JP4577001B2 - 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法 - Google Patents

紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4577001B2
JP4577001B2 JP2004362334A JP2004362334A JP4577001B2 JP 4577001 B2 JP4577001 B2 JP 4577001B2 JP 2004362334 A JP2004362334 A JP 2004362334A JP 2004362334 A JP2004362334 A JP 2004362334A JP 4577001 B2 JP4577001 B2 JP 4577001B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
paper
adhesive
container
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004362334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006168775A (ja
Inventor
佳樹 植田
俊也 内藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2004362334A priority Critical patent/JP4577001B2/ja
Publication of JP2006168775A publication Critical patent/JP2006168775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4577001B2 publication Critical patent/JP4577001B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cartons (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法に関する。さらに詳細には、液体状内容物または酸素、水蒸気に対するバリア性が要求される固体状内容物を充填・保存するに好適な紙容器を、特に、ヒートシールなどにより加熱成形する際に、紙層中に含む水分が加熱されて生ずる水蒸気による積層材料に発生するバブリング(発泡)現象を抑制し、積層材料の層間で生ずる層間剥離やピンホールの発生を防止する技術に関する。
(1)先行技術1(特許文献1参照)
紙層を基材とし、最内層がポリプロピレン層、最外層がポリプロピレン層からなる積層材料を成形した紙容器において、前記基材と最内層の間にバリア層を設け、前記最内層及び最外層のポリプロピレン層が溶融押出成形されている、スープ等の油分を含んだ液体の内容物をいれ、電子レンジ等で加熱しても発泡が生じることが無く安定した形状を維持することができる紙容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、最内層および最外層にポリプロピレンフィルムを使用することから、一般的に、ポリエチレンの溶融点は約100〜120℃であるのに対して、ポリプロピレンの溶融点は約140〜160℃であり、溶融点が高いために耐熱性は向上するが、成形が困難であり成形する際の熱エネルギーの制御が困難で成形加工時の問題があった。また、紙基材との接着やバリアフィルムとの接着などが十分でなく接着の点でも問題があった。
(2)先行技術2(特許文献2参照)
紙層とバリア層とをドライラミネート層を介して積層した基材の両側に、熱可塑性樹脂層を設けた積層材料をそのまま加熱成形しても、接着樹脂層を用いた場合のようなバブリング現象の発生、内層のフィルムが露出する恐れがなく、また、ウエットラミネート層のように水分を除去する工程を必要とせず、しかも経時的にラミネート強度の低下がない、加熱成形した紙製液体容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、通常、紙基材として坪量が240〜350g/m2の厚紙が用いるために、ドライラミネート積層法は溶融押し出し積層法に比較して加工速度が遅く、コスト高になる問題、ラミネートする場合、接着剤を介して貼り合わせるため接着層から剥離したり、接着剤の残留有機溶剤によって異臭が残ったりする場合があった。
(3)先行技術3(特許文献3参照)
外面側よりポリエチレン樹脂層、紙、中間樹脂層、バリアフィルム、シーラント層が順次積層され、前記中間樹脂層に高融点のポリエチレン樹脂が使用されている、成形時にピンホールの発生のない、また、貼り合わせ不良を生じないカップ状容器用積層材料とその積層材料を用いたカップ状容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、前記層構成からなる積層材料を用いてカップ状容器を成形する際、最内層のシーラント層であるポリエチレン樹脂を300〜400℃のホットエアで溶融してヒートシール等の加熱成形時、この時の熱量で紙層の水分が蒸発し、紙とバリア層との間に存在する低密度ポリエチレン樹脂層が発泡現象を起こして、バリア層にピンホールを発生させたり、あるいは、貼り合わせ不良を招いたりすることがあった。また、発泡現象が発生したまま、容器を成形すると、バブリングした部分の内側のフィルムが露出して、外観が悪くなるうえ、バブリングで延びた積層材料を傷つけ、ピンホールが発生していた。
以下に特許文献を記す。
特開平11−130042号公報 特開平10−138370号公報 特開2003−221024号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、紙容器をヒートシールなどで加熱成形する際に、紙層中に含む水分が加熱されて生ずる水蒸気による積層材料に発生する発泡現象を抑制し、その発泡現象に伴う積層材料の層間剥離やピンホールの発生を防止して安定した形状を維持することができる、紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1に係る発明は、
少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器であって、
前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であって、その接着剤塗布面にウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した積層材料を成形してなることを特徴とする紙容器である。
請求項2に係る発明は、
請求項1記載の溶融押し出し樹脂層を構成する溶融押し出し樹脂のJIS K6760の測定方法に準拠したメルトフローレート(MFR)が、1以上10以下であることを特徴とする請求項1記載の紙容器である。
請求項3に係る発明は、
前記バリアフィルム層を構成するバリアフィルムが、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、金属酸化物蒸着フィルムから選ばれるいずれかのバリアフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の紙容器である。
請求項4に係る発明は、
容器が、積層材料を予め設けた罫線から折り曲げ成形してなる屋根型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器である。
請求項5に係る発明は、
容器が、カップ形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器である。
請求項6に係る発明は、
容器が、円筒型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器である。
請求項7に係る発明は、
少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器において、
前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層をインラインで0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層面に溶融押し出し樹脂を溶融押し出し、前記接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるように紙層とバリアフィルム層を積層することを特徴とする積層材料の製造方法である。
<作用>
本発明により、少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層する際に、紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を押し出しサンドラミネーション法により積層された積層材料を成形してなる紙容器であることから、紙層中に含む水分が加熱されて生ずる水蒸気による積層材料に発生する発泡現象を抑制し、その発泡現象に伴う積層材料の層間で生ずる層間剥離やピンホールの発生を防止することが可能である。
本発明により、紙容器をヒートシールなどで加熱成形する際に、紙層中に含む水分が加熱されて生ずる水蒸気による積層材料に発生する発泡現象を抑制し、その発泡現象に伴う積層材料の層間で生ずる層間剥離やピンホールの発生を防止する安定した形状を維持することができる、紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法を提供することができる。そして、下記のような効果を奏するものである。
(1)紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層するその溶融押し出し樹脂として、一般汎用の接着性熱可塑性樹脂を用いることができるので、押し出し適性、バリアフィルムとの接着適性、量産適性に対応した熱可塑性樹脂を広い範囲の材料から選択することができる。(2)インラインで接着剤層を形成できるので、同一工程で積層材料を製造することができ、経済的コスト面で有利である。
以下、本発明の紙容器の実施形態の一例について図面を参照して説明する。図1は、本発明の紙容器の一例のカップ形状紙容器を示したもので、(a)は、その外観模式図である。(b)は、紙容器を構成する積層材料の(イ)の部分を拡大して示した断面模式図である。
本発明の一例としてのカップ形状紙容器10は、図1(a)に示すように、少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料20を成形してなる紙容器10であって、図1(b)に示すように、最外層から、熱可塑性樹脂層21/紙層22/接着剤層23/溶融押し出し樹脂層24/バリアフィルム層25/シーラントフィルム層26が順次積層されており、そして紙層22にウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層23を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層23を紙層22と溶融押し出し樹脂層24の間に介在させるようにして紙層22とバリアフィルム層25を積層した積層材料20からなる容器である。なお、最外層の熱可塑性樹脂層21は必ずしも設ける必要が無く、適宜必要に応じて設けることができる。
本発明において使用される紙層を構成する紙基材22は、坪量が200〜400g/m2程度のバージンパルプからなるカップ原紙が好適に使用でき、接着剤を塗布する面のJ
IS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であることが望ましい。サイズ度を400秒以上とすることで、接着剤の紙層中への染み込みを防止できることから、接着剤層を容易に塗布形成できことから、紙層からの水分を遮蔽して発泡抑制効果も向上する。また、必要に応じて紙基材の熱可塑性樹脂層と接する面に印刷層(図示せず)を設けることができる。
本発明において適宜必要に応じて設ける熱可塑性樹脂層21を構成する熱可塑性樹脂としては、目的に応じて選択すればよく特に制限されない。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン系共重合体樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66など)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
本発明において使用される接着剤層23を構成する接着剤としては、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤が好適に用いられる。ウレタン結合を有している2液硬化型接着剤としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポカーボネートポリール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどの他、これらの過剰量のポリオールとイソシアネートと反応させたオリゴマーあるいはポリマーからなるポリオール成分と、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘシルソシアネート)、イソホロジイソシアネートなど、あるいはオリゴマーからなるイソシアネート成分を配合されたものなどが使用できる。
紙基材に、上記のウレタン結合を有する2液硬化型接着剤を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成して接着剤層23を形成する。この接着剤層23を形成することにより、容器を成形する際、最内層のシーラント層を300〜400℃のホットエアで溶融してヒートシール等の加熱成形時、紙層中の水分の蒸発による発泡現象が抑制することができる。接着剤層23の塗布量が0.5g/m2よりも少ないと発泡現象を抑制するのに十分な接着力および接着被膜を得ることができず、接着剤層23の塗布量が4g/m2よりも多いと残留溶剤による臭気などの問題が生ずる。また、経済的なコスト面からも好ましくない。
本発明において使用される溶融押し出し樹脂層24を構成する溶融押し出し樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)などの単体またはブレンドしたものが用いられる。
そして、上記の溶融押し出し樹脂のJIS K6760の測定方法に準拠したメルトフローレート(MFR)が、1以上10以下であることが望ましい。MFRが1以上10以下であることにより、高温時の樹脂物性としての粘性が高く、容器の成形時のホットエアーによる加熱時に、紙層中の水分による発泡現象を抑制する効果がさらに向上する。
上記の溶融押し出し樹脂を、紙基材に設けたウレタン結合を有する2液硬化型接着剤の面に溶融押し出し、その接着剤層23を紙層22と溶融押し出し樹脂層24の間に介在させるようにしてバリアフィルム25を積層する。
本発明において使用されるバリアフィルム25としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、金属酸化物蒸着フィルムから選ばれるいずれかのバリアフィルムが好適に使用される。これらのバリアフィルムは、容器成形する際のホットエアーによる加熱時、紙層中の水分が蒸発して生じる水蒸
気に対して安定であって、成形後においても、長期間安定したバリア性を維持することができる。
本発明において使用されるアルミニウム箔としては、アルミニウム箔の材質がアルミニウム−鉄系合金のO材(軟質材)を使用する。鉄含有量が0.3〜9.0%、好ましくは0.7〜2.0%とすることが望ましい。前記鉄含有量が0.3%未満の場合は、ピンホールの発生の防止の効果が認められず、また、前記アルミニウムの鉄含有量が9.0%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、積層体として加工性が悪くなる。また、冷間圧延で製造されたアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、アルミニウムは焼きなましをしていない、いわゆる硬質処理品より、多少または完全に焼きなまし処理を行った柔軟性アルミニウムが好ましい。アルミニウムの柔軟性・腰の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、容器加工適性に合わせ適宜選定すればよい。例えば、しわやピンホールを防止するためには、加工の程度に応じた焼きなましされた柔軟アルミニウムを用いることが望ましい。
次に、本発明で用いられる金属酸化物蒸着フィルムは、フィルム基材上に金属酸化物蒸着薄膜層を形成したものである。
まず、フィル基材としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66など)等、あるいはこれら高分子の共重合体などの材料が用いられる。
上記の蒸着薄膜層を形成するする側のフィル基材のフィルム表面上に、コロナ処理、低温プラズマ処理、リアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施してもよい。
本発明における蒸着薄膜層を構成する金属酸化物としては、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫などの酸化物の単体、あるいはそれらの複合物からる金属酸化物が挙げられるが、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムの単体、あるいはそれらの複合物が好ましく用いられる。
蒸着薄膜層の厚さは、用いられる金属酸化物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にあることである。
金属酸化物からなる蒸着薄膜層をプラスチック基材上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性および蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いてもよい。
アルミニウム蒸着フィルムとしては、金属蒸着材料としてアルミニウムを用いて上記同様フィルム基材上にアルミニウム蒸着薄膜層を形成したものを用いることができる。
本発明において使用されるシーラント層26を構成する接着性熱可塑性樹脂は、容器などを形成するために接着層として積層されるものであ。シーラント層26としては、熱融着可能な接着性熱可塑性樹脂であり、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂その他等の樹脂を使用することができる。厚さは、目的に応じて適宜決められるが、一般的には15〜40μm、
次に、上述した本発明の紙容器用積層材料の製造方法について説明する。
少なくとも、紙層22とバリアフィルム層25とを溶融押し出し樹脂層24を介して積層した紙基材を主体とする積層材料20を成形してなる紙容器10において、
前記紙層22を構成する紙基材に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層23をインラインで0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層23面に溶融押し出し樹脂を溶融押し出し、前記接着剤層23を紙層22と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにしてバリアフィルム層25を積層する。
紙基材にインラインで接着剤を塗布する方法としては、グラビアコート、ロッドコート、エアナイフコート、ロールコートなど公知の塗布方法を適用できる。紙基材に接着剤を塗布形成して、乾燥後、押し出しサンドラミネート法により溶融押し出し樹脂を溶融押し、接着剤層23を紙層22と溶融押し出し樹脂層24の間に介在させるようにして積層する本発明の製造方法によれば、一工程で接着剤層23と溶融押し出し樹脂層24を形成することから、コスト面、量産性、品質面の点から有利な製造方法である。
また、バリアフィルム25を積層する方法としては、2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネーション法、無溶剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントラミネーション法により積層する方法、樹脂を加熱溶融させてカーテン状に押し出し貼り合わせる押し出しサンドラミネーション法などいずれも公知の方法により積層することができるが、押し出しサンドラミネーション法を採用して積層するのが、コスト面、量産性、品質面の点から有利な積層方法である。
また、シーラントフィルム26を積層する方法としては、特に限定されないが、2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネーション法が一般に採用される。ドライラミネーション用接着剤としては、2液型の硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエ−テル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を使用することができるが、2液硬化型ウレタン系接着剤が好ましく使用される。
上記の接着剤のコ−ティング法としては、例えば、ダイレクトグラビアロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、フォンテン法、トランスファ−ロ−ルコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位、より好ましくは、1〜5g/m2(乾燥状態)位が望ましい。
本発明の紙容器としては、カップ形状容器以外に、積層材料を予め設けた罫線から折り曲げ成形してなる屋根型形状容器、円筒型形状容器である。
以下、本発明の具体的実施例を挙げて説明する。
紙層を構成する紙基材として坪量240g/m2のコートカップ原紙(接着剤を塗布する面でのサイズ度440秒)、接着剤層を構成するウレタン結合を有する2液硬化型接着剤としてポリエステルポリウレタン系接着剤、溶融押し出し樹脂としてポリエチレン樹脂(MFRが3.7)、バリアフィルムとしてポリエチレン(PE)(15μm)/ポリエチレンテレフタレート(PET)(12μm)/ポリエチレン(PE)(30μm)からなる3層構成のバリアフィルムを各々用いて、接着剤塗布後、貼り合わせ速度130m/min、エアギャップ130mm、押し出し巾500mmにて押し出しサンドラミネーション法により積層し、下記構成の本発明の紙容器用積層材料を作製した。
紙層(コートカップ原紙)/接着剤層(塗布量、1.5g/m2)/溶融押し出し樹脂層(PE、20μm)/バリアフィルム層(PE/PET/PE)
実施例1の本発明の紙容器用積層材料と性能を比較するための比較例として、
実施例1において、ポリエステルポリウレタン系接着剤の代わりにポリエーテル系接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
実施例1の本発明の紙容器用積層材料と性能を比較するための比較例として、
実施例1において、接着剤層を設けないで実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
実施例1の本発明の紙容器用積層材料と性能を比較するための比較例として、
実施例1において、接着剤層を設けないで、溶融押し出し樹脂としてポリエチレン樹脂(MFRが3.7)の代わりにポリエチレン樹脂(MFRが16)を用いた以外は実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
実施例1の本発明の紙容器用積層材料と性能を比較するための比較例として、
実施例1において、紙層を構成する紙基材として坪量240g/m2のコートカップ原紙(接着剤を塗布する面でのサイズ度440秒)の代わりに坪量240g/m2のノーコートカップ原紙(接着剤を塗布する面でのサイズ度35秒)を用いた以外は実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
上記実施例1〜5で得られた積層材料を、エージング50℃3日後、水分調整し、紙基材の水分量を約6%として、280℃のホットエアーを当てた後、発泡するまでの時間を測定し、その発泡現象を目視観察した。その結果を表1に示す。
Figure 0004577001
表1より、実施例1で得られた本発明の紙容器を構成する積層材料は、比較例としての実施例2〜5で得られた積層材料に比較して、発泡するまでに時間が長く、発泡が微少であり、実用面では紙層とバリアフィルム層との間で生ずる層間剥離やピンホール等を生ず
ることなく実用性があることが確認された。このことは、本発明の紙容器を構成する積層材料を構成する紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した構成であることから、280℃のホットエアーで加熱した場合であっても、紙層中に含む水分による発泡現象を抑制し、それに伴って、紙層とバリアフィルム層との間で層間剥離やピンホール等の発生を防止することが可能となったものである。
本発明の紙容器の一例のカップ形状紙容器を示したもので(a)は、その外観模式図である。(b)は、紙容器を構成する積層材料の(イ)の部分を拡大して示した断面模式図である。 本発明の紙容器の他の例の屋根型形状紙容器の外観を示す模式図である。 本発明の紙容器の他の例の円筒型形状紙容器の外観を示す模式図である。
符号の説明
10・・・カップ形状紙容器
20・・・紙容器を構成する積層材料
21・・・熱可塑性樹脂層
22・・・紙層
23・・・接着剤層
24・・・押し出し溶融樹脂層
25・・・バリアフィルム層
26・・・シーラント層
30・・・円筒形状紙容器
40・・・屋根型形状紙容器

Claims (7)

  1. 少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器であって、
    前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であって、その接着剤塗布面にウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した積層材料を成形してなることを特徴とする紙容器。
  2. 請求項1記載の溶融押し出し樹脂層を構成する溶融押し出し樹脂のJIS K6760の測定方法に準拠したメルトフローレート(MFR)が、1以上10以下であることを特徴とする請求項1記載の紙容器。
  3. 前記バリアフィルム層を構成するバリアフィルムが、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、金属酸化物蒸着フィルムから選ばれるいずれかのバリアフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の紙容器。
  4. 容器が、積層材料を予め設けた罫線から折り曲げ成形してなる屋根型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器。
  5. 容器が、カップ形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器。
  6. 容器が、円筒型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器。
  7. 少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器において、
    前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層をインラインで0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層面に溶融押し出し樹脂を溶融押し出し、前記接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるように紙層とバリアフィルム層を積層することを特徴とする積層材料の製造方法。
JP2004362334A 2004-12-15 2004-12-15 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法 Expired - Fee Related JP4577001B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004362334A JP4577001B2 (ja) 2004-12-15 2004-12-15 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004362334A JP4577001B2 (ja) 2004-12-15 2004-12-15 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006168775A JP2006168775A (ja) 2006-06-29
JP4577001B2 true JP4577001B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=36669939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004362334A Expired - Fee Related JP4577001B2 (ja) 2004-12-15 2004-12-15 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4577001B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5047668B2 (ja) * 2006-09-29 2012-10-10 日本製紙株式会社 紙製容器およびその製造方法
JP5784874B2 (ja) * 2009-10-29 2015-09-24 株式会社日清製粉グループ本社 クラック発生防止方法
JP2020007022A (ja) * 2018-07-11 2020-01-16 凸版印刷株式会社 液体用紙容器
AR117529A1 (es) * 2019-01-18 2021-08-11 Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd Laminado para recipiente de papel y recipiente de papel

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1058624A (ja) * 1996-08-19 1998-03-03 Toppan Printing Co Ltd 液体包装用紙製包材
JP2003112718A (ja) * 2001-10-05 2003-04-18 Dainippon Printing Co Ltd 紙カップ
JP2003334893A (ja) * 2002-05-20 2003-11-25 Dainippon Printing Co Ltd レトルト処理用紙容器の積層体およびレトルト処理用紙容器
JP2004224343A (ja) * 2002-11-26 2004-08-12 Nihon Tetra Pak Kk ストリップテープ及び包装容器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1058624A (ja) * 1996-08-19 1998-03-03 Toppan Printing Co Ltd 液体包装用紙製包材
JP2003112718A (ja) * 2001-10-05 2003-04-18 Dainippon Printing Co Ltd 紙カップ
JP2003334893A (ja) * 2002-05-20 2003-11-25 Dainippon Printing Co Ltd レトルト処理用紙容器の積層体およびレトルト処理用紙容器
JP2004224343A (ja) * 2002-11-26 2004-08-12 Nihon Tetra Pak Kk ストリップテープ及び包装容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006168775A (ja) 2006-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK166574B1 (da) Laminat af metalfolie og polymere, beholder eller komponent til samme fremstillet af dette laminat og fremgangsmaade til fremstilling af laminatet
CA2498977C (en) Packaging films containing coextruded polyester and nylon layers
US5079052A (en) Laminated metal sheet
US9580798B2 (en) High-barrier polyethylene terephthalate film
JP5804339B2 (ja) 防曇性多層フィルム、これを用いる積層体、及び包装材
JP6706428B2 (ja) 積層体
JP4577001B2 (ja) 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法
JP4417835B2 (ja) 螺旋巻き容器のための金属化された高バリア・ラップシール可能なライナー
JP3265806B2 (ja) 透明積層体
JP5415160B2 (ja) 断熱シート、断熱容器
US6458235B1 (en) Method of coating a metallic substrate with thermoplastic coating material
JP5330927B2 (ja) バリア性断熱紙容器
CN113748016A (zh) 用于形成挠性容器的层压材料和包括所述层压材料的挠性管裙
JP6206552B2 (ja) 発泡性積層体及び発泡加工紙ならびにそれを用いた断熱容器
WO2009112176A1 (en) Multilayer film for packaging coffee and instant beverages
JP2006160999A (ja) 金属板ラミネート用ポリエステルフィルム、ラミネート金属板、および金属容器
JP2003231224A (ja) 積層シート及びその製造方法
JP6963760B2 (ja) 積層体
JP5966478B2 (ja) 発泡性積層体及び発泡加工紙ならびにそれを用いた断熱容器
JP6706427B2 (ja) 積層体
JP3484999B2 (ja) ラミネート金属板の製造方法
JP3125157B2 (ja) 加工密着性に優れた樹脂被覆鋼板の製造方法
WO2023203817A1 (ja) パウチ用の積層フィルム、パウチ、および、積層フィルムの製造方法
JPH1134258A (ja) 蓋材用フィルムおよびこれを使用した容器
JP4396374B2 (ja) ガスバリアフィルム積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100727

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100809

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4577001

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees