることにより、作業者に知らしめることができる。警報の発生と同時に、供給コンベヤを自動的に停止させるようにしてもよい。この場合、作業者が薬品容器の姿勢を正しい姿勢に直した後、供給コンベヤが再稼働される。以後、薬品容器は種々のコンベヤ上を自動的に運ばれるので、移送機構Iの供給コンベヤ上に薬品容器を正しい姿勢で載置すれば、作業者がその後に薬品容器の姿勢を直す必要はない。
なお、供給コンベヤは、上述のチェーンコンベヤに限らず、洗浄すべき薬品容器の大きさ、形状等に応じてベルトコンベヤ、ローラーコンベヤ等の各種コンベヤを用いることができる。
【0032】
押し込み装置は、例えば、供給コンベヤの上端部に設置してある。押し込み装置は、本例では例えば、薬品容器の底面をプレートで押圧して、バケットコンベヤに向かって押し出す機構になっている。押し込み装置は、供給コンベヤからバケットコンベヤに薬品容器を移動することができるものであれば、どのような機構を用いたものでも構わない。
【0033】
薬品容器は、薬品容器ガイド上に載置されて、薬品受け部、外側洗浄部及び内側洗浄部、洗浄液切り部を順次通過する。洗浄機構IIの外側洗浄部及び内側洗浄部は、薬品容器を適する洗浄液(例えば、水)で洗浄する際に洗浄液の飛沫が周囲に飛び散らないように、例えば、洗浄ブースで全体が覆われている。
【0034】
洗浄機構IIの装置において、先ず薬品容器は引き込み装置により、開口部(図3参照)を下に向けた状態(本例では、図4の円錐角度θ=50度)で供給シュートから薬品受け部に投入され、この時、薬品容器内に残留していた薬品は開口部から薬品受け部の薬品受け(例えば、トレー状の溝などであってよい)に排出される〔図5参照;図5は、洗浄機構IIの薬品受け部を構成する装置の一例の説明図である〕。薬品容器からの薬品の排出を完全に行うために、薬品容器は、薬品受け部で所定時間(例えば、約4秒間)静置される〔図6参照;図6は、図5において、薬品受け部に薬品容器が投入された状態を示す図である〕。その後、薬品容器は外側洗浄部に移送される。
【0035】
引き込み装置は、例えば、バケットコンベヤ上に載置された複数の薬品容器を供給シュート上に引き込むと共に、前記供給シュート上で停止状態にある薬品容器を洗浄機構IIの薬品受け部に引き込み得る装置、例えば、薬品容器の下面(底面)を押圧して薬品受け部に引き込む機構を有する装置であってよい。引き込み装置は、供給コンベヤから供給シュートを経て薬品受け部に薬品容器を移動することができるものであれば、どのような機構を用いたものでも構わない。
【0036】
外側洗浄部において、薬品容器は、薬品容器の外側を洗浄するのに適する装置、例えば、洗浄液を噴霧する洗浄ノズルが所定間隔で設置されたパイプ状の洗浄フレームに囲まれた箇所をコンベヤで移動する。例えば、洗浄液として水(例えば、工業用水)を用いる場合、前記移動の間に、薬品容器の外側全体に勢い良く洗浄水が吹き付けられて、薬品容器の表面に付着した汚れが洗い落とされ、また薬品容器の表面に付着した薬品が洗い流される。
【0037】
外側洗浄部において洗浄液として水を用いる場合、使用する洗浄水の温度は薬品容器の材質や薬品の種類に応じて適宜選択してよいが、薬品容器として一般的なプラスチック製の薬品容器(いわゆるポリ缶)を用いる場合には、30〜50度が好ましい。また、前記洗浄ノズルは、薬品容器全体に洗浄水を均一に強く当て得るものを適宜選択してよい。
前記洗浄水の水圧は、勢い良く洗浄水が噴射されるように、好適な水圧を選択する。
【0038】
外側洗浄を終えた薬品容器は、コンベヤで内側洗浄部へ移動され、そして薬品容器内に、適する洗浄装置、例えば、洗浄液を噴霧する洗浄ノズルを先端に備えた洗浄パイプ(例えば、洗浄ノズルが薬品容器の外側を取り囲むように配置されている)を用いて勢い良く洗浄水を吹き付け、薬品容器内に付着している薬品を完全に洗い落とす。前記洗浄パイプの先端の洗浄ノズルは、薬品容器がコンベヤ上に静置された状態で薬品容器の開口部からシリンダーにて薬品容器内に挿入され、そして薬品容器内の全面に洗浄水が散布される。前記洗浄ノズルの種類は、薬品容器全体に洗浄水を均一に強く当て得るものを適宜選択してよい。
【0039】
薬品容器内の洗浄は、例えば、洗浄液として水を用いる場合、洗浄水を切り替えて行う洗浄、すなわち粗洗浄と仕上げ洗浄とを併用することが可能である。この場合、洗浄水は、粗洗浄では、例えば上水(上水道水)を用い、仕上げ洗浄では、例えば純水(例えば、イオン交換水又は蒸留水)、若しくは製品である薬品に使用されている水を用いることが好ましい。粗洗浄及び仕上げ洗浄におけるそれぞれの洗浄時間は、適宜変化させてよい。
【0040】
内側洗浄を終えた薬品容器は、コンベヤで洗浄液切り部へ移動される。ここで、薬品容器内に残った洗浄液残渣(例えば、残水)を除くために、薬品容器を10秒静置させ、その後薬品容器を、プッシャーで、例えば100mm上下させる(プッシャーで薬品容器を叩く)。
プッシャーを上下させる回数は適宜選択してよいが、通常は1〜3回、例えば2回でよい。
【0041】
洗浄機構IIの洗浄液切り部を終えた後は、薬品容器は搬送機構III へ送られる。搬送機構III は、図1に示すように洗浄機構IIの洗浄液切り部に接続した状態で設置されている。
洗浄機構IIの洗浄液切り部のコンベヤから搬送機構III のコンベヤへ薬品容器を送るために、本例ではヘ字状のスロープを用いる。すなわち、洗浄液切り部のプッシャーを用いて、薬品容器を所定距離(本例では、例えば450mm)上方に押し上げることにより、薬品容器を搬送機構のコンベヤに送り、且つその際、薬品容器を反転させて開口部を上向きにする。
【0042】
【発明の効果】
本発明の薬品容器の連続自動洗浄装置は、薬品容器を洗浄機構IIに連続的に移送する移送機構Iと、移送機構Iから移送された薬品容器の外部及び内部を所定の洗浄液で洗浄して、薬品容器の外部又は内部に付着・残留した薬品を除去する洗浄機構IIと、洗浄機構IIで洗浄された薬品容器を次の工程に搬送する搬送機構III と、移送機構I〜III を制御する制御機構IVとからなり、使用済み又は未使用の薬品容器を効率良く洗浄することが可能であるため、多数の使用済み又は未使用の薬品容器を極めて短時間のうちに連続して、且つ自動的に洗浄することができる。
また、本装置では、薬品容器の外側及び内側を洗浄するのに人手を全く要しないため、使用済みの薬品容器の場合、薬品容器の洗浄時に薬品容器内に残留していた薬品が作業者の体や手に誤って付着する恐れがなく、人体や環境に有害ないわゆる劇薬を収納していた使用済みの薬品容器を洗浄する場合においても、薬品容器の洗浄作業を安全に行うことができる。
【0043】
本装置では、薬品容器の移送機構Iを構成する装置として、例えば、開口部が上面の下方に位置するように薬品容器が傾けて載置されていることを検知し得る検知手段が設けられた供給コンベヤを用いることができ、最初に、この供給コンベヤ上に使用済みの薬品容器を順次乗せるだけで、誰でも簡単に薬品容器を正しい姿勢で洗浄機構IIへ送り込むことができる。
そのため、例えば、薬品容器を把持して洗浄機構へ送り込む把持装置を備えた従来の容器洗浄装置のように、作業者が把持装置に手を挟まれるような危険が全くなく、薬品容器を洗浄機構IIへ送り込む作業を安全に行うことができる。
【0044】
また、本装置における薬品容器の洗浄機構IIには、開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態とせしめるために薬品容器を、その水平姿勢から、開口部を通って薬品容器の高さ方向に伸びる軸線が水平面となす角度(円錐角度)が30度ないし70度となる姿勢まで傾ける残渣切り機構が設けられているため、薬品容器の外側及び内側を極めて短時間のうちに洗浄することができる。
【0045】
特に、薬品容器の内側を洗浄する前に、薬品受け部において、薬品容器の開口部を上面の下方に位置し且つ斜め下向きに傾斜させて薬品受けに残留薬品又は残留異物を排出することにより、薬品容器を再使用する場合の薬品の汚れの主要因となり得る残留薬品を予め除去し、又は、薬品容器を初めて使用する前に薬品の汚れの主要因となり得る残留異物を予め除去し、また外側洗浄部において、薬品容器の表面に付着した薬品や汚れを洗い落とすので、最小限の洗浄液(例えば、洗浄水)により薬品容器を綺麗に洗浄することができる。
【0046】
更に、内側洗浄部では、粗洗浄と仕上げ洗浄とで洗浄液、例えば洗浄水を切り替えることが可能である。例えば、薬品容器内へ洗浄水として上水(上水道水)を吹き付けて粗洗浄を行った後、仕上げ洗浄水として純水(例えば、イオン交換水又は蒸留水)、若しくは製品である薬品に使用されている水を吹き付けて仕上げ洗浄を行うことにより、薬品容器内に付着・残留している薬品を最小限の洗浄水で完全に洗い流し、且つ薬品容器内部を清浄な状態とすることができる。
【0047】
また、薬品容器を洗浄した後、洗浄液切り部で洗浄液切りを行うことにより、乾燥工程や洗浄液切りを行うための装置などを別途設けることなく、洗浄を終えた薬品容器をそのまま、例えばコンベヤで搬送して、充填工程で即座に使用することができる。
洗浄を終えた薬品容器は、例えば、開口部を上向きとして搬送機構III のコンベヤに乗せることができるため、薬品容器に倒れることのない安定した姿勢を保たせて、薬品容器を次の工程(例えば、充填工程)に搬送することができる。
【0048】
本装置は全体構成が極めて簡単であるため大量生産に向いており、装置全体を低コストで製造し又維持・管理することができるなどの実用上優れた効果を有する。
【0049】
本発明の薬品容器の連続自動洗浄方法によれば、薬品が付着・残留している使用済み又は未使用の薬品容器を、本装置を使用して連続して自動的に洗浄することができるので、洗浄工程の全てを完全にオートメーション化することが可能となり、少人数で本装置の運転及び制御が可能であるため、従来の同種の方法に比べて、薬品容器の洗浄に必要な人件費を大幅に削減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬品容器の連続自動洗浄装置の一例の概略構成図である。
【図2】本発明の装置及び方法を使用して薬品容器を連続して自動的に洗浄する場合の薬品容器の洗浄フロー図である。
【図3】図1 の装置の供給コンベヤ上に載置された薬品容器を、該薬品容器の底部側から見た図である。
【図4】薬品容器を傾斜させる角度(円錐角度)を説明するための図である。
【図5】洗浄機構IIの薬品受け部を構成する装置の一例の説明図である。
【図6】図5において、薬品受け部に薬品容器が投入された状態を示す図である。
【符号の説明】
I:移送機構
II:洗浄機構
III :搬送機構
▲1▼:薬品受け部及びコンベヤ
▲2▼:外側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤ
▲3▼:内側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤ
▲4▼:洗浄液切り部のプッシャー及びコンベヤ

Claims (2)

  1. (i)薬品容器を洗浄機構IIに連続的に移送する移送機構Iと、
    (ii)前記移送機構Iから移送された前記薬品容器の外部及び内部を所定の洗浄液で洗浄して、前記薬品容器の外部又は内部に付着・残留した薬品を除去する洗浄機構IIと、(iii)前記洗浄機構IIで洗浄された前記薬品容器を次の工程に搬送する搬送機構IIIと、
    (iv)前記移送機構I、前記洗浄機構II、前記搬送機構IIIの運転を制御する制御機構IVとからなる、
    (v)上面の角部又は周辺部又はそれらの近傍に前記薬品を出し入れする開口部が設けられた薬品容器の連続自動洗浄装置であって、
    (A)前記移送機構Iに、前記薬品容器の移送のとき、前記開口部が前記上面の下方に位置するように前記薬品容器が傾けて載置されていることを検知し得る検知手段が設けられており、
    (B)前記洗浄機構IIにおいて、前記開口部が上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態とせしめるために前記薬品容器を、その水平姿勢から、前記開口部を通って前記薬品容器の高さ方向に伸びる軸線が水平面となす角度(円錐角度)が30度ないし70度となる姿勢まで傾ける残渣切り機構が設けられており、さらに
    (vi)前記移送機構Iが、
    (vi−1)前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め上方を向いた状態の前記薬品容器を、所定の停止位置に一個ずつ連続的に送り込む供給コンベヤと、
    (vi−2)前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で前記停止位置に載置された一個の前記薬品容器の下面を押圧して、駆動しているバケットコンベヤ
    上に、前記開口部が水平方向を向いた状態で載置させる押し込み装置と、
    (vi−3)前記押し込み装置で押し込まれた前記薬品容器を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で所定数保持する前記バケットコンベヤとからなり、
    (vii)前記洗浄機構IIが、
    (vii−1)前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ水平方向を向いた状態で前記バケットコンベヤ上に保持された所定数の前記薬品容器の下面を同時に引き込んで、供給シュート上に同時に載置させ、そして前記供給シュート上に載置された所定数の前記薬品容器を薬品受け部に同時に引き込んで薬品容器内の残渣薬品切りを行う引き込み装置と、
    (vii−2)前記供給シュートから引き込まれた前記薬品容器を前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で保持し、前記開口部から排出せしめた前記薬品を受け止める薬品受け部の薬品受け及びコンベヤと、
    (vii−3)前記薬品容器の外側表面を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で前記洗浄液で洗浄する外側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、
    (vii−4)前記薬品容器の内側表面を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で前記洗浄液で洗浄する内側洗浄部の洗浄装置及びコンベヤと、
    (vii−5)外側及び内側を洗浄した後の前記薬品容器に、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で衝撃を与えて、前記薬品容器の外側表面及び内側表面に付着・残留した洗浄液の残存量を低減させるために洗浄液切りを行う洗浄液切り部のプッシャー及びコンベヤとからなり、
    (viii)前記搬送機構IIIが、
    (viii−1)前記洗浄液切りを行った後の前記薬品容器を、前記開口部が前記上面の下方に位置し且つ斜め下方を向いた状態で押し上げ、そして前記薬品容器を前記開口部が上を向いた状態に反転させる反転部のプッシャー及びスロープと、
    (viii−2)前記開口部が上を向いた状態の前記薬品容器を、充填機の設置場所を含む所定場所に搬送する搬送コンベヤと
    からなることを特徴とする薬品容器の連続自動洗浄装置。
  2. 前記円錐角度が50度であることを特徴とする請求項1記載の薬品容器の連続自動洗浄装置。
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