JP4570738B2 - 電気亜鉛めっき浴及びめっき方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車業界や家電業界で広く利用されている亜鉛めっき浴に関する物である。
【0002】
【従来の技術】
一般的に鉄系材料・部品の防錆方法として亜鉛めっきは最も広く一般的に利用されている。亜鉛めっき方法にはさまざまな方法があるが、自動車業界や家電業界で持ちいられる比較的手頃なサイズの部品やねじ類は弱酸性浴、シアン浴、ノーシアンアルカリジンケート浴の3種類の電気めっき浴により殆どがめっきされている。これらの浴種による特徴としては以下のような点が挙げられる。
▲1▼弱酸性浴に比べるとアルカリジンケート浴やシアン浴は実用電流密度における電流効率が低い(弱酸性浴は85%以上であるがアルカリ性浴は50〜70%程度)
▲2▼弱酸性浴に比べアルカリジンケート浴やシアン浴は光沢、レベリング性に劣る。
▲3▼アルカリジンケート浴やシアン浴は弱酸性浴に比べ均一電着性が良い。
▲4▼アルカリジンケート浴は他の浴に比べ廃水処理が容易である。
▲5▼アルカリジンケート浴やシアン浴は弱酸性浴に比べ設備寿命が長い。
▲6▼酸性浴はアルカリ浴(特にシアン浴)に比べ洗浄力がないので前処理を完全に行う必要がある。
▲7▼シアン浴は猛毒のシアンを使用している。
などが挙げられる。
【0003】
アルカリジンケート浴は亜鉛と水酸化ナトリウムからなる簡単な構成のめっき浴であり、その浴組成は例えば雇用促進事業団職業訓練研究センターが編集している労働省認定の資格である技能士のためのテキスト(二級技能士訓練過程 電気めっき科<教科書>)には亜鉛(酸化亜鉛)10(13)g/L、水酸化ナトリウム120g/L、東京鍍金材料協同組合発行のめっき技術ガイドブック(東京鍍金材料協同組合技術委員会編集)には酸化亜鉛8〜13g/L、カセイソーダ(水酸化ナトリウム)90〜150g/Lと記載されており、これに適量の光沢剤(添加剤)を添加し使用されている。
ジンケートめっきは公害問題の高まりにつれシアン浴めっきに変わるものとして開発されたが、その初期において技術的問題を克服しきれず、極微量のシアンを含んだ微シアンめっき浴やアミンなどの亜鉛の錯化剤を含んだ浴が検討された時期があったが、当然のことながらこれらは元々の環境問題対策という課題を解決しきれないその場当たり的な物であり、本来の目的(シアンやシアン代替えのキレート剤のような有害物質を含まない、低公害化されためっき浴の開発)を満たすジンケートめっき浴では無い。同時期に海外において発表されていた水酸化カリウムを用いためっき浴も同様の理由により本来のジンケートではない。水酸化カリウムを用いためっき浴は国内でも検討されたが、水酸化カリウムは水酸化ナトリウムより高価であるだけでなく、水酸化ナトリウムに比べ特に良好な結果が得られず、特に低電流密度部の光沢はむしろ劣っているなど、水酸化カリウムを用いる理由が見あたらなかった。この他、水酸化カリウムを用いた浴は、水酸化ナトリウムを用いた浴に較べ実用的使用可能電流密度域が狭く、特に高電流密度部においてはヤケ(コゲ)と呼ばれる外観不良が発生しやすいため、水酸化カリウムを用いた浴は、水酸化ナトリウムを用いた浴に較べ劣る物であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の技術におけるそれぞれのめっき浴の特徴を生かし、よりすぐれためっき浴を提供する事にある。具体的にはジンケート浴の特徴である電流密度の影響を受けにくい良好な均一電着性を得ることや優れたツキマワリ性を得ることはもとより、容易な排水性を維持しつつ、弱酸性浴の特徴である早い金属析出速度とすぐれたレベリング性を持つめっき浴を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意研究した結果、特定量の亜鉛とカリウムと特定のアミンポリマーを組み合わせることにより従来技術における上記のような問題を解決できる事を見いだした。
従って、本発明の主題の一つは、1〜65g/Lの亜鉛と、20〜250g/Lのカリウムと0.01〜35g/Lの炭素数2以上の脂肪族アミンを及び/又はポリアルキレンポリアミンとを含有することを特徴とする、アルカリ性電気亜鉛めっき浴にある。
【0006】
さらに、本発明の他の主題は、本発明に従う電気亜鉛めっき浴を用いてめっきを行う前に、リンの酸素酸、リンの酸素酸化合物、珪酸、珪酸化合物、硼砂、キレート剤、界面活性剤、インヒビター、金属イオン、金属化合物イオン、金属のオキソ酸イオン、有機酸、過酸化水素、塩酸、硫酸、過硫酸、弗酸、硝酸、アミン、アンモニア、カ性アルカリ、アルコール、エーテルの一種又は二種以上を含有する処理液に被めっき処理物を一回又は複数回、接触させる、電気亜鉛めっき方法と本発明に従う電気亜鉛めっき浴を用いてめっきした後、生じためっき皮膜を、1〜6価の金属イオン又は金属化合物イオン、金属のオキソ酸イオン、金属錯体、例えばチタン、アルミニウム、鉄、コバルト、モリブデン、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、銀、バリウム、ストロンチウム、タングステン、バナジウム、スズ、ジルコニウム、セシウム、タンタル、ニオブ、亜鉛、クロムなどのイオン、化合物イオン、オキソ酸イオン、及びキレート配位子、例えばジカルボン酸、トリカルボン酸、水酸基カルボン酸、特に、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、その他のキレート配位子、例えばアセチルアセトン、尿素、尿素誘導体、錯体化する官能基が窒素、リン、又は硫黄を含む錯体配位子、フォスフィネート、フォスフィネート誘導体、無機陰イオンとH2Oを持つ混合錯体及び陰イオン、例えばハロゲン化物イオン、硫黄含有イオン、リン含有イオン、硝酸塩イオン、カルボン酸イオン、ケイ素含有イオン、過酸化水素イオン、特に塩化物イオン、硫酸塩イオン、リンの酸素酸イオン、オリゴリン酸塩イオン、環状ポリリン酸塩イオン、珪酸塩イオン及び有機酸、特にモノカルボン酸、アミノ酸、尿酸、尿酸化合物、重合体、樹脂、腐食抑制剤、珪酸、特にコロイド状又は分散させた珪酸、ジオール、トリオール、ポリオール、アミン、その他の含窒素化合物、色素、顔料、乾燥剤、分散剤からなる群の一種又は二種以上を含有する処理液にて処理して防錆被膜を形成し、要すれば更に有機系又は無機系の処理液に接触させて更に強固な防錆皮膜を形成させることからなる、電気亜鉛めっき方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリ性電気亜鉛めっき浴に於いて所期の好ましい効果、即ち電流密度の影響を受けにくい良好な均一電着性、優れたツキマワリ性、早い金属析出速度と優れたレベリング性を得るためには亜鉛及びカリウムの含有量と特定のアミンとの組み合わせが重要である。
しかして、本発明に従うめっき浴は、1〜65g/L、好ましくは8〜50g/Lの亜鉛と20〜300g/L、好ましくは45〜200g/Lのカリウム及び0.01〜35g/L、好ましくは0.1〜25g/Lの炭素数2以上の脂肪族アミンを及び/又はポリアルキレンポリアミンを含有する。
【0008】
亜鉛濃度については、上記の範囲よりも少ないと、めっき析出速度が異常に遅く、工業的に必要とされる膜厚を得るのに長時間を要し、商業的に不利である。
また、上記範囲よりも高濃度では高電流密度部にコゲ(ヤケ)と呼ばれる不良が発生し易くなると同時に液の汲み出しなどによる経済的損出も大きくなる。
【0009】
カリウム濃度としては上記の数値範囲よりも少ないとめっき液の導電性や電流効率が低下し、均一なめっきが生成しにくくなり、高いと処理物表面の変色(変質)が起こしやすくなると同時に液の汲み出しなどによる経済的損出も大きくなる。
【0010】
炭素数2以上の脂肪族アミンを及び/又はポリアルキレンポリアミンとしては、上記の数値範囲より少ないと、本発明の効果が得にくくなると同時に、めっき金属の析出に対する抑制力が低下するために光沢のない金属析出外観となり、多いと抑制力が過剰となるため金属析出速度が低下したり、析出被膜の応力増加による、皮膜物性の悪化、密着性の低下などの問題が発生する。
【0011】
本発明のめっき浴に使用されるポリアルキレンポリアミンは後述のような脂肪族アミンをモノマーとするポリアルキレンポリアミンが使用可能である他、特に好ましい例としては、グリシジル化合物との反応物、特に炭素数5〜15の脂肪族ポリアミンとグリシジル化合物の反応物、エーテル化合物との反応物、特に炭素数8〜25の脂肪族ポリアミンと炭素数4以上のエーテルの反応物、構造式中にエーテル部と複数の三級以上のアミンを持ち単量体の炭素数が10〜20であるポリマー、カルボニル化合物との反応物、特に複数の4級アミンと2級アミンとカルボニル基を持ち単量体の炭素数が7〜26のポリマー、水酸基及び/又はメチル基を有する有機化合物の反応物、特に炭素数4〜10の脂肪族アミンのポリマーで一部に水酸基及び/又はメチル基を有するポリマー並びに平均分子量が100から40000であるポリエチレンイミンからなる群のいずれか1種以上から選択される。
【0012】
脂肪族アミンとしては、トリエタノールアミンやエチレンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジアミノプロパン、ジエチレントリアミン、エチルアミノエタノール、アミノプロピルエチレンジアミン、ビスアミノプロピルピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、イソプロパノールアミン、アミノアルコール、イミダゾール、ピコリン、ピペラジン、メチルピペラジン、モルホリン、ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、テトラメチルプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンテトラミン等やこれら同士の反応物或いはこれらとニコチン酸、尿酸、尿素、チオ尿素との反応物、更にはこれらをメチル化又はエチル化した物同士の反応物等が挙げられる。
【0013】
グルシジル化合物としてはエピクロルヒドリン、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシドール、メチルグリシジルエーテル、2エチルヘキシルグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、セカンダリーブチルフェノールジグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどがある。
【0014】
本発明のめっき浴は光沢性の向上、ツキマワリ性の向上を図るために、さらにジクロロベンズアルデヒド、エチルヒドロキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、oークロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、アニスアルデヒド、エチルバニリン、シンナムアルデヒド、サリチルアルデヒド、バニリン、ベラトルアルデヒド、ヘリオトロピン、ベンズアルデヒドなどのアルデヒドを含有することができる。
【0015】
同様の効果に加え、均一電着性の向上や外観の向上を図るため本発明のめっき浴には、更に、
構造式(1)
【化5】
(ここで、R1及びR2は水素又は炭素数が10以下のアルキルであり、Xは有機又は無機陰イオンの残基、好ましくはハロゲンであり、nは1以上である)
で表されるポリマー、又は
構造式(2)
【化6】
(ここで、R1及びR2は水素、メチル、エチル、ブチル又はイソブチルであり、R3はCH2、C2H4又はC3H6であり、Xは有機又は無機陰イオンの残基、好ましくはハロゲンであり、nは1以上である)
で表されるポリマー、又は
構造式(3)
【化7】
(ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素又は炭素数が5以下のアルキルであり、YはS又はOであり、Xは有機又は無機陰イオンの残基、好ましくはハロゲンであり、nは1以上である)
で表されるポリマー、又は
構造式(4)
【化8】
(ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ水素又は炭素数が5以下のアルキルであり、YはS又はOであり、Xは有機又は無機陰イオンの残基、好ましくはハロゲンであり、nは1以上である)
で表されるポリマー、又は、ベンジルピリジニウムカルボキシレート、ポリアミド、チオアセトアミド、チオアセトアミド誘導体、チオ尿素、チオ尿素誘導体、尿素、尿素誘導体、アミノ酸、尿酸、尿酸誘導体、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、脂肪族アミン及び脂肪族アミンポリマーからなる群の1種以上を含有することができる。
【0016】
これらの適量は一般的に0.0005〜20g/Lの間にあり、多くの場合は0.005〜5g/Lが適正量である場合が多い。
【0017】
本発明に従うめっき浴はめっき析出速度が従来のジンケート浴より早いため従来と同じ亜鉛供給方法では亜鉛の消費に追いつかないことがある。亜鉛陽極が十分に配置可能で供給に問題がなければその方法でも良いが、不足する場合は従来のアノードに亜鉛を用いて供給する方法やめっき槽に別途亜鉛を浸漬する方法以外に、別槽にて不足分の亜鉛(又は亜鉛化合物)を溶解して供給する方法やあるいは一部又は全ての陽極を鉄などの不溶性陽極とし亜鉛供給のほとんどを別槽における溶解に依存する方法が可能である。亜鉛化合物をめっき槽中にて直接溶解する方法も可能であろうが、ザラと呼ばれる不良などが発生しやすく薦められるものではない。
【0018】
本発明に従うめっき浴でめっき行う適当な条件は、めっき浴の温度が20〜70℃、好ましくは25〜50℃であり、陰極平均電流密度が0.1〜40A/dm2、好ましくは1〜20A/dm2である。これより低い温度では、金属析出速度の低下や皮膜物性の悪化がおこり、これより高い温度ではポリアルキレンポリアミン類の異常な消耗や作業環境の危険性増大、加熱エネルギーの浪費などの問題がある。また、これより低い電流密度では、金属析出速度が遅く、高い電流密度では析出に関与する電流効率が悪く電気エネルギーの浪費となる。
【0019】
得られるめっき皮膜の密着性の向上や外観の向上のために、本発明に従うめっき浴でめっきを行う前に、リンの酸素酸、リンの酸素酸化合物、炭酸、珪酸、珪酸化合物、硼砂、キレート剤、界面活性剤、インヒビター、金属イオン、金属化合物イオン、金属のオキソ酸イオン、有機酸、過酸化水素、塩酸、硫酸、過硫酸、弗酸、硝酸、アミン、アンモニア、カ性アルカリ、アルコール、エーテル、乳化剤、湿潤剤、分散剤、石鹸の一種又は二種以上を含有する処理液に被めっき処理物を接触させることは効果的である。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、三リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、オレイン酸石鹸、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、EDTA、グルコン酸ナトリウム酒石酸、過マンガン酸カリウム、スルファミン酸、脂肪族アミン、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ジオール、トリオールなども効果的である。これらの接触方法として、これらを含有する処理液中への単なる浸漬の他、処理液中での電解や超音波による効果増大やスプレーによる接触も可能である。
【0020】
生じた亜鉛めっき皮膜は、そのままでは直ぐに腐食されるため、めっき後に、1〜6価の金属イオン又は金属化合物イオン、金属のオキソ酸イオン、金属錯体、例えばチタン、アルミニウム、鉄、コバルト、モリブデン、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、銀、バリウム、ストロンチウム、タングステン、バナジウム、スズ、ジルコニウム、セシウム、タンタル、ニオブ、亜鉛、クロムなどのイオン、化合物イオン、オキソ酸イオン、金属錯体、及びキレート配位子、例えばジカルボン酸、トリカルボン酸、水酸基含有カルボン酸、特に、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、その他のキレート配位子、例えばアセチルアセトン、尿素、尿素誘導体、錯体化する官能基が窒素、リン、又は硫黄を含む錯体配位子、フォスフィネート、フォスフィネート誘導体、無機陰イオンとH2Oを持つ混合錯体及び陰イオン、例えばハロゲン化物イオン、硫黄含有イオン、リン含有イオン、硝酸塩イオン、カルボン酸イオン、ケイ素含有イオン、過酸化水素イオン、特に塩化物イオン、硫酸塩イオン、リンの酸素酸イオン、オリゴリン酸塩イオン、環状ポリリン酸塩イオン、珪酸塩イオン及び有機酸、特にモノカルボン酸、アミノ酸、尿酸、尿酸化合物、重合体、樹脂、腐食抑制剤、珪酸、特にコロイド状又は分散させた珪酸、ジオール、トリオール、ポリオール、アミン、その他の含窒素化合物、色素、顔料、乾燥剤、分散剤からなる群の一種又は二種以上を含有する処理液にて処理して保護被膜を形成させる。
【0021】
これらの組み合わせの内、0.01〜70g/L(イオンとして)のチタン、アルミニウム、鉄、コバルト、モリブデン、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、珪素、銅、銀、バリウム、ストロンチウム、タングステン、バナジウム、スズ、ジルコニウム、セシウム、タンタル、ニオブ、亜鉛、クロムからなる群の一種又は二種以上と0.01〜300g/L(イオンとして)の塩酸、硫酸、硝酸、過酸化水素、リンの酸素酸、カルボン酸、アミノ酸、尿酸、尿酸化合物、尿素、尿素化合物、その他の含窒素化合物からなる群の一種又は二種以上を含有する処理液により形成された保護被膜は比較的良好な耐食性を示し、特に、0.5〜20g/Lのチタン、アルミニウム、鉄、コバルト、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、珪素、スズ、亜鉛、クロムの1種以上と0.5〜50g/Lの塩酸、硫酸、硝酸、燐の酸素酸、カルボン酸、アミノ酸の1種以上を組み合わせた処理液や0.1〜50g/Lのチタン、アルミニウム、コバルト、珪素、バリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、亜鉛、クロムの1種以上と1〜250g/Lの硝酸、塩酸、硫酸、酢酸、蟻酸、グリコール酸、過酸化水素、ジカルボン酸、トリカルボン酸、アミノ酸、尿酸、尿酸化合物、尿素、尿素化合物、その他の含窒素化合物からなる群の1種以上を組み合わせた処理液は良好な耐食性を示すことが多い。これらの物質の供給源に特に制限はなく、硫酸チタン、塩化チタン、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、モール塩、硝酸コバルト、硫酸コバルト、硝酸マグネシウム、硫酸ニッケル、塩化クロム、硫酸クロム、酢酸クロムなどを用いれば二つの構成要素を同時に満たすことが可能である。マロン酸、リンゴ酸、グルコン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、イノシン酸、マレイン酸などの有機酸は酒石酸ナトリウム、ロッシェル塩、クエン酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどの塩類の使用も可能である。これらの内、公害や人体への影響などから六価のクロムを用いない処理液はより望ましい。
【0022】
これらの防錆皮膜だけでは耐食性が不足している場合など更に無機系又は有機系の処理液に接触させることにより更に耐食性を上げたり、摩擦係数をコントロールする事が可能である。無機系の処理液の場合は珪素化合物などが主体の処理液が比較的有効であり、有機系の場合はアクリル系やワックス系の処理液あるいは、有機系に珪素化合物を配合した処理液が有効である。
【0023】
従来これらの無機系又は有機系の処理液による処理を行う場合、前述のめっき後の保護被膜形成後、一旦皮膜及び処理物を乾燥させた後、これらの無機系又は有機系の処理液による処理を行うのが一般的であったが、本発明では、前述のめっき後の保護被膜形成後直ぐに(乾燥せずに)これらの無機系又は有機系の処理液による処理が可能である。
【0024】
また、これらの無機系又は有機系の処理液中及び防錆皮膜中に、前述のめっき後の保護被膜形成処理液の成分が含有することに問題はなく、含有により耐食性が上がることがある。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。試験片は、50×100×2mmの鉄板又は通常のハルセル板を用いた。膜厚は蛍光X線微少部膜厚計(セイコー電子(株)製SFTー8000)にて測定した。
【0026】
実施例1
亜鉛濃度7.2g/L、水酸化カリウム120g/L、エチレンジアミンと尿素の反応物とエピハロヒドリンの反応物1g/L、構造式(3)の化合物(R1、R2、R3及びR4はメチル、YはO、Xは塩素、nは約150〜200、平均分子量約28000)0.2g/Lの浴でハルセルめっきを行った。比較として亜鉛濃度7.3g/L、水酸化ナトリウム119g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でハルセルめっきを行い、それぞれクロム酸2g/L、硫酸ナトリウム3g/L、燐酸0.5g/L、pH1.7の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。
測定部電流密度 10 2.5 0.5 0.1
(A/dm2)
実施例1(μm) 6.7 4.9 2.7 1.7
比較例1(μm) 4.0 2.6 1.9 1.3
【0027】
実施例2
亜鉛濃度7g/L、水酸化カリウム118g/L、イミノジエタノールトリメチレンジアミンとアリルグルシジルエーテルとの反応物1.5g/L、構造式(2)の化合物(R1及びR2はメチル、R3はCH2、Xは塩素、nは150〜500、平均分子量約50000)0.2g/L、チオ尿素0.005g/L、アニスアルデヒド0.02g/L、エチルバニリン0.02g/Lの浴でハルセルめっきを行った。比較として亜鉛濃度7g/L、水酸化ナトリウム121g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でハルセルめっきを行い、それぞれ硫酸チタン2g/L、硫酸アルミ7g/L、過酸化水素3g/L、珪酸ナトリウム18g/L、pH2.3の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。
測定部電流密度 10 2.5 0.5 0.1
(A/dm2)
実施例2(μm) 6.4 4.6 2.5 1.6
比較例2(μm) 4.0 2.4 1.7 1.1
【0028】
実施例3
亜鉛濃度9g/L、水酸化カリウム119g/L、構造式(5)で示すポリマー2g/L、構造式(1)の化合物0.2g/L、アセトアミド化合物0.5g/L、ベラトルアルデヒド0.01g/L、バニリン0.02g/Lの浴でハルセルめっきを行った。比較として亜鉛濃度8.9g/L、水酸化ナトリウム117g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でハルセルめっきを行い、それぞれ塩化クロム8g/L、硝酸0.5g/L、硫酸チタン1g/L、硫酸コバルト1g/L、燐酸25g/L、pH2.1の処理液で45秒処理後めっき膜厚を測定した。
測定部電流密度 10 2.5 0.5 0.1
(A/dm2)
実施例3(μm) 6.7 3.9 2.8 1.9
比較例3(μm) 4.7 2.9 2.2 1.3
構造式(5)
【化9】
(ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれメチルであり、R5は(CH2)2-O-(CH2)2であり、Xは有機又は無機イオンの残基であり、nは1以上である)
【0029】
実施例4
亜鉛濃度11g/L、水酸化カリウム139g/L、構造式(6)のポリマー0.8g/L、構造式(4)の化合物(R1、R2、R3及びR4はメチル、YはO、Xは塩素、mは30000〜50000、nは10000〜30000、分子量300万〜600万)0.5g/L、ベンジルピリジニウムカルボキシレート0.03g/L、ベラトルアルデヒド0.03g/Lの浴でハルセルめっきを行った。比較として亜鉛濃度11.5g/L、水酸化ナトリウム137g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でハルセルめっきを行い、それぞれ硝酸クロム10g/L、硫酸コバルト5g/L、琥珀酸8g/L、アスコルビン酸8g/L、pH2.1の処理液で45秒処理後めっき膜厚を測定した。
測定部電流密度 10 2.5 0.5 0.1
(A/dm2)
実施例4(μm) 7.2 4.9 2.7 1.7
比較例4(μm) 5.1 3.2 2.1 1.3
構造式(6)
【化10】
(ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれメチルであり、R5は(CH2)2-O-(CH2)2であり、nは1以上である)
【0030】
実施例5
亜鉛濃度10g/L、水酸化カリウム109g/L、ラウリルピリジニウムクロライドとトリエタノールアミンとモノクロルヒドリンとの反応物であるポリマー2.2g/L、構造式(2)の化合物(実施例2で使用したもの)0.8g/L、ポリエチレンイミン0.3g/L、エチレンジアミンとエピクロルヒドリンの反応物1g/L、エチルバニリン0.06g/L、の浴でハルセルめっきを行った。比較として亜鉛濃度10.1g/L、水酸化ナトリウム111g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でハルセルめっきを行い、それぞれ硫酸クロム5g/L、硫酸チタン3g/L、酒石酸5g/L、イノシン酸3g/L、グリシン3g/L、pH2.1の処理液で45秒処理後めっき膜厚を測定した。
測定部電流密度 10 2.5 0.5 0.1
(A/dm2)
実施例5(μm) 7.0 4.5 2.3 1.5
比較例5(μm) 5.0 3.0 1.8 1.1
【0031】
実施例6
亜鉛濃度6g/L、水酸化カリウム90g/L、ジエチルアミノブチルアミンとチオ尿素とジエチルエーテル塩素付加物との反応物であるポリマー2g/L、構造式(3)の化合物(実施例1で使用したものと同じ)0.8g/L、ベンジルピリジニウムカルボキシレート0.7g/L、ジエチレントリアミンとエピクロルヒドリンの反応物0.5g/L、エチルバニリン0.05g/L、ヘリオトロピン0.01g/Lの浴でハルセルめっきを行った。比較として亜鉛濃度6g/L、水酸化ナトリウム92g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でハルセルめっきを行い、それぞれ塩化クロム7g/L、硝酸ソーダ6g/L、グリコール酸10g/L、クエン酸1g/L、グリシン5g/L、pH2.2の処理液で45秒処理後めっき膜厚を測定した。
測定部電流密度 10 2.5 0.5 0.1
(A/dm2)
実施例6(μm) 4.0 2.0 1.5 1.0
比較例6(μm) 3.0 1.5 1.0 0.7
【0032】
実施例7
亜鉛濃度9g/L、水酸化カリウム120g/L、ジメチルアミノエチルアミンとチオ尿素とエピハロヒドリンの反応物1.2g/L、構造式(1)の化合物(実施例3で使用したものと同じ)0.4g/L、ベンジルピリジニウムカルボキシレート0.04g/Lエチルバニリン0.05g/L、チオアセトアミド0.03g/Lの浴で鉄板にめっきを行った。比較として亜鉛濃度9.1g/L、水酸化ナトリウム121g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でもめっきを行い、それぞれクロム酸2.5g/L、硫酸ナトリウム2.5g/L、硝酸0.5g/L、燐酸0.3g/L、pH1.8の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。めっき時間はいずれも20分とし、電流密度は3A/dm2であった。
実施例7 6.1μm
比較例7 4.4μm
【0033】
実施例8
亜鉛濃度6.5g/L、水酸化カリウム110g/L、アミノエチルアミノプロピルアミンと尿素とジエチルエーテル塩素付加物の反応物2.2g/L、構造式(2)の化合物(実施例2で使用したものと同じ)0.5g/L、ポリエチレンイミン0.5g/L、バニリン0.02g/Lの浴でめっきを行った。比較として亜鉛濃度6.5g/L、水酸化ナトリウム111g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でめっきを行い、それぞれ硫酸クロム4g/L、硫酸チタン2g/L、硫酸アルミ5g/L、硝酸ナトリウム7g/L、珪酸ナトリウム18g/L、pH2.3の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。めっき時間はいずれも30分とし、電流密度は2A/dm2であった。
実施例8 9.5μm
比較例8 6.8μm
【0034】
実施例9
亜鉛濃度5.5g/L、水酸化カリウム95g/L、ジメチルアミノプロピルアミンと尿素とエピハロヒドリンの反応物1.0g/L、構造式(2)の化合物(実施例2で使用したものと同じ)0.7g/L、バニリン0.02g/L、ベラトルアルデヒド0.01g/L、チオアセトアミド0.15g/Lの浴で鉄板にめっきを行った。比較として亜鉛濃度5.5g/L、水酸化ナトリウム94g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でもめっきを行い、それぞれクロム酸2.5g/L、硫酸ナトリウム2.5g/L、硝酸0.5g/L、燐酸0.3g/L、pH1.8の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。浴温は25℃、めっき時間はいずれも30分とし、電流密度は2.5A/dm2であった。
実施例9 7.2μm
比較例9 5.5μm
【0035】
実施例10
亜鉛濃度9.5g/L、水酸化カリウム122g/L、ジメチルアミノプロピルアミンと尿素とジエチルエーテル塩素付加物の反応物2.7g/L、構造式(3)の化合物(実施例1で使用したものと同じ)0.4g/L、ポリエチレンイミン0.3g/L、ポリアリルアミン0.1g/L、エチルバニリン0.01g/L、アニスアルデヒド0.01g/Lの浴でめっきを行った。比較として亜鉛濃度9.5g/L、水酸化ナトリウム123g/L、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(3J065 日本表面化学(株)製)A剤20mL/L、B剤1mL/Lの浴でめっきを行い、それぞれ硫酸クロム3g/L、硫酸チタン2g/L、硫酸アルミ5g/L、硝酸コバルト2g/L、硝酸ナトリウム6.5g/L、珪酸ナトリウム18g/L、pH2.3の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。浴温は30℃、めっき時間はいずれも30分とし、電流密度は2A/dm2であった。
実施例10 9.7μm
比較例10 6.9μm
【0036】
実施例11
亜鉛濃度25g/L、水酸化カリウム180g/L、構造式(6)のポリマー(実施例4で使用したものと同じ)1.5g/L、構造式(4)の化合物(実施例4で使用したものと同じ)0.8g/L、ベンジルピリジニウムカルボキシレート0.05g/L、アニスアルデヒド0.03g/Lの浴で浴温35℃、陰極電流密度15A/dm2でめっきを行った。比較として構造式(6)のポリマー、構造式(4)の化合物、ベンジルピリジニウムカルボキシレート、アニスアルデヒドの代わりに、従来のジンケートめっき浴用光沢剤(8500 日本表面化学(株)製)6mL/Lを添加しめっきを行った。それぞれ硝酸クロム10g/L、硫酸コバルト5g/L、シュウ酸8g/L、アスコルビン酸8g/L、硝酸ナトリウム1g/L、pH2.2の処理液で45秒処理後めっき膜厚を測定した。
実施例11 24μm
比較例11 9μm(外観不良:試験片周辺部はコゲ(ヤケ)が発生)
【0037】
実施例12
亜鉛濃度45g/L、水酸化カリウム230g/L、ジメチルアミノエチルアミンとチオ尿素とエピハロヒドリンの反応物1.2g/L、構造式(7)の化合物0.7g/L、ベンジルピリジニウムカルボキシレート0.04g/L、エチルバニリン0.05g/L、チオアセトアミド0.03g/Lの浴で鉄板にめっきを行った。比較としてジメチルアミノエチルアミンとチオ尿素とエピハロヒドリンの反応物、構造式(7)の化合物、ベンジルピリジニウムカルボキシレート、エチルバニリンの代わりに従来のジンケートめっき浴用光沢剤(8500 日本表面化学(株)製)8mL/Lを添加してめっきを行い、それぞれクロム酸2.5g/L、硫酸ナトリウム2.5g/L、硝酸0.5g/L、燐酸0.3g/L、pH1.8の処理液で処理後、めっき膜厚を測定した。浴温は45℃、めっき時間はいずれも10分とし、電流密度は20A/dm2であった。結果を示す。
実施例 12 28μm
比較例 12 12μm(外観不良:試験片周辺部はコゲ(ヤケ)が発生)
構造式(7)
【化11】
(ここで、R1、R2、R3及びR4はそれぞれメチルであり、R5は(CH2)2-O-(CH2)2であり、Xは無機又は有機陰イオンの残基であり、nは1以上である)
【0038】
実施例13
亜鉛濃度50g/L、水酸化カリウム275g/L、ラウリルピリジニウムクロライドとトリエタノールアミンとモノクロルヒドリンとの反応物であるポリマー1.2g/L、構造式(2)の化合物(実施例2で使用したものと同じ)0.8g/L、構造式(7)の化合物(実施例12で使用したものと同じ)0.7g/L、ポリエチレンイミン0.2g/L、エチレンジアミンとエピクロルヒドリンの反応物0.6g/L、エチルバニリン0.06g/L、の浴で50℃、10分間めっきを行った。電流密度は20A/dm2であった。二つの試験片の片方は水酸化ナトリウム、界面活性剤、EDTAを含むアルカリ性の水溶液に50℃、10分間浸漬後、15%塩酸に1分間浸漬し、更に水酸化ナトリウムとグルコン酸ナトリウムを含む溶液に浸漬し液温度30℃、電流密度8A/dm2、3分間電解した後めっきを行った。他方は何もせずめっきを行った。
めっき試験片を200℃−2時間加熱した結果、種々の液に接触させた試験片は問題を認めなかったが、何もしなかった試験片は皮膜の脱落が確認された。
【0039】
実施例14
亜鉛濃度 30g/L、水酸化カリウム200g/L、ベンジルピリジニウムカルボキシレート0.3g/L、構造式(1)の化合物(実施例3で使用したものと同じ)0.8g/L、構造式(6)の化合物(実施例4で使用したものと同じ)0.8g/L、ポリエチレンイミン0.3g/L、ペンタエチレンヘキサミンとエピクロルヒドリンの反応物0.1g/L、バニリン0.06g/L、の浴で40℃、15分間めっきを行った。電流密度は20A/dm2であった。二つの試験片の片方は水酸化ナトリウム、界面活性剤、炭酸ナトリウムを含むアルカリ性の水溶液に50℃、10分間浸漬後、20%硫酸に1分間浸漬し、更に水酸化ナトリウムとトリエタノールアミンを含む溶液に浸漬し液温度40℃、電流密度15A/dm2、3分間電解した後めっきを行った。他方は何もせずめっきを行った。
めっき試験片を200℃−2時間加熱した結果、種々の液に接触させた試験片は問題を認めなかったが、何もしなかった試験片は皮膜の脱落が確認された。
Claims (5)
- 1〜65g/Lの亜鉛と、20〜300g/Lのカリウムと0.01〜35g/Lのポリアルキレンポリアミンとを含有し、
前記ポリアルキレンポリアミンが、炭素数5〜15の脂肪族ポリアミンとグリシジル化合物の反応物、炭素数8〜25の脂肪族ポリアミンと炭素数4以上のエーテルの反応物、構造式中にエーテル部と複数の三級以上のアミンを持ち単量体の炭素数が10〜20であるポリマー、複数の4級アミンと2級アミンとカルボニル基を持ち単量体の炭素数が7〜26のポリマー、及び、炭素数4〜10の脂肪族アミンのポリマーで一部に水酸基及び/又はメチル基を有するポリマーからなる群のいずれか1種以上であることを特徴とする、アルカリ性電気亜鉛めっき浴。 - 更に、
構造式(1)
で表されるポリマー、又は
構造式(2)
で表されるポリマー、又は
構造式(3)
で表されるポリマー、又は
構造式(4)
で表されるポリマー、又は、ベンジルピリジニウムカルボキシレート、ポリアミド、チオアセトアミド、チオアセトアミド誘導体、チオ尿素、チオ尿素誘導体、尿素、尿素誘導体、アミノ酸、尿酸、尿酸誘導体、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、脂肪族アミン及び脂肪族アミンポリマー、アルデヒドからなる群の1種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の亜鉛めっき浴。 - リンの酸素酸、リンの酸素酸化合物、炭酸、珪酸、珪酸化合物、硼砂、キレート剤、界面活性剤、インヒビター、金属イオン、金属化合物イオン、金属のオキソ酸イオン、有機酸、過酸化水素、塩酸、硫酸、過硫酸、弗酸、硝酸、アミン、アンモニア、カ性アルカリ、アルコール、エーテル、乳化剤、湿潤剤、分散剤及び石鹸の一種又は二種以上を含有する処理液に被めっき処理物を接触させた後、請求項1又は2に記載の亜鉛めっき浴でめっき皮膜を形成することを特徴とする、電気亜鉛めっき方法。
- 請求項1又は2に記載の亜鉛めっき浴を用いてめっきした後に生じた皮膜又は請求項3に記載の方法で形成された皮膜を、1〜6価の金属イオン又は金属化合物イオン、金属のオキソ酸イオン、金属錯体、キレート配位子、尿素、尿素誘導体、錯体化する官能基が窒素、リン、又は硫黄を含む錯体配位子、フォスフィネート、フォスフィネート誘導体、ハロゲン化物イオン、硫黄含有イオン、リン含有イオン、硝酸塩イオン、カルボン酸イオン、ケイ素含有イオン、塩化物イオン、硫酸塩イオン、リンの酸素酸イオン、オリゴリン酸塩イオン、環状ポリリン酸塩イオン、珪酸塩イオン、有機酸、重合体、樹脂、腐食抑制剤、珪酸、ジオール、トリオール、ポリオール、アミン、その他の含窒素化合物、色素、顔料、乾燥剤、分散剤からなる群の一種又は二種以上を含有する処理液にて処理して保護被膜を形成し、要すれば更に有機系又は無機系の処理液に接触させて更に強固な防錆皮膜を形成させることを特徴とする、電気亜鉛めっき方法。
- めっき浴の温度が20〜70℃であり、陰極平均電流密度が0.1〜40A/dm2である請求項3又は4に記載の亜鉛めっき浴を用いるめっき方法。
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