JP4569034B2 - ガスセンサ素子の出力特性調整方法 - Google Patents

ガスセンサ素子の出力特性調整方法 Download PDF

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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/407Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,車両用内燃機関の燃焼制御用の空燃比センサ素子等に利用されるガスセンサ素子に関する。
【0002】
【従来技術】
車両用内燃機関の排気系に設置され,内燃機関の燃焼制御に利用される空燃比センサが知られている。
この空燃比センサに内蔵される空燃比センサ素子の電圧−電流特性は,後述する図5,図7〜図9に示すごとく,ある電圧値までは印加電圧に比例した大きさの電流が流れ,その後,電圧がふえても電流値が変化しなくなるフラット域があらわれる。その後,再び電圧と電流とが比例するような状態を呈する。
上記フラット域における電流値は限界電流値と呼ばれ,この限界電流値を利用することで,空燃比センサ素子は内燃機関の空燃比を測定するのである。
【0003】
ところで,限界電流値は同じ仕様の素子であっても,例えば製造誤差等によってばらつくことがある。正確な空燃比測定のためには,いずれの素子についても同一の被測定ガスに曝された際には,同一の限界電流値を呈する必要がある。
【0004】
そこで従来は,特開平8−193974号に示されるごとく,例えば被測定ガス側電極上に設けた限界電流値を制御する拡散抵抗部を素子の限界電流値に応じて適宜切り落とす,切削する等して拡散抵抗部の厚み等を変更することで限界電流値を調整していた。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来方法は素子の機械的加工を伴うため,面倒であった。
更に,機械的加工そのものの加工精度から,非常に精密に限界電流値が揃った素子を得ることは困難であった。
【0006】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,出力特性値が非常に精密に揃ったガスセンサ素子を容易に得ることができる,ガスセンサ素子の出力特性の調整方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,固体電解質体と,該固体電解質体に設けた被測定ガス側電極と基準ガス側電極とよりなるガスセンサ素子であって,
上記ガスセンサ素子の上記被測定ガス側電極と上記基準ガス側電極との間に,該ガスセンサ素子の活性温度以上の雰囲気において,通電することにより出力特性値を所定の値とすることを特徴とするガスセンサ素子の出力特性調整方法にある。
【0008】
本発明の作用につき出力特性値として限界電流値を採用した場合を例にとって説明する。
ガスセンサ素子に対し通電することで,素子の限界電流値が変化する。
図5に示すごとく,あるガスセンサ素子の通電前と通電後の限界電流特性を見ると,空燃比が18での限界電流値は同図に示す矢線方向に上昇し((1)から(2)へとフラット域が移動する),空燃比が13の場合は同図に示す矢線方向に低下している((3)から(4)へとフラット域が移動する)。
【0009】
従って,当初はガスセンサ素子を所望の限界電流値よりも若干低めまたは高めとなるような仕様で製造しておき,その後,通電により限界電流値を所望の値に調整する方法を採用する
この点について縦軸に限界電流値,横軸に通電時間を採用した図4を用いて説明する。
まず,ここで所望の限界電流値I0とし,一方通電前の各ガスセンサ素子の限界電流値は同図に示す範囲M内にあるとする。
【0010】
この場合,同図に示す曲線A,B,Cに示すごとく,通電時間に応じて限界電流値が増大する。そこで,ガスセンサ素子に通電を行ない,限界電流値がI0となったA1,B1,C1の時点で通電をやめれば,所望の限界電流値を持ったガスセンサ素子を得ることができる。なお,通電前の限界電流値が高いAは通電時間が短くて済み,通電前の限界電流値が低いCは通電時間が長くかかる。
以上により,確実かつ正確に出力特性値の代表例である限界電流値が一定となったガスセンサ素子を製造することができる。
【0011】
また,本発明にかかる方法によれば,完成したガスセンサ素子に通電することで,限界電流値の調整を行なうことができる。
この方法は,ガスセンサ素子そのものに対して手を加える必要がなく,さらに製造されたガスセンサ素子の全数に対して通電処理を施すことが可能である。更に,通電処理は容易に実行可能で,手間やコストがあまりかからない。
このように,非常に容易にセンサ素子全数の調整を行なうことができる。
【0012】
従来は例えばロットごとに代表的な素子をサンプルとして取出し,このサンプルに対する必要な加工量にて,ロット全体を機械加工により処理していた。
この方法は個々のガスセンサ素子に応じた調整方法ではないので,多少なりともバラツキが残ってしまう。
本発明にかかる調整方法は個々のガスセンサ素子に対する調整であるため,非常に正確である。
【0013】
以上,本発明によれば,出力特性値が非常に精密に揃ったガスセンサ素子を容易に得ることができる,ガスセンサ素子の出力特性の調整方法を提供することができる。
【0014】
なお,上記通電はガスセンサ素子に設けた被測定ガス側電極,基準ガス側電極から電圧を印加して実行することができる。
または,被測定ガス側電極,基準ガス側電極と導通した状態にあるリード部や端子等から電圧を印加してもよい。
【0015】
次に,請求項2に記載の発明のように,上記通電はリーン雰囲気で行なうことが好ましい。
リーン雰囲気で通電した場合,限界電流値等の出力特性値が大きく(電圧の印加方向によっては正に大である場合も負に大であることもある。)なるため,調整を容易かつ確実に行なうことができる。
【0016】
上記リーン雰囲気とは,気化燃料や燃焼排ガス等を殆ど含んでいない雰囲気を指しており,本発明の通電の際に最も好ましい雰囲気として,大気雰囲気を挙げることができる。
また,その他にも窒素ガスやArガス等の不活性ガスよりなる雰囲気で通電を行なうこともできる。
【0017】
次に,本発明においては,上記通電は活性温度以上の雰囲気で行なう。
限界電流値等の出力特性値は温度に依存して変化し,活性温度以上の温度で安定するため,通電を活性温度以上の素子温度で行なうことで正確な調整を実現することができる。
【0018】
次に,請求項記載の発明のように,上記通電は600℃以上の雰囲気で行うことが好ましい。
ところで,ガスセンサ素子は活性化温度以上に加熱してやらねば,限界電流のフラット域のような出力特性を示さないことが知られている。
後述する実施形態例に記載したようなイットリアを含むジルコニア系固体電解質体よりなるガスセンサ素子は,温度600℃程度でガスセンサ素子の出力が安定しはじめる。
従って,本請求項に示すような通電を行うことで,上記構成のガスセンサ素子における限界電流特性等の出力特性を容易に調整することができる。
【0019】
次に,請求項記載の発明のように,上記被測定ガス側電極及び上記基準ガス側電極を含む一対の電極が複数設けられたガスセンサ素子において,少なくとも一つの電極に対して行われることが好ましい。
つまり,本発明にかかる方法は,複数のセル(一枚の固体電解質体の両面に電極が設けてあり,かつこれら3者が共同することで機能する電気化学的セルを指している)を持つ積層型の素子において特定のセル,または全てのセルに対して適用することができ,このような複雑な構成の素子に対する調整を容易に実現できる。
【0020】
本発明にかかる通電は,ガスセンサ素子をガスセンサに組み込んだ後,センサ外から通電しても本発明にかかる効果を得ることができるし,実施形態例に示したように,ガスセンサ素子そのものに対し通電しても効果を得ることができる。
【0021】
次に,請求項記載の発明のように,上記ガスセンサ素子はガス拡散抵抗部を有し,上記通電は限界電流域で行うことが好ましい。
これにより,限界電流値を上昇させることができる。
【0022】
また,本発明は,積層型のガスセンサ素子の他,コップ型のガスセンサ素子に対して適用することもできる。
【0023】
更に,空燃比測定用のガスセンサ素子でなくとも,例えば各種のNOx,HC,COの濃度を測定するガスセンサ素子のように限界電流値を利用して特定のガス濃度を測定するよう構成された素子であれば,本発明を適用することができる。
【0024】
さらに,本発明にかかる通電の際は,直流電流を印加しても,交流電流を印加してもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるガスセンサ素子の出力特性調整方法につき,図1〜図3を用いて説明する。
本例の調整方法は,図2(a),(b)に示すごとき,固体電解質体11と,該固体電解質体11に設けた被測定ガス側電極12と基準ガス側電極13とよりなるガスセンサ素子1に対して適用することができて,これに通電することにより限界電流値を所定の値とする調整方法である。
【0026】
以下,詳細に説明する。
本例のガスセンサ素子1は自動車内燃機関の排気系に設置され,内燃機関の燃焼制御に用いる空燃比センサに内蔵されて使用される。
また,このガスセンサ素子1は1セルタイプの積層型の素子である。
【0027】
図1,図2(a),(b)に示すごとく,本例のガスセンサ素子1は,イットリアを含むジルコニアよりなる固体電解質体11と大気を導入する導入部17が設けられた絶縁板13とよりなり,また,別の絶縁板16,22の間に通電により発熱する発熱体25を埋設して構成したヒータ2が一体的に配置されている。
【0028】
上記固体電解質体11は,表面側に白金を含む被測定ガス側電極12を,裏面側に白金を含む基準ガス側電極15を有する。ここに表面側が被測定ガスと対面する側で,裏面側が基準ガスと対面する側である。
また,上記固体電解質体11の表面側には,被測定ガス側電極12を保護する電極保護膜50が配置されている。
【0029】
また,上記被測定ガス側電極12には,ガスセンサ素子1における出力を取り出すためのリード部18と端子181とが延設されている。同様に,上記基準ガス側電極15においてもリード部19及びスルーホール(図示略)を介して表面側に端子191が延設されている。
【0030】
上記固体電解質体11の裏面側には,基準ガスの導入部17となる矩形の切り込み設けた絶縁板13が配置され,該絶縁板13の更に裏面側には,絶縁板16及び絶縁板22,両者の間に設けられた発熱体25とリード部26,27とよりなるヒータ2が配置されている。
【0031】
また,本例のガスセンサ素子の限界電流特性の一例を図5に示す。
同図は限界電流特性を(1)空燃比=18の時,(3)空燃比=13の時にそれぞれ測定したもので,空燃比=18の時のフラット域(電圧が変化しても電流値が殆ど変化しない領域)から限界電流値は0.5アンペア程度,空燃比=13のフラット域から限界電流値は−0.43アンペア程度である。
【0032】
このようなガスセンサ素子1を,図1に示すごとく,電源31と電流計32とを接続した回路3に設置する。ガスセンサ素子1に対する通電は被測定ガス側電極と基準ガス側電極とから行なう。実際には被測定ガス側電極と電気的に導通が取られた端子181,基準ガス側電極の電気的に導通がとられた端子191から電圧を印加する。
また,図示を略したが,電流計32を監視して,電流値32が所定値を越えた時に電源31からの電圧印加を停止する制御装置が設けてある。
【0033】
次に,本例にかかる調整方法の妥当性について以下のような試験を行なった。
まず,図2(a),(b)に記載した構成のガスセンサ素子を準備する。
これを図1に記載したような回路構成の装置を利用して,ガスセンサ素子1に対し通電する。
この通電に当たり,ガスセンサ素子1は素子温度が900℃±10℃に保持されており,また通電は大気中(つまりリーン雰囲気での通電が実現される。)で行なった。また,ガスセンサ素子1に加わる電圧は0.8Vとする。この大きさの電圧は電圧−電流特性においてフラット域に含まれる(空燃比=大気の時)。
また,上記通電時は直流電流を付与する。
【0034】
以上の条件で通電を開始し,通電時間の経過とともに変化する電流値を記録した。その結果を図3に記載した。
同図より知れるごとく,ガスセンサ素子から得られる電流値は時間の経過とともに増大した。ただし,ある程度以上の時間経過の後(だいたい4時間以降)は大きく増大しなかった。
以上の実験結果より,ある程度低めの限界電流値が得られるように,ガスセンサ素子を構成し,本例に記載したような方法でガスセンサ素子に通電することで,限界電流値の調整を行なうことができる,確実かつ正確に限界電流値が一定となったガスセンサ素子を製造することができることが分かった。
【0035】
また,本例にかかる方法によれば,完成したガスセンサ素子に通電することで,限界電流値の調整を行なうことができる。
また,この方法は,ガスセンサ素子そのものに対して手を加える必要がなく,さらに製造されたガスセンサ素子の全数に対して通電処理を施すことが可能である。更に,通電処理は容易に実行可能で,手間やコストがかからない。
このように,非常に容易にセンサ素子全数の調整を行なうことができる。
更に個々のガスセンサ素子に対する調整であるため,非常に正確である。
【0036】
以上,本例によれば,限界電流値が非常に精密に揃ったガスセンサ素子を容易に得ることができる,ガスセンサ素子の限界電流特性の調整方法を提供することができる。
【0037】
また,ガスセンサ素子を空燃比センサに組付けて,上記通電を行なっても同じ効果を得ることができる。
この時,ガスセンサ素子における端子に対し,電気的に導通したリード線が空燃比センサに設けてある。
従って,通電の際はこのリード線を利用してガスセンサ素子に対する通電を実行することができる。
【0038】
更に,空燃比センサは最終的に次のようなセンサシステムに取付けて,運用される。
つまり,上記リード線は最終的にガスセンサ素子駆動用の外部電源に接続されている。また,空燃比ガスセンサの外部には上記外部電源より通電した際に素子出力を監視する装置が設けてあるが,ここにおける素子出力とは上述の実験で測定した電流値と同義である。
センサシステムは上記外部電源や素子出力の監視装置を備えている。
従って,ガスセンサ素子を空燃比センサに組付けた後,上記センサシステムに対し設置し,センサシステム上から上述した通電による限界電流値の調整を行なうこともできる。
このような場合,調整に際して新たな調整装置等を準備する必要がないため,よりコスト安である。
また,直流電流を流しているので,安価で単純な直流電源を準備するだけで調整を行うことができる。
【0039】
また,限界電流値を利用してガス濃度の測定を行なうようなNOx,CO,HCガスセンサ素子についても同様の結果を得ることができる。
また,交流電流で調整を行うこともできる。この場合は,電極の正負の向きに関係なく接続することができるため,作業性に優れる。
【0040】
実施形態例2
本例はコップ型のガスセンサ素子の出力調整方法について説明する。
本例のガスセンサ素子3は,図6に示すごとき,ガスセンサ39に組みつけて使用され,また,この状態で本例にかかる出力調整が行われる。
【0041】
上記ガスセンサ39は筒状のハウジング31と該ハウジング31に挿通配置されたガスセンサ素子3と,上記ハウジング31の先端側に配置した被測定ガス側カバー311と,基端側に配置した大気側カバー312とよりなる。
【0042】
上記ガスセンサ素子3は,内部に大気室を設けたコップ状の固体電解質体とその外側面に設けた白金を含む被測定ガス側電極,内側面に設けた白金を含む基準ガス側電極とよりなる(図示略)。外側面が被測定ガスと対面する側で,内側面が基準ガスと対面する側である。基準ガスとして大気室に導入された大気が使用される。また,被測定ガス側電極を覆うようにこれを保護する電極保護膜が設けてある。
【0043】
また,固体電解質体の外側面,内側面には各電極と導通可能に構成されたリード部,端子部が同様に白金より構成されている。
大気側カバー312の内部において,取り出し端子321,322,接続端子323,324を介して,ガスセンサ3の外部に延設されるリード線325,326に対し,上記各電極の電気的導通が確保される。
なお,上記大気室には棒状のセラミックヒータ300が挿通配置され,このセラミックヒータ300に対して電圧を印可するヒータ用リード線335が設けてある。ただし,図6では2本のヒータ用リード線のうち1本が図示されていない。
【0044】
ガスセンサ素子3の出力調整は,図6に示すごとく,センサ39の外に引き出されたリード線325,326を通じて行う。
同図に示すごとく,リード線325,326に対し,電流計352と電源351とを正極側がリード取り出し端子322に接続されるリード線326へ,負極側がリード取り出し端子321に接続されるリード線325へ接続する。
また,符号353はヒータ電源で,これはヒータ用のリード線335及び図6から見えない位置にあるもう1本のヒーター用のリード線に接続される。
【0045】
この状態で,ヒーター電源353よりセラミックヒータ300に通電し,ガスセンサ素子3を素子温度850℃まで加熱する。その後,ガスセンサ素子3に1.3Vを印加する。
なお,本例のセンサ素子3において,温度850℃でのフラット域に上記印加電圧である1.3Vが含まれる(図8参照)。なお,フラット域とは電圧が変化しても電流が変化しない領域のことで,図7に記載したような領域をさしている。
【0046】
電圧印加開始後,電流計352の値をモニタしたところ,しばらくの間は急な上昇を続けたが,実施形態例1と同様に,約4時間後には電流計352の値は上昇し難くなった。この時点で電圧印加をやめた。
以上により出力特性値の調整を行うことができた。
【0047】
また,本例では出力調整時の電圧印加を850℃で行っている。
何故850℃が適切であったかについて以下に説明する。
図7に,本例のコップ型のセンサ素子3の温度600℃,温度850℃における電圧−電流特性を示す。
電圧−電流特性はあるところまでは電圧の増大と共に電流も増大するが,あるところから電圧が増大しても電流が増大しない,フラット域と呼ばれる部分が現れる。その後,電圧がある程度高くなると再び電圧に伴って電流が増大するようになる。
ただし温度が高いほうがより低電圧の印加でフラット域が登場する。また,電流に応じて電流が増大するが,その増大の率が急峻である。
【0048】
次に,図8に示すごとく,温度が850℃際の電圧−電流特性と共に温度が±10℃の範囲でばらついた時の特性を示す。
また,図9には,温度が600℃である場合の電圧−電流特性,温度が±10℃の範囲でばらついた時の特性を示す。
同図より,温度が600℃の場合は,電圧−電流の関係における増大時の傾きが大きいため,温度がばらついた際に印加した電圧がフラット域からはずれてしまう可能性が高くなる。
【0049】
同図より,本例で印加した1.3V(同図に示す破線L)が温度が600℃未満である場合はフラット域からはずれるおそれのあることがわかる。
このように,出力調整にあたり,温度を850℃とすることで確実に電圧をフラット域で印加することができ,仮に温度が600℃未満である場合は通電による出力調整が実施し難いことがわかる。
【0050】
実施形態例3
また,本発明にかかる出力調整方法は,図10,図11に示すごとき2セルタイプの積層型のガスセンサ素子4に対して適用することもできる。
本例の積層型のガスセンサ素子4は,被測定ガス中のガス濃度を検出するセンサセル401と被測定ガス室に対し酸素ガスをポンピングするポンプセル402とを有する。
【0051】
固体電解質体41,被測定ガスが導入される小室430を設けた絶縁板43,固体電解質体11と大気を導入する導入部170が設けられた絶縁板13,発熱体25とリード部26,27を設けたヒータ2を構成する絶縁板22が積層され,ガスセンサ素子4が構成されている。
【0052】
上記固体電解質体41の両面には一対のポンプ電極42,45が設けてあり,これらによりポンプセル402が構成される。
上記ポンプ電極42,45の中央には被測定ガスを小室430に導入するためのピンホール410が設けてある。上記小室430は電極12と対面するよう設けてある。
また,上記固体電解質体41にはポンプ電極42,45と導通したリード部421,451,電圧印加用の端子422,484,493が設けてある。
電極42はリード部421を介して端子422に接続されている。電極45はリード部451,スルーホール492を経て端子493に接続されている。
【0053】
また,上記固体電解質体11の両面には一対の電極12,15が設けてあり,これらによりセンサセル401が構成される。
電極12はリード部18と,電極15はリード部19と導通され,これらリード部18,19も固体電解質体11に設けてある。
そして,電極12はリード部18,導電性のスルーホール491,492を経て端子493に電気的に接続される。電極15はリード部19,導電性のスルーホール481,482,483を経て端子484に電気的に接続される。
【0054】
また,発熱体25と導通したリード部26,27は,それぞれ導電性のスルーホール260,270を経て端子261,271に電気的に接続される。
なお,端子261,271にはヒータ用電源290を備えた回路29が接続される。
【0055】
このガスセンサ素子4に対し出力調整を行うには,端子484と端子493に接続された,電源486と電流計485を備えた回路48,端子422,端子493に接続された,電源496と電流計495を備えた回路49を用いて,センサセル401とポンプセル402に対しそれぞれ通電することにより行う。
【0056】
このような構成の積層型のガスセンサ素子4についても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ガスセンサ素子に対する通電の説明図。
【図2】実施形態例1における,ガスセンサ素子の(a)断面説明図,(b)斜視展開図。
【図3】実施形態例1における,電流と通電時間との関係を示す線図。
【図4】実施形態例1における,限界電流値と通電時間との関係を示す線図。
【図5】実施形態例1における,空燃比18及び13の際の電圧と電流との関係を示す線図。
【図6】実施形態例2における,コップ型のガスセンサ素子を内蔵したガスセンサの説明図。
【図7】実施形態例2における,ガスセンサ素子の温度850℃,600℃における電圧と電流との関係を示す線図。
【図8】実施形態例2における,ガスセンサ素子の温度850℃及び±10℃における電圧と電流との関係を示す線図。
【図9】実施形態例2における,ガスセンサ素子の温度600℃及び±10℃における電圧と電流との関係を示す線図。
【図10】実施形態例3における,2セルタイプのガスセンサ素子の斜視展開説明図。
【図11】実施形態例3における,2セルタイプのガスセンサ素子の断面説明図。
【符号の説明】
1...ガスセンサ素子,
11...固体電解質体,
12...被測定ガス側電極,
15...基準ガス側電極,

Claims (5)

  1. 固体電解質体と,該固体電解質体に設けた被測定ガス側電極と基準ガス側電極とよりなるガスセンサ素子であって,
    上記ガスセンサ素子の上記被測定ガス側電極と上記基準ガス側電極との間に,該ガスセンサ素子の活性温度以上の雰囲気において,通電することにより出力特性値を所定の値とすることを特徴とするガスセンサ素子の出力特性調整方法。
  2. 請求項1において,上記通電はリーン雰囲気で行なうことを特徴とするガスセンサ素子の出力特性調整方法。
  3. 請求項1又は2において,上記通電は600℃以上の雰囲気で行うことを特徴とするガスセンサ素子の出力特性調整方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記被測定ガス側電極及び上記基準ガス側電極を含む一対の電極が複数設けられたガスセンサ素子において,少なくとも一つの電極に対して行われることを特徴とするガスセンサ素子の出力特性調整方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において,上記ガスセンサ素子はガス拡散抵抗部を有し,上記通電は限界電流域で行うことを特徴とするガスセンサ素子の出力特性調整方法。
JP2001134424A 2000-06-20 2001-05-01 ガスセンサ素子の出力特性調整方法 Expired - Lifetime JP4569034B2 (ja)

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