JP4570344B2 - 廃プラスチック処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃プラスチック、特に、廃発泡スチロール等を加熱溶融処理する廃プラスチック処理装置に関する。
廃プラスチック(例えば、廃発泡スチロール)を加熱溶融処理する廃プラスチック処理装置には、廃プラスチックを粉砕するための粉砕機と、粉砕された廃プラスチックを加熱溶融させる溶融機と、粉砕機によって粉砕された廃プラスチックを溶融機へ搬送する搬送機とを備えたものがあり、その一例が下記特許文献1に開示されている。
このような廃プラスチック処理装置の溶融機には、加熱板が備えられており、廃プラスチックを加熱板で発生した熱によって溶融するようになっている。このようにして溶融された廃プラスチックは、例えば、溶融機の下流側に容器を配置することで受け止められ、その後に冷却固化する等の処理を施していた。
ところで、従来の廃プラスチック処理装置では、前述の如く溶融後の廃プラスチックを冷却固化するための作業(特に、所定の形状に成形する作業)が煩雑であった。またこの場合、特別な成形装置を用い、このような溶融後の廃プラスチックを所定の形状に冷却固化(成形)することも可能であったが、当該成形装置が大型で高価であった。
特開2003−136530号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、溶融状態の廃プラスチックを成形できる小型で廉価な廃プラスチック処理装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、上面に供給された溶融状態の廃プラスチックを冷却すると共に、前記廃プラスチックの側部を冷却する一対の側壁部を備えた冷却テーブルと、前記冷却テーブルと対向して配置され、前記冷却テーブルとの間に搬送された前記廃プラスチックを前記冷却テーブルと協働して成形する成形ローラと、を備えている。
請求項1に記載の発明によれば、溶融状態の廃プラスチックが冷却テーブルと成形ローラとの間に搬送供給されると、この溶融状態の廃プラスチックは、冷却テーブルによって冷却されながら成形ローラと冷却テーブルによって圧縮成形される。
このような本発明は、溶融状態の廃プラスチックを冷却テーブルと成形ローラだけで成形するという簡単な構成なので、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またさらに、装置を小型化することで省スペースで設置することもできる。
さらに、溶融状態の廃プラスチックが冷却テーブルの上面に供給されている際には、上記廃プラスチックの側部が冷却テーブルに備えられた一対の側壁部によっても冷却される。またこれと共に、冷却テーブルの側壁部どうしが対向する対向方向において、溶融状態の廃プラスチックの寸法が制限される。従って、廃プラスチックの冷却効率が良くなると共に廃プラスチックの上記対向方向両端の形状を整えることができ、より一層効果的である。
請求項2に記載の発明は、上面に供給された溶融状態の廃プラスチックを冷却する冷却テーブルと、前記冷却テーブルと対向して配置され、前記冷却テーブルとの間に搬送された前記廃プラスチックを前記冷却テーブルと協働して成形する成形ローラと、前記冷却テーブルの内部に設けられ、前記廃プラスチックを冷却するための液状の冷却媒体を循環させる循環槽と、を備え、前記冷却テーブルの循環槽と連通し前記冷却媒体を蓄えたタンクを有し、かつ、前記冷却媒体を前記タンクにおいて自然放冷させると共に、前記タンクと循環槽との間で自然対流させる、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、溶融状態の廃プラスチックが冷却テーブルと成形ローラとの間に搬送供給されると、この溶融状態の廃プラスチックは、冷却テーブルによって冷却されながら成形ローラと冷却テーブルによって圧縮成形される。
このような本発明は、溶融状態の廃プラスチックを冷却テーブルと成形ローラだけで成形するという簡単な構成なので、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またさらに、装置を小型化することで省スペースで設置することもできる。
さらに、液状の冷却媒体(例えば、冷水)が、冷却テーブルの循環槽を循環する。ここで、冷却テーブルは溶融状態の廃プラスチックの熱を受けて温度上昇するが、冷却媒体が、冷却テーブルの循環槽を流動しながらこの冷却テーブルを冷却する。従って、冷却テーブルと冷却媒体との間の熱交換が効率良く行えるので、廃プラスチックの冷却効率が良くなり、より一層効果的である。
また、冷却媒体は、タンクと冷却テーブルの循環槽との間を流動する。ここで、冷却媒体は、自然放冷されることにより自然対流する。従って、冷却媒体を循環させるためのポンプや、冷却テーブルの循環槽を経て温度上昇した冷却媒体を冷却する冷却装置が不要となり、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。
また、本発明は、このような液状の冷却媒体を繰り返し利用するので、溶融状態の廃プラスチックの冷却に要するコストを抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記タンクは、その下部の位置が、前記一対の側壁部のうち一方の上部の位置と略同じ高さ又はそれよりも上方に配置され、前記タンクの下部を前記一方の側壁部の上部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させると共に、前記タンクの上部を前記他方の側壁部の上部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させた、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、タンクに蓄えられた冷却媒体は、タンク内部で冷却媒体にかかる圧力によって上記タンクの下部から排出されると、一方の側壁部の上部を経て冷却テーブルの循環槽に供給される。次いで、冷却媒体は、冷却テーブルの循環槽を流動しながら冷却テーブルを冷却する。すなわち、冷却媒体は、冷却テーブルの熱を吸収して温度上昇する。この結果、冷却媒体は、自然対流により、他方の側壁部の上部を経てタンクの上部に流動する。温度上昇した冷却媒体は、例えばタンクで自然放冷される。従って、自然放冷により温度が低下した冷却媒体は、自然対流によりタンクの下部へ流動する。
このように、冷却媒体が本発明の廃プラスチック処理装置の内部を循環するため、冷却媒体を循環させるためのポンプや、温度上昇した冷却媒体を冷却する冷却装置が不要となる。従って、本発明は、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またこの場合、本発明は、冷却媒体を円滑に循環させることができ、溶融状態の廃プラスチックの冷却に、より一層効果的である。
請求項4に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記タンクは、その下部の位置が、前記冷却テーブルの下部の位置と略同じ高さに配置され、前記タンクの下部を前記冷却テーブルの下部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させると共に、前記タンクの上部を前記側壁部の各々の上部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させた、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、冷却テーブルの循環槽では、冷却媒体が、冷却テーブルを冷却する。この場合において、冷却媒体は、冷却テーブルの熱を吸収して温度上昇する。この結果、冷却媒体は、自然対流により、側壁部の各々の上部を経てタンクの上部に流動する。温度上昇した冷却媒体は、例えばタンクで自然放冷される。従って、自然放冷により温度が低下した冷却媒体は、自然対流により、タンクの下部、さらには冷却テーブルの下部を経て冷却テーブルの循環槽に供給される。
このように、冷却媒体が本発明の廃プラスチック処理装置の内部を循環するため、冷却媒体を循環させるためのポンプや、温度上昇した冷却媒体を冷却する冷却装置が不要となる。従って、本発明は、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またこの場合、本発明は、冷却媒体を円滑に循環させることができ、溶融状態の廃プラスチックの冷却に、より一層効果的である。
本発明は、溶融状態の廃プラスチックを成形する装置を小型化できると共に廉価にすることができる。
(第1の実施の形態)
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る廃プラスチック処理装置10の要部の概略が正面断面図によって示されている。
この図に示されるように、廃プラスチック処理装置10は搬送筒12を備えている。搬送筒12は、例えば、水平方向が軸方向とされた略円筒形状に形成されており、その軸方向一端は底部14により閉止されている。
また、搬送筒12の上方には、投入ホッパ16が設けられている。投入ホッパ16は、上下端が開口した略筒形状に形成されていると共に、下方へ向けて開口半径(若しくは、開口幅寸法)が漸次小さくなる所謂漏斗形状に形成されている。
投入ホッパ16の下端部に対応して搬送筒12を構成する周壁18の底部14近傍には開口部20が形成されており、この開口部20の周囲に下端部が位置するように投入ホッパ16が搬送筒12の周壁18に固定されている。これにより、開口部20を介して投入ホッパ16の内部と搬送筒12の内部とが互いに連通し、投入ホッパ16の上端から図示しない粗砕装置によって所定の大きさ以下に粗砕された廃プラスチック22を搬送筒12内の底部14近傍に供給できるようになっている。
一方、搬送筒12の内部には、搬送手段としてのスクリューコンベア24を構成する回転軸26が配置されている。回転軸26は搬送筒12に対して同軸の棒形状とされており、その一端は自らの軸線周りに底部14に回転自在に軸支された状態で底部14を貫通して搬送筒12の外部に突出している。
搬送筒12から突出した回転軸26の一端に対応して搬送筒12の側方にはモータ28が配置されており、回転軸26はモータ28の駆動力を受けて自らの軸線周りに回動する。
さらに、回転軸26の外周部には、回転軸26と共にスクリューコンベア24を構成する螺旋板30が回転軸26に対して一体に設けられている。螺旋板30は、回転軸26に対して同軸で且つ外径寸法が搬送筒12の内径寸法よりも小さな螺旋形状に形成されている。
一方、搬送筒12内部の回転軸26よりも開口端側には、加熱筒32が設けられている。加熱筒32は内周の一辺が搬送筒12の内径寸法に略等しい略矩形状(略正方形状)の枠状で、外周部に形成されたフランジ部34が、搬送筒12の開口端に形成されたフランジ部36にボルト等の締結手段によって一体的に固定されている。
加熱筒32の内側には、複数の加熱板38が設けられている。各加熱板38は、鉛直方向(上下方向)に沿って互いに離間し、かつ、廃プラスチック22の搬送方向(以下、単に搬送方向という。)上流側から搬送方向下流側に向かって離間間隔が次第に狭まるような状態(図1を参照)で、奥行き方向(図1における奥行き方向)両端部が加熱筒32の内周部に固定されている。
また、各加熱板38の内部には、加熱板38の奥行き方向に沿って長手とされたニクロム線(図示省略)が埋設されている。
ニクロム線は、制御盤44を介して電源46へ接続されており、制御盤44の操作により、ニクロム線に所定の電流が流れ、これにより、ニクロム線に抵抗熱が生じる。さらに、ニクロム線で生じた熱は加熱板38に伝導し、加熱板38が帯熱するようになっている。
また、加熱筒32の搬送方向下流側には、冷却テーブルとしての熱伝導性を有する冷却成形テーブル48が、加熱筒32から排出された後述する廃プラスチック溶融体80を受継ぎ可能に配置されている。冷却成形テーブル48は、上面視で搬送方向に沿って長手とされた略長方形状とされている。この冷却成形テーブル48は側壁部48A、48Bを備えており、図2に示されるように、冷却成形テーブル48の奥行き方向両端部からは、これらの側壁部48A、48Bが互いに対向して立設されている。従って、冷却成形テーブル48は、搬送方向と直交する断面から見て、略U字状とされている。
また、この冷却成形テーブル48の内部には、循環槽としての水槽50が形成されている。水槽50は、冷却テーブル48の外形に相似な形状とされており、搬送方向と直交する断面の形状が略U字状とされている。この水槽50は、液状の冷却媒体としての冷水62を蓄えたタンク64(図1では図示省略、図2を参照)に連結されている。
タンク64は、熱伝導性を有しており、その内部に蓄えられた冷水62を自然放冷させることにより冷却する。また、タンク64は、その下部の位置が、側壁部48Aの上部の位置と略同じ高さに配置されている。このタンク64の下部は、パイプ66を介して側壁部48Aの上部で水槽50に連通している。さらに、タンク64の上部は、パイプ68を介して側壁部48Bの上部で水槽50に連通している。このため、冷却成形テーブル48の上面48Cの下方及び側壁部48A、48Bの内部、すなわち水槽50がこのタンク64から供給された冷水62で満たされており、冷却成形テーブル48の上面48C及び側壁部48A、48Bは、水槽50の冷水62によって冷却されている。従って、冷却成形テーブル48は、その上面48Cに搬送された廃プラスチック溶融体80及び後述する廃プラスチック成形体82を冷却する機能を有している。なお、タンク64は、その下部の位置が、側壁部48Aの上部の位置よりも上方に配置されていてもよい。
また、廃プラスチック処理装置10では、冷水62の流路が上述のように形成されているため、冷水62の温度分布にむらが生じると、冷水62が水槽50とタンク64との間で自然対流し、水槽50とタンク64とを循環できるようになっている。
さらに、冷却成形テーブル48の上方には、成形ロール52、54が、冷却成形テーブル48の上面と対向した状態で搬送方向上流側から搬送方向下流側に沿って順に配置されている。成形ロール52、54は、これらの駆動源となるモータ(図示省略)の回転軸と、駆動チェーン、駆動ベルト等の連結部材(図示省略)を介してそれぞれ連結されており、それぞれ同一方向へ回転するようになっている。またさらに、成形ロール52、54と冷却成形テーブル48の上面との間には、所定間隔の隙間が設けられており、これらの隙間の寸法によって、上記廃プラスチック成形体82の厚さ寸法が決定される。
さらに、成形ロール54の搬送方向下流側には、冷却送風機56が、その送風口を冷却成形テーブル48の上面と対向させた状態で配置されている。冷却送風機56の送風口と冷却成形テーブル48の上面との間には、上記廃プラスチック成形体82の厚さ寸法よりも大きな寸法の隙間が形成されており、冷却送風機56は、この廃プラスチック成形体82の上面に送風することができるように配置されている。
また、冷却成形テーブル48の搬送方向下流側には、カッタ58が配置されている。カッタ58は、カッタ支持体(図示省略)に支持されており、この支持体に連結された駆動源(図示省略)により上下方向に移動可能とされている。カッタ58は、廃プラスチック成形体82をその厚さ方向上方から切断して廃プラスチック成形品84を形成するために使用される。
次に、本発明の第1の実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本廃プラスチック処理装置10では、先ず、制御盤44が操作されて各加熱板38に埋設されたニクロム線に電流が流れ、これにより、廃プラスチック22を溶融可能な程度の抵抗熱が各ニクロム線に生じ、更に、ニクロム線で生じた抵抗熱は加熱板38に伝導し、これによって、廃プラスチック22を溶融可能な温度の熱を加熱板38が帯びる。
次いで、この状態でモータ28が作動させられ、スクリューコンベア24の回転軸26がその軸線周りに回転させられる。このスクリューコンベア24の回転状態で投入ホッパ16の上側開口端から粗砕された廃プラスチック22が投入される。
投入ホッパ16内を落下した廃プラスチック22は、投入ホッパ16の下側開口端及び搬送筒12の開口部20を通過して搬送筒12内部の底部14の近傍に収容される。
この状態では、搬送筒12内でスクリューコンベア24が回転軸26周りに回転しているため、スクリューコンベア24の螺旋板30に押圧されて搬送筒12の開口端側へ向けて廃プラスチック22が移動させられる。
搬送筒12の開口端近傍に達した廃プラスチック22は、後続の廃プラスチック22によって押圧されて、加熱板38の搬送筒12側端部に押し当てられる。
この状態では、廃プラスチック22の溶融が可能な程度に加熱板38が帯熱しているため、廃プラスチック22は加熱板38の搬送筒12側端部に押し当てられた部分から漸次溶融する。
さらに、後続の廃プラスチック22に押圧された廃プラスチック22は、加熱板38の搬送筒12側端部を経て加熱板38の厚さ方向端面に接触し、これにより、更に溶融され減容しつつ加熱板38の間を通過する。次いで、このようにして減容された廃プラスチック(以下、廃プラスチック溶融体80という)は、加熱筒32の搬送筒12とは反対側の開口端から排出される。
次いで、廃プラスチック溶融体80は、冷却成形テーブル48の上面48Cに搬送供給される。廃プラスチック溶融体80が冷却成形テーブル48の上面48Cに供給されている際には、廃プラスチック溶融体80(特に、廃プラスチック溶融体80の下部)が冷却成形テーブル48の上面48Cによって冷却される。これと共に、廃プラスチック溶融体80(特に、廃プラスチック溶融体80の側部)が冷却成形テーブル48に備えられた一対の側壁部48A、48Bによっても冷却される。またこれと共に、上記の奥行き方向(冷却成形テーブル48の側壁部48Aと側壁部48Bとが対向する対向方向)において、廃プラスチック溶融体80の寸法が制限される。従って、廃プラスチック22の冷却効率が良くなると共に廃プラスチック溶融体80の奥行き方向両端の形状を整えることができ、より一層効果的である。
また、廃プラスチック溶融体80が冷却成形テーブル48と成形ローラ52、54との間に搬送供給されると、この廃プラスチック溶融体80は、冷却成形テーブル48によって冷却されながら成形ローラ52と冷却成形テーブル48によって圧縮成形される。
このような廃プラスチック処理装置10は、廃プラスチック溶融体80を成形ローラ52、54と冷却成形テーブル48によって冷却しながら成形するという簡単な構成となっているため、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またさらに、廃プラスチック処理装置10を小型化することで省スペースで設置することもできる。
また、廃プラスチック溶融体80が冷却成形テーブル48の上面48C上で搬送される際に、上記廃プラスチック溶融体80は成形ローラ52、54によって冷却されながら2回圧縮成形される。このように廃プラスチック溶融体80を複数回圧縮成形することで、廃プラスチック溶融体80を所望の形状にすることが容易にできる。
このようにして成形された廃プラスチック(以下、廃プラスチック成形体82という)は、冷却成形テーブル48の搬送方向下流側に搬送され、カッタ58によって廃プラスチック成形体82の厚さ方向上方から切断される。この結果、廃プラスチック成形品84が出来あがる。
次に、冷水62がタンク64と水槽50とを循環する仕組みについて説明する。
タンク64に蓄えられた冷水62は、タンク64内部で冷水62にかかる圧力によって上記タンク64の下部から排出されると、側壁部48Aの上部を経て水槽50に供給される。次いで、冷水62は、水槽50内を流動しながら冷却成形テーブル48を冷却する。この結果、冷却成形テーブル48と冷水62との間の熱交換が効率良く行える。
この冷水62は、冷却成形テーブル62の熱を吸収して温度上昇すると、自然対流し側壁部48Bの上部を経てタンク64の上部に流動する。タンク64は熱伝導性を有しているため、温度上昇した冷水62は、タンク64で自然放冷される。従って、自然放冷により温度が低下した冷水62は、自然対流しタンク64の下部へ流動する(図2における矢印の向きを参照)。
このように、冷水62が廃プラスチック処理装置10の内部を循環するため、冷水62を循環させるためのポンプや、温度上昇した冷水62を冷却する冷却装置が不要となる。従って、廃プラスチック処理装置10は、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またこの場合、廃プラスチック処理装置10は、冷水62を円滑に循環させることができ、廃プラスチック溶融体80及び廃プラスチック成形体82の冷却に、より一層効果的である。
さらに、廃プラスチック処理装置10は、冷水62を繰り返し利用するので、廃プラスチック溶融体80及び廃プラスチック成形体82の冷却に要するコストを抑えることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態では、2個の成形ローラ(成形ローラ52、54)によって廃プラスチック溶融体80を冷却しながら2回圧縮成形するものとしたが、本発明はこれに限らない。本発明は、成形ローラによる廃プラスチック溶融体80の圧縮成形回数を2回に限る必要はなく、例えば、成形ローラを3個設けて廃プラスチック溶融体80を冷却しながら3回圧縮成形するというように、成形ローラの数を変更して廃プラスチック溶融体80の圧縮成形回数を適宜変更してもよい。
また、本発明の第1の実施の形態では、液状の冷却媒体として冷水62を用いたが、本発明はこれに限らない。本発明は、例えば、エチレングリコール等の液状の冷却媒体を上記冷水62の代わりに用いてもよい。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る廃プラスチック処理装置10は、上述した本発明の第1の実施の形態において、水槽50とタンク64とを連通させるパイプの配管を変更したものである。なお、上述した本発明の第1の実施の形態と同一構成、同一作用、及び同一効果を有する箇所には、同一符号を付してその説明を省略する。
図3は、本発明の第1の実施の形態で用いた図2に対応する図である。この図に示されるように、タンク64は、その下部の位置が、側壁部48Aの下部の位置と略同じ高さに配置されている。このタンク64の下部は、パイプ70を介して側壁部48Aの下部で水槽50に連通している。さらに、タンク64の上部は、パイプ72を介して水槽50に連通している。ここで、パイプ72は、タンク64の上部から水槽50に向かって途中で2つのパイプ72A、72Bに分岐している。パイプ72Aは側壁部48Aの上部で水槽に50に連通しており、一方、パイプ72Bは側壁部48Bの上部で水槽50に連通している。このため、冷却成形テーブル48の上面48Cの下方及び側壁部48A、48Bの内部、すなわち水槽50がこのタンク64から供給された冷水62で満たされており、冷却成形テーブル48の上面48C及び側壁部48A、48Bは、水槽50の冷水62によって冷却されている。従って、本発明の第2の実施の形態においても上述した本発明の第1の実施の形態と同様に、冷却成形テーブル48は、その上面48Cに搬送された廃プラスチック溶融体80及び廃プラスチック成形体82を冷却する機能を有している。
また、本実施の形態においても、冷水62は、その温度分布にむらが生じると、水槽50とタンク64との間で自然対流し、水槽50とタンク64とを循環できるようになっている。
次に、本発明の第2の実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本発明の第2の実施の形態では、廃プラスチック溶融体80の成形処理については、上述した本発明の第1の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。以下、冷水62がタンク64と水槽50とを循環する仕組みについて説明する。
廃プラスチック溶融体80が冷却成形テーブル48の上面48Cに供給されると、冷水62が、水槽50内を流動しながら冷却成形テーブル48を冷却する。この結果、冷却成形テーブル48と冷水62との間の熱交換が効率良く行える。
この冷水62は、冷却成形テーブル48の熱を吸収して温度上昇すると、自然対流し側壁部48A、48Bの上部を経てタンク64の上部に流動する。タンク64は熱伝導性を有しているため、温度上昇した冷水64は、タンク64で自然放冷される。従って、自然放冷により温度が低下した冷水62は、自然対流しタンク64の下部、さらには側壁部48Aの下部(すなわち、冷却成形テーブル48の下部)を経て水槽50に供給される(図3における矢印の向きを参照)。
このように、冷水62が廃プラスチック処理装置10の内部を循環するため、冷水62を循環させるためのポンプや、温度上昇した冷水62を冷却する冷却装置が不要となる。従って、廃プラスチック処理装置10は、装置を小型化できると共に廉価にすることができる。またこの場合、廃プラスチック処理装置10は、冷水62を円滑に循環させることができ、廃プラスチック溶融体80及び廃プラスチック成形体82の冷却に、より一層効果的である。
さらに、廃プラスチック処理装置10は、冷水62を繰り返し利用するので、廃プラスチック溶融体80及び廃プラスチック成形体82の冷却に要するコストを抑えることができる。
なお、本発明の第2の実施の形態では、2個の成形ローラ(成形ローラ52、54)によって廃プラスチック溶融体80を冷却しながら2回圧縮成形するものとしたが、本発明はこれに限らない。本発明は、成形ローラによる廃プラスチック溶融体80の圧縮成形回数を2回に限る必要はなく、例えば、成形ローラを3個設けて廃プラスチック溶融体80を冷却しながら3回圧縮成形するというように、成形ローラの数を変更して廃プラスチック溶融体80の圧縮成形回数を適宜変更してもよい。
また、本発明の第2の実施の形態では、液状の冷却媒体として冷水62を用いたが、本発明はこれに限らない。本発明は、例えば、エチレングリコール等の液状の冷却媒体を上記冷水62の代わりに用いてもよい。
本発明の第1及び第2の実施の形態に係る廃プラスチック処理装置の構成を示す正面断面図である。 本発明の第1の実施の形態における、図1の2−2線に沿った断面図である。 本発明の第2の実施の形態において、第1の実施の形態の図2に対応する図である。
符号の説明
10 廃プラスチック処理装置
48 冷却成形テーブル(冷却テーブル)
48A 側壁部
48B 側壁部
50 水槽(循環槽)
52 成形ローラ
54 成形ローラ
62 冷水(冷却媒体)
64 タンク
80 廃プラスチック溶融体(溶融状態の廃プラスチック)

Claims (4)

  1. 上面に供給された溶融状態の廃プラスチックを冷却すると共に、前記廃プラスチックの側部を冷却する一対の側壁部を備えた冷却テーブルと、
    前記冷却テーブルと対向して配置され、前記冷却テーブルとの間に搬送された前記廃プラスチックを前記冷却テーブルと協働して成形する成形ローラと、
    を備えた廃プラスチック処理装置。
  2. 上面に供給された溶融状態の廃プラスチックを冷却する冷却テーブルと、
    前記冷却テーブルと対向して配置され、前記冷却テーブルとの間に搬送された前記廃プラスチックを前記冷却テーブルと協働して成形する成形ローラと、
    前記冷却テーブルの内部に設けられ、前記廃プラスチックを冷却するための液状の冷却媒体を循環させる循環槽と、
    を備え
    前記冷却テーブルの循環槽と連通し前記冷却媒体を蓄えたタンクを有し、かつ、前記冷却媒体を前記タンクにおいて自然放冷させると共に、前記タンクと循環槽との間で自然対流させる、
    ことを特徴とする廃プラスチック処理装置。
  3. 前記タンクは、その下部の位置が、前記一対の側壁部のうち一方の上部の位置と略同じ高さ又はそれよりも上方に配置され、
    前記タンクの下部を前記一方の側壁部の上部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させると共に、前記タンクの上部を前記他方の側壁部の上部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させた、
    ことを特徴とする請求項2記載の廃プラスチック処理装置。
  4. 前記タンクは、その下部の位置が、前記冷却テーブルの下部の位置と略同じ高さに配置され、
    前記タンクの下部を前記冷却テーブルの下部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させると共に、前記タンクの上部を前記側壁部の各々の上部で前記冷却テーブルの循環槽に連通させた、
    ことを特徴とする請求項2記載の廃プラスチック処理装置。
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