JP4571788B2 - 防犯引違戸及びその取付構造 - Google Patents
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空き巣の家屋侵入の手口には、ピッキング等で玄関から侵入する場合の他、窓ガラスを割って、クレセント等を開錠して侵入する場合も多い。段上への足場があれば、2階等のベランダからも室内に侵入してくるケースもある。
このような社会情勢に対応するため、サッシメーカーとしての出願人は、防風、防雨、防犯、プライバシーの保護の機能を保持させつつ、通風性、採光性を発揮できる構造の開口部外装装置を社会に提供している(例えば、特許文献1参照)
ここで、開閉装置とは典型的にはガラス障子であるが、これに限定されるものではない。
また、1組の複数枚のスラットとは、後述の揺動機構により同時にスラットの開閉動作が可能な単位を意味するが、内戸又は外戸に対して、上下框間の中框の上下にそれぞれ1組等、2組以上でもよい。
また、施錠した状態で、スラットを開閉できるので、採光性、通風性、日照調整、外部からの視線の遮断などのプライバシー保護を確保することができる。
また、スラットの開放状態のまま、内外戸が引違い可能に前記開口部に取付けられるので、内外戸を重ねても高い採光性を維持でき、非常時の脱出も容易である。
また、ガラス障子の室内側に配置されるので、窓からの防犯対策が不充分なマンション等に取付けることで、防犯機能を高めることができる。
この発明は、上記防犯引違戸と同様な作用効果を奏する他、前記スラットをその閉状態から略90度に開いた状態で、上下方向に隣接するスラットの上下の羽根が重なり可能であることから、開口部に対する納め幅をより縮めることができる。
新設又は既設の建物を問わず、開口部の額縁のスペースを有効に活用することができる。
また、施錠した状態で、スラットを開閉できるので、採光性、通風性、日照調整、外部からの視線の遮断などのプライバシー保護を確保することができる。
また、スラットの開放状態のまま、内外戸が引違い可能に前記開口部に取付けられるので、内外戸を重ねても高い採光性を維持でき、非常時の脱出も容易である。
また、ガラス障子の室内側に配置されるので、窓からの防犯対策が不充分なマンション等に取付けることで、防犯機能を高めることができる。
上記各図及び後述の各図において、略同一の構成は同一の符号を用いて詳細な説明を省略する。
各戸1、8は、建物開口部Bに配置され、かつ、それぞれスラット2を開いた状態であっても引違い可能に構成され、建物開口部Bに取付けられたガラス障子Gの室内側に配置されている(図10参照)。なお、ガラス障子Gの室外側に配置してもよい。
内戸1は、上下框10,11と、左右竪框12,13と、前記框10〜13により形成された枠体内に、それぞれ水平方向に配列された複数のスラット2と、これらのスラット2を揺動させる揺動機構Cを備え、その揺動機構Cを操作するための操作スライダー15が、前記下框11の上方に配置した桟状部14に臨んでいる。
この調整体102は、前記内戸1を建物開口部Bに配置する場合に、高さ方向の取付寸法を調整するもので、建物開口部Bの額縁等B1に固着された上レールB2の足B20、B20を収納する収納溝102aを備えている。
よって、前記上レールB2の足B20、B20の高巾の幅内で、高さ方向の取付寸法を調整できるようになっている。
このような調整体102は、前記框本体100に沿って、長尺状に形成してもよいし、前記框本体100に所定間隔毎に配置できる短尺状(ピース)のものでもよい。
この戸車112は、建物開口部Bの額縁等B1に固着された下レールB3を走行するものである。
前記内框121の、前記右竪框13に対向する側面121bには、内框121の上下方向に沿って、遮光片121cが突設されている。
この遮光片121cは、前記スラット2を閉じたときに、室内側の光が室外に、室外側の光が室内に通過することを防ぐもので、その詳細を図6(b)に示す。
即ち、同図に示したように、前記遮光片121cは、前記スラット2の回転軸を前記内框121の中空部121aに臨ませるための孔121dの部分を切欠いて、内框121の上下方向に沿って形成されている。
上下に隣接する前記スラット2を閉じた場合には、各スラット2の回転軸の上方のスラット端部が前記孔121dの上方の遮光片121cに当接し、前記回転軸の下方のスラット端部が前記孔121dの下方の遮光片121cに当接し、遮光できるようになっている。
この調整体132は、横開きコ字状のスペース部130aと、このスペース部130aに出没可能な、逆横開きコ字状の調整片130bから構成されている。
前記調整片130bは、前記スペース部130aに沿って、上下方向に長尺状に形成されており、固着部分130cを除いた調整片130bの幅Wの範囲内で、横巾方向の幅を調整できるようになっている。
その他の構成及び効果は、前記左竪框12と略同様であるので、詳細な説明は省略する。
即ち、前記左右竪框82、83には前記遮光片121cと同様な遮光片821c、831cが突設され、前記左竪框83には前記調整体132と同様な調整体832が設けられている。
前記中央中空部20は、縦長の略ロ字状に形成されており、中央中空部20の両端が塞がれて前記回転軸21が形成されている。この回転軸21は前記スラット2の重心位置に略一致しているので、前記操作スライダー15の左右のスライドにより、スラット2が軽快に回転するようになっている。
前記羽根22、23は、前記回転軸21について点対称的に形成されている。前記羽根22の先端は、室外側に略90度に折れ曲がって形成され、また、前記羽根23の先端は室内側に略90度で折れ曲がって形成され、上下方向に隣接する上下羽根の先端を係合させる係合片24が設けられている。
なお、前記羽根22の両端部には、前記遮光片121c、131cに当接する後当羽根部220が形成され、前記羽根23の両端部には、前記遮光片121c、131cに当接する前当羽根部230が形成されている(図7参照)。
前記揺動機構は、前記操作スライダー15のスライド力を回転力に変換させるねじりバー3と、その回転力をバー部材4に伝達する第1の伝達部材5と、そのバー部材4の回転力を各スラット2に伝達する第2の伝達部材6からなっている。
図7に示したように、スライダー本体152は、断面が横置き帽子状の前記スライド枠142に対応した形状であって、両側面に前記ねじりバー3を貫通させる孔153と、背面に前記取付片151が当たる凹部154と、前記取付片151をかしめて取付けるための孔155が設けられている。
前記孔153の内部には、図7のA−A断面〜C−C断面を図示した図8(a)〜(c)のように、その略中央に前記孔153の開口を狭める壁156、156と、これらの壁156、156の先端間に形成されるスリット状の口157を備えている。
このスリット状の口157の幅は、前記ねじりバー3の厚さと略同一である。
一方、前記バー部材4の孔41に対応するように、前記第1の伝達部材5と略同一の形状に成形された第2の伝達部材6の一端60が、後述のスラットホルダ7を介して前記内框121内に回転可能に配置されている(図5等参照)。この第2の伝達部材6の他端61は、前記バー部材4の前記各孔41に空転可能に配置されており、第2の伝達部材6は、その一端60を中心にして前記第1の伝達部材5と同調して回転する。
なお、前記スラット2の他端を回転可能に保持するスラットホルダ7A(図6(a)参照)は、前記竪框13に取付けられており、前記スラットホルダ7と同様に構成され、その楔部72が前記スラット2の側面に埋込まれている。
上述のように、前記操作スライダー15、ねじりバー3、バー部材4、第1の伝達部材5及び第2の伝達部材6は、前記竪框12側に取付けられているが、竪框13側に取付けても良い。
施錠装置としては、どのような構造のクレセントでもよく、またクレセントに限定されるものでもない。
また、上記のように構成された防犯引違戸は、アイボリーホワイト、その他のカラーに着色されており、意匠的に室内と調和できるようにしている。
図10に示したように、開口部Bの額縁B1に上下レールB2、B3を固定する。
前記開口部Bの寸法に合わせて、内外戸1、8の調整体102、132等により、納めの調整を行い、ケンドンで内外戸1、8を上下レールB2、B3に取付ける。
前記額縁B1にはカーテンレールも取付けることができ、カーテンをセットすることができる。
前記スラット2が閉鎖状態にある場合は、前記操作スライダー15は図2に示したように右端の位置(外戸8の場合は、左端)にある。
よって、前記スライダー本体152の壁156、156は、前記ねじりバー3に対して線状に接触することで、前記スライダー本体151に「ガタツキ」が生じることなく、スムーズにスライドさせることができる。
また、前記ねじり状の孔152をねじりバー3の「ねじれ」にそって忠実に形成すると、操作スライダー15を操作する際に、「ガタ」が生じ、一方、全てのねじりバー3に全く同一の「ねじれ」を形成させることの困難性が解消する。
この時、内外戸1、8を重ねて配置した場合の採光量は、該ブラインド格子がない場合の約70〜80%を確保できるようになっており、また、内戸1、8を重ねて配置可能になっているので、開口部Bの半分が開放されて、採光性は十分である。
なお、各スラット2を閉じるときには、前記操作スライダー15を右側にスライドさせればよい
即ち、ガラス障子Gのガラスが割られても防犯でき、また、スラット2,2の間から手を入れて、クレセント9を開けようとしても、クレセントキーは、框12の最下端に落ちているので、防犯引違戸Aを開けることはできない。
第2に、マンションのような集合住宅のように建物の外観に影響を与える製品の設置に制約がある場合でも、防犯引違戸Aは設置の制約に抵触することなく、窓からの防犯対策が不充分なマンション等のテラスサッシ窓部の防犯機能を高めることができる。
第3に室内への、通気性、採光量が確保される。特に、夏季等、ガラス障子Gを開放しても、防犯引違戸Aの施錠をしておけば、外部からの侵入を心配することなく、通気を確保でき、外部からの視線も遮断できる。
第4に、内戸1のスラット2が全開状態でも、内外戸子1、8を引違いに重ねて配置可能になっているので、人の出入りや災害時、非常時の室外への脱出にも問題はない。
第5に、前記操作スライダー15は、前記スライダー本体151に「ガタツキ」が生じることなく、スムーズにスライドさせることができ、ねじりバー3と同様にもコストを低減化させることかできる。
第6に、前記左右の内框121,131に遮光片121c,131cが形成されているので、この点からもプライバシー保護や防犯性に優れている。
また、この実施形態では、2枚のガラス障子であったが、4枚のガラス障子からなる場合には、同様に4枚の上記各戸を取付けてもよい。
また、防犯引違戸Aは、室内用のサッシであることから、上記構成の内、強度、水密及び気密性を高める部分は、省くようにしてもよい。例えば、消音部材等である。
また、前記各戸1、8の室内側又は室外側に網戸取付ヒレを設け、ロッド部材D2を前記網戸取付ヒレに埋めこむように、網目部材Dを取付けてもよい(図13参照)。
この防犯引違戸A1が、上記防犯引違戸Aと異なる点は、第1に、前記スラット2をその閉状態から略90度に開いた状態で、上下方向に隣接するスラット2の上下の羽根22、23が重なり可能に、内外戸1、8の各スラット2が配置されていること、内戸1の竪框12、13が、外戸8のスラット2の回転の軌跡を考慮して、薄く形成されていることである。
即ち、防犯引違戸A1の前記内戸1の左右竪框12、13の横幅は、その上下框10、11に対し、室内側から略6/10程度の幅厚に形成されている。
よって、図12のように、外戸8のスラット2が開放された状態でも、それらのスラット2が内戸1の左右竪框12、13に衝突することなく、それぞれ引き違い可能になっている。
なお、この実施形態では、内戸1のスラット2の先端が室内側に飛び出しているが、前記内戸1を外戸とし、前記外戸8を内戸にして、そのスラット2の先端が室外側に飛び出するようにしてもよい。
その他の構成は、上記内外戸と同様であって、上記作用効果に加えて、防犯引違戸A1の場合、さらに納め幅を狭めることきができる。
B 開口部
B1 額縁 B2 B3 レール
G ガラス障子
1 8 ブラインド格子 2 スラット
3 ねじりバー 4 バー部材
5 第1の伝達部材 6 第2の伝達部材
7 7A スラットホルダ 10 上框
11 下框 12 竪框
13 竪框 14 中框(桟状部)
15 操作スライダー 30 一端
31 他端 32 回転軸
33 軸受 40 41 孔
50 第1の伝達部材の一端 51 他端
60 第2の伝達部材の一端 61 他端
70 回転軸
71 鍔部 72 楔部
9 クレセント 9A 鍵装置(クレセント受け)
120 外框 121 内框
121a 中空部
121b 対向する側面
121c 131c 遮光片
121d 孔
150 摘み片 151 取付片
142 スライド枠
152 スライダー本体 153 孔
154 凹部 155 孔
156、156 壁
157 スリット状の口
320 固定円柱部 321 回転部
322 4角孔 323 段差
Claims (1)
- 建物の開口部を開閉する開閉装置に対し、その室内側に配置される内外引違戸において、
これら内外戸は、框と框内に開閉可能に配置される少なくとも1組の複数のスラットとを備え、且つ、前記框は、その上框に前記開口部の高さ寸法と調整可能な調整体と、前記框の左右竪框に前記開口部の幅寸法と調整可能な調整体と、前記左右竪框の対向側面の上下方向に、所定間隔毎に切欠部を設けた遮光片が形成され、前記スラットは、前記切欠部に回転軸が位置し、その回転中心に対して点対称的に形成された上下羽根と、上下方向に隣接する上下羽根の先端を係合させる係合片が形成されていると共に、
前記スラットを開いた状態で、引違い可能に前記開口部に取付けられることを特徴とする防犯引違戸。
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