JP4576831B2 - 感温アクチュエータ及びそれを用いた感温スイッチ - Google Patents

感温アクチュエータ及びそれを用いた感温スイッチ Download PDF

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Description

本発明は、大電流の遮断に適した感温アクチュエータ及び感温スイッチに関する。
感温スイッチは、発熱する物体の温度を検知し、その温度に応じてスイッチをオンまたはオフにするものである。この感温スイッチには、バイメタルを利用するものや、例えば特許文献1のように感温磁性体と磁石を組み合わせたリードスイッチを用いるものがある。
また、特許文献2は、感温フェライトの温度が上昇したときに、戻しばねが磁石を感温フェライト(感温磁性体)から離脱する方向に付勢し、磁石に設けられたスピンドルがマイクロスイッチを切り換える感温センサーの構成を開示している。
また、特許文献3は、感温磁性体の温度が上昇したときに、感温磁性体に吸着する永久磁石が、永久磁石または磁性材料により形成され、空隙を介して設けられた吸着体に吸着することにより、永久磁石に設けられた作動子が電気接点を開放する熱応動スイッチを開示している。
特開昭50−9077号公報 特開平10−38707号公報 特開昭55−12624号公報
ところで、一般に大電流を遮断するスイッチにおいては、端子でのジュール損による発熱や、接点におけるアーク放電を抑える必要がある。端子の発熱は、端子を形成する導体の抵抗率を小さくして端子の抵抗を低減することや、端子間の接圧を大きくして接点における接触抵抗を小さくすることにより低減することができ、アーク放電は、端子間が開放したときの接点ギャップを大きくすることや、端子の遮断速度を高速にすることにより抑えることができる。そのため、感温スイッチで大電流の遮断に適した構成とするためには、これらを実現するための構成を有する必要がある。
しかしながら、従来のバイメタルを用いた感温スイッチは、バイメタルの抵抗値が大きく、発熱が大きくなる。また、特許文献1に開示されている感温磁性材料と磁石とを組み合わせたリードスイッチは、構造が簡単であり小型化、低コスト化に優れるが、導体間の接圧を大きくすることができない。
また、特許文献2に開示されている感温センサーは、端子間の抵抗を小さくすることができるが、戻しばねの力で磁石とスピンドルを動作させるので、磁石とスピンドルを動作させる力が変位の大きさに応じて変化し、端子間が開放したときの接点ギャップを大きくする設計を行うことが困難である。特許文献3に開示されている熱応動スイッチは、端子間の抵抗を小さくすることができるが、感温磁性体に吸着する永久磁石が、大きな空隙を介して設けられた吸着体に吸着するので磁気効率が悪く、接点ギャップを大きくする設計を行うことは困難である。
上記のように、従来の感温スイッチは、大電流を遮断する目的に用いるのに十分に適したものではなかった。本発明は、上記事由を考慮してなされたもので、その目的とするところは、大電流の遮断に適した感温アクチュエータ及びそれを用いた感温スイッチを提供することにある。
上記課題を解決するために、本願発明は、軸と磁石部材とを有する可動部と、温度が高くなるにつれて透磁率が低下する感温磁性体と前記磁石部材に軸方向の力を与える磁性部材とを有する固定部と、をケースに備え、可動部は、感温磁性体の温度が所定の値を超えないときに前記磁石部材により感温磁性体に吸着し、感温磁性体の温度が前記所定の値を超えたときに前記磁石部材が感温磁性体から離れて軸方向に移動する感温アクチュエータであって、前記磁石部材は、着磁方向が軸方向に略直交するとともに軸方向に伸びる柱状部を備え、前記磁性部材に前記柱状部の一部を遊嵌できる筒状部を設けている。
本願発明の感温アクチュエータによれば、磁性部材の筒状部が軸方向に略直交する方向に着磁された磁石部材の柱状部を遊嵌した状態においては、主に筒状部の磁石部材側の端部と柱状部の側面との間で軸方向の力が生じるので、可動部のストローク変化に対して略一定の軸方向の力を得ることができ、大きな動作速度を得ることができる。また、軸方向に略一定の力を得られるストローク範囲は、筒状部と柱状部の長さを調整することにより定めることができるので、このストローク範囲を感温スイッチにおけるアーク放電を抑制できる接点ギャップを考慮して設定することにより、大電流の遮断に適したものにすることができる。
また、本願発明の感温スイッチによれば、本願発明の感温アクチュエータを用いるとともに、端子間を接触させ接圧を高めるばね部材を有するので、端子間の抵抗を低減することができる。そのため、端子間の発熱や接点におけるアーク放電を抑えて大電流の遮断に適したものにすることができる。
(第1の実施形態)
まず、本願発明に係る感温スイッチの第1の実施形態について、図1〜図10に基づいて説明する。本願発明に係る感温スイッチは、可動部Mと固定部Sとをケース1に備える感温アクチュエータと、この感温アクチュエータにより接触した状態から離れた状態にされる端子7a,7bを有する端子部7と、端子7a,7bの接圧を高めるばね部材8とを主要構成部材としている。
ケース1は、図1に示すように、中央ケース1aと、下部ケース1bと、上部ケース1dとを有して構成されており、そのそれぞれが耐熱性の樹脂で内外径の等しい有底円筒状に形成されている。中央ケース1aと下部ケース1bは、耐熱性の樹脂で形成された円弧状の接続片1cを接着することにより、互いに開口部が向かい合うように接続され、その内部には可動部Mと固定部Sとが収納されている。上部ケース1dは、端子部7とばね部材8とを収納し、開口部が中央ケース1aの底面に接着し固定されている。このようにして、ケース1は、中央ケース1aと下部ケース1bと上部ケース1dの外周面が一致した円柱形状に形成されている。また、中央ケース1aの底面中央には、後述の軸2aの外径よりも大きな貫通孔1aaが設けられており、上部ケース1dの内部には、底面が扇形の柱状に形成さればね部材8の横方向の変形を規制する変形止め部材1eが設けられている。
可動部Mは、可動部基体2と、磁石部材3と、ヨーク9(別の磁性部材に対応する)とを有して構成されている。可動部基体2は、異なる径の2つの円柱を同軸に積み重ねて接続したような断面視T字状にアルミニウムで形成されたものであり、小さい径の部分が軸2aを、大きい径の方が大径部2bを形成している。この可動部基体2は、中央ケース1aに底面側から軸2a、大径部2bの順に並ぶように収納されている。また、大径部2bは、中央ケース1aの内径にすきまばめで嵌め合わされており、可動部基体2は、中央ケース1aの内面に案内され、がたつかずに軸2a方向にスムーズに摺動することができる。そして、軸2aは、中央ケース1aの貫通孔1aaを通り、その先端で端子7bを押すことができる。
磁石部材3は、例えばネオジウムなどの希土類の磁石材料を含有した永久磁石であり、第1磁石3aと第2磁石3bにより構成されている。第1磁石3aは、中央に貫通孔を有して円柱状に形成されている。この第1磁石3aは、1つの直径方向に平行に着磁されており、貫通孔において軸2aと嵌合されて大径部2bの軸2a側の面に接触するように設けられている。このようにして、第1磁石3aは、着磁方向が軸方向に略直交するとともに軸方向に伸びる磁石部材3の柱状部を形成している。
第2磁石3bは、互いに合同な大径部2bと同じ径の半円板状に形成され、板厚方向に着磁された2つの磁石3ba,3bbにより構成されている。第2磁石3bは、図4に示すように、着磁方向が互いに異なるように磁石3ba,3bbを円板状に組み合わせて形成され、大径部2bと同じ径の円板状の磁性体10を介して大径部2bの軸2a側の面に対して反対側の面に設けられている。ここで、大径部2bと磁性体10との間と、磁性体10と第2の磁石との間とは、例えば接着剤で接着するなどして固定されている。この第2磁石3bは、後述の感温磁性体4に吸着する。ここで、第2磁石3bは、大径部2bにより第1磁石3aから一定の距離を有して設けられているので、第1磁石3aを通る磁路と、第2磁石3bを通る磁路とが互いに干渉しないようにしている。
ヨーク9は、図3に示すように、磁性材料で中心角が約90°の円弧状に形成された互いに合同なヨーク片9a,9bを有している。ヨーク片9a,9bはともに第1磁石3aの磁極面に設けられており、ヨーク片9aは、第1磁石3aのS極側に、ヨーク片9bは、第1磁石3aのN極側に可動部基体2の大径部2bの軸2a側の面に接するように固定されている。このとき、ヨーク片9a,9bは、それぞれ第1磁石3aの異種の磁極間をまたがないように設けられている。それは、異種の磁極にまたがって設けると、N極から生じるほとんどの磁束がヨーク9を通ってS極に向かうため、軸2a方向の力に寄与する磁束が生じにくくなるためである。このヨーク9は、その外径が第1磁石3aに固定された状態で大径部2bの径と同じ径になるようになっている。また、ヨーク9は、後述のフランジ5の可動部M側の端部に向かう面を有している。
固定部Sは、感温磁性体4と、フランジ5(磁性部材に対応する)と、第3磁石11(別の磁石部材に対応する)とを有して形成されている。感温磁性体4は、感温磁性材料により中央ケース1a及び下部ケース1bと同じ外径の円板状に形成されたものであり、図1及び図5に示すように、中央ケース1aと下部ケース1bとの間に設けられ、その外周面の一部が接続片1cによって覆われている。ここで用いられている感温磁性材料は、Fe、Ni、Crを含む合金で、温度が高くなるにつれて透磁率が低下するものである。この温度を高くしていくと、透磁率は空気とほぼ同じとなり、それ以上は低下しなくなる。このときの温度をキュリー温度という。感温磁性材料は、Fe、Ni、Crの混合比率を変化させることにより、その透磁率やキュリー温度を設定することができる。また、感温磁性体4は、図5に示すように、その一部が感温スイッチの表面に露出されており、熱源を直に接触させることができる。
フランジ5は、磁性材料で有底円筒状に形成されており、中央ケース1aの内周面にしまりばめで嵌め合わされ、フランジ5の底面と中央ケース1aの底面とが接触するように収納されている。そして、このフランジ5は、磁石部材3に軸2a方向の力を与えるものであり、図2に示すように、内径が第1磁石3aの外径よりもやや大きくされ、第1磁石3aを遊嵌できる筒状部5aを有している。
この筒状部5aは、第1磁石3aの側面と筒状部5aの内面が、空隙を介して互いに平行になるように第1磁石3aを遊嵌する。そのため、第1磁石3aが筒状部に遊嵌された状態で軸2a方向に移動しても、主に軸2a方向の力を発生させる部分である第1磁石3aから筒状部5aに向かう磁束の流れはほとんど変化しない。また、第1磁石3aのうち、筒状部5aに遊嵌された部分から生じる磁束は、対向する筒状部5aの内面に向かうので、この磁束の流れの方向は、軸2a方向に略直交することになる。そのため、第1磁石3aの筒状部5aに遊嵌された部分は、可動部Mを軸2a方向に移動させる力には寄与しない。そのため、筒状部5aが第1磁石3aを遊嵌しているときには、可動部Mは、略一定の軸2a方向の力を受ける。
また、フランジ5の底面中央には、軸2aよりもやや大きい径の貫通孔5bを有している。そして、フランジ5は、その内方において底面に接触するように、樹脂でドーナツ状に形成されたガイド13を有している。ガイド13の内径は、軸2aをがたつきなくスムーズに案内できるように設定されている。
第3磁石11は、第2磁石3bと同様に希土類の磁石材料を含有する永久磁石であり、板厚方向に着磁された2つの磁石11a,11bにより形成されており、第2磁石3bと合同に形成されている。この第3磁石11は、下部ケース1bの底面に、自身と径の同じ円板状の磁性体12を介して設けられ、磁性体12側と反対側の面において感温磁性体4に吸着している。第3磁石11が吸着している感温磁性体4の面は、第2磁石3bの吸着している面に対して反対側の面であり、第2磁石3bと第3磁石11の磁極の配置は、感温磁性体4に対して対称となっている。そのため、第3磁石11は、感温磁性体4の磁性が失われたときに第2磁石3bに反発力を与える。
端子7は、第1端子7aと、第2端子7bの2つの端子を有して形成されている。第1端子7aと第2端子7bは、それぞれ、銅などの導電材料で板状に形成され、端部に設けられた凸状の接点部7aa,7baが上部ケース1d内、接続部7ab,7bbが上部ケース1d外となるように、上部ケース1dを貫通して設けられている。第1端子7aと第2端子7bは、接点部7aa,7baが接触しているときに、それぞれ、軸2a方向に直交するように設けられている。そして、第2端子7bの方が第1端子7aよりも長く、接点部7aa,7baは、上部ケース1dの側面近傍で接点を形成する。この第2端子7bは、軸2aにより押されることにより第1端子7aから離れ、端子間に流れる電流を遮断する。ここで、端子7は、2つの端子を有するものに限る必要はなく、それ以上の数の端子間をオフするものであってもよい。
ばね部材8は、コイルばねであり、上部ケース1dの底面と第2端子7bとの間に、第2端子7bを第1端子7aに押しつけるように付勢された状態で設けられている。このため、ばね部材8は、接点部7aa,7baにおける接点抵抗を小さくしている。ばねの力は、電気的に見れば抵抗が小さくなるので強い程良いが、ばねが強くなりすぎるとスイッチの切れるスピードが遅くなりアーク放電が生じる可能性がある。したがって、ばねの強さは、これらの点を考慮して設定する。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。まず、感温磁性体4の温度が感温磁性材料が強磁性を示す温度であるときには、図1に示すように、可動部Mは、第2磁石3bにより、感温磁性体4に吸着した状態になっている。このとき、図6に示すように、感温磁性体4の近傍の磁気回路だけを取り出すと、第2磁石3b(磁石3bb)→感温磁性体4→第2磁石3b(磁石3ba)→磁性体10→第2磁石3b(磁石3bb)の順で磁束が流れる磁路MC1と、第3磁石11(磁石11b)→感温磁性体4→第3磁石11(磁石11a)→磁性体12→第3磁石11(磁石11b)の順で磁束が流れる磁路MC2が形成されている。ここで、感温磁性体4は、強磁性を示しており、磁路MC1,MC2はともに閉磁路となっているため、第2磁石3bも、第3磁石11も大きな保持力で感温磁性体4に吸着している。
この状態で、例えば熱源を接触させるなどして感温磁性体4の温度を上昇させると、感温磁性体4の透磁率が低下するため、第2磁石3bと感温磁性体4との間の吸着力が低下する。そして、第3磁石11は、感温磁性体4の磁性が失われたときに第2磁石3bと反発する磁極位置に設けているので、第2磁石3bと感温磁性体4との間の吸着力はさらに低下する。
したがって、感温磁性体4により第2磁石3bに働く力と感温磁性体4の温度との関係は、軸2a方向に働く力を正の値にすると、例えば図8の曲線Caのようになる。そのため、この特性を有する感温スイッチを横置きで使用する場合には、可動部Mは、感温磁性体4の温度が約80℃を越えないときには、第2磁石3bにより感温磁性体4に吸着し、感温磁性体4の温度が約80℃を越えたときには第2磁石3bが感温磁性体4から離れて軸2a方向に移動する。
また、この感温スイッチを縦置きで使用するときには、可動部Mは、軸2a方向に可動部Mの重量に対応する力を、向きによって加えるもしくは差し引いた力が生じる温度で動作を始めることになる。この温度は、第2磁石3b及び第3磁石11の大きさや残留磁束密度、各部の寸法によって調整可能であり、設計者が予め設定することができる。
可動部Mが移動を始めると、可動部Mは、主に第1磁石3aとフランジ5との間に働く力により軸2a方向に移動する。このとき、第1磁石3aとフランジ5の近傍の磁気回路だけを取り出すと図7のようになる。図7は、第1磁石3aの直径を通り、着磁方向MDに平行な面で切った断面図である。ここでは、簡単にするため、第1磁石3a内の軸2aを無視し、その部分が磁石で埋められているものとして説明する。また、ストロークSTは、フランジ5の内方の底面と第1磁石3aの対向面との間の距離とする。
第1磁石3aとフランジ5の近傍の領域には、2つの磁路が存在する。そのうちの1つは、第1磁石3a→空気→フランジ5(筒状部5a)→空気→第1磁石3aの順に磁束の流れる磁路MC3で、もう1つは、第1磁石3a→ヨーク9(ヨーク片9b)→空気→フランジ5(筒状部5aから底面部)→空気→第1の磁石3aの順に磁束の流れる磁路MC4である。
ストロークSTが大きく、第1の磁石3aが筒状部5aに遊嵌されていないときには、軸2a方向の力は、主に磁路MC3により生じる。しかしながら、磁路MC3内に含まれる空気の部分が大きくなるため、磁路MC3の磁気抵抗が大きくなる。そのため、図9の領域R3における曲線Cbで示されるように、可動部M(第1磁石3a)に発生する軸2a方向の力は小さくなる。
ストロークが小さくなり、第1磁石3aが筒状部5aに遊嵌されるようになると、磁路MC3に含まれる空気の部分が小さくなるので、磁路MC3により第1磁石3aに発生する軸2a方向の力は大きくなる。このとき、この軸2a方向の力は、主に第1磁石3aの側面から筒状部5aの第1磁石3a側の端面に向かう磁束により生じる。第1磁石3aのうち遊嵌された部分から生じる磁束は、軸方向に略直交するので、軸2a方向の力にはあまり寄与しない。そして、第1磁石3aの側面から筒状部5aの第1磁石3a側の端面に向かう磁束はほとんど変化しないので、図9の領域R2における曲線Cbで示されるように、第1磁石3aが筒状部5aに遊嵌されている間、略一定の軸2a方向の力を生じることになる。一方、磁路MC4による軸2a方向の力は、磁路MC4に含まれる空気の部分が大きいときには、あまり生じない。
ストロークSTがさらに小さくなり、ヨーク9と筒状部5aの第1磁石3a側の端面との間隔が小さくなると、磁路MC4に含まれる空気の部分が小さくなるため、磁路MC4の磁気抵抗が低下する。そのため、磁路MC4により生じる軸2a方向の力の割合が大きくなる。ヨーク9と筒状部5aの第1磁石3a側の端面とは対向する面を有しているので、磁路MC4のヨーク9から筒状部5aに向かう磁束は、磁路MC3の第1磁石3aから筒状部5aに向かう磁束よりも軸2a方向に向いている。したがって、図9の領域R1における曲線Cbで示されるように、大きな軸2a方向の力が生じる。
本実施形態においては、図1に示すように、第1磁石3aは筒状部5aに常に遊嵌されているので、図9の曲線Cbのうち領域R1と領域R2の特性を用いることになる。そのため、可動部Mは、感温磁性体4から離れたあと、領域R2のストロークSTで略一定の軸2a方向の力を受け、軸2aによりコイルばね8により付勢された第2端子7bを押しながら移動し、最終的に第2端子7bを第1端子7aから離し、図10のようになる。このとき、可動部Mは、図9の領域R1のストロークSTにおける曲線Cbで示される強い力により固定されるため、自己復帰しない。
このように、第1の実施形態の感温スイッチにおいては、フランジ5の筒状部5aが軸2a方向に略直交する方向に着磁された磁石部材3の柱状部を形成する第1磁石3aを遊嵌し、主に筒状部5aの磁石部材3側の端面と第1磁石3aの側面との間で軸2a方向の力が生じるので、ストローク変化に対して略一定の軸2a方向の力を得ることができ、大きな動作速度を得ることができる。また、軸2a方向に略一定の力を得られるストローク範囲は、筒状部5aと柱状部を形成する第1磁石3aの長さを調整することにより定めることができので、このストローク範囲を感温スイッチにおいてアーク放電を抑制できる接点ギャップを考慮して設定することにより、大電流の遮断に適したものにすることができる。
また、端子7間を接触させ接圧を高めるばね部材8を有するので、端子7間の抵抗を低減することができる。そのため、端子間の発熱を抑えて大電流の遮断に適したものにすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本願発明の第2の実施形態について、図11に基づいて説明する。この第2の実施形態は、第1の実施形態の感温スイッチと比較して、ケース1と、可動部Mと、固定部Sが角柱状もしくは角形筒状に形成されていることが異なっており、その他は同じ構成である。
本実施形態は、フランジ5が有底角形筒状に形成され、第1磁石3aが角柱状、第2磁石3b,第3磁石11が角形板状に形成されるなどの点が異なるが、動作原理は第1の実施形態と同様であるため、動作原理の説明は省略する。
第1の実施形態においては、例えば感温スイッチの組立時などに可動部Mが軸2aを中心に回転することにより、第2磁石3bと第3磁石11の磁極の対向面が回転方向にずれることがある。そのため、第3磁石11が第2磁石3bに及ぼす反発力を低減するおそれがある。しかしながら、本実施形態においては、図11に示すように、角形の中央ケース1a内に角形の第2磁石3bが収納されているので、第2磁石3bと中央ケース1aは、可動部M(第2磁石3b)の回転方向の運動を制限する回転防止手段14を構成している。このように、回転防止手段14を設けることにより、回転方向のずれによる第3磁石11が第2磁石3bに及ぼす反発力の低減を抑制することができる。
なお、ここでは、回転防止手段14として、断面を四角形にするものについて説明したが、それに限ることなく、多角形であれば良い。
(第3の実施形態)
次に、本願発明の第3の実施形態について、図12に基づいて説明する。この第3の実施形態は、第1の実施形態の感温スイッチと比較して、可動部基体2の大径部2bをなくして、第2磁石3bが第1磁石3aとヨーク9とに接触するように設けた点が異なっており、その他は第1の実施形態と同じ構成である。
このような構成にすることにより、第2磁石3bを、感温磁性体4に吸着するときだけでなく、フランジ5に向けて移動する際に軸2a方向の力を生じるためにも用いることができる。そのため、可動部Mは、軸2a方向に大きな力を得ることができ、大きな動作速度を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、本願発明の第4の実施形態について、図13に基づいて説明する。この第4の実施形態は、第1の実施形態の感温スイッチと比較して、可動部基体2の大径部2bと、第3磁石11と磁性体12とをなくしたことが異なっており、その他は第1の実施形態と同じ構成である。
ここで、第1磁石3aは、第1の実施形態の第2磁石3bと同様に感温磁性体4に吸着する機能も有する。このように、第1の実施形態よりも部品点数を減らしても、筒状部5aが柱状部である第1磁石3aを遊嵌する形状を有しているので、図9に示したストローク特性を得ることができ、大電流の遮断に適する感温スイッチを構成することができる。
(第5の実施形態)
次に、本願発明の第5の実施形態について、図14〜図16に基づいて説明する。この第5の実施形態は、第1の実施形態と比較して、端子7の構成と、磁性体10,12に回転防止手段14,15を有している点が異なっており、その他は第1の実施形態と同じ構成である。端子7は、上部ケース1dに固定された2つの第1端子7aと、コイルばね8に固定され第1端子7a間を導通させる第2端子7bを有して構成されている。このため、可動部Mが移動して軸2aが第2端子7bを押して第1端子7aから離すとき、ばね部材8は、左右に振れずに真っ直ぐに撓むので、スイッチ動作の安定性を増すことができる。
磁性体10は、可動部基体2の大径部2bと同じ径の円板の直径上に、この直径よりも長くケース1の外径よりも短い直方体を円板の中心に対して対称になるように積み重ねたような形状の凸部15が設けられており、凸部15の高さは第2磁石3bの厚さと同じになっている。また、磁性体12は、磁性体10と合同な形状となっており、凸部16を有している。さらに、中央ケース1a及び下部ケース1bの内面に溝17を有しており、E−E断面においては、図15に示すように、凸部15と溝17とが嵌め合わされて磁性体10を案内するようにしている。そのため、可動部Mは、回転方向の運動が凸部15と溝17と制限されるので、凸部15と溝17とは回転防止手段14を構成している。
同様に、磁性体12においても凸部16と溝17により回転防止手段14が構成されるため、第3磁石は回転しない。そのため、第2磁石3bと第3磁石11とが反発力が大きくなる状態で位置決めされるので、回転方向のずれによる、第3磁石11が第2磁石3bに及ぼす反発力の低減を抑制することができる。
なお、回転防止手段14として、ケース1に溝17を、磁性体10,12に凸部15,16を設けたものについて説明したが、その逆に構成しても同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態を通じて、第1磁石3aが軸2a方向に直交して平行着磁されているものについて説明したが、それに限るものではなく、軸2a方向に直交するとともに半径方向に着磁されているものであっても、長いストロークで略一定の軸2a方向の力を得ることができるという本願発明の効果を奏することができる。
また、磁性部材5として、磁性体で形成されたフランジ5を用いるものについてのみ説明したが、例えば、第1磁石3aを半径方向に着磁し、フランジ5を軸方向に着磁して、第1磁石3aの外周面に現れる磁極を引きつけるようフランジ5の第1磁石3a側の端部に磁極を発生するようにすれば、フランジ5を永久磁石を用いて形成することもできる。
第1の実施形態の感温スイッチの電流通電時の状態を示す中央断面図である。 第1の実施形態の感温スイッチのA−A断面図である。 第1の実施形態の感温スイッチのB−B断面図である。 第1の実施形態の感温スイッチのC−C断面図である。 第1の実施形態の感温スイッチのD−D断面図である。 第1の実施形態の感温スイッチの感温磁性体近傍の磁性部材を示す断面斜視図である。 第1の実施形態の感温スイッチの筒状部近傍の磁性部材を示す断面斜視図である。 第1の実施形態の感温スイッチにおいて感温磁性体に接する位置で第2磁石が受ける軸方向の力の温度特性を示すグラフである。 第1の実施形態の感温スイッチにおいて可動部Mの受ける軸方向の力のストローク特性を示すグラフである。 第1の実施形態の感温スイッチの電流遮断時の状態を示す中央断面図である。 第2の実施形態の感温スイッチの図4に相当する断面図である。 第3の実施形態の感温スイッチの電流通電時の状態を示す中央断面図である。 第4の実施形態の感温スイッチの電流通電時の状態を示す中央断面図である。 第5の実施形態の感温スイッチの電流通電時の状態を示す中央断面図である。 第5の実施形態の感温スイッチのE−E断面図である。 第5の実施形態の感温スイッチの電流遮断時の状態を示す中央断面図である。
符号の説明
1 ケース
2 可動部基体
2a 軸
2b 大径部
3 磁石部材
3a 第1磁石(柱状部)
3b 第2磁石
4 感温磁性体
5 フランジ(磁性部材)
7 端子
7a 第1端子
7b 第2端子
8 ばね部材
9 ヨーク
9a ヨーク片
9b ヨーク片
10 磁性体
11 第3磁石
12 磁性体
13 ガイド
14 回転防止手段
M 可動部
S 固定部

Claims (5)

  1. 軸と磁石部材とを有する可動部と、温度が高くなるにつれて透磁率が低下する感温磁性体と前記磁石部材に軸方向の力を与える磁性部材とを有する固定部と、をケースに備え、可動部は、感温磁性体の温度が所定の値を超えないときに前記磁石部材により感温磁性体に吸着し、感温磁性体の温度が前記所定の値を超えたときに前記磁石部材が感温磁性体から離れて軸方向に移動する感温アクチュエータであって、
    前記磁石部材は、着磁方向が軸方向に略直交するとともに軸方向に伸びる柱状部を備え、
    前記磁性部材に前記柱状部の一部を遊嵌する筒状部を設けたことを特徴とする感温アクチュエータ。
  2. 可動部は、前記筒状部の可動部側の端部に向かう面を有する前記磁性部材とは別の磁性部材を前記柱状部の磁極面に異種の磁極間をまたがないように設けたことを特徴とする請求項1記載の感温アクチュエータ。
  3. 感温磁性体は、略板状に形成され、固定部は、前記磁石部材が感温磁性体に吸着する面に対して反対側の面に前記磁石部材とは別の磁石部材を備え、前記別の磁石部材は、感温磁性体の磁性が失われたときに前記磁石部材に反発力を与えるものであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の感温アクチュエータ。
  4. 可動部の回転方向の運動を制限する回転防止手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の感温アクチュエータ。
  5. 請求項1乃至4に記載の感温アクチュエータを有し、少なくとも2つの端子と、端子間を接触させ接圧を高めるばね部材とを前記ケースに備え、感温磁性体の温度が前記所定の値を越えたときに可動部が軸方向に移動し、軸が前記端子間を接触した状態から離れた状態にすることを特徴とする感温スイッチ。
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