JPH07278875A - 亜鉛−マンガン合金アルカリ性めっき浴及び該めっき浴を用いためっき方法 - Google Patents

亜鉛−マンガン合金アルカリ性めっき浴及び該めっき浴を用いためっき方法

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JPH07278875A
JPH07278875A JP7612294A JP7612294A JPH07278875A JP H07278875 A JPH07278875 A JP H07278875A JP 7612294 A JP7612294 A JP 7612294A JP 7612294 A JP7612294 A JP 7612294A JP H07278875 A JPH07278875 A JP H07278875A
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茂実 田中
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俊夫 猪狩
Takeshi Kunihiro
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Zn−Mn合金めっきを、低マンガン濃度で
均一に析出させることができる亜鉛−マンガン合金アル
カリ性めっき浴及び該めっき浴を用いた亜鉛−マンガン
合金めっきの形成方法を提供すること。 【構成】 亜鉛化合物、マンガン化合物、水酸化アルカ
リ、キレ−ト化合物、酸化防止剤及び光沢剤とを含有
し、かつpHが13以上である亜鉛−マンガン合金アル
カリ性めっき浴及び該めっき浴を用いて、基体上にマン
ガン含量が 0.1〜30重量%、亜鉛含量が99.9〜70
重量%である亜鉛−マンガン合金めっきを形成する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車部品などの基体
上に亜鉛−マンガン合金めっきを形成するのに適した亜
鉛−マンガン合金アルカリ性めっき浴及び該めっき浴を
用いた亜鉛−マンガン合金めっきの形成方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛めっきを鉄等に対して行うと、安価
に優れた犠牲防食効果が得られるばかりでなく、さらに
クロメ−ト処理を併用することによって、亜鉛自体の腐
食防止を達成することが可能であるために、従来から亜
鉛めっきは自動車工業等の分野で最も広く使用されてい
る表面処理技術である。しかしながら最近、亜鉛めっき
は、裸耐食性及びクロメート処理後の耐食性などに劣る
ことなどの欠点が指摘され、さらなる改良が必要になっ
てきている。特に、自動車用表面処理技術としては、ク
ロメート処理後の耐食性の向上が求められている。これ
に対して、亜鉛−ニッケル、亜鉛−錫、亜鉛−コバル
ト、亜鉛−鉄などの各種亜鉛系めっきが開発され実用化
されている。また、亜鉛−マンガン合金めっきについて
は、特開昭60−52591号公報や特公昭60−26
835号公報に、マンガンの共析率を30〜85%とす
ると耐食性が向上することが示されているが、それ以下
では、亜鉛めっきと大差がないとされている。これらの
公報に開示のめっき浴では、省資源やコストの点で問題
があるばかりでなく、作業性、浴管理、均一電着性や電
流密度が変化した時の合金比率やクロメ−ト性などの点
でも問題があり、高耐食を得る合金比ではクロメート処
理を行なっても耐食性が向上しないといった問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Zn−Mn
合金めっきを、低マンガン濃度で均一に析出させること
ができる亜鉛−マンガン合金アルカリ性めっき浴及び該
めっき浴を用いた亜鉛−マンガン合金めっきの形成方法
を提供することを目的とする。本発明は、又、該亜鉛−
マンガン合金めっき上にクロメ−ト処理を施すことによ
り、耐食性に優れた皮膜を形成できる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、キレ−ト化合
物、酸化防止剤及び光沢剤を併用すると、めっき浴の安
定性が向上し、Zn−Mn合金めっきを均一に析出させ
ることができること、そしてこの上にさらにクロメ−ト
処理を施すと一層耐食性に優れた皮膜が形成できるとの
知見に基づいてなされたのである。すなわち、本発明
は、亜鉛化合物、マンガン化合物、水酸化アルカリ、キ
レ−ト化合物、酸化防止剤及び光沢剤とを含有し、かつ
pHが13以上であることを特徴とする亜鉛−マンガン
合金アルカリ性めっき浴を提供する。本発明は、又、上
記アルカリ性めっき浴を用いて、基体上にマンガン含量
が 0.1〜30重量%、亜鉛含量が99.9〜70重量%で
ある亜鉛−マンガン合金めっきを形成することを特徴と
する亜鉛−マンガン合金めっきの形成方法を提供する。
さらに、本発明は、上記方法により基体上に亜鉛−マン
ガン合金めっきを形成した後、さらに耐食クロメ−ト処
理を施すことを特徴とする耐食性被膜形成方法を提供す
る。
【0005】本発明において使用される浴は、公知のア
ルカリ性ジンケート亜鉛めっき浴を基本浴として、これ
にキレート剤存在下、電着可能にマンガンイオンを溶解
してなるめっき浴のpHが13以上の強アルカリ浴であ
る。本発明で使用する亜鉛化合物としては、pHが13
以上のアルカリ浴中に亜鉛イオンを放出できる化合物で
あればいずれでもよく、例えば、亜鉛華、硫酸亜鉛、塩
化亜鉛等の一種又は2種以上の混合物があげられる。め
っき浴中のZnイオン濃度は任意とすることができる
が、Znとして0.1〜20g/リットルとなるようにす
るのが好ましい。本発明で使用するマンガン化合物とし
ては、pHが13以上のアルカリ浴中にマンガンイオン
を放出できる化合物であればいずれでもよく、例えば、
硫酸マンガン、塩化マンガン、水酸化マンガン等の一種
又は2種以上の混合物があげられる。めっき浴中のMn
イオン濃度は任意とすることができるが、マンガンとし
て0.05〜20g/リットルとなるようにするのが好ま
しい。本発明で使用する水酸化アルカリとしては、Na
OH、KOH等があげられる。その濃度はアルカリ浴の
pHを13以上にすることができる量であればよいが、
30〜200g/リットルとなるようにするのが好まし
い。
【0006】本発明で使用するキレート剤として、ジエ
タノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミンなどのアミノア
ルコ−ル類、またはジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミンなどのポリアミン類、またはエチレンジア
ミン四酢酸塩、ニトロ三酢酸塩などのアミノカルボン酸
類、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、グルコ−ル
酸塩などのオキシカルボン酸塩類、ソルビット、ペンタ
エリスリト−ルなどの多価アルコールなどの1種または
2種以上の混合物があげられる。その濃度は任意とする
ことができるが、1〜200g/リットルとなるように
するのが好ましい。これらのキレート剤中、グルコン酸
ナトリウム、酒石酸ナトリウムやトリエタノールアミン
が特に好ましい。また、酸化防止剤としては、L−アス
コルビン酸、塩酸ヒドロキシルアミン、ヒドロキノンな
どの1種または2種以上の混合物があげられる。その濃
度は任意とすることができるが、1〜20g/リットル
となるようにするのが好ましい。
【0007】また、光沢剤としては、ZnあるいはZn
合金めっきに使用される光沢剤、例えばジエチレントリ
アミンとエピクロルヒドリンとの反応物等や特公昭53
−32344号公報記載の窒素複素環化合物とエピハロ
ヒドリンとの反応生成物等あるいはバニリン、ベンズア
ルデヒド等の芳香族アルデヒド等を単独あるいは複数で
一種又は二種以上を使用することができる。このような
光沢剤は、例えばディップソール株式会社製商品名NZ
−71S、あるいはNZ−65S、IZ−260Sなど
として容易に入手できる。また、ジエチレントリアミン
とエピクロロヒドリンの反応物等のアミン類とエピハロ
ヒドリンの反応物はこれ単独でも光沢のあるめっきが得
られる。本発明のめっき浴は、上記成分を必須として残
部が水であるが、芳香族アルデヒドなどを所望により添
加することができる。本発明では、上記めっき浴に、め
っきを施そうとする基体を陰極とし、例えばステンレス
鋼などを陽極とし、15〜35℃、電流0.1〜10Ad
2 、5〜120分通電することにより基体上に亜鉛−
マンガン合金めっきを形成することができる。ここで基
体としては、鉄、銅、銅合金、鋳物等があげられ、この
基体上に、厚み0.1〜80μの亜鉛−マンガン合金めっ
きを形成することができる。この際、亜鉛とマンガンの
析出比率は、めっき浴中の亜鉛とマンガンの比率を調整
することにより、任意の比率とすることができるが、マ
ンガン含量が 0.1〜30重量%、亜鉛含量が99.9〜7
0重量%である亜鉛−マンガン合金めっきを形成するの
が好ましい。特に好ましくはマンガン含量が1.0〜30
重量%、亜鉛含量が70〜99重量%である。本発明で
は、上記方法により基体上に亜鉛−マンガン合金めっき
を形成した後、さらに常法により耐食クロメ−ト処理を
施すことにより、耐食性被膜を形成することができる。
この際、合金比率、得ようとする外観の色によって、ク
ロメ−トの種類(例えばクロム酸に対する硫酸根あるい
は塩素根の比率)を変える必要があるが、Znに対する
Mnの比が 0.1〜30重量%の範囲で良好なクロメ−ト
皮膜を得ることができ、耐食性を向上させることができ
る。
【0008】
【発明の効果】従来のZn−Mnめっきは酸性浴であ
り、均一電着性に劣り、形状部品をめっきする一般の電
気めっき製品の製造には適さなかったが、本発明のアル
カリ性めっき浴を用いると形成されたZn−Mnめっき
は、均一電着性に優れ、電流密度が異なっても合金比が
大きく変化しない。従って、さらにクロメート処理する
と均一なクロメート処理が可能でクロメート処理により
高い耐食性が得られる。従って、より高度な耐食性が要
求される、自動車工業等の分野での表面処理技術として
極めて好適に使用できる。次に、本発明を実施例により
さらに説明する。
【0009】
【実施例】
実施例1 下記表−1に記載の各種組成のめっき浴を調製し、この
めっき浴を使用して、予め清浄したSPCC磨き鋼板
(65×100×0. 3mm)に電流密度5A/d
2 、温度25℃で、5μ厚のZn−Mnめっきを施し
た。
【表1】 表−1 浴 亜鉛塩 水酸化アルカリ マンカ゛ン塩 キレート剤 酸化防止剤 光沢剤 No(g/l) (g/l) (g/l) (g/l) (g/l) (ml/l) 1 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ク゛ルコン酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-65S (12.5) (120) (0.2) (10) (4) (6) 2 亜鉛華 水酸化カリウム 硫酸マンカ゛ン 酒石酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (12.5) (120) (0.5) (80) (1) (6) 3 硫酸亜鉛 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン トリエタノ-ルアミン 塩酸ヒト゛ロキシルアミン NZ-71S (24.7) (120) (8.0) (40) (10) (6) 4 塩化亜鉛 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン 酒石酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (20.9) (120) (15) (10) (20) (6) 5 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ク゛ルコン酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (6.5) (120) (25) (20) (4) (6) 6 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ク゛ルコン酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (1.5) (120) (20) (20) (4) (6) 7 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ク゛ルコン酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (0.5) (120) (40) (30) (4) (6) 8 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ク゛ルコン酸ナトリウム L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (25) (120) (8.0) (20) (4) (6) 9 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ク゛ルコン酸ナトリウム ナシ NZ-65S (12.5) (120) (0.2) (10) (0) (6) 10 亜鉛華 水酸化ナトリウム ナシ ナシ ナシ NZ-71S (12.5) (120) (0) (0) (0) (6) 11 亜鉛華 水酸化ナトリウム 塩化マンカ゛ン ヘ゜ンタエチレンヘキサミン L-アスコルヒ゛ン酸 NZ-71S (12.5) (120) (8.0) (40) (4) (6) 表中、9* 〜11* は比較例である。これらのめっき浴
のpHは13以上である。
【0010】これらのめっき物の耐食性を塩水噴霧試験
(JIS−Z−2371)で比較した。結果をまとめて
表−2に示す。
【表2】 表−2 浴No めっき中のMn含有量(%) 赤錆までの時間(時間) 本発明 1 0.4 120 本発明 3 9.5 120 本発明 5 17.1 100 本発明 6 31.5 500 本発明 7 90.0 100 本発明 8 5.0 120 比較例 9 0.5 120 比較例 10 0 120比較例 11 2.0 120 本発明では、1ヶ月以上めっき浴は安定に保たれたが、
比較例のめっき浴では3日頃からめっき浴中に沈殿が生
じ、安定なめっきを継続することができなかった。
【0011】実施例2 実施例1及び比較例において得られためっき物にさらに
クロメ−ト処理したものについて、その耐食性を塩水噴
霧試験(JIS−Z−2371)で比較した。結果をま
とめて表−3に示す。
【表3】 表−3 浴No Mn含有量 クロメ−ト クロメート 赤錆までの 量(%) 組成 処理物の外観 時間(時間) 本発明 1 0.4 A 緑色 2000以上 本発明 2 1.2 B 緑色 2000以上 本発明 3 9.5 C 黒色 2000以上 本発明 4 13.0 D 黒色 2000以上 本発明 5 17.1 E 黒色 2000以上 本発明 6 31.5 F 不均一な薄い皮膜 500比較例 10 0 G 800
【0012】クロメ−トの組成A:CrO3:10g/l 、NaC
l:16g/l 、コハク 酸:5g/l クロメ−トの組成B:CrO3:10g/l 、NaCl:10g/l 、ギ
酸:5g/l、Na2SO4:1g/lコハク 酸:5g/l クロメ−トの組成C:CrO3:10g/l 、NaCl: 5g/l 、 クロメ−トの組成D:CrO3:10g/l 、Na2SO4:0.5g/l 、 クロメ−トの組成E:CrO3:10g/l 、NaCl: 5g/l 、 クロメ−トの組成F:CrO3:10g/l 、NaCl: 3g/l 、 クロメ−トの組成G:有色クロメート(テ゛ィッフ゜ソール 製:
商品名Z−493)10ml/l
フロントページの続き (72)発明者 國廣 武司 東京都中央区京橋3丁目2番17号 ディッ プソール株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛化合物、マンガン化合物、水酸化ア
    ルカリ、キレ−ト化合物、酸化防止剤及び光沢剤とを含
    有し、かつpHが13以上であることを特徴とする亜鉛
    −マンガン合金アルカリ性めっき浴。
  2. 【請求項2】 キレート剤が、グルコン酸ナトリウム、
    酒石酸ナトリウム又はトリエタノールアミンである請求
    項1記載のめっき浴。
  3. 【請求項3】 光沢剤が、芳香族アルデヒド及び/又は
    アミンとエピハロヒドリンの反応物である請求項1記載
    のめっき浴。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のアルカリ性めっき浴を用
    いて、基体上にマンガン含量が 0.1〜30重量%、亜鉛
    含量が99.9〜70重量%である亜鉛−マンガン合金め
    っきを形成することを特徴とする亜鉛−マンガン合金め
    っきの形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法により基体上に亜鉛
    −マンガン合金めっきを形成した後、さらに耐食クロメ
    −ト処理を施すことを特徴とする耐食性被膜形成方法。
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