以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)コンテンツ配信交換システムの構成
図1において、コンテンツ配信交換システム1は、オーディオコンテンツを配信するサーバ2、予め記憶しているオーディオコンテンツを再生する携帯型のオーディオ再生装置3、及び当該オーディオ再生装置3とUSB(Universal Serial Bus)ケーブル4によって接続可能なパーソナルコンピュータ5がそれぞれ有線又は無線によってインターネット6を介して接続された構成を有している。
オーディオ再生装置3は、ユーザに携帯され得るよう小型軽量に構成されており、当該ユーザの移動中や移動先において当該ユーザの操作に基づきオーディオコンテンツを再生することにより、様々な場所において当該ユーザにオーディオを聴取させ得るようになされている。
またオーディオ再生装置3は、無線通信機能を有しており(詳しくは後述する)、当該無線通信機能によって他のオーディオ再生装置3と互いに無線接続し得るようになされ、さらにインターネット6に接続されたアクセスポイント7を経由してサーバ2と無線通信して当該サーバ2から配信されるオーディオコンテンツを取得できるようになされている。
パーソナルコンピュータ5は、インターネット6を介してサーバ2と接続することにより、当該パーソナルコンピュータ5を操作するユーザの要求に応じたオーディオコンテンツの配信を受けるようになされており、またユーザの操作指示に基づいて所定のコンテンツ転送プログラムを実行し得るようになされている。
パーソナルコンピュータ5は、USBケーブル4を介してオーディオ再生装置3が接続された状態でコンテンツ転送プログラムが実行されることにより、当該パーソナルコンピュータ5のハードディスクドライブ(図示せず)等に蓄積しているオーディオコンテンツを当該オーディオ再生装置3へ転送し得るようになされている。
このようにオーディオ再生装置3は、インターネット6に直接接続してサーバ2からオーディオコンテンツを取得し、またパーソナルコンピュータ5から転送されたオーディオコンテンツを取得したうえで、当該オーディオコンテンツを再生してユーザに聴取させるようになされている。
(1−2)オーディオ再生装置の構成
図2に示すように、オーディオ再生装置3は、本体部8とヘッドフォン9とによって構成されており、当該本体部8及びヘッドフォン9をブルートゥース(登録商標)によって無線接続するようになされている。
オーディオ再生装置3は、本体部8のCPU(Central Processing Unit)10によって全体を統括制御するようになされており、バス11を介して当該CPU10と接続されたフラッシュメモリ12からOS(Operating System)等の基本プログラムやコンテンツ取得プログラム等の各種アプリケーションプログラムを読み出し、これをRAM(Random Access Memory)13に展開して実行することにより、コンテンツ取得処理等の各種処理を実行し得るようになされている。
USBインタフェース14は、USBケーブル4を介してオーディオ再生装置3の本体部8とパーソナルコンピュータ5とが電気的に接続された際に、所定のプロトコル変換処理等を行うようになされている。実際上CPU10は、当該USBインタフェース14がUSBケーブル4を介してパーソナルコンピュータ5と接続された状態で、当該パーソナルコンピュータ5から転送されたオーディオコンテンツを取得し、これをハードディスクドライブ(HDD)15に蓄積させるようになされている。
ちなみにCPU10は、MP3(Motion Pictures Expert Group-1 Layer-3)等の圧縮符号化方式によって符号化されたオーディオコンテンツをそのままハードディスクドライブ15に蓄積するようになされている。
このときCPU10は、パーソナルコンピュータ5からオーディオコンテンツと共に当該オーディオコンテンツのアーティスト名、アルバム名、曲名、ジャンル、作曲者名、テンポ、リリース年等の各種属性情報を取得しており、図3に示すように、当該各種属性情報を当該オーディオコンテンツと対応付けた上でコンテンツ管理テーブルTBLに格納し、当該コンテンツ管理テーブルTBLをハードディスクドライブ15に記憶させるようになされている。
またCPU10は、パーソナルコンピュータ5から転送されたプレイリスト(オーディオコンテンツの再生順序を指定するリスト)を取得してオーディオコンテンツと同様にハードディスクドライブ15に記憶させるようになされている。
このプレイリストは、例えばユーザがパーソナルコンピュータ5を操作して所定のプレイリスト作成プログラムを実行し、当該プレイリスト作成プログラム上でオーディオコンテンツを選択して再生したい順序に並べ換え、或いはアーティスト名等の条件を指定して選択したオーディオコンテンツをアルファベット順等の任意の順序に並べ換えることによって作成されたものである。
本体操作部16は、図示しない方向キーや決定キー等を有しており、ユーザによる操作に基づき操作信号SCをCPU10へ送出する。またCPU10は、操作信号SCに応じたメニュー画面や操作画面等をLCD(Liquid Crystal Display)パネル17に表示させるようになされている。
CPU10は、例えばオーディオコンテンツを再生する際、まずコンテンツ管理テーブルTBLに格納された曲名や、予めハードディスクドライブ15に記憶されているプレイリスト等の情報を基に、所定のコンテンツ選択画面をLCDパネル17に表示し、ユーザに本体操作部16を操作させることにより再生するプレイリスト又はオーディオコンテンツを選択させる。
ちなみにオーディオ再生装置3では、プレイリスト及びオーディオコンテンツの曲名以外にも、コンテンツ管理テーブルTBLに格納されているアーティスト名、アルバム名、ジャンル、リリース年等の属性情報を基に再生するオーディオコンテンツを選択させ得るようになされている。
続いてCPU10は、選択されたオーディオコンテンツをハードディスクドライブ15から読み出して復号化することによりオーディオデータDAを生成し、当該オーディオデータDAを無線インタフェース18によってブルートゥース(登録商標)方式の無線信号RAに変調してヘッドフォン9へ送信する。
これに応じてヘッドフォン9(図4)は、無線インタフェース21によって本体部8からの無線信号RAを受信すると共にブルートゥース(登録商標)方式に対応した復調処理を施すことによりオーディオデータDAを取り出し、バス22を介して当該オーディオデータDAをオーディオ出力回路23へ供給する。オーディオ出力回路23は、オーディオデータDAをアナログ変換して増幅することにより生成したオーディオ信号SAを音響ユニット24へ供給することにより、当該音響ユニット24からオーディオを出力させてユーザに聴取させるようになされている。
またヘッドフォン9は、ユーザからの操作を受け付けるためのヘッドフォン操作部25を有している。当該ヘッドフォン操作部25には、オーディオコンテンツの再生及び一時停止を指示するプレイ/ポーズボタン25A、連続再生やシャッフル等といった複数のプレイモードを切り換えるプレイモード切換ボタン25B、プレイリスト上の次のオーディオコンテンツに遷移するスキップボタン25C、プレイリスト上の1つ前のオーディオコンテンツに遷移するバックスキップボタン25D、音響ユニットから出力するオーディオの音量を増加させる音量アップボタン25E及び当該音量を減少させる音量ダウンボタン26Fが設けられている。
ヘッドフォン9は、ユーザによってヘッドフォン操作部25の各種ボタンが操作された場合、当該操作に応じた操作信号SC2を生成し、これをバス22及び無線インタフェース21を介して本体部8へ送信する。これに応じて本体部8のCPU10(図2)は、無線インタフェース18及びバス11を介して当該操作信号SC2を取得し、当該操作信号SC2に応じた処理を実行するようになされている。
ちなみにオーディオ再生装置3は、本体部8の本体操作部16においてユーザから所定の操作を受け付けることにより、ヘッドフォン9のヘッドフォン操作部25において各種ボタンを操作された場合と同様にオーディオコンテンツの再生及び一時停止、或いはスキップ等の処理を実行し得るようになされている。
このようにオーディオ再生装置3は、予めパーソナルコンピュータ5から転送されたオーディオコンテンツ及びプレイリストをハードディスクドライブ15に記憶しておき、ユーザに選択されたプレイリスト等に基づいたオーディオコンテンツを再生して当該ユーザに聴取させるようになされている。
また本体部8の無線インタフェース18は、ヘッドフォン9とブルートゥース(登録商標)方式で無線接続し得る以外にも、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11g方式の無線LAN(Local Area Network)により他のオーディオ再生装置3又はアクセスポイント7(図1)と無線接続し得るようになされている。
ちなみにオーディオ再生装置3は、本体部8に図示しないクロック回路を有しており、現在時刻や日時を取得できるようになされている。またオーディオ再生装置3には、個別に一意のID番号が設定されており、サーバ2がオーディオ再生装置3と接続する際、及びオーディオ再生装置3同士が無線接続する際、当該ID番号によって各オーディオ再生装置3を識別し得るようになされている。
さらにオーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3と無線接続した際、その日時や当該他のオーディオ再生装置3のID番号等を含めて通信ログを作成し、ハードディスクドライブ15に記憶させるようになされている。
(1−3)オーディオコンテンツの分類と各種リストの更新
ところでオーディオ再生装置3は、ハードディスクドライブ15に記憶している全てのオーディオコンテンツについて、ユーザの好みに合致し保存しておくべき「お気に入り」又は当該ユーザの好みに合致せず削除しても問題ない「削除候補」のいずれかに分類するようになされている。
実際上オーディオ再生装置3は、図5及び図6に示すように、「お気に入り」及び「削除候補」に分類されたオーディオコンテンツをそれぞれ管理するためのお気に入りリストLF及び削除候補リストLUを生成してハードディスクドライブ15に記憶させるようになされている。
またオーディオ再生装置3は、アーティスト名、ジャンル、或いはテンポといった属性情報を用いてユーザの嗜好の特徴を分析し(詳しくは後述する)、図7に示すような嗜好情報リストLIを作成してハードディスクドライブ15に記憶させるようになされている。
オーディオ再生装置3のCPU10は、オーディオコンテンツを再生する際、1曲毎に当該オーディオコンテンツを「お気に入り」又は「削除候補」のいずれに分類するかを判定してお気に入りリストLF及び削除候補リストLUを更新し、またその結果に応じて嗜好情報リストLIを更新するようになされている。以下、このときのリスト更新処理手順RT1について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
オーディオ再生装置3のCPU10は、1曲のオーディオコンテンツ(以下、このオーディオコンテンツを対象オーディオコンテンツと呼ぶ)の再生を終了した時点、すなわち当該対象オーディオコンテンツを曲の最後まで再生し終えた時点又はユーザによりヘッドフォン操作部25のスキップボタン25C等を介してスキップ操作され次の曲に遷移した時点で、リスト更新処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。
ステップSP1においてCPU10は、再生途中でスキップ操作されたことにより対象オーディオコンテンツの再生時間が1分未満であった回数と、当該対象オーディオコンテンツの累計の再生回数とに基づき、当該再生途中でスキップ操作された頻度(以下、これをスキップ頻度と呼ぶ)を算出して、当該スキップ頻度が70%未満であるか否かを判定する。
ここで、対象オーディオコンテンツの再生時間が1分以上であった場合、少なくとも当該ユーザが当該対象オーディオコンテンツを聴きたくないわけでは無く、すなわち当該ユーザが当該対象オーディオコンテンツを気に入っている可能性があることになる。
このためステップSP1において肯定結果が得られた場合、スキップ頻度が比較的低かった、すなわちユーザが対象オーディオコンテンツを比較的長時間又は最後まで再生する頻度が高かったため、当該ユーザが当該対象オーディオコンテンツを気に入っている可能性が高いことを表しており、このときCPU10は、当該対象オーディオコンテンツをお気に入りリストLFに登録するべく、次のステップSP2へ移る。
ステップSP2においてCPU10は、対象オーディオコンテンツが既にお気に入りリストLFに含まれているか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは当該対象オーディオコンテンツが削除候補リストLUに含まれていることを表しており、このときCPU10は、お気に入りリストLF及び削除候補リストLUを更新するべく次のステップSP3へ移る。
ステップSP3においてCPU10は、削除候補リストLUから対象オーディオコンテンツを抹消すると共にお気に入りリストLFに当該対象オーディオコンテンツを追加登録し、次の嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1へ移る。
一方ステップSP2において肯定結果が得られた場合、このことは対象オーディオコンテンツが既にお気に入りリストLFに登録されていることを表しており、このときCPU10は当該お気に入りリストLF及び削除候補リストLUを特に更新せずに次の嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1へ移る。
これに対してステップSP1において否定結果が得られると、このことはユーザが対象オーディオコンテンツの開始部分をわずかに聴いただけで次のオーディオコンテンツにスキップした頻度が高く、当該ユーザが当該対象オーディオコンテンツに興味を持っていない可能性が高いことを表しており、このときCPU10は、当該対象オーディオコンテンツを削除候補リストLUに入れるべく、次のステップSP4へ移る。
ステップSP4においてCPU10は、対象オーディオコンテンツが既に削除候補リストLUに含まれているか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは当該対象オーディオコンテンツがお気に入りリストLFに含まれていることを表しており、このときCPU10は、お気に入りリストLF及び削除候補リストLUを更新するべく次のステップSP5へ移る。
ステップSP5においてCPU10は、お気に入りリストLFから対象オーディオコンテンツを抹消すると共に削除候補リストLUに当該対象オーディオコンテンツを追加登録し、次の嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1へ移る。
一方ステップSP5において肯定結果が得られた場合、このことは対象オーディオコンテンツが既に削除候補リストLUに登録されていることを表しており、このときCPU10は当該削除候補リストLU及びお気に入りリストLFを特に更新せずに次の嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1へ移る。
嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1においてCPU10は、図9に示すフローチャートに従い、お気に入りリストLFに登録されているオーディオコンテンツのアーティスト名やジャンル等といった属性情報を基に嗜好情報リストLIを更新するようになされている。
すなわちCPU10は、嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1を開始してステップSP11へ移り、お気に入りリストLFに登録されている全てのオーディオコンテンツについて、10曲以上登録され、且つ嗜好情報リストLIに未登録のアーティスト名があるか否かを判定する。
このステップSP11において肯定結果が得られると、このことは10曲以上のオーディオコンテンツがお気に入りリストに登録されているアーティスト、すなわちユーザの嗜好に合致する可能性が高いアーティストが存在し、且つそのアーティスト名(以下、これを対象アーティスト名と呼ぶ)が嗜好情報リストLIに未登録であることを表しており、このときCPU10は次のステップSP12へ移る。
ステップSP12においてCPU10は、対象アーティスト名を嗜好情報リストLIに追加登録し、再度ステップSP11へ戻る。
これに対してステップSP11において否定結果が得られると、このことはユーザの嗜好に合致する可能性が高いアーティストが全て嗜好情報リストLIに全て登録されていることを表しており、このときCPU10は次のステップSP13へ移る。
ステップSP13においてCPU10は、お気に入りリストLFに登録されている全てのオーディオコンテンツについて、30曲以上登録され、且つ嗜好情報リストLIに未登録のジャンルがあるか否かを判定する。
このステップSP13において肯定結果が得られると、このことは30曲以上のオーディオコンテンツがお気に入りリストに登録されているジャンル、すなわちユーザの嗜好に合致する可能性が高いジャンルが存在し、且つそのジャンル名(以下、これを対象ジャンル名と呼ぶ)が嗜好情報リストLIに未登録であることを表しており、このときCPU10は次のステップSP14へ移る。
ステップSP14においてCPU10は、対象ジャンル名を嗜好情報リストLIに追加登録し、再度ステップSP11へ戻る。
これに対してステップSP13において否定結果が得られると、このことはユーザの嗜好に合致する可能性が高いジャンル名が既に嗜好情報リストLIに全て登録されていることを表しており、このときCPU10は次のステップSP15へ移ることにより嗜好情報リスト更新サブルーチンSRT1を終了して元のリスト更新処理手順RT1(図8)へ戻り、次のステップSP6へ移って当該リスト更新処理手順RT1を終了する。
このようにオーディオ再生装置3のCPU10は、オーディオコンテンツの再生が終了する毎に、リスト更新処理手順RT1に従い対象オーディオコンテンツのスキップ頻度に応じてお気に入りリストLF及び削除候補リストLUを更新すると共に嗜好情報リストLIを更新するようになされている。
ところでオーディオ再生装置3のCPU10は、オーディオコンテンツの曲名やアーティスト名等をLCDパネル17(図2)に表示している際、又は当該オーディオコンテンツを再生している際に、ユーザによる所定の登録操作を受け付けることにより、図10に示すマニュアル指定リストLMに当該オーディオコンテンツのアーティスト名を追加登録するようになされている。
このマニュアル指定リストLMは、ユーザが自分の嗜好に合うアーティスト名やジャンル名等を明示すべく手動操作によって登録し得るようになされたものであり、オーディオ再生装置3が新たなオーディオコンテンツを取得する際に当該新たなオーディオコンテンツの選択基準の1つとして利用されるものである。
またオーディオ再生装置3は、ユーザの好みに合わないオーディオコンテンツを当該ユーザに直接指定させてハードディスクドライブ15から削除することもできるようになされており、この場合CPU10は、当該ユーザから削除指示を受け付けることにより当該オーディオコンテンツを当該ハードディスクドライブ15から削除すると共にコンテンツ管理テーブルTBL(図3)から当該オーディオコンテンツの情報を抹消するようになされている。
このときCPU10は、図11に示すように、削除したオーディオコンテンツに関するアーティスト名、アルバム名、曲名等の各種属性情報と共にお気に入りリストLF(図5)への登録日及び抹消日について削除履歴リストLDに追加登録するようになされている。
(1−4)オーディオコンテンツの取得
(1−4−1)コンテンツ取得処理手順
ところでコンテンツ配信交換システム1(図1)において、オーディオ再生装置3は、サーバ2と接続してオーディオコンテンツを取得し得ることに加え、他のオーディオ再生装置3と無線通信することにより当該他のオーディオ再生装置3からもオーディオコンテンツを取得し得るようになされている。
ちなみにコンテンツ配信交換システム1では、著作権保護の観点からオーディオ再生装置3同士におけるオーディオコンテンツの移動は許可されているものの、当該オーディオコンテンツのコピーはできないように制限されている。
実際上オーディオ再生装置3は、ユーザに携帯されて様々な場所に持ち運ばれており、その時点で接続可能なサーバ2又は他のオーディオ再生装置3を接続対象としてオーディオコンテンツを取得するようになされている。以下では、このときのコンテンツ取得処理手順RT2について、図12のフローチャートを用いて説明する。
提供装置及び要求装置としてのオーディオ再生装置3のCPU10は、電源が投入された時点でコンテンツ取得処理手順RT2を開始し、ステップSP21へ移る。
ステップSP21においてCPU10は、ハードディスクドライブ15に新たなオーディオコンテンツを記憶させるのに十分な空容量を確保できるか否か、すなわち少なくともオーディオコンテンツ1曲分以上の空容量があるか否か、又は削除候補リストLUに1曲以上のオーディオコンテンツが登録されており当該オーディオコンテンツを削除した場合に1曲分以上の空容量を生成できるか否かを判定する。
ここで否定結果が得られると、このことは既にハードディスクドライブ15がユーザの嗜好に合致したオーディオコンテンツで満たされていることを表しており、このときCPU10は、敢えて新たなオーディオコンテンツを取得すること無くステップSP29へ移る。
これに対してステップSP21において肯定結果が得られると、このことはハードディスクドライブ15に空容量を確保できるために新たなオーディオコンテンツを記憶させ得ることを表しており、このときCPU10はステップSP22へ移る。
ステップSP22においてCPU10は、無線インタフェース18(図2)を介して他のオーディオ再生装置3と無線接続できるか否かといった周囲の接続状況を確認し、次のステップSP23へ移る。
ステップSP23においてCPU10は、ハードディスクドライブ15に記憶させている通信ログを参照しながら、無線接続可能であり且つ過去3時間以内に無線接続していない他のオーディオ再生装置3があるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは新たなオーディオコンテンツを提供してくれる可能性がある他のオーディオ再生装置3が接続可能な状態にあることを表しており、このときCPU10は次のステップSP24へ移る。
ちなみに、ステップSP23においては、あるオーディオ再生装置3と一度無線接続した直後では、同一のオーディオ再生装置3からは新たなオーディオコンテンツを取得できる可能性が極めて低いため、敢えて「過去3時間以内に無線接続していない」といった条件に基づいて判定している。
ステップSP24においてCPU10は、無線接続可能であり且つ過去3時間以内に無線接続していない他のオーディオ再生装置3のうち1つを接続対象として無線接続し、次のコンテンツ移動サブルーチンSRT2へ移る。
コンテンツ移動サブルーチンSRT2においてCPU10は、他のオーディオ再生装置3から移動してもらうことによりオーディオコンテンツを取得し(詳しくは後述する)、次のステップSP25へ移る。
ステップSP25においてCPU10は、他のオーディオ再生装置3との無線接続を解除した後、さらに異なるオーディオ再生装置3と無線接続してオーディオコンテンツを取得するべく再度ステップSP21へ戻る。
一方、ステップSP23において否定結果が得られると、このことは他のオーディオ再生装置3からは新たなオーディオコンテンツを取得できる可能性が無いことを表しており、このときCPU10は、サーバ2からのオーディオコンテンツの取得を試みるべく次のステップSP26へ移る。
ステップSP26においてCPU10は、サーバ2と無線接続できるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは当該サーバ2からオーディオコンテンツを取得できることを表しており、このときCPU10は次のステップSP27へ移る。
ステップSP27においてCPU10は、サーバ2と無線接続して次のコンテンツダウンロードサブルーチンSRT3へ移る。
コンテンツダウンロードサブルーチンSRT3においてCPU10は、サーバ2からダウンロードすることによりオーディオコンテンツを取得し(詳しくは後述する)、次のステップSP28へ移る。
ステップSP28においてCPU10は、サーバ2との無線接続を解除し、次のステップSP29へ移る。
一方ステップSP26において否定結果が得られると、このことはこの時点ではサーバ2からオーディオコンテンツを取得できないことを表しており、このときCPU10は次のステップSP29へ移る。
ステップSP29においてCPU10は、所定の待ち時間(例えば3時間)待機した後、再度ステップSP21へ戻って一連の処理を繰り返す。これにより、例えばオーディオ再生装置3が周囲の全ての無線接続可能なサーバ2及び他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得し終えていたとしても、当該オーディオ再生装置3を携帯するユーザの移動等に伴って新たなオーディオ再生装置3と無線接続可能になる可能性がある。またオーディオ再生装置3は、ハードディスクドライブ15の空容量が無く新たなオーディオコンテンツを記憶できなかったとしても、ユーザにより新たに不要と判断されたオーディオコンテンツが手動で削除されて空容量が増加する可能性があるため、新たなオーディオコンテンツを取得できる可能性がある。
このようにオーディオ再生装置3は、サーバ2よりも優先して他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツの取得を試み、当該他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得できなかった場合、或いは接続可能な全てのオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得した上で、まだハードディスクドライブ15に新たなオーディオコンテンツを記憶できる場合にのみサーバ2からオーディオコンテンツを取得するようになされている。
(1−4−2)コンテンツ移動シーケンス
次に、コンテンツ移動サブルーチンSRT2(図12)について説明する。まず説明の都合上、図13に示すように、コンテンツ取得処理手順RT2におけるオーディオ再生装置3をオーディオ再生装置3Aとし、他のオーディオ再生装置3をオーディオ再生装置3Bとする。
オーディオ再生装置3AのCPU10は、コンテンツ取得処理手順RT2のステップSP24においてオーディオ再生装置3Bと接続したことにより、図14に示すコンテンツ移動サブルーチンSRT2を開始し、ステップSP31へ移る。
ステップSP31においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、自分の嗜好情報リストLI(以下これを嗜好情報リストLIAと呼ぶ)をオーディオ再生装置3Bへ送出し、次のステップSP32へ移る。
一方オーディオ再生装置3BのCPU10は、オーディオ再生装置3Aと接続したことにより図14に示すコンテンツ移動サブルーチンSRT4を開始し、ステップSP41へ移る。
ステップSP41においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、オーディオ再生装置3Aから送出された嗜好情報リストLIBを受信し、次のステップSP42へ移る。
ステップSP42においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、自分の削除候補リストLU(以下、これを削除候補リストLUBと呼ぶ)に登録されているオーディオコンテンツのうちオーディオ再生装置3Aから取得した嗜好情報リストLIAの内容に合致するものがあるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはオーディオ再生装置3Aのユーザの嗜好に合致するオーディオコンテンツを当該オーディオ再生装置3Bからは提供できないことを表しており、このとき当該オーディオ再生装置3BのCPU10はステップSP49へ移る。
これに対してステップSP42において肯定結果が得られると、オーディオ再生装置3BのCPU10は、オーディオ再生装置3Aにオーディオコンテンツを提供するべく次のステップSP43へ移る。
ステップSP43においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、当該オーディオ再生装置3Bがオーディオ再生装置3Aに対して提供可能なオーディオコンテンツを有していることを示す提供可能通知を当該オーディオ再生装置3Aへ送信し、次のステップSP44へ移る。
これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP32においてオーディオ再生装置3Bからの提供可能通知を受信し、次のステップSP33へ移る。
ステップSP33においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、自分のお気に入りリストLF(以下、これをお気に入りリストLFAと呼ぶ)をオーディオ再生装置3Bへ送信し、次のステップSP34へ移る。
この場合オーディオ再生装置3Aは、既にハードディスクドライブ15に記憶しており改めて取得する必要がないオーディオコンテンツのリスト(以下、これを取得不要リストと呼ぶ)としてお気に入りリストLFAをオーディオ再生装置3Bへ予め送信している。
ステップSP34においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ハードディスクドライブ15にコンテンツ1曲分の空領域がある場合にそのままとし、コンテンツ1曲分の空領域が無い場合に削除候補リストLUAに登録されたオーディオコンテンツを1曲削除することにより、新たなオーディオコンテンツを記憶させる空容量を確保し、次のステップSP35へ移る。
一方オーディオ再生装置3BのCPU10は、ステップSP44においてオーディオ再生装置3Aからのお気に入りリストLFAを受信し、次のステップSP45へ移る。
ステップSP45においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、自分の削除候補リストLUBのオーディオコンテンツのなかから、相手(すなわちオーディオ再生装置3A)の嗜好情報リストLIAの内容と合致し、且つ当該相手のお気に入りリストLFAに含まれないオーディオコンテンツを全て選択して送信リストを作成し、次のステップSP46へ移る。
この場合オーディオ再生装置3BのCPU10は、自分の削除候補リストLUBをオーディオ再生装置3Aへ提供可能なオーディオコンテンツのリストとみなし、このなかから当該オーディオ再生装置3へ提供するオーディオコンテンツを選択して送信リストを作成する。
すなわちオーディオ再生装置3Bは、相手の嗜好情報リストLIA及びお気に入りリストLFAをオーディオコンテンツの選択条件として用いて、オーディオ再生装置3Aのユーザの嗜好に合致し、かつ当該オーディオ再生装置3Aがまだ取得していないオーディオコンテンツのみを選択することにより、オーディオコンテンツを重複して取得することを未然に防止するようになされている。
ステップSP46においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、送信リストに基づきオーディオコンテンツを1曲選択してオーディオ再生装置3Aへ送信し、次のステップSP47へ移る。
これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP35においてオーディオ再生装置3Bからのオーディオコンテンツを受信してハードディスクドライブ15に記憶させると共に、コンテンツ管理テーブルTBL(図2)を更新し、さらに当該オーディオコンテンツをお気に入りリストLFAに追加登録して、次のステップSP36へ移る。
ちなみにオーディオ再生装置3AのCPU10は、受信したオーディオコンテンツがオーディオ再生装置3Bによって当該オーディオ再生装置3Aの嗜好情報リストLIAに合致するものとして選択されているため、当該受信したオーディオコンテンツをお気に入りリストLFAに登録するようになされている。
ステップSP36においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、オーディオコンテンツの受信を完了したことを示す受信完了通知をオーディオ再生装置3Bへ送信し、次のステップSP37へ移る。
これに応じてオーディオ再生装置3BのCPU10は、ステップSP47においてオーディオ再生装置3Aからの受信完了通知を受信し、次のステップSP48へ移る。
ステップSP48においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、送信済のオーディオコンテンツをハードディスクドライブ15から削除すると共に、コンテンツ管理テーブルTBL及び削除候補リストLUBから当該送信済のオーディオコンテンツに関する情報を抹消し、さらに当該送信済のオーディオコンテンツに関する情報を削除履歴リストLDに登録して、次のステップSP49へ移る。
ステップSP49においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、提供リストのオーディオコンテンツを全て送信し終えたか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このときオーディオ再生装置3BのCPU10は、未送信のオーディオコンテンツを送信するべく再度ステップSP46へ戻り、当該ステップSP46〜SP49の処理を繰り返す。これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP34〜SP36の処理を繰り返す。
このようにオーディオ再生装置3BのCPU10及びオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP46〜SP49の処理及びステップSP34〜SP36の処理をそれぞれ1曲のオーディオコンテンツ毎に繰り返して実行するようになされており、これにより当該オーディオコンテンツの移動を1曲ずつ確実に完了させるようになされている。
一方ステップSP49において肯定結果が得られると、このことは提供リストのオーディオコンテンツを全て送信し終えたことを表しており、このときオーディオ再生装置3BのCPU10は次のステップSP50へ移る。
ステップSP50においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、提供すべきオーディオコンテンツを全て提供し終えたことにより、或いは提供可能なオーディオコンテンツが無かったことにより、オーディオコンテンツの提供を終了することを通知する提供終了通知をオーディオ再生装置3Aへ送信し、ステップSP51へ移ってコンテンツ移動サブルーチンSRT4を終了する。
これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP37においてオーディオ再生装置3Bからの提供完了通知を受信し、次のステップSP38へ移ってコンテンツ移動サブルーチンSRT2を終了する。
このようにオーディオ再生装置3(オーディオ再生装置3A)は、他のオーディオ再生装置3(オーディオ再生装置3B)にとって「不要」であり自分の嗜好情報リストLIの内容と合致するオーディオコンテンツを当該他のオーディオ再生装置3から取得することにより、不要なオーディオコンテンツを有効に利用し得るようになされている。
この場合オーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3へ嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFを選択条件として送信することにより、当該オーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致し、且つ重複しないオーディオコンテンツ、いわば適切なオーディオコンテンツを他のオーディオ再生装置3に選択してもらい、そのうえ当該適切なオーディオコンテンツを提供してもらうことができる。
またオーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得するだけでなく、当該他のオーディオ再生装置3から接続された場合には当該オーディオ再生装置3にとって不要なオーディオコンテンツを当該他のオーディオ再生装置3へ提供するようになされており、この結果、オーディオコンテンツを交換することになる。
(1−4−3)コンテンツダウンロードシーケンス
次に、コンテンツダウンロードサブルーチンSRT3(図12)について説明する。
オーディオ再生装置3のCPU10は、コンテンツ取得処理手順RT2のステップSP27においてサーバ2と接続したことにより、図15に示すコンテンツダウンロードサブルーチンSRT3を開始し、ステップSP61へ移る。
ステップSP61においてオーディオ再生装置3のCPU10は、嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFをサーバ2へ送出して次のステップSP62へ移る。
一方サーバ2は、常にオーディオ再生装置3からの接続を待ち受けるようになされており、当該オーディオ再生装置3から接続された時点でサブルーチンSRT5を開始し、ステップSP71へ移る。
ステップSP71においてサーバ2は、オーディオ再生装置3からの嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFを受信し、次のステップSP72へ移る。
ステップSP72においてサーバ2は、嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFを選択条件として用い、保有しているオーディオコンテンツの中から、嗜好情報リストLIの内容と合致し、且つお気に入りリストLFに含まれないオーディオコンテンツを適宜選択し、これらをリスト化した配信リストを作成して、次のステップSP73へ移る。
一方オーディオ再生装置3のCPU10は、ステップSP62においてステップSP34(図14)と同様に、ハードディスクドライブ15にオーディオコンテンツ1曲分の空容量がある場合にそのままとし、オーディオコンテンツ1曲分の空容量が無い場合に削除候補リストLUに登録されたオーディオコンテンツを1曲削除することにより、新たなオーディオコンテンツを記憶させる空容量を確保し、次のステップSP63へ移る。
ステップSP63においてオーディオ装置6のCPU10は、オーディオコンテンツの要求をサーバ2へ送信し、次のステップSP64へ移る。
これに応じてサーバ2は、ステップSP73においてオーディオコンテンツの要求を受信し、次のステップSP74へ移る。
ステップSP74においてサーバ2は、ステップSP72において作成した配信リストに基づいてオーディオコンテンツを1曲選択してオーディオ再生装置3へ送信し、その後ステップSP73へ戻って当該オーディオコンテンツを1曲ずつ送信する処理を繰り返す。
これに応じてオーディオ再生装置3のCPU10は、ステップSP64においてステップSP35(図14)と同様に、サーバ2からのオーディオコンテンツを受信してハードディスクドライブ15に記憶させると共に、コンテンツ管理テーブルTBL(図2)を更新し、さらに当該オーディオコンテンツをお気に入りリストLF(図5)に追加登録して、次のステップSP65へ移る。
ステップSP65においてオーディオ再生装置3のCPU10は、ハードディスクドライブ15にオーディオコンテンツ1曲分の空容量を確保できるか否か、すなわち少なくともオーディオコンテンツ1曲分以上の空容量があるか又は削除候補リストLUに1曲以上のコンテンツが登録されているか否かを判定する。
ここで肯定結果が得られると、このことはハードディスクドライブ15に空容量を確保できるために新たなオーディオコンテンツを記憶させ得ることを表しており、このときオーディオ再生装置3のCPU10は、再度ステップSP62へ戻ってサーバ2から新たなオーディオコンテンツを受信する一連の処理を繰り返す。
一方ステップSP65において否定結果が得られると、このことは既にハードディスクドライブ15がユーザの嗜好に合致したオーディオコンテンツで満たされていることを表しており、このときオーディオ再生装置3のCPU10は、これ以上新たなオーディオコンテンツをサーバ2へ要求すること無くステップSP66へ移ってコンテンツダウンロードサブルーチンSRT3を終了する。
すなわちオーディオ再生装置3は、ハードディスクドライブ15に空容量を確保できなくなるまで、すなわち当該ハードディスクドライブ15に記憶しているオーディオコンテンツが全てお気に入りリストLFに登録された状態となるまで、新たなオーディオコンテンツをサーバ2から取得することができる。
一方サーバ2は、所定の待機時間内に次のオーディオコンテンツの要求を受信しなかった場合、オーディオ再生装置3が一連の当該オーディオコンテンツの取得を終了したものとみなし、サブルーチンSRT5を終了する。
ちなみにサーバ2は、オーディオコンテンツの配信が終了した後もオーディオ再生装置3から受信したお気に入りリストLFを当該オーディオ再生装置3のID番号と対応付けて保存しておくようになされている。
このようにオーディオ再生装置3は、サーバ2へ嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFを選択条件として送信することにより、当該オーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致し、かつ既にハードディスクドライブ15に記憶させているオーディオコンテンツと重複しないような新たなオーディオコンテンツを当該サーバ2から配信させるようになされている。
(1−5)第1の実施の形態における動作及び効果
以上の構成において、オーディオ再生装置3は、ハードディスクドライブ15に新たなオーディオコンテンツを記憶させるのに十分な空容量を確保できる場合、まず接続可能な他のオーディオ再生装置3から優先してオーディオコンテンツの取得を試み、その次にサーバ2への接続を試みて接続可能であればオーディオコンテンツの配信を受ける。
従ってオーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得できた場合、サーバ2からオーディオコンテンツの配信を受ける必要が無いため、当該サーバ2の処理負荷を軽減させることができ、また通信トラフィックも軽減させることができる。
このときオーディオ再生装置3は、サーバ2へ嗜好情報リストLIを選択条件として送信することにより、当該サーバ2が保有しているオーディオコンテンツのうち当該嗜好情報リストLIの内容と合致するオーディオコンテンツのみ選択させて配信させることができるので、当該オーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致するオーディオコンテンツのみを効率よく取得することができる。
さらにオーディオ再生装置3は、取得不要リストとしてお気に入りリストLFを予めサーバ2へ送信することにより、同一のオーディオコンテンツを誤って受信することが無く、当該サーバ2に無駄な処理負荷をかける可能性を低減することができる。
これによりコンテンツ配信交換システム1においては、ユーザの増加等によってオーディオ再生装置3の数が増加したとしても、オーディオ再生装置3同士でオーディオコンテンツを交換し得ない従来のコンテンツ配信システムと比較して、サーバ2からオーディオコンテンツをダウンロードする頻度をあまり増加させずに済むので、当該サーバ2や各種ネットワーク装置等の処理能力を高める必要が無く、当該サーバ2等の構成を簡素化することができる。
特にコンテンツ配信交換システム1においては、システム内に十分な数のオーディオ再生装置3が存在する場合、当該オーディオ再生装置3を分散サーバと見なすことができ、これにより、例えば大量にダウンロードされシステム内に十分に流通しているオーディオコンテンツをサーバ2から削除しても良く、これにより当該サーバ2の記憶容量を削減して構成を一段と簡素化することができる。
この結果コンテンツ配信交換システム1では、サーバ2や各種ネットワーク機器等の管理コストを削減することができるので、当該管理コストを固定費としてオーディオ再生装置3のユーザに課金しているような場合に、当該固定費を低減することができる。
またサーバ2は、オーディオ再生装置3へオーディオコンテンツを配信する際に当該オーディオ再生装置3から取得したお気に入りリストLFを保存しているため、例えばユーザがオーディオ再生装置3を紛失又は破損する等して新たなオーディオ再生装置3を使用する際、当該サーバ2に保存されているお気に入りリストLFを当該新たなオーディオ再生装置3へ転送すると共に当該お気に入りリストLFに登録されているオーディオコンテンツを配信することにより、古いオーディオ再生装置3によって最後に当該サーバ2に接続したときの状態に復元させることができる。
一方オーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得する際、サーバ2からオーディオコンテンツを取得する際と同様に、自分の嗜好情報リストLIを選択条件として予め送信して当該他のオーディオ再生装置3が保有しているオーディオコンテンツのうち当該嗜好情報リストLIの内容と合致するオーディオコンテンツのみ送信させるため、当該オーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致するオーディオコンテンツのみを効率良く取得することができる。
このときオーディオ再生装置3は、お気に入りリストLFを取得不要リストとして予め他のオーディオ再生装置3へ送信するため、同一のオーディオコンテンツを誤って受信することが無く、無駄な通信トラフィックの発生を未然に防止することができる。
そのうえオーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを要求された際、自分の削除候補リストLUを「提供可能なオーディオコンテンツのリスト」と見なして当該削除候補リストLUに登録されたオーディオコンテンツの中から提供するオーディオコンテンツを選択するため、お気に入りリストLFに登録されたオーディオコンテンツ、すなわち当該オーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致しており確保しておくべきオーディオコンテンツを誤って提供(すなわち移動)してしまうことがない。
さらにオーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3と無線接続する際に、サーバ2や所定の中継装置等を介することなく互いに直接無線接続することができるので、当該サーバ2に処理負荷をかけず、またアクセスポイント7の設置場所等に制限されることもなく、容易にオーディオコンテンツの交換を行うことができる。
またオーディオ再生装置3は、サーバ2又は他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得する際、1曲毎に移動させることにより、例えば複数のオーディオコンテンツを取得する際に当該サーバ2又は当該オーディオ再生装置3との無線接続が中断してしまった場合であっても、送信が完了した分のオーディオコンテンツについては当該オーディオ再生装置3へ完全に移動し終えることができ、中断されるまでの各処理を無駄にせず、通信トラフィックを極力有効に利用することができる。
そのうえオーディオ再生装置3は、ユーザに何ら操作をさせることなく、無線接続可能な他のオーディオ再生装置3又はサーバ2から当該ユーザの嗜好に合致したオーディオコンテンツを自動的に取得することができるため、当該ユーザの手を煩わせずに済む。
以上の構成によれば、オーディオ再生装置3は、新たなオーディオコンテンツを取得する際、まず接続可能な他のオーディオ再生装置3から優先してオーディオコンテンツの取得を試み、その次にサーバ2への接続を試みて接続可能であればオーディオコンテンツの配信を受け、その際に当該他のオーディオ再生装置3又はサーバ2によって嗜好情報リストLIに合致したオーディオコンテンツを選択してもらうことにより、ユーザの嗜好に合致したオーディオコンテンツを取得できると共に当該サーバ2からオーディオコンテンツの配信を受ける頻度を従来に比して格段に低減することができ、当該サーバ2の処理負荷を軽減させることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)コンテンツ配信交換システム及びオーディオ再生装置の構成
第2の実施の形態においては、コンテンツ配信交換システム1(図1)及びオーディオ再生装置3(図2及び図4)は上述した第1の実施の形態と同様の構成を有しているため、その説明は省略する。
また、オーディオ再生装置3がハードディスクドライブ15に記憶させているコンテンツ管理テーブルTBL(図3)、お気に入りリストLF(図5)、削除候補リストLU(図6)、嗜好情報リストLI(図7)、マニュアル指定リスト(図10)及び削除履歴リストLD(図11)についても第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。
(2−2)コンテンツ移動シーケンス
この第2の実施の形態では、コンテンツ取得処理手順RT2(図12)において、コンテンツ移動サブルーチンSRT2(図14)に代えて、当該図14と対応した図16に示すコンテンツ移動サブルーチンSRT6を実行するようになされている。
すなわちオーディオ再生装置3AのCPU10は、コンテンツ取得処理手順RT2のステップSP24においてオーディオ再生装置3Bと接続したことによりコンテンツ移動サブルーチンSRT6を開始し、ステップSP81へ移る。
一方オーディオ再生装置3BのCPU10は、オーディオ再生装置3Aと接続したことによりコンテンツ移動サブルーチンSRT7を開始し、ステップSP91へ移る。
ステップSP91においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、自分の削除候補リストLUBをオーディオ再生装置3Aへ送信し、次のステップSP92へ移る。
この場合オーディオ再生装置3BのCPU10は、オーディオ再生装置3Aに対して提供可能なオーディオコンテンツを表すリストとして削除候補リストLUBを当該オーディオ再生装置3Aへ予め送信している。
これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP81においてオーディオ再生装置3Bからの削除候補リストLUBを受信し、次のステップSP82へ移る。
ステップSP82においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、相手の削除候補リストLUBに登録されているオーディオコンテンツのうち自分の嗜好情報リストLIAの内容に合致するものがあるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことはオーディオ再生装置3Aのユーザの嗜好に合致するオーディオコンテンツを当該オーディオ再生装置3Bからは取得できないことを表しており、このときオーディオ再生装置3AのCPU10はステップSP88へ移る。
これに対してステップSP82において肯定結果が得られると、このことはオーディオ再生装置3Aのユーザの嗜好に合致するオーディオコンテンツをオーディオ再生装置3Bから取得できることを表しており、このときオーディオ再生装置3AのCPU10は次のステップSP83へ移る。
ステップSP83においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、相手の削除候補リストLUBのオーディオコンテンツのなかから、自分の嗜好情報リストLIAの内容と合致し、且つ自分のお気に入りリストLFAに含まれないオーディオコンテンツを全て選択し、これらをリスト化した要求リストを作成して、次のステップSP84へ移る。
ステップSP84においてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP83において作成した要求リストをオーディオ再生装置3Bへ送信し、次のステップSP85へ移る。
すなわちオーディオ再生装置3Aは、自分の嗜好情報リストLIA及びお気に入りリストLFAをオーディオコンテンツの選択条件として用い、さらに当該お気に入りリストLFAを取得不要リストとして用いることにより、当該オーディオ再生装置3Aのユーザの嗜好に合致し、かつ当該ユーザが既に所有しているオーディオコンテンツを除外してまだ所有していないオーディオコンテンツのみを選択して要求リストを作成する。これによりオーディオ再生装置3Aは、同一のオーディオコンテンツを重複して取得することを未然に防止することができる。
これに応じてオーディオ再生装置3BのCPU10は、ステップSP92においてオーディオ再生装置3Aからの要求リストを受信し、次のステップSP93へ移る。
ステップSP93〜SP96においてオーディオ再生装置3BのCPU10は、コンテンツ移動サブルーチンSRT4(図14)のステップSP46〜SP49と同様に、要求リストのオーディオコンテンツを1曲ずつオーディオ再生装置3Aへ送信し、当該要求リストのオーディオコンテンツを全て送信し終えてからステップSP97へ移る。
これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP85〜ステップSP87において、コンテンツ移動サブルーチンSRT2(図14)のステップSP34〜SP36と同様に、オーディオコンテンツを1曲ずつ受信し、次のステップSP88へ移る。
一方オーディオ再生装置3BのCPU10は、ステップSP97において、提供すべきオーディオコンテンツを全て提供し終えたことによりオーディオコンテンツの提供を終了することを通知する提供終了通知をオーディオ再生装置3Aへ送信し、次のステップSP98へ移ってコンテンツ移動サブルーチンSRT7を終了する。
これに応じてオーディオ再生装置3AのCPU10は、ステップSP88においてオーディオ再生装置3Bからの提供完了通知を受信し、次のステップSP89へ移ってコンテンツ移動サブルーチンSRT6を終了する。
ちなみにオーディオ再生装置3Aは、ステップSP82において否定結果が得られた場合、ステップSP88においてオーディオ再生装置3Bからの提供完了通知を受信する代わりに、削除候補リストLUBに取得したいオーディオコンテンツが含まれていなかったことを表す受信不要通知をオーディオ再生装置3Bへ送信してステップSP89へ移り、コンテンツ移動サブルーチンSRT6を終了するようになされている。
これに応じてオーディオ再生装置3BのCPU10は、ステップSP97においてオーディオ再生装置3Aからの受信不要通知を受信してステップSP98へ移り、当該オーディオ再生装置3へオーディオコンテンツを送信することなくコンテンツ移動サブルーチンSRT7を終了するようになされている。
このように第2の実施の形態の場合、オーディオコンテンツを送信する側の他のオーディオ再生装置3(すなわちオーディオ再生装置3B)ではなく、当該オーディオコンテンツを取得する側のオーディオ再生装置3(すなわちオーディオ再生装置3A)において取得するオーディオコンテンツを選択するようになされている。
ちなみにこの第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、オーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得するだけでなく、当該他のオーディオ再生装置3から接続された場合には当該オーディオ再生装置3にとって不要なオーディオコンテンツを当該他のオーディオ再生装置3へ提供するようになされており、この結果、オーディオコンテンツを交換することになる。
(2−3)第2の実施の形態における動作及び効果
以上の構成において、オーディオ再生装置3は、第1の実施の形態と同様、ハードディスクドライブ15に新たなオーディオコンテンツを記憶させるのに十分な空容量を確保できる場合、まず接続可能な他のオーディオ再生装置3から優先してオーディオコンテンツの取得を試み、その次にサーバ2への接続を試みて接続可能であればオーディオコンテンツの配信を受ける。
従ってオーディオ再生装置3は、第1の実施の形態と同様、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得できた場合、サーバ2へアクセスしてオーディオコンテンツの配信を受ける必要が無いため、当該サーバ2からオーディオコンテンツの配信を受ける場合と比較して当該サーバ2の処理負荷を軽減させることができ、また通信トラフィックも軽減させることができる。
特にオーディオ再生装置3は、他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得する際、第1の実施の形態とは異なり、当該他のオーディオ再生装置3が提供可能なオーディオコンテンツのリストとして削除候補リストLUを取得し、当該削除候補リストLUのなかから嗜好情報リストLIの内容と合致するオーディオコンテンツのみ選択して要求する。
このためオーディオ再生装置3は、当該オーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致するオーディオコンテンツのみを効率良く取得することができると共に、第1の実施の形態と比較して他のオーディオ再生装置3における処理負荷を軽減させることができる。
以上の構成によれば、オーディオ再生装置3は、第1の実施の形態と同様、新たなオーディオコンテンツを取得する際、まず接続可能な他のオーディオ再生装置3から優先してオーディオコンテンツの取得を試み、その次にサーバ2への接続を試みて接続可能であればオーディオコンテンツの配信を受け、その際に当該他のオーディオ再生装置3又はサーバ2によって嗜好情報リストLIに合致したオーディオコンテンツを選択してもらうことにより、ユーザの嗜好に合致したオーディオコンテンツを取得できると共に当該サーバ2からオーディオコンテンツの配信を受ける頻度を従来に比して格段に低減することができ、当該サーバ2の処理負荷を軽減させることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3がコンテンツ取得処理手順RT2に従い、接続可能な他のオーディオ再生装置3が無い場合にサーバ2へ接続するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば3台のオーディオ再生装置3と接続した後にサーバ2へ接続する等しても良く、要は当該サーバ2よりも他のオーディオ再生装置3へ優先的に接続すれば良い。
また上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3が直接無線接続可能な他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図13においてオーディオ再生装置3Aがオーディオ再生装置3Cと直接無線接続できない場合に、オーディオ再生装置3Bに無線通信を中継させることにより、当該オーディオ再生装置3Aが当該オーディオ再生装置3Cと間接的に無線接続して当該オーディオ再生装置3Cからオーディオコンテンツを取得するようにしても良い。
この場合、無線通信を中継するオーディオ再生装置3は複数であっても良く、また動的に変化するようにしても良い。さらに、オーディオ再生装置3がインターネット6を介して他のオーディオ再生装置3と接続してオーディオコンテンツを取得するようにしても良い。これにより、オーディオ再生装置3が他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得できる可能性を飛躍的に向上させることができ、この結果、サーバ2からオーディオコンテンツをダウンロードする頻度をさらに低減して当該サーバ2の処理負荷を格段に軽減させることができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3が他のオーディオ再生装置3と無線接続する際にIEEE802.11g方式の無線LANを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばIEEE802.11aの無線LANやブルートゥース(登録商標)、赤外線通信等、種々の無線通信方式を用いるようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3が他のオーディオ再生装置3と無線接続するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばUSBケーブルを用いて有線接続するようにしても良い。これにより、ノイズ等の影響を受けず安定した接続状態でオーディオ再生装置3がオーディオコンテンツを取得することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3がアクセスポイント7(図1)と無線接続してサーバ2からオーディオコンテンツを取得するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図1に示したように当該オーディオ再生装置3がUSBケーブル4によってパーソナルコンピュータ5と接続された状態で、当該パーソナルコンピュータ5に通信を中継させることによってサーバ2と接続し、当該サーバ2からオーディオコンテンツを取得するようにしても良い。
特にこの場合、オーディオ再生装置3のCPU10に代えて、パーソナルコンピュータ5の制御部(図示せず)がコンテンツダウンロードサブルーチンSRT3を実行し、取得したオーディオコンテンツをオーディオ再生装置3のハードディスクドライブ15に記憶させるようにしても良い。
さらに、例えば当該オーディオ再生装置3がアクセスポイント7と無線接続できず、他のオーディオ再生装置3が当該アクセスポイント7と無線接続できる場合に、当該他のオーディオ再生装置3に通信を中継させることにより、当該オーディオ再生装置3がサーバ2からオーディオコンテンツを取得するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、オーディオ再生装置3が他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得する際に、コンテンツ受信ルーチンSRT5(図14)において当該オーディオ再生装置3から選択条件として嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFを当該他のオーディオ再生装置3へ送信するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばマニュアル指定リストLM(図10)を送信したり、或いは嗜好情報リストLI及びお気に入りリストLFと適宜組み合わせて送信するようにしても良い。これによりオーディオ再生装置3は、ユーザが直接指定したオーディオコンテンツを積極的に取得することができる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、オーディオ再生装置3Aがオーディオ再生装置3Bからオーディオコンテンツを取得する際に、コンテンツ移動サブルーチンSRT4(図14)において当該オーディオ再生装置3Aから取得したお気に入りリストLFAを取得不要リスト(すなわち改めて取得する必要がないオーディオコンテンツのリスト)として用いて提供リストを作成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該お気に入りリストLFAに加えてオーディオ再生装置3Aの削除候補リストLUや削除履歴リストLDを適宜組み合わせて取得して当該取得不要リストとして用いるようにしても良い。
この場合、お気に入りリストLFと削除候補リストLUとを組み合わせることによりオーディオコンテンツの重複を完全に防止することができ、さらに削除履歴リストLDを組み合わせることにより、オーディオ再生装置3のユーザが既に不要であると判断したオーディオコンテンツの再取得を未然に防止できるので、オーディオコンテンツの無駄な移動を一段と効果的に防止できる。
同様に第2の実施の形態においては、コンテンツ移動サブルーチンSRT6(図16)においてオーディオ再生装置3Aが自分のお気に入りリストLFAを取得不要リスト(すなわち改めて取得する必要がないオーディオコンテンツのリスト)として用いて要求リストを作成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該お気に入りリストLFAに加えて自分の削除候補リストLUや削除履歴リストLDを適宜組み合わせて当該取得不要リストとして用いるようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、嗜好情報リスト更新処理手順SRT1(図9)においてお気に入りリストLFに含まれるオーディオコンテンツの数に応じて嗜好情報リストLIを更新するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各オーディオコンテンツの再生回数や各ジャンル毎の再生回数等を基に更新しても良い。また閾値とする再生回数は10回や30回に限らず、任意の回数としても良く、或いは動的に変化するようにしても良い。
これに加えて、削除候補リストLUや削除履歴リストLDを参照して不要なジャンルを推定して当該嗜好情報リストLIに反映させる等しても良い。これらにより、嗜好情報リストLIにユーザの嗜好の特徴を一段と良く反映させることができ、当該ユーザの嗜好に合致したオーディオコンテンツを効率的に取得することができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、ユーザの嗜好の特徴をリスト形式の嗜好情報リストLIによって表すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば複数の属性の組み合わせによって表したり、或いは複数のパラメータの組み合わせによって表す等、種々の手法を用いて表しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、リスト更新処理手順RT1(図8)においてオーディオコンテンツをお気に入りリストLFと削除候補リストLUとに分類する際に「再生時間が1分未満でスキップされた頻度が70%未満である」といった条件を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば「30秒未満でスキップされた頻度が50%未満である場合」や「15秒未満でスキップされた頻度が80%未満である場合」等の任意の閾値を用いた条件としたり、或いは「再生回数が20回以上の場合」といった他の条件と組み合わせるようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、嗜好情報リストLI(図7)にアーティスト名、ジャンル、或いはテンポといった属性情報を登録するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、リリース年や作曲者名といった他の属性情報も合わせて登録するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3がお気に入りリストLF及び削除候補リストLUをそれぞれ作成及び更新するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、オーディオ再生装置3が当該お気に入りリストLF及び当該削除候補リストLUの両方を作成しないようにしたり、或いはいずれか一方のみ作成するようにしても良く、これによりお気に入りリストLF及び削除候補リストLUの更新に伴う処理負荷を軽減することができる。この場合、オーディオ再生装置3は嗜好情報リストLIに合致する新たなオーディオコンテンツを選択する(或いはサーバ2又は他のオーディオ再生装置3に選択してもらう)ようにすれば良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3が嗜好情報リストLIを作成及び更新するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該嗜好情報リストLIを作成しないようにしても良い。この場合オーディオ再生装置3は、お気に入りリストLF及び削除候補リストLUに基づいて新たに取得するオーディオコンテンツを選択する(或いはサーバ2又は他のオーディオ再生装置3に選択してもらう)ようにすれば良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3がサーバ2からオーディオコンテンツの配信を受ける際に、削除候補リストLUに登録されたオーディオコンテンツを最終的に全て削除して新たなオーディオコンテンツを取得するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば当該削除候補リストLUに登録されたオーディオコンテンツを任意数(例えば3曲や5曲等)のみ残しておくようにしてもよい。これにより、他のオーディオ再生装置3と接続した際に、当該残しておいたオーディオコンテンツが当該他のオーディオ再生装置3のユーザの嗜好に合致して当該オーディオコンテンツを提供できる場合があり、これによりサーバ2からオーディオコンテンツを取得する頻度を低減できる可能性がある。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3が他のオーディオ再生装置3からオーディオコンテンツを取得する際、著作権保護の観点からオーディオコンテンツをコピーではなく移動するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば権利者の同意が得られた場合に当該オーディオコンテンツをコピーできるようにしても良い。
これにより、例えば他のオーディオ再生装置3のお気に入りリストLFにコピー可能なオーディオコンテンツが登録されていた場合、当該他のオーディオ再生装置3に当該オーディオコンテンツを残したまま当該オーディオ再生装置3が当該オーディオコンテンツを取得することができる。この結果、オーディオ再生装置3がサーバ2からオーディオコンテンツを取得する頻度を一段と低減することができ、当該サーバ2の処理負荷を一段と軽減させることができる。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3においてオーディオコンテンツをハードディスクドライブ15に記憶させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば不揮発性の半導体メモリや光ディスク等の種々の記憶媒体に記憶させるようにしても良く、またこれらの記憶媒体は交換可能であっても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3がMP3形式のオーディオコンテンツをハードディスクドライブ15に記憶するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばWAVE形式やATRAC3(Adaptive Transform Acoustic Coding 3、登録商標)形式等の種々の形式でなるオーディオコンテンツをハードディスクドライブ15に記憶するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3に本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば携帯電話機、携帯型ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)及び携帯型コンピュータ等、オーディオコンテンツを記憶すると共に再生可能な種々の電子機器であっても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオコンテンツを再生するオーディオ再生装置3に本発明を適用するようにした場合について述べたが、これに限らず、例えばビデオコンテンツ、HTML(Hyper Text Markup Language)コンテンツ、静止画像コンテンツやテキストコンテンツ等種々のコンテンツを記憶して再生し得る種々のコンテンツプレーヤに本発明を適用するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオ再生装置3においてコンテンツ取得プログラム等の各種プログラムをフラッシュメモリ12に予め記憶しておくようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば当該コンテンツ取得プログラム等の各種プログラムをUSBインタフェース14や無線インタフェース18を介して外部から取得するようにしても良く、或いは交換可能な記憶媒体である光ディスク(図示せず)やメモリースティック(登録商標)等に格納されて提供されるようにしても良く、また当該コンテンツ取得プログラム等の各種プログラムをハードディスクドライブ15や図示しないROM(Read Only Memory)等に格納しても良い。
さらに上述の実施の形態においては、取得手段及び提供手段としてのCPU10、USBインタフェース14及び無線インタフェース18と、記憶手段としてのハードディスクドライブ15と、再生手段としてのCPU10及びオーディオ出力回路23と、選択条件生成手段及び提供可能リスト生成手段としてのCPU10と、送信手段、受信手段及び提供可能リスト送信手段としてのUSBインタフェース14及び無線インタフェース18とによって再生装置としてのオーディオ再生装置3を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなる取得手段と、提供手段と、記憶手段と、再生手段と、選択条件生成手段と、提供可能リスト生成手段と、送信手段と、受信手段と、提供可能リスト送信手段とによって再生装置を構成するようにしても良い。
1……コンテンツ配信交換システム、2……サーバ、3……オーディオ再生装置、5……パーソナルコンピュータ、6……インターネット、7……アクセスポイント、10……CPU、12……フラッシュメモリ、14……USBインタフェース、15……ハードディスクドライブ、18……無線インタフェース、23……オーディオ出力回路、TBL……コンテンツ管理テーブル、LF……お気に入りリスト、LU……削除候補リスト、……LI……嗜好情報リスト、LM……マニュアル指定リスト、LD……削除履歴リスト。