JP2006168775A - 紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器であって、前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であって、その接着剤塗布面にウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した積層材料を成形してなることを特徴とする紙容器およびその容器を構成する積層材料の製造方法である。
【選択図】図1
Description
紙層を基材とし、最内層がポリプロピレン層、最外層がポリプロピレン層からなる積層材料を成形した紙容器において、前記基材と最内層の間にバリア層を設け、前記最内層及び最外層のポリプロピレン層が溶融押出成形されている、スープ等の油分を含んだ液体の内容物をいれ、電子レンジ等で加熱しても発泡が生じることが無く安定した形状を維持することができる紙容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、最内層および最外層にポリプロピレンフィルムを使用することから、一般的に、ポリエチレンの溶融点は約100〜120℃であるのに対して、ポリプロピレンの溶融点は約140〜160℃であり、溶融点が高いために耐熱性は向上するが、成形が困難であり成形する際の熱エネルギーの制御が困難で成形加工時の問題があった。また、紙基材との接着やバリアフィルムとの接着などが十分でなく接着の点でも問題があった。
紙層とバリア層とをドライラミネート層を介して積層した基材の両側に、熱可塑性樹脂層を設けた積層材料をそのまま加熱成形しても、接着樹脂層を用いた場合のようなバブリング現象の発生、内層のフィルムが露出する恐れがなく、また、ウエットラミネート層のように水分を除去する工程を必要とせず、しかも経時的にラミネート強度の低下がない、加熱成形した紙製液体容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、通常、紙基材として坪量が240〜350g/m2の厚紙が用いるために、ドライラミネート積層法は溶融押し出し積層法に比較して加工速度が遅く、コスト高になる問題、ラミネートする場合、接着剤を介して貼り合わせるため接着層から剥離したり、接着剤の残留有機溶剤によって異臭が残ったりする場合があった。
外面側よりポリエチレン樹脂層、紙、中間樹脂層、バリアフィルム、シーラント層が順次積層され、前記中間樹脂層に高融点のポリエチレン樹脂が使用されている、成形時にピンホールの発生のない、また、貼り合わせ不良を生じないカップ状容器用積層材料とその積層材料を用いたカップ状容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、前記層構成からなる積層材料を用いてカップ状容器を成形する際、最内層のシーラント層であるポリエチレン樹脂を300〜400℃のホットエアで溶融してヒートシール等の加熱成形時、この時の熱量で紙層の水分が蒸発し、紙とバリア層との間に存在する低密度ポリエチレン樹脂層が発泡現象を起こして、バリア層にピンホールを発生させたり、あるいは、貼り合わせ不良を招いたりすることがあった。また、発泡現象が発生したまま、容器を成形すると、バブリングした部分の内側のフィルムが露出して、外観が悪くなるうえ、バブリングで延びた積層材料を傷つけ、ピンホールが発生していた。
請求項1に係る発明は、
少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器であって、
前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であって、その接着剤塗布面にウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した積層材料を成形してなることを特徴とする紙容器である。
請求項1記載の溶融押し出し樹脂層を構成する溶融押し出し樹脂のJIS K6760の測定方法に準拠したメルトフローレート(MFR)が、1以上10以下であることを特徴とする請求項1記載の紙容器である。
前記バリアフィルム層を構成するバリアフィルムが、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、金属酸化物蒸着フィルムから選ばれるいずれかのバリアフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の紙容器である。
容器が、積層材料を予め設けた罫線から折り曲げ成形してなる屋根型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器である。
容器が、カップ形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器である。
容器が、円筒型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器である。
少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器において、
前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層をインラインで0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層面に溶融押し出し樹脂を溶融押し出し、前記接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるように紙層とバリアフィルム層を積層することを特徴とする積層材料の製造方法である。
本発明により、少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層する際に、紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を押し出しサンドラミネーション法により積層された積層材料を成形してなる紙容器であることから、紙層中に含む水分が加熱されて生ずる水蒸気による積層材料に発生する発泡現象を抑制し、その発泡現象に伴う積層材料の層間で生ずる層間剥離やピンホールの発生を防止することが可能である。
(1)紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層するその溶融押し出し樹脂として、一般汎用の接着性熱可塑性樹脂を用いることができるので、押し出し適性、バリアフィルムとの接着適性、量産適性に対応した熱可塑性樹脂を広い範囲の材料から選択することができる。(2)インラインで接着剤層を形成できるので、同一工程で積層材料を製造することができ、経済的コスト面で有利である。
IS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であることが望ましい。サイズ度を400秒以上とすることで、接着剤の紙層中への染み込みを防止できることから、接着剤層を容易に塗布形成できことから、紙層からの水分を遮蔽して発泡抑制効果も向上する。また、必要に応じて紙基材の熱可塑性樹脂層と接する面に印刷層(図示せず)を設けることができる。
気に対して安定であって、成形後においても、長期間安定したバリア性を維持することができる。
次に、上述した本発明の紙容器用積層材料の製造方法について説明する。
前記紙層22を構成する紙基材に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層23をインラインで0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層23面に溶融押し出し樹脂を溶融押し出し、前記接着剤層23を紙層22と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにしてバリアフィルム層25を積層する。
実施例1において、ポリエステルポリウレタン系接着剤の代わりにポリエーテル系接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
実施例1において、接着剤層を設けないで実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
実施例1において、接着剤層を設けないで、溶融押し出し樹脂としてポリエチレン樹脂(MFRが3.7)の代わりにポリエチレン樹脂(MFRが16)を用いた以外は実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
実施例1において、紙層を構成する紙基材として坪量240g/m2のコートカップ原紙(接着剤を塗布する面でのサイズ度440秒)の代わりに坪量240g/m2のノーコートカップ原紙(接着剤を塗布する面でのサイズ度35秒)を用いた以外は実施例1と同様にして紙容器用積層材料を作製した。
ることなく実用性があることが確認された。このことは、本発明の紙容器を構成する積層材料を構成する紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した構成であることから、280℃のホットエアーで加熱した場合であっても、紙層中に含む水分による発泡現象を抑制し、それに伴って、紙層とバリアフィルム層との間で層間剥離やピンホール等の発生を防止することが可能となったものである。
20・・・紙容器を構成する積層材料
21・・・熱可塑性樹脂層
22・・・紙層
23・・・接着剤層
24・・・押し出し溶融樹脂層
25・・・バリアフィルム層
26・・・シーラント層
30・・・円筒形状紙容器
40・・・屋根型形状紙容器
Claims (7)
- 少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器であって、
前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であって、その接着剤塗布面にウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層を0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるようにして紙層とバリアフィルム層を積層した積層材料を成形してなることを特徴とする紙容器。 - 請求項1記載の溶融押し出し樹脂層を構成する溶融押し出し樹脂のJIS K6760の測定方法に準拠したメルトフローレート(MFR)が、1以上10以下であることを特徴とする請求項1記載の紙容器。
- 前記バリアフィルム層を構成するバリアフィルムが、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、金属酸化物蒸着フィルムから選ばれるいずれかのバリアフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の紙容器。
- 容器が、積層材料を予め設けた罫線から折り曲げ成形してなる屋根型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器。
- 容器が、カップ形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器。
- 容器が、円筒型形状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙容器。
- 少なくとも、紙層とバリアフィルム層とを溶融押し出し樹脂層を介して積層した紙基材を主体とする積層材料を成形してなる紙容器において、
前記紙層紙基材の接着剤塗布面のJIS P8122の測定法に準拠したサイズ度が400秒以上であるその接着剤塗布面に、ウレタン結合を有する2液硬化型接着剤からなる接着剤層をインラインで0.5g/m2以上4g/m2以下の塗布量で塗布形成し、その接着剤層面に溶融押し出し樹脂を溶融押し出し、前記接着剤層を紙層と溶融押し出し樹脂層の間に介在させるように紙層とバリアフィルム層を積層することを特徴とする積層材料の製造方法。
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