JP2656750C - - Google Patents

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JP2656750C
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JP
Japan
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resin
weld line
mold
flow
molded body
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English (en)
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東北ムネカタ株式会社
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、熱可塑性樹脂を用いて行う射出成形法及びこの成形法に用いられる
金型であって、更に詳しくは、成形体にウェルドラインを発生させないか、発生
しても小さい範囲に止めることができる射出成形法とこの成形法に用いられる金
型に関する。 【0002】 【従来の技術】 プラスチック射出成形体の場合、平坦な面を形成する際に、この平坦な面内に
流入する樹脂のゲート(充填口)が2ケ所以上存在すると、このゲートから夫々
充填された樹脂は金型内において互いに合流し、この合流部に所謂ウェルドライ
ンが発生する。図8はこのウェルドラインが発生する状況の説明図である。この
図8において、11は平坦面から成る成形体、12、12aは対向する2ケ所に
設けた樹脂充填用のゲートであって、このゲート12、12aから充填された樹
脂は、14に示すような流動パターンで前進し、やがて中央で衝突してこの衝突
部位にウェルドライン15を形成する。なお、このウェルドライン15は、多点
注入方式をとる場合にはその大小は別にして必ず発生し、例えば自動車のバンパ
ーの如き曲線や比較的大型の成形体の場合でも発生する。 また、ゲートを一点に設定した場合に、成形体の一部に例えば孔形状があると
、この周りから樹脂が入り込むために、強弱はあってもウェルドラインが発生す る。 ウェルドラインは、そのまま成形体に残した場合、美観を損ねることから、補
修によって消す作業を行ったり、塗装により隠したりしているのが現状である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 このため、次のような欠点がある。 a.補修は手作業となることから、手間がかかる。 b.塗装してもウェルドライン部分の光沢が違ってくるため、商品価値が低下
する。 c.ウェルドライン部分は強度的に弱くなる。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記したa〜cの課題を解決するのが目的であって、その構成は次
のとおりである。 1.金型内に、複数のゲートに続く位置にフローチャンネルを形成し、樹脂充
填時に、前記フローチャンネル内に樹脂の一部を先行して流動させることにより
、ウェルドラインの発生を抑制する射出成形法。 2.複数のゲートに続く位置にフローチャンネルを形成して成る射出成形用金
型。 フローチャンネルはゲートから金型内に樹脂が流入する際に、この樹胞の流動
を助長し、樹脂流動の方向、及び合流角度を制御する。このフローチャンネルの
形成位置は成形体の任意の筒所でよいが、好ましくは箱形の場合は、底部の淵や
角の部分などが良い。 またフローチャンネルの形状は、任意の形状で設けることが可能であるが、成
形体に対する接合面積が大きくなることが望ましい。またフローチャンネルの数
は単数で連続されてもかまわないし、複数に分割されていてもよい。 【0005】 本発明成形法に使用される樹脂は、ポリエチレン、ポリプロビレン等のポリオ
レフィン系樹脂、また、ポリスチレン樹胞ポリアクリロニトリル樹脂、ポリスチ レンプタジエン樹脂、ポロアクリロニトリルプタジエンスチレン共重合樹脂、ポ
リアクリロニトリルスチレン樹脂等のいわゆるスチレン系樹脂、また、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプチレンテレフタレート
樹脂等のいわゆるポリエステル系樹詣、またポリヘキサメチレンジパミド、ポリ
ヘキサメチレンカプロアミド、ポリヘキサメチレンラウドアミド、ポリε−カプ
ロアミド等のいわゆるナイロン樹脂と呼ばれるポリアミド系樹脂、またポリオキ
シメチレン樹脂であるポリアセタール樹脂、またポリフェニレン樹脂であるポリ
フェニレンエーテル、ポリフェニレンサンフィド、ポリフェニレンオキサイド等
の樹脂、更にはその他の熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、更にはこれらのブレ
ンド、アロイ等であってもよい。更には無機物、有機物等の充填材や、添加剤等
が加えられてもよい。更に、この樹脂チャンネルにガスを流入するいわゆるガス
インジェクションを併用することはウェルドラインを消す為ばかりでなく、ヒケ
防止等の効果も合わせて、更に好ましい。 【0006】 【作用】 ゲートから充填された樹脂は、フローチャンネル内を先行して流れる。この様
な樹脂の流れは、初期においてごく小さなウェルドラインが発生するが、両側の
流れ角度が小さくなりウェルドラインは発生しない。このフローチャンネルは成
形体平均肉厚の1.5倍を必要とし、1.5倍末満であれば、樹脂の流動がウェ
ルドラインをなくすまでその合流角度を小さくできず、好ましくない。また、5
倍を越えるとウェルドラインの消去にはさしつかえないが、成形体の冷却が著し
く緩慢となり成形そのものに好ましくない。 【0007】 【実施例】 実施例1 図1、図2は、図3に示す成形体を成形するための金型であって、この金型1
0、10aの平坦部成形凹部11の両端中央にはゲート12、12aが形成され
ていると共に、ゲート12、12aを結ぶ平坦成形凹部11の中央には、金型の
開き方向にテーパー形状を持つフローチャンネル13が形成されている。図1、 図2において、20はテーパー形状、21はスプール・ランナーである。 なお、図3に示す成形体には、前記金型10、10aで形成された各部位の符
号がそのまま付されている。 図4は、図3に示す成形体の成形時における樹脂の流れを説明するものであっ
て、ゲート12、12aから充填された樹脂は、フローチャンネル13の部分の
流動抵抗がその両サイドの平坦部11に比較して小さいため、平坦部11に先行
して流れて行く。この結果、金型内における樹脂の流動パターン14は、フロー
チャンネル13を頂点とする山形を呈し、この山形の流動パターン14がやがて
金型の中央で合流する。この時のウェルドライン15は、山形の頂点であって、
フローチャンネル13の幅内かこれより僅かに外に外れた程度である。 【0008】 実施例2 図5は、図6に示すようなテレビジョン受像機の正面側のケースを成形するた
めの金型の実施例であって、この金型16、16aの場合は、コーナー17の内
側に沿ってフローチャンネル13、13aが形成してあり、このフローチャンネ
ル13、13aは一部曲面の断面形状を有し、壁18の肉厚2.5mmに対して
比率で3倍の肉厚7.5mmである。図6において、符号の12、12aは四辺
の中央に夫々設けた樹脂充填ゲート部位である。図7はB−B′断面図である。
上記実施例の場合、その使用樹脂には、ハイインパクトポリスチレン樹脂(旭化
成工業株式会社製カーボン着色ペレットVS61)を使用し、射出成形機(東芝
機械株式会社製IS−1300DEW)を用い、樹脂を充填後、冷却、固化させ
た後樹脂成形体(枠)を取り出したところ、溶融樹脂が樹脂ゲート12、12a
より流入し、先ずフローチャンネル13、13a内を先行して流動し、やがて平
坦部(壁)18内に流入して四辺(四面)ともほぼ同率に流動し、やがて全体に
行き亘る。溶融樹脂を注入後、冷却し、成形体である樹脂成形体を取り出し、ウ
ェルドラインを目視で評価したところ、フローチャンネル13、13aの部分に
は若干のウェルドラインがあるものの、他の筒所にはウェルドラインのない奇麗
な樹脂成形体を得ることが出来た。 【0009】 実施例3 実施例2において、樹脂を充填後、フローチャンネル13、13a内に圧力1
90kg/cm2の窒素ガスを印加しながら成形を行った。この結果、成形体の
コーナー部の中には、図7に示すような中空構造19が発生したが、可視面に凹
型形状が残る不良現象、すなわちヒケの発生が抑止された。この結果、ウェルド
ラインがほとんどなく、かつ厚肉部にヒケのない樹脂成形体が得られた。 【0010】 実施例4 実施例2と同じ樹脂成形体の金型を用いて、使用材料としてポリプロピレン(
昭和電工株式会社製ポリプロピレンMK117)を使用し、射出成形機(東芝機
械株式会社IS−1300DEW)を用いて、樹脂を充填後、冷却、固化させた
後樹脂成形体を取り出したところ、フローチャンネル13、13aには若干のウ
ェルドラインがあるものの、他の箇所にはウェルドラインのない樹脂成形体を得
ることが出来た。 【0011】 実施例5 実施例2における樹脂成形体の厚肉部を成型品肉厚に対して、厚肉部の比率を
成型体肉厚2.5mmに対し、1.5倍の3.75mmの厚肉部に変更し、使用
材料として、ハイインパクトポリスチレン樹脂(旭化成工業株式会社製VS61
)を用いて成形したところ、実施例2よりもウェルドラインが2倍から3倍程度
長くなるものの、厚肉部を設置しない成型体と比較して、ウェルドラインが比較
的少ない樹脂成型体が得られた。 【0012】 実施例6 実施例2における樹脂成形体の厚肉部を成型体肉厚に対して、厚肉部の比率を
成型晶肉厚2.5mmに対し、5倍の12.5mmの厚肉部に変更し、使用材料
として,ハイインパクトポリスチレン樹脂(旭化成工業株式会社製VS61)を
用いて成形し、フローチャンネル13、13aより190kg/cm2の窒素ガ
スを注入したところ、実施例2とほぼ同等のウェルドラインのない、かつ厚肉 部にヒケのない樹脂枠成型体が得られた。 【0013】 実験例1 実施例2から実施例5において成形された成形体について、従来の成型体であ
ればウェルドラインが発生するであろう箇所における曲げ強度を引張り試験機(
東洋精機株式会社製ストログラフV10−C)を用いて測定したところ、実施例
2では39.2Mpa、実施例3では37.3Mpa、実施例4では38.1M
pa、実施例5では39.5Mpaであった。 【0014】 比較例1 実施例2の樹脂成形体において、厚肉部の肉厚を周囲肉厚2.5mmに対して
1.4倍の3.75mmとし、使用材として、ハイインパクトポリスチレン(旭
化成工業株式会社製VS61)を用い成形したところ、ウェルドラインがチャン
ネル部より、成型体端面部まで達し、従来の厚肉部を設けない場合のウェルドラ
インとほとんど同じであった。 【0015】 比較例2 実施例2の樹脂成形体において、厚肉部の肉厚を周囲肉厚2.5mmに対して
5.2倍の13mmとし、使用材として、ハイインパクトポリスチレン(旭化成
工業株式会社製VS61)を用い成形したところ、チャンネル部は若干のウェル
ドラインがあるものの他の筒所にはウェルドラインのない樹脂成形体を得ること
が出来たが、冷却が著しく長くなり、実施例6の場合で73秒の冷却時間に対し
、本比較例では93秒を要し、生産性に不都合をもたらすと共に、かつ、成形体
表面にヒケが生じる等かえって外観不良となった。 【0016】 比較例3 実施例6において、比較を行うために、厚肉部を設けない樹脂成形体において
、ウェルドライン発生部における曲げ強度を測定したところ、ハイインパクトポ
リスチレン(旭化成工業株式会社製VS61)においては、37.2Mpaであ り、ポリプロピレン(昭和電工株式会社製MK711)では35.6Mpaと低
い値であった。 【0017】 【発明の効果】 本発明は以上のように、金型の一部であって、ウェルドラインが発生する部位
にフローチャンネルを形成し、ゲートから充填された樹脂がこのフローチャンネ
ル内を先行して流動するようにした。この結果、成形体の表面からウェルドライ
ンが消失し、外観上、強度上優れた成形体を得ることができた。 また、フローチャンネル内にガス圧を印加しながら成形を行うことにより、前
記ウェルドライン以外に、ヒケの発生もなくなった。
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例1の金型の説明図。 【図2】 A−A′線断面図。 【図3】 図1及び図2に示す金型で成形された製品(成形体)の説明図。 【図4】 図3に示した成形体が成形される過程における樹脂の流動パターンと最終的に
製品に残ったウェルドラインの説明図。 【図5】 実施例2の金型の説明図。 【図6】 実施例2の金型により成形された成形体の説明図。 【図7】 B−B′線断面図。 【図8】 従来の金型を用いて成形を行った際に発生する樹脂の流動パターンと成形体に
残るウェルドラインの説明図。 【符号の説明】 10、10a 金型 11 平坦部・平坦成形凹部 12、12a ゲート 13、13a フローチャンネル 14 流動パターン 15 ウェルドライン 16、16a 金型 17 コーナー 18 成形品壁(平坦部) 19 中空部 20 テーパー形状 21 スプール・ランナー

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 金型内に、複数のゲートに続く位置にフローチャンネルを形成
    し、樹脂充填時に、前記フローチャンネル内に樹脂の一部を先行して流動させる
    ことにより、ウェルドラインの発生を抑制する射出成形法。 【請求項2】 複数のゲートに続く位置にフローチャンネルを形成して成る射
    出成形用金型。

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