JP4571755B2 - 樹脂成形品の樹脂成分識別方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成分を示す印が形成された樹脂成形品の樹脂成分識別方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
近年、飲料物を含む食品の容器や包装等に使用される包装材や、住宅の内装部品としての周り縁や幅木、階段手摺、階段踏板、サッシ枠、家具の一度使用した建築部材等、様々な樹脂成形品を再利用することが望まれている。これらの樹脂成形品を再利用する一例として、特開平11−129223号公報記載の木質様成形品が挙げられる。
この技術では、資源の有効利用や環境保護の観点から一度使用した建築部材等を回収し、この回収した建築部材から木粉や樹脂を得て、得られた木粉と樹脂とを混合し押出成形または射出成形により所望形状に成形し、手触り感等の風合いが天然の木に近い木質様成形品を製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開平11−129223号公報記載の木質様成形品において、前記樹脂が得られる樹脂成形品は回収する際に、どの樹脂からなるのか、樹脂成分を区別してから再利用している。すなわち、通常、樹脂成形品の化粧面に形成された樹脂成分を示すラベルや番号等の印によって樹脂成分を区別している。
しかし、前記樹脂成形品は化粧面に樹脂成分を示す印が形成されているので、例えば、この樹脂成形品を使用している間に印に傷がついたり消えてしまうことがあり、このような樹脂成形品から樹脂成分を容易に区別することができなかった。
【0004】
また、例えば、前記樹脂成形品が長尺である場合は、切断して使用することがあるが、このように樹脂成形品を切断すると化粧面に印が形成されているので、切断された樹脂成形品には印のないものが生じてしまう。したがってリサイクルする際に、印のない樹脂成形品から樹脂成分を区別することができず、このような樹脂成形品を容易に再利用することができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、使用している間に樹脂成分を示す印に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、切断した場合でもこの印を残すことができ、樹脂成分を容易に区別することができ、リサイクルできる樹脂成形品の樹脂成分識別方法を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、例えば、図1に示すように、樹脂成形品1の化粧面3以外の部分に、樹脂の樹脂成分を示す印4を形成することによって、樹脂成形品1の樹脂成分を識別することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、化粧面3以外の部分に、樹脂成分を示す印4が形成されているので、従来と異なり、使用している間に簡単に前記印4に傷がついたり消えたりすることなく前記印4を残すことができる。したがって、前記印4が消失するのを防止することができ、この印4から容易に樹脂成分を区別することができる。
【0007】
前記樹脂成形品1は、押出成形品1a,11aであっても良いし、射出成形品31aであっても良い。(図1,図3,図5参照)
【0008】
請求項2の発明は、例えば、図1に示すように、樹脂を含む押出成形品1aの内面に、前記樹脂の樹脂成分を示す印4を押し出し方向に沿って形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、押出成形品1aの内面に、樹脂成分を示す印4が押し出し方向に沿って形成されているので、従来と異なり、化粧面3に樹脂成分を示す印4が形成されておらず、使用している間に簡単に前記印4に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、この押出成形品1aをどこで切断しても、切断されたそれぞれの押出成形品1aに前記印4を残すことができる。よって、前記印4が消失するのを防止でき、切断された押出成形品1aから容易に樹脂成分を区別することができる。
また、前記印4は押出方向に沿って形成されているので、従来と異なり、樹脂成形品1を製造した後に化粧面3に印4を随時形成することなく、押出成形する際に、同時に前記印4も形成することができ、印4を形成する作業を簡略化することができる。
【0010】
前記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂であったり、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。
【0011】
請求項3の発明は、例えば、図1に示すように、請求項1または2記載の樹脂成形品1の樹脂成分識別方法において、前記印4を凸条6とすることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、前記印4が凸条6であるので、形状が単純で容易に形成することができる。
また、例えば、前記印4を凹状にした場合に比して、前記印4が凸条6である方が、凸条6の印4を形成した箇所の強度を強くすることができ、よって樹脂成形品1全体としての強度も強くすることができる。
【0013】
請求項4の発明は、例えば、図1に示すように、請求項3記載の樹脂成形品1の樹脂成分識別方法において、前記凸条6の本数によって前記樹脂成分を区別することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明によれば、前記凸条6の本数によって前記樹脂成分が区別されるので、例えば、複雑な形状をした凸条によって樹脂成分を区別する場合は、形状が複雑であるので区別しづらいが、本発明では本数を数えるだけで容易に樹脂成分を区別することができる。
【0015】
前記凸条6をなした印4の本数によって樹脂成分が区別されるとは、例えば、前記凸条6が1本の場合にポリプロピレン樹脂、2本の場合にポリ塩化ビニル樹脂、3本の場合にポリエチレン樹脂とし、この本数によって樹脂成分をそれぞれ区別することである。
【0016】
請求項5の発明は、例えば、図3に示すように、樹脂を含む押出成形品11aには、インサート金物13が挿入される空洞12が設けられており、この空洞12を形成する壁面14に、前記樹脂の樹脂成分を示す溝状16の印15を押出方向に沿って形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によれば、インサート金物13が挿入される空洞12を形成する壁面14に、前記樹脂成分を示す溝状16の印15が押出方向に沿って形成されているので、従来と異なり、化粧面17に樹脂成分を示す印15が形成されておらず、使用している間に簡単に前記印4に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、この押出成形品11aをどこで切断しても、切断されたそれぞれの押出成形品11aに前記溝状16の印15を残すことができる。よって、前記印15が消失するのを防止でき、切断された押出成形品11aの溝状16の印15から樹脂成分を容易に区別することができる。
また、請求項3または4のように前記印15が凸条6ではなく溝状16であるので、前記インサート金物13を溝状16の印15にあたることなく前記空洞12にスムーズに挿入することができる。
【0018】
なお、前記樹脂成形品11において樹脂成分を区別する場合は、例えば、図4に示すように前記溝状16の印15が形成されていない樹脂成形品21を製造しておき、溝状16の印15が形成された樹脂成形品11と溝状16の印15が形成されていない樹脂成形品21とによって樹脂成分を区別すれば良い。すなわち、例えば、前記溝状16の印15が形成された樹脂成形品11は、ポリ塩化ビニル樹脂が主な樹脂成分であるとし、前記溝状16の印15が形成されていない樹脂成形品21は、非ポリ塩化ビニル樹脂が主な樹脂成分であるとすれば良い。
また、前記溝状16の印15が形成された樹脂成形品11と、溝状16の印15が形成されていない樹脂成形品21の空洞12,22の内側寸法が等しくなるように形成しておくと、前記空洞12,22に挿入するインサート金物13を共用することができる。
【0019】
請求項6の発明は、例えば、図5に示すように、樹脂を含む射出成形品31aのゲート部分34に、前記樹脂の樹脂成分を示す印33を形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、射出成形品31aのゲート部分34に、樹脂成分を示す印33が形成されているが、前記ゲート部分34は射出成形品31aの化粧面32以外に形成されるので、従来と異なり、使用している間に簡単に前記印33に傷がついたり消えてしまうことがない。したがって、この印33から容易に樹脂成分を区別することができる。
【0021】
前記射出成形品31aは、例えば、金型に樹脂を射出充填することによって成形してなるものであっても良いし、金型に樹脂を注入することによって成形してなるものであっても良い。
【0022】
前記ゲート部分34とは、射出成形用金型において、溶融した樹脂を含む成形材料をキャビティへ注入口から注入し、成形した際に形成される注入口の痕となる部分のことである。したがって、本発明ではこのゲート部分34に前記印33が形成されているので、従来と異なり、樹脂成形品31を製造した後に化粧面32に印33を随時形成することなく、射出成形する際に同時に前記印33も形成することができ、印33を形成する作業を簡略化することができる。
【0023】
なお、前記樹脂成形品31において樹脂成分を区別する場合は、例えば、前記ゲート部分34に形成された印33の形状によって区別すると良い。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1〜第3の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の第1の実施の形態を示す樹脂成形品の要部の斜視図である。
図1に示すように、樹脂成形品1は、ポリ塩化ビニル樹脂を含む押出成形品1aである。
前記樹脂成形品1(押出成形品1a)は、断面視矩形状をなす長尺な部材であって、内部には長手方向に沿う3つの空洞2が設けられている。
そして、樹脂成形品1の化粧面3以外の部分に前記ポリ塩化ビニル樹脂の樹脂成分を示す印4が形成されている。すなわち、3つの空洞2のうちの右側の空洞2を形成する壁面5で、かつ、この壁面5のうちの内側の壁面5aに、押出方向(長手方向)に沿って前記印4が形成されている。
【0025】
前記印4は、2本の円弧状をなす凸条6であり、この凸条6の本数によって樹脂成分が区別されるようになっている。すなわち、上述したようにポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂成形品1には2本の凸条6を形成し、例えば、ポリプロピレン樹脂からなる樹脂成形品には、1本の凸条6を形成し、ポリエチレン樹脂からなる樹脂成形品には、3本の凸条6を形成し、この凸条6の本数によって区別する。
【0026】
また、前記樹脂成形品1を製造する方法としては、例えば、粉砕したポリ塩化ビニル樹脂を含む成形材料を溶融し、押出成形機によって所要の形状に押出成形する方法がある。ここで、樹脂成形品1に上述した印4を形成するために前記凸条6と同形状の成形部を備えた金型を使用する。
【0027】
本発明の第1の実施の形態によれば、押出成形品1aの化粧面3以外の部分、すなわち押出成形品1aの空洞2を形成する壁面5aに、押出方向に沿って樹脂成分を示す印4が形成されているので、使用している間に簡単に前記印4に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、この押出成形品1aをどこで切断しても、切断されたそれぞれの押出成形品1aに前記印4を残すことができる。よって、前記印4が消失するのを防止でき、切断された押出成形品1aから容易に樹脂成分を区別することができる。
また、押出成形する際に同時にこの印4も形成することができるので、よって印4を形成する作業を簡略化することができる。
【0028】
前記印4は凸条6であるので、形状が単純で容易に形成することができる。また、例えば、前記印4を凹状にした場合に比して、前記印4が凸条6である方が、凸条6の印4を形成した箇所(前記内側の壁面5a)の強度を強くすることができ、よって樹脂成形品1全体としての強度も強くすることができる。
前記凸条6の本数によって前記樹脂成分が区別されるので、本数を数えることによって容易に区別することができる。
【0029】
なお、前記印4は、樹脂成形品1に設けられた3つの空洞2のうちの右側の空洞2を形成する壁面5に形成されているとしたが、例えば、中央の空洞2を形成する壁面5に形成しても良いし、左側の空洞2を形成する壁面5に形成しても良く、また、形成する壁面5は1つに限らず2つ以上の壁面5に形成しても良い。
さらに、右側の空洞2を形成する壁面5のうちの内側の壁面5aに印4が形成されているとしたが、図2に示すように右側の空洞2を形成する壁面5のうちの外側の壁面5bに印4を形成しても良い。
【0030】
ここで、前記印4を形成した場合、印4が形成された壁面5の裏側の壁面5には、ひけが生じやすくなっている。そのため、前記壁面5のうちの外側の壁面5bに印4を形成した場合は、樹脂成形品1の化粧面(側面)3にひけが生じることになるので、この樹脂成形品1を外側から見ると成形品としての見栄えが悪くなる。これに対して、前記壁面5のうちの内側の壁面5aに印4を形成した場合は、中央の空洞2を形成する壁面5にひけが生じることになるので、外側からはこのひけが見えることがなく成形品としての見栄えが悪くなることはない。
さらに、前記凸条6の印4は円弧状であるとしたが、これに限らず例えば、三角形状であっても良い。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態を示す樹脂成形品の要部の斜視図である。
図3に示すように、樹脂成形品11は、ポリ塩化ビニル樹脂を含む押出成形品11aである。
前記樹脂成形品11(押出成形品11a)は、断面視矩形状をなす長尺な部材であって、内部には長手方向に沿う3つの空洞12が設けられており、この空洞12にはインサート金物13が挿入されるようになっている。
そして、樹脂成形品11の化粧面17以外の部分に前記ポリ塩化ビニル樹脂の樹脂成分を示す印15が形成されている。すなわち、3つの空洞12のうちの左側の空洞12を形成する壁面14で、かつ、この壁面14のうちの外側の壁面14aに押出方向(長手方向)に沿って前記印15が形成されている。
前記印15は、複数の細溝からなる溝状16である。
【0032】
そして、この溝状16の印15が前記壁面14に形成されているか否かによって樹脂成分が区別されるようになっている。すなわち、上述したようにポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂成形品11には前記壁面14に溝状16の印15を形成し、例えば、図4に示すように非ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂成形品21には、空洞22を形成する壁面23に溝状16の印15を形成しないで、この溝状16の印15が形成されているか否かによって区別する。
ここで、前記壁面14aに溝状16の印15が形成されている樹脂成形品11の空洞12と、前記壁面23が平滑である樹脂成形品21の空洞22の内側寸法は同一となっている。そのため、これら空洞12,22に挿入するインサート金物13を共用することができる。
【0033】
また、前記樹脂成形品11を製造する方法としては、例えば、粉砕したポリ塩化ビニル樹脂を含む成形材料を溶融し、押出成形機によって所要の形状に押出成形する方法がある。ここで、樹脂成形品11に上述した印15を形成するために前記複数の細溝からなる溝状16と同形状の成形部を備えた金型を使用する。
【0034】
本発明の第2の実施の形態によれば、押出成形品11aのインサート金物13が挿入される空洞12を形成する壁面14aに樹脂成分を示す溝状16の印15が形成されているので、使用している間に簡単に前記印4に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、この押出成形品11aをどこで切断しても、切断されたそれぞれの押出成形品11aに前記溝状16の印15を残すことができる。よって、前記印15が消失するのを防止でき、切断された押出成形品11aの溝状16の印15から樹脂成分を容易に区別することができる。
また、第1の実施の形態に比して、前記印15が凸条6ではなく溝状16であるので、インサート金物13を空洞12にスムーズに挿入することができる。
【0035】
なお、前記印15は、樹脂成形品11に設けられた3つの空洞12のうちの左側の空洞12を形成する壁面14に形成されているとしたが、例えば、中央の空洞12を形成する壁面14に形成しても良いし、右側の空洞12を形成する壁面14に形成しても良く、また、形成する壁面14は1つに限らず2つ以上の壁面14に形成しても良い。
さらに、左側の空洞12を形成する壁面14のうちの外側の壁面14bに印15が形成されているとしたが、左側の空洞12を形成する壁面14のうちの内側の壁面14aに印15を形成しても良い。第1の実施の形態で説明したが、前記内側の壁面14aに印15を形成した場合は、前記外側の壁面14bに印15を形成した場合に比して、ひけが生じても外側からは見えることがないので見栄えが悪くなることがない。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5および図6は、本発明の第3の実施の形態を示す樹脂成形品の要部の斜視図である。
図5に示すように、樹脂成形品31は、ポリ塩化ビニル樹脂を含む射出成形品31aである。この樹脂成形品31(射出成形品31a)は、金型に樹脂を射出充填することによって成形してなるものである。
前記樹脂成形品31は、断面視略コの字状の長尺な部材であって、化粧面32以外の部分に樹脂成分を示す印33が形成されている。すなわち、ゲート部分34に印33が形成されている。
【0037】
前記印33は、先端部に刺状の突起を有する凸部35であり、この凸部35の形状によって樹脂成分が区別されるようになっている。すなわち、上述したようにポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂成形品31にはゲート部分34に、先端部に刺状の突起を有する凸部35の印33を形成し、例えば、図6に示すように非ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂成形品41には、ゲート部分42に円弧状の凸部43の印44を形成して、この凸部35,43の印33,44の形状によって区別する。
【0038】
また、前記樹脂成形品31を製造する方法としては、例えば、粉砕したポリ塩化ビニル樹脂を含む成形材料を溶融し、射出成形機によって所要の形状に射出成形する方法がある。ここで、樹脂成形品31に上述した印33を形成するために前記凸部35と同形状のゲート口、つまり成型材料を注入する注入口を備えた金型を使用する。
【0039】
本発明の第3の実施の形態によれば、射出成形品31aのゲート部分34に、樹脂成分を示す印33が形成されているが、前記ゲート部分34は射出成形品31aの化粧面32以外に形成されるので、使用している間に簡単に前記印33に傷がついたり消えてしまうことがない。したがって、この印33から容易に樹脂成分を区別することができる。
また、射出成形する際に同時に前記印33も形成することができるので、印33を形成する作業を簡略化することができる。
【0040】
なお、本発明の第3の実施の形態の樹脂成形品31(射出成形品31a)は、金型に樹脂を射出充填することによって成形してなるものであるとしたが、例えば、金型に樹脂を注入することによって成形してなるものであっても良い。
【0041】
また、本発明の第3の実施の形態の樹脂成形品31は、ゲート部分34に印33を形成していたが、ゲート部分34に限らず例えば、樹脂成形品31の化粧面32以外の部分であればどこでも樹脂成分を示す印を形成しても良い。
つまり、図7に示すような点字状の印51を形成したり、図8に示すような三角形状の印52、三角形状と平行四辺形状を組み合わせた印53、三角形状と台形状を組み合わせた印54、三角形状と台形状と平行四辺形状とを組み合わせた印55を形成しても良い。
図8に示すような印52〜55とした場合は、樹脂成形品を回転させても容易にこれらの形状を区別することができる。
このような印51〜55を形成する場合は、樹脂成形品を製造する際に、金型の、化粧面以外の部分に当たる箇所に予め、図7や図8に示すような印51〜55の型が形成されたものを使用する。
【0042】
本発明の第1〜第3の実施の形態の樹脂成形品1,11,31は、例えば、食品の容器や包装等に使用されたり、住宅や家具の建材等、様々な用途で使用されるものである。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、化粧面以外の部分に、樹脂成分を示す印が形成されているので、前記印が消失するのを防止でき、前記印によって容易に樹脂成分を区別することができる。
【0044】
請求項2の発明によれば、押出成形品の内面に、押し出し方向に沿って樹脂成分を示す印が形成されているので、使用している間に簡単に前記印に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、切断しても、前記溝状の印を残すことができる。よって、前記溝状の印から樹脂成分を容易に区別することができる。
また、押出成形する際に、同時に前記印も形成することができ、この印を形成する作業を簡略化することができる。
【0045】
請求項3の発明によれば、請求項1または2と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記印が凸条であるので、形状が単純で容易に形成することができる。
また、例えば、前記印を凹状にした場合に比して、前記印が凸条である方が、凸条の印を形成した箇所の強度を強くすることができる。
【0046】
請求項4の発明によれば、請求項3と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、前記凸条の本数によって前記樹脂成分が区別されるので、前記凸状の本数を数えるだけで容易に樹脂成分を区別することができる。
【0047】
請求項5の発明によれば、インサート金物が挿入される空洞を形成する壁面に、押出方向に沿って樹脂成分を示す溝状の印が形成されているので、使用している間に簡単に前記印に傷がついたり消えてしまうことがなく、また、切断しても、前記溝状の印を残すことができる。よって、前記溝状の印から樹脂成分を容易に区別することができる。
また、請求項3または4のように前記印が凸条ではなく溝状であるので、前記インサート金物を前記空洞にスムーズに挿入することができる。
【0048】
請求項6の発明によれば、射出成形品のゲート部分に、樹脂成分を示す印が形成されているので、使用している間に簡単に前記印に傷がついたり消えてしまうことがない。よって、この印から容易に樹脂成分を区別することができる。
また、射出成形する際に、同時に前記印も形成することができ、この印を形成する作業を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すためのもので、樹脂成形品の要部を示す斜視図である。
【図2】同、樹脂成形品の要部を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示すためのもので、樹脂成形品の要部を示す斜視図である。
【図4】同、樹脂成形品の要部を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示すためのもので、樹脂成形品の要部を示す斜視図である。
【図6】同、樹脂成形品の要部を示す斜視図である。
【図7】同、樹脂成形品に形成される印を示す平面図である。
【図8】同、樹脂成形品に形成される印を示す平面図である。
【符号の説明】
1,11,31 樹脂成形品
1a,11a 押出成形品
3 化粧面
4,15,33 印
6 凸条
12 空洞
13 インサート金物
14 壁面
16 溝状
31a 射出成形品
34 ゲート部分
Claims (6)
- 樹脂成形品の化粧面以外の部分に、樹脂の樹脂成分を示す印を形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする樹脂成形品の樹脂成分識別方法。
- 樹脂を含む押出成形品の内面に、前記樹脂の樹脂成分を示す印を押し出し方向に沿って形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする樹脂成形品の樹脂成分識別方法。
- 請求項1または2記載の樹脂成形品の樹脂成分識別方法において、
前記印を凸条とすることを特徴とする樹脂成形品の樹脂成分識別方法。 - 請求項3記載の樹脂成形品の樹脂成分識別方法において、
前記凸条の本数によって前記樹脂成分を区別することを特徴とする樹脂成形品の樹脂成分識別方法。 - 樹脂を含む押出成形品には、インサート金物が挿入される空洞が設けられており、
この空洞を形成する壁面に、前記樹脂の樹脂成分を示す溝状の印を押出方向に沿って形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする樹脂成形品の樹脂成分識別方法。 - 樹脂を含む射出成形品のゲート部分に、前記樹脂の樹脂成形分を示す印を形成することによって、樹脂成形品の樹脂成分を識別することを特徴とする樹脂成形品の樹脂成分識別方法。
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2001
- 2001-03-16 JP JP2001076674A patent/JP4571755B2/ja not_active Expired - Fee Related
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