JP4574399B2 - 光硬化性組成物及びそれから得られるカラーフィルタ - Google Patents

光硬化性組成物及びそれから得られるカラーフィルタ Download PDF

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本発明は、液晶表示素子(LCD)やイメージセンサ(CCD,CMOS)に用いられるカラーフィルタ及びそれを形成する光硬化性組成物、特に、基板からの微小な画素膜の脱膜がないイメージセンサ用カラーフィルタ及びそれを形成にするに好適な光硬化性組成物に関する。
液晶表示素子(LCD)やイメージセンサ(CCD,CMOS)に用いられるカラーフィルタは赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、更に場合によっては黒(K)の微細な画素がガラス基板上あるいはウェハー上に規則的に配列されており、該画素は染色法、印刷法、顔料分散法、或いは電着法によって製造されている。
いずれの方法も一色づつ逐次形成されるが、顔料分散法はパターン精度が高く、製造工程が安定していることからカラーフィルタの多くはこの方法によって製造されている。
前記顔料分散法は、一般的に、着色剤、重合性モノマー、及び光重合開始剤を含む光硬化性組成物を基板上に塗布し、乾燥、露光及び現像した後、着色画素パターンを得る方法である。
一方、近年、高密度実装の要求からカラーフィルタの画素の大きさは、より小さく、また薄いものが要求されるようになってきた。特に、イメージセンサ用途にあってはこの傾向が顕著である。
しかしながら、画素の大きさが微小になるに従って、以下のような問題が生じた。
画素が薄くなると同じ色特性を維持するために着色剤の含有量をより多くする必要がある。着色剤の含有量が多くなるとそれだけ光硬化成分の比率が低下し、また活性エネルギー線(i線など)の光が透過しにくくなって、膜としての硬化が同じ露光量では不十分になることが多くなってきた。
イメージセンサ用途のカラーフィルタにあっては、通常、正方形に近い矩形の画素がマトリックス上に画素間に隙間がないように配列されている。そして画素が微小になると基板との接触面積が小さくなりアルカリ現像液などの現像処理によって、画素膜が脱膜しやすくなったりした。脱膜が起こらないように硬化を充分に行うと、画素周辺にまで硬化が及び矩形から角が丸まった円形状になって隣接する画素に影響を与えてしまうという問題が生じた。
特に、青(B)では、i線に吸収があるためにこのような傾向がより大きくなった。
最近、増感剤として活性ハロゲン化合物と3−アリール置換クマリン化合物とを用いるカラーフィルタ用光重合組成物が開示されている(特許文献1参照。)。また、クマリン系化合物の2置換体である、3,7位−置換のクマリン系化合物を増感剤として含有する感光性着色組成物も開示されている(例えば、特許文献2、3参照。)。更に、ベンゾフェノン構造を有する有機過酸化物とクマリン構造を有する光増感剤を含有する光硬化性着色組成物が開示されいている(例えば、特許文献4参照。)。また、光重合開始剤としてトリハロメチルキナゾリン系化合物とアセトフェノン系化合物を併用し、増感色素として4,7位−クマリン系化合物を使用することが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平7−311462号公報 特開平9−73171号公報 特開2002−214784号公報 特開2002−196489号公報 特開平10−153859号公報
本発明の目的は、光感度が高い光硬化性組成物の提供することにある。
また、本発明の目的は、該光硬化性組成物を用いて画素が所望の大きさ、形状にコントロールされたカラーフィルタを提供する。
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、イメージセンサ用カラーフィルタを開発する過程で、増感剤としてある種のクマリン化合物(クマリン基本骨格の4位と7位に特定の置換基がある4,7位−置換クマリン系化合物)を含有する光硬化性組成物を使用することにより、感度が著しく向上して上記問題が解決できることを見出し本発明を完成した。
即ち、画素が小さくなっても、露光後のアルカリ現像による矩形の画素を脱膜的に剥離することなく得ることができることを見出したものである。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、反応性二重結合を有するモノマー、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該光重合開始剤は、(A)下記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物と、(B)下記一般式(I−A)で表されるトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びオキシム系化合物の群から選ばれる何れか一種以上の化合物とを含むことを特徴とする光硬化性組成物。
[一般式(I)中、Xは、炭素数1〜20のアルキル基、3位と結合した無置換シクロ環基もしくは置換シクロ環基、カルボキシル基、カルボン酸エステル残基を表す。Yは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を一般式(I−A)中、X 1 及びX 2 はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または水素原子を表す。A 1 及びA 2 はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
<2> 前記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物が下記式(II)で表されることを特徴とする上記<1>に記載の光硬化性組成物。
> 上記<1>または>の何れか1項に記載の光硬化性組成物を用いて基板上に形成された複数の矩形の画素の配列を有することを特徴とするカラーフィルタ。
> 前記画素の一辺が5μm以下であることを特徴とする上記<>に記載のカラーフィルタ。
> 前記画素の厚さが2μm以下であることを特徴とする上記<>又は<>に記載のカラーフィルタ。
> 前記画素の着色剤の含有率が30質量%以上であることを特徴とする上記<>〜<>の何れか1項に記載のカラーフィルタ。
本発明によれば、光感度が高い光硬化性組成物の提供することができる。また、本発明によれば、該光硬化性組成物を用いて画素が所望の大きさ、形状にコントロールされたカラーフィルタを提供することができる。
本発明は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、反応性二重結合を有するモノマー、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、(A)下記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物と、(B)後述の下記一般式(I−A)で表されるトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びオキシム系化合物の群から選ばれる何れか一種以上の化合物と、を含む該光重合開始剤を含有する光硬化性組成物であり、更に、それを用いて形成されたカラーフィルタを特徴とする。
以下、本発明について詳細に説明する。
≪光硬化性組成物≫
本発明の光硬化性組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、反応性二重結合を有するモノマー、および光重合開始剤を含有する。一般的には溶剤を用い、必要に応じて他の成分を添加することができる。
[光重合開始剤]
本発明における光重合開始剤は、(A)下記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物と、(B)下記一般式(I−A)で表されるトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びオキシム系化合物の群から選ばれる何れか一種以上の化合物と、を含むものであれば、特に限定されることなく、いずれの光重合開始剤を用いることができる。
以下、前記(A)下記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物と、(B)後述の一般式(I−A)で表されるトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びオキシム系化合物について詳細に説明する。
一般式(I)中、Xは、炭素数1〜20のアルキル基、3位と結合した無置換シクロ環基もしくは置換シクロ環基、カルボキシル基、カルボン酸エステル残基を表す。Yは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を表す
前記Xが表す炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。具体的には、該アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられ、中でも、メチル、エチル、プロピルが特に好ましい。
前記Xが表す3位と結合した無置換シクロ環基もしくは置換シクロ環基、前記Yが表す6位と結合した無置換シクロ環基もしくは置換シクロ環基、前記Yが表す8位と結合した無置換シクロ環基もしくは置換シクロ環基、及び前記Yが表す6位と8位に結合した無置換又は置換シクロ環基、における該シクロ環基としては、環員数3〜12が好ましく、4〜9がより好ましく、5〜7が特に好ましい。
具体的には、該シクロ環基としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが挙げられ、シクロペンタン、シクロヘキサンが特に好ましい。
また、置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3で、例えば、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられ、中でも、メチル、エチル、プロピルが好ましい。)が挙げられる。
前記Xが表す前記カルボン酸エステル残基としては、ジメチルエステル基、エチルメチルエステル基、メチルフェニルエステル基等が挙げられ、中でもジメチルエステル基、エチルメチルエステル基が好ましい。
前記Yが表す炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。具体的には、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、iso−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられ、中でも、メチル、エチル、プロピルが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物のうち、好ましくは式(II)で表される化合物である。
本発明における前記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物の具体例として、前記式(II)及び(IV)で表される化合物以外のものを以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
前記トリアジン系化合物としては、下記一般式(I−A)で表される化合物である
一般式(I−A)中、X1及びX2はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または水素原子を表す。A1及びA2はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
以下に、一般式(I−A)で表されるトリアジン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記トリアジン系化合物の中でも、和光純薬(株)製PM−834、みどり化学(株)製TAZ−102、TAZ−103、TAZ−104、TAZ−106、化合物(I-1)(TAZ-107)、TAZ−108、TAZ−110、TAZ−113、TAZ−118、TAZ−122、TAZ−123、TAZ−140が好ましく、更に好ましくは和光純薬(株)製PM−834、みどり化学(株)製TAZ−104、TAZ−106、化合物(I-1)(TAZ-107)、TAZ−108、TAZ−110、TAZ−122、TAZ−123であり、最も好ましくは、和光純薬(株)製PM−834、みどり化学(株)製TAZ−104、TAZ−106、化合物(I-1)(TAZ-107)、TAZ−110、TAZ−123である。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(II)が好ましい。
一般式(II)中、R21〜R24はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
以下に、一般式(II)で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記ベンゾフェノン系化合物は、さらに下記の化合物も好ましい。
また、前記ベンゾフェノン系化合物は、ラムベルチ(lamberti)化学(株)製、ESACURE TZM(4-メチルベンゾフェノンとベンゾフェンの混合物)も好ましい。
前記ベンゾフェノン系化合物の中でも、好ましくは、ラムベルチ(lamberti)化学(株)製、ESACURE TZT、ESACURE TZM、日本化薬(株)製、KAYACURE MBP、KAYACURE BP-100、保土谷化学(株)製、EAB−F(前記(II−1))であり、最も好ましくは、ラムベルチ(lamberti)化学(株)製、ESACURE TZT、日本化薬(株)製、KAYACURE MBP、保土谷化学(株)製、EAB−F(前記(II−1))である。
前記オキシム系化合物としては、下記一般式(I)、(II)、(III)、及び(IV)が好ましい。該オキシム系化合物は、特開2000−80068号公報、例えば、[0004]〜[0068]に記載の化合物を用いることができる。
式中、R1は、フェニル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、フェニル、ハロゲン、OR8、SR9若しくはNR1011の1個以上により置換されている)であるか;又はR1は、C1−C20アルキル又はC2−C20アルキル(これは、場合により−O−の1個以上により中断、及び/又は場合によりヒドロキシ基の1個以上により置換されている)であるか、又はR1は、C5−C8シクロアルキル若しくはC2−C20アルカノイルであるか;又はベンゾイル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR8、SR9若しくはNR1011の1個以上により置換されている)であるか、又はR1は、C2−C12アルコキシカルボニル(これは、場合により−O−の1個以上により中断、及び/又は場合によりヒドロキシ基の1個又は2個以上により置換されている)であるか、又はR1は、フェノキシカルボニル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、ハロゲン、フェニル、OR8若しくはNR1011の1個以上により置換されている)であるか、又はR1は、−CONR1011、CN、NO2、C1−C4ハロアルキル、S(O)mC1−C6アルキル;非置換若しくはC1−C12アルキル−置換S(O)m−C6−C12アリール;SO2O−C1−C6アルキル;SO2O−C6−C10アリール、又はジフェニル−ホスフィノイルであり;mは、1又は2であり;R1’は、C2−C12アルコキシカルボニル(これは、場合により−O−の1個以上により中断、及び/又は場合によりヒドロキシル基の1個以上により置換されている)であるか;又はR1’は、フェノキシカルボニル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、ハロゲン、フェニル、OR8若しくはNR1011の1個以上により置換されている)であるか;又はR1’は、C5−C8シクロアルキル、−CONR1011、CN;又はフェニル(これは、SR9により置換されており、ここで、場合により基R4’、R5’及びR6’を有するフェニル環の炭素原子への結合を構築することにより基R9を介して5−又は6−員環が形成される);又はR4’、R5’及びR6’の少なくとも1個が、−SR9であるならば、R1’は、更にC1−C12アルキル(これは、非置換であるか、又はハロゲン、OH、OR2、フェニル、ハロゲン化フェニル、又はSR9置換フェニルの1個以上により置換されており、かつ場合により−O−又は−NH(CO)−により中断されている)であり;R2は、C2−C12アルカノイル(これは、非置換であるか、又はハロゲン若しくはCNの1個以上により置換されている)であるか;又はR2は、C4−C6アルケノイルであるが、ただし二重結合はカルボニル基と共役しておらず;又はR2は、ベンゾイル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、ハロゲン、CN、OR8、SR9若しくは又はNR1011の1個以上により置換されている)であるか、又はR2は、C2−C6アルコキシカルボニル;若しくはフェノキシカルボニル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル若しくはハロゲンにより置換されている)であり;R3、R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1−C12アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル;又はフェニル(これは、非置換であるか、又はOR8、SR9若しくはNR1011の1個以上により置換されている)であるか;又はR3、R4、R5、R6及びR7は、ベンジル、ベンゾイル、C2−C12アルカノイル;C2−C12アルコキシカルボニル(これは、場合により−O−の1個以上により中断、及び/又は場合によりヒドロキシル基の1個以上により置換されている)であるか;又はR3、R4、R5、R6及びR7は、フェノニキシカルボニル又は基OR8、SR9、SOR9、SO29若しくはNR1011(ここで、置換基OR8、SR9及びNR1011は、場合によりフェニル環の更なる置換基又はフェニル環の炭素原子の一つと、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して5−又は6−員環を形成する)であるが;ただしR3、R4、R5、R6及びR7の少なくとも一つは、OR8、SR9及びNR1011であり;R4’、R5’及びR6’は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1−C12アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル;フェニル(これは、非置換であるか、又はOR8、SR9若しくは又はNR1011により置換されている)であるか;又はR4’、R5’及びR6’は、ベンジル、ベンゾイル、C2−C12アルカノイル;C2−C12アルコキシカルボニル(これは、場合により−O−の1個以上により中断、及び/又は場合によりヒドロキシル基の1個以上により置換されている)であるか;又はR4’、R5’及びR6’は、フェノニキシカルボニル;又は基OR8、SR9、SOR9、SO29若しくはNR1011(ここで、置換基OR8、SR9及びNR1011は、場合によりフェニル環の更なる置換基又はフェニル環の炭素原子の一つと、基R8、R9、R10及び/又はR11を介して5−又は6−員環を形成する)であるが;ただしR4’、R5’及びR6’の少なくとも一つは、OR8、SR9及びNR1011であり;かつR5’がメトキシであり、R4’及びR6’が両方同時に水素であり、R1’がCNであれば、R2’は、ベンゾイル又は4−(C1−C10アルキル)ベンゾイルではなく;R8は、水素、C1−C12アルキルであるか;又はC2−C6アルキル(これは、−OH、−SH、−CN、C1−C4アルコキシ、C3−C6アルケンオキシ、−OCH2CH2CN、−OCH2CH2(CO)O(C1−C4アルキル)、−O(CO)−C1−C4アルキル、−O(CO)−フェニル、−(CO)OH又は−(CO)O(C1−C4アルキル)で置換されている)であるか;又はR8は、C2−C6アルキル(これは、−O−の1個以上によりより中断されている)であるか;又はR8は、−(CH2CH2O)nH、C2−C8アルカノイル、C3−C12アルケニル、C3−C6アルケノイル、シクロヘキシル;又はフェニル(これは、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C12アルキル若しくはC1−C4アルコキシで置換されている)であるか;又はR8は、フェニル−C1−C3アルキル、Si(C1−C8アルキル)r(フェニル)3−r又は下記式:
のいずれかの基であり;nは、1〜20であり;rは、1、2又は3であり;R9は、水素、C1−C12アルキル、C3−C12アルケニル、シクロヘキシル;C2−C6アルキル(これは、−OH、−SH、−CN、C1−C4アルコキシ、C3−C6アルケンオキシ、−OCH2CH2CN、−OCH2CH2(CO)O(C1−C4アルキル)、−O(CO)−C1−C4アルキル、−O(CO)−フェニル、−(CO)OH又は−(CO)O(C1−C4アルキル)で置換されている)であるか;又はR9は、C2−C12アルキル(これは、−O−又は−S−の1個以上により中断されている)であるか;又はR9は、フェニル(これは、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C12アルキル若しくはC1−C4アルコキシで置換されている)であるか;又はR9は、フェニル−C1−C3アルキル、又は下記式:
のいずれかの基であり;R10及びR11は、互いに独立して、水素、C1−C12アルキル、C2−C4ヒドロキシアルキル、C2−C10アルコキシアルキル、C3−C5アルケニル、C5−C12シクロアルキル,フェニル−C1−C3アルキル;フェニル(これは、非置換であるか、又はC1−C12アルキル又はC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか;又はR10及びR11は、C2−C3アルカノイル、C3−C6アルケノイル又はベンゾイルであるか;又はR10及びR11は、一緒になってC2−C6アルキレン(これは、場合により−O−若しくは−NR8−により中断、及び/又は場合によりヒドロキシル、C1−C4アルコキシ、C2−C4アルカノイルオキシ若しくはベンゾイルオキシで置換されている)であるか;又はR10が水素であるとき、R11は、下記式:
のいずれかの基であってよく;Mは、C1−C12アルキレン、シクロヘキシレン、フェニレン、−(CO)O−(C2−C12アルキレン)−O(CO)−、−(CO)O−(CH2CH2O)n−(CO)−又は−(CO)−(C2−C12−アルキレン)−(CO)−であり;M1は、直接結合であるか;又はC1−C12アルキレンオキシ(これは、場合により、1〜5個の−O−、−S−、及び/又は−NR10−により中断されている)であり;M2は、直接結合であるか;又はC1−C12アルキレン−S−(これは、場合により、1〜5個の−O−、−S−、及び/又は−NR10−により中断されている)であり;M3は、直接結合、ピペラジノ基;又はC1−C12アルキレン−NH−(これは、場合により、1〜5個の−O−、−S−、及び/又は−NR10−により中断されている)であるが;ただし(i)R5がメトキシであり、R2がベンゾイル又はアセチルであるならば、R1はフェニルではなく;(ii)R5がメトキシであり、R2がエトキシカルボニルであるならば、R2はベンゾイル又はエトキシカルボニルではなく;(iii)R5がメトキシであり、R1が4−メトキシベンゾイルであるならば、R2はエトキシカルボニルではなく;(iv)R5がメタクリロイルアミノであり、R1がメチルであるならば、R2はベンゾイルではなく;(v)R5及びR4、又はR5及びR6の両方がOR8基であり、それらのOR8基が一緒になってR8を介して環を形成し、それにより−O−CH2−O−を与え、R1がメチルであるならば、R2はアセチルではなく;(vi)R4、R5及びR6が、同時にメトキシであり、R1がエトキシカルボニルであるならば、R2はアセチルではなく;(vii)R5がメトキシであり、同時にR4又はR6がアセトキシであり、R1がエチルであるならば、R2はアセチルではなく;(viii)式(III)において、R1’がメチルであり、R5’がフェニルチオであり、R4’及びR5’が両方Hであるならば、R2は4−クロロベンゾイルではない)で示される化合物が、意外にも、光重合反応において良好な効果を示すことが見出された。
式(I)、(II)、(III)及び(IV)の化合物は、それらが、オキシム官能基に結合するフェニル又はベンゾイル基に直接結合している、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルアミノ又はアリールアミノ置換基の少なくとも1個を含むことで特徴づけられている。
置換された基フェニルは、1〜4個置換されており、例えば1、2又は3個、特に2個置換されている。フェニル環の置換基は、好適には、フェニル環の4位又は3,4−、3,4,5−、2,6−、2,4−若しくは2,4,6−位、特に4−又は3,4−位である。
1−C20アルキルは、直鎖又は分岐であり、例えばC1−C18−、C1−C14−、C1−C12−、C1−C8−、C1−C6−若しくはC1−C4アルキル又はC4−C12−若しくはC4−C8アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシル及びイコシルである。C1−C12アルキル、C2−C12アルキル、C1−C8アルキル、C1−C6アルキル、C2−C6アルキル及びC1−C4アルキルは、炭素原子の相当する数までのC1−C20アルキルの上記に示したのと同じ意味を有する。
2−C20アルキル(これは、−O−の1個以上により中断され、例えば1〜9、1〜5、1〜3個又は1又は2個の−O−により中断されている)二つのO−原子は、少なくとも2個のメチレン基、すなわちエチレン基により分離されている。アルキル基は直鎖又は分岐である。例えば以下の構造単位が存在するであろう、−CH2−CH2−O−CH2CH3、−〔CH2CH2O〕y−CH3(ここで、y=1〜9である)、−(CH2−CH2O)7−CH2CH3、−CH2CH(CH3)−O−CH2CH2CH3又は−CH2CH(CH3)−O−CH2CH3である。C2−C6アルキル(これは、1又は2個の−O−により中断されている)は、例えば、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2CH3又は−CH2−CH2−O−CH2CH3である。
2−C4ヒドロキシアルキルは、1個又は2個のO−原子で置換されているC2−C4アルキルを意味する。このアルキル基は、直鎖又は分岐である。例は、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル又は2,4−ジヒドロキシブチルである。
5−C12シクロアルキルは、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、特にシクロペンチル及びシクロヘキシル、好適にはシクロヘキシルである。
1−C4アルコキシは、直鎖又は分岐であり、例えば直鎖又は分岐であり、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシである。
2−C10アルコキシアルキルは、O−原子により中断されているC2−C10アルキルである。C2−C10アルキルは、C−原子の相当する数までC1−C20アルキルのために上にあたえられた同じ意味を有する。例は、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピルである。
2−C20アルカノイルは、直鎖又は分岐であり、例えばC2−C18−、C2−C14−、C2−C12−、C2−C8−、C2−C6−若しくはC2−C4アルカノイルC4−C12−若しくはC4−C8アルカノイルである。例は、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、イコサノイル、好適にはアセチルである。C2−C12アルカノイル、C2−C8アルカノイル、C2−C6アルカノイル及びC2−C4アルカノイルは、C−原子の相当する数までC2−C20アルカノイルのために上に示されたのと同じ意味を有する。
2−C4アルカノイルオキシは、直鎖又は分岐であり、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、好適にはアセチルオキシである。
2−C12アルコキシカルボニルは、直鎖又は分岐であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、n−ブチルオキシオカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル又はデオシルオキシカルボニル、特にメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル又はイソブチルオキシカルボニル、好適にはメトキシカルボニルである。
2−C6アルコキシカルボニル及びC2−C4アルコキシカルボニルは、C−原子の相当する数までC2−C12アルコキシカルボニルのために上にあたえられた同じ意味を有する。C2−C12アルコキシカルボニルは、1個以上の−O−により中断されている。2個のO−原子は、少なくとも2個のメチル基、すなわち、エチレン基で分離されている。
フェノキシカルボニルは、下記式:
の基である。置換フェノキシカルボニル基は、1〜4個置換されており、例えば1、2又は3個、特に2又は3個置換されている。フェニル環の置換基は、好適には、フェニル環の4位又は3,4−、3,4,5−、2,6−、2,4−若しくは2,4,6−位、特に4−又は3,4−位である。
フェニル−C1−C3アルキルは、例えばベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジル又はα,α−ジメチルベンジル、特にベンジルである。
3−C12アルケニルは、モノ−若しくはポリ置換であってよく、例えばアリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、5−ヘキセニル、7−オクテニル又は7−オクテニル又はドデシル、特にアリルである。
3−C6アルケンオキシ基は、モノ−若しくはポリ置換であってよく、例えばアリルオキシ、メタリルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテンオキシ、1,3−ペンタジエニルオキシ、5−ヘキセニルオキシである。
3−C6アルケノイル基は、モノ−若しくはポリ置換であってよく、例えばプロペノイル、2−メチル−プロペノイル、ブテノイル、ペンテノイル、1,3−ペンタジエノイル、5−ヘキセノイルである。
メチルスルファニルは、−SCH3である。
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード、特にフルオロ、クロロ、及びブロモ、好適にはフルオロ及びクロロである。
6−C12アリールは、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、好適にはフェニルである。
フェニル環上の、置換基OR8、SR9及びNR1011が、フェニル環の別の置換基又はフェニル環の炭素原子の1個と、基R8、R9、R10、及び/又はR11を介して5−又は6−員環を形成するならば、2個又は4個の環(フェニル環を含めて)を含む構造が得られる。例は下記式:
の基である。
1’がフェニル(これは、SR9により置換されている)であり、5−又は6−員環が、R4’、R5’及びR6’を有するフェニル環の炭素原子への結合を構築することにより基R9を介して形成されるならば、下記式:
の構造を形成することができる。R9が、フェニルであり、R2が、ハロゲン置換ベンゾイルである式(III)の化合物は、好適には、上記の定義から除外される。
好適なものは、R1がフェニル(これは、非置換であるか又はC1−C6アルキル、フェニル、ハロゲン、OR8、SR9若しくは又はNR1011により置換されている)であるか;又はR1が、C1−C20アルキル(これらは、場合により−O−の1個以上により中断、及び/又は場合によりヒドロキシ基の1個以上により置換されている)であるか、又はR1が、C1−C4ハロアルキルであり;R1’が、フェノキシカルボニル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、ハロゲン、フェニル、OR8、SR9若しくは又はNR1011の1個以上により置換されている)であるか;又はR1’が、−CONR1011であるか;又はR4’、R5’及びR6’の少なくとも一つが−SR9であれば、R1’が、更にC1−C12アルキル(これは、非置換であるか、又はハロゲン、OH、OR2、フェニル、ハロゲン化フェニル又はSR9で置換されたフェニルの1個以上により置換されており、かつ場合により−O−又は−NH(CO)−により中断されている)であり;R2が、C2−C12アルカノイル(これは、非置換であるか、又はハロゲンにより置換されている)であるか;又はR2が、C4−C6アルケノイルであるが、ただし二重結合はカルボニル基と共役しておらず;又はR2が、ベンゾイル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル若しくはハロゲンにより置換されている)であり;R3及びR7が、水素であり;R4、R6、R4’及びR6’が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1−C12アルキル、OR8又はSR9であり、置換基OR8及びSR9は、場合により、フェニル環上の別の置換基又はフェニル環の炭素原子の一つと、R8及び/又はR9を介して5−又は6−員環を形成し;そしてR5及びR6が、OR8又はSR9である、式(I)及び(III)の化合物である。
特に好適なものは、R3、R4、R5、R6若しくはR7又はR4’、R5’若しくはR6’が、SR9又はNR1011である、式(I)及び(III)の化合物である。
他の好適な化合物は、R3及びR7が、水素であり、そしてR4及びR5が、両方OR8である、式(I)の化合物である。
特に好適な式(I)及び(III)の化合物において、R3、R4及びR7又はR4’及びR6’は、水素であり、そしてR5及びR5’は、SR9である。特に好適には、R9が、フェニル、すなわちR5又はR5’が、下記式:
の基であるそのような化合物である。
1’がC1−C12アルキル(これは、非置換であるか、又はハロゲン若しくはフェニルにより置換されている)である、式(III)の化合物が好適であり、特にR5’が、SR9、特に下記式:
の基であるものである。
更に興味があるものは、R1が、フェニル又はC1−C12−アルキルであり;R1’がC2−C4アルコキシカルボニル、又はフェニル(これは、SR9により置換されており、場合により、基R9を介して、基R4’、R5’及びR6’を有するフェニル環の炭素原子への結合を構築することにより基R9を介して5−又は6−員環が形成される);又はR4’、R5’及びR6’の少なくとも1個が、−SR9であるならば、R1’が、更にC1−C12アルキル(これは、非置換であるか、又はフルオロの1個以上により置換されている)であり;R2が、C2−C4アルカノイル、又はベンゾイル(これは、非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはハロゲンにより置換されている)であり;R3、R6及びR7が、水素であり;R4及びR5が、互いに独立して、水素又は基OR8、SR9、又はNR1011
であり;R4’及びR5’が、互いに独立して、水素又は基OR8、SR9、又はNR1011であり;R6’が、水素であり;R8及びR9が、C1−C4アルキル、フェニル又は下記式:
のいずれかの基であり;R10及びR11が、メチル若しくはエチルであるか、又はR10とR11は、一緒になってC2−C6アルキレン(これは、−O−により中断されている)であり;Mが、C1−C12アルキレンであり;そしてM2が、直接結合である、式(I)、(II)、(III)又は(IV)のものである。特に興味があるものは、R4’及びR6’が水素であり、そしてR5’がSR9である、式(III)の化合物である。
1は、好適にはフェニル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、フェニル、ハロゲン、OR8、SR9又はNR1011の1個以上により置換されている)であるか、又はR1は、C1−C20アルキル(これは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、フェニル、OR8、SR9又はNR1011の1個以上により置換されている)である。
特に好適なものは、R3〜R7の少なくとも一つが、SR9、OR8又は特にR3〜R7の少なくとも一つが、NR1011又はSR9、特にSR9であるそれらである。
5は、好適にはSR9、OR8又はNR1011、特にSR9である。
好適なものは、式(I)及び(III)の化合物である。
3及びR7が水素である化合物は更に好適である。
1は、好適にはC1−C12アルキルである。R2は、好適にはベンゾイル、メチルベンゾイル、ジメチルベンゾイル又はアセチルである。R6’は、水素である。R1’は、好適にはC1−C12アルキル又は4−(C1−C4アルキルチオ)フェニルである。R5’は、好適にはC1−C4アルキルチオ又はフェニルチオである。
本発明の好適な化合物は、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−ブタン−1−オンオキシム−O−アセタート、特に1−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−オクタン−1,2−ジオン 2−オキシム−O−ベンゾアートである。
前記オキシム系化合物の中でも、下記の化合物13,14,15,20,21(前記特開2000−80068号公報p.37頁〜39頁の表1に記載の実施例13、14、15、20、21に記載の化合物)が好ましく、最も好ましくは実施例21の化合物である。
前記化合物21としては、チバ(Ciba)社製イルガキュア OXE01が挙げられる。
また、前記オキシム系化合物は特開2000−80068号公報[0060]〜[0068]、[0218]〜[0296]の記載の方法により合成することができる。
本発明における光重合開始剤(A+B)の含有率は、特に限定されるものではないが、後述の反応性二重結合を有するモノマーの固形分に対し、好ましくは
5〜60質量%であり、より好ましくは7〜50質量%であり、特に好ましくは10〜40質量%である。
前記光重合開始剤(A+B)の含有率が5質量%未満であると画素形成する際の現像時に、硬化不足によるパターンの欠落を生じ、基板から剥がれたり、形状に欠けを生じたりする。また、60質量%を超えると、硬化が進みすぎてパターンの太りや丸みなど画素パターンの形状不良を生じる場合がある。
前記光重合開始剤(A)及び(B)の混合比率としては、質量比率として該光重合開始剤(B)100に対して、該光重合開始剤(A)が10〜70、好ましくは20〜60、最も好ましくは30〜60である。
さらに、本発明において、光重合開始剤として前記光重合開始剤(A)及び(B)と併用してそれ以外の光重合開始剤も本発明の効果を損なわない範囲で用いることができる。
そのような光重合開始剤としては、例えば、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号および第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号および第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物等を挙げることができる。
該光重合開始剤としては、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩等が挙げられる。
また、ハロメチルオキサジアゾール等の活性ハロゲン化合物も有効に使用することができ、これらの例としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤としてはPANCHIM社製Tシリーズも有効に使用することが可能で、これらの例としては、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B等が挙げられる。
さらに、上記光重合開始剤としてはチバガイギー社製イルガキュアシリーズも有効に使用することが可能であり、これらの例としては、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア149、イルガキュア819、イルガキュア261、ダロキュアシリーズ、ダロキュア1173等が挙げられる。
その他、上記光重合開始剤としては2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル等も有用に用いられる。
公知の光重合開始剤の含有量としては、前記光重合開始剤の含有量の範囲内とすることが好ましい。
本発明における光硬化性組成物中には以上の他に、更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
[着色剤]
本発明に用いることができる着色剤は、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を一種又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を用いることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、なるべく細かいものの使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
上記有機顔料としては、例えば、
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.ピグメント オレンジ36, 38, 43, 71;
C.I.ピグメント レッド81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32, 39;
C.I.ピグメント ブルー 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.ピグメント グリーン 7, 36, 37;
C.I.ピグメント ブラウン 25, 28;
C.I.ピグメント ブラック 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
本願発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
C.I.ピグメント イエロー 11, 24, 108, 109, 110, 138, 139, 150, 151, 154, 167, 180, 185,
C.I.ピグメント オレンジ36, 71,
C.I.ピグメント レッド 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.ピグメント バイオレット 19, 23, 32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.ピグメント ブラック 1
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合が好ましい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:75が好ましい。この範囲をはずれると光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。さらに好ましい質量比としては、100:10〜100:50である。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、または、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましい。
本発明において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して着色した光硬化性組成物を得る。
本発明の組成物を構成する着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルター用として公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
また、水またはアルカリ現像を行うレジスト系の場合、現像により光未照射部のバインダーおよび/または染料を完全に除去するという観点では、酸性染料および/またはその誘導体が好適に使用できる場合がある。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
上記酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有するものであれば特に限定されないが、有機溶剤や現像液に対する溶解性、塩基性化合物との塩形成性、吸光度、組成物中の他の成分との相互作用、耐光性、耐熱性等の必要とされる性能の全てを考慮して選択される。
以下に上記酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
この中でも上記酸性染料としては、acid black 24;acid blue 23,25,29,62,80,86,87,92,138,158,182,243,324:1;acid orange 8,51,56,63,74;acid red 1,4,8,34,37,42,52,57,80,97,114,143,145,151,183,217;acid violet 7;acid yellow 17,25,29,34,42,72,76,99,111,112,114,116,184,243;acidgreen 25等の染料およびこれらの染料の誘導体が好ましい。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
本発明における光硬化性組成物の全固形分中の着色剤含有率は特に限定されるものではないが、好ましくは30〜60質量%である。着色剤が少なすぎるとカラーフィルターとして適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
本発明において、顔料の分散性を向上させる目的で従来公知の顔料分散剤や界面活性剤を添加することが出来る。これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(ゼネカ(株)製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、W001(裕商製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(ゼネカ(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる。
[アルカリ可溶性樹脂]
本発明の光硬化性組成物は、バインダー樹脂としてアルカリ可溶性樹脂を含有する。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に限定されるものではないが、上記の塗布膜の露光強度に対する現像後の線幅の変化率を、7.5×10-5μm・m2/J以下にするために、分子中にポリアルキレンオキサイド鎖および/またはヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を有するアクリル系樹脂が好ましい。
該アクリル系樹脂は、ポリスチレン換算重量平均分子量が5,000〜50,000のものが好ましく、6,000〜30,000のものが更に好ましく、8,000〜20,000のものが最も好ましい。
また、前記ポリアルキレンオキサイド鎖の含有量は、モル比で0.5〜18モル%であるものが好ましく、0.8〜15モル%がさらに好ましく、1〜10モル%が最も好ましい。
ポリアルキレンオキサイド鎖の内、ポリエチレンオキサイド鎖が好ましく、その付加モル数n((EO)n)は、2〜25が好ましく、更に2〜15が好ましく、5〜12が最も好ましい。
前記ヒドロキシエチルメタクリレートの含有量はモル比で10〜30モル%であるものが好ましく、更に15〜25モル%であるものが好ましい。
分子中にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系樹脂としては、例えば下記アルカリ可溶性樹脂Aが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂Aは、少なくとも(i)無水マレイン酸(MAA)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MA)、メタクリル酸イソブチル(IBMA)及びフマル酸(FA)から選ばれた少なくとも一種の酸成分モノマー、(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及び(iii)ベンジル(メタ)アクリレートからなる共重合体である。
前記アルカリ可溶性樹脂Aにおける、(i)酸成分モノマー、(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH3(OC24)nOCOC(CH3)=CHR)、及び(iii)ベンジル(メタ)アクリレート(BzMA)の各モノマー成分のモル比は好ましくは15〜30/1〜20/50〜84、より好ましくは17〜25/2〜15/60〜80である。また、アルカリ可溶性樹脂AのGPCによるポリスチレン換算質量平均分子量(Mw)としては好ましくは5,000〜50,000、より好ましくは6,000〜30,000である。
(i)酸成分モノマーのモル比が上記範囲に満たないと、アルカリ可溶性が低下する傾向があり、また上記範囲を超えると溶剤への溶解性が低下する傾向がある。
(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH3(OC24)nOCOC(CH3)=CHR)の組成質量比が上記範囲に満たないと、感光性着色樹脂組成物塗布液の基板上への液の広がり方が充分でなくなり、本発明を有効に達成することができなくなる傾向がある。また上記範囲を超えると、着色剤の分散性が低下する傾向があるので好ましくない。
(iii)ベンジル(メタ)アクリレート(BzMA)の組成質量比が上記範囲に満たないと、着色剤の分散安定性や組成物中への溶解性が低下する傾向があるので好ましくない。また上記範囲を超えると、塗布膜のアルカリ現像適性が低下するので好ましくない。
前記(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート(Acr(EO)n:CH3(OC24)nOCOC(CH3)=CHR)のポリオキシエチレン(EO)nの繰り返し数nは、2〜25、好ましくは2〜15、特に好ましくは5〜12である。この繰り返し数nが、前記範囲に満たないと、アルカリ現像液で現像した後に現像残渣が発生し易くなり、また逆に前記範囲を超えると、組成物の塗布液としての流動性が低下し、塗布ムラを生じやすくなって、塗布膜厚の均一性や、省液性も低下する傾向があるので問題である。
分子中にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を有するアクリル系樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂Aの(ii)アルキルポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、をヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)に代えたものが挙げられる。
分子中にポリアルキレンオキサイド鎖およびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を有するアクリル系樹脂としては、アルカリ可溶性樹脂Aに更にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を共重合させたものが挙げられる。
また、本発明における光硬化性組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、0.5〜15質量%が好ましく、1.0〜12質量%がさらに好ましい。上記アルカリ可溶性樹脂の含有量が、0.5質量%未満であると現像の進行が遅くなり製造コストの増大を招く可能性がある。また、15質量%を超えると良好なパターンプロファイルが得られなくなる場合がある。
[反応性二重結合を有するモノマー]
本発明の光硬化性組成物は、反応性二重結合を有するモノマー(以下、「感光性重合成分」、「光重合性モノマー」とも言う。)を有する。
本発明に用いる反応性二重結合を有するモノマーとしては、感光性の重合性モノマーであり、該重合性モノマーとしては、少なくとも1個の反応性二重結合(例えば、付加重合可能なエチレン基)を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましく、その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物をあげることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
重合性モノマーも分子中にポリアルキレンオキサイド鎖を有するものが、上記の塗布膜の露光強度に対する現像後の線幅の変化率を、7.5×10-5μm・m2/J以下にするために好ましい。このような重合成モノマーとしては、次に示すものが挙げられる。
上記重合性モノマーの光硬化性組成物中における含有量は、固形分に対して0.1〜90質量%が好ましく、1.0〜80質量%がさらに好ましく、2.0〜70質量%が特に好ましい。
[溶剤]
本発明に用いる光硬化性組成物において必要に応じて使用される溶剤は、組成物の溶解性、塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、アルカリ可溶性樹脂(バインダー)の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ぶことが好ましい。
光硬化性組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、
ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン等を挙げることができる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がさらに好適である。
[その他の添加物]
本発明における光硬化性組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
これらの添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
また、放射線未照射部のアルカリ溶解性を促進し、光硬化性組成物について現像性の更なる向上を図る場合には、光硬化性組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。具体的には、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
《カラーフィルター》
本発明のカラーフィルターは基板上に形成された複数の矩形の画素の配列を有し、上述の光硬化性組成物を用いて製造される。本発明のカラーフィルタの製造方法は、該光硬化性組成物を基板上に直接または他の層を介して塗布し、その後乾燥して塗布膜を形成する工程(塗膜形成工程)と、該塗布膜上に、特定のパターンを露光する工程(露光工程)と、露光された前記塗布膜をアルカリ現像液で現像処理する工程(現像工程)と、現像処理された前記塗布膜に加熱処理を施す工程(ポストベーク工程)と、を含むことを特徴とし、これらの工程を経ることで着色されたパターンを形成することができる。また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、必要により上記レジストパターンを加熱および露光により硬化する工程を含んでいてもよい。
上記塗膜形成工程は、光硬化性組成物を基板上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スリット塗布等の塗布方法により塗布・乾燥して感放射線性組成物層(塗膜層)を形成する。
上記基板としては、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックマトリックスが形成されている場合もある。
また、これらの基板上に必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化の為に、下塗り層を設けてもよい。
上記露光工程は、上記塗膜形成工程において形成された塗布膜に、例えばマスク等を介して特定のパターンを露光する。露光の際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
上記現像工程は、露光された塗布膜をアルカリ現像液で現像処理する工程である。上記アルカリ現像液としては、本発明の組成物を溶解、且つ、露光部(放射線照射部)を溶解しないものであればいかなるものも用いることができる。具体的には種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
上記有機溶剤としては、本発明に用いる前記光硬化性組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
また、上記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等が挙げられる。
本発明に用いられるアルカリ現像液は、アルカリ濃度を好ましくはpH11〜13、さらに好ましくはpH11.5〜12.5となるように調整したアルカリ性水溶液を使用することが好ましい。上記アルカリ濃度がpH13を超えると、パターンの荒れや剥離、残膜率の低下が生じる場合があり、pHが11未満の場合は、現像速度が遅くなったり、残渣の発生がみられる場合がある。
上記現像工程は、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液により現像処理を行う。現像方法には、例えばディップ法、スプレー法、パドル法等があり、温度は15〜40℃でおこなうことが好ましい。また、現像後は一般に流水にて洗浄を行う。
さらに、本発明のカラーフィルタの製造方法は、現像後の塗布膜を十分に硬化させるために、ポストベーク工程において加熱処理が施される。上記加熱工程における加熱温度は、100〜300℃が好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。また、加熱時間は、10分〜1時間程度が好ましく、5分〜30分程度がさらに好ましい。
本発明のカラーフィルタは前記基板上に複数の矩形の画素の配列を有するが、該画素の一辺(最大辺)は、一般的には、1.5〜20μm以下であるが、中でも、シリコンウェハ等の基板の有効利用、固体撮像素子を使ったデバイスの小型化、固体撮像素子の高速作動の観点から5μm以下が好ましく、4μm以下が更に好ましく、3μm以下が特に好ましい。
また、本発明のカラーフィルタにおける画素の厚さとしては、特に限定されないが、シリコンウェハ等の基板の有効利用、固体撮像素子を使ったデバイスのシェーディングの観点から、薄くなる傾向にあり、2μm以下が好ましく、1.5μm以下が更に好ましく、1.0μm以下が特に好ましい。
更に、本発明のカラーフィルタにおける画素の着色剤含有率としては、特に限定されないが、色分離の観点から、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上が特に好ましい。
本発明のカラーフィルタは、LCD用のカラーフィルターにも用いることができるが、CCD等のイメージセンサー、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS素子等に用いることが好適である。本発明のカラーフィルタは、例えばCCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることが最適である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[比較例1]
(平坦化膜レジスト液の調製)
下記各成分をホモジナイザー攪拌機で混合・攪拌して、平坦化膜用レジスト液を調製した。
<平坦化膜用レジスト液組成>
ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸共重合体 16.4部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 6.5部
プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート 13.8部
エチル−3−エトキシプロピオネート 12.3部
(B)トリアジン系化合物としてハロメチルトリアジン化合物(VI)
0.3部
ハロメチルトリアジン化合物(VI)は以下の化合物である。
(平坦化膜作成)
この平坦化膜用レジスト液を6インチシリコンウエハ上にスピンコートで塗布した。次いで、表面温度120℃×120秒、ホットプレート上で加熱処理し、前記シリコンウエハ上に約2μmの膜厚の均一な塗布膜を得た。次いで、220℃の条件下で1時間、オーブンにてその塗布膜を硬化処理して、平坦化膜を得た。
(光硬化性組成物の調整)
次いで、下記組成物をサンドミル分散機で混連・分散して、光硬化性組成物を調製した。
<光硬化性組成物組成>
ベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸共重合体 2.1部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 2.57部
PB15:6顔料分散液(BASF(株)社製、Heliogen Blue D6700T) 37.5部
PV23顔料分散液(Clariant(株)社製、Hostaperm Violet RL−NF) 9.5部
プロピレングリコールモノメチルエチルアセテート 30部
エチル−3−エトキシプロピオネート 12部
(B)トリアジン系化合物として上記ハロメチルトリアジン化合物(VI)
0.4部
(塗布膜の作成)
前記光硬化性組成物を前記平坦化膜上にスピンコートで塗布し、次いで、表面温度100℃で120秒の条件でホットプレートで加熱処理して膜厚が約1.0μmの塗布膜を得た。
(カラーフィルタの画素パターンの作成)
次に、上記乾燥塗布膜に1.5μmの正方ピクセルがそれぞれ基板上の4×3mm中に配列されたマスクパターンを介してi線ステッパー、キャノン製FPA−3000i5+にて500〜12500J/m2の範囲で、500J/m2の間隔で25箇所に段階露光した。
パターン露光された膜は、富士フィルムアーチ製有機アルカリ性現像液CD−2000の40質量%水溶液を用いて、室温にて60秒、パドル現像後、20秒スピンシャワーにて純水でリンスを行い、更に純水にて水洗を行った。その後、水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、カラーフィルタの画素パターンを得た。
〔評価〕
(1)画素パターンの形状評価
前記で得られた1.5μm正方形のカラーフィルタの画素パターンの形状を、測長SEM(日立S−7800H)を用いて、上部から観察し、角の丸みや側面の形状等を下記評価基準で評価した。画素パターンの形状を図1に、また、その結果を表1に示した。
該形状が丸まっているものは、デバイス製造時に隣り合った他色のパターンと異なり、混色、ノイズとして計測されてしまい、デバイスの性能を悪化させる。
−評価基準−
上部からの観測の結果、矩形の度合いを良好な形状の順に、○(矩形)→△(矩形が崩れかけている)→×(円形)に段階をつけて評価した。
2.最低露光量と画素パターン状態
前記の現像工程を経て形成された1.5μmカラーフィルタの画素パターンをOLYMPUS製光学顕微鏡BX60を用いて、反射観測(倍率1000倍)にて観察し、画素パターンの状態を下記のように評価し、その結果を表1に示した。
−評価基準−
露光量が足りないため膜が硬化せず、パターンの欠けが少なくとも1箇所発生した露光量は不可とし、また露光量が多くパターン形状が大きくなり、隣り合ったパターンと密着した露光量をも不可とし、その間の1箇所の欠けもなく、パターン形成が良好な露光量を「最適露光領域」とし、パターン形成に最低限必要な露光量を「最低露光量」とする。尚、露光量12500J/m2でもパターン剥がれが見られた場合には「全面剥がれ」とする。
[比較例2〜8、実施例1、参考例1
比較例1において、光硬化性組成物(カラーレジスト液)における光重合開始剤トリハロメチルトリアジン系開始剤(VI)の代わりに、下記表1の光重合開始剤に変更した以外は、比較例1と同様に行って光硬化性組成物を調製した後、カラーフィルタの画素パターンを作成した。比較例1と同様に評価し、結果を下記表1に示す。尚、平坦化膜用レジスト液は、すべて比較例1におけるものと同様のものを使用した。
〔比較例9〕
比較例1において、(B)トリアジン系化合物としての上記ハロメチルトリアジン化合物(VI)0.3部に変えて、(B)ベンゾフェノン系化合物として下記化合物10.4部を使用した以外は比較例1と同一の条件で光硬化性組成物を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、(B)ベンゾフェノン系化合物として上記化合物1を0.4部追加使用した以外は、実施例1と同一の条件で光硬化性組成物を得た。
〔比較例10〕
比較例1において、さらに(B)ベンゾフェノン系化合物として上記化合物1を0.1部追加使用した以外は、比較例1と同一の条件で光硬化性組成物を得た。
〔実施例4〕
比較例10において、(A)4,7位置換クマリン系化合物として式(II)の化合物を0.2部使用た以外は、比較例10と同一の条件で光硬化性組成物を得た。
〔比較例11〕
比較例1において、(B)トリアジン系化合物としてのハロメチルトリアジン化合物0.3部に変えて、(B)オキシム系化合物として下記オキシムを0.3部、及び(B)ベンゾフェノン系化合物としてベンゾフェノン化合物1を0.1部を追加使用した以外は、比較例1と同一の条件で光硬化性組成物を調製した。
〔実施例5〕
実施例1において、(B)オキシム系化合物として下記オキシム化合物を0.3部、及び(B)ベンゾフェノン系化合物として下記ベンゾフェノン化合物1を0.1部を追加使用した以外は、実施例1と同一の条件で光硬化性組成物を調製した。
上記表1から明らかな通り、比較例5より本発明における4位クマリンのみを光重合開始剤として用いても画素パターンは全面的に剥がれてしまう。4位クマリンとアセトフェノンを用いた比較例6においても全面的に剥がれてしまう。また、該4位クマリンを用いない比較例1〜4、6、8のいずれにおいても膜剥がれがあるか、或いは画素パターンの形状が不良であることが分かる。
一方、4位クマリンをトリハロメチルトリアジン、オキシム、又はベンゾフェノン化合物1のいずれか一以上の化合物と併用した実施例1、3〜4においては、画素パターンの剥がれもなく、最低露光量も低値を示し、感度的にも、得られた画素パターンの状態からも良好であることが分かる。
実施例1、参考例1及び比較例1〜8のカラーフィルタの画素パターンを示す第一の図である。 実施例3〜5及び比較例9〜11のカラーフィルタの画素パターンを示す第二の図である。

Claims (6)

  1. 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、反応性二重結合を有するモノマー、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該光重合開始剤は、(A)下記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物と、(B)下記一般式(I−A)で表されるトリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、及びオキシム系化合物の群から選ばれる何れか一種以上の化合物とを含むことを特徴とする光硬化性組成物。


    [一般式(I)中、Xは、炭素数1〜20のアルキル基、3位と結合した無置換シクロ環基もしくは置換シクロ環基、カルボキシル基、カルボン酸エステル残基を表す。Yは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基を一般式(I−A)中、X 1 及びX 2 はそれぞれ独立して、ハロゲン原子または水素原子を表す。A 1 及びA 2 はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
  2. 前記一般式(I)で表される4,7位−置換クマリン系化合物が下記式(II)で表されることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。

  3. 請求項1または2に記載の光硬化性組成物を用いて基板上に形成された複数の矩形の画素の配列を有することを特徴とするカラーフィルタ。
  4. 前記画素の一辺が5μm以下であることを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記画素の厚さが2μm以下であることを特徴とする請求項又はに記載のカラーフィルタ。
  6. 前記画素の着色剤の含有率が30質量%以上であることを特徴とする請求項の何れか1項に記載のカラーフィルタ。
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