以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12にしたがって説明する。なお、以下の説明において配線ボックスの「前」「後」は、図1に示す矢印Y1の方向を前後方向とし、「左」「右」は、図1に示す矢印Y2の方向を左右方向とし、「上」「下」は、図1に示す矢印Y3の方向を上下方向とする。
まず、配線ボックスに接続される管類としての波付電線管10について説明する。図6に示すように、合成樹脂製の波付電線管10は円管状をなすとともに、管の周方向に延びる円環状の凸条10a及び凹条10bが管の軸方向に交互に形成されており、可撓性を有する。また、前記配線ボックスが設置される建物壁Wは、一対の壁材Waを所定間隔を開けて相対向するように立設することで構築され、該建物壁W内には前記波付電線管10が配設されている。
次に、前記建物壁Wに設置されるとともに、前記波付電線管10が接続される配線ボックス11について説明する。図1に示すように、合成樹脂製の配線ボックス11は、四角板状をなす底壁12と、該底壁12の四側周縁から立設された側壁13a〜13dとから有底四角箱状に形成されている。そして、配線ボックス11は、前記底壁12及び側壁13a〜13dよりなる周壁によって、配線ボックス11の内側にボックス内空間11aが囲み形成されているとともに、底壁12に対向する側にボックス内空間11aが開口されている。なお、以下の説明において、説明を容易とするために、図1において、底壁12の上側縁に立設された側壁13を第1側壁13a、底壁12の下側縁に立設された側壁13を第2側壁13b、底壁12の左側縁に立設された側壁13を第3側壁13c、底壁12の右側縁に立設された側壁13を第4側壁13dとする。そして、第1側壁13aと第2側壁13bは上下方向に相対向し、第3側壁13cと第4側壁13dとは左右方向に相対向している。
前記第3側壁13c及び第4側壁13dには、配線ボックス11の前後方向(深さ方向)へ延びる長孔状の固定孔14が2箇所ずつ形成されている。そして、前記固定孔14から柱(図示せず)等に固定ビス(図示せず)を固定することにより、配線ボックス11を柱の側面に固定することが可能となっている。また、配線ボックス11の四隅部の前側にはビス取付部15が形成されているとともに、底壁12における前記ビス取付部15に対向する位置にはビス挿通孔16が形成されている(図2参照)。そして、各ビス取付部15からビス挿通孔16にビス17が挿通されることで配線ボックス11の四隅部にビス17が取り付けられているとともに、各ビス17には金属板製の舌片18が螺着されている。第1〜第4側壁13a〜13dの底壁12側には、前記舌片18を収容する収容孔19が形成されている。前記第3側壁13c及び第4側壁13dにおいて、配線ボックス11の開口側の端面たる前端面には、配線ボックス11の外側方へ向けて突出する係合片20が一対ずつ形成されている。
図5に示すように、第1側壁13aには、略U字状をなす挿入口21が2箇所に形成され、この挿入口21には前記波付電線管10の一端部(下端部)たる接続端部10Aが挿入、接続されるようになっている(図8参照)。なお、挿入口21は、配線ボックス11の未使用時(例えば、運搬時等)には閉鎖部材27によって閉鎖されているが、以下の挿入口21の説明は、閉鎖部材27を除去した状態で行う。各挿入口21は、前記接続端部10Aを第1側壁13aに接続するための接続口21aと、前記接続端部10Aを前記接続口21aに向けてガイド可能に収容する収容口21bとを備えている。前記収容口21bは、周壁の一壁たる第1側壁13aと、該第1側壁13aに隣接する壁たる底壁12とに跨って形成され、該第1側壁13aの底壁12側と、底壁12の第1側壁13a側が切り欠かれることで形成されている。
収容口21bにおいて、第1側壁13a長さ方向(左右方向)に沿った開口幅は波付電線管10の凸条10aにおける外径より大きく形成されている(図8参照)。また、収容口21bにおいて、第1側壁13aに直交する方向(上下方向)に沿った開口深さは、接続端部10Aの複数の凸条10a及び凹条10bを配線ボックス11内に収容可能な深さに形成されている(図7参照)。そして、底壁12の裏側に配設された波付電線管10を底壁12に向けて径方向へ移動させると、収容口21bには接続端部10Aを収容することができ、本実施形態では接続端部10Aの径方向に沿った略2/3を収容口21bに収容することが可能となっている。また、収容口21bに接続端部10Aが収容された状態では、接続端部10Aの内側が配線ボックス11の内側(ボックス内空間11a)に露出し、接続端部10Aの内側の略2/3が配線ボックス11の内側に露出するようになっている。
図1、図2及び図5に示すように、前記接続口21aは前記収容口21bに連通するように、収容口21bより配線ボックス11の開口側に形成されている。図2に示すように、第1側壁13aには、挿入口21の周縁に沿って延びる接続部22が接続口21a内に向けて突設され、この接続部22は波付電線管10をその軸方向への移動を規制した状態で第1側壁13a(周壁)に接続するために設けられている。接続部22は、接続口21aの周縁に一体形成された第1接続部23と、該第1接続部23に沿って形成された第2接続部24とを備えている。前記第1接続部23と第2接続部24は、両接続部23,24の間に形成された複数の連結片25によって連結されている。接続口21aにおける第1側壁13aの長さ方向(左右方向)への開口幅は、収容口21bにおける前記開口幅より狭くなっている。
そして、図5に示すように、連結片25を分断することにより、第1接続部23から第2接続部24を除去することが可能となっている。第2接続部24が除去された状態において、収容口21bに収容された波付電線管10を接続口21a側へ移動させると、第1接続部23が接続端部10Aの凹条10bに嵌合するようになっており、この嵌合により波付電線管10が挿入口21に接続されるようになっている。また、この接続状態において、第1接続部23が、接続端部10Aの外面としての凸条10aの外面に係合することで波付電線管10の軸方向への移動が規制されるようになっている。図示しないが、第2接続部24が除去されていない状態で、前記第1接続部23に嵌合可能な波付電線管10よりも小径の波付電線管(図示せず)を収容口21bから接続口21a側へ移動させると、第2接続部24が小径の波付電線管の凹条に嵌合するようになっている。そして、この嵌合により小径の波付電線管を挿入口21に接続することができるようになっている。
図2に示すように、前記収容口21bと接続口21aの間となる第1接続部23の上面には、突起状の抜出し規制部23aが形成されている。この抜出し規制部23aは、前記第1接続部23によって接続口21aに接続された波付電線管10における接続端部10Aの凸条10aに係合することで、波付電線管10の径方向に沿った接続口21aからの抜け出しを規制するようになっている。また、収容口21bと接続口21aの間となる第2接続部24の上面には、突起状の抜出し規制部24aが形成されている。この抜出し規制部24aは、前記第2接続部24によって接続口21aに接続された前記小径の波付電線管における接続端部の凸条に係合することで、小径の波付電線管の径方向に沿った接続口21aからの抜け出しを規制するようになっている。なお、前記抜出し規制部23a,24aは、前記収容口21bに前記波付電線管10を収容し、凹条10bに接続部22が嵌合する前に、接続端部10Aの凸条10aが係合する位置に形成されている。そして、図8の網掛け部に示すように、凸条10aに抜出し規制部23a,24aが係合した状態では、接続端部10Aにて径方向に沿った略2/3が配線ボックス11内に収容されるように、収容口21bの接続口21a側への深さ及び抜出し規制部23a,24aの位置が設定されている。
図1及び図2に示すように、各挿入口21において、接続口21a、及び収容口21bにおける上面側は、前記閉鎖部材27によって閉塞され、この閉鎖部材27は第2接続部24の周縁に連結片28を介して連結されている。すなわち、閉鎖部材27は、連結片28、及び接続部22を介して第1側壁13aに連結されている。前記閉鎖部材27は薄板状をなし、第1側壁13aの厚みよりも薄くなっている。そして、前記連結片28を分断し、閉鎖部材27を挿入口21から除去することにより、挿入口21(第2接続部24の内側の接続口21a及び収容口21b)を開放させることができるようになっている。
図3(a)に示すように、第2側壁13bにて左右方向の中央には、底壁12側から開口側へ向けてU字状に延びる挿通孔29が形成されている。この挿通孔29は、周壁の一壁たる第2側壁13bに隣接する壁たる底壁12の端縁に達するまで形成されている。また、挿通孔29は、閉塞部としての閉塞板30によって閉塞され、該閉塞板30は挿通孔29の周縁に連結片31を介して連結されている。また、前記閉塞板30は、底壁12の面に対して平行に延びる挿通孔29の周縁に連結部32を介して連結され、該連結部32は第2側壁13bの左右方向へ直線状に延びるように形成されている。また、図3(b)に示すように、連結部32は、第2側壁13bの長さ方向に対して直交する幅方向、かつ第2側壁13bの厚み方向に沿った断面視が、前記幅方向へテーパ状に凹むように第2側壁13bを薄肉状に成形することで構成され、該テーパ状をなすことでヒンジとして機能するようになっている。
そして、連結部32を回動中心として、閉塞板30を配線ボックス11の外側へ向けて回動させることで、閉塞板30による挿通孔29の閉塞状態を解除して該挿通孔29を開放させ、該挿通孔29に波付電線管10又はケーブルCを挿通することができるようになっている。なお、閉塞板30の第2側壁13bに対する連結部32の回動可能な角度は90度未満となっている(図11参照)。また、図11に示すように、連結部32を回動中心として閉塞板30を配線ボックス11の外側へ向けて回動させた状態において、第2側壁13bの幅方向及び厚み方向に沿った連結部32の断面視では、前記連結部32の配線ボックス11内に臨む箇所32aは緩やかな弧状をなす。
また、図3(a)に示すように、前記閉塞板30には、前記底壁12の端縁側に向けて開放された挿入孔33がU字状に延びるように形成されている。この挿入孔33はノック部35によって閉塞され、該ノック部35は挿入孔33の周縁に連結片34を介して連結されている。図3(b)に示すように、前記ノック部35は、閉塞板30より薄板状をなす。また、前記挿入孔33の周縁部33aは、前記第2側壁13bの幅方向及び厚み方向への断面視が緩やかな弧状に成形されている。図2に示すように、第2側壁13bに隣接する底壁12の第2側壁13b側には、閉塞板30を回動させた状態で前記挿通孔29に連通する連通孔55が形成されている。
図2に示すように、底壁12の左右両側には、四角孔状をなし、底壁12を厚み方向へ貫通する貫通孔36が配線ボックス11の上下方向へ延びるように形成されている。各貫通孔36のほぼ全体は、それぞれ蓋部材37によって閉塞されているが、各蓋部材37の第1側壁13a側端縁と、前記挿入口21を閉塞する閉鎖部材27の底壁12側端縁との間は離間している。このように、貫通孔36が蓋部材37によって閉塞された状態では、貫通孔36に手の指を通過させて底壁12の裏側へ指を突出させることは不可能となっている。前記蓋部材37は、貫通孔36の第1側壁13a側(上側)ほぼ半分を閉塞する第1蓋部38と、貫通孔36の第2側壁13b側(下側)ほぼ半分を閉塞する第2蓋部39とが一体化されて形成されている。前記第1蓋部38と第2蓋部39とはそれぞれ連結片40を介して貫通孔36の周縁たる底壁12に連結されている。また、第1蓋部38と第2蓋部39とはヒンジ部41を介してヒンジ連結されている。前記ヒンジ部41は、蓋部材37における厚み方向に沿った断面視がテーパ状に凹むように蓋部材37を薄肉状に成形することで構成されている。そして、第1蓋部38及び第2蓋部39のいずれか一方において、前記連結片40を分断すると、該一方の蓋部を前記ヒンジ部41を回動中心として配線ボックス11の外側へ向けて回動させることが可能となる。
なお、ヒンジ部41は、第1蓋部38及び第2蓋部39のいずれか一方が、他方に接触することで一方の蓋部の回動角度が90度未満となるように形成されている。図5に示すように、第1蓋部38をヒンジ部41を回動中心として回動させ、第1蓋部38による貫通孔36の閉塞状態を解除したとき、前記貫通孔36に手の指を挿通し、底壁12の裏側に指を突出させることが可能となる。すなわち、第1蓋部38を回動させることで貫通孔36の底壁12での開口面積が、第1蓋部38の回動前より広くなり、その広くなった箇所に手の指を挿通することができるようになる。
次に、上記構成の配線ボックス11を建物壁Wを構築した後に、該建物壁Wに設置する方法について説明する。まず、一対の壁材Waを所定間隔をおいて相対向するように立設し、建物壁Wを構築する。この建物壁Wの構築状態では、建物壁Wの内側(一対の壁材Waの間)に波付電線管10が配設されている。次に、図4に示すように、建物壁Wの表側に立設された壁材Waに透孔50を穿設する。この透孔50は、配線ボックス11の外形よりわずかに大きく、配線ボックス11を底壁12側から挿入可能な大きさであるとともに、係合片20が壁材Waにおける透孔50の周縁部に係合可能とする大きさに穿設される。次に、図5に示すように、連結片28を分断して閉鎖部材27を挿入口21内から除去するとともに、第2接続部24を第1接続部23から除去する。さらに、挿入口21に連通する貫通孔36において、第1蓋部38を底壁12に連結する連結片40を分断し、該第1蓋部38をヒンジ部41を回動中心として配線ボックス11の外側へ向けて回動させ、貫通孔36の開口面積を広げる。
次いで、図6に示すように、配線ボックス11を底壁12側から透孔50を通過させ、配線ボックス11の開口を建物壁Wの表側に臨ませる。続いて、配線ボックス11の開口からボックス内空間11aに手を挿入し、開口面積の広げられた貫通孔36に指を挿通して該指を配線ボックス11の外側へ突出させて建物壁W内に挿入する。そして、建物壁W内に配設された波付電線管10の接続端部10A(下端部)から波付電線管10の内側に指を挿入し、該指を波付電線管10の内周面に引っ掛ける。次に、手を建物壁Wの表側へ移動させ、指を底壁12側(配線ボックス11側)へ引き寄せて波付電線管10を底壁12側へ引き寄せ、さらに、図7及び図8に示すように、収容口21b内に波付電線管10の接続端部10Aを収容するとともに、凸条10aの外面に抜出し規制部23aを係合させる。
図7及び図8の網掛け部に示すように、この係合状態では、波付電線管10の接続端部10Aが配線ボックス11内へ径方向の略2/3が収容され、波付電線管10の内側の半分以上が配線ボックス11の内側に向けて露出している。続けて、波付電線管10を配線ボックス11の内側へ引き寄せると、図8の2点鎖線及び図9に示すように、波付電線管10は収容口21bから接続口21aに向けて、すなわち、挿入口21の長さ方向へ弾性変形する。このとき、指で波付電線管10を、挿入口21の長さ方向(前後方向)へ引っ張ることで、波付電線管10は挿入口21の長さ方向へ細長に延びる楕円状に弾性変形する。そして、波付電線管10が弾性変形することで、波付電線管10の凹条10bに第1接続部23が嵌合されると同時に、抜出し規制部23aに係合した凸条10aが弾性変形して抜出し規制部23aの間を通過する。
その結果、図8の2点鎖線及び図10に示すように、抜出し規制部23aよりも挿入口21の奥側、すなわち、接続口21aに波付電線管10が挿入され、この挿入状態では第1接続部23が凹条10bに嵌合している。そして、第1接続部23により、挿入口21の接続口21a内に波付電線管10の軸方向への移動が規制された状態に接続されるとともに、抜出し規制部23aにより、波付電線管10の径方向に沿った挿入口21外への抜け出しが規制されている。
また、波付電線管10を配線ボックス11の内側へ引き寄せる際、配線ボックス11は透孔50内へ押し込まれ、係合片20が透孔50の周縁部に係合される。すると、第1蓋部38が、建物壁Wの裏側の壁材Waに当接し、ヒンジ部41を回動中心として貫通孔36を閉塞する方向に向けて回動し、貫通孔36を若干閉塞する。このため、貫通孔36の開放度合いが小さくなる。次いで、ビス17を回転させ、舌片18を配線ボックス11の前方へ引き寄せて、該舌片18と係合片20によって建物壁Wの表側の壁材Waを挟持させる。その結果、配線ボックス11が壁材Waに固定され、建物壁Wに設置される。その後、波付電線管10内にケーブル(図示せず)が引き込まれ、該ケーブルに配線器具が接続される。
なお、上記構成の配線ボックス11は、以下に説明するように、ケーブルCを配線ボックス11内に引き込んだ後に、該配線ボックス11を透孔50内に収容して建物壁Wに設置することも可能である。なお、この場合、波付電線管10内にはケーブルCが挿通されている。
まず、図11に示すように、連結片34を分断し、ノック部35を閉塞板30から除去するとともに、挿入孔33を開放させる。次に、連結片31を分断し、閉塞板30を連結部32を回動中心として配線ボックス11の外側へ向けて回動させ、挿通孔29と連通孔55とを連通させる。次いで、建物壁Wの表側に立設された壁材Waに透孔50を穿設し、ケーブルCを透孔50から壁材Waの表側へ引き出す。そして、引き出されたケーブルCの端部を挿通孔29内へ挿入する。このとき、挿通孔29は、閉塞板30が回動したことによる閉塞状態の解除により、閉塞板30の回動前より開口面積が広くなり、さらに、挿通孔29が連通孔55に連通することでさらに開口面積が広くなっている。さらに、閉塞板30自体も挿入孔33によって開口され、閉塞板30が回動することで広くなった挿通孔29に挿入孔33が連通している。このため、挿通孔29へのケーブルCの挿入が速やかに行われる。
次いで、図12に示すように、配線ボックス11を底壁12側から透孔50を通過させ、配線ボックス11の開口を建物壁Wの表側に臨ませる。このとき、配線ボックス11は引き出されたケーブルCに沿って透孔50へ向けて移動する。このとき、図11及び図12に示すように、挿入孔33の周縁部33a及び、連結部32にて配線ボックス11内に臨む箇所32aは緩やかな弧状に形成されている。このため、配線ボックス11がケーブルCに沿って移動しても、挿入孔33の周縁部33a及び連結部32にて配線ボックス11内に臨む箇所32aによってケーブルCが損傷を受けることが防止される。その後、配線ボックス11が建物壁Wに設置される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)挿入口21に波付電線管10の接続端部10Aを挿入する際、収容口21bに接続端部10Aを収容すると、接続端部10Aの外面(凸条10aの外面)に抜出し規制部23aが係合し、波付電線管10の移動が一旦停止される。このとき、接続端部10Aの内側が、収容口21bから配線ボックス11の内側に露出しているため、指を挿入したまま収容口21b側から接続口21aへ向けて波付電線管10を引っ張ることができる。そして、指を接続端部10Aの内側に引っ掛けて引っ張ると、接続端部10Aはその引っ張り方向へ弾性変形するため、収容口21b側から接続口21aに向けて細長に延びるように弾性変形して抜出し規制部23aを通過させやすくすることができる。これに対し、波付電線管10の外面を、収容口21b側から接続口21a側へ向けて押す方法は、接続端部10Aが前記引っ張り方向と交差する方向へ拡がるように弾性変形するため、接続端部10Aの抜出し規制部23aへの係合面積が拡がることとなる。したがって、接続端部10Aの内側に指を引っ掛けて引っ張る方法は、波付電線管10の外面を、収容口21b側から接続口21a側へ向けて押す方法に比して、接続端部10Aを挿入口21に挿入、接続しやすくなる。その結果として、第1側壁13aに波付電線管10を接続する作業の作業性を向上させることができる。
(2)抜出し規制部23aに接続端部10Aの外面が係合した状態では、接続端部10Aの内側の半分以上(略2/3)が配線ボックス11の内側に露出している。このため、接続端部10Aの内側に確実に指を挿入することができ、接続端部10Aの内側に指を引っ掛けて波付電線管10を引っ張る作業を容易かつ確実に行うことができる。
(3)収容口21bは第1側壁13aから底壁12に跨って形成されている。このため、建物壁Wの構築後に、配線ボックス11を透孔50を通過させた際に、接続端部10Aが底壁12側から収容口21b内へ収容されやすくなる。そして、このとき、接続端部10Aの内側が、収容口21bから配線ボックス11の内側に露出し、接続端部10Aの内側に手の指を挿入することができる。したがって、建物壁Wの表側に波付電線管10を引き出し、配線ボックス11の挿入口21に挿入した後、配線ボックス11を透孔50に収容する作業が必要なくなり、その結果として、引き出した波付電線管10とともに配線ボックス11を透孔50を通過可能とするために透孔50が大型化してしまうことも無くなる。
(4)配線ボックス11の挿通孔29にケーブルCを挿入して該配線ボックス11を建物壁Wに設置する場合において、連結部32を回動中心として閉塞板30を回動させることにより、閉塞板30による挿通孔29の閉塞状態を解除することができる。このとき、閉塞板30は連結部32によって第2側壁13bに連結されたままであるため、配線ボックス11の設置作業の際に、挿通孔29を閉塞する閉塞板30が、配線ボックス11から分離された廃棄物となることが防止される。
(5)連結部32は、第2側壁13bと閉塞板30との連結箇所を薄肉状に成形してなるヒンジより形成されている。すなわち、配線ボックス11の成形時に薄肉状に成形した簡単な構成で、閉塞板30を配線ボックス11に一体化しつつ回動可能とする構成を可能とすることができる。
(6)閉塞板30を回動させた状態では、該閉塞板30の端縁が底壁12から離間して挿通孔29の開口面積が広くなる。さらに、閉塞板30の底壁12側に挿入孔33を形成することで、開放された挿通孔29に挿入孔33が連通し、挿入孔33を形成しない場合に比して挿通孔29の開口面積をより広くすることができる。その結果として、閉塞板30が第2側壁13bに一体化されていても、ケーブルCを挿通孔29に挿入する作業の作業性を向上させことができる。
(7)挿通孔29には連通孔55が連通されており、挿通孔29は該挿通孔29が形成された第2側壁13bから底壁12にまで跨って形成されている。このため、例えば、挿通孔29が、該挿通孔29が形成された第2側壁13bのみに形成されている場合に比して、閉塞板30を回動させたときの挿通孔29の開口面積を広くすることができ、ケーブルCを挿通孔29に挿入する作業の作業性を向上させることができる。
(8)閉塞板30を回動させ、ケーブルCを挿通孔29に挿入した状態で、配線ボックス11がケーブルCに沿って移動したとき、連結部32にて配線ボックス11内に臨む箇所32aとケーブルCとが摺接する場合がある。このとき、閉塞板30を回動させた後の連結部32にて、配線ボックス11内に臨む箇所32aは緩やかな弧状に形成されているため、該箇所32aがピン角状に形成されている場合のように、ケーブルCが損傷を受けることを防止することができる。また、閉塞板30の挿入孔33の周縁部33aも緩やかな弧状をなすため、配線ボックス11がケーブルCに沿って移動したとき、ケーブルCに挿入孔33の周縁部33aが摺接するが、該挿入孔33によってケーブルCが損傷を受けることを防止することができる。
(9)手の指を配線ボックス11の外側へ突出可能とする貫通孔36を底壁12に形成した。そして、配線ボックス11の設置時には、建物壁Wの透孔50に配線ボックス11を通過させた後、貫通孔36から配線ボックス11の外側へ突出させた指で波付電線管10を配線ボックス11側へ引き寄せることで、挿入口21に波付電線管10を挿入、接続することができる。すなわち、透孔50から建物壁W内に配線ボックス11を収容した後に、配線ボックス11に波付電線管10を接続することができ、配線ボックス11を建物壁Wに後付けすることができる。したがって、配線ボックス11に波付電線管10を接続した後に、該配線ボックス11を建物壁W内に収容する場合のように、配線ボックス11と波付電線管10を同時に通過可能とする大きな透孔50を壁材Waに穿設する必要が無くなり、透孔50のサイズを配線ボックス11の外形よりわずかに大きいサイズとすることができる。その結果として、透孔50が配線ボックス11の外形より遙かに大きくなることにより、配線ボックス11の固定が不十分の場合には、該配線ボックス11が透孔50内でがたつくといった不具合の発生を防止することができる。
(10)また、配線ボックス11を建物壁W内に収容した後、又は収容する途中に、配線ボックス11に波付電線管10を接続することができるため、挿入口21に波付電線管10を接続する場合には、波付電線管10を透孔50から建物壁Wの表側に引き出す必要がなくなる。したがって、波付電線管10を建物壁Wの表側に引き出す際に、波付電線管10が透孔50の周縁に接触して、透孔50や波付電線管10が損傷を受けることを無くすことができる。
(11)貫通孔36は、蓋部材37(第1蓋部38及び第2蓋部39)によって閉塞され、波付電線管10の接続時にヒンジ部41を回動中心として蓋部材37(第1蓋部38)を回動させることで貫通孔36の開口面積を広げて指を挿通することが可能となる。したがって、貫通孔36に指を通すまでは、蓋部材37によって底壁12が閉塞されるとともに剛性を高い状態に維持することができ、例えば、配線ボックス11の運搬等に配線ボックス11が変形したり、破損したりすることを抑制することができるとともに、配線ボックス11内へのゴミ等の侵入を抑制することができる。
(12)波付電線管10が配線ボックス11に接続された後、蓋部材37(第1蓋部38)は壁材Waに当接することにより貫通孔36を閉塞する方向へ回動する。このため、蓋部材37によって貫通孔36の開放度合いを小さくすることができるとともに、貫通孔36を開放させる方向への蓋部材37の回動を規制することができる。したがって、蓋部材37によって、波付電線管10が収容口21bから挿入口21外へ抜け出ることを防止することができる。
(13)蓋部材37(第1蓋部38)は、配線ボックス11の外側へ突出する方向へ回動して貫通孔36を開放する。このため、例えば、蓋部材37が配線ボックス11の内側へ入り込む方向へ回動した場合のように蓋部材37が配線ボックス11内に存在することがない。したがって、蓋部材37がボックス内空間11a内への手の挿入の妨げとなることが防止でき、さらに、挿入口21内に波付電線管10を挿入するとき、蓋部材37が障害となることが無く、挿入口21に波付電線管10を速やかに接続することができる。
(14)挿入口21には接続部22が形成され、この接続部22に凹条10bが嵌合された状態では、該接続部22は接続端部10Aの凸条10aに係合するようになっている。このため、接続部22により、挿入口21に挿入された波付電線管10の軸方向への移動を規制した状態で配線ボックス11に波付電線管10を接続することができる。その結果、波付電線管10が配線ボックス11の内側へ過度に入り込むことを防止し、接続端部10Aが配線ボックス11内に収容される配線器具の妨げとなることを防止することができる。
(15)挿入口21の接続部22には、抜出し規制部23a,24aが形成され、この抜出し規制部23a,24aは接続端部10Aの凸条10aに係合可能に形成されている。このため、挿入口21に挿入された波付電線管10の径方向への移動を規制して、挿入口21(接続口21a)からの波付電線管10の径方向への抜け出しを規制することができる。その結果として、波付電線管10に保護されたケーブルCを配線ボックス11内に引き込んだ状態を維持することができる。
(16)蓋部材37(第1蓋部38)は、連結片40を介して底壁12に連結されている。このため、蓋部材37を回動させない場合は、蓋部材37は底壁12に一体化され、蓋部材37が揺動することを防止することができる。
(17)蓋部材37(第1蓋部38)は、貫通孔36を開放させるとき、ヒンジ部41を回動中心として回動する。すなわち、蓋部材37はヒンジ部41を介して底壁12に連結されている。このため、貫通孔36を開放させても蓋部材37は配線ボックス11から分断されることはなく、配線ボックス11を設置する際に蓋部材37がゴミ(廃棄物)として生じることを無くすことができる。
(18)蓋部材37(第1蓋部38)が回動し、貫通孔36の開口面積が蓋部材37の回動前より広くなった状態では、第1蓋部38は貫通孔36へ向かって傾斜した状態になっている。このため、第1蓋部38に接続端部10Aの端縁を当接させた状態で波付電線管10を挿入口21側へ引き寄せることで、波付電線管10を挿入口21(収容口21b)側へ向かうようにガイドすることができる。したがって、波付電線管10を挿入口21に向けて引き寄せる作業を行い易くすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 配線ボックス11の設置時、回動した第1蓋部38を壁材Waに当接させて貫通孔36を閉塞する方向へ回動しないように、第1蓋部38の回動角度を小さくしてもよい。
○ 配線ボックス11の設置時に、底壁12に貫通孔36を穿設してもよく、この場合、貫通孔36は蓋部材37ではなく底壁12に閉塞されている。
○ 底壁12において、蓋部材37の周縁を薄肉状に成形して、配線ボックス11の設置時に薄肉状をなす箇所を切断して蓋部材37(第1蓋部38)を回動させて貫通孔36を開放させてもよい。
○ 貫通孔36は、蓋部材37だけでなく、他の蓋部材とともに閉塞されていてもよい。また、蓋部材37は前記他の蓋部材にヒンジ部を介して連結されていてもよい。
○ 貫通孔36は、蓋部材37によって閉塞されておらず、底壁12にて常に開放されていてもよい。
○ 底壁12において、第1蓋部38を実施形態よりコンパクトにし、貫通孔36の一部を第1蓋部38で閉塞しつつも、貫通孔36に手の指を挿入可能な大きさにしてもよい。
○ 閉塞板30が回動した状態において、連結部32にて配線ボックス11内に臨む箇所32aが緩やかな弧状に形成されていなくてもよい。
○ 底壁12において、挿通孔29に連通する連通孔55を削除してもよい。
○ 第2側壁13bの閉塞板30は連結部32によって連結されておらず、第2側壁13bから除去可能であってもよい。
○ 閉塞板30において、挿入孔33を削除し、この削除に伴いノック部35を削除してもよい。
○ 配線ボックス11を、第1側壁13a及び第2側壁13bの両側壁に挿入口21(接続口21a及び収容口21b)を形成した構成(挿通孔29及び閉塞板30(閉塞部)を削除)としてもよい。この場合、配線ボックス11は、貫通孔36から指を配線ボックス11の外側へ突出可能とする構成であるとともに、抜出し規制部23aに接続端部10Aの凸条10aが係合した状態において、接続端部10Aの内側に指を挿入可能となっている。さらに、この配線ボックス11において、底壁12の貫通孔36及び蓋部材37を削除して、底壁12から配線ボックス11の外側へ指を突出できない構成としてもよい。
○ 配線ボックス11において、底壁12の貫通孔36及び蓋部材37を削除して、底壁12から配線ボックス11の外側へ指を突出できない構成としてもよい。
○ 図13に示すように、建物壁W内に配線ボックス11が予め設置されているとともに、該配線ボックス11の挿通孔29内にケーブルCが挿入された状態で該ケーブルCを建物壁Wの表側へ引き出してもよい。この場合、ボックス内空間11aの開口が建物壁Wの表側へ臨むように壁材Waに透孔50が穿設される。そして、ケーブルCが配線ボックス11の開口を介して建物壁Wの表側へ引き出される際、該ケーブルCは連結部32にて配線ボックス11内に臨む箇所32a及び挿入孔33の周縁部33aに摺接する場合がある。このとき、閉塞板30を回動させた後の連結部32及び挿入孔33の周縁部33aは緩やかな弧状に形成されているため、該連結部32及び周縁部33aがピン角状に形成されている場合のように、ケーブルCが損傷を受けることを防止することができる。
○ 図14に示すように、挿通孔29は、第2側壁13bにヒンジ連結された閉塞部60によって閉塞されていてもよい。前記挿通孔29は底壁12側に開放されていない。また、閉塞部60は左右方向へ直線状に延びる連結部61によって第2側壁13bに一体化されている。
○ 図15に示すように、挿通孔29は、第2側壁13bに形成されたヒンジよりなる連結部61によって部分的に閉塞されていてもよい。
○ 以下に説明するように、回動した蓋部材37(第1蓋部38)を利用してケーブルCを配線ボックス11内に引き込む作業を行ってもよい。図16に示すように、まず、閉鎖部材27が除去されて挿入口21が開放されるとともに、第1蓋部38を回動させて貫通孔36が開放された配線ボックス11を透孔50を通過させ、係合片20を透孔50の周縁部に係合させる。このとき、蓋部材37(第1蓋部38)は、壁材Waに当接することにより貫通孔36の開放度合いを小さくする方向へ回動している。次に、実施形態と同様に指で波付電線管10を配線ボックス11側に引き寄せ、接続端部10Aを収容口21bに収容するとともに、凸条10aを抜出し規制部23aに係合させる。そして、この状態で波付電線管10内にケーブルCを挿入すると、ケーブルCは底壁12に対して斜めに傾斜した蓋部材37(第1蓋部38)に当接し、貫通孔36へ向かうようにガイドされる。その結果、ケーブルCは貫通孔36を通過して配線ボックス11内へ入り込む。
○ 蓋部材37を底壁12に連結する連結片40は、その分断後に分断箇所同士が係合することで、回動した蓋部材37(第1蓋部38又は第2蓋部39)を貫通孔36を閉塞する位置に保持させる係合部であってもよい。また、底壁12と蓋部材37(第1蓋部38又は第2蓋部39)との間に、蓋部材37が貫通孔36を閉塞する方向へ回動した際に、互いに係合することで該蓋部材37を閉塞位置に保持する保持手段を連結片40とは別に備えていてもよい。
○ 蓋部材37(第1蓋部38及び第2蓋部39の少なくとも一方)に、ボックス内空間11a内へ突出する突部を形成してもよい。このように構成すると、貫通孔36を開放させる方向へ回動した蓋部材37を、貫通孔36を閉塞する方向へ回動させる際、前記突部を手の指で摘んだり、工具を係止させることで蓋部材37を回動させる作業を容易に行うことができる。
○ 閉塞板30を第2側壁13bに連結する連結片31は、その分断後に分断箇所同士が係合することで、回動した閉塞板30を挿通孔29を閉塞する位置に保持させる係合部であってもよい。また、第2側壁13bと、閉塞板30との間に、閉塞板30が挿通孔29を閉塞する方向へ回動した際に、互いに係合することで該閉塞板30を閉塞位置に保持する保持手段を連結片31とは別に備えていてもよい。
○ 挿通孔29の周縁に、該挿通孔29を閉塞する別の閉塞部を形成するとともに、該別の閉塞部に閉塞板30を連結部32を介してヒンジ連結してもよい。
○ 第2側壁13bにおいて、挿通孔29の周縁であり、閉塞板30との連結箇所を薄肉状に成形せず、第2側壁13bの厚みのままとしてもよい。そして、挿通孔29の周縁であり、閉塞板30との連結箇所を回動中心として閉塞板30を回動させる構成としてもよく、この場合、挿通孔29の周縁と閉塞板30との連結箇所が閉塞板30の連結部を構成している。
○ 底壁12において、連通孔55を削除するとともに、第2側壁13bの挿通孔29に貫通孔36を連通させてもよい。このように構成した場合、第2蓋部39をヒンジ部41を回動中心として回動させることにより、貫通孔36に指を挿通可能に開放することができ、挿通孔29に波付電線管10を接続する際に、指で波付電線管10を挿通孔29に引き寄せて接続することができる。
○ 抜出し規制部23aに接続端部10Aの凸条10aが係合した状態において、接続端部10Aの内側の半分未満又は全てが配線ボックス11の内側に露出するように抜出し規制部23aの位置及び収容口21bの接続口21a側への深さを設定してもよい。すなわち、抜出し規制部23aに接続端部10Aの凸条10aが係合した状態において、接続端部10Aの内側に指を挿入することが可能となるように波付電線管10の管径に合わせて抜出し規制部23aの位置及び収容口21bの接続口21a側への深さを設定してもよい。
○ 実施形態において、建物壁W内にケーブルCのみが配設された状態では、配線ボックス11を透孔50内に収容した後、貫通孔36から配線ボックス11外へ手の指を突出させ、ケーブルCを手の指に引っ掛けて挿入口21に引き寄せて挿入口21に挿入するようにしてもよい。
○ 周壁によって四角枠状に形成されたタイプの配線ボックスに挿入口21(接続口21a及び収容口21b)を形成してもよい。
○ 挿入口21を、隣接する側壁13同士(例えば、第1側壁13aと第3側壁13c)に跨るように形成してもよい。
○ 実施形態では、建物壁Wの構築時に波付電線管10を配設した場合について説明したが、建物壁Wの構築時に波付電線管10を配設しなくてもよく、配線ボックス11を設置する際に、建物壁W内に波付電線管10を配設してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記底壁には、貫通孔が前記挿入口に連通して形成されている請求項2に記載の配線ボックス。
(2)前記貫通孔は蓋部材により少なくとも一部が閉塞されているとともに、該蓋部材は前記底壁、又は前記蓋部材とは別に貫通孔を閉塞するとともに底壁に一体形成された別の蓋部材にヒンジ部を介して連結され、前記蓋部材は前記ヒンジ部を回動中心として貫通孔を開放させる方向へ回動可能に形成されている技術的思想(2)に記載の配線ボックス。
(3)前記蓋部材は、貫通孔の周縁に連結片によって連結されている技術的思想(2)に記載の配線ボックス。
(4)前記周壁には、前記管類又はケーブル類を挿通可能とする挿通孔が形成され、該挿通孔は閉塞部により閉塞されているとともに、前記閉塞部は、前記周壁、又は前記閉塞部とは別に挿通孔を閉塞するとともに周壁に一体形成された別の閉塞部に連結部を介して連結され、該閉塞部は前記連結部を回動中心として回動可能に形成されている請求項1又は請求項2、及び技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載の配線ボックス。
(5)前記連結部は、前記周壁と閉塞部との連結箇所又は閉塞部と別の閉塞部との連結箇所を薄肉状に成形してなるヒンジより形成されている技術的思想(4)に記載の配線ボックス。
(6)前記連結部は、前記ヒンジを直線状に形成してなる技術的思想(5)に記載の配線ボックス。
(7)前記挿通孔は、前記周壁のうち該挿通孔が形成された一つの壁にて、該壁に隣接する壁の端縁に達するまで形成され、前記閉塞部には、該閉塞部にて前記隣接する壁の端縁側に向けて開放された挿入孔が形成されている技術的思想(4)〜(6)のうちいずれか一項に記載の配線ボックス。
(8)前記挿通孔は、該挿通孔が形成された壁から、該壁と隣接する壁に跨るように形成されている技術的思想(7)に記載の配線ボックス。
(9)前記閉塞部の回動後の前記連結部において、配線ボックス内に臨む箇所は前記連結部が形成された周壁の厚み方向への断面視が緩やかな弧状に形成されている技術的思想(4)〜(8)のうちいずれか一項に記載の配線ボックス。
(10)前記連結部は前記側壁における前記ボックス内空間の開口側に形成されている技術的思想(9)に記載の配線ボックス。
(11)技術的思想(1)〜(3)のうちいずれか一項に記載の配線ボックスの建物壁への設置方法であり、前記配線ボックスを前記底壁側から挿入可能な透孔を前記建物壁に穿設し、前記透孔に配線ボックスを底壁側から挿入して前記ボックス内空間が建物壁の表側に臨むように配置し、該ボックス内空間に手を挿入し、前記貫通孔から配線ボックスの外側へ手の指を突出させ、前記建物壁内に配設された管類又はケーブル類に指を係止させ、手を建物壁の表側へ移動させることで管類又はケーブル類を底壁側に引き寄せ、該管類又はケーブル類を前記挿入口内に挿入した後、配線ボックスを建物壁に固定することを特徴とする配線ボックスの設置方法。
(12)前記貫通孔の少なくとも一部は蓋部材により閉塞され、前記蓋部材による貫通孔の閉塞状態を解除した後、該貫通孔から前記指を配線ボックスの外側へ突出させる技術的思想(11)に記載の配線ボックスの設置方法。
(13)前記蓋部材は、前記底壁、又は前記蓋部材とは別に貫通孔を閉塞するとともに底壁に一体形成された別の蓋部材にヒンジ部を介して連結され、前記蓋部材は挿入口に管類又はケーブル類が挿入された後、前記蓋部材を前記建物壁に当接させることで前記ヒンジ部を回動中心として該蓋部材を貫通孔を閉塞する方向へ回動させる技術的思想(12)に記載の配線ボックスの設置方法。
(14)前記蓋部材は、前記ヒンジ部を回動中心として配線ボックスの外側に向けて回動させる技術的思想(13)に記載の配線ボックスの設置方法。
10…管類としての波付電線管、10A…接続端部、11a…ボックス内空間、11…配線ボックス、12…周壁を構成する底壁、13(13a〜13d)…周壁を構成する第1〜第4側壁、21…挿入口、21a…接続口、21b…収容口、22…接続部、23…接続部を構成する第1接続部、23a…抜出し規制部、24…接続部を構成する第2接続部、24a…抜出し規制部。