JP4574075B2 - 異物付着判定装置及び異物付着判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置及び異物付着判定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズ交換可能なデジタル一眼レフカメラでは、レンズ交換やミラーの駆動、シャッターの作動によってカメラ内の塵や埃などの異物が移動し、撮像素子のカバーガラスや撮像素子の近傍に配置された光学ローパスフィルター、あるいは赤外線カットフィルターの表面に付着することがある。そして、この異物が付着した状態で撮影を行うと、被写体像と共に撮像素子上に異物の影が写し込まれてしまい、良好な撮影ができなくなることがある。
【0003】
このような問題を解決するために、ローパスフィルターや赤外線カットフィルターなどの光学フィルターと撮像素子とを離して配置し、その光学フィルターと撮像素子の間をクリーンな密閉空間とすることによって、撮像素子近傍に異物が侵入することを防止する構造が提案されている。
【0004】
また、特開平11−234543号公報にて、撮像素子の出力信号から撮影レンズの汚れを検出するビデオカメラが提案されている。これは、動画を撮影しながらその撮影画像の中の固定低域成分を検出することによって、撮影レンズの汚れを検知するものである。
【0005】
特開平11−249004号公報では、一眼レフカメラなどに使用される位相差検出方式の光学系に異物が付着した場合の検出方法と、イメージセンサーの出力信号の補正手段が提案されている。これは、均一に照明されたイメージセンサーの出力信号の隣接する画素の差分値を積分し、その積分値が所定の値より大きいか否かによって異物の検出を行い、異物が検出されるとその異物によって低下したイメージセンサーの出力信号が正常な値になるように各画素の感度補正データを変更するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、交換レンズのフランジバックが決まっている一眼レフカメラなどでは、撮像素子が小さければクイックリターンミラーを小さくできるので、上記の光学フィルターと撮像素子の間隔を大きくする対策を取るためのスペースの確保が可能であったが、近年の高画素化に伴う撮像素子の大型化によって、このような対策をとるためのスペースの確保が困難になってきている。
【0007】
また、このような異物の付着している場所と大きさ、及び撮影レンズの絞り値によっては、その異物の影が撮像素子上でボケてしまい、異物による悪影響が分かりにくくなるため、撮影者が異物の付着に気付かずに撮影を続け、撮影後に撮影条件の異なるシーンでその異物による悪影響に気付くという問題があった。
【0008】
このため、撮影前に撮影結果に悪影響を及ぼす可能性のある異物を検出するとともに、撮影結果に与える影響を考慮して分かりやすく評価する必要性が高まっていた。
【0009】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、撮像光学系への異物の付着状態を簡単に判定できる異物付着判定装置及び異物付着判定方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る異物付着判定装置及び異物付着判定方法は、次のように構成したものである。
【0011】
(1)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更する変更手段を有することを特徴とする。
【0012】
(2)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更する変更手段を有することを特徴とする。
【0013】
(3)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、重み付けされた異物の総量を段階表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0014】
(4)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、重み付けされた異物の総量を段階表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0015】
(5)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更することを特徴とする。
【0016】
(6)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更することを特徴とする。
(7)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、重み付けされた異物の総量を段階表示することを特徴とする。
(8)撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、重み付けされた異物の総量を段階表示することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面について説明する。
【0025】
(第一実施例)
図1は本発明に係るカメラの構成を示す断面図であり、交換レンズを使用するデジタル一眼レフカメラの待機時の状態を示している。
【0026】
同図において、1はカメラ本体で、このカメラ本体1に対して着脱可能な交換レンズ20はカメラのマウント部2とレンズのマウント部22によって固定され、カメラの接点部3とレンズの接点部24とが接触することによって電気的な接続がなされ、この接点部3,24を介してカメラ本体1から交換レンズ20への電力の供給やレンズを制御するための通信が行われる。
【0027】
交換レンズ20の撮影レンズ21を透過した光束は、カメラのメインミラー5に入射する。メインミラー5はハーフミラーとなっており、ここで反射した光束はファインダーへと導かれ、透過した光束はサブミラー7にて下方へ反射し、焦点検出装置5へと導かれる。
【0028】
焦点検出装置5は、撮影レンズ21のデフォーカス量を検出し、撮影レンズ21が合焦状態となるように撮影レンズ21を駆動するレンズ駆動量を演算する。
このレンズ駆動量が接点部3,24を介してレンズ20へ送出されると、レンズは不図示のモーターを制御し、撮影レンズ21を駆動して焦点調節を行う。
【0029】
メインミラー5はミラー保持枠6に接着固定され、ヒンジ軸6aによって枠体10が回転可能に軸支されている。また、サブミラー7はサブミラー保持枠8に対して接着固定され、サブミラー保持枠8は不図示のヒンジ軸によってメインミラー保持枠6に対して回転可能に軸支されている。
【0030】
上記メインミラー5によってファインダーへと導かれた光束はピント板9に被写体像を結像し、撮影者はペンタプリズム11及び接眼レンズ12を介してこのピント板上の被写体像を観察できるように構成されている。
【0031】
サブミラー7の後方にはシャッター13が配置され、そのシャッター幕13aは通常閉じた状態になっている。シャッター13の後方には光学ローパスフィルター及び赤外線カットフィルターを一体化した光学フィルター14があり、撮影時には光学フィルター14を透過した光束が更に後方に配置された撮像素子15へと入射するように構成されている。
【0032】
LED4は、光学フィルター14の近傍に付着した異物を検出する際にミラーボックス下面側から撮像素子15を照明するための照明装置である。
【0033】
このように大きな撮像素子15を搭載するデジタル一眼レフカメラでは、ピント板9やメインミラー5を小型化することができないため、光学フィルター14と撮像素子15の間隔を広げるような構成をとることが困難である。このため、光学フィルター上に付着した塵や埃などの異物と撮像素子15の距離が近くなり、異物の影が大きくボケることなく撮像素子上の被写体像に入ってしまう。そして、このような状態で撮影した画像は異物の黒い影が入ったのもとなり、画像の品位が大幅に低下する。したがって、異物の付着を撮影前に検知し、必要に応じてクリーニングできるようにする必要がある。
【0034】
図2は上記構成のデジタル一眼レフカメラの異物検出時の動作状態を示す断面図である。
【0035】
異物検知を行うには、最初に、ミラーボックス内を暗くするためにミラーアップ動作によってメインミラー5とサブミラー7を退避させ、メインミラー保持枠6及びサブミラー保持枠8によってファインダーの接眼レンズ12から入射してくる光束を遮光する。次に、カメラとレンズの接点部3,24を介した通信によってレンズの絞り23の絞り羽23aによって撮影レンズ21から入射してくる光束を遮光する。そして、シャッター13のシャッター幕13aを走行させてシャッター13を開状態にする。
【0036】
このようにして、外部からの光がミラーボックス内に入り込まないようにし、照明装置のLED4と撮像素子15の間の遮光部材が無くなった状態になってから照明装置によって撮像素子15を均一に照明する。撮像素子15はこの状態で電荷蓄積及び像信号の読み出しを行い、その像信号から光学フィルター上の異物の位置及び大きさを検出する。
【0037】
その際、撮影レンズ21を透過してきた光束によって発生する異物の影は、撮影レンズ21の絞り値によってボケ方が異なり、明るいレンズを開放で使用すると異物の影は大きくボケるために小さな異物は発見できなくなる。また、絞り23を絞ったり暗いレンズを使用すると異物の影はあまりボケないため比較的小さな異物の影でも発見できるようになる。
【0038】
このように、撮影レンズ21を透過してきた光束を使用して異物の検出を行うと、検出可能な異物の大きさが撮影レンズ21や撮影条件によって異なり、安定した異物の検出ができない。また、撮影レンズ21を透過した光束では撮像素子上に被写体像も結像してしまうために被写体像を異物と誤判断することがあり、正確な異物検出ができない。
【0039】
そこで、本実施例では点光源に近いLED4によって撮像素子15を照明することにより、異物の影がボケにくく小さな異物の検出も可能となり、撮影条件や撮影レンズ21の影響を受けないために正確で安定した異物検出を可能としている。
【0040】
そして、異物の付着している位置が画面の中央付近では重み付けを大きくし、周辺部では重み付けを小さくしている。また、異物の大きさが大きいときには重み付けを大きくし、小さければ重み付けを小さくしている。この重み付けされた値の総和を演算して異物の付着量を表示することによって、より人間の感覚に近い基準で異物の付着状況を知らせることができるようになる。
【0041】
次に、図3を用いて上述の異物検出の原理を説明する。図3は撮像素子近傍の詳細を拡大して示す断面図である。
【0042】
撮像素子15は、大きく分けて撮像部15aとセラミックパッケージ15b、カバーガラス15dからなっている。15cはリード端子である。
【0043】
図3の状態は、撮像素子15のカバーガラス15dの直前にある光学フィルター14の表面に異物19が付着した状態であり、この異物19によって照明装置による照明光が遮られ、影19aができている。この影19aによってこの部分の撮像素子15の出力信号は周囲の影になってない部分の出力信号より低くなるので、この出力信号の低下している部分を検出することによって、光学フィルター14に付着した異物の位置と大きさを検出することができる。
【0044】
図4は本発明に関わる上記カメラの電気回路構成を示すブロック図である。カメラ本体100(カメラ本体1)と交換レンズ200(交換レンズ20)は通信用の接点部120,220(接点部3,24)と電源用の接点部121,221(接点部3,24)によって接続されている。
【0045】
カメラ本体100は、メインミラー101(メインミラー5)、サブミラー102(サブミラー7)を駆動するミラー駆動回路105、撮影レンズ201(撮影レンズ21)のデフォーカス量を検出する焦点検出装置103、撮影時の露出を決めるために被写体の輝度を測定する測光回路104、シャッター107(シャッター13)のシャッター幕(シャッター幕13a)を駆動するためのシャッター駆動回路106、光学フィルター117(光学フィルター14)の近傍の異物検出を行う際に撮像素子116(撮像素子15)を照明する照明装置118、撮像素子116を駆動して撮像信号の読み出しを行う撮像素子駆動回路112、読み出した撮像信号を記憶するためのRAM113、RAM113に記憶された撮像信号を所定の画像データに変換する信号処理回路114、画像データを記憶するためのフラッシュメモリ115、カメラの各電気回路及びレンズへの電力供給を行うカメラ電源回路109、これらの回路の制御及びレンズとの通信によってレンズの制御を行うカメラCPU108、及びスイッチ入力回路110、LCDパネル(表示手段)を駆動するLCD駆動回路111によって構成されている。
【0046】
また、撮像素子近傍に付着した異物を検出する異物検出手段、その異物の位置、大きさによって重み付けを変えて評価し、また重み付けされた評価値の総量によって異物の量を評価する評価手段、異物の重み付けパラメータを撮影レンズ201の開放絞り値に応じて変更する変更手段、及び異物の重み付けパラメータを撮影者が任意に変更するための変更手段が、カメラCPU108によって構成されている。
【0047】
交換レンズ200は、カメラの焦点検出装置103のデフォーカス量に基づいて撮影レンズ201の焦点調節を行うフォーカス駆動モーター205を制御するためのフォーカス制御回路206、絞り204(絞り23)の絞り羽(絞り羽23a)を駆動する絞り駆動モーター203を制御する絞り制御回路202、レンズ内の各電気回路に電力を供給するためのレンズ電源回路208、カメラCPU108との通信結果に基づいてこれらの電気回路を制御するレンズCPU207によって構成されている。
【0048】
ファインダー光学系から入射してくる光束を遮光するときには、カメラCPU108がミラー駆動回路105を制御してメインミラー101及びサブミラー102をミラーアップ状態にする。撮影レンズ201から入射してくる光束を遮光する際には、カメラCPU108からレンズCPU207に対して絞り204を閉じて遮光する命令を送出すると、これを受け取ったレンズCPU207は絞り制御回路202を制御して絞り駆動モーター203を所定量駆動し、絞り204の絞り羽によって撮影レンズ201の光束を遮光する。
【0049】
また、シャッター107を開状態にするには、カメラCPU108によってシャッター駆動回路106を制御することにより、シャッター幕を走行させてシャッター107を開状態にする。
【0050】
そして、異物の付着位置とその大きさの検出を行うときには、照明装置118により撮像素子116を照明し、光学フィルター117に付着した異物の影を撮像素子116から読み出した撮像信号から検出する。この撮像信号から異物付着の検出を行うためには、信号処理回路114によって画像データに変換し、その画像データから輝度成分を抽出する。そして、その輝度の値が所定の値より小さい部分には異物が付着していると判定し、この輝度の値が低い部分の位置と大きさから異物の付着位置と大きさを検出するようになっている。
【0051】
上記異物の付着が検出されると、カメラCPU108は検出された異物に対してその大きさと付着している位置に応じた重み付けを行い、この重み付けされた値の合計値を演算する。そして、異物の付着状態をLCDパネルで知らせる際は、その合計値に応じた4段階の段階表示を行う。
【0052】
撮影者は、そのLCDの段階表示を見ることによって異物がどの程度付着しているか簡単に知ることができ、異物除去のクリーニングを行わなければいけないかどうかを容易に判断することができる。また、簡単に異物の付着状態を知ることができるので、必要に応じてクリーニングを行い撮影画像への異物の写り込み事故を未然に防ぐことができる。
【0053】
すなわち、本実施例によると、外部からの光束が撮像素子116に入射しないように遮光する遮光手段により遮光してシャッター107を開状態にし、カメラのミラーボックス内に配置された照明手段によって撮像素子116を照明する。
そして、このときの撮像素子116の出力信号から光学ローパスフィルターや赤外線カットフィルター上に付着した異物を検出し、この異物の付着している位置や大きさに応じて重み付けを変えて評価することによって、異物の付着状態を人の感性に近い評価ができるようになり、撮影者に分かりやすい表示が可能となる。
【0054】
また、上記重み付けを行った評価値の総量に応じた段階表示することによって、撮影者は異物の付着量を簡単かつ的確に把握することができるようになる。また、実際の使用環境では許容できる異物の付着量は撮影条件や撮影者によって異なり、撮影者がこれらの要因を考慮して異物を除去するためのクリーニングを行うかどうか判断するが、このような重み付けや段階表示をすることによって、より的確にクリーニングを行うか否かの判断ができるようになる。
【0055】
更に、撮影条件(絞り値)に応じて上記重み付けのパラメータを変更したり、撮影者が任意に上記重み付けのパラメータを任意に変更できるようにすることによって、より適切な異物の付着量表示が行えるようになる。
【0056】
次に、図5〜図9のフローチャートを用いて本実施例の動作を説明する。この図5〜図9のフローチャート及び後述する図12〜図18のフローチャートに示す制御処理は、図4のカメラCPU108により予め記憶されたプログラムに従って実行されるものである。
【0057】
図5は異物検出の動作を示すフローチャートである。この異物検出のサブルーチンがコールされるとステップ(S101)に進み、異物検出をスタートしてステップ(S102)へ進む。ステップ(S102)では、カメラCPU108の通信データに基づいてレンズCPU207が絞り駆動回路202を制御して絞り駆動モーター203を駆動し、絞り204の絞り羽を閉状態にすることによって撮影レンズ201の光束を遮光する。
【0058】
ステップ(S103)では、ミラー駆動回路105を制御してミラーアップ動作をさせ、ファインダーから入射してくる光束を遮光する。ステップ(S104)では、シャッター駆動回路106を制御することによってシャッター先幕を走行させてシャッター107を開状態にする。
【0059】
上記異物検出の準備が整うと、続くステップ(S105)にて照明装置118のLEDを点灯させて撮像素子116を照明する。そして、ステップ(S106)では、LEDで照明した状態で撮像素子駆動回路112により撮像素子116を制御して受光部の電荷の蓄積を開始する。電荷の蓄積を開始してから所定時間電荷の蓄積を行うと、続くステップ(S107)にて電荷の蓄積を終了させる。
【0060】
ステップ(S108)では、照明装置118のLEDを消灯させ、続くステップ(S109)では撮像素子116の受光部で蓄積された電荷を転送路に転送し、各画素の電荷(撮像信号)を順次電圧として読み出し、これをA/D変換器によってデジタル撮像データに変換し、RAM113に記憶保存する。
【0061】
ステップ(S109)では、RAM113に保存された撮像データを読み出し、続くステップ(S110)で異物検出の演算を行い、異物の付着状態を判定する。この演算処理の詳細については後述する。
【0062】
ステップ(S111)では、異物検出処理が終了したのでカメラを初期状態に戻すためにシャッター駆動回路106を制御してシャッター107を閉状態にし、続くステップ(S112)でミラー駆動回路105を制御してミラー101,102をダウンさせ、ステップ(S113)で絞り制御回路202によって絞り駆動モーター203を制御して絞り204の絞り羽を全開状態にする。
【0063】
そして、全ての異物検出の動作が終了すると、ステップ(S114)にて異物検出のサブルーチンをリターンする。
【0064】
図6は上記の異物検出演算を行うサブルーチンのフローチャートである。図5のステップ(S110)にて異物検出演算サブルーチンがコールされると、ステップ(S201)へ進み、異物検出演算を開始する。
【0065】
ステップ(S202)では、異物の付着量を評価する変数GTOTALを0に初期化し、続くステップ(S203)でRAM113に保存された撮像データを信号処理回路114にて画像データに変換することによって、各画素の輝度データと色データを生成する。
【0066】
ステップ(S204)では、輝度データと色データによって構成される画像データから輝度データだけを抽出する。続くステップ(S205)では、輝度データの値を所定の値と比較し、輝度が所定の値より低い低輝度のエリアを抽出する。
【0067】
ステップ(S206)では、ステップ(S205)にて抽出された低輝度のエリアがある場合には異物の付着があると判断してステップ(S207)へ移行し、そうでない場合には異物の付着がないと判断してステップ(S212)へと進む。
【0068】
ステップ(S212)では、異物の付着はないと判断したので異物付着レベルを示す変数GLEVELを0にリセットしてステップ(S216)へ進む。また、ステップ(S207)では、異物の付着があると判断したのでそれぞれの異物に対して付着している位置による重み付け演算を行う。ここでの重み付け演算の詳細は後述するが、画面中央部ほど重み付けを大きくし、周辺部ほど重み付けを小さくするようにしている。
【0069】
ステップ(S208)では、それぞれの異物に対してその大きさによる重み付け演算を行う。ここでの重み付け演算の詳細は後述するが、大きいものほど重み付けを大きくし、小さいものほど重み付けを小さくするようにしている。
【0070】
ステップ(S209)では、異物の付着量を評価するGTOTALを演算する。具体的には、上記ステップ(S207),(S208)で重み付け演算を行った全異物の合計値を演算する。
【0071】
ステップ(S210)では、異物の付着量の評価値GTOTALが6より小さいかどうかを判別し、GTOTAL<6であれば異物の付着量は少ないと判断してステップ(S213)へ進み、異物付着レベルを示す変数GLEVELに「1」を入力する。また、GTOTAL<6でなければステップ(S211)へ移行する。
【0072】
ステップ(S211)では、異物の付着量の評価値GTOLATが16より小さいかどうかを判別し、GTOTAL<16であれば付着している異物が少し撮影結果に悪影響を与えると判断してステップ(S214)へ進み、異物付着レベルを示す変数GLEVELに「2」を入力する。また、GTOTAL<16でなければステップ(S215)へ移行する。
【0073】
ステップ(S215)では、付着している異物が撮影結果に与える影響が大きいと判断し、異物付着レベルを示す変数GLEVELに「3」を入力する。そして、上記ステップ(S212),(S213),(S214),(215)の何れかのステップにて異物付着レベルを示す変数GLEVELが0〜3の何れかに設定されるとステップ(S216)に進み、この異物検出演算サブルーチンを終了してリターンする。
【0074】
次に、上述の異物の付着位置に応じた重み付け演算について説明する。ここでは撮影画面の異物の付着位置を図10に示すように三つのゾーンA,B,Cに分け、それぞれのゾーンで重み付けを変えて、全ての異物に対して重み付け演算を行うようにしている。図10の例では大小13個の異物が付着しており、GD(1)〜GD(5)はゾーンA,GD(6)〜GD(10)はゾーンB,GD(11)〜GD(13)はゾーンCとなっている。
【0075】
図7は付着位置による重み付け演算のフローチャートである。図6のステップ(S207)にてこのサブルーチンがコールされるとステップ(S301)に進み、付着位置による重み付け演算を開始する。
【0076】
ステップ(S302)では、付着している異物の数をカウントし、そのカウント数を変数GNにストアーするとともに、それぞれの異物に対して1〜GNまでのナンバーリングを行う。続くステップ(S303)では、カウンターNの値を初期化して「0」にする。そして、ステップ(S304)でカウンターNに1を加算し、カウントアップする。
【0077】
ステップ(S305)では、N番目の異物が付着している場所が図10のAの範囲内か否かを判別し、Aの範囲内であればステップ(S307)へ移行し、そうでなければステップ(S306)へ進む。ステップ(S306)では、N番目の異物が付着している場所が図10のBの範囲内か否かを判別し、Bの範囲内であればステップ(S308)へ移行し、そうでなければステップ(S309)へ進む。
【0078】
ステップ(S307)では、ゾーンAは画面の周辺部なので重み付けが一番小さくGD(N)へ1を入力する。ステップ(S308)では、ゾーンBが中間の位置なので少し重み付けも上げてGD(N)に2を入力する。ステップ(S309)では、ゾーンCは画面の中央付近の重要な位置なので重み付けを大きくしGD(N)へ3を入力する。このように、ゾーンAの重み付けは1、ゾーンBの重み付けは2、ゾーンCの重み付けは3として演算する。
【0079】
上記ステップ(S307),(S308),(S309)の何れかを実行するとステップ(S310)へ移行し、カウンターNと異物の数GNと比較する。N=GNであれば全異物に対する重み付け処理が終了しているのステップ(S311)へ進み、そうでなければステップ(S304)へ戻る。そして、ステップ(S311)で、このサブルーチンを終了してリターンする。
【0080】
次に、大きさによる重み付け演算について説明する。図10の例では、GD(2)、GD(10)は大きさが70μm以上の大きな異物であり、どのような撮影条件でも目立つようなものであるので、重み付けはもっとも高くなる。GD(5)、GD(8)は大きさが30〜70μmの中程度の大きさであり、明るいレンズで撮影していればあまり目立たないが暗いレンズで撮影していると目立つような大きさであるので、重み付けも中程度になる。GD(1,3,4,6,7,9,11,12,13)は大きさが30μm以下であり、比較的小さくかなり絞り込んだ撮影でなければ目立たないような大きさであるので、重み付けは最も低くなる。
【0081】
図8は付着した異物の大きさによる重み付け演算のフローチャートである。図6のステップ(S208)にてこのサブルーチンがコールされるとステップ(S401)に進み、異物の大きさによる重み付け演算を開始する。
【0082】
ステップ(S402)では、カウンターNの値を初期化して「0」にする。そして、ステップ(S403)でカウンターNに1を加算し、カウントアップする。続くステップ(S404)では、異物の大きさが70μm以上か未満かを判別し、70μm以上であればステップ(S406)へ移行し、70μm未満であればステップ(S405)へ進む。
【0083】
ステップ(S405)では、異物の大きさが30μm以上か未満かを判別し、30μm以上であればステップ(S407)へ移行し、30μm未満であればステップ(S408)に進む。
【0084】
ステップ(S406)では、図10のGD(2)のような大きな異物なので重み付けを高くするためにGD(N)の値に3を加算する。ステップ(S407)では、GD(8)のような中間の大きさなので中間の重み付けを行うためにGD(N)の値に2を加算する。ステップ(S408)では、GD(1)のような小さな異物なので重み付けを低くするためにGD(N)の値に1を加算する。
【0085】
上記ステップ(S406)、ステップ(S407)、ステップ(S408)の何れかを実行するとステップ(S409)へ移行する。ステップ(S409)では、カウンターNと異物の数GNとを比較し、N=GNであれば全異物に対する重み付け処理が終了しているのステップ(S410)へ進み、そうでなければステップ(S403)へ戻る。そして、ステップ(S410)で、このサブルーチンを終了してリターンする。
【0086】
このようにして、異物の位置及び大きさによって重み付けがなされる。例えば、図10の例では次のように重み付けがなされる。
GD(1)はゾーンAで大きさは小なのでGD(1)=1+1=2
GD(2)はゾーンAで大きさは大なのでGD(2)=1+3=4
GD(5)はゾーンAで大きさは中なのでGD(5)=1+2=3
GD(6)はゾーンBで大きさは小なのでGD(6)=2+1=3
GD(8)はゾーンBで大きさは中なのでGD(1)=2+2=4
GD(10)はゾーンBで大きさは中なのでGD(10)=2+2=4
GD(11)はゾーンCで大きさは小なのでGD(1)=3+1=4
次に、図6のステップ(S209)で合計値演算サブルーチンがコールされると、重み付けされた異物のGD(N)の値の合計値を演算するために図9のステップ(S501)に移行する。
【0087】
ステップ(S502)では、カウンターNの値を初期化して「0」にし、続くステップ(S503)でカウンターNに1を加算し、カウントアップする。そして、ステップ(S504)で合計値GTOTALに重み付けされたGD(N)の値を加算し、ステップ(S505)へ移行する。
【0088】
ステップ(S505)では、カウンターNと異物の数GNとを比較し、N=GNであれば全異物に対する重み付け処理が終了しているのステップ(S506)へ進み、そうでなければステップ(S503)へ戻る。そして、ステップ(S506)でこのサブルーチンを終了してリターンする。
【0089】
ここで、異物の付着量の表示は、重み付けされた合計値GTOTALにより判定されたGLEVELの値に応じて段階表示されるが、その表示形態は図11に示すようなバー表示を行い、異物の付着状態を感覚的に捕らえられるようにしている。
【0090】
図11の表示はカメラの上面や背面に配置された液晶表示パネルに表示されるバー表示であり、バッテリー残量表示やメモリーの残量表示などの表示部を兼用したものであっても良い。
【0091】
そして、GLEVEL=1の場合には図11の(a)のように表示を点灯させず、GLEVEL=1の場合には同図の(b)のようにバーを1セグメントだけ表示し、GLEVEL=2の場合には(c)のようにバーを2セグメントだけ表示し、GLEVEL=3の場合には(d)のようにバーを3セグメントフル表示するようにしている。
【0092】
撮影者はこの表示を見て光学フィルター117への異物の付着状態を知ることができ、必要に応じてクリーニングを行うことができるので、撮影前に異物を除去し、常に良好な状態で撮影ができるようになる。
【0093】
(第二実施例)
本第二の実施例は、上記重み付けの値や判定閾値を撮影者が任意に設定し、自分の感性にあった異物検出及び表示ができるようにしたものであり、主要な構成は第一実施例と同じなのでここでは異なる部分について説明する。
【0094】
図12は本実施例の異物検出動作を示すフローチャートであり、撮影者が上記重み付けの値及び判定閾値を設定するための動作を示している。このサブルーチンがコールされると、ステップ(S601)に移行する。
【0095】
ステップ(S602)では、異物の付着量が比較的少ないかどうかを判定するための閾値GJ1を設定し、続くステップ(S603)で異物の付着量がかなり多いかどうかを判定するための閾値GJ2を設定する。
【0096】
ステップ(S604)では、異物の付着位置が図10のAの範囲で重み付け値GA1を設定し、続くステップ(S605)では、異物の付着位置が図10のBの範囲で重み付け値GA2を設定し、ステップ(S606)では、異物の付着位置が図10のCの範囲で重み付け値GA3を設定する。
【0097】
次にステップ(S607)では、異物の大きさが30μmより小さいときの重み付け値GB1を設定し、続くステップ(S608)では、異物の大きさが30μm以上で70μm未満のときの重み付け値GB2を設定し、ステップ(S609)では、異物の大きさが70μm以上のときの重み付け値GB3を設定する。
【0098】
以上の各種パラメータの設定が終了すると、ステップ(S610)でこのサブルーチンを抜けてリターンする。
【0099】
図13は第二の実施例における異物検出演算処理のサブルーチンである。第一実施例と異なるところは、ステップ(S710)及びステップ(S711)の異物の付着量を判定する部分であり、ステップ(S701)〜ステップ(S709)は図6のステップ(S201)〜ステップ(S209)に対応し、ステップ(S712)〜ステップ(S716)はステップ(S212)〜ステップ(S216)に対応している。
【0100】
ステップ(S710),ステップ(S711)では、図12のステップ(S602),(S603)にて設定されたGJ1やGJ2の値に基づいて判定が行われ、GJ1やGJ2が標準値より小さく設定されていれば少量の異物でもクリーニング必要という表示を行うようになり、GJ1やGJ2が標準値より大きく設定されていれば大量の異物が付着しないとクリーニングが必要という表示を行わないようになる。このように、本実施例では撮影者や被写体に応じた適切な異物の検出ができるようになる。
【0101】
図14は本実施例における異物の付着位置による重み付け演算のサブルーチンのフローチャートである。第一実施例との違いは、ステップ(S807)〜ステップ(S809)で、図12のステップ(S604)〜(S606)で設定された重み付けの値GA1、GA2、GA3に基づいてそれぞれの重み付け演算がなされるので、付着位置による重み付けを任意に変えることができるようになることである。これによって、中央重点にチェックするか全体均一にチェックするかを撮影者が任意に設定できるようになる。
【0102】
図14のステップ(S801)〜ステップ(S806)は図7のステップ(S301)〜ステップ(S306)に対応し、ステップ(S810),(S811)はステップ(S310),(S311)に対応している。
【0103】
また、図15は本実施例における異物の大きさによる重み付け演算のサブルーチンのフローチャートである。第一実施例との違いは、ステップ(S906)〜ステップ(S908)で、図12のステップ(S607)〜(S609)で設定された重み付けの値GB1、GB2、GB3に基づいてそれぞれの重み付け演算がなされるので、異物の大きさによる重み付けを任意に変えることができることである。これによって、大きい異物を重点的にチェックするか小さい異物も重要視するかを撮影者が設定することができる。
【0104】
図15のステップ(S901)〜ステップ(S905)は図8のステップ(S401)〜ステップ(S405)に対応し、ステップ(S909),(S910)はステップ(S409),(S410)に対応している。
【0105】
(第三実施例)
実際の撮影では、使用するレンズのF値によって問題となる異物の大きさが異なる。例えば、明るい(F値の小さい)レンズでは少し大きめの異物であっても撮像素子上では異物の影が大きくボケるために問題とならないことがある。これに対して、暗い(F値の大きい)レンズでは小さい異物であっても撮像素子上では異物の影が大きくボケないために問題となることがある。
【0106】
本第三実施例では、上記のような問題を解決するために撮影レンズの開放F値を検出し、このF値に応じて異物の大きさによる重み付け演算を変更するようにしている。このように、撮影レンズに応じて大きさの重み付け演算を変更することによって、より的確に問題となる異物を選別し、適切なクリーニング警告を出すことができるようになる。
【0107】
本実施例の主要な構成は第一実施例と同じなので、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
【0108】
図16は本実施例の異物検出演算処理のサブルーチンである。第一実施例と異なるのは、ステップ(S1002)の大きさの判定閾値設定サブルーチン及びステップ(S1010)の大きさによる重み付け演算サブルーチンであり、その他の動作は第一実施例と同じである。
【0109】
図16のステップ(S1011)及びステップ(S1003)〜ステップ(S1009)は図6のステップ(S201)及びステップ(S202)〜ステップ(S207)に対応し、ステップ(S1011)〜(S1017)はステップ(S209)〜(S216)に対応している。
【0110】
図17は本実施例における異物検出演算処理のフローチャートであり、大きさの判定を行うための閾値設定サブルーチンを示している。このサブルーチンがコールされると、ステップ(S1101)に移行する。
【0111】
ステップ(S1102)では、カメラとレンズの通信によって撮影レンズの開放F値(FN)の読み込みを行い、続くステップ(S1103)では、ステップ(S1102)で得られたFNが2.8未満か否かの判別を行い、FNが2.8未満の明るいレンズであればステップ(S1105)へ移行し、そうでなければステップ(S1104)へ進む。
【0112】
ステップ(S1104)では、ステップ(S1102)で得られたFNが5.6未満か否かの判別を行い、FNが2.8以上5.6未満のレンズであればステップ(S1106)へ移行し、FNが5.6以上の暗いレンズであればステップ(S1107)へ進む。
【0113】
ステップ(S1105)では、明るいレンズが装着されているので大きさの判別閾値GC1を40μmに、GC2を70μmにと大きめの値に設定する。ステップ(S1106)では、中間的な明るさのレンズが装着されているので大きさの判別閾値GC1を30μmに、GC2を60μmにと中間の値に設定する。またステップ(S1107)では、暗いレンズが装着されているので大きさの判別閾値GC1を20μmに、GC2を50μmにと小さめの値に設定する。
【0114】
そして、ステップ(S1105),(S1106),(S1107)の何れかを実行するとステップ(S1108)へ進み、このサブルーチンをリターンする。
【0115】
このように、本実施例のサブルーチンでは撮影レンズのF値が小さいときには判定閾値のGC1、GC2の値を大きくし、撮影レンズのF値が大きくなると判定閾値のGC1、GC2の値を小さくするようにしている。
【0116】
図18は本実施例における大きさによる重み付け演算のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンでは、図17の大きさの判定閾値設定サブルーチンにて設定された判定閾値GC1,GC2に従って、大きさによる重み付け演算が行われる。ステップ(S1201)〜(S1203)は、第一実施例の図8のステップ(S401)〜ステップ(S403)と対応しているので、ここでの説明は省略する。
【0117】
ステップ(S1204)では、異物の大きさがGC2の値以上か否かを判定し、CG2以上の大きさであればステップ(S1206)へ移行し、そうでなければステップ(S1205)へ進む。ステップ(S1205)では、異物の大きさがGC1の値以上か否かを判定し、CG1以上の大きさであればステップ(S1207)へ移行し、そうでなければステップ(S1207)へ進む。
【0118】
ステップ(S1206)では、重み付け3を加算し、ステップ(S1207)では、重み付け2を加算し、またステップ(S1208)では、重み付け1を加算しする。そして、ステップ(S1206),(S1207),(S1208)の何れかを実行すると、ステップ(S1209)へ進む。
【0119】
ステップ(S1209)では、カウンターNを異物の数GNと比較し、N=GNでなければ全異物の重み付けが終了していないのでステップ(S1203)へ戻り、N=GNで全異物の重み付けが終了していればステップ(S1210)へ進み、このサブルーチンをリターンする。
【0120】
このように、明るい撮影レンズが装着された場合と暗い撮影レンズが装着された場合では重み付けの判定基準が異なり、暗い撮影レンズの方が小さい異物でも重み付けが大きくなるようになっている。このため、実際の撮影で異物の影が写り込みやすい暗いレンズでは小さな異物でもクリーニングの警告が出される。また、小さな異物では影の写り込みが目立たない明るいレンズでは小さな異物ではクリーニングの警告が出されないようになる。
【0121】
したがって、撮影条件に応じた適切な異物の検出及び表示を行うことができるようになる。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、撮像素子近傍に付着した異物の大きさや位置を考慮して付着量を表示することができるので、撮影前に異物検出を行って撮影に支障のある異物の付着があるかどうか簡単に知ることができる。
【0123】
そして、撮影に支障の異物がある場合には異物を除去してから撮影を開始できるので、撮影画像への異物の写りこみを効率よく防止できるという効果がある。
【0124】
また、異物の重み付けや判定閾値を任意に設定できるようにすることによって、より撮影者の判断基準に近い判定を行うことができるようになる。
【0125】
さらに、撮影レンズの明るさに応じて異物の大きさ判定基準を変更するようにすることによって、実際に問題となる大きさの異物を選別し、クリーニングの警告表示を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカメラの待機時の状態を示す断面図
【図2】本発明に係るカメラの異物検出時の動作状態を示す断面図
【図3】カメラの撮像素子近傍の詳細を示す断面図
【図4】カメラ電気回路構成を示すブロック図
【図5】第一実施例の異物検出動作を示すフローチャート
【図6】第一実施例の異物検出演算処理を示すフローチャート
【図7】第一実施例の異物の付着位置による重み付け演算処理を示すフローチャート
【図8】第一実施例の異物の大きさによる重み付け演算処理を示すフローチャート
【図9】第一実施例の合計演算処理を示すフローチャート
【図10】撮影画面に異物が付着した状態を示す説明図
【図11】異物の付着量の表示形態を示す説明図
【図12】第二実施例の異物検出動作を示すフローチャート
【図13】第二実施例の異物検出演算処理を示すフローチャート
【図14】第二実施例の異物の付着位置による重み付け演算処理を示すフローチャート
【図15】第二実施例の異物の大きさによる重み付け演算処理を示すフローチャート
【図16】第三実施例の異物検出演算処理を示すフローチャート
【図17】第三実施例の異物検出演算処理を示すフローチャート
【図18】第三実施例の異物の大きさによる重み付け演算処理を示すフローチャート
【符号の説明】
1 カメラ本体
2 マウント部
3 接点部
4 LED
5 メインミラー
6 ミラー保持枠
7 サブミラー
8 サブミラー保持枠
9 ピント板
11 ペンタプリズム
12 接眼レンズ
13 シャッター
14 光学フィルター
15 撮像素子
19 異物
20 交換レンズ
21 撮影レンズ
22 マウント部
23 絞り
24 接点部
100 カメラ本体
101 メインミラー
102 サブミラー
103 焦点検出装置
104 測光回路
105 ミラー駆動回路
106 シャッター駆動回路
107 シャッター
108 カメラCPU
109 カメラ電源回路
112 撮像素子駆動回路
113 RAM
114 信号処理回路
115 フラッシュメモリ
116 撮像素子
117 光学フィルター
118 照明装置
200 交換レンズ
201 撮影レンズ
202 絞り制御回路
203 絞り駆動モーター
204 絞り
205 フォーカス駆動モーター
206 フォーカス制御回路
207 レンズCPU
208 レンズ電源回路
Claims (8)
- 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、
前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更する変更手段を有することを特徴とする異物付着判定装置。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、
前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更する変更手段を有することを特徴とする異物付着判定装置。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、
重み付けされた異物の総量を段階表示する表示手段を有することを特徴とする異物付着判定装置。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定装置であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出する異物検出手段と、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定する判定手段と、
重み付けされた異物の総量を段階表示する表示手段を有することを特徴とする異物付着判定装置。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、
前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更することを特徴とする異物付着判定方法。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、
前記重み付けを撮影レンズの開放絞り値に応じて変更することを特徴とする異物付着判定方法。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、
重み付けされた異物の総量を段階表示することを特徴とする異物付着判定方法。 - 撮像素子を備えたカメラの撮像光学系への異物の付着状態を判定する異物付着判定方法であって、
前記撮像光学系に付着した前記異物を検出し、
前記異物検出手段によって検出された前記異物の位置と大きさによって重み付けを変え、その重み付けされた評価値の総量によって前記異物の付着状態を判定し、
重み付けされた異物の総量を段階表示することを特徴とする異物付着判定方法。
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