JP6963760B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体に関し、より詳細にはバイオマスポリエステル樹脂を用いた積層体に関する。
医薬品、化粧品、食品などの商品を充填するための包装材料の製造には、成形のし易さやコスト等の観点から化石燃料由来の材料であるプラスチックが主として用いられており、これらのプラスチック材料は化石資源である石油から生産されている。包装容器用の材料として汎用されているプラスチック材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが使用されている。中でも、ポリエステル系樹脂は、その機械的特性、化学的安定性、耐熱性、透明性などに優れ、かつ安価であることから、フィルム、シート、包装容器など各種産業用途に広く使用されている。
ポリエステルは、ジオール単位とジカルボン酸単位とを重縮合して得られ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す場合がある)は、エチレングリコールとテレフタル酸とを原料として、両者をエステル化反応させた後に重縮合反応させて製造されている。これらの原料は、化石資源である石油から生産され、例えば、エチレングリコールはエチレンから、テレフタル酸はキシレンから工業的に生産されている。
近年、このような化石燃料由来の材料に対して、環境に配慮して様々な用途で石油代替原料を使用する動きが年々強まってきており、CO排出削減を図るため、化石燃料からの脱却が望まれている。こうした化石燃料の使用削減の試みとして、包装材料として、各種の樹脂の原料の一部にバイオマス原料を用いたバイオマスプラスチックの実用化が進んでいる。一例として、ポリエステル樹脂では、モノマー成分であるエチレングリコールとしてバイオマス由来のものを用いたものが実用化されており、このようなバイオマス由来原料を含むポリエステル樹脂を、包装材料に適用することも提案されている。例えば、特許文献1には、バイオマス由来のエチレングリコールと化石燃料由来のジカルボン酸とを用いて得られたポリエステル(以下、バイオマスポリエステルとも言う。)を含む樹脂フィルムを基材層とした包装用フィルム等が提案されている。また、特許文献2には、バイオマスポリエステルを50〜95質量%の割合で含む樹脂を用いてフィルムとした場合であっても、従来の化石燃料由来のポリエステル樹脂を用いたフィルムと遜色ない物性が得られることも提案されている。
特開2012−96469号公報 特開2012−97163号公報
ところで、ポリエステル樹脂等を基材層とした包装用フィルムには、内層側にシーラント層が設けられており、外層側(基材層側)からヒートシールすることにより包装体の形態とされる。シールする際に雄型と雌型でフィルムを押圧することもある。本発明者らは、このようなシールを行った場合やフィルムを折り曲げた際、バイオマスポリエステル樹脂を基材層として用いると、フィルムにクラックが発生することに気付いた。そして、鋭意検討した結果、バイオマスポリエステルを構成するジカルボン酸成分として、テレフタル酸に加えてイソフタル酸が含有されることにより、上記したようなクラックの発生が抑制できる、との知見を得た。本発明は係る知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、バイオマスポリエステルを含むポリエステル樹脂層と薄膜層とが積層された積層体含む紙カップにおいて、柔軟性を向上させることができる積層体を含む紙カップを提供することである。
本発明による紙カップは、胴部と、底部とを備える紙カップであって、
前記胴部は、積層体により形成されており、
前記胴部は、胴部の上端が外側に丸められたフランジ部を備え、
前記積層体は、少なくとも、紙層と、無機物または無機酸化物の少なくともいずれかを含む薄膜層をいずれか一方の面に備えたポリエステル樹脂層と、第1のシーラント層と、が順に積層されたものであ
前記第1のシーラント層が前記積層体の最内層を構成しており、
前記ポリエステル樹脂層が、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル樹脂を含む2軸延伸フィルムであり、
前記ジカルボン酸が、テレフタル酸とイソフタル酸とを含み、
前記イソフタル酸の含有量は、前記バイオマスポリエステル樹脂を構成する全ジカルボン酸単位に対して、2.5モル%以下であることを特徴とするものである。
本発明においては、前記イソフタル酸の含有量は、前記バイオマスポリエステル樹脂を構成する全ジカルボン酸単位に対して、.5モル%以であってもよい。
本発明においては、前記ポリエステル樹脂層の少なくともいずれか一方の面に前記薄膜層を備えてもよい。
本発明においては、前記積層体が、第2のシーラント層をさらに備え、前記第2のシーラント層が前記積層体の最外層を構成していてもよい。
本発明においては、前記第1のシーラント層が、化石燃料由来またはバイオマス由来の樹脂材料を含み、前記樹脂材料がポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリ乳酸からなる群より選択される樹脂を含んでもよい
本発明においては、前記カップの胴部は、胴部の下端が内側に折り返された状態で底部と接着していてもよい。
本発明においては、前記紙カップがさらに蓋材を備えていてもよい。
本発明によれば、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂層を備えた積層体を含む紙カップにおいて、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を含むことにより、柔軟性を向上させることができる積層体を含む紙カップを実現することができる。
本発明による積層体の層構成の実施形態を簡略に示す断面図。 本発明による積層体の層構成の他の実施形態を簡略に示す断面図。 スタンディングパウチの構成の一例を簡略に示す図。 スタンディングパウチの側面シートを形成する積層体の層構成の実施形態を簡略に示す断面図。 チューブ容器の一例を簡略に示す部分断面図。 チューブ容器の筒状胴部を形成する積層体の層構成の実施形態を簡略に示す断面図。 液体紙容器を形成する積層体の層構成の実施形態を簡略に示す断面図。 液体紙容器の一例を示す斜視図。 紙カップを形成する積層体の層構成の実施形態を簡略に示す断面図。 紙カップの一部を切除した斜視図。 紙カップの別の実施形態を示す一部を破断した正面図。
[定義]
本明細書において、
「ポリエステル」とは、ジオール単位とジカルボン酸単位との重縮合反応により得られる重合体を意味する。
また、「化石燃料ポリエステル」とは、化石燃料由来のジオールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とする重合体を意味する。
また、「バイオマスポリエステル」とは、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とする重合体を意味する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本発明による積層体について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明による積層体10は、少なくとも、ポリエステル樹脂層1と薄膜層2とが積層されたものである。本発明においては、図2に示すように、本発明による積層体10は、ポリエステル樹脂層1、薄膜層2、およびバリアコート膜3が順に設けられた積層体であってもよい。以下、本発明による積層体を構成する各層について説明する。
[ポリエステル樹脂層]
本発明による積層体を構成するポリエステル樹脂層1は、バイオマスポリエステル樹脂を含んでなる。バイオマスポリエステルは、上記したように、ジオール単位としてバイオマス由来のエチレングリコールを含み、ジカルボン酸単位として化石燃料由来のジカルボン酸を含むものである。本発明においては、バイオマスポリエステルの共重合成分であるジカルボン酸単位として、テレフタル酸とイソフタル酸とを含むことに特徴を有している。従来のバイオマスポリエステルは、バイオマス由来のエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られたものであったため、バイオマスポリエステル樹脂を基材層として用いた積層体では、該積層体を用いて包装体を作製するとクラックが発生することがあった。本発明はこの問題に着目し、バイオマスポリエステルの酸成分であるジカルボン酸単位として、テレフタル酸に加えてイソフタル酸を含有させることにより、積層体の柔軟性を向上させることができることを見出した。以下、本発明に使用されるバイオマスポリエステルについて説明する。
バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスを原料として製造されたエタノール(バイオマスエタノール)を原料としたものである。バイオマス由来のエチレングリコールは、バイオマスエタノールを、従来公知の方法により、エチレンオキサイドを経由してエチレングリコールを生成する方法などにより得ることができる。また、販売されているバイオマスエチレングリコールを使用してもよく、例えば、インディアグライコール社から販売されているバイオマスエチレングリコールを好適に使用することができる。
ジカルボン酸単位は、化石燃料由来のジカルボン酸が使用されるが、化石燃料由来のジカルボン酸として、テレフタル酸およびイソフタル酸を必須成分として含む。本発明においては、ジカルボン酸単位としてテレフタル酸に加えてイソフタル酸を含むことにより、得られるバイオマスポリエステルの柔軟性が向上し、その結果、積層体とした場合の耐クラック性が改善されるものと考えられる。イソフタル酸の含有量は、バイオマスポリエステルを構成する全ジカルボン酸単位に対して、0.5〜2.5モル%が好ましく、1.0〜2.5モル%であることが好ましい。0.5モル%未満であると柔軟性が向上しない場合があり、一方、2.5モル%を超えるとバイオマスポリエステルの融点が下がり耐熱性が不十分となる場合がある。
バイオマスポリエステルは、上記したジオール単位とジカルボン酸単位とを重縮合させる従来公知の方法により得ることができる。具体的には、上記のジオール単位とジカルボン酸単位とのエステル化反応および/またはエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法、または有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法などによって製造することができる。
バイオマスポリエステルを製造する際に用いるジオール単位の使用量は、ジカルボン酸またはその誘導体100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化および/またはエステル交換反応および/または縮重合反応中の留出があることから、0.1〜20モル%過剰に用いられる。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下で行うことが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
得られたバイオマスポリエステルは、固化させた後、さらに重合度を高めたり、環状三量体などのオリゴマーを除去したりするため、必要に応じて固相重合を行ってもよい。具体的には、バイオマスポリエステルをチップ化して乾燥させた後、100〜180℃の温度で1時間〜8時間加熱してバイオマスポリエステルを予備結晶化させ、続いて、190〜230℃の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下において1時間〜数十時間加熱することにより行われる。
得られるバイオマスポリエステルの固有粘度は、0.5dl/g〜1.5dl/gであることが好ましく、より好ましくは0.6dl/g〜1.2dl/gである。固有粘度が0.5dl/g未満の場合は、引裂き強度をはじめ、半透過反射フィルム基材としてバイオマスポリエステルフィルムに要求される機械特性が不足する可能性がある。他方、固有粘度が1.5dl/gを超えると、原料製造工程およびフィルム製膜工程における生産性が損なわれる。なお、固有粘度は、オルトクロロフェノール溶液で、35℃において測定される。
バイオマスポリエステルは、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が、バイオマスポリエステル中の全炭素に対して10〜30%含まれることが好ましい。大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、バイオマスポリエステル中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明においては、バイオマスポリエステル中のC14の含有量をPC14とした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioを、下記式(1)のように定義する。
bio(%)=PC14/105.5×100 ・・・(1)
本発明の積層体を構成するポリエステル樹脂層1は、他の成分を含んでいてもよい。ポリエステル樹脂層1は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が、ポリエステル樹脂層1中の全炭素に対して10〜30%含まれることが好ましく、15〜25%含まれることがより好ましい。ポリエステル樹脂層1に含まれる他の成分としては、化石燃料由来のポリエステルやリサイクルポリエステル等のポリエステルであってもよく、また、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどのポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂が含有されていてもよい。
上記したような樹脂を用いて、例えば、Tダイ法によってフィルム化することによりポリエステル樹脂層1を形成することができる。具体的には、上記した樹脂組成物を乾燥させた後、ポリエステルの融点以上の温度(Tm)〜Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することによりフィルムを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
上記のようにして得られたフィルムは2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸は従来公知の方法で行うことができる。例えば、上記のようにして冷却ドラム上に押し出されたフィルムを、続いて、ロール加熱、赤外線加熱などで加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムとする。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。
縦延伸は、通常、50〜100℃の温度範囲で行われる。また、縦延伸の倍率は、フィルム用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.2倍以下とするのが好ましい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は、ポリエステルフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。
縦延伸されたフィルムは、続いて横延伸、熱固定、熱弛緩の各処理工程を順次施して二軸延伸フィルムとなる。横延伸は、通常、50〜100℃の温度範囲で行われる。横延伸の倍率は、この用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上5.0倍以下が好ましい。2.5倍未満の場合はフィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムが得られにくく、5.0倍を超える場合は製膜中に破断が発生しやすくなる。
横延伸のあと、続いて熱固定処理を行うが、好ましい熱固定の温度範囲は、ポリエステルのTg+70〜Tm−10℃である。また、熱固定時間は1〜60秒が好ましい。さらに熱収縮率の低滅が必要な用途については、必要に応じて熱弛緩処理を行ってもよい。
上記のようにして得られる樹脂フィルムは、延伸フィルムの厚さは、その用途に応じて任意であるが、通常、5〜100μmであり、好ましくは5〜25μmである。このような樹脂フィルムの破断強度は、MD方向で5〜40kg/mm、TD方向で5〜35kg/mmであり、また、破断伸度は、MD方向で50〜350%、TD方向で50〜300%である。また、150℃の温度環境下に30分放置した時の収縮率は、0.1〜5%である。
[薄膜層]
薄膜層2は、無機物または無機酸化物の少なくともいずれかを含む薄膜層である。積層体はポリエステル樹脂層1の少なくともいずれか一方の面に薄膜層を備えることで、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性を向上させることができる。なお、積層体は、薄膜層を2層以上備えてもよい。薄膜層を2層以上備える場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
薄膜層としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物または無機酸化物を使用することができる。特に、包装体等に適するものとしては、ケイ素酸化物またはアルミニウム金属もしくはアルミニウム酸化物の蒸着膜を用いるのがよい。
本発明において、上記のような無機物または無機酸化物の薄膜層の膜厚としては、使用する無機物または無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜2000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
更に具体的に説明すると、アルミニウムの蒸着膜の場合には、膜厚50〜600Å位、更に、好ましくは、100〜450Å位が望ましく、また、酸化アルミニウムあるいは酸化珪素の蒸着膜の場合には、膜厚50〜500Å位、更に、好ましくは、100〜300Å位が望ましいものである。
薄膜層2の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
本発明による積層体は、上記したポリエステル樹脂層1および薄膜層2以外に、アンカーコート層、バリアコート膜、第1のシーラント層、第2のシーラント層、支持体層、バリア層、紙層、印刷層などその他の層を備えていてもよい。これら他の層は、ドライラミネーション法により接着剤層を介して、あるいは溶融押出しラミネーション法により接着性樹脂層を介して互いに積層することができる。以下、各層について説明する。
[プラズマによるポリエステル樹脂層の表面改質]
アルゴン、酸素、窒素、炭酸ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いて、真空状態の環境で発生させたプラズマを、ポリエステル樹脂層1の表面に当てることによって行う、プラズマによる表面改質を行うことができる。このプラズマによる表面改質をポリエステル樹脂層1に行うことにより、薄膜層2とポリエステル樹脂層1との密着性を向上させることができる。
[アンカーコート層]
アンカーコート層は、ポリエステル樹脂層1と薄膜層2との間に設けられてもよい。これにより、ポリエステル樹脂層と薄膜層との密着強度を高め、熱水殺菌処理後のデラミネーションの発生を防ぐことができる。
このような目的で、本発明において使用することができるアンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等からなるアンカーコート剤が挙げられるが、特に、構造中に2以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂と、硬化剤としてのイソシアネート化合物とからなるアンカーコート剤を、好ましく使用することができる。また、これに添加剤としてシランカップリング剤を併用してもよく、また、硝化綿を、耐熱性を高めるために併用してもよい。
アンカーコート層は、上述のようなアンカーコート剤を、例えばロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知のコーティング法でコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去し、硬化させることにより、形成することができる。上記のアンカーコート層の厚さは、0.2〜0.3μm程度が好ましい。
[バリアコート膜]
バリアコート膜3は、上記薄膜層2上に設けられることが好ましい。これにより、さらにガスバリア性を向上することができる。このようなバリアコートとしては、一般式:R M(ORで表される少なくとも1種以上のアルコキシド、ポリビニルアルコール及び/又はエチレン・ビニルアルコールを含有する組成物をゾルゲル法によって重縮合して得られるバリアコート用組成物によるものを好適に使用することができる。さらにシランカップリング剤を加えることができる。
上記のバリアコート膜に好適に使用できるアルコキシドは、一般式:R M(OR(式中、R、Rが炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子、nは0以上の整数、mは1以上の整数、n+mはMの原子価を表す)で表されるものであり、このアルコキシドの部分加水分解物又はアルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができる。なお上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、及びその混合物であってもよい。また、加水分解の縮合物は、部分加水分解アルコキシドが2量体以上のものを表しており、2〜6量体が通常使用される。
バリアコート膜3は、薄膜層2の上に、常法により、上記のバリアコート用組成物を通常の方法で塗布し、乾燥することにより形成することができる。バリアコート膜を塗布する方法としては、例えば、グラビアコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、デイッピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗装手段により、1回あるいは複数回の塗装で、乾燥膜厚が0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜10μmのバリアコートを形成することができる。また必要ならば、バリアコート膜を塗布する際に、予め、薄膜層2の上に、プライマー剤等を塗布することもできる。
本発明においては、ポリエステル樹脂層1上に薄膜層2とバリアコート膜3とを設けた後、さらに薄膜層を設け、その薄膜層上にバリアコート膜を上記と同様にして形成してもよい。このように積層数を増やすことにより、より一層ガスバリア性を向上することができる。
[第1のシーラント層]
第1のシーラント層は、包装体とした場合に最内層側となるものである。シーラント層は、熱によって相互に融着し得るヒートシール性樹脂により形成される層である。第1のシーラント層は、化石燃料由来の樹脂材料を含んでいてもよいし、バイオマス由来の樹脂材料を含んでいてもよい。
第1のシーラント層を形成する樹脂材料としては、熱によって相互に融着し得る樹脂であれば、特に限定されず、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、または、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは環状オレフィンコポリマーなどのポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他などの樹脂などが挙げられる。これらは、単独でも二種以上の混合物として使用してもよい。シーラント層は、上記のような樹脂のフィルムないしシート、あるいはそのコーティング膜などとして使用することができる。
第1のシーラント層を形成する樹脂材料として、ポリエチレンを用いる場合、その原料として、化石燃料から得られるエチレンの他に、バイオマス由来のエチレンを重合したものを用いてもよい。バイオマス由来のエチレンとしては、具体的には、例えば、特開2012―251006号公報に記載のものを使用することができる。バイオマス由来のエチレンを重合して得られたポリエチレンを、第1のシーラント層を構成する材料として用いることにより、カーボンニュートラルな材料からなる層で形成できるため、ポリエステル樹脂層1との併用によって、より一層、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
バイオマス由来のエチレンとしては、市販のものを使用してもよく、例えば、ブラスケム社製の「C4LL−LL118(d=0.916、MFR=1.0g/10分)」のサトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂や「SBC118(d=0.918、MFR=8.1g/10分)」のサトウキビ由来低密度ポリエチレン系樹脂を使用することができる。
なお、本実施形態においては、第1のシーラント層は一層としているが、第1のシーラント層は二層以上設けられていてもよい。第1のシーラント層を二層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。例えば、シーラント層2を第1の層と第2の層と第3の層が順に積層された3層で構成し、第1の層と第3の層を化石燃料由来の樹脂材料とし、第2の層をバイオマス由来の樹脂材料を含む樹脂材料としてもよい。なお、シーラント層2を2層以上で構成する場合、共押し出し法を用いて積層することができる。
第1のシーラント層の厚さとしては、20〜200μmが好ましく、30〜130μmがより好ましい。
積層体の一方の面(内面側)に第1のシーラント層をラミネートする方法としては、例えば、ドライラミネーション法、溶融押出しラミネーション法などが挙げられる。また、上記の積層を行う際に、必要に応じて、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理、その他などの前処理をフィルムに施すことができる。中でも、ドライラミネーション法が、接着強度に優れ、より好ましい。
[第2のシーラント層]
第2のシーラント層は、包装体とした場合に最外層となるものである。第2のシーラント層は、熱によって相互に融着し得るヒートシール性樹脂により形成される層である。第2のシーラント層は、第1のシーラント層3と同じ材料を使用することができる。
[支持体層]
支持体層は、積層体を支持し、積層体の強度特性や耐衝撃性などを向上させることができるものであれば、特に限定されるものではない。支持体層は、化石燃料由来の樹脂材料を含んでいてもよいし、バイオマス由来の樹脂材料を含んでいてもよい。支持体層3を形成する樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンなどのポリアミドなどが挙げられる。また、支持体層は延伸されていることが好ましく、二軸延伸されていることがさらに好ましい。また、支持体層は、これらの層を一層単独または二層以上を組み合わせて使用することができる。
支持体層を構成する材料として用いることができるポリエステルは、従来公知の化石燃料由来のポリエステルの他、バイオマス由来のポリエステルを用いることができる。また、ポリエステルは、従来の化石燃料由来の原料を含む樹脂材料とバイオマス由来の原料を含む樹脂材料とを混合したものであってもよい。
支持体層と第1のシーラント層との接着性を向上させるために、支持体層と第1のシーラント層との間には、変性ポリオレフィンからなる変性ポリオレフィン系樹脂からなる層を設けてもよい。変性ポリオレフィンは、主成分であるポリオレフィンの一部を共重合または共縮合などにより他の物質(モノマー)で置換するか、または、適当な物質(モノマー)を局所的に反応させるなどの方法により変性したポリオレフィン樹脂である。具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリエチレン系樹脂、または、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、上記したバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用できることは言うまでもない。
好ましい変性ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンセグメントとオレフィン以外の極性を有するセグメントとがブロック状および/またはグラフト状および/またはランダム状に結合している構造を有する共重合体であり、例えば、プロピレン系ポリオレフィンセグメントと乳酸を構成成分として含むセグメントとの共重合体、エチレン系ポリオレフィンセグメントとアクリル酸単位を構成成分として含むセグメントとの共重合体、プロピレン系ポリオレフィンセグメントとアクリル酸単位を構成成分として含むセグメントとの共重合体などが挙げられる。具体的には、例えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂として、三井化学(株)製のアドマーSE800、SF740、SF731、SF730を用いることができる。
また、支持体層を構成するバイオマス由来の樹脂材料としてはポリ乳酸を用いてもよく、例えば、三井化学東セロ社から販売されているポリ乳酸フィルムを好適に使用することができる。
支持体層の厚みは、例えば、5〜100μmであり、積層体の使用用途によって適宜調整してよく、例えば、剛性が要求される用途の包装材として積層体を使用する場合には、支持体層の厚みを厚くしてもよい。
また、支持体層をバイオマス由来の原料を含む樹脂材料を用いて形成することで、支持体層はカーボンニュートラルな樹脂からなる層となる。このため、ポリエステル樹脂層1との併用によって、より一層、化石燃料の使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
支持体層は、例えば、インフレーション法やTダイ法を用いて作製することができる。
[紙層]
紙層としては、所望の剛性などに応じて任意の紙を使用することができ、例えば、上質紙、模造紙、アート紙、コート紙、純白ロール紙、クラフト紙、耐水性を高めたラベル用紙、コップ原紙、カード紙、アイボリー紙、マニラボールなどの板紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、合成紙、クレイコート紙などの公知の紙を使用することができる。
紙層上に他の層を積層させる前に、紙層の表面にコロナ放電処理、フレーム処理などを施してもよい。これらの処理を施すことで層間の接着強度を向上させることができる。コロナ放電処理は、公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気中に紙基材を通過させることにより行うことができる。フレーム処理は、公知のフレーム処理器を用い、紙基材表面を火で炙ることにより行うことができる。
紙層1の坪量は、約80〜600g/mであり、好ましくは、坪量約150〜450g/mである。
[印刷層]
印刷層は、必要に応じて設けることができ、例えば、ポリエステル樹脂層1の薄膜層2側の面や紙層の外面に設けることができる。印刷層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者などの表示、その他などの表示のために、文字、絵柄、図形、記号、模様などの所望の任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。
[接着層]
ドライラミネーション法により2層を接着する際に設ける接着層は、積層しようとする層の表面に、接着剤層を塗布して乾燥させることにより形成することができる。接着剤としては、例えば、1液型あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他などの溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型などの接着剤を用いることができる。上記のラミネート用接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で積層体を構成する層の塗布面に塗布することができる。塗布量としては、0.1g/m〜10g/m(乾燥状態)が好ましく、1g/m〜5g/m(乾燥状態)がより好ましい。
溶融押出しラミネーション法により2層を接着する際に設ける接着層は、熱可塑性樹脂である接着樹脂層を用いて溶融押出しラミネーション法により形成される。接着樹脂層に使用できる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、または環状ポリオレフィン系樹脂、またはこれら樹脂を主成分とする共重合樹脂、変性樹脂、または、混合体(アロイでを含む)を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、メタロセン触媒を利用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン・ポリプロピレンのランダムもしくはブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン・マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、また、層間の密着性を向上させるために、上記したポリオレフィン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。
また、ポリオレフィン樹脂に、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、または、共重合した樹脂などを用いることができる。これらの材料は、一種単独または二種以上を組み合わせて使用することができる。環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリノルボネンなどの環状ポリオレフィンなどを用いることができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。なお、上記したポリエチレン系樹脂としては、上記したバイオマス由来のエチレンをモノマー単位として用いたものを使用できることは言うまでもない。例えば、紙層、接着樹脂層、薄膜層2、ポリエステル樹脂層1、第1のシーラント層が順に積層された積層体において、薄膜層2が金属を含む場合、接着樹脂層をエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)とすることにより、紙層と薄膜層2の接着性を向上させることができる。
接着樹脂層の厚さとしては、通常、5〜800μm、好ましくは10〜500μmの範囲内で適宜設定することができ、厚い場合には多層構成としてよい。厚さがこの範囲未満では、水分バリア性が不足し、この範囲以上では、過剰品質となり、また成形性も低下する。なお、接着層として、上記したような酸変性ポリオレフィン系樹脂などの極性基を有するポリオレフィン系樹脂を用いて溶融押出しラミネート法によりポリエステル樹脂層の面上に接着層を積層する場合には、アンカーコート剤などの表面処理を行うことなく接着層を積層させることができる。
このように、本発明による積層体は、ポリエステル樹脂層1および薄膜層2を備えたものであり、ポリエステル樹脂層1が、カーボンニュートラルな材料からなる層で形成され、かつ、イソフタル酸を含んでいる。このため、化石燃料の使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を減らすことができる。また、従来のテレフタル酸のみを含むバイオポリエステルよりも柔軟性に優れている。そのため、後述する参考例の仕様において、クラックの発生を抑制することができる。
[用途]
本発明による積層体は、包装袋、紙容器、紙カップ、各種ラベル材料、蓋材、シート成型品、ラミネートチューブ等の用途に好適に使用することができる。包装袋として、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型などの種々の形態が挙げられる。その場合の積層体の厚みは、用途に応じて、適宜決定することができ、例えば、30〜300μm、好ましくは35〜180μmの厚みのフィルムの形態で用いられる。
[包装袋]
本発明による積層体をスタンディングパウチに適用した場合について説明する。図3は、スタンディングパウチの構成の一例を簡略に示す図である。図3に示すように、スタンディングパウチ20は、2枚の胴部(側面シート)21と、底部(底面シート)22とで構成されている。スタンディングパウチ20は、側面シート21および底面シート22が同部材で構成されている。スタンディングパウチ20の側面シート21および底面シート22は、例えば、図4に示すように、ポリエステル樹脂層1、薄膜層2、第1のシーラント層4が順に積層された積層体10Aを用いて形成することができる。なお、本実施形態においては、スタンディングパウチ20は、側面シート21と底面シート22とが同部材で構成されているが、これに限定されるものではなく、側面シート21および底面シート22が別部材で構成されていてもよい。
[チューブ容器]
次に、本発明による積層体を用いてチューブ容器を形成した場合について説明する。図5は、チューブ容器の一例を簡略に示す部分断面図である。図5に示すように、チューブ容器30は、頭部31と、筒状胴部32とを備えている。頭部31は、中空円錐型の肩部33と注出口部34とからなり、一体に形成されている。
筒状胴部32は、頭部31の肩部33に連設されている。筒状胴部32は、積層体10Bを用いて形成することができる。チューブ容器の筒状胴部を形成する積層体10Bの部分断面図を図6に示す。図6に示すように、筒状胴部32を形成する積層体10Bは、第2のシーラント層5、ポリエステル樹脂層1、薄膜層2、第1のシーラント層4が順に積層されたものである。第1のシーラント層4は、チューブ容器とした場合に最内層となるものであり、第2のシーラント層5はチューブ容器とした場合に最外層となるものである。
[紙容器]
本発明による積層体を用いて紙容器を形成した場合について説明する。紙容器は、例えば、図7に示すように、第2のシーラント層5、紙層6、薄膜層2、ポリエステル樹脂層1、第1のシーラント層4が順に積層された積層体10Cを用いて形成することができる。第1のシーラント層4は、紙容器とした場合に最内層となるものであり、第2のシーラント層5は紙容器とした場合に最外層となるものである。図8に示すように、紙容器40は、側面を含む四角筒状の胴部41と、四角板状の底部42と、上部43とを有しており、所謂ゲーベルトップ型容器となっている。
上部43は、対向する一対の傾斜板44と、傾斜板44間に位置するとともに傾斜板44間に折込まれる一対の折込部45とを有している。また、一対の傾斜板44は各々の上端に設けられたのりしろ46により互いに接着している。なお、一対の傾斜板44のうちの一方の傾斜板44に注出口を取付け、注出口をキャップで密封するようにしてもよい。
紙容器40は、例えば、液体紙容器として使用することができる。また、積層体10Cを用いて、フラットトップ型容器を形成してもよい。
[紙カップ]
本発明による積層体を用いて紙カップを形成した場合について説明する。紙カップは、例えば、図9に示すように、紙層6、薄膜層2、ポリエステル樹脂層1、第1のシーラント層4が順に積層された積層体10Dを用いて形成することができる。図10は、紙カップの一部を切除した斜視図である。図10に示すように、紙カップ50は、上部にフランジ部51を有し、かつ直径が開口部へ向かって徐々に広がる円筒状の胴部52と、胴部52の下端(一端)に設けられた底部53とを備えている。胴部52は、その上端が外側に丸められたフランジ部51が設けられている。なお、紙カップ50は、内容物を収納した後に、胴部52のフランジ部51に沿って蓋材(図示せず)が貼着されることにより密封される。蓋材はガスバリア性を有していることが好ましい。
また、紙カップ50は、図11に示すように、胴部52の外周に外装体54を備えていてもよい。外装体54としては、例えば、紙を用いることができる。そして、胴部52には凸部55が形成されている。凸部55は、胴部52と外装体54との間に空気層の間隙56を設けるために形成される。凸部55は水平方向に一本以上設けられ、例えば、図11に示すように二本設けることができる。
[他の態様]
本発明の他の目的は、バイオマスポリエステルを含むポリエステル樹脂層と薄膜層とが積層された積層体において、柔軟性を向上させることができる積層体を提供することである。
本発明の他の態様による積層体は、少なくとも、ポリエステル樹脂層と、無機物または無機酸化物の少なくともいずれかを含む薄膜層とが積層された積層体であって、
前記ポリエステル樹脂層が、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル樹脂を含んでなり、
前記ジカルボン酸が、テレフタル酸とイソフタル酸とを含むものであってもよい。
本発明の他の態様においては、少なくとも、前記ポリエステル樹脂層、前記薄膜層およびバリアコート膜が順に積層された積層体であってもよい。
本発明の他の態様においては、少なくとも、いずれか一方の面に前記薄膜層を備えた前記ポリエステル樹脂層と、第1のシーラント層とが積層された積層体であってもよい。
本発明の他の態様においては、さらに紙層が積層された積層体であってもよい。
本発明の他の態様においては、少なくとも、第2のシーラント層、紙層、いずれか一方の面に前記薄膜層を備えた前記ポリエステル樹脂層、および第1のシーラント層が順に積層された積層体であってもよい。
本発明の他の態様においては、前記第1および/または第2のシーラント層が、化石燃料由来またはバイオマス由来の樹脂材料を含み、前記樹脂材料がポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリ乳酸からなる群より選択される樹脂を含んでいてもよい。
本発明の他の態様によれば、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂層を備えた積層体において、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を含むことにより、柔軟性を向上させることができる積層体を実現することができる。
[柔軟性の評価]
ここで、ポリエステル樹脂1を備えた積層体を用いて柔軟性を評価した結果を示す。
<参考例1>
<積層体1の作製>
化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のイソフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコール(バイオマスポリエステル)と、化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のエチレングリコール(化石燃料ポリエステル)とを用いて製膜された厚みが12μmの二軸延伸されたポリエステルフィルム1を準備した。ポリエステルフィルム1は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量は20%であった。また、イソフタル酸の含有量は、バイオマスポリエステルを構成する全ジカルボン酸単位に対して、2.0モル%であり、ポリエステルフィルム1におけるイソフタル酸の含有量は、ポリエステルフィルム1を構成する全ジカルボン酸単位に対して、1.33モル%であった。
上記ポリエステルフィルム1の一方の面にコロナ処理を施し、コロナ処理面に、印刷層(絵柄)を形成した。次に、サンドラミネート法を用いて、ポリエステルフィルム1の印刷面と、アルミニウム箔(厚さ7μm)とを、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ15μm)を介して貼合した。さらに、サンドラミネート法を用いて、該アルミニウム箔と、化石燃料由来の低密度ポリエチレンフィルム(密度0.920g/m、厚さ40μm)とを、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ15μm)を介して貼合し、ポリエステルフィルム1、印刷層、低密度ポリエチレン、アルミニウム箔、低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体1を得た。
<参考例2>
<積層体2の作製>
化石燃料由来のテレフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコール(バイオマスポリエステル)と、化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のエチレングリコール(化石燃料ポリエステル)とを用いて製膜された厚みが12μmの二軸延伸されたポリエステルフィルム2を準備した。ポリエステルフィルム2は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量は20%であった。
上記ポリエステルフィルム1の代わりに上記ポリエステルフィルム2を用いた以外は、参考例1と同様に作製して、ポリエステルフィルム1、印刷層、低密度ポリエチレン、アルミニウム箔、低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体2を得た。
<柔軟性評価>
上記積層体1および2を用いて、ポリエステルフィルム1および2の柔軟性(ループスティフネス)を評価した。評価結果を表1に示す。ここで、MD方向はバイオマスポリエステルフィルムの搬送方向を指し、TD方向はMD方向と直交する方向を指す。柔軟性は以下のようにして評価した。まず、サンプルを幅15mmおよび長さ165mmに切り出して、それぞれ試験片を得た。そして、この試験片をループ長60mmでループスティフネステスター(テスター産業(株)製)を用いて各積層体の腰強度値(mN/15mm)を測定した。
この結果は、ポリエステルフィルム1のほうが軟らかいことを示すものである。この結果から、ポリエステルフィルム2に比べてポリエステルフィルム1のほうが薄膜層にクラックが発生しにくいことが期待できる。
Figure 0006963760
[クラックの評価]
次に、ポリエステル樹脂1を備えた積層体を用いてクラックの発生を評価した結果を示す。
<参考例3>
<積層体3の作製>
まず、サンドラミネート法を用いて、上記ポリエステルフィルム1の一方の面と、化石燃料由来の低密度ポリエチレンフィルム(密度0.920g/m、厚さ40μm)とを、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ15μm)を介して貼合した。次に、ドライラミネート法を用いて、ポリエステルフィルム1の他方の面とアルミニウム箔(厚さ7μm)とを貼合した。また、押出しラミネート法を用いて、紙(坪量400g/m)の一方の面に化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ20μm)を積層した。最後に、サンドラミネート法を用いて、該アルミニウム箔と、紙(坪量400g/m)の他方の面とを化石燃料由来のエチレンメタクリレート(EMAA、厚さ20μm)を介して貼合して、低密度ポリエチレン、紙、エチレンメタクリレート、アルミニウム箔、ポリエステルフィルム1、低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体3を得た。
<参考例4>
<積層体4の作製>
上記ポリエステルフィルム1の代わりに上記ポリエステルフィルム2を用いた以外は、参考例3と同様に作製して、低密度ポリエチレン、紙、エチレンメタクリレート、アルミニウム箔、ポリエステルフィルム2、低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体4を得た。
<クラックの評価>
雄型と雌型で押圧することにより、上記積層体3および上記積層体4に罫線加工を施すとともに、紙容器用のブランクに打ち抜いた。その後、アルコール溶液を収容するとともに、低密度ポリエチレンフィルムの面が内面になるようにブランクを図8に示す紙容器に製函した後、1週間経過後のアルミニウム箔の腐食を目視により観察した。積層体3は、アルミニウム箔の腐食は観察されなかった。一方、ポリエステルフィルム2を用いた積層体4は、アルミニウム箔の腐食が観察された。これは、罫線加工によりポリエステルフィルムにクラックが発生した結果、低密度ポリエチレンフィルムの面からアルコール溶液がポリエステルフィルムを通過してアルミニウム箔まで達したことを示すものである。この結果からも、ポリエステルフィルム2に比べてポリエステルフィルム1のほうが薄膜層にクラックが発生しにくいことが期待できる。
<実施例1>
<積層体5の作製>
化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のイソフタル酸とバイオマス由来のエチレングリコール(バイオマスポリエステル)と、化石燃料由来のテレフタル酸と化石燃料由来のエチレングリコール(化石燃料ポリエステル)とを用いて製膜された厚みが12μmの二軸延伸されたポリエステルフィルム1を準備した。ポリエステルフィルム1は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量は20%であった。また、イソフタル酸の含有量は、バイオマスポリエステルを構成する全ジカルボン酸単位に対して、2.0モル%であり、ポリエステルフィルム1におけるイソフタル酸の含有量は、ポリエステルフィルム1を構成する全ジカルボン酸単位に対して、1.33モル%であった。
上記ポリエステルフィルム1に、アンカーコート剤を塗布乾燥し、0.3μmのアンカーコート層を形成した。上記アンカーコート剤は、硝化綿1重量部及びアクリルポリオール5重量部を、メチルエチルケトン(MEK)/酢酸エチル1:1の希釈溶剤中で混合撹拌して得られた主剤と、イソホロンジイソシアネート(IPDI)からなる硬化剤とからなり、ここで、主剤のOH基に対して、NCO基が等量となるように調製した。次いで、40℃で48時間エージングを行った後、下記に示す蒸着条件により、電子線(EB)加熱方式による真空蒸着法により、膜厚200Åの酸化アルミニウムの薄膜層を積層した。
このときの冷却ドラム温度は、−15℃であった。
(蒸着条件)
・蒸着チャンバー内の真空度: 2×10−4 mbar
・巻き取りチャンバー内の真空度: 2×10−2 mbar
・電子ビーム電力: 25 kw
・フィルムの搬送速度: 480 m/min
・蒸着面: コロナ処理
そして、形成した蒸着膜上に、以下の組成を有するバリアコート形成用組成物を、グラビアロールコート法により塗布し、次いで、180℃で60秒間、加熱処理して、厚さ0.3μm(乾燥状態)のバリアコート膜を形成し、ポリエステルフィルム1、酸化アルミニウムの薄膜層、バリアコート膜が順に積層された積層体5を得た。
Figure 0006963760
(調製方法)
調製した組成aのポリビニルアルコールと、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成bのエチルシリケート、シランカップリング剤、塩酸、イソプロピルアルコール、イオン交換水からなる加水分解液を加えて撹拌し、無色透明のバリアコート形成用組成物を得た。
<バリア性評価>
上記積層体5を用いて、以下の通り、バリア性の評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、各測定は、サンプル1〜4の4点で行った。
(水蒸気透過度の測定)
温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定機(パーマトラン(PERMATRAN)、モコン(MOCON)社製)を用いて、水蒸気透過度を測定した。なお、水蒸気透過度が2.0以下の場合を良好と評価した。
(酸素透過度の測定)
温度23℃、湿度90%RHの条件で、酸素透過度測定機(オクストラン(OX−TRAN)、モコン(MOCON)社製)を用いて、酸素透過度を測定した。なお、酸素透過度が1.0以下の場合を良好と評価した。
Figure 0006963760
<実施例2>
<積層体6の作製>
上記積層体5のバリアコート膜が設けられた側の面に、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ40μm)を320℃で押し出して、シーラント層を形成し、ポリエステルフィルム1、酸化アルミニウムの薄膜層、バリアコート膜、低密度ポリエチレンが順に積層された積層体6を得た。そして、側面シート21および底面シート22として積層体6を用いて、図3に示すスタンディングパウチを作製した。
<実施例3>
<積層体7の作製>
化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ40μm)の代わりにバイオマス由来の低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、SBC118、密度0.918g/m、厚さ40μm)を用いた以外は、実施例2と同様に作製して、ポリエステルフィルム1、酸化アルミニウムの薄膜層、バリアコート膜、低密度ポリエチレンが順に積層された積層体7を得た。そして、側面シート21および底面シート22として積層体7を用いて、図3に示すスタンディングパウチを作製した。
<実施例4>
<積層体8の作製>
ドライラミネート法を用いて、上記積層体5のバリアコート膜が設けられた側の面と化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.916g/m、厚さ130μm)とを貼合した。次に、ドライラミネート法を用いて、上記積層体のバリアコート膜が設けられていない側の面と化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.916g/m、厚さ130μm)とを貼合して、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、バリアコート膜、酸化アルミニウムの薄膜層、ポリエステルフィルム1、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体8を得た。そして、筒状胴部32として、積層体8を用いて、ポリエステルフィルム1に隣接する直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが内面になるようにして、図5に示すチューブ容器を作製した。
<実施例5>
<積層体9の作製>
ポリエステルフィルム1に隣接する化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.916g/m、厚さ130μm)の代わりにバイオマス由来の直鎖状低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、SLL118、密度0.916g/m、厚さ130μm)を用いた以外は、実施例4と同様に作製して、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、バリアコート膜、酸化アルミニウムの薄膜層、ポリエステルフィルム1、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体9を得た。そして、筒状胴部32として、積層体9を用いて、ポリエステルフィルム1に隣接する直鎖状低密度ポリエチレンフィルムが内面になるようにして、図5に示すチューブ容器を作製した。
<実施例6>
<積層体10の作製>
サンドラミネート法を用いて、上記積層体5のバリアコート膜が設けられていない側の面と、化石燃料由来の低密度ポリエチレンフィルム(密度0.920g/m、厚さ40μm)とを、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ15μm)を介して貼合した。また、押出しラミネート法を用いて、紙(坪量400g/m)の一方の面に化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ20μm)を積層した。最後に、サンドラミネート法を用いて、上記積層体5のバリアコート膜が設けられた側の面と、紙(坪量400g/m)の他方の面とを化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ15μm)を介して貼合して、低密度ポリエチレン、紙、低密度ポリエチレン、バリアコート膜、酸化アルミニウムの薄膜層、ポリエステルフィルム1、低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体10を得た。そして、雄型と雌型で押圧することにより積層体10に罫線加工を施すとともに、紙容器用のブランクに打ち抜いた後、低密度ポリエチレンフィルムの面が内面になるようにして、図8に示す紙容器を作製した。
<実施例7>
<積層体11の作製>
化石燃料由来の低密度ポリエチレンフィルム(密度0.920g/m、厚さ40μm)の代わりにバイオマス由来の低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、SBC118、密度0.918g/m、厚さ40μm)を用いた以外は、実施例6と同様に作製して、低密度ポリエチレン、紙、低密度ポリエチレン、バリアコート膜、酸化アルミニウムの薄膜層、ポリエステルフィルム1、低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンフィルムが順に積層された積層体11を得た。そして、雄型と雌型で押圧することにより積層体11に罫線加工を施すとともに、紙容器用のブランクに打ち抜いた後、低密度ポリエチレンフィルムの面が内面になるようにして、図8に示す紙容器を作製した。
<実施例8>
<積層体12の作製>
押出しラミネート法を用いて、上記積層体5のバリアコート膜が設けられていない側の面に化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ40μm)を積層した。次に、サンドラミネート法を用いて、紙(坪量270g/m)と、上記積層体5のバリアコート膜が設けられた側の面とを、化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ15μm)を介して貼合して、紙、低密度ポリエチレン、バリアコート膜、酸化アルミニウムの薄膜層、ポリエステルフィルム1、低密度ポリエチレンが順に積層された積層体12を得た。また、紙(坪量250g/m)に印刷層を形成した。そして、積層体12を用いて胴部52および底部53を形成した後、胴部52の外周に印刷層を設けた紙を印刷層が外側になるように巻くことにより、図11に示す紙カップを作製した。
<実施例9>
<積層体13の作製>
最内層の化石燃料由来の低密度ポリエチレン(密度0.920g/m、厚さ40μm)の代わりにバイオマス由来の低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、SBC118、密度0.918g/m、厚さ40μm)を用いた以外は、実施例8と同様に作製して、紙、低密度ポリエチレン、バリアコート膜、酸化アルミニウムの薄膜層、ポリエステルフィルム1、低密度ポリエチレンが順に積層された積層体13を得た。また、紙(坪量250g/m)に印刷層を形成した。そして、積層体13を用いて胴部52および底部53を形成した後、胴部52の外周に印刷層を設けた紙を印刷層が外側になるように巻くことにより、図11に示す紙カップを作製した。
1 ポリエステル樹脂層
2 薄膜層
3 バリアコート膜
4 第1のシーラント層
5 第2のシーラント層
6 紙層
10、10A、10B、10C、10D 積層体
20 スタンディングパウチ
30 チューブ容器
40 液体紙容器
50 紙カップ

Claims (7)

  1. 胴部と、底部とを備える紙カップであって、
    前記胴部は、積層体により形成されており、
    前記胴部は、胴部の上端が外側に丸められたフランジ部を備え、
    前記積層体は、少なくとも、紙層と、無機物または無機酸化物の少なくともいずれかを含む薄膜層をいずれか一方の面に備えたポリエステル樹脂層と、第1のシーラント層と、が順に積層されたものであ
    前記第1のシーラント層が前記積層体の最内層を構成しており、
    前記ポリエステル樹脂層が、バイオマス由来のエチレングリコールをジオール単位とし、化石燃料由来のジカルボン酸をジカルボン酸単位とするバイオマスポリエステル樹脂を含む2軸延伸フィルムであり、
    前記ジカルボン酸が、テレフタル酸とイソフタル酸とを含み、
    前記イソフタル酸の含有量は、前記バイオマスポリエステル樹脂を構成する全ジカルボン酸単位に対して、2.5モル%以下であることを特徴とする、紙カップ。
  2. 前記イソフタル酸の含有量は、前記バイオマスポリエステル樹脂を構成する全ジカルボン酸単位に対して、.5モル%以である、請求項1に記載の紙カップ。
  3. 前記ポリエステル樹脂層の少なくともいずれか一方の面に前記薄膜層を備える、請求項1または2に記載の紙カップ。
  4. 前記積層体が、第2のシーラント層をさらに備え、
    前記第2のシーラント層が前記積層体の最外層を構成している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の紙カップ。
  5. 前記第1のシーラント層が、化石燃料由来またはバイオマス由来の樹脂材料を含み、前記樹脂材料がポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリ乳酸からなる群より選択される樹脂を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紙カップ。
  6. 前記カップの胴部は、胴部の下端が内側に折り返された状態で底部と接着している、請求項1〜のいずれか一項に記載の紙カップ。
  7. さらに蓋材を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の紙カップ。
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