JP4572917B2 - 車両用内装材 - Google Patents

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Description

本発明は室内への熱侵入を低減する内装材に関し、特に車両の車室内温熱環境を改善する内装材に関する。
炎天下環境において駐車車両の車室内は周知のごとく非常に高温となり、例えば日本国内の東京近辺では約70℃にまで達する。このような状況で車室内は非常に不快であるため、その改善が強く望まれている。
通常、車両用内装材の材料として、ウレタン発泡体、ガラス繊維含有ポリエチレン発泡体、フェノールレジンボード、ポリエステル繊維不織布等が用いられている。これらは断熱材として考慮されているものではなく十分な断熱機能を持っていないが、ものによっては材料厚さ、材料密度を調節したり、通気止めフィルム等を設けたりすることにより車体外板からの熱を遮断する機能を付与することができる。しかしながら、熱線の吸収に関しては材料そのものが持つ熱容量に依存するため、このような材料を用いた内装材のほとんどは時間経過とともに熱線を吸収して加熱され、その結果車室内へ熱線放射することがわかっている。
このような問題の解決手段として、特許文献1において、自動車ボディーと相対する面に熱線反射機能を有する層を設けた自動車両用内装材が開示されている。このような内装材の構造を図1を参照しながら説明する。当該内装材は、反射層9、内装基材10、表皮11で構成されている。上記公報によれば、上記内装材は、(1)自動車ボディーと反射層とを近接あるいは接触して用いるために、反射機能を十分に生かすことができない、(2)自動車ボディーから熱伝達してしまう、などの問題が生じ、車室内の温度低減効果が十分に得られない。
またその一方で、車両用内装材は一般的に、上記断熱に加えて、遮音機能や通気防止機能などの他の機能も要求され得る。遮音機能とは、走行中も静かな車室環境を得るためのものである。従来、このような吸遮音機能を内装材に付与するために、内装材に吸遮音材からなる遮音層が中間層としてインサートされている。また通気防止機能とは、車室内から内装材を通じて空気が流れることにより、空気中の塵やごみを内装材が吸着し、外観を損ね商品価値を下げてしまうことを防止するためのものである。従来このような通気防止機能を内装材に付与するために、例えばフィルムのような通気遮断性のある材料を中間層として内装材にインサートしていた。しかし当然ながら、このような中間層は熱遮断機能を考慮したものではなく、これらの中間層をさらに含むことによって内装材の加熱が促進され、車室内側の温度が上昇する問題がある。
特開2001−158306号公報
従って本発明は上記問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、(1)太陽光線により加熱された車体外板からの熱伝達、輻射熱による熱線侵入を防いで車室内の温度上昇を防ぐことのできる内装材を提供することである。さらに、(2)吸遮音機能など他の機能を上記(1)の効果を妨げることなく付与された内装材を提供することである。
本発明者は、車両用内装材の例えば車体外板のような熱源に接するまたは近接する最外層以外に熱線反射機能を有する層を設けることによって上記(1)の目的を達成し、さらに、前記熱線反射機能を有する層として、吸遮音材などの本来断熱機能や熱線反射機能が意図されていない部材を用いることによって上記(2)の目的を達成した。
すなわち本発明は、緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層と、意匠層とを順に積層してなり、前記遮音層は熱線反射機能を有し、前記吸音断熱層の密度が、前記緩衝層の密度より大きく、前記吸音断熱層の厚さが、前記緩衝層の厚さより厚く、熱線反射機能を有する前記遮音層は、金属箔、金属蒸着フィルム、金属箔内包樹脂フィルムのいずれかと、不織布との積層構成を含むことを特徴とする、車両用内装材である。
緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層と、意匠層とを順に積層してなる車両用内装材であって、
前記遮音層は熱線反射機能を有し、
前記吸音断熱層の密度が、前記緩衝層の密度より大きく、
前記吸音断熱層の厚さが、前記緩衝層の厚さより厚く、
熱線反射機能を有する前記遮音層は、金属を不織布表面に蒸着させたものであることを特徴とする、車両用内装材である。
前記吸音断熱層の面密度が4kg/m 以下であることを特徴とする、前記車両用内装材である。
前記遮音層の通気量が10cc/cm ・s以下であることを特徴とする、前記車両用内装材である。
熱線反射機能を有する前記遮音層として、箔板をさらに含むことを特徴とする、前記車両用内装材である。
前記箔板は、金属箔または金属箔内包樹脂フィルムであることを特徴とする、前記車両用内装材である。
前記緩衝層と、前記遮音層と、前記吸音断熱層と、前記意匠層とからなり、前記緩衝層と、前記遮音層と、前記吸音断熱層と、前記意匠層とが順に積層してなる、前記車両用内装材である。
前記車両用内装材からなる車両用天井材である。
前記車両用内装材からなる車両用フロアカーペット材である。
以上のように構成された本発明によれば、次のような効果を奏する。
本発明にあっては、複数の層からなる車両用内装材であって、最外層を除く少なくとも一層が熱線反射機能を有することを特徴とする車両用内装材であり、このような構成にすることによって、車体外板、エンジン室などの熱源からの熱伝達と輻射熱とを効果的に防ぐことができる。詳述すれば、熱線反射機能を有する層が直接熱源となる部材に接しないで車体外板と所定の距離を保ちながら設置されるので、より効果的に赤外線などの熱線を反射することができるためである。さらに、本発明の内装材は、現在の内装材の基本構成や製造工程を大きく変えることなく製造できるという利点も有する。
本発明にあっては、緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層とを含み、前記遮音層は熱線反射機能を有することを特徴とする車両用内装材であって、このような構成によって、車体外板やエンジン室のような熱源から入射する輻射熱を遮断し、該熱源からの熱伝達を防ぎ、加えて、走行中またはアイドリング中の吸遮音効果を実現することができる。さらに、熱線反射膜は遮音機能にも貢献し得るため、より高い吸遮音効果を得ることができる。
本発明にあっては、前記吸音断熱層の密度が、前記緩衝層の密度より大きいことによって、車体外板からの熱伝達を低減しつつノイズを効果的に遮断することができる。
本発明にあっては、前記吸音断熱層の厚さが、前記緩衝層の厚さより厚いことによって、吸音断熱層と車体外板とが接触せず、適切な距離を保つことができる。
本発明にあっては、前記吸音断熱層の面密度を4kg/m2以下にすることによって、吸音断熱層の熱容量が小さくなるので、時間経過による温度上昇量を抑制し、車室内側への輻射量を低減する効果を有する。
本発明にあっては、前記遮音層の通気量を10cc/cm2・s以下にすることによって、遮音層で起こる空気流動を抑え、所望の吸遮音性能を獲得することができる。これに加えて、空気流動による対流熱伝達も抑制することができる。
本発明にあっては、熱線反射機能を有する前記遮音層を、金属箔、金属蒸着フィルム、金属箔内包樹脂フィルムのいずれかと、不織布との積層構成によって構成することにより、このような平滑で赤外線のような熱線反射効果の高い材料を用いることによって、高い熱線反射効果を実現することができる。
本発明にあっては、熱線反射機能を有する前記遮音層を金属を不織布表面に蒸着させたもので形成することによって、高い熱線反射効果を実現することができる。
本発明にあっては、熱線反射機能を有する前記遮音層を箔板で形成することによって、高い熱線反射効果を実現することができる。
本発明にあっては、熱線反射機能を有する前記遮音層を、金属箔、金属蒸着フィルムまたは金属箔内包樹脂フィルムで形成することによって、高い熱線反射効果を実現することができる。
本発明にあっては、上述の内装材にさらに意匠層を設けることによって、上述した熱線反射効果と通気防止効果とに加え、さらに外観も優れた車両用天井材を提供することができる。
本発明にあっては、上述の内装材にさらに意匠層を設けることによって、上述した熱線反射効果と通気防止効果とに加え、さらに外観も優れた車両用フロアカーペット材を提供することができる。
以下、本発明の車両用内装材について詳細に説明する。
本発明の車両用内装材(以下、単に内装材ともいう)は複数の層で構成されており、例えば車体外板側のような熱源と接するまたは近接する最外層を除く少なくとも一層に熱線反射機能を付与することによって、熱源からの熱伝達と輻射熱とを効果的に防ぐことを可能にしたものである。ここで熱源となる部材としては、例えばルーフパネル、ドアなど太陽光線が直射され高温になりやすい車体外板、エンジン室と乗務員室との隔壁などエンジン部分に隣接した部材、乗務員室やトランク室のフロアなど路面に近い部材などが挙げられる。本発明において「最外層」とは、内装材が熱源となる部材の室内側に密着して設置される場合は、該部材と接する層であり、介在物を用いて設置される場合は該部材側に設置される層を意味する。このような構成にしたことにより、熱線反射機能を有する層が直接熱源となる部材に接しないで車体外板と所定の距離を保ちながら設置されるので、より効果的に熱線反射することができる。このような効果によって、車体外板から内装材への熱線や輻射熱の侵入を抑制し、内装材自身の加熱を抑制し、室内への熱放射を低減することができる。
本発明の内装材を構成する上記複数の層は、基本的には車両用内装材を構成し得る一般的な層がほとんど使用可能である。例えば、これらに限定されないが、緩衝層、基材層、断熱層、吸遮音層、意匠層、絶縁層などが挙げられる。内装材を構成する層の少なくとも一層に熱線反射機能を付与する方法としては、例えば熱線反射機能を有する材料で製造した層を用いる、熱線反射機能を有する膜を層の表面に形成するかまたは層の中間にインサートする、熱線反射材等を含む樹脂で層を形成する、など様々な方法が挙げられるがこれに限定されない。
さらに本発明の内装材は、上述したような熱線反射機能を、吸遮音層や通気防止層など、断熱や熱線反射以外の機能を意図した層に付与してなるものであってもよい。このようにすることによって、熱線反射効果を妨げることなく、吸遮音機能や通気止め機能など他の機能を内装材に付与することができる。
本発明において、熱線反射機能を有する層は、上記最外層以外であって、かつ、基材層や、断熱層や、吸音層などの通常熱容量の大きい材料からなる層の、熱源となる部材側に形成されることが好ましい。このような構成にすることによって、(1)熱源からの距離を稼ぐとともに接触をさせず、熱線透過、反射した熱線が逃げることを可能にし、(2)熱容量の大きい材料からなる層の加熱を防ぐことができる。
このような内装材を、図2を参照しながら説明する。図2において、緩衝層4、熱線反射機能を有する層1、基材層2、および意匠層3で構成された内装材が示されている。ここで熱線反射機能を有する層とは、基材層の通気防止のための通気防止層、遮音のための遮音層、絶縁層等であり得る。これら熱線反射機能を有する層は、最外層として緩衝層が設置されているために熱源に接することなく、熱源に最も近い層に設けられていることが示されている。また車室内側に意匠層を設けることによって、優れた外観の内装材を得ることができる。
以下、上述した本発明の内装材の好ましい実施形態を詳細に説明する。
第一の実施形態として、緩衝層と、基材の通気を防止する通気防止層と、繊維集合体または発泡材からなる基材層とを含み、前記緩衝層は車体外板側の最外層であり、前記通気防止層は熱線反射機能を有することを特徴とする内装材が挙げられる。第一の実施形態の内装材を図3を参照しながら説明する。該内装材は、天井用内装材として構成したものであり、図3の5は車体外板、6は構造材、4は緩衝層、1は熱線反射機能を有する通気防止層、2は基材層、3は意匠層を示す。なお、車体外板側に構造材6を介して緩衝層4が設けられ、ついで通気防止層1を設けることで熱線反射機能を確保している。なお、通気防止層1は基材層2の上に設けられ、通気防止層1の他の面には意匠層3が設けられている。また本発明の内装材は、適用する部材に応じて他の構成要素をさらに含んでいても良い。
まず緩衝層について説明する。当該実施形態において緩衝層とは、熱線反射機能を有する層が車体外板から所定の距離を有するように最外層として設置されるものである。
該緩衝層の材料は、断熱材としても機能し得る繊維集合体または発泡材であることが好ましい。該繊維集合体としては、例えば編織物や不織布が挙げられ、なかでも合成高分子化合物より製造される不織布が耐熱性および耐久性に優れ、製造方法や原料を選択することにより空隙率などの特性を容易に所望の範囲にすることができるため好ましい。このような不織布としては、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルトなどが挙げられ、特に耐熱性、耐久性、入手容易性、加工性に優れるポリエステル繊維からなる不織布が好ましい。次に発泡材としては、緩衝材として適度な気孔を有しかつ耐熱性および耐久性に優れるものであれば特には限定されないが、例えばポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体などが挙げられ、好ましくは耐熱性、耐久性に優れるポリウレタン発泡体である。これら発泡材は、製造時に発泡倍率を調節することにより空隙率を容易に所望の範囲にすることができるため好ましい。当該緩衝層の厚さは、好ましくは0.1〜10cm、より好ましくは0.5〜2cmであるが、適用される車内部位によって適宜調節すべきであるためこれに限定されない。
次に基材層について説明する。当該実施形態において基材層とは、車体外板からの熱線および輻射熱の室内への侵入を防ぐために設置される層である。その材料は、遮熱効果を有するものであればいずれも使用可能であるが、好ましくは多様な種類があり空隙率の調節が容易な繊維集合体または発泡材であり、上記緩衝層の説明において列挙されたものが同様に好ましく用いることができる。なかでも好ましくは、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルト、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、またはポリプロピレン発泡体であり、特にポリエステル繊維不織布、ポリウレタン発泡体が耐熱性、耐久性に優れ、かつ高い遮熱効果を有するため好ましい。当該基材層の厚さは、好ましくは0.1〜5cm、より好ましくは0.2〜3cmであるが、適用される車内部位によって適宜調節すべきであるためこれに限定されない。
第一の実施形態において上記基材層は、空気を保持するための孔を多数有する構造、すなわちフィルター状の構造であるため、車室内の空気が流通することにより埃、塵などが吸着し汚れやすい。そこで、このような現象を防ぐために通気防止層が設けられる。該通気防止層の材料は、これらに限定されないが、各種樹脂フィルム、パルプ、各種高分子ポリマーを含浸させてなる樹脂含浸紙等が挙げられる。当該通気防止層の厚さは、好ましくは5〜1500μm、より好ましくは10〜250μmであるが、適用される車内部位によって適宜調節すべきであるためこれに限定されない。
なお第一の実施形態において、通気防止層は熱線反射機能を有することを特徴とする。このようにすることによって、基材層の通気による汚れを防止することに加え、比較的熱容量の大きい材料で製造されることの多い通気防止層の加熱を抑制することができる。以下、このような熱線反射機能を有する通気防止層について詳述する。該通気防止層の一例として、熱線反射膜を通気防止層に形成したものが好ましく、具体的には(A)熱線反射膜を通気防止層の表面に形成したもの、または(B)熱線反射膜を通気防止層中に内包したものが挙げられる。まず上記(A)の「表面に形成」とは、例えば酸化アルミニウムなどの金属をスパッタリングにより通気防止層上に蒸着して金属膜を形成したり、例えば金属箔など熱線反射機能を有する材料を通気防止層上に接着剤などによって接着したり、通気防止層として熱可塑性樹脂フィルムを用いて金属箔など熱線反射機能を有する材料を熱接着したりすることを指す。次に上記(B)の「通気防止層に内包」とは、例えばフィルム−反射膜−フィルムのようなサンドイッチ構造を形成する事を指す。また、熱線反射材等を樹脂フィルムに添加して通気防止層を形成したり、熱線反射機能を有する材料で通気防止層を形成したりしてもよい。ここで用いられる熱線反射機能を有する材料としては、好ましくは赤外線反射率60%以上のものである。
このようにして形成される熱線反射機能を有する通気防止層として具体的には、金属箔、金属蒸着フィルム、金属箔内包樹脂フィルム、熱線反射フィルムが挙げられる。
まず(1)金属箔としては、アルミニウム箔、銅箔、スズ箔などが挙げられ、なかでも入手容易で廉価で加工性に優れたアルミニウム箔、銅箔が好ましい。なお、その厚さは、熱線を効果的に遮蔽するためには、1〜1000μmが好ましく、特に5〜50μmが好ましい。
続いて(2)金属蒸着フィルムとは、金属または金属化合物を樹脂フィルム表面にスパッタリングすることによって金属膜を形成することによって得られるフィルムである。該金属または金属化合物としては、スパッタリングにより蒸着膜を形成し得るものであればいずれも使用可能であるが、例えばアルミニウム酸化物、銅酸化物などが挙げられ、蒸着により良好な光沢を有する金属膜を形成できるので好ましく使用できる。該樹脂フィルムとしては、これらに限定されないが、例えばアクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、アミノ樹脂、イソシアネートなど、フィルムを形成し得るほとんどの樹脂が使用できる。なかでも、耐熱性および柔軟性に優れるポリエステル樹脂またはポリエチレン樹脂が好適である。また当該金属蒸着樹脂フィルムにおいて、蒸着される金属膜の厚さは、例えばアルミニウム酸化物を蒸着する場合、5〜100μmであることが好ましい。ここで厚さが5μm未満の場合、熱線が透過する恐れがあり、一方で100μmを超過すると厚さに見合った熱線遮蔽効果が得られない恐れがある。
続いて(3)金属箔内包樹脂フィルムとは、例えばアルミニウム箔など平滑で光沢のある金属箔を、樹脂フィルムでコーティングしたり、樹脂フィルムと接着剤などにより貼り合わせたりすることによって形成されるフィルムである。該金属箔としては上記(1)で列挙したものと同様のものが用いられる。また該樹脂フィルムとしては上記(2)で列挙したものと同様のものが用いられる。このようなフィルムとして具体的には、アクリル樹脂のような透明な樹脂をコーティングしたアルミニウム箔または銅箔からなるフィルム、樹脂フィルムとアルミニウム箔とを接着させたフィルムなどが挙げられる。なお、その厚さは、熱線を効果的に遮蔽するためには、1〜1000μm、特に5〜50μmが好適である。
続いて(4)熱線反射フィルムとは、上記以外の方法で熱線反射機能をフィルムに付与してなるものや、熱線反射機能を有する材料で形成されたフィルムや、熱線反射材等を樹脂フィルムに添加して形成されたフィルムなどのことであり、好ましくは、熱線反射塗料を塗布した樹脂フィルム、熱線反射材が添加された樹脂フィルムである。
まず、熱線反射塗料を塗布した樹脂フィルムについて説明する。ここで用いられる熱線反射塗料とは、塗料用樹脂に白色系顔料、光輝性顔料、セラミックビーズなどの熱線反射材を混合してなるものである。塗料用樹脂としては、塗料のベースになり得るものであれば特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリケート樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。熱線反射材としては、アルミニウム箔、銅箔、スズ箔、金箔、銀箔、チタン箔、ステンレススチール箔、ニッケル箔などを細かく裁断した鱗片;アルミナ、チタニアなど金属酸化物の微粒子;マイカ粉末、前述の金属酸化物の微粒子などを表面に付着させたマイカ粉末、などが挙げられ、好ましくはアルミニウム鱗片である。もちろん、当該熱線反射塗料は、これ以外にも有機顔料、染料、充填剤、添加剤など塗料に添加される一般的な成分を適宜含んでも良い。また市販の熱線反射塗料も使用可能であり、例えばユニフロン遮熱(日本ペイント社製)などである。熱線反射塗料の塗布方法は、特には限定されないが、例えば浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーター等の塗布方法を使用することができる。該熱線反射塗料の塗布厚さは、10〜100μmとするのが好適である。
次に熱線反射材を混ぜ込んだ樹脂フィルムについて説明する。ここで熱線反射材および樹脂フィルムは、上記熱線反射塗料の説明において列挙したものと同様のものが使用できる。該熱線反射材の樹脂フィルムにおける含有量は、樹脂フィルムの材料となる高分子化合物総質量の0.001〜0.2質量%であることが好ましい。ここで0.001質量%未満では透過率が高くなりすぎる恐れがあり、0.2質量%を超過すると添加量に見合った反射効果が得られない恐れがある。
上述した(1)〜(4)のなかでも、(2)金属蒸着フィルムまたは(3)金属箔内包樹脂フィルムが、良好な熱線反射特性を示し、入手容易であり、取り扱いが容易であるため好ましい。
また上述したなかでも、(2)金属蒸着フィルムまたは(4)熱線反射フィルムのように、片面のみに熱線反射機能が付与された通気防止層を用いる場合は、熱線反射機能の無い面から侵入した熱線が樹脂フィルムに吸収されにくいように、樹脂フィルムの可視から赤外領域における平均透過率は70%以上であることが好ましい。なお本発明における平均透過率は、JISR3106(1999年度)に定義された板ガラス類の透過率に基づいて計測された値を用いることとする。
また反射膜として金属箔や蒸着された金属膜を用いる場合、金属面は良好な熱線反射特性を示す一方で、高温高湿度環境下では表面が酸化されやすく、それによる反射性能低下が起きる場合がある。そこで金属が露出する恐れのある通気防止層は、その金属表面を保護する膜を存在させてもよい。このような保護膜としてはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂など、柔軟で追従性がよい一般的な樹脂で形成される膜が使用されるが、これらに限定されない。該保護膜の厚さは、金属の劣化を防ぎつつ属面の熱線反射性能を妨げない事が重要であり、その観点から1μm以下が好ましく、500μm以下が特に好ましい。
このような熱線反射機能を有する反射膜は、通気防止層中に少なくとも一層含まれていれば良いが、複数層形成されていることも好ましい。反射層を複数設けることによって、熱進入の減衰を等比級数的に高め、より高い熱線反射効果を実現することができる。また、最外層を除く他の層にも同様の手法および材料を用いてさらに熱線反射機能を付与してもよい。例えば、基材層の中間層としてにも熱線反射機能を有する材料をインサートすることも可能であり、この実施形態はより高い熱線反射効果を持ち、成型のサイクルタイムの向上が図れるため有用である。
本発明の内装材において、車室内側の最外層に意匠層を形成してもよい。意匠層を設けることによって、内装材としてより優れた外観を実現することができる。上記意匠層として一般的には、合成繊維または天然繊維から製造される編織物または不織布が用いられ得る。編織物として具体的には、トリコット布、ラッセル布などの編物、平織布、パイル織布、モケット布、タフテッドカーペット、パイルカーペットなどの織物が挙げられ、いずれも好ましく用いられる。天然繊維としては、車両用内装材に要求される耐熱性、耐候性、耐久性などを満たすものであればいずれも使用可能であるが、例えばコットン、羊毛などが挙げられる。合成繊維としては、車両用内装材に要求される耐熱性、耐候性、耐久性などを満たすものであればいずれも使用可能であるが、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体からなる繊維が挙げられる。これら繊維は、単一で用いてもよいし、複数種の混紡繊維または混合繊維で用いてもよい。
次に本発明の第二の実施形態について説明する。
第二の実施形態として、緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層とを含み、前記遮音層は熱線反射機能を有することを特徴とする車両用内装材が挙げられる。第二の実施形態の内装材を図4を参照しながら説明する。該内装材は、意匠層3、緩衝層4、熱線反射機能を有する遮音層7、および吸音断熱層8で構成されるフロアカーペット用内装材を示す。ここで熱線反射機能を有する層は、遮音層7で構成されることが好ましい。当該実施形態の内装材は、少なくとも緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層とで構成されることによって、車体外板やエンジンのような熱源から入射する熱線や輻射熱を遮断し、該熱源からの熱伝達を防止ぎ、加えて、走行中またはアイドリング中の吸遮音効果を実現することを特徴とする。このような構成により、本発明の内装材は、断熱効果を高め車室内の加熱を防ぐとともに、車から発生する様々なノイズを低減しより静かな車室内環境を実現し得るものである。以下、各層について詳述する。
緩衝層は上記第一の実施形態とほぼ同様の目的で設置されるものであって、車体外板との距離を設けるために遮音層の車体外板側に設置される。しかしながら第二の実施形態において緩衝層は、第一の実施形態で説明したように熱線反射機能を有する層が車体外板から所定の距離を有するように設置される目的に限られず、熱線反射機能を有する層(すなわち遮音層)の熱源の反対側に設置されてもよい。なお用いられる好ましい材料や厚さなども上記第一の実施形態と同様である。
次に遮音層について説明する。当該実施形態において遮音層は、走行中やアイドリング中のノイズを吸収し車室内へ伝播を防ぐために設置されるものである。該遮音層の材料として一般的には、編織物や不織布のような繊維体、フェルト、ガラス繊維、発泡プラスチックなどの多孔性物質や、これらの組合せが用いられる。なかでも好ましくは、多様な種類があり、製造方法や原料を選択することによって空隙率などが調節しやすい繊維体または発泡プラスチックである。詳述すると、繊維体としてはポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルトが挙げられ、なかでも好ましくは柔軟性、耐熱性、入手容易性に優れるポリエステル不織布である。また発泡プラスチックとしては、ポリウレタン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体などが挙げられ、好ましくは耐熱性、耐久性に優れるポリウレタン発泡体である。当該遮音層の厚さは、好ましくは0.5〜10cm、より好ましくは0.5〜3cmであるが、適用される車内部位によって適宜調節すべきであるためこれに限定されない。
当該遮音層は、吸遮音性能を維持するために、通気量が10cc/cm・s以下であることが好ましい。本発明において通気量とは、1秒間に単位圧力下、単位面積を通過する空気の体積を表すものであって、JISL1004(1998年度)に示されるように、単位は(cc/cm・s)である。ここで通気量が10cc/cm・sを超過する場合、空気流動が遮音層で起こるため所望の吸遮音性能を得られないとともに、空気流動によって、緩衝層に貯蔵された熱エネルギーが、対流熱伝達によって断熱遮音層へ移動してしまう恐れがある。
次に吸音断熱層について説明する。当該実施形態において吸音断熱層とは、走行中やアイドリング中のノイズを吸収し、かつ熱源からの熱伝達を遮断するために設けられるものである。
当該吸音断熱層は、面密度が4kg/m以下であることが好ましい。面密度が4Kg/mを超過する場合は、吸音断熱層の熱容量が大きくなり、時間経過による温度上昇量が大きいため、車室内側への輻射量が多大となる恐れがある。
なお該吸音断熱層の材料は、吸音性能および断熱性能療法を兼ね備える材料であり、かつ上記面密度の条件を満たすものであればいずれも使用可能である。具体的には、繊維集合体または発泡材であり、これらはいずれも上記遮音層の説明にて列挙されたものと同様のものが用いられる。当該吸音断熱層の厚さは、好ましくは0.1〜10cm、より好ましくは0.5〜2cmであるが、適用される車内部位によって適宜調節すべきであるためこれに限定されない。
なお第二の実施形態において、吸音断熱層の密度が、緩衝層の密度より大きいことが好ましく、この条件を満たす範囲で具体的には、吸音断熱層の密度は0.02〜0.15g/cmであり、緩衝層の密度は0.005〜0.018g/cmであることがより好ましい。一般的に、材料の密度を高くすると、遮音機能は高くなるが、熱容量も高くなる傾向がある。そこで車体外板に近い緩衝層には低密度の材料を用い、かつ、遮音層には高密度の材料を用いることによって、車体外板からの熱伝達を低減しつつノイズを効果的に遮断することが可能になる。加えて、密度を指標にすることによって、前記層の材質がそれぞれ異なる場合でも比較することができる、という利点も有する。
なお第二の実施形態において、吸音断熱層の厚さが、緩衝層の厚さより厚いことが好ましく、この条件を満たす範囲で具体的には、吸音断熱層の厚さは3〜20mmであり、緩衝層の厚さは10〜100mmであることがより好ましい。吸音断熱層と緩衝層との厚さをそれぞれ上述のようにすることによって、吸音断熱層と車体外板とが接触せず、適切な距離を保つことができる。
より好ましくは、上記密度の条件と厚さの条件とを同時に満たした内装材である。このようにすることによって、緩衝層において効果的に熱線透過し、かつ熱線反射機能を有する遮音層において反射した熱線を吸収しにくいため好ましい。ここで上記密度または厚さの条件が満たされなかった場合、熱線反射を阻害するとともに反射した熱線が緩衝層で吸収されることとなり、熱伝達によって車室内側に熱侵入してしまう恐れがある。
第二の実施形態に係る内装材において、前記遮音層は熱線反射機能を有するものである。このような熱線反射機能を有する遮音層としては、(1)金属箔、金属蒸着フィルムまたは金属箔内包樹脂フィルムのいずれかと、不織布との積層構成を含むもの、(2)金属を不織布表面に蒸着させたもの、または、(3)箔板からなるものが好ましい。以下、上記(1)〜(3)について説明する。
上記(1)金属箔、金属蒸着フィルムまたは金属箔内包樹脂フィルムのいずれかと、不織布との積層構成を含むものとは、熱線反射機能を有する膜を不織布に積層したものである。熱線反射機能を有する膜としては、金属箔、金属蒸着フィルムまたは金属箔内包樹脂フィルムが挙げられ、具体的例は上記第一の実施形態において述べられたものと同様である。
上記(2)の金属を不織布表面に蒸着させたものとは、金属または金属化合物を不織布表面にスパッタリングすることによって金属膜を形成することによって得られるものである。該金属または金属化合物としては、スパッタリングにより蒸着膜を形成し得るものであればいずれも使用可能であるが、例えばアルミニウム酸化物、銅酸化物などが挙げられ、蒸着により良好な光沢を有する金属膜を形成できるので好ましく使用できる。また該不織布とは、これらに限定されないが、ポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、フェノールレジン含有フェルトが耐熱性、耐久性に優れるため好ましい。
上記(3)箔板とは、本発明において、第一の実施形態の説明において列挙したような金属箔そのもの、または、該金属箔に透明な樹脂フィルムで内包したものを意味する。該箔板として例えば、アルミニウム箔、銅箔、スズ箔のような金属箔や、該金属箔に透明な樹脂層を付着させたものを用いることが挙げられ、例えば、アルミニウム箔の両面をポリエステル樹脂フィルムで内包したものが好ましく用いられる。その厚さは1μmから1000μm、特に5μmから50μmが好適であるがここでは特に限定しない。
このような構成の本発明の内装材において、車室内側の最外層に意匠層を形成してもよい。当該意匠層に関しては、上記第一の実施形態の説明で述べられたものと同様である。なお第一の実施形態で説明したように、最外層を除く他の層にも同様の手法および材料を用いてさらに熱線反射機能を付与してもよい。
以上説明した第一および第二の実施形態に代表される本発明の内装材は、車体外板に近接する車内のあらゆる部位に適用することができる。適用部位として例えば、天井、ドアトリム、トランクトリム、パーセルボード等が挙げられ、なかでも、太陽光線が直射する天井に適用することによって高い遮熱効果を得ることができ、この用途には上記第一の実施形態に係る内装材が適している。さらに本発明の内装材は、各種内装材の裏面に設置されたインシュレータ材、例えばダッシュインシュレータ、シートバックインシュレータ等の車体隔壁に隣接して設置される内装材、また、車両用フロアカーペット材としても好ましく使用でき、この用途には上記第二の実施形態に係る内装材が適している。
以下、本発明を、実施例及び比較例を図面により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1〜3として本発明の内装材を、参考例4〜7としてそれぞれ最外層に緩衝層を持たない内装材、ポリエステル不織布を用いた内装材、ウレタンを用いた内装材、フェノールレジンを用いた内装材を天井用内装材の構成で用いて比較実験を行った。比較実験は、各内装材を□300mmの大きさのテストピースに成形し、該テストピース上に車体外板に相当する鋼板を覆いかぶせ、恒温恒湿槽で空気温度を35℃に調節した環境中で、車体パネル表面温度が70℃になるように人口太陽灯(セリック社製SOLAXXC−500B)をテストピースから500mmの位置に設置した環境条件の下、3時間放置し、意匠層側の温度を測定することによってなされた。実施例および比較例いずれにおいても、上記車体外板に相当する鋼板は厚さ1.4mmの鋼板に自動車両用として用いられている白色塗料を塗布したものを用い、意匠層は面密度150g/m、厚さ1.2mmのアクリル樹脂30g/mをバインダーとして含むポリエステル不織布を用いた。
(参考例1)
テストピースとして、さらに鋼板側の最外層に厚さ3mm、平均面密度30g/mのポリエステル不織布からなる緩衝層と、該基材層の鋼板側に形成された厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルムからなる熱線反射機能を有する通気防止層と、平均面密度700g/m、厚さ8mmのポリエステル製繊維不織布からなる基材層と、をこの順番で積層した内装材を用いた。結果を表1に示す。
(参考例2)
テストピースとして、最外層に参考例1と同様の緩衝層と、厚さ30μmのアルミニウム箔からなる熱線反射機能を鋼板側に有する通気防止層と、平均面密度800g/m、厚さ10mmのポリエステル製繊維不織布からなる基材層と、平均面密度25g/m、厚さ2mmのポリウレタン発泡材からなる意匠層と、をこの順番で積層した内装材を用いた。結果を表1に示す。
(参考例3)
テストピースとして、最外層に参考例1と同様の緩衝層と、平均面密度600g/m、鋼板側に厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルムからなる熱線反射機能を有する通気防止層と、厚さ5mmのポリウレタン発泡材からなる基材層と、をこの順番で積層した内装材を用いた。結果を表1に示す。
(参考例4)
テストピースとして、平均面密度800g/m、厚さ10mmのポリエステル製繊維不織布からなる基材層と、厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルムからなる熱線反射機能を鋼板側に有する通気防止層と、で構成された内装材を用いた。結果を表1に示す。
(参考例5)
テストピースとして、平均面密度800g/m、厚さ10mmのポリエステル製繊維不織布のみからなる内装材を用いた。結果を表1に示す。
(参考例6)
テストピースとして、平均面密度600g/m、厚さ5mmのポリウレタン発泡材のみからなる内装材を用いた。結果を表1に示す。
(参考例7)
テストピースとして、平均面密度1200g/m、厚さ5mmのフェノールレジン含有フェルトのみからなる内装材を用いた。結果を表1に示す。
以上より、参考例1〜3の内装材は、いずれも参考例4〜7の内装材よりも表面温度が低く、熱源からの熱線侵入や熱伝達を効果的に抑制していることがわかる。
続いて、実施例1〜6として本発明の内装材を、比較例1および2としてそれぞれ吸音断熱層のみからなる内装材、緩衝層を有さない構成の内装材を用いた内装剤を吸遮音機能を有する内装材の構成で用いて比較実験を行った。いずれの内装材も、意匠層として面密度1.3Kg/m、厚さ3mmのフェノールレジン含有フェルト材を室内側に設けた。断熱性能に関する比較実験は、各内装材を□300mmの大きさのテストピースに成形し、恒温恒湿槽で空気温度を25℃、湿度を50%RHに調節した環境中で、温度調節可能なホットプレートを準備し、ホットプレート上の温度を70℃に設定し、テストピースの緩衝材側をホットプレートに接するように設置し、1時間放置し、意匠層表面の表面温度を測定することによってなされた。
(実施例1)
面密度50g/m、厚さ5mmのポリエステル製繊維不織布からなる緩衝層と、厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルム(通気量0cc/cm・s)からなる熱線反射機能を有する遮音層と、面密度500g/m、厚さ10mm、のポリエステル製繊維不織布からなる吸音断熱層とをこの順番で積層し、150℃に加熱後プレス成型し、内装材を得、テストピースとした。結果を表2に示す。
(実施例2)
面密度50g/m、厚さ5mm(密度:10000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる緩衝層と、面密度150g/mのポリエステル長繊維を用いたスパンボンド(東洋紡績製)にアルミニウム酸化物をスパッタリングにて、厚さ20μm蒸着させてなる熱線反射機能を有する遮音層(通気量3cc/cm・s)と、面密度500g/m、厚さ10mm(密度:50000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる吸音断熱層とをこの順番で積層し、150℃に加熱後プレス成型し断熱遮音材を得、テストピースとした。結果を表2に示す。
(実施例3)
面密度100g/m、厚さ10mm(密度:10000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる緩衝層と、厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルム(通気量0cc/cm・s)からなる熱線反射機能を有する遮音層と、面密度3500g/m、厚さ100mm(密度:35000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる吸音断熱層とをこの順番で積層し、150℃に加熱後プレス成型し断熱遮音材を得、テストピースとした。結果を表2に示す。
参考例8
テストピースとして、面密度350g/m、厚さ10mm(密度:35000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる緩衝層と、厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルム(通気量0cc/cm・s)からなる熱線反射機能を有する遮音層と、面密度50g/m、厚さ5mm(密度:10000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる吸音断熱層とをこの順番で積層し、150℃に加熱後プレス成型し断熱遮音材を得、テストピースとした。結果を表2に示す。
(実施例5)
テストピースとして、面密度50g/m、厚さ5mm(密度:10000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる緩衝層と、面密度25g/mのポリエステル長繊維を用いたスパンボンド(東洋紡績製)にアルミニウム酸化物をスパッタリングにより厚さ5μm蒸着させてなる熱線反射機能を有する遮音層(通気量50cc/cm・s)と、面密度500g/m、厚さ10mm(密度:50000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる吸音断熱層とをこの順番で積層し、150℃に加熱後プレス成型し断熱遮音材を得、テストピースとした。結果を表2に示す。
(実施例6)
面密度100g/m、厚さ10mm(密度:10000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる緩衝層と、厚さ30μmのアルミニウム箔の両面を20μmのポリエステル樹脂フィルムで内包したフィルムからなる熱線反射機能を有する遮音層(通気量0cc/cm・s)と、面密度5000g/m、厚さ150mm(密度:33000g/m)のポリエステル製繊維不織布からなる吸音断熱層とをこの順番で積層し、150℃に加熱後プレス成型し、内装材を得、テストピースとした。結果を表2に示す。
(比較例1)
テストピースとして、実施例1で用いた吸音断熱層のみからなる内装材を用いた。結果を表2に示す。
(比較例2)
テストピースとして、実施例2で用いた反射遮音材および吸音断熱層のみからなり、緩衝材を含まない内装材を用いた。結果を表2に示す。
以上より、実施例1〜6および参考例8の内装材は、いずれも比較例の内装材よりも表面温度が低く、熱源からの熱線侵入や熱伝達を効果的に抑制していることがわかる。なお、実施例1〜3、5、6の内装材のように、吸音断熱層の密度および厚さがいずれも緩衝層より大きいという条件を満たす内装材は、特に熱線侵入や熱伝達の抑制効果が高いことがわかる。これに加えて、実施例1〜6および参考例8の内装材は、いずれも優れた吸遮音性能を示した。
一般的な車両用内装材の断面図である。 本発明に係る代表的な内装材の断熱図である。 本発明の第一の実施形態に係る内装材の断面図であって、特に天井に適用した場合を示す。 本発明の第二の実施形態に係る内装材の断面図である。
符号の説明
1 熱線反射機能を有する層、
2 基材層、
3 意匠層、
4 緩衝層、
5 車体外板、
6 構造材、
7 遮音層、
8 吸音断熱層、
9 反射層、
10 内装基材、
11 表皮。

Claims (9)

  1. 緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層と、意匠層とを順に積層してなる車両用内装材であって、
    前記遮音層は熱線反射機能を有し、
    前記吸音断熱層の密度が、前記緩衝層の密度より大きく、
    前記吸音断熱層の厚さが、前記緩衝層の厚さより厚く、
    熱線反射機能を有する前記遮音層は、金属箔、金属蒸着フィルム、金属箔内包樹脂フィルムのいずれかと、不織布との積層構成を含むことを特徴とする、車両用内装材。
  2. 緩衝層と、遮音層と、吸音断熱層と、意匠層とを順に積層してなる車両用内装材であって、
    前記遮音層は熱線反射機能を有し、
    前記吸音断熱層の密度が、前記緩衝層の密度より大きく、
    前記吸音断熱層の厚さが、前記緩衝層の厚さより厚く、
    熱線反射機能を有する前記遮音層は、金属を不織布表面に蒸着させたものであることを特徴とする、車両用内装材。
  3. 前記吸音断熱層の面密度が4kg/m以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用内装材。
  4. 前記遮音層の通気量が10cc/cm・s以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用内装材。
  5. 熱線反射機能を有する前記遮音層として、箔板をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用内装材。
  6. 前記箔板は、金属箔または金属箔内包樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項に記載の車両用内装材。
  7. 前記緩衝層と、前記遮音層と、前記吸音断熱層と、前記意匠層とからなり、前記緩衝層と、前記遮音層と、前記吸音断熱層と、前記意匠層とが順に積層してなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両用内装材。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用内装材からなる車両用天井材。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の車両用内装材からなる車両用フロアカーペット材。
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