JP4575995B2 - 変形特性に優れた鋼管 - Google Patents

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Description

本発明は、変形特性に優れた鋼管、例えば、油井及びガス井を掘削する際に、井戸内に挿入した後に拡管される拡管用油井に好適な、拡管特性に優れた拡管用油井用鋼管、リールバージにより敷設される海底パイプラインに適する、鋼管長手方向の降伏比が低い電縫ラインパイプに関する。
従来、油井用鋼管は、井戸を掘削した後、井戸内に挿入して、そのまま使用されていた。しかし、近年、油井及びガス井を掘削する際に、井戸内に挿入した後に鋼管を拡管する技術(拡管用油井という。)が開発され、油井及びガス井の開発におけるコストの低減に大きく寄与するようになってきた。
拡管用油井の開発の当初には、井戸内で、鋼管を10%程度拡管しており、この拡管用油井用鋼管として、通常の油井管が使用されていた。しかし、適用される拡管率が大きくなり、20%を超えるようになると、偏肉の増大が問題になった。即ち、拡管用油井用鋼管の偏肉に起因して、拡管時に、局部的に減肉が生じ、鋼管の使用性能が低下したり、破断が起きたりする。そのため、拡管率には限界があった。
そこで、本発明者らは、既に拡管用油井に使用することができる、拡管特性に優れた鋼管を提案した(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1に提案した鋼管は、フェライト組織中に微細マルテンサイトが分散した二相組織を有し、拡管性能に優れている。二相組織を有する鋼管は、降伏強度が低く、加工硬化が大きい。そのため、拡管に要する応力が小さく、局部収縮が発生し難いという優れた拡管特性を有する。
また、特許文献2に提案した鋼管は、C量を制限した成分組成からなり、焼戻しマルテンサイトからなる組織を有し、靭性が高く、拡管性能に優れている。しかし、これらのフェライト組織中に微細マルテンサイトが分散した二相組織や、焼戻しマルテンサイトからなる組織を有する鋼は、焼入れによって製造されている。したがって、鋼管を加熱し、水冷するための大規模な熱処理装置が必要であった。
また、ラインパイプについては、最近、ラインパイプ敷設の設計思想が、従来の強度基準から歪み基準に変わりつつあり、鋼管長手方向の降伏比の低さが求められている。これは、敷設後の地盤変動によりパイプラインに歪みが生じた際に局部座屈が発生するのを防止するためである。また、海底にパイプラインを敷設する際には、一旦コイル状に巻きとった管を解きながら海底に沈める、リールバージ工法が採用されるため、巻き取り・巻き戻しの際に座屈しないように、鋼管長手方向の高い変形能、すなわち低降伏比が求められる。
近年、電縫鋼管の電縫溶接部品質が向上してきたことから、シームレス鋼管やUO鋼管に比べてコストが低い電縫鋼管がラインパイプの用途に広く用いられるようになってきた。しかしながら、電縫鋼管はホットコイルから冷間で鋼管成型されたままで使用されるため、一般的に降伏比が高い。特に、海底パイプラインに用いられるような肉厚/外径比の高い鋼管ほど冷間加工歪みが大きいので降伏比が高くなる。鋼管長手方向については、鋼管成型時に圧縮応力の負荷がほとんどないので、バウシンガー効果による耐力低減も期待できない。
電縫鋼管の長手方向の降伏比を低くする技術はこれまで数多く提案されている(例えば、特許文献3)。これは、あらかじめ鋼管素材となるホットコイルの降伏比を低減させることを主眼とする技術である。しかしながら、いくら低い降伏比の鋼管素材が得られても、鋼管成型の加工硬化による耐力上昇は著しく、造管後の降伏比はほとんど素材の降伏比の影響を受けないのが現実である。
また、造管後のサイジング工程にて長手方向に圧縮歪みを付与することにより、バウシンガー効果によって耐力を低減させる技術が提案されている(例えば、特許文献4)。しかし、鋼管を座屈させずに長手方向に圧縮歪みを付与することは工業的には非常に困難である。
更に、ラインパイプ用途ではないが、建築用低降伏比電縫鋼管を造管後の熱処理によって製造する方法が提案されている(例えば、特許文献5)。しかし、本技術ではラインパイプに求められる高レベルな強度、靱性、溶接性には対応できない。
国際公開WO2005/080621号公報 国際公開WO2006/132441号公報 特開2006−299415号公報 特開2006−289482号公報 特許第3888279号公報
上述のように、従来、変形特性に優れる、二相組織や焼戻しマルテンサイトからなる組織を有する鋼管は、造管後に焼入れ等の熱処理を施す必要があり、大規模な熱処理装置を要するものであった。また、鋼管長手方向の降伏比が低い、変形特性に優れる鋼管を製造する際に、降伏比の低いホットコイルを使用する方法や、鋼管長手方向に圧縮応力を付与する方法では実際上は低降伏比を実現できない。更に、造管後に熱処理を施す方法は、低降伏比を実現することはできるがラインパイプに要求される特性を確保するための技術を要する。したがって、特に、電縫鋼管では長手方向の降伏比が低いラインパイプを製造することは困難である。
本発明は、大規模な熱処理設備を必要とする水冷を行わずに、簡単な熱処理を施すことによって、変形特性に優れる鋼管、例えば、拡管特性に優れた拡管用油井用鋼管や、長手方向の降伏比が低いラインパイプを提供するものである。
変形特性を向上させる、具体的には拡管特性を向上させたり、降伏比を低減させるには、加工硬化係数を高めることが有効である。そこで、本発明者らは、鋼管の組織を、軟質相と硬質第2相からなる二相組織とすることが必要であると考えた。このような二相組織を得る熱処理を施す際に、硬質相を得るために水冷を行うには大規模な熱処理設備が必要となる。そのため、空冷でも低降伏比が得られることが望ましい。しかし、空冷の冷却速度は、水冷の冷却速度よりも遅いので、鋼管を二相域に加熱した際に、オーステナイトに変態した部分は、冷却時に、フェライトとセメンタイトに分解し、硬質第2相を、マルテンサイトやベイナイトとすることは困難である。
そこで、本発明らは、比較的遅い冷却速度でも得られる、マルテンサイト−オーステナイト混成物(Martensite−Austenite Constituent、以下、MAということがある。)を、硬質第2相として利用すれば、空冷によっても、加工硬化が大きい二相組織を有する鋼管が得られると考え、検討を行った。その結果、鋼管の化学成分を適正な範囲に調整し、適正な温度に加熱すれば、加熱後に空冷しても、加工硬化係数が高い、軟質相と硬質第二相からなる二相組織が得られることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりで
ある。
(1) 質量%で、C:0.04〜0.10%、Mn:1.00〜2.50%を含有し、Si:0.80%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.10%以下、N:0.01%以下に制限し、更に、Ni:1.00%以下、Mo:0.60%以下、Cr:1.00%以下、Cu:1.00%以下の1種又は2種以上を含有し、Mnの含有量と、Cr、Ni、Mo、Cuの1種又は2種以上の含有量とが、
Mn+Cr+Ni+2Mo+Cu≧2.20
を満足し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、面積率で2〜10%のマルテンサイト−オーステナイト混成物と軟質相とからなる二相組織であり、前記軟質相が、フェライト、高温焼戻しマルテンサイト、高温焼戻しベイナイトの1種又は2種以上からなることを特徴とする変形特性に優れた鋼管
(2) 質量%で、更に、Nb:0.01〜0.30%、Ti:0.005〜0.03%、V:0.30%以下、B:0.0003〜0.003%、Ca:0.01%以下、REM:0.02%以下の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の変形特性に優れた鋼管。
) 鋼管の円周方向の加工硬化係数が0.10以上であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の変形特性に優れた鋼管。
) 鋼管の肉厚/外径比が0.03以上であることを特徴とする上記(1)〜()の何れかに記載の変形特性に優れた鋼管。
) 鋼管の肉厚が5〜20mmであることを特徴とする上記(1)〜()の何れか1項に記載の変形特性に優れた鋼管。
) 上記(1)〜()の何れかに記載の変形特性に優れた鋼管からなり、井戸内で拡管される拡管用油井用鋼管油井管であって、鋼管の肉厚が5〜15mmであり、外径が114〜331mmであることを特徴とする拡管用油井用鋼管油井管。
) 上記(1)〜()の何れかに記載の変形特性に優れた鋼管からなるラインパイプであって、鋼管の肉厚が5〜20mmであり、外径が114〜610mmであることを特徴とするラインパイプ。
本発明によれば、鋼管を加熱し、水冷するための大規模な熱処理設備を必要とせず、鋼管を加熱した後、空冷することにより、変形特性に優れた鋼管、例えば、拡管特性に優れた拡管用油井用鋼管や低降伏比のラインパイプを得ることが可能になる。
空冷した鋼管のMA量と、Mn,Cr,Ni,MoおよびCuの添加量との関係を示す図である。
本発明者らは、軟質相と硬質第2相からなる二相組織を有し、変形特性に優れた鋼管、特に、拡管性能に優れる高強度鋼管、低降伏比のラインパイプを、鋼管全体を加熱した後、空冷することによって製造する方法について検討を行った。
焼入れ性を向上させ、かつ、セメンタイトに固溶し難い元素が含まれる鋼を、Ac変態温度以上Ac変態温度以下の二相域に加熱すると、生成したオーステナイトは、空冷時に炭化物とフェライトに分解せずMA(マルテンサイト−オーステナイト混成物)になり易い。このような効果を有する元素として、Mn、Cr、Ni、Mo、Cuが挙げられる。
そこで、本発明者らは、Mn、Cr、Ni、Mo、Cuの添加量と、二相域に加熱して空冷後、生成するMA量を調査した。具体的には、基本の成分組成を、質量%で、C:0.04〜0.10%、Mn:1.40〜2.50%、Si:0.80%以下、P:0.03%以下、S:0.01%以下、Al:0.10%以下、N:0.01%以下とする鋼に、種々の量のNi、Mo、Cr、Cuを含有させ、鋼板を製造した。更に、鋼板を700〜800℃に加熱し、空冷する熱処理を行った。
熱処理後の鋼板から組織観察用の試料を採取し、レペラーエッチングを行い、光学顕微鏡で観察し、組織写真を撮影した。組織写真の白色に着色された部分をMAと同定し、面積率を画像解析によって求めた。また、鋼板から試験片を採取して引張試験を行い、真歪、真応力の両対数グラフを作成して、直線部の傾きから、加工硬化係数(n値)を求めた。なお、鋼板の引張強度は、600〜800MPaであった。
まず、加熱温度であるが、Ac+10℃未満では、加熱時に生成するオーステナイトの量が少なく、その結果、空冷後に生成するMAも少ないため、n値が0.1未満となることがわかった。一方、Ac+60℃超に加熱すると、オーステナイトの生成量は増加するものの、オーステナイトに分配されるC量が少なくなる。そのため、オーステナイトが不安定になって、空冷時にフェライトとセメンタイトに分解する。その結果、MAの面積率は少なくなり、低温での加熱と同様に、n値は0.1未満となる。
そこで、Ac+10℃〜Ac+60℃の温度範囲に加熱し、空冷した鋼管のMA量と、Mn、Cr、Ni、Mo、Cuの添加量との関係を解析した。その結果、図1に示すように、MA量は、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuを指標として整理できることがわかった。なお、選択元素であるCr、Ni、Mo及びCuを意図的に添加しない場合は、それぞれの値を0として、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuを計算した。
また、Acは、鋼の成分組成のうち、Si、Mn、Ni及びCrの含有量(質量%)により、下記式
Ac=723+29.1×Si−10.7×Mn−16.9×(Ni−Cr)
によって計算して求めた。なお、脱酸元素であるSi、選択元素であるNi及びCrを意図的に添加しない場合は、それぞれの値を0として、Acを計算した。
図1の縦軸「MA」は、MAの面積率であり、これから明らかなように、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuが2.00以上になると、MAの面積率が2%以上となる。また、MAの面積率は、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuの数値とともに増加している。したがって、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuの増加によって、オーステナイトが安定になり、空冷後に、MAとして残存する量が増加すると考えられる。
更に、本発明者らは、MAの面積率が2〜10%であり、加工硬化係数が0.10以上となった鋼板の成分組成を基に、熱延鋼板を製造し、電縫鋼管とした。鋼管を、Ac+20℃〜Ac+60℃に加熱して空冷し、端部から拡管プラグを押し込んで拡管し、割れが生じない限界の拡管率を測定した。また、鋼管から周方向を長手とする試験片を採取し、引張試験を行って、加工硬化係数を求めた。その結果、加工硬化係数が0.10以上であれば、限界拡管率は20%以上、加工硬化係数が0.15以上であれば、限界拡管率が30%以上になることがわかった。
同様に、基本の成分組成を、質量%で、C:0.04〜0.10%、Mn:1.00〜2.50%、Si:0.80%以下、P:0.030%以下、S:0.010%以下、Al:0.10%以下、N:0.010%以下とする鋼に、種々の量のNi、Mo、Cr、Cuを含有させ、鋼板を製造した。この鋼板に造管成形相当分の4%の予歪みを与えた後、700〜800℃に加熱し、空冷する熱処理を行った。熱処理後の鋼板から組織観察用の試料を採取し、光学顕微鏡で観察し、MAの面積率を画像解析によって求めた。
なお、予歪み後の鋼板の降伏比は0.92であった。加熱温度が、Ac+10℃未満では空冷後に生成するMAが少なく、一方、Ac+60℃超に加熱すると、オーステナイトが空冷時にフェライトとセメンタイトに分解する。その結果、MAの面積率は減少し、降伏比は0.90程度までしか低下しなかった。
そこで、鋼成分をMn:1.0〜2.5%、Cr:0〜1.0%、Ni:0〜1.0%、Mo:0〜0.6%Cu:0〜1.0%の範囲で変化させて合計27種類の鋼を準備し、Ac+10℃〜Ac+60℃の温度範囲に加熱し、空冷した予歪み鋼板のMA量と、Mn、Cr、Ni、Mo、Cuの添加量との関係を解析した。その結果を重回帰分析の手法によって解析したところ、MA量はMn+Cr+Ni+2Mo+Cuを指標としたときに最も良好な相関が得られることが判明した。
即ち、MA量は、図1と同様に、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuを指標として整理できることがわかった。加熱温度については、Ac+10℃〜Ac+60℃の温度範囲であれば、いずれの温度においても図1と同様の結果を得ることができた。 更に、本発明者らは、上記熱処理でMAの面積率が2〜10%となるような成分組成を有する鋼を用いて熱延鋼板を製造し、肉厚/外径比が0.05の鋼管とした。この鋼管を加熱して空冷し、鋼管長手方向から引張試験片を採取して引張試験を行い降伏比を求めた。その結果、加熱温度がAc+10℃〜Ac+60℃であれば、MAが2%以上となり、結果として降伏比が0.90以下になることがわかった。
以下、本発明の変形特性に優れた鋼管に含有される化学成分とその限定理由について説明する。本発明の鋼管の化学成分は、造管前の鋼板の組織及び強度と、熱処理後の鋼管の組織及び強度の両方の観点から、以下の範囲とする。
Cは、本発明においては、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃に加熱する際に、オーステナイトを安定にし、空冷後のMAの面積率を増加させるために極めて重要な元素である。熱処理後、MAを確保するには、Cを0.04%以上添加することが必要である。また、Cは、焼入れ性を高め、鋼の強度を向上させる元素であり、過剰に添加すると、強度が高くなりすぎ、靱性を損なうため、上限を0.10%とした。なお、C量の上限は、0.10%未満が好ましい。
Mnは、焼入れ性を高め高強度を確保する上で、不可欠な元素である。また、Ac点を低下させ、オーステナイトを安定化する元素でもある。したがって、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃に加熱した際に、オーステナイトを生成させ、空冷後に、MAの分解を抑制するためには、1.00%以上の添加が必要である。なお、Mn量の下限は、1.40%以上が好ましい。しかし、Mnが多過ぎると、鋼管の素材である鋼板のマルテンサイト量が過剰になり、強度が高くなり過ぎて、成形性が損なわれるため、上限を2.50%とした。
Siは、脱酸元素であり、多く添加すると、低温靭性が著しく劣化するので、上限を0.80%とした。本発明では、鋼の脱酸元素として、Al、Tiを使用してもよく、Siは、必ずしも添加する必要はない。一方、Siは、強度向上や、MAの生成を促進する効果を有する元素であり、0.10%以上を添加することが好ましい。
P、及び、Sは、不純物であり、それぞれ、0.03%、及び、0.01%を上限とする。P量の低減によって、連続鋳造スラブの中心偏析が軽減され、粒界破壊が防止されて、靱性が向上する。また、S量の低減は、熱間圧延で延伸化するMnSを低減して、延性及び靱性を向上させる効果がある。
Alは、脱酸元素であり、添加量が0.10%を超えると、非金属介在物が増加して、鋼の清浄度を害するので、上限を0.10%とした。なお、脱酸剤としてTi、Siを使用する場合は、Alは、必ずしも添加する必要はない。したがって、Al量の下限は限定しないが、通常、不純物として0.001%以上含まれる。鋼の組織の微細化にAlNを利用する場合は、0.01%以上のAlを添加することが好ましい。
Nは、不純物であり、上限を0.01%以下とする。選択的にTiを添加する場合、Nを0.001%以上含有させると、TiNを形成し、スラブ再加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑制して母材の靱性を向上させる。しかし、N量が0.01%を超えると、TiNが粗大化して、表面疵、靭性劣化等の弊害が生じる。
更に、上述のように、必須元素であるMnに加えて、選択的に、Ni、Mo、Cr、Cuの1種又は2種以上を
Mn+Cr+Ni+2Mo+Cu≧2.00
を満足するように添加すれば、空冷時に、オーステナイトが、フェライトとセメンタイトに分解し難くなり、MAを確保することができる。ここで、Mn、Cr、Ni、Mo、Cuは、各元素の含有量(質量%)であり、選択元素であるCr、Ni、Mo、Cuを意図的に添加しない場合は、0として左辺を計算する。Mn+Cr+Ni+2Mo+Cuの下限は、実施例に基づいて2.20以上とする。
また、Ni、Mo、Cr、Cuは、焼入れ性を向上させる元素でもあり、高強度を得るために1種又は2種以上を添加することが好ましい。
Niは、鋼を二相域に加熱した際に、オーステナイトを微細に生成させる効果も有する。一方、Niの添加量が多過ぎると、鋼管の素材である鋼板のマルテンサイト量が過剰になり、強度が高くなり過ぎて、成形性を損なうことがある。そのため、Ni量の上限は、1.00%とすることが好ましい。
Mo、Cr、及び、Cuは、過剰に添加すると、焼入れ性の向上によって、鋼管の素材である鋼板の強度が高くなり過ぎ、成形性を損なうことがある。そのため、Mo、Cr、及び、Cuの添加量の上限を、それぞれ、0.60%、1.00%、及び、1.00%とすることが好ましい。
更に、選択的に、Nb、Ti、V、B、Ca、REMの1種又は2種以上を添加してもよい。Nb、Ti、及び、Vは、鋼の組織の微細化に、Bは、焼入れ性の向上に、Ca、及び、REMは、介在物の形態の制御に寄与する。
Nbは、圧延時にオーステナイトの再結晶を抑制する元素である。加熱前の鋼管の結晶粒径を微細化するためには、Nbを、0.01%以上添加することが好ましい。また、ラインパイプに必要な靱性を確保するためには、Nbを添加することが好ましい。一方、Nbを0.30%よりも過剰に添加すると、靭性が劣化するので、その上限を0.30%とすることが好ましい。
Tiは、微細なTiNを形成し、スラブ再加熱時のオーステナイト粒の粗大化を抑制する元素である。また、Al量が、例えば、0.005%以下と低い場合には、Tiは、脱酸剤として作用する。
Tiを添加し、ミクロ組織を微細化して、靱性を改善するには、Nを0.001%以上含有させ、Tiを0.005%以上添加することが好ましい。一方、Ti量が多過ぎると、TiNの粗大化や、TiCによる析出硬化が生じ、靱性が劣化するので、上限を0.03%とすることが好ましい。
Vは、Nbとほぼ同様の効果を有するが、その効果は、Nbに比較して若干弱い。Vは、効果を得るために、0.01%以上を添加することが好ましい。一方、過剰に添加すると靭性が劣化するので、Vの添加量の上限を0.30%とすることが好ましい。
Bは、鋼の焼入れ性を高める元素であり、二相域からの空冷時に、オーステナイトがフェライトと炭化物に分解することを抑制し、MAの生成を促進する効果を有する。この効果を得るには、Bを0.0003%以上添加することが好ましい。一方、0.003%超のBを添加すると、粗大なB含有炭化物が生成して靭性が損なわれることがあるので、上限を0.003%とすることが好ましい。
Ca、及び、REMは、MnSなどの硫化物の形態を制御し、靱性の向上に寄与する元素であり、一方又は双方を添加することが好ましい。この効果を得るには、Caは0.001%以上、REMは0.002%以上添加することが好ましい。一方、Caが0.01%を超え、REMが0.02%を超えると、CaO−CaS、又は、REM−CaSの生成により、大型クラスター、大型介在物が形成され、鋼の清浄度を害することがある。そのため、Ca添加量の上限は0.01%とし、REMの添加量の上限は0.02%とすることが好ましい。なお、Ca添加量の更に好ましい上限は、0.006%である。
次に、熱処理後の鋼管の組織について説明する。
優れた変形特性を得るには、特に拡管性能を向上させ、また、降伏比を低下させるには、鋼管の組織を、面積率で2〜10%のMAと、残部が軟質相からなる二相組織とすることが好ましい。一方、二相域加熱時のオーステナイト組織率を10%以上にすると、オーステナイトへのC濃縮が不十分となり、空冷時にフェライトとセメンタイトに分解する。したがって10%を超えるMAを得ることは困難である。
なお、MAは、レペラーエッチング後、光学顕微鏡で観察すると白色に着色される。また、ナイタールエッチングを行った試料を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察すると、MAの部分はエッチングされ難いため、島状で平滑な組織として観察される。したがって、MAの面積率は、レペラーエッチング後の試料の光学顕微鏡組織写真、ナイタールエッチング後の試料のSEM組織写真を画像解析することによって測定することが可能である。
変形特性、特に、拡管性能は、加工硬化し易いほど向上する。そのため、MAの面積率を2〜10%とすれば、鋼管の周方向の加工硬化係数が0.10以上となり、優れた拡管性能が得られる。
MA以外の部分は軟質相であり、これは、熱処理前の鋼管の組織であるフェライト、マルテンサイト、ベイナイトが、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃に加熱後、空冷された相である。
本発明では、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃への加熱及び空冷によって軟化したマルテンサイト、ベイナイトを、それぞれ、高温焼戻しマルテンサイト、高温焼戻しベイナイトという。即ち、軟質相は、フェライト、高温焼戻しマルテンサイト、及び、高温焼戻しベイナイトの1種又は2種以上からなる。
なお、本発明の成分範囲の鋼では、Acを、下記式
Ac=723+29.1×Si−10.7×Mn−16.9×(Ni−Cr)
で計算することができる。ここで、Si、Mn、Ni、Crは、各元素の含有量(質量%)である。
また、Acは、製造した鋼板から試験片を採取するか、実験室で同様の組成を有する鋼材を製造し、実験により測定することも可能である。例えば、鋼の加熱時の変態温度は、定速度で試験片を加熱し、膨張量を測定する、いわゆる、フォーマスタ試験によって求めることができる。
フォーマスタ試験によって得られた温度と膨張量の関係から、屈曲の開始点及び終了点の温度を求めることによって、それぞれ、オーステナイト変態の開始温度(Ac)、及び、オーステナイト変態の終了温度(Ac)を決定することができる。
通常、鋼を、Ac〜Acに加熱すると、マルテンサイト、ベイナイト、フェライトのうち、一部は、オーステナイトに変態し、残りの部分は、体心立法構造の組織のままで回復が進む。
特に、本発明の製造方法では、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃という比較的低温の温度域に加熱するので、加熱前に存在していたマルテンサイト、及び、ベイナイトは、オーステナイトに変態しない部分が多く、焼戻し処理を受けたような軟化相として残存する。即ち、熱処理前の鋼管に生成していたマルテンサイト、及び、ベイナイトは、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃に加熱されると、転位の回復や固溶Cの析出によって軟化し、それぞれ、高温焼戻しマルテンサイト、及び、高温焼戻しベイナイトとなる。
また、フェライトには、加熱前もフェライトであって、加熱中に回復が進んだ部分と、Ac+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃に加熱された際にオーステナイトに変態し、空冷中に逆変態したもの、即ち、フェライトとセメンタイトに分解した部分が混在している。しかし、これらは、光学顕微鏡による区別は困難であるため、総称してフェライトという。
このような成分及び金属組織を有する本発明の変形特性に優れた鋼管は、引張強度が500〜900MPaであり、厚さは5mm〜20mmである。特に、拡管用油井用鋼管では、要求される引張強度は550〜900MPa、厚さ5mm〜15mm、好ましくは7mm〜15mmである。また、低降伏比ラインパイプでは、要求される引張強度500〜750MPa、厚さ5mm〜20mmである。
次に、上記成分を含有する変形特性に優れた鋼管の製造条件について説明する。本発明の変形特性に優れた鋼管の製造方法は、母鋼管に、縮径圧延などの熱間加工を施すことなく、熱処理を施すものである。ただし、熱処理の前には、真円度を向上させるためのサイジングや、形状を矯正するための加工を冷間で施しても良い。
本発明の変形特性に優れた鋼管の製造方法は、基本的には上述の製造条件、即ち、母鋼管をAc+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃に加熱後、空冷するものである。従って、本発明によれば、母鋼管全体を加熱後、空冷しても変形特性が向上し、大規模な熱処理設備を要する水冷を施す必要はない。なお、加熱後に水冷にすると、MAではなく、マルテンサイトが生成する。鋼管の加熱温度をAc+10℃〜Ac+60℃、好ましくはAc+20℃〜Ac+60℃とするのは、空冷後、MAを得るためである。これは、二相域に加熱して、一部がオーステナイトに変態すると、Cがオーステナイト部に濃縮し、他の元素は、殆ど分配されないためである。
即ち、加熱温度がAc+10℃未満では、オーステナイトへ変態する割合が少なすぎて、MAの確保が困難になる。加熱時のオーステナイト量を増加させるには、加熱温度をAc+20℃以上にすることが好ましい。一方、Ac+60℃を超えた温度に加熱すると、オーステナイトへの変態量が多くなりすぎる。そのため、オーステナイト相におけるCの濃縮量が不十分になり、空冷によってフェライトとセメンタイトに分解し、MAを確保するのが困難になる。また、加熱温度の上限は、微細な結晶粒径を得るため、780℃以下とすることが好ましい。そのため、Acが720℃以下になるように、鋼管の化学成分を調整することが好ましい。
本発明の変形特性に優れた鋼管、特に、拡管用油井用鋼管、低降伏比ラインパイプは、どのような製法で製造されていても問題ないが、偏肉は小さい方が好ましい。偏肉が小さければ、継ぎ目無し管でもよいが、一般に、溶接鋼管は、板厚の精度が良好な熱延鋼板を成形し、突合せ溶接して製造するため、継ぎ目無し管よりも偏肉が小さい。
溶接鋼管の成形方法は、一般的に使用されている鋼管成形法として、プレス成形、及び、ロール成形でよい。また、突合せ部の溶接方法は、レーザー溶接、アーク溶接、及び、電縫溶接が適用できるが、特に、電縫管工程では生産性が高いので、本発明の鋼管、特に、油井用鋼管、ラインパイプの製造に適している。
熱延鋼板は、鋼片をオーステナイト域に加熱し、粗圧延を行った後、仕上圧延を行い、好ましくは仕上圧延後に加速冷却を行う。なお、素材である鋼板の引張強度は、600〜800MPaであることが好ましい。
熱間圧延の加熱温度は、鋼片の組織をオーステナイトとし、熱間加工性を確保するため、1000℃以上とすることが好ましい。一方、熱間圧延の加熱温度を1270℃超にすると、組織が粗大化して熱間加工性を損なうことがあるので、上限を1270℃とすることが好ましい。
仕上圧延は、鋼管の結晶粒径を微細化するため、圧下率を50%以上とすることが好ましい。なお、仕上圧延の圧下率は、圧延前後の板厚の差を圧延前の板厚で除して求める。仕上圧延の圧下率を50%以上とすれば、鋼管を二相域に加熱した際に、オーステナイトが均一に分散して生成し、MAも微細に分散するため、拡管特性が向上する。
仕上圧延後、加速冷却を行うと、熱延鋼板の組織が、フェライト、マルテンサイト、及び、ベイナイトを含む複相組織となる。なお、フェライトとベイナイトの複相組織が最も一般的である。例えば、仕上圧延後、15℃/sで冷却し、400〜500℃で巻き取ることで、このような複相組織が得られる。これにより、鋼管を二相域に加熱した際に、オーステナイトが、更に均一に分散して生成し、MAも微細に分散するため、変形特性が向上し、特に、拡管特性が向上し、降伏比が低下する。
本発明の製造方法によって得られた変形特性に優れる鋼管のうち、拡管用油井用鋼管は、ドリルパイプで掘削した地中の井戸、又は、既に他の油井管が設置されている井戸内に挿入して行うことができる。井戸は、数千メートルの深さに達する場合もある。井戸内で拡管される拡管用油井用鋼管は、肉厚を5〜15mm、外径を114〜331mmとすることが好ましい。
本発明の製造方法によって得られた低降伏比ラインパイプは、海底ラインパイプの敷設に際して、リールバージ工法を適用することができる。ラインパイプは電縫鋼管であることが好ましく、肉厚を5〜20mm、外径を114〜610mmとすることが好ましい。
(実施例1)
表1に示す化学成分を含有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造で鋼片とし、得られた鋼片を1100〜1200℃に加熱し、連続熱間圧延機で、圧下率を70%以上として圧延し、10〜20℃/sで冷却して、400〜500℃で巻き取り、9.56mm厚の熱延鋼板を製造した。
この熱延鋼板を素材として、電縫管工程で、外径193.7mmの鋼管を製造した。得られた鋼管に、表2に示す温度に120s加熱し、その後、空冷する熱処理を施した。なお、表1中の「0」は、選択元素を意図的に添加していないことを意味する。
鋼管から周方向を長手方向とする試験片を採取して引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強度(TS)、及び、加工硬化係数(n値)を測定した。n値は、真歪と真応力の両対数グラフを作成して、直線部の傾きから測定した。更に、鋼管の端部をプラグによって、30%拡管する拡管試験を実施した。拡管後、鋼管の肉厚分布を測定し、平均肉厚との差を計算し、最大の減肉の値を最大減肉として評価した。
また、鋼管の組織を光学顕微鏡によって観察した。MAの面積率は、レペラーエッチングを行った試料の組織写真を画像解析して測定した。なお、MAの残部は、フェライト、マルテンサイト、及びベイナイトであり、ビッカース硬さの測定により、マルテンサイト、及びベイナイトが軟化していることを確認した。
結果を表2に示す。表2において、降伏強度と引張強度の比Y/Tは、降伏比(YS/TS)であり、百分率で示している。表2に示すように、本発明鋼管では、最大減肉は0.6mm程度以下と小さく、水冷を行った実施No.7と同等以上の優れた拡管性能を有していることがわかる。なお、実施No.7は、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cu≧2.00を満足せず、冷却を水冷とした比較例である。また、実施No.7のMA面積率の「(9)」は、鋼管を加熱した後、水冷した際に生成したマルテンサイトの面積率が9%であることを意味する。
一方、実施No.6は、加熱温度が高すぎ、実施No.8は、実施No.7と同様、鋼組成が本発明で規定する範囲の範囲外であり、空冷後、MAの生成が不十分となり、1mmを超える大きな減肉が発生している。
Figure 0004575995
Figure 0004575995
(実施例2)
表3に示した化学成分を含有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造で鋼片とし、得られた鋼片を1100〜1200℃に加熱し、連続熱間圧延機で、圧下率を70%以上として圧延し、10〜20℃/sで冷却して、500〜600℃で巻き取り、16mmおよび8mm厚の熱延鋼板を製造した。この熱延鋼板を素材として、電縫管工程で外径400mmの鋼管を製造した。熱処理前の鋼管から、試験片を採取して引張試験を行い、降伏比(Y/T)を評価した。
得られた鋼管に、表4に示した温度に120s加熱した後、空冷する熱処理を施した。なお、表3の化学成分欄に記載の「0」は、選択元素を意図的に添加していないことを意味する。鋼管の長手方向から試験片を採取して引張試験を行い、降伏強度(YS)、引張強度(TS)を測定した。靭性は、シャルピー試験を行い、脆性延性遷移温度(Trs)によって評価した。
また、鋼管の組織を光学顕微鏡によって観察した。MAの面積率は、レペラーエッチングを行った試料の組織写真を画像解析して測定した。なお、MAの残部は、フェライト、マルテンサイト、ベイナイトであり、ビッカース硬さの測定により、マルテンサイト、ベイナイトが軟化していることを確認した。
結果を表4に示す。表4において、降伏強度と引張強度の比Y/Tは降伏比(YS/TS)である。表4に示したように、実施No.11〜20の本発明鋼管では熱処理後の降伏比はいずれもリールバージ工法に適用可能な0.90以下であることがわかる。なお、実施No.20のように、肉厚/外径比が低いと、造管時の加工硬化が小さくなり、熱処理前の降伏比も低い。
実施No.21〜24は比較例である。実施No.21は加熱温度が高すぎ、一方、実施No.22は加熱温度が低すぎ、MAの生成が不十分となり、降伏比が十分に下がらなかった例である。実施No.23,24は、Mn+Cr+Ni+2Mo+Cu≧2.00を満足せず、焼き入れ性が不十分で、水冷であれば低降伏比が得られたが、空冷では降伏比が十分に下がらなかった例である。なお、実施No.23のMA面積率の「(8.0)」は、マルテンサイトの面積率が8.0%であることを意味する。
Figure 0004575995
Figure 0004575995
上述したように、本発明によれば、変形性能に優れた鋼管、特に、拡管特性に優れた拡管用油井用鋼管、低降伏比ラインパイプを、安価に製造することができるので、本発明は、産業上の貢献が極めて顕著なものである。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C :0.04〜0.10%、
    Mn:1.00〜2.50%
    を含有し、
    Si:0.80%以下、
    P :0.03%以下、
    S :0.01%以下、
    Al:0.10%以下、
    N :0.01%以下
    に制限し、更に、
    Ni:1.00%以下、
    Mo:0.60%以下、
    Cr:1.00%以下、
    Cu:1.00%以下
    の1種又は2種以上を含有し、Mnの含有量と、Cr、Ni、Mo、Cuの1種又は2種以上の含有量とが、
    Mn+Cr+Ni+2Mo+Cu≧2.20
    を満足し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、面積率で2〜10%のマルテンサイト−オーステナイト混成物と軟質相とからなる二相組織であり、前記軟質相が、フェライト、高温焼戻しマルテンサイト、高温焼戻しベイナイトの1種又は2種以上からなることを特徴とする変形特性に優れた鋼管。
  2. 質量%で、更に、
    Nb:0.01〜0.30%、
    Ti:0.005〜0.03%、
    V :0.30%以下、
    B :0.0003〜0.003%、
    Ca:0.01%以下、
    REM:0.02%以下
    の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1に記載の変形特性に優れた鋼管。
  3. 鋼管の円周方向の加工硬化係数が0.10以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の変形特性に優れた鋼管。
  4. 鋼管の肉厚/外径比が0.03以上であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の変形特性に優れた鋼管。
  5. 鋼管の肉厚が5〜20mmであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の変形特性に優れた鋼管。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載の変形特性に優れた鋼管からなり、井戸内で拡管される拡管用油井用鋼管油井管であって、鋼管の肉厚が5〜15mmであり、外径が114〜331mmであることを特徴とする拡管用油井用鋼管油井管。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の変形特性に優れた鋼管からなるラインパイプであって、鋼管の肉厚が5〜20mmであり、外径が114〜610mmであることを特徴とするラインパイプ。
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