JP4568427B2 - 錠剤の製造方法及び錠剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、錠剤の製造方法に関し、特に、目的の部位で、直ちに、錠剤が崩壊する錠剤の製造方法、スティッキング等を生じることなく刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤を製造することのできる錠剤の製造方法、錠剤中に、例えば、皮膜等を施した顆粒を含有する錠剤(いわゆるマルチプルユニット錠)を顆粒の機能を損なうことなく容易に製造することができる錠剤の製造方法に関する。
また、本発明は、口腔内等の、生体の標的部位で直ちに崩壊する錠剤、錠剤中に含まれる顆粒の機能が損なわれていない顆粒を含有する錠剤、並びに、徐放性等の機能を付与した錠剤であって、分割しても、そのような機能が損なわれることのない錠剤に関する。
背景技術
錠剤やカプセル剤は、携帯及び服用の上で極めて便利な製剤であり、特に、錠剤は、カプセル剤に比べ、水等とともに服用する際に、水等に浮くことがないので、老人や患者にとって服用しやすく、製造コストを低く抑えることができる等の種々の利点があり、内服用、口腔用等として最も汎用されている剤形である。
近年、医薬品の錠剤として、製品を一見して識別できるようにするため、錠剤の形状を、円形錠とは異なる形状にした異形錠剤や、錠剤に、会社名や薬品コードを刻印した錠剤や、錠剤に割線を設け、割線に従って錠剤を割ることで、患者の年齢や体重に合わせて最適な投与量の薬剤を患者に投与できるようにした割線入りの錠剤が急速に普及している。
また、錠剤には、粉末または顆粒を圧縮成形しただけの素錠、打錠した錠剤の表面に持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で皮膜を施したコーティング錠、疎水性または親水性の放出抑制物質の基剤マトリックス中に、有効成分を分散させて打錠したマトリックスタイプの錠剤(シングルユニット錠)や、図20(a)に示したような、有効成分を含有する顆粒102、賦形剤103及び滑沢剤104等を均一に混練した成形材料を打錠して製造した、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)101等がある。
錠剤(マルチプルユニット錠)101中に含まれる、有効成分を含有する顆粒102の各々としては、錠剤101の1回の服用で一定時間一定量の有効成分が連続的に放出されるようにしたり、例えば、顆粒102が腸等の目的の部位で溶けるようにするために、図20(b)に示したような、有効成分を含有する部分102aが、徐放性または腸溶性等の皮膜102bで覆われたものや、また、図20(c)に示したように、例えば、油脂、ワックス、ワセリン等の水に不溶性の基剤や、シリコーンゴム、プラスチック等の疎水性高分子材料等の基剤マトリックス102d中に有効成分102cを分散させ、基剤マトリックス102dからの有効成分102cの放出にともなって、基剤マトリックス102dの界面が後退し、有効成分102cが持続的に放出されるようにした顆粒等が用いられている。
従来、このような刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤や、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)は、一般に、内部滑沢法や外部滑沢法により製造されている。
ここに、内部滑沢法は、打錠機の杵と臼とを用いて成形材料を打錠して錠剤を製造する工程において、杵や臼に、打錠する成形材料が付着したり、杵臼間にギシツキが生じたりするのを防止して、円滑な打錠が行えるようにするためや、錠剤に、スティッキング(杵の表面に成形材料が付着し、錠剤表面に傷ができる現象)やキャッピング(錠剤の上部が帽子状に剥離する現象)やラミネーティング(錠剤が層状に剥離する現象)やバインディング(錠剤が臼から排出される時に、錠剤側面に縦傷ができる現象)を生じた不良品が発生するのを防止する目的として、打錠する成形材料中に、有効成分や賦形剤の他に、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク等の滑沢剤を混練し、これを圧縮成形して錠剤を製造する方法をいう。
また、外部滑沢法としては、例えば、特公昭41−11273号公報や、特開昭56−14098号公報に記載の錠剤の製造方法が、既に、提案されている。 図21は、特公昭41−11273号公報に記載の錠剤の製造方法を概略的に示す工程図である。
この錠剤の製造方法は、錠剤化すべき材料の所定量を臼内に充填する工程と、臼内に充填された材料を上下1組の杵を用いて圧縮して、錠剤化する工程と、錠剤を排出する工程とを備える、錠剤の製造方法において、図21(a)に示すように、臼151内に成形材料mを充填する工程の前段の工程として、臼151の上方所定位置に、滑沢剤Lを噴射する噴射ノズル159を設置し、噴射ノズル159が設置された位置にきた臼151に対応して設けられた上杵153の表面(下端面)153s及び下杵154の表面(上端面)154sに対して、噴射用ノズル159から滑沢剤Lを噴射させて、滑沢剤Lを塗布し、その後、図21(b)に示すように、臼151内に成形材料を充填し、臼151内に充填された成形材料mを、図21(c)に示すように、表面(下端面)153sに滑沢剤Lが塗布された上杵153と、表面(上端面)154sに滑沢剤Lが塗布された下杵154とを用いて圧縮し、錠剤を製造するようにしている。
尚、図21中、152で示す部材は、臼151を設けた、回転テーブルを示している(以下、図22において同じ)。
まだ、図22は、特開昭56−14098号公報に記載される、錠剤の製造方法を概略的に示す工程図である。
この錠剤の製造方法は、臼151内に成形材料を充填する工程の前段工程において、臼151の上方所定位置に、滑沢剤Lを散布する散布器156、及び、エアを噴射するノズル159を設け、図22(a)に示すように、散布器156が設置された位置にきた臼151に、散布器156内に滑沢剤Lを散布することで、図22(b)に示すように、この臼151に対応して設けられた下杵154の表面(上端面)154sに滑沢剤Lを載置した後、図22(c)に示すように、ノズル159が設けられた位置で、ノズル159から下杵154に対して圧縮エアを噴射して、下杵154の表面(上端面)154s上に載置されている滑沢剤Lを上方へ吹き飛ばして離散させ、この離散した滑沢剤Lを臼151の表面(内周面)151sや上杵153の表面(下端面)153sに付着させ、その後、臼151の表面(内周面)151s、上杵153の表面(下端面)153s及び下杵154の表面(上端面)154sに滑沢剤Lが塗布臼151、上杵154及び下杵154を用いて、成形材料(図示せず。)を圧縮して錠剤を製造するようにしている。
しかしながら、内部滑沢法により製造された錠剤では、錠剤の内部に滑沢剤が含まれることとなり、滑沢剤の撥水性等が原因となって、錠剤の崩壊時間が遅延し、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊することが要求される錠剤を製造するのが難しいという問題がある。
また、従来の内部滑沢法や外部滑沢法を用いて、刻印入りの錠剤や、割線入りの錠剤や、種々の形状の異形錠剤を製造すると、製造される錠剤に、スティッキングや、キャッピングや、ラミネーティングや、バインディングが生じ易くなるという問題がある。
また、内部滑沢法では、錠剤に実用的な硬度を得るには、高い打錠圧(通常、1トン(ton)/cm〜2トン(ton)/cm)が必要となり、このため、この方法で、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)101を製造しようとすると、錠剤101中に含まれる顆粒102の表面に形成した皮膜102bが打錠の際に破損したり、顆粒102に無理な力が加わったりして、顆粒102が塑性変形したり、破壊してしまったりして、錠剤101中に含まれる顆粒102の、速放性機能、徐放性機能、持続性機能、目的の部位で顆粒が溶けるという機能が得られなくなるという問題がある。
従来、顆粒102の表面に形成した皮膜102bが打錠の際に破損するのを防止する方法としては、特開昭62−103012号公報に記載の多重顆粒や、特開平2−106号公報に記載の味覚遮蔽剤を含有している咀嚼可能な薬物錠剤や、特開昭57−150612号公報に記載の速放性マイクロカプセル等が知られているが、これらは、いずれも、皮膜102bの構造や材料を製剤的に工夫したものであり、このような方法では、選択できる皮膜の構造や材料が限定され、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で通常使用される皮膜を使用することができないという問題がある。
また、打錠時における、顆粒の皮膜の破損を抑制して、その機能を保持する方法としては、多量の賦形剤中に顆粒を分散して打錠することにより実用的な錠剤強度を得る方法もあるが、この方法では、錠剤中に多量の顆粒を含有する錠剤は製造することができないという問題がある。
以上のような問題から、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)は、その適用錠剤が限られており、いわゆるマイクロカプセルと称される顆粒を含有する製剤は、服用し易い錠剤ではなく、服用がし難い、カプセル剤や、顆粒剤が主流となっている。
また、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止等の機能を付与した錠剤としては、打錠された素錠の表面に糖衣あるいはフィルムコーティング処理等の皮膜処理したシングルユニット系の錠剤が主流となっているが、このようなシングルユニット系の錠剤では、その構造上から、錠剤の表面に割線を入れた分割可能な錠剤にすると、錠剤を分割したときに、これとともに、皮膜も破壊されることとなり、錠剤に付与した機能が失われてしまうため、病院や医院等の臨床医や薬剤師等からの、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止等の機能が付与された錠剤で、個々の患者にあわせて、きめ細かく、適切な用量を設定できる、分割可能錠を販売して欲しい、という要望には応えられない。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであって、本発明の第1の目的は、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊することが要求される錠剤を製造する錠剤の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤を製造する際に、製造される刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤に、スティッキングや、キャッピングや、ラミネーティングや、バインディング等が生じ難い錠剤の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)を、その錠剤中に含まれる顆粒(マイクロカプセルとも称される。)の機能を損なうことなく製造することができる錠剤の製造方法、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)であって、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊する錠剤、並びに、顆粒の表面に形成する皮膜の構造や材料を特に工夫することなく、錠剤中に含まれる顆粒の機能が損なわれていない、顆粒を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)を提供すること、更には、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止等の機能を付与した錠剤であって、錠剤を分割しても、そのような機能が損なわれることのない、錠剤を分割して使用することができるように割線を設けた錠剤を提供することにある。
発明の開示
本発明者等は、錠剤の製造方法について、長年、研究を続けてきた結果、打錠機の杵と臼とを散布室内に収容し、散布室内に、空気脈動波を発生させて、杵の表面及び臼の表面に、滑沢剤を塗布し、滑沢剤が表面に塗布された杵と、滑沢剤が表面に塗布された臼とを用いて、成形材料を打錠すると、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤を製造しても、製造される刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤にスティッキングや、キャッピングや、ラミネーティングや、バインディング等が生じ難くなることを、実験により、見い出し、鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
更に、本発明者等は、既に、本発明者等が提案している、特開平7−124231号公報に記載の錠剤の製造方法は、単に、杵や臼に成形材料が付着するのを防止して、円滑に、長時間、安定して、連続打錠することができるのみならず、滑沢剤の使用量を著しく減らしても、杵や臼に成形材料が付着することなく、錠剤を製造することができることを知見し、この方法を用いれば、極めて、低圧で打錠しても、製造される錠剤が十分な実用的な硬度を有し、且つ、崩壊時間が遅延することがない錠剤を製造することができるのではないかと考え、鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1に記載の錠剤の製造方法は、臼と上下1組の杵とを用いて、少なくとも、有効成分を含む錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、有効成分を含む成形材料を準備する工程と、臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容し、散布室内に、空気脈動波を発生させるとともに、空気に混和した滑沢剤を噴霧して、空気脈動波に混和した状態下で、散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤を塗布する工程と、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、成形材料を打錠する工程とを備える。
尚、本発明に係る錠剤の製造方法で用いる滑沢剤としては、種々のものを用いることができ、特に限定されることはないが、例えば、ステアリン酸金属塩(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等)、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、アラビアゴム末、カルナウバロウ、無水珪酸、酸化マグネシウム、珪酸水和物、デンプン、ホウ酸、脂肪酸ナトリウム塩、ロイシン等の通常用いられる滑沢剤(粉末)であれば、いずれをも使用することができ、目的に応じて、単独で使用しても、これらの滑沢剤を2以上組み合わせて使用してもよい。
また、本発明に係る錠剤の製造方法では、成形材料中には、有効成分の他に、錠剤の形態賦与のために、賦形剤が適宜加えられる。
そのような賦形剤としては、種々のものを用いることができ、糖類(乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール等)、デンプン(例えば、バレイショ、コムギ、トウモロコシ等)、無機物(炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等)、結晶セルロース、植物末(カンゾウ末、ゲンチアナ末等)等の粉末をあげることができる。
また、有効成分を含む成形材料中には、有効成分や賦形剤の他に、必要により、結合剤、溶解補助剤や可溶化剤や崩壊剤等の補助剤、矯味剤、着色剤、製剤用添加剤、抗酸化剤、保存剤、遮光剤、帯電防止剤、芳香剤、甘味剤、流動化剤、香味剤等を含んでいてもよいが、滑沢剤は含まない粉粒体材料を意味する。
また、本発明「空気脈動波」は、空気圧が変動する空気の波を意味する。空気脈動波としては、その空気圧が、正圧、負圧のいずれを問わず、散布室内の全域に空気振動を生じさせて、散布室内に噴霧された滑沢剤の粒子を強制的に拡散させる作用を発揮するものであれば、種々の条件(振幅、波長、波形、振動数、周期)の空気脈動波を用いることができる。
ここに、「正圧の空気脈動波」は、空気脈動波の山と谷とがともに、散布室外の大気圧より高い空気脈動波、及び、空気脈動波の山が散布室外の大気圧より高く、谷が散布室外の大気圧に概ね等しい空気脈動波の双方を意味する。
また、「負圧の空気脈動波」は、空気脈動波の山と谷とがともに、散布室外の大気圧より低い空気脈動波、及び、空気脈動波の山が散布室外の大気圧に概ね等しく、谷が散布室外の大気圧より低い空気脈動波の双方を意味する。
尚、このような空気脈動波は、打錠機の杵、臼の大きさや形状、散布室の大きさや形状、滑沢剤の噴霧手段の構成、滑沢剤の噴霧手段の設けられる位置、有効成分の物理的性状等によっても異なってくるので一概には規定できないが、実験に基づいて容易に規定できる。
この錠剤の製造方法では、散布室内に、空気脈動波を発生させるとともに、滑沢剤を噴霧している。この結果、散布室内に、噴霧された滑沢剤は、空気脈動波に混和する。
そして、この錠剤の製造方法では、滑沢剤が空気脈動波に混和された状態下、即ち、滑沢剤が臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにしている。
このような、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにすると、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する。尚、この事実は、本発明者等が実験により確かめた。
これにより、錠剤を製造する際に、成形材料が、臼や上下1組の杵に付着し難くなるので、この錠剤の製造方法によれば、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
更に、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する結果、錠剤1錠当りに使用する滑沢剤の使用量を、従来の内部滑沢法や外部滑沢法に比べ、著しく減らしても、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
これにより、錠剤の表面に、滑沢剤が僅かに付着しているだけの錠剤を製造することができるので、この錠剤の製造方法に従って製造される錠剤は、滑沢剤の撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという現象が、生じない。
従って、この錠剤の製造方法に従えば、生体の標的部位等の目的の部位で、直ちに、錠剤が崩壊する錠剤を製造することができる。
また、この錠剤の製造方法では、成形材料中に、滑沢剤が含まれていないため、錠剤を臼及び上下1組の杵とを用いて打錠する際に、打錠圧を従来の打錠圧より低くしても、実用的な硬度を有する錠剤を製造することができる。
これにより、錠剤中に、皮膜を表面に有する顆粒を含む錠剤を製造しても、顆粒の表面に設けられた皮膜を破壊することがない。
また、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させた顆粒を有する錠剤を製造しても、錠剤中に含まれるマトリックスの機能が損なわれない。
請求項2に記載の錠剤の製造方法は、臼と上下1組の杵とを用いて、少なくとも、有効成分を含む錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、有効成分を含む成形材料を準備する工程と、臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容し、散布室内に、空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧して、散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤を塗布する工程と、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、成形材料を打錠する工程とを備える。
この錠剤の製造方法では、散布室内に、空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしている。
そして、この錠剤の製造方法では、滑沢剤が空気脈動波に混和された状態下、即ち、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにしている。
このような、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにすると、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する。
これにより、錠剤を製造する際に、成形材料が、臼や上下1組の杵に付着し難くなるので、この錠剤の製造方法によれば、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
更に、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する結果、錠剤1錠当りに使用する滑沢剤の使用量を、従来の内部滑沢法や外部滑沢法に比べ、著しく減らしても、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
これにより、錠剤の表面に、滑沢剤が僅かに付着しているだけの錠剤を製造することができるので、この錠剤の製造方法に従って製造される錠剤は、滑沢剤の撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという現象が、生じない。
従って、この錠剤の製造方法に従えば、生体の標的部位等の目的の部位で、直ちに、錠剤が崩壊する錠剤を製造することができる。
また、この錠剤の製造方法では、成形材料中に、滑沢剤が含まれていないため、錠剤を臼及び上下1組の杵とを用いて打錠する際に、打錠圧を従来の打錠圧より低くしても、実用的な硬度を有する錠剤を製造することができる。
これにより、錠剤中に、皮膜を表面に有する顆粒を含む錠剤を製造しても、顆粒の表面に設けられた皮膜を破壊することがない。
また、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させた顆粒を有する錠剤を製造しても、錠剤中に含まれるマトリックスの機能が損なわれない。
請求項3に記載の錠剤の製造方法は、請求項2に記載の錠剤の製造方法で用いる、空気脈動波が、正圧の空気脈動波であることを特徴とする。
この錠剤の製造方法では、散布室内に、正圧の空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧する噴霧手段を設ければよいので、製造装置を簡単化できる。
また、本発明者等は、特開平7−124231号公報に記載の錠剤の製造方法では、極めて、低圧で打錠しても、製造される錠剤が十分な実用的な硬度を有しているということに着目し、この方法を用いれば、いわゆるマイクロカプセルと称される顆粒の皮膜を破損したり、錠剤中に含まれる顆粒を破壊したり、塑性変形等を生じることなく、顆粒を含有する錠剤を製造できるのではないかと考え、鋭意努力した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項4に記載の錠剤の製造方法は、臼と上下1組の杵とを用いて、少なくとも、有効成分を含有する顆粒を含む錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、有効成分を含有する顆粒と賦形剤とを均一に混練し、有効成分を含有する顆粒を含む成形材料を準備する工程と、臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容し、散布室内に、空気脈動波を発生させるとともに、空気に混和した滑沢剤を噴霧して、空気脈動波に混和した状態下で、散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤を塗布する工程と、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、有効成分を含有する顆粒を含む成形材料を打錠する工程とを備える。
ここに、「少なくとも、有効成分を含有する顆粒を含む錠剤」は、有効成分を含有する顆粒のみを打錠した錠剤、少なくとも、有効成分を含有する顆粒と、希釈剤、増量剤、充填剤、補形剤等の賦形剤とを均一に混練した成形材料を打錠した錠剤の双方を含み、更には、他に、成形材料中に、溶解補助剤、可溶化剤、崩壊剤等の補助剤や、抗酸化剤、保存剤、遮光剤、帯電防止剤、芳香剤、甘味剤、流動化剤、香味剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。
また、「有効成分を含有する顆粒」は、少なくとも、有効成分(主薬)を含む部分の表面に、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で皮膜を施した顆粒や、基剤マトリックス中に有効成分を分散して形成した顆粒も含む。
有効成分(主薬)を含む部分の表面に被覆する皮膜用のコーティング剤は、特殊なものである必要はなく、一般的に使用されている、糖衣、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMC)、カルメロース等のフィルムコーティング剤や、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート(HPMCAS)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)等のセルロース系、メタアクリル酸コポリマー等のアクリル酸系、セラック等の天然物系等の腸溶性コーティング剤、エチルセルロース(EC)、ショ糖エステル、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー、アクリル酸エチル−メタアクリル酸メチル共重合体等の徐放化コーティング剤などの他、特開昭57−150612号公報、特開昭62−103012号公報、特開平2−106号公報に記載の皮膜材料等、種々の材料を選択できる。
この錠剤の製造方法では、成形材料中に滑沢剤を含ませていないため、低い打錠圧で実用的な硬度を有する錠剤が製造できる。これにより、顆粒を含有する錠剤を、有効成分(主薬)を含む部分の表面に、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で皮膜の構造、材料や、基剤マトリックスの構造、材料を、特に、工夫しなくても、皮膜が破れることなく、また、顆粒が破壊されたり、塑性変形を起こしたりするといった現象を生じることなく、錠剤化することができる。
請求項5に記載の錠剤の製造方法は、臼と上下1組の杵とを用いて、少なくとも、有効成分を含有する顆粒を含む錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、有効成分を含有する顆粒と賦形剤とを均一に混練し、有効成分を含有する顆粒を含む成形材料を準備する工程と、臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容し、散布室内に、空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧して、散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤を塗布する工程と、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、有効成分を含有する顆粒を含む成形材料を打錠する工程とを備える。
この錠剤の製造方法では、成形材料中に滑沢剤を含ませていないため、低い打錠圧で実用的な硬度を有する錠剤が製造できる。これにより、顆粒を含有する錠剤を、有効成分(主薬)を含む部分の表面に、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で皮膜の構造、材料や、基剤マトリックスの構造、材料を、特に、工夫しなくても、皮膜が破れることなく、また、顆粒が破壊されたり、塑性変形を起こしたりするという現象を生じることなく、錠剤化することができる。
請求項6に記載の錠剤の製造方法は、請求項5に記載の錠剤の製造方法で用いる、空気脈動波が、正圧の空気脈動波であることを特徴とする。
この錠剤の製造方法では、散布室内に、正圧の空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧する噴霧手段を設ければよいので、製造装置を簡単化できる。
請求項7に記載の錠剤の製造方法は、成形材料中に含ませる、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)の好ましい例を提案するもので、請求項4〜6のいずれかに記載の錠剤の製造方法で用いる、有効成分を含有する顆粒が、有効成分と賦形剤とを含有する顆粒である、ことを規定している。
この錠剤の製造方法では、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)として、有効成分と賦形剤とを含有する顆粒を用いているので、賦形剤により、有効成分を含有する顆粒の粒径、大きさを、容易に変更できる。
これにより、例えば、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その表面に剤皮等を施しやすい粒径や大きさにすることで、錠剤の製造を容易に行える。
また、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その顆粒の機能を最大限引き出すことのできる粒径や大きさにすることができる。
請求項8に記載の錠剤の製造方法は、成形材料中に含ませる、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)の好ましい他の例を提案するもので、請求項4〜6のいずれか記載の錠剤の製造方法で用いる、有効成分を含有する顆粒が、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒である、ことを規定している。
ここに、「基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒」は、薬物放出制御して徐放製剤化するため、油脂、ワックス、ワセリン等の水に不溶性の基剤、あるいは、シリコーンゴム、プラスチック等の疎水性高分子マトリックス(matrix)中に、有効成分(粉末)を均一に分散させた顆粒を意味する。
この錠剤の製造方法では、錠剤を低い打錠圧で製造できるので、錠剤中に含ませる顆粒が基剤マトリックス中に有効成分を含有させているものであっても、基剤マトリックスの機能を破壊することなく、錠剤化できる。
請求項9に記載の錠剤の製造方法は、成形材料中に含ませる、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)の好ましい他の例を提案するもので、請求項4〜8のいずれかに記載の錠剤の製造方法で用いる、有効成分を含有する顆粒が、有効成分を含有する部分を皮膜で覆われた顆粒である、ことを規定している。
この錠剤の製造方法では、錠剤を低い打錠圧で製造できるので、錠剤中に含ませる顆粒が皮膜で覆われたものであっても、皮膜を破壊することなく、錠剤化できる。
尚、顆粒を皮膜でコーティングする方法としては、従来公知の流動層コーティング装置等のコーティング方法を用いればよい。
請求項10に記載の錠剤の製造方法は、請求項1又は請求項4に記載の錠剤の製造方法の、臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容する工程、散布室内に、空気脈動波を発生させるとともに、空気に混和した滑沢剤を噴霧して、空気脈動波に混和した状態下で、散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤を塗布する工程、及び、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、成形材料を打錠する工程を連続して行うことを特徴とする。
この錠剤の製造方法では、打錠工程において、杵や臼に成形材料が付着せず、製造する錠剤にスティッキング等が生じないことを利用して、連続打錠するようにしているので、工業的生産ベースで、有効成分を含有する錠剤、有効を含有する顆粒を含む錠剤を製造できる。
請求項11に記載の錠剤の製造方法は、請求項2又は請求項5に記載の錠剤の製造方法の、臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容する工程、散布室内に、空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧して、散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤を塗布する工程、及び、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、成形材料を打錠する工程を連続して行うことを特徴とする。
この錠剤の製造方法では、打錠工程において、杵や臼に成形材料が付着せず、製造する錠剤にスティッキング等が生じないことを利用して、連続打錠するようにしているので、工業的生産ベースで、有効成分を含有する錠剤、有効を含有する顆粒を含む錠剤を製造できる。
請求項12に記載の錠剤の製造方法は、請求項1〜11のいずれかに記載の錠剤の製造方法の、杵及び臼として、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤の雌型を構成する杵及び臼を使用することを特徴とする。
ここに、本明細書で用いる「異形錠剤」は、円形錠以外の錠剤を意味し、例えば、トラック型(カプセル型)や、ラグビーボール型や、3角形型、4角形型、5角形型その他の多角形型や、ダイヤモンド型、アーモンド型、砲弾型、半月型、ハート型、星型などの形状を有する錠剤を意味する。
この錠剤の製造方法では、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤の雌型を構成する杵及び臼に、空気脈動波を発生させた散布室内で、杵の表面及び臼の表面に、滑沢剤を塗布するようにしたので、従来の外部滑沢法に比べ、杵の表面及び臼の表面に、滑沢剤を均一に塗布できる。この結果、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤を打錠する工程において、杵の表面及び臼の表面に、成形材料が付着し難くなり、製造される刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤に、スティッキングや、キャッピングや、ラミネーティング等を生じ難い。
請求項13に記載の錠剤の製造方法は、請求項1〜12のいずれかに記載の錠剤の製造方法の、滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、成形材料を打錠する工程の打錠圧が、低圧であることを特徴とする。
ここに、「低圧」は、従来の内部滑沢法や、従来の外部滑沢法に比べ、打錠圧が低いことを意味する。より具体的に説明すると、この錠剤の製造方法は、1トン(ton)/cm未満の打錠圧を用いても、十分に、実用レベルの硬度を有する錠剤を製造できる。
この錠剤の製造方法では、成形材料を打錠する工程の打錠圧を、低圧にしているので、錠剤中に含ませる顆粒が皮膜で覆われたものであっても、皮膜を破壊することなく、錠剤化できる。また、錠剤中に含ませる顆粒が基剤マトリックス中に有効成分を含有させているものであっても、基剤マトリックスの機能を破壊することなく、錠剤化できる。
請求項14に記載の錠剤の製造方法は、請求項1〜13のいずれかに記載の錠剤の製造方法の、散布室内に噴霧する滑沢剤の噴霧量を、一錠剤当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下にしている。
錠剤の崩壊時間が延長したり、硬度が低下したりするのを防止するためには、滑沢剤の使用量は少なければ少ない方が好ましく、打錠する錠剤の一錠当りの使用量は、一錠剤当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下にすることが好ましい。
また、実験に基づけば、滑沢剤の使用量を、0.0001重量%以上0.1重量%未満としても、錠剤に、スティッキング等の打錠障害を生じることなく、連続して錠剤を製造できることが、明らかになった。
この方法を用いれば、散布室内に収容した臼の表面(内周面)、上杵の表面(下端面)、及び下杵の表面(上端面)の各所に対して、空気脈動波を用いて滑沢剤を塗布している、即ち、滑沢剤が臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を臼及び上下1組の杵の表面に塗布するようにしたので、微量の滑沢剤を、均一に、臼の表面(内周面)、上杵の表面(下端面)、及び下杵の表面(上端面)に滑沢剤を塗布できる。このため、散布室内に噴霧する滑沢剤の噴霧量は、有効成分の種類、賦形剤の種類、滑沢剤の種類にかかわらず、極めて微量であっても、成形材料が、打錠機の杵、臼にスティッキングするのを防止できる。したがって、一回の打錠に用いる滑沢剤の噴霧量を、極めて少なくすることができる。
この製造方法に従えば、製造される錠剤は、その内部に滑沢剤を殆ど含まず、且つ、製造される錠剤の表面に、滑沢剤が微量しか存在しないため、崩壊時間が遅延したりすることがない。
従って、この錠剤の製造方法で製造される錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊することが要求される錠剤を容易に製造できる。また、表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、所望の部位で溶けるので、目的の部位で溶ける錠剤を製造することができる。
更に、この錠剤の製造方法では、低い打錠圧で、錠剤の製造が可能になので、錠剤内部に、有効成分を含有する顆粒が含まれている錠剤を製造した場合に、打錠時に、有効成分を含有する顆粒が破壊されたり、塑性変形を起こすという現象が生じ難い、これにより、この錠剤の製造方法を用いれば、錠剤中に含まれる、有効成分を含有する顆粒に施した機能が損なわれ難い。
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、有効成分を含有する顆粒を含有する錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤本体が崩壊し、且つ、有効成分を含有する顆粒が、所定の目的の機能を発揮して溶解することが要求される錠剤を容易に製造できる。また、表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体が、直ちに、所望の部位で崩壊し、且つ、有効成分を含有する顆粒が、所定の目的の機能を発揮し溶解することが要求される、錠剤を容易に製造することができる。
請求項15に記載の錠剤は、賦形剤中に有効成分を含有する顆粒を含む錠剤本体の表面にのみ滑沢剤を有し、且つ、滑沢剤の使用量が、一錠剤当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下になるようにした。
錠剤の崩壊時間が延長したり、硬度が低下したりするのを防止するためには、滑沢剤の使用量は少なければ少ない方が好ましく、打錠する錠剤の一錠当りの使用量は、一錠剤当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下にすることが好ましい。
また、実験に基づけば、滑沢剤の使用量を、0.0001重量%以上0.1重量%未満としても、錠剤に、スティッキング等の打錠障害を生じることなく、連続して錠剤を製造できることが、明らかになった。
この錠剤は、錠剤の内部に滑沢剤を含まず、錠剤の表面に滑沢剤が微量しか存在しないので、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
従って、この錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊し、錠剤中に含まれていた、有効成分が、直ちに放出される。
また、錠剤本体の表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、目的の部位で溶けるので、目的の部位で、直ちに、有効成分が、直ちに放出される。
請求項16に記載の錠剤は、賦形剤中に有効成分を含有する顆粒を含む錠剤本体の表面にのみ滑沢剤を有する。
この錠剤は、錠剤の内部に滑沢剤を含まず、錠剤の表面に滑沢剤が微量しか存在しないので、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
従って、この錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊し、錠剤中に含まれていた、有効成分を含む顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)が、直ちに放出される。
また、錠剤本体の表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、目的の部位で溶けるので、目的の部位で、直ちに、有効成分を含む顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)が、直ちに放出される。
請求項17〜19に記載の錠剤は、請求項16に記載の錠剤の有効成分を含有する顆粒の好ましい構造を具体的に規定するものである。
即ち、請求項17に記載の錠剤は、請求項16に記載の錠剤の、有効成分を含有する顆粒が、有効成分と賦形剤とを含有する顆粒である、ことを特徴とする。
この錠剤では、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)として、有効成分と賦形剤とを含有する顆粒を用いているので、賦形剤により、有効成分を含有する顆粒の粒径、大きさを、容易に変更できる。
これにより、例えば、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その表面に剤皮等を施しやすい粒径や大きさにすることで、錠剤の製造を容易に行える。
また、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その顆粒の機能を最大限引き出すことのできる粒径や大きさにすることができる。
請求項18に記載の錠剤は、請求項16に記載の錠剤の、有効成分を含有する顆粒が、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒である、ことを特徴とする。
この錠剤は、増量のために用いられている賦形剤中に滑沢剤を含んでいないため、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
しかも、この錠剤は、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒を含んでいるため、基剤マトリックスが、所定の目的の機能を発揮する。
例えば、基剤マトリックスが、持続性を目的としている場合にあっては、この基剤マトリックスにより、この錠剤は、持効性をも合わせ持つことになる。
したがって、例えば、錠剤中に、皮膜が施されていない、有効成分を含む顆粒と、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒とを混在させれば、この錠剤では、錠剤が直ちに崩壊し、錠剤が崩壊した際に、直ちに、皮膜が施されていない有効成分を含む顆粒と、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒とが、錠剤から放出される。皮膜が施されていない顆粒中に含まれる、有効成分は、錠剤が崩壊すれば、直ちに、体内へ吸収される。これにより、この錠剤は、即効性が優れている。
且つ、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒は、例えば、基剤マトリックスが持続性を目的とする場合には、この基剤マトリックスの機能により、この錠剤は、持続性に優れている。
即ち、この錠剤は、即効性と持続性とを合わせ持つ。
この結果、例えば、有効成分が、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤であるような場合には、錠剤中に、皮膜が施されていない、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒と、基剤マトリックス中に、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒とを混在させることにより、患者が、服用すれば、患者の疼痛や炎症や発熱を直ちに改善するとともに、鎮痛効果、消炎効果や解熱効果が長く持続する、即効性のある、一日一回錠剤(once daily tablet)、即ち、クイックアンドスロウリリース錠剤(Quick&Slow release Tablet)といったような新規な錠剤を実現できる。
請求項19に記載の錠剤は、請求項16〜18のいずれかに記載の錠剤の、有効成分を含有する顆粒が、有効成分を含有する部分を皮膜で覆った顆粒であることを特徴とする。
この錠剤は、増量のために用いられている賦形剤中に滑沢剤を含んでいないため、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
しかも、この錠剤は、錠剤中に、有効成分を含有する顆粒を含んでいるため、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が、所定の目的の機能を発揮する。
例えば、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が、持続性を目的とした皮膜の場合にあっては、この皮膜により、この錠剤は、持効性をも合わせ持つことになる。
したがって、例えば、錠剤中に、皮膜が施されていない、有効成分を含む顆粒と、皮膜を施した、有効成分を含む顆粒とを混在させれば、この錠剤では、錠剤が直ちに崩壊し、錠剤が崩壊した際に、直ちに、皮膜が施されていない有効成分を含む顆粒と、皮膜が施されている有効成分を含む顆粒とが、錠剤から放出される。皮膜が施されていない顆粒中に含まれる、有効成分は、錠剤が崩壊すれば、直ちに、体内へ吸収される。これにより、この錠剤は、即効性が優れている。
且つ、皮膜が施されている有効成分を含む顆粒は、例えば、皮膜が持続性を目的とする皮膜である場合には、この皮膜の機能により、この錠剤は、持続性に優れている。即ち、この錠剤は、即効性と持続性とを合わせ持つ。
この結果、例えば、有効成分が、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤であるような場合には、錠剤中に、皮膜が施されていない、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒と、皮膜が施された、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒とを混在させることにより、患者が、服用すれば、患者の疼痛や炎症や発熱を直ちに改善するとともに、鎮痛効果、消炎効果や解熱効果が長く持続する、即効性を有する、一日一回錠剤(once daily tablet)、即ち、クイックアンドスロウリリース錠剤(Quick&Slow release Tablet)といったような新規な錠剤を実現できる。
請求項20に記載の錠剤は、請求項16〜19のいずれかに記載の錠剤の滑沢剤の使用量が、一錠剤当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下とされている。
滑沢剤の使用量は、少なければ少ないほど好ましく、より好ましくは、滑沢剤の使用量は、一錠剤当り、0.0001重量%以上0.1重量%未満である。
この錠剤は、錠剤の表面に、滑沢剤を微量しか存在しないため、崩壊時間が遅延したりすることがない。
請求項21に記載の錠剤は、請求項15〜20のいずれかに記載の錠剤の、錠剤本体の表面に、錠剤本体を分割するための割線を設けた。
この錠剤は、割線を有するので、割線に従って錠剤を容易に分割できる。これにより、患者の体重、年齢等に基づいた、最適な薬剤の投与量を、患者に服用させることができる。
請求項22に記載の錠剤は、請求項15〜21のいずれかに記載の錠剤の、錠剤本体の形状が、異形であることを特徴とする。
この錠剤では、錠剤本体の形状を異形にしているので、この形状により、容易に薬剤を識別できる。このため、臨床の場において、投薬ミスが発生しない。
請求項23に記載の錠剤は、請求項15〜22のいずれかに記載の錠剤の、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の15%以内である、ことを特徴とする。
錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差を、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の15%以内にすることができることは、本発明者等が実験に基づいて確かめた効果である。
また、本発明者等の実験により、この錠剤は、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差は、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の10%以内とすることができ、更には、この錠剤は、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差は、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の7.5%以内、更には、7.0%以内とすることもできる、ということも明らかになった。
この錠剤は、錠剤本体(素錠)の表面に、滑沢剤が均一に付着しているので、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間にバラツキが少ない。これにより、従来の錠剤では、製造するのが困難であった、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の15%以内の錠剤を極めて容易に製造することができる。
更には、従来の錠剤では、製造するのが極めて困難であった、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の10%以内の錠剤を容易に製造することができる。
更には、従来の錠剤では、本発明者等の知る限り、製造するのが不可能とされていた、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の7.5%以内、更には、7.0%以内の錠剤を製造することもできる。
この錠剤は、錠剤本体(素錠)の表面に、滑沢剤が均一に付着しているので、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間にバラツキが少ない。
これにより、錠剤間において、薬剤の効果や効果発現までの時間のばらつきがなくなる。
請求項24に記載の錠剤は、請求項15〜23のいずれかに記載の錠剤の、滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであることを特徴とする。
滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを用いると、錠剤中に含まれる滑沢剤の含有量は、マグネシウムを原子吸光度計にて、容易に測定できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、図面を参照しながら、本発明について、詳細に説明する。
(発明の実施の形態1)
発明の実施の形態1では、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊することが要求される錠剤を製造する錠剤の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
ここでは、ロータリ型錠剤機を用いた場合を例にして、本発明について説明する。
図1は、本発明を実施するために使用したロータリ型錠剤機の回転テーブルを中心に、その一部を拡大して概略的に示す構成図である。
また、図2は、図1に示す回転テーブルを中心に、その一部を拡大して概略的に示す断面図である。
このロータリ型錠剤機Aは、図1及び図2に示すように、回転可能に設けられ、且つ、円周方向に複数の臼1、・・・が設けられた回転テーブル2と、回転テーブル2に設けられた複数の臼1、・・・に対応して設けられた、複数の上杵3、・・・及び下杵4、・・・とを備えている。そして、臼1内に成形材料を充填する位置P2の前段位置P1には、散布室8が設置されており、散布室8には、空気脈動波発生装置7が接続され、且つ、散布室8内には、滑沢剤Lを噴射する噴射用ノズル9が設置された構成となっている。この例では、噴射用ノズル9には、圧縮空気を充填したボンベのような空気源10が接続されており、空気源10より発生させた空気により、噴射用ノズル9より滑沢剤Lが噴霧されるようにしてある。
次に、この装置Aを使用して、錠剤を製造する工程について説明する。
まず、回転テーブル2を所定の速度で回転し、回転テーブル2の回転に伴って、散布室8が設置された位置P1にきた臼1に、空気脈動波発生装置7を駆動して、散布室8内に空気脈動波を発生させるとともに、噴射用ノズル9から滑沢剤Lを噴霧して、臼1の表面(内周面)1s、上杵3の表面(下端面)3s、及び、下杵4の表面(上端面)4sに滑沢剤Lを塗布する。
次に、回転テーブル2の回転に伴って、臼1内に成形材料mを充填する位置P2にきた臼1に成形材料mを充填し、余分な成形材料mをすりきりした後、成形材料mが充填された臼1が、成形材料mを圧縮して錠剤を製造する位置P3にきたときに、表面(下端面)3sに滑沢剤Lが塗布された上杵3と、表面(上端面)4sに滑沢剤Lが塗布された下杵4とにより、成形材料mを圧縮して錠剤を製造し、更に、臼1が、位置P4にきた時に、臼1内から錠剤Tを排出して、錠剤を製造する。
図3(a)は、散布室8の構成を中心に示す概略的な構成図であり、図3(b)は、空気脈動波発生装置7を例示的に示す構成図である。
この例では、空気脈動波発生装置7は、導管13を介して散布室8に接続されている。
また、図3(b)中、71はブロアーを、72は円筒型の筒体を、73は筒体72内に回転軸74を中心にして、回転可能に、且つ、筒体72内を2分割するように設けられた弁体を、各々示す。筒体72の側面には、所定の位置に、導管13と、ブロアー71に連結される導管14とが接続されている。そして、弁体73は、弁体回転制御装置(図示せず。)により、所望の回転速度で回転できるようになっている。
ブロアー71を所定の回転数で回転させるとともに、弁体73を所定の回転速度で回転すると、図3(b)中、弁体73が、実線で示される位置にある時は、散布室8とブロアー71とが連通状態になり、また、弁体73が、想像線で示される位置にある時は、散布室8とブロアー71との間が弁体73により遮断された状態になり、例えば、図4(a)に示すような、山が大気圧で、谷が負の圧力の空気脈動波を散布室8内に発生させたり、また、図4(b)に示すような、山と谷とがともに負の圧力の空気脈動波を散布室8内に発生させることができる。 ここで、「負の圧力」とは、散布室8内の圧力が、散布室8外の圧力より低くなっていることを意味する。
散布室8内に、図4(a)または図4(b)に示すような、空気脈動波を発生した状態で、噴射用ノズル9より滑沢剤Lを噴霧すると、噴霧された滑沢剤Lは、空気脈動波により拡散し、散布室8内に収容された臼1の表面(内局面)1s、散布室8内に収容された臼1に対応して設けられた上杵3の表面(下端面)3sや、及び、下杵4の表面(上端面)4sに均一に塗布される。
のみならず、臼1の表面(内局面)1s、上杵3の表面(下端面)3sや、及び、下杵4の表面(上端面)4sに均一に滑沢剤Lを塗布できるために、散布室8内に噴霧する滑沢剤Lの噴霧量は、有効成分の種類、賦形剤の種類、滑沢剤の種類にかかわらず、極めて、微量であっても、成形材料mが、打錠機Aの臼1、上杵3及び下杵4にスティッキング等するのを防止できる。このため、一回の打錠に用いる滑沢剤Lの噴霧量を、極めて少なくすることができるようになる。
この製造方法では、この効果を利用して、散布室8内に噴霧する滑沢剤Lの噴霧量を極めて少なくした点に特徴があり、散布室8内に噴霧する滑沢剤Lの噴霧量を、一錠剤の重量当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下となるように調整している。更には、散布室8内に噴霧する滑沢剤Lの噴霧量を、一錠剤の重量当り、0.0001重量%以上0.1重量%未満となるように調整してもよい。
この製造方法に従えば、製造される錠剤Tは、その表面にのみ、臼1の表面(内局面)1s、上杵3の表面(下端面)3s及び下杵4の表面(上端面)4sに塗布されていた滑沢剤Lの一部が付着しているだけで、製造される錠剤Tの表面に、滑沢剤Lが極めて微量しか存在せず、錠剤Tの内部には、滑沢剤Lを殆ど含まない。このため、製造される錠剤Tは、従来の製造方法により製造された錠剤に比べ、錠剤T中に含まれる滑沢剤Lの使用量が著しく少ないので、従来の錠剤に見られたような滑沢剤Lの撥水性が原因して錠剤Tの崩壊時間が遅延するという問題が一切生じない。
また、成形材料m中には、滑沢剤Lが含まれていないため、滑沢剤Lを含んだ成形材料を打錠する場合に比べ、低い打錠圧(具体的には、1トン(ton)/cm未満の打錠圧)を用いて、打錠しても、製造される錠剤Tは、実用レベルの硬度を有する。
従って、この錠剤の製造方法に従って製造される錠剤(素錠)Tは、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤Tが崩壊することが要求される錠剤として適している。
また、錠剤Tの表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、目的の部位で溶けるので、目的の部位で溶ける錠剤を製造することができる。
また、この錠剤T中に、例えば、有効成分を含有する顆粒として、有効成分を含有する顆粒の表面に皮膜が施されたものを含ませた場合、この錠剤Tは、低圧で成形(打錠)できるため、圧縮成形時(打錠時)に、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が破壊されない。これにより、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が、所定の目的の機能を発揮する。
従って、例えば、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が、持続性を目的とした皮膜の場合にあっては、この皮膜により、この錠剤は、持効性をも合わせ持つことになる。
また、例えば、錠剤T中に、皮膜が施されていない、有効成分を含む顆粒と、皮膜を施した、有効成分を含む顆粒とを混在させれば、この錠剤Tでは、錠剤が直ちに崩壊し、錠剤Tが崩壊した際に、直ちに、皮膜が施されていない有効成分を含む顆粒と、皮膜が施されている有効成分を含む顆粒とが、錠剤Tから放出される。皮膜が施されていない顆粒中に含まれる、有効成分は、錠剤が崩壊すれば、直ちに、体内へ吸収される。これにより、この錠剤Tは、即効性が優れている。
且つ、皮膜が施されている有効成分を含む顆粒は、例えば、皮膜が持続性を目的とする皮膜である場合には、この皮膜の機能により、この錠剤は、持続性に優れている。
即ち、この錠剤は、即効性と持続性とを合わせ持つ。
より具体的に、例えば、有効成分が、鎮痛薬(塩酸モルヒネ等)、鎮痛消炎剤(インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等)又は解熱剤(スルピリン等)である場合を例にして説明すれば、錠剤T中に、皮膜が施されていない、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒と、皮膜が施された、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒とを混在させることにより、患者が、服用すれば、患者の疼痛や炎症や発熱を直ちに改善するとともに、鎮痛効果、消炎効果や解熱効果が長く持続する、即効性を有する、一日一回錠剤(once daily tablet)、即ち、クイックアンドスロウリリース錠剤(Quick&Slow release Tablet)といったような新規な錠剤を実現できる。
また、この錠剤T中に、例えば、有効成分を含有する顆粒として、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒を含ませた場合、この錠剤Tは、低圧で成形(打錠)できるため、圧縮成形時(打錠時)に、基剤マトリックスの機能が失われることがない。これにより、基剤マトリックスが、所定の目的の機能を発揮する。
また、例えば、錠剤T中に、皮膜が施されていない、有効成分を含む顆粒と、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒とを混在させれば、この錠剤Tは、直ちに崩壊し、その際に、直ちに、皮膜が施されていない有効成分を含む顆粒と、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒とが、放出される。皮膜が施されていない顆粒中に含まれる、有効成分は、錠剤Tが崩壊すれば、直ちに、体内へ吸収される。これにより、この錠剤Tは、即効性が優れている。
且つ、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒は、例えば、基剤マトリックスが持続性を目的とする皮膜である場合には、この基剤マトリックスの機能により、この錠剤Tは、持続性に優れている。
即ち、この錠剤Tは、即効性と持続性とを合わせ持つ。
より具体的に、例えば、有効成分が、鎮痛薬(塩酸モルヒネ等)、鎮痛消炎剤(インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム等)又は解熱剤(スルピリン等)である場合を例にして説明すれば、錠剤T中に、皮膜が施されていない、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒と、基剤マトリックス中に、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含有させている顆粒とを混在させることにより、患者が、服用すれば、患者の疼痛や炎症や発熱を直ちに改善するとともに、鎮痛効果、消炎効果や解熱効果が長く持続する、即効性を有する、一日一回錠剤(once daily tablet)、即ち、クイックアンドスロウリリース錠剤(Quick&Slow release Tablet)といったような新規な錠剤を実現できる。
尚、散布室8内に噴霧する滑沢剤Lの噴霧量は、成形材料mが、打錠機Aの臼1、上杵3及び下杵4にスティッキング等するのを防止できる限り少ない方が好ましく、打錠された錠剤の崩壊時間が延長したり、硬度が低下したりするのを防止するためには、打錠する成形材料の性質等によって異なるが、一錠剤の重量当り、0.0001重量%以上0.2重量%以下が好ましい。また、実験によれば、滑沢剤Lの量を、一錠剤の重量当り0.001重量%以上0.1重量%未満としても、製造される錠剤Tに、スティッキング等の打錠障害を生じるこtなく、連続打錠することができることも、明らかになった。
また、以上の方法により製造された錠剤は、錠剤本体(素錠)Tの表面に、滑沢剤Lが均一に塗布されているので、錠剤間において、崩壊時間又は有効成分の溶出時間にバラツキが少ない。
これにより、錠剤(素錠)T間において、薬剤の効果や効果発現までの時間のばらつきがなくなる。
次に、具体的な実験データを示す。
(実験例1)
流動層造粒法により、表1に、その処方を示す粉体に、ポリビニルアルコールを噴霧して、粒子を成長させて、所定の径の造粒物を製造し、次に、28号金網を使用して、得られた造粒物を整粒した。次に、図1に示した、空気脈動波発生装置7を備えるロータリ型錠剤機Aを使用して、整粒した造粒物を130mg/錠となるように、直径が、7mmの杵臼セットを用いて、1分間に回転テーブル2を30回転させる速度で、連続打錠した。
滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを使用し、散布室内に噴霧するステアリン酸マグネシウムの使用量を、製造される一錠剤当りに含まれる滑沢剤の重量%が、0.03重量%となるように、図3(a)に示す噴射用ノズル9から噴霧させる空気の量と、空気脈動波発生装置7の回転数及び吸引量を調整した。
より具体的には、特に限定されることはないものの、この実験では、空気脈動波として、周波数が、1Hz以上10Hz以下のものであって、外気圧に対して、谷が10%〜5%程度低く、山が、外気圧と同じか、やや低い圧となるものを使用した。
尚、流動層造粒機としては、グラット社製WSG15型を使用し、打錠機の本体としては、畑製作所製HATA HT−X20を使用した。
Figure 0004568427
(比較例1)
実験例1と同様にして製造した顆粒に、滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを使用し、一錠剤の全重量に対し、ステアリン酸マグネシウムが、0.03重量%となるように添加し、V型混合機を用いて良く混合した後、この成形材料を130mg/錠剤となるように、直径が7mmの杵臼セットを用いて、1分間に回転テーブルを30回転させる速度で、内部滑沢法により、打錠したが、打錠用粉体が、杵や臼に付着して、連続して、錠剤を打錠することができなかった。
そこで、これを解決するため、実験例1と同様にして製造した顆粒に、滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを使用し、一錠剤の全重量に対し、ステアリン酸マグネシウムが、0.8重量%となるように添加し、V型混合機を用いて良く混合した後、この成形材料を130mg/錠剤となるように、直径が7mmの杵臼セットを用いて、1分間に回転テーブルを30回転させる速度で、内部滑沢法により、連続打錠を試みた。
しかしながら、この方法では、打錠用粉体が、杵や臼に付着して、連続して、錠剤を連続打錠するのが困難であった。
尚、打錠機としては、畑製作所製HATA HT−X20を使用した。
(比較例2)
実験例1と同様にして製造した顆粒を用いて、この成形材料を130mg/錠剤となるように、実験例1と同様の、直径が7mmの杵臼セットを用い、この件臼セットの杵3、4の表面3s、4s及び臼1の表面1sに、特公昭41−11273号公報に記載の方法にしたがって、滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを使用して、製造される一錠剤当りに対し、滑沢剤の重量%が、0.03重量%となる量を付着させ、しかる後に、1分間に回転テーブルを30回転させる速度で、連続して、錠剤を打錠した。
打錠機としては、畑製作所製HATA HT−X20を使用した。
次に、実験例1、比較例1及び比較例2で得られた3種の錠剤を、各々、日本薬局方に準じた崩壊試験を所定の検体数(N=5)で行った。
結果を表2に示す。
Figure 0004568427
表2より、実験例1は、比較例1に比べ、硬度が高く、崩壊時間が短く、また、崩壊時間のバラツキも小さいことが、明らかとなった。
また、実験例1は、比較例2とは、硬度は同様ではあるものの、崩壊時間が短く、また、崩壊時間のバラツキも小さいことが、明らかとなった。
また、この結果より、図1に示したような空気脈動波発生装置7を備えるロータリ型錠剤機Aを使用した場合、打錠圧は、0.7トン(ton)/cmで、製造される錠剤に実用的な硬度が得られることが判った。
また、この結果により、実験例1は、錠剤の表面に、滑沢剤が均一に塗布されていることが明らかになった。
尚、実験例1の錠剤の崩壊時間の標準偏差は、0.2であり、いずれの錠剤も、崩壊時間は、平均崩壊時間の7%以内であった。
以上の実験により、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差を極めて容易に、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の15%以内とすることができることが明らかになった。
また、この実験により、この錠剤は、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差は、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の10%以内とすることができ、更には、この錠剤は、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差を、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の7.0%以内とすることもできることが明らかになった。
これにより、錠剤間で、崩壊時間や、有効成分の溶出時間にバラツキが殆ど無い錠剤を容易に製造できることが、明らかになった。
尚、上記発明の実施の形態1では、空気脈動波発生装置7として、図3(b)に示したような装置を用いた例を示したが、これは、単に、例示であって、空気脈動波発生装置7としては、種々のものを用いることができる。例えば、導管13の終端にブロアー71を接続するとともに、導管13の途中に、導管13を開閉する電磁弁を設け、ブロアー71を所定の回転数で回転させて吸引するとともに、電磁弁により、導管を所定の周期で開閉してもよく、また、導管13の終端にブロアー71を接続し、ブロアー71を所定の周期で速く回転させたり、遅く回転させるようにして、散布室8内の空気を所定の周期で、強く吸引したり弱く吸引したりしてもよい。
また、上記した例では、散布室8内に、図4(a)または図4(b)に示すような、空気脈動波を発生させた例を示したが、図5に示すような装置を構成し、散布室8内に図6(a)または図6(b)に示すような空気脈動波を発生させるようにしてもよい。即ち、図5に示す例では、図5(a)に示すように、導管13の終端に、空気脈動波発生装置7Aを接続し、導管13の途中に、滑沢剤Lを貯留したホッパー15を接続し、ホッパー15には、圧縮空気が充填されたボンベ等の圧縮空気発生手段16を接続している。尚、図5(a)中、17で示す装置は、必要により設けられるブロアーを示しており、ブロアー17を駆動させると、散布室8内の空気を吸引し、散布室8内に送り込まれた空気脈動波及び滑沢剤Lが散布室8から排出が促されるようになっている。
図5に示すような装置では、散布室8に、正圧の空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧するノズル手段を設ければよいので、散布室8の構成を簡単な構成にすることができる。
空気脈動波発生装置7Aは、図5(b)に示すように、ブロアー71と、導管13のブロアー71とホッパー15が接続される位置との間に接続された円筒型の筒体72と、筒体72内に回転軸74を中心にして、回転可能に、且つ、筒体72内を2分割するように設けられた弁体73とを備える。筒体72の側面には、所定の位置に、導管13と、ブロアー71に連結される導管14とが接続されている。そして、弁体73は、弁体回転制御装置(図示せず。)により、所望の回転速度で回転できるようになっている。
ブロアー71を所定の回転数で回転させて、散布室8へ送風するとともに、弁体73を所定の回転速度で回転すると、図5(b)中、弁体73が、実線で示される位置にある時は、散布室8とブロアー71とが連通状態になり、また、弁体73が、想像線で示される位置にある時は、散布室8とブロアー71との間が弁体73により遮断された状態になり、例えば、図6(a)に示すような、山が正の圧力で、谷が大気圧の空気脈動波を散布室8内に発生させたり、また、図6(b)に示すような、山と谷とがともに正の圧力の空気脈動波を散布室8内に発生させてもよい。そして、この状態を維持しつつ、圧縮空気発生手段16を駆動させて、ホッパー15内に収容された滑沢剤Lを導管13へ送りだし、空気脈動波の流れに乗せて、所定量の滑沢剤Lを散布室8内へ送り込むようにしてもよい。
ここで、正の圧力とは、散布室8内の圧力が、散布室8外の圧力より高くなっていることを意味する。
また、導管13の終端にブロアー71を接続するとともに、導管13の途中に、導管13を開閉する電磁弁を設け、ブロアー71を所定の回転数で回転させて散布室8へ空気を送風するとともに、電磁弁により、導管を所定の周期で開閉させて、空気脈動波を散布室8内及び導管13内に発生させ、この状態を維持しつつ、圧縮空気発生手段16を駆動させて、ホッパー15内に収容された滑沢剤Lを導管13へ送りだし、空気脈動波の流れに乗せて、所定量の滑沢剤Lを散布室8内へ送り込むようにしてもよく、また、導管13の終端にブロアー71を接続し、ブロアー71を所定の周期で速く回転させたり、遅く回転させるようにして、散布室8内の空気を所定の周期で、散布室8へ空気を強く送風したり弱く送風し、空気脈動波を散布室8内及び導管13内に発生させ、この状態を維持しつつ、圧縮空気発生手段16を駆動させて、ホッパー15内に収容された滑沢剤Lを導管13へ送りだし、空気脈動波の流れに乗せて、所定量の滑沢剤Lを散布室8内へ送り込むようにしてもよい。
尚、図6(a)または図6(b)に示すような空気脈動波を用いる場合は、特に限定されることはないが、例えば、そのような空気脈動波として、周波数が、1Hz以上10Hz以下のものであって、外気圧に対して、山が10%〜5%程度高く、山が、外気圧と同じか、やや高い圧となるものを使用すれば、上記の実験例1と同様の効果が得られる(発明の実施の形態2、3についても同様である)。
(発明の実施の形態2)
ここでは、ロータリ型錠剤機Aの臼1、上杵3及び下杵4として、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤の雌型を構成する杵及び臼を使用して種々の形状の錠剤を製造した例を説明する。
(実験例2)
外部滑沢式打錠機Aの臼1、上杵3及び下杵4として、図7〜図11の各々に示す形状を有する錠剤の雌型を構成するものを使用して、図7〜図11の各々に示す形状を有する錠剤を製造した。
より詳しく説明すると、通常の流動層造粒法により、グリブゾールと、マンニトールとを、7:3の比率で混合し、ポリビニルアルコールを噴霧して、所定の粒径及び所定の粒度分布を有する顆粒を製造した後、28号金網を使用して、得られた顆粒を整粒した。
次に、図7〜図11の各々に示す錠剤の雌型を構成する杵と臼とを用い、杵3、4と臼1とを散布室8内に収容し、散散布室8内に、図4(a)に示すような空気脈動波を発生させて、杵3、4の表面3s、4s及び臼1の表面1sに、滑沢剤Lとして、ステアリン酸マグネシウムを塗布し、杵3、4及び臼1の表面1sに、ステアリン酸マグネシウムが塗布された、杵3、4及び臼1を用いて、顆粒を、1分間に回転テーブル1を30回、回転させる速度で、連続して、打錠した。
滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを使用し、散布室内に噴霧するステアリン酸マグネシウムの使用量を、製造される一錠剤当りに含まれる滑沢剤の重量%が、0.03重量%となるように、図3(a)に示す噴射用ノズル9から噴霧させる空気の量と、空気脈動波発生装置7の回転数及び吸引量を調整した。
より具体的には、特に限定されることはないものの、この実験では、空気脈動波として、周波数が、1Hz以上10Hz以下のものであって、外気圧に対して、谷が10%〜5%程度低く、山が、外気圧と同じか、やや低い圧となるものを使用した。
尚、流動層造粒機としては、グラット社製WSG15型を使用し、打錠機の本体としては、畑製作所HATA HT−X20を使用した。
ここに、図7(a)に示す錠剤は、一般に、フラット プレイン(FLAT PLAIN)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図7(b)に示す錠剤は、一般に、シャロウ コンケーブ プレイン(SHALLOW CONCAVE PLAIN)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図7(c)に示す錠剤は、一般に、ノーマル コンケーブ プレイン(NORMAL CONCAVE PLAIN)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図7(d)に示す錠剤は、一般に、ディープ コンケーブ プレイン(DEEP CONCAVE PLAIN)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図7(e)に示す錠剤は、一般に、ボール又はピル(BALL OR PILL)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、又、図7(f)に示す錠剤は、一般に、フラット ビベリッド エッジ(FLAT BEVELLED EDGE)と呼ばれる円形状の錠剤を示している。
また、図8(a)に示す錠剤は、一般に、ダブル ラディアス(DOUBLE RADIUS)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図8(b)に示す錠剤は、一般に、ビベル アンド コンケーブ(BEVEL AND CONCAVE)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図8(c)に示す錠剤は、一般に、ディンプル(DIMPLE)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図8(d)に示す錠剤は、一般に、リング(RING)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、図8(e)に示す錠剤は、一般に、リム(RIM)と呼ばれる円形状の錠剤を示し、又、図8(f)に示す錠剤は、一般に、カプセル(CAPSULE)と呼ばれるカプセル形状の錠剤を示している。
また、図9(a)に示す錠剤は、一般に、オーバル(OVAL)と呼ばれる楕円形状の錠剤を示し、図9(b)に示す錠剤は、一般に、エリプス(ELLIPSE)と呼ばれる楕円形状の錠剤を示し、図9(c)に示す錠剤は、一般に、スクエア(SQUARE)と呼ばれる四角形状の錠剤を示し、図9(d)に示す錠剤は、一般に、トライアングル(TRIANGLE)と呼ばれる三角形状の錠剤を示し、図9(e)に示す錠剤は、一般に、ペンタゴン(PENTAGON)と呼ばれる五角形状の錠剤を示し、又、図9(f)に示す錠剤は、一般に、ヘキサゴン(HEXAGON)と呼ばれる六角形状の錠剤を示している。
また、図10(a)に示す錠剤は、一般に、ヘプタゴン(HEPTAGON)と呼ばれる七角形状の錠剤を示し、図10(b)に示す錠剤は、一般に、オクタゴン(OCTAGON)と呼ばれる八角形状の錠剤を示し、図10(c)に示す錠剤は、一般に、ダイヤモンド(DIAMOND)と呼ばれるダイヤモンド形状の錠剤を示し、図10(d)に示す錠剤は、一般に、ピロウ又はバレル(PILLOW OR BALLEL)と呼ばれる枕形状の錠剤を示し、図10(e)に示す錠剤は、一般に、レクタングル(RECTANGLE)と呼ばれる方形状の錠剤を示し、又、図10(f)に示す錠剤は、一般に、アーモンド(ALMOND)と呼ばれるアーモンド形状の錠剤を示している。
また、図11(a)に示す錠剤は、一般に、アロウ ヘッド(ARROW HEAD)と呼ばれる鏃形状の錠剤を示し、図11(b)に示す錠剤は、一般に、バレット(BULLET)と呼ばれる砲弾形状の錠剤を示し、図11(c)に示す錠剤は、一般に、ハーフ ムーン(HALF MOON)と呼ばれる半月形状の錠剤を示し、図11(d)に示す錠剤は、一般に、シェルド(SHELD)と呼ばれる貝殻形状の錠剤を示し、図11(e)に示す錠剤は、一般に、ハート(HEART)と呼ばれるハート形状の錠剤を示し、又、図11(f)に示す錠剤は、一般に、スター(STAR)と呼ばれる星形状の錠剤を示している。
(比較例3)
実験例2と同様にして製造した顆粒に、滑沢剤Lとして、ステアリン酸マグネシウムを使用し、1錠剤の全重量に対し、ステアリン酸マグネシウムが、1.0重量%となるように添加し、V型混合機を用いて良く混合した後、実験例1で用いた杵3、4と臼1とを用い、内部滑沢法により、滑沢剤Lとして、ステアリン酸マグネシウムを均一に混練した顆粒を、1分間に回転テーブル1を30回、回転させる速度で、連続して、打錠した。
尚、流動層造粒機としては、グラット社製WSG15型を使用し、打錠機の本体としては、畑製作所HATA HT−X20を使用した。
実験例2及び比較例3の各々について、図7〜図11の各々に示す錠剤の雌型を構成する杵と臼とを各々用い、5時間、連続打錠し、経時的に、得られた錠剤をサンプリングし、製造された錠剤の表面の滑らかさから、スティッキングを生じるまでの時間を判定した所、実験例2では、5時間後でも、スティッキングを生じなかったのに対し、比較例3は、1時間後で、既に、スティッキングを生じ、不良品が発生することが、明らかになった。
以上の結果から、本発明に係る錠剤の製造方法は、円形錠剤を製造する場合のみならず、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤を製造する際にも、好適に用いることができることが、明らかになった。
また、刻印や割線を有する錠剤についても、実験例2及び比較例3の各々と同様の実験を行った。その結果、外部滑沢式打錠機Aを用い、杵3、4と臼1とを散布室8内に収容し、散散布室8内に、図4(a)に示すような空気脈動波を発生させて、杵3、4の表面3s、14s及び臼1の表面1sに、滑沢剤Lとして、ステアリン酸マグネシウムを塗布し、このステアリン酸マグネシウムが塗布された、杵3、4及び臼1を用いて、顆粒を、連続して打錠した場合の方が、内部滑沢法により、滑沢剤Lとして、ステアリン酸マグネシウムを均一に混練した顆粒を、連続して打錠した場合に比べ、製造される、刻印や割線を有する錠剤にスティッキングを生じ難いことが、明らかになった。
(発明の実施の形態3)
ここでは、上記発明の実施の形態1に示すロータリ打錠機Aを用いて、有効成分を含む顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)を含有する錠剤(マルチプルユニット錠)を製造した例を示す。
(表面に皮膜が形成された顆粒の製造)
1)参考例1(有効成分として、テオフィリンを含有する徐放性マイクロカプセル顆粒の製造)
まず、遠心流動コーティング装置(CF−360型、フロイント産業社製)を用いて、核粒子として、球形造粒結晶セルロース(商品名:セルフィア、旭化成製)900gにテオフィリン50g、とうもろこしでんぷん25g、粉糖25gの混合物を定量供給装置より、質量流速10g/分(min)の割合で、添加しながら、ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC−L、日本曹達社製)5gを溶解したエタノール溶液100gを質量流速5g/分(min)の割合でスプレーし、練合−造粒した後、顆粒を取り出し、60℃で1時間(hr)、静置乾燥して、素顆粒を得た。
次に、以上により製造した、この素顆粒1.0kgを遠心流動コーティング装置に入れ、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー(商品名:EudragitRS、Rohm Pharma社製)100gを溶解したエタノール溶液2000gを噴霧コーティングした後、60℃で12時間、通風乾燥して、途方性マイクロカプセル顆粒を得た(以下、以上により製造した徐放性マイクロカプセル顆粒を参考例1という)。
2)参考例2(腸溶解性皮膜を形成したマイクロカプセルの製造)
参考例1で得た素顆粒1.0kgを、遠心流動コーティング装置(CF−360型、フロイント産業社製)に入れ、50メッシュ乳糖(商品名:DMV−50M、Pharmatose社製)300gに、乾燥固体基準で、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー(商品名:EudragitRS、Rohm Pharma社製)180g、トリアセチン(有機合成薬品工業社製)18g、タルク90gからなる水分散液1500mlを毎分6mlの割合でスプレーしながら60%まで成膜したのち、60℃で12時間(hr)、通風乾燥して腸溶解性マイクロカプセルを得た(以下、以上により製造した腸溶解性マイクロカプセル顆粒を参考例2という)。
(実験例3)
参考例1の徐放性マイクロカプセル顆粒1kgに直打用乳糖(商品名:タブレトース、太陽化学社製)700g、結晶セルロース(商品名:AvicelPH101、旭化成社製)300gを混合して打錠用顆粒を得た。
次に、上杵3として、割線入り平杵を用いて、打錠圧力を、各々、500kg/パンチ(Punch)、1000kg/パンチ(Punch)、1500kg/パンチ(Punch)にて、空気脈動波を散布室8に発生させた状態で、乾式で、滑沢剤Lとしてステアリン酸マグネシウム(堺化学社製)を、噴霧して、臼1の表面(内周面)1s、上杵3の表面(下端面)3s、下杵4の表面(上端面)4sに滑沢剤を均一に塗布した状態で、打錠用顆粒を打錠して、割線入り徐放性マイクロカプセル錠(マルチプルユニット錠)を得た。
この割線入り徐放性マイクロカプセル錠(マルチプルユニット錠)に含まれるステアリン酸マグネシウムの含有量を、マグネシウムを原子吸光光度計により測定することにより調べた所、この割線入り徐放性マイクロカプセル錠(マルチプルユニット錠)に含まれるステアリン酸マグネシウムの含有量は、0.07重量%であった。
尚、この実験では、空気脈動波として、周波数が、1Hz以上10Hz以下のものであって、外気圧に対して、谷が10%〜5%程度低く、山が、外気圧と同じか、やや低い圧となるものを使用した。
(実験例4)
参考例2の腸溶解性マイクロカプセル500gに直打用乳糖350g、結晶セルロース150gを混合して打錠用顆粒を得た。
次に、発明の実施の形態1で示す、ロータリ式打錠機Aを用い、上杵3として、割線入り平杵を用いて、打錠圧力を、各々、500kg/パンチ(Punch)、1000kg/パンチ(Punch)、1500kg/パンチ(Punch)にて、空気脈動波を散布室8に発生させた状態で、乾式で、滑沢剤Lとしてステアリン酸マグネシウム(堺化学社製)を、噴霧して、臼1の表面(内局面)1s、上杵3の表面(下端面)3s、下杵4の表面(上端面)4sに滑沢剤を均一に塗布した状態で、打錠用顆粒を打錠して、割線入り腸溶解性マイクロカプセル錠(マルチプルユニット錠)を得た。
尚、この実験では、空気脈動波として、周波数が、1Hz以上10Hz以下のものであって、外気圧に対して、谷が10%〜5%程度低く、山が、外気圧と同じか、やや低い圧となるものを使用した。
比較例4及び比較例5は、従来の内部滑沢法により、割線入り徐放性マイクロカプセル錠(マルチプルユニット錠)を製造した例を示す。
(比較例4)
参考例1の徐放性マイクロカプセル顆粒1kgに直打用乳糖700g、結晶セルロース280g、滑沢剤Lとして、ステアリン酸マグネシウム20gを混合して打錠用顆粒を得た。
次に、割線入り平杵を用いて、500kg/パンチ(Punch)、1000kg/パンチ(Punch)、1500kg/パンチ(Punch)にて、打錠して、割線入り徐放性マイクロカプセル錠(マルチプルユニット錠)を得た。
(比較例5)
参考例2の腸溶解性マイクロカプセル顆粒1kgに直打用乳糖700g、結晶セルロース280g、滑沢剤Lとしてステアリン酸マグネシウム20gを混合して打錠用顆粒を得た。
次に、割線入り平杵を用いて、500kg/パンチ(Punch)、1000kg/パンチ(Punch)、1500kg/パンチ(Punch)にて、打錠して、割線入り徐放性マイクロカプセル錠を得た。
(比較例6)
比較例6では、従来の内部滑沢法により、割線入り徐放性マイクロカプセル錠(シングルユニット錠)を製造した。
即ち、テオフィリン25g、直打用乳糖700g、結晶セルロース265g、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム10gを混合して打錠用顆粒を得た。
次に、割線入り平杵を用いて、500kg/パンチ(Punch)、1000kg/パンチ(Punch)、1500kg/パンチ(Punch)にて、打錠して、割線入り素錠を得た。
次に、この素錠1000gにエチルセルロース(商品名:エトセル、Dow Chem.社製)100gを分散させたエタノール分散液2000gをスプレーコーティングして、割線入り徐放性シングルユニット錠を得た。
次に、実験例3、4及び比較例4、5の錠剤の各々について、打錠圧力と錠剤硬度の関係を検討した。
(打錠圧力と錠剤硬度の関係)
実験例3、4及び比較例4、5の錠剤の各々について、錠剤硬度測定器(機種名:TH203CP、富山産業社製)を用いて、機械的強度(硬度)を測定した。
結果を、表3及び図12に示す。
Figure 0004568427
表3及び図12の結果より、比較例4及び比較例5では、実用的な硬度(一般に、3.7kg〜7.0kgの圧力で壊れる位の硬さは必要とされている。)を有する錠剤を得るには1000kg/パンチ(Punch)以上の打錠圧力が必要であるのに対し、実験例3、4によれば、500kg/パンチ(Punch)の打錠圧力においても、十分な硬度が得られていることが判った。
この結果より、本発明によれば、従来法よりも低圧で実用的な硬度を有した錠剤の製造が可能であることが、明らかになった。
(溶出試験)
実験例3及び実験例4で、500kg/パンチ(Punch)の打錠圧力で製造した錠剤(以下、各々、実験例5、実験例6という。)と、比較例4及び比較例5で、1000kg/パンチ(Punch)の打錠圧力で打錠した錠剤(以下、各々、比較例7、比較例8という。)を溶出試験用試料として使用した。
溶出試験は、日本薬局方第11版の溶出試験法に記載の回転バスケット法に従い、試料を最初の2時間は日本薬局方第1液にて溶出率を求め、2時間後に引き上げて同じく第2液に移し、再び溶出率を求めた。
結果を、表4及び図13に示す。
Figure 0004568427
表4及び図13の結果より、実験例5及び実験例6の錠剤の各々は、徐放性マイクロカプセル顆粒(参考例1)、腸溶解性マイクロカプセル顆粒(参考例2)の各々と同様の溶出挙動を示すことが判った。上記した、打錠圧力と錠剤硬度の関係と、この実験結果とにより、実験例5及び実験例6では、低い打錠圧で打錠できる結果、打錠の際に、マイクロカプセル顆粒の表面に形成した皮膜に破損が起きていないことが、明らかになった。一方、比較例7及び比較例8の錠剤は、各々、徐放性機能、腸溶解性機能を喪失していることが判った。
(分割錠の溶出試験)
次に、実験例5及び実験例6の錠剤を2分割した錠剤と比較例6で得た錠剤を2分割した錠剤を溶出試験用試料として、上記した溶出試験と同様の方法にて、溶出率を求めた。
結果を、表5及び図14に示す。
Figure 0004568427
表5及び図14の結果より、実験例5、実験例6の錠剤は2分割にしても、各々、徐放性マイクロカプセル顆粒(参考例1)、腸溶解性マイクロカプセル顆粒(参考例2)の各々と同様の溶出挙動を示しており、各々、徐放性機能、腸溶解性機能を有しているのに対し、比較例6で得た錠剤は2分割すると、その機能を喪失することが、明らかになった。
以上の実験結果により、本発明に係る錠剤(マルチプルユニット錠)は、2分割しても、徐放性機能、腸溶解性機能が失われていないことが、明らかになった。
尚、発明の実施の形態3では、顆粒の表面に皮膜が施されたマルチプルユニット錠を例にして説明したが、これは、単に例示であって、本発明に係る錠剤の製造方法は、低い打錠圧で、実用的な硬度を有する錠剤が製造できるので、錠剤中に含まれる、顆粒の破壊や塑性変形を起こすことなく、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒を含むマルチプルユニット錠を製造することができる。
更に、散布室8に噴霧する滑沢剤の量を、発明の実施の形態1と同様に、極めて、少ない量とすれば、錠剤の内部には滑沢剤を含まず、しかも、錠剤の表面に、滑沢剤が微量しか存在しな錠剤を製造できるので、錠剤の崩壊時間が遅延することがない。従って、この錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊することが要求される錠剤として適しており、また、表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、目的の部位で溶けるので、目的の部位で溶けることが要求される錠剤として好適に使用に供することができる。
また、本発明者等は、実験例1〜4で作製した錠剤の崩壊時間又は有効成分の溶出時間を測定した所、錠剤の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の10%以内であることが判った。
また、この例では、遠心流動コーティング装置を用いて、錠剤中に含有させる顆粒を製造した例を示したが、所望の粒径の顆粒を造粒する工程において、温風導入管に、所定の周期で強くなったり弱くなったりする温風を発生させ、造粒工程において、造粒する粉体及び造粒途中物の一部が、絶えず、スクリーンに、落下、堆積するようにして造粒し、その後、造粒物に、コーティング液を噴霧して、造粒物の表面に、皮膜を形成してもよい。これは、所望の粒径の顆粒を造粒する工程において、温風導入管に、所定の周期で強くなったり弱くなったりする温風を発生させ、造粒工程において、造粒する粉体及び造粒途中物の一部が、絶えず、スクリーンに、落下、堆積するようにして造粒すると、通常の、定常の温風を用いて、造粒する粉体及び造粒途中物を流動化して製造される造粒物に比べ、比容積の小さい造粒物を製造することができ、造粒物が固くなり、打錠の工程に於て、造粒物が壊れ難くなり、これにより、造粒物の表面に施した皮膜が壊れ難くなるからである。
尚、造粒物に皮膜を形成する工程は、上記流動層コーティング法に限定されることはなく、Panコーティング法や圧縮コーティング法によって行ってもよい。
また、発明の実施の形態1〜3では、ロータリ型打錠機を例にとって説明したが、これは、例示であって、本発明に係る錠剤の製造方法は、ロータリ型打錠機の他、エキセントリック型錠剤機等の単発錠剤機等の打錠機を用いても実施可能であることを付記しておく。
また、以上の発明の実施の形態では、図5に示したような、導管13の途中に、ホッパー15を接続し、ホッパー15に、圧縮空気が充填されたボンベ等の圧縮空気発生手段16を接続した装置を用いた例について説明したが、ホッパー15内に貯留した滑沢剤Lを、導管13に排出する装置は、このような装置に限定されることはない。
図15は、そのような装置を概略的に説明する構成図である。
この装置は、導管13の一端13aに、空気脈動波発生装置7Aを接続し、導管13の途中の位置に、ホッパー15の排出口15aを接続し、この排出口15aに、ホッパー15の底面をなすように、孔(この例では、スリット孔)18aを有する弾性体膜18を設けている(図16を参照)。
弾性体膜18は、例えば、シリコーンゴム等のゴムで製されている。
尚、図15中、15bで示す部材は、蓋体を示しており、蓋体15bは、ホッパー15に対して着脱自在に、且つ、気密に取り付けられるようになっている。
次に、この装置の動作について説明する。
図17は、この装置の動作を概略的に説明する説明図である。
この装置を使用する際には、ホッパー15内に、滑沢剤Lを収容した後、ホッパー15に蓋体15bを気密に取り付ける。
次に、空気脈動波発生装置7Aを駆動して、導管13内に、正圧の空気脈動波を供給すると、導管13内に供給された、正圧の空気脈動波が山側にある際には、ホッパー15内の気圧に比べ、導管13内の気圧が高くなり、図17(a)に示すように、弾性体膜18が、その中央部が腹になり、その周縁部が節になって、その中央部が上方に湾曲した形状になる。
この時、孔(この例では、スリット孔)18aは、その断面が、上側が開いたV字形状になる。そして、ホッパー15内に貯留された滑沢剤Lの一部が、上側が開いたV字形状になった孔(この例では、スリット孔)18a内に落下する。
次に、導管13内に供給された、正圧の空気脈動波が山側から谷側に移行するにつれ、導管13内の気圧が低くなり、導管13内の気圧とホッパー15内の気圧とが次第に等しくなり、この時、弾性体膜18は、図17(b)に示すように、その復元力により元の状態に戻ろうとする。そして、この時、上側が開いたV字形状になった孔(この例では、スリット孔)18a内に落下した滑沢剤Lが、孔(この例では、スリット孔)18aに挟み込まれた状態になる。
次に、導管13内に供給された、正圧の空気脈動波が谷側にある際には、ホッパー15内の気圧に比べ、導管13内の気圧が低くなり、図17(c)に示すように、弾性体膜18が、その中央部が腹になり、その周縁部が節になって、その中央部が下方に湾曲した形状になる。
この時、孔(この例では、スリット孔)18aは、その断面が、下側が開いた逆V字形状になる。そして、弾性体膜18の孔(この例では、スリット孔)18a内に挟み込まれていた滑沢剤Lが、導管13内へと排出される。
そして、導管13内に排出された滑沢剤Lは、導管13内で、導管13内に供給されている、正圧の空気脈動波に直ちに混和し、分散した状態となって、散布室(図5に示す散布室8を参照)へ気力輸送される。
ところで、弾性体膜18は、正圧の空気脈動波の振幅、波長、波形、振動数等に応じて、図17(a)〜図17(c)に示したような上下の振動を繰り返す。
従って、導管13内に供給する正圧の空気脈動波の振幅、波長、波形、振動数等を一定にしている限り、弾性体膜18は、一定の振幅、振動数で上下に振動することとなるため、孔(この例では、スリット孔)18aを介して、導管13内へ排出される滑沢剤Lの量も一定になる。
且つ、この装置では、導管13内に、正圧の空気脈動波を供給するようにしている結果、定常圧空気を用いて、粉体を気力輸送する場合に見られるような、導管13の内壁面への粉体の付着現象や、導管13内における粉体の吹き抜け現象が生じない。
従って、この装置は、弾性体膜18の孔(この例では、スリット孔)18aを介して、導管13内へ排出される滑沢剤Lが、導管13内へ排出された時点における濃度と実質的に同じ濃度で、導管13の他端13bから排出される。
即ち、この装置は、定量フィーダ装置として機能する。
従って、この装置の導管13の他端13bを、散布室(図5に示す散布室8を参照)に接続すれば、孔(この例では、スリット孔)18aの大きさを一定にし、導管13内へ供給する、正圧の空気脈動波の振幅、波長、波形、振動数等を一定にしている限り、散布室(図5に示す散布室8を参照)内に、常に、一定濃度の滑沢剤Lを供給することができる。
しかも、滑沢剤Lを気力輸送する媒体は、正圧の空気脈動波ではあるものの空気であるため、正圧の空気脈動波に混和させる滑沢剤Lを極めて微量にすることも可能である。
これにより、散布室(図5に示す散布室8を参照)内に、極めて微量の滑沢剤Lを、常に、安定した状態で噴霧できるため、散布室(図5に示す散布室8を参照)内に収容されている、杵の表面(図2に示す、上杵3の表面(下端面)3s及び下杵4の表面(上端面)4sを参照)や、臼1の表面(内周面)1sに、極めて微量の滑沢剤Lを均一に塗布することができる。
尚、図16では、弾性体膜として、スリット孔18aを有するものについて説明したが、これは、単に、好ましい例を示したに過ぎず、弾性体膜に設ける孔は、スリット孔18aに限られず、小孔であってもよく、且つ、そのような小孔は、1個に限られることはない。そのような弾性体膜として、例えば、図18に示すように、複数個の小孔18bを有する弾性体膜を用いてもよい。
また、孔の大きさや、数を変えることや、導管13内に供給する、正圧の空気脈動波の条件(振幅、波長、波形、振動数等)を変えれば、散布室(図5に示す散布室8を参照)内に噴霧する滑沢剤の濃度を種々の濃度に変えることができる。
また、この発明の実施の形態では、空気脈動波発生装置として、図3(b)及び図5(b)に示したような、筒体72内に回転軸74を中心にして、回転可能に、且つ、筒体72内を2分割するように設けられた弁体73を設けた、ロータリ型の空気脈動波発生装置7Aについて説明したが、空気脈動波発生装置は、空気脈動波発生装置7Aに限定されることはない。
図19は、空気脈動波発生装置の他の一例を概略的に示す断面図である。
この高圧脈動空気発生器7Bは、入力ポート91と出力ポート92との間に弁座93を設けた弁室94に、カム機構95によって開閉する弁体96とを備える。
カム機構95は、モーター等の駆動手段(図示せず)により回転可能に設けられた回転カム97と、弁体96の下端に取着されたローラ98とを備える。
弁座93は、出力ポート92方向に先すぼんだ形状の孔部にされており、弁体96は、弁座93の形状に合わせた先すぼんだ逆すり鉢形状にされており、弁座93を気密に塞ぐことができるようになっている。
また、この例では、弁体96の軸部96aが、ケース体99の軸孔99h内に、空気がもれないように、且つ上下に移動自在に設けられている。
ローラ98は、回転カム97に、回転可能に挟持され、回転カム97を回転することで、回転カム97に設けられた凹凸パターンに従って、回転しながら上下動するようになっている。
より詳しく説明すると、回転カム97は、内側回転カム97aと外側回転カム97bとを備えている。
内側回転カム97a及び外側回転カム97bの各々には、凹凸パターンが、ロラー98の間隔を保持するように且つ互いに整列するように設けられている。
そして、ローラ98は、内側回転カム97aと外側回転カム97bとの間に挟持され、弁体96にハネを生じることがなく、回転カム97を回転させることで、内側回転カム97aと外側回転カム97bとに設けられた凹凸パターンに従って、回転しながら上下動するようになっている。
尚、この回転カム97に設ける凹凸パターンは、ホッパー15内に貯留する滑沢剤Lの物性に応じて、異なったパターンのものが選択される。
また、この例では、入力ポート91に流量制御装置102が接続されており、入力ポート91には、空気源71で発生させ、流量制御装置102により所定の流量に調整された圧縮空気が供給されるようになっている。
また、出力ポート92には、導管(図3又は図5に示す導管13)の一端が接続されている。
尚、図19中、100は、必要により設けられる、流量調整ポートを示しており、流量調整ポート100には、出力ポート92より出力する、空気脈動波の圧力を調整する出力調整弁101が、大気との完全な連通状態から遮断状態迄の間で所望の状態に調整可能に設けられている。
次に、この高圧脈動空気発生器7Bを用いて所望の周期、振幅及び波形を有する、正圧の空気脈動波を発生させる動作手順について説明する。
まず、ホッパー15内に貯留する滑沢剤Lの物性に応じて、滑沢剤Lを空気に混和するのが容易な回転カム97を高圧脈動空気発生器7Bの駆動手段(図示せず)の回転軸Maに取り付ける。
次に、空気源71を駆動し、流量制御装置102を調整することで、入力ポート92に所定の流量の圧縮空気を供給する。
また、駆動手段(図示せず)を駆動することで、回転カム97を所定の回転速度で回転させる。
また、必要により、出力調整弁101を調整することで、出力ポート92より出力される空気脈動波の圧力を調整する。
回転カム97を所定の回転速度で回転させると、弁体96を回転カム97に設けられた凹凸パターンに従って上下する。これにより、弁座93を、例えば、回転カム97に設けられた凹凸パターンに従って、全閉、半開、全開等に制御することで所望の波形の空気脈動波を出力ポート92から出力する。
尚、この高圧脈動空気発生器7Bでは、出力ポート92から出力する空気脈動波の周期を所望の周期にするには、駆動手段(図示せず)を制御して、回転カム97の回転速度を変えればよい。また、出力ポート92から出力する空気脈動波の振幅を所望の振幅にするには、空気源71、流量制御装置102及び/又は出力調整弁101を適宜調整すればよい。
産業上の利用分野
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の錠剤の製造方法では、散布室内に、空気脈動波を発生させるとともに、滑沢剤を噴霧している。散布室内に、空気脈動波を発生させた状態で、滑沢剤を噴霧すると、滑沢剤は、空気脈動波に混和する。
そして、この錠剤の製造方法では、滑沢剤が空気脈動波に混和された状態下、即ち、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにしている。
このような、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにすると、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する。
これにより、錠剤を製造する際に、成形材料が、臼や上下1組の杵に付着し難くなるので、この錠剤の製造方法によれば、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
更に、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する結果、錠剤1錠当りに使用する滑沢剤の使用量を、従来の内部滑沢法や外部滑沢法に比べ、著しく減らしても、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
これにより、錠剤の表面に、滑沢剤が僅かに付着しているだけの錠剤を製造することができるので、この錠剤の製造方法に従って製造される錠剤は、滑沢剤の撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという現象が、生じない。
従って、この錠剤の製造方法に従えば、生体の標的部位等の目的の部位で、直ちに、錠剤が崩壊する錠剤を製造することができる。
また、この錠剤の製造方法では、成形材料中に、滑沢剤が含まれていないため、錠剤を臼及び上下1組の杵とを用いて打錠する際に、打錠圧を従来の打錠圧より低くしても、実用的な硬度を有する錠剤を製造することができる。
これにより、錠剤中に、皮膜を表面に有する顆粒を含む錠剤を製造しても、顆粒の表面に設けられた皮膜を破壊することがない。
また、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させた顆粒を有する錠剤を製造しても、錠剤中に含まれるマトリックスの機能が損なわれない。
請求項2に記載の錠剤の製造方法では、散布室内に、空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧するようにしている。
そして、この錠剤の製造方法では、滑沢剤が空気脈動波に混和された状態下、即ち、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにしている。
このような、滑沢剤が、臼及び上下1組の杵の表面に付着し難い環境下で、滑沢剤を、臼及び上下1組の杵の表面に付着させるようにすると、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する。
これにより、錠剤を製造する際に、成形材料が、臼や上下1組の杵に付着し難くなるので、この錠剤の製造方法によれば、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
更に、臼及び上下1組の杵の表面に、滑沢剤が、むらにならないように、万遍なく付着する結果、錠剤1錠当りに使用する滑沢剤の使用量を、従来の内部滑沢法や外部滑沢法に比べ、著しく減らしても、製造される錠剤に、スティッキング等が生じ難い。
これにより、錠剤の表面に、滑沢剤が僅かに付着しているだけの錠剤を製造することができるので、この錠剤の製造方法に従って製造される錠剤は、滑沢剤の撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという現象が、生じない。
従って、この錠剤の製造方法に従えば、生体の標的部位等の目的の部位で、直ちに、錠剤が崩壊する錠剤を製造することができる。
また、この錠剤の製造方法では、成形材料中に、滑沢剤が含まれていないため、錠剤を臼及び上下1組の杵とを用いて打錠する際に、打錠圧を従来の打錠圧より低くしても、実用的な硬度を有する錠剤を製造することができる。
これにより、錠剤中に、皮膜を表面に有する顆粒を含む錠剤を製造しても、顆粒の表面に設けられた皮膜を破壊することがない。
また、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させた顆粒を有する錠剤を製造しても、錠剤中に含まれるマトリックスの機能が損なわれない。
請求項3に記載の錠剤の製造方法では、散布室内に、正圧の空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧する噴霧手段を設ければよいので、製造装置を簡単化できる。
請求項4に記載の錠剤の製造方法では、成形材料中に滑沢剤を含ませていないため、低い打錠圧で実用的な硬度を有する錠剤が製造できる。これにより、顆粒を含有する錠剤を、有効成分(主薬)を含む部分の表面に、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で皮膜の構造、材料や、基剤マトリックスの構造、材料を、特に、工夫しなくても、皮膜が破れることなく、また、顆粒が破壊されたり、塑性変形を起こしたりするといった現象を生じることなく、錠剤化することができる。
請求項5に記載の錠剤の製造方法では、成形材料中に滑沢剤を含ませていないため、低い打錠圧で実用的な硬度を有する錠剤が製造できる。これにより、顆粒を含有する錠剤を、有効成分(主薬)を含む部分の表面に、持続性、徐放性、速放性、胃溶解性、腸溶解性、苦み防止などの目的で皮膜の構造、材料や、基剤マトリックスの構造、材料を、特に、工夫しなくても、皮膜が破れることなく、また、顆粒が破壊されたり、塑性変形を起こしたりするという現象を生じることなく、錠剤化することができる。
請求項6に記載の錠剤の製造方法では、散布室内に、正圧の空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧する噴霧手段を設ければよいので、製造装置を簡単化できる。
請求項7に記載の錠剤の製造方法では、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)として、有効成分と賦形剤とを含有する顆粒を用いているので、賦形剤により、有効成分を含有する顆粒の粒径、大きさを、容易に変更できる。
これにより、例えば、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その表面に剤皮等を施しやすい粒径や大きさにすることで、錠剤の製造を容易に行える。
また、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その顆粒の機能を最大限引き出すことのできる粒径や大きさにすることができる。
請求項8に記載の錠剤の製造方法では、錠剤を低い打錠圧で製造できるので、錠剤中に含ませる顆粒が基剤マトリックス中に有効成分を含有させているものであっても、基剤マトリックスの機能を破壊することなく、錠剤化できる。
請求項9に記載の錠剤の製造方法では、錠剤を低い打錠圧で製造できるので、錠剤中に含ませる顆粒が皮膜で覆われたものであっても、皮膜を破壊することなく、錠剤化できる。
請求項10に記載の錠剤の製造方法では、打錠工程において、杵や臼に成形材料が付着せず、製造する錠剤にスティッキング等が生じないことを利用して、連続打錠するようにしているので、工業的生産ベースで、有効成分を含有する錠剤、有効を含有する顆粒を含む錠剤を製造できる。
請求項11に記載の錠剤の製造方法では、打錠工程において、杵や臼に成形材料が付着せず、製造する錠剤にスティッキング等が生じないことを利用して、連続打錠するようにしているので、工業的生産ベースで、有効成分を含有する錠剤、有効を含有する顆粒を含む錠剤を製造できる。
請求項12に記載の錠剤の製造方法では、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤の雌型を構成する杵及び臼に、空気脈動波を発生させた散布室内で、杵の表面及び臼の表面に、滑沢剤を塗布するようにしたので、従来の外部滑沢法に比べ、杵の表面及び臼の表面に、滑沢剤を均一に塗布できる。この結果、刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤を打錠する工程において、杵の表面及び臼の表面に、成形材料が付着し難くなり、製造される刻印や割線入りの錠剤又は異形錠剤に、スティッキングや、キャッピングや、ラミネーティング等を生じ難い。
請求項13に記載の錠剤の製造方法では、成形材料を打錠する工程の打錠圧を、低圧にしているので、錠剤中に含ませる顆粒が皮膜で覆われたものであっても、皮膜を破壊することなく、錠剤化できる。また、錠剤中に含ませる顆粒が基剤マトリックス中に有効成分を含有させているものであっても、基剤マトリックスの機能を破壊することなく、錠剤化できる。
請求項14に記載の錠剤の製造方法では、一回の打錠に用いる滑沢剤の噴霧量を、極めて、少なくしても、スティッキング等を生じることなく錠剤を製造することができるので、錠剤(素錠)の表面に、わずかな滑沢剤が付着しているだけで、錠剤内部に滑沢剤を殆ど含まないため、錠剤の崩壊時間が遅延したりすることがない。
しかも、低い打錠圧で、錠剤を製造しているので、錠剤内部に含まれる、顆粒が、打錠時に、破壊されたり、塑性変形を起こすという現象が生じ難いので、顆粒に施した機能が損なわれ難い。
従って、この錠剤の製造方法を用いれば、有効成分を含有する顆粒を含有する錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤本体が崩壊し、且つ、有効成分を含有する顆粒が、所定の目的の機能を発揮して溶解することが要求される錠剤を容易に製造できる。また、表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体が、直ちに、所望の部位で崩壊し、且つ、有効成分を含有する顆粒が、所定の目的の機能を発揮し溶解することが要求されるで錠剤を容易に製造することができる。
請求項15に記載の錠剤は、錠剤の内部に滑沢剤を含まず、錠剤の表面に滑沢剤が微量しか存在しないので、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
従って、この錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊し、錠剤中に含まれていた、有効成分が、直ちに放出される。
また、錠剤本体の表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、目的の部位で溶けるので、目的の部位で、直ちに、有効成分が、直ちに放出される。
請求項16に記載の錠剤は、錠剤の内部に滑沢剤を含まず、錠剤の表面に滑沢剤が微量しか存在しないので、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
従って、この錠剤(素錠)は、裸錠として用いれば、速崩壊錠となるので、口腔内速崩壊錠のように、目的とする部位で、直ちに、錠剤が崩壊し、錠剤中に含まれていた、有効成分を含む顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)が、直ちに放出される。
また、錠剤本体の表面に、目的の部位で溶けるフィルムコートを施せば、フィルムコートが溶けると、錠剤本体も、直ちに、目的の部位で溶けるので、目的の部位で、直ちに、有効成分を含む顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)が、直ちに放出される。
請求項17に記載の錠剤では、有効成分を含有する顆粒(いわゆる、マイクロカプセル)として、有効成分と賦形剤とを含有する顆粒を用いているので、賦形剤により、有効成分を含有する顆粒の粒径、大きさを、容易に変更できる。
これにより、例えば、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その表面に剤皮等を施しやすい粒径や大きさにすることで、錠剤の製造を容易に行える。
また、有効成分を含有する顆粒の粒径や大きさを、その顆粒の機能を最大限引き出すことのできる粒径や大きさにすることができる。
請求項18に記載の錠剤は、増量のために用いられている賦形剤中に滑沢剤を含んでいないため、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
しかも、この錠剤は、錠剤中に、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒を含んでいるため、基剤マトリックスが、所定の目的の機能を発揮する。
例えば、基剤マトリックスが、持続性を目的としている場合にあっては、この基剤マトリックスにより、この錠剤は、持効性をも合わせ持つことになる。
したがって、例えば、錠剤中に、皮膜が施されていない、有効成分を含む顆粒と、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒とを混在させれば、この錠剤では、錠剤が直ちに崩壊し、錠剤が崩壊した際に、直ちに、皮膜が施されていない有効成分を含む顆粒と、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒とが、錠剤から放出される。皮膜が施されていない顆粒中に含まれる、有効成分は、錠剤が崩壊すれば、直ちに、体内へ吸収される。これにより、この錠剤は、即効性が優れている。
且つ、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒は、例えば、基剤マトリックスが持続性を目的とする場合には、この基剤マトリックスの機能により、この錠剤は、持続性に優れている。
即ち、この錠剤は、即効性と持続性とを合わせ持つ。
この結果、例えば、有効成分が、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤であるような場合には、錠剤中に、皮膜が施されていない、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒と、基剤マトリックス中に、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒とを混在させることにより、患者が、服用すれば、患者の疼痛や炎症や発熱を直ちに改善するとともに、鎮痛効果、消炎効果や解熱効果が長く持続する、即効性のある、一日一回錠剤(once daily tablet)、即ち、クイックアンドスロウリリース錠剤(Quick&Slow release Tablet)といったような新規な錠剤を実現できる。
請求項19に記載の錠剤は、増量のために用いられている賦形剤中に滑沢剤を含んでいないため、滑沢剤の持つ撥水性が原因して、錠剤の崩壊時間が遅延するという問題が生じない。
しかも、この錠剤は、錠剤中に、有効成分を含有する顆粒を含んでいるため、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が、所定の目的の機能を発揮する。
例えば、有効成分を含有する顆粒の表面に施された皮膜が、持続性を目的とした皮膜の場合にあっては、この皮膜により、この錠剤は、持効性をも合わせ持つことになる。
したがって、例えば、錠剤中に、皮膜が施されていない、有効成分を含む顆粒と、皮膜を施した、有効成分を含む顆粒とを混在させれば、この錠剤では、錠剤が直ちに崩壊し、錠剤が崩壊した際に、直ちに、皮膜が施されていない有効成分を含む顆粒と、皮膜が施されている有効成分を含む顆粒とが、錠剤から放出される。皮膜が施されていない顆粒中に含まれる、有効成分は、錠剤が崩壊すれば、直ちに、体内へ吸収される。これにより、この錠剤は、即効性が優れている。
且つ、皮膜が施されている有効成分を含む顆粒は、例えば、皮膜が持続性を目的とする皮膜である場合には、この皮膜の機能により、この錠剤は、持続性に優れている。
即ち、この錠剤は、即効性と持続性とを合わせ持つ。
この結果、例えば、有効成分が、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤であるような場合には、錠剤中に、皮膜が施されていない、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒と、皮膜が施された、鎮痛薬、鎮痛消炎剤又は解熱剤を含む顆粒とを混在させることにより、患者が、服用すれば、患者の疼痛や炎症や発熱を直ちに改善するとともに、鎮痛効果、消炎効果や解熱効果が長く持続する、即効性を有する、一日一回錠剤(once daily tablet)、即ち、クイックアンドスロウリリース錠剤(Quick&Slow release Tablet)といったような新規な錠剤を実現できる。
請求項20に記載の錠剤は、錠剤の表面に、滑沢剤を微量しか存在しないため、崩壊時間が遅延したりすることがない。
請求項21に記載の錠剤は、割線を有するので、割線に従って錠剤を容易に分割できる。これにより、患者の体重、年齢等に基づいた、最適な薬剤の投与量を、患者に服用させることができる。
請求項22に記載の錠剤では、錠剤本体の形状を異形にしているので、この形状により、容易に薬剤を識別できる。このため、臨床の場において、投薬ミスが発生しない。
請求項23に記載の錠剤は、錠剤本体(素錠)の表面に、滑沢剤が均一に付着しているので、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間にバラツキが少ない。これにより、従来の錠剤では、製造するのが困難であった、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の15%以内の錠剤を極めて容易に製造することができる。
更には、従来の錠剤では、製造するのが極めて困難であった、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の10%以内の錠剤を容易に製造することができる。
更には、従来の錠剤では、本発明者等の知る限り、製造するのが不可能とされていた、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間の標準偏差が、平均崩壊時間又は有効成分の平均溶出時間の7.5%以内の錠剤を製造することもできる。
この錠剤は、錠剤本体(素錠)の表面に、滑沢剤が均一に付着しているので、錠剤本体の崩壊時間又は有効成分の溶出時間にバラツキが少ない。
これにより、錠剤間において、薬剤の効果や効果発現までの時間のばらつきがなくなる。
請求項24に記載の錠剤は、滑沢剤として、ステアリン酸マグネシウムを用いているので、錠剤に含まれる滑沢剤の含有量を容易に測定できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明を実施するために使用したロータリ型錠剤機の回転テーブルを中心に、その一部を拡大して概略的に示す構成図である。
図2は、図1に示す回転テーブルを中心に、その一部を拡大して概略的に示す断面図である。
図3は、散布室の構成を中心に示す概略的な図であり、図3(a)は、散布室の構成を概略的に示す構成図を、図3(b)は、空気脈動波発生装置の構成を例示的に示す構成図である。
図4は、空気脈動波の具体例を示す説明図であり、図4(a)及び図4(b)に、各々、負圧の空気脈動波の具体例を示す。
図5は、散布室の構成を中心に示す概略的な図であり、図5(a)は、散布室の構成を概略的に示す構成図を、図5(b)は、空気脈動波発生装置の構成を例示的に示す構成図である。
図6は、空気脈動波の具体例を示す説明図であり、図6(a)及び図6(b)に、各々、正圧の空気脈動波の具体例を示す。
図7は、実験例で製造した種々の形状の錠剤を概略的に説明する図であり、図7中、左欄に、各々の錠剤の概略的な平面図を、また、右欄に、各々の錠剤の概略的な側面図を示す。
図8は、実験例で製造した種々の形状の錠剤を概略的に説明する図であり、図8中、左欄に、各々の錠剤の概略的な平面図を、また、右欄に、各々の錠剤の概略的な側面図を示す。
図9は、実験例で製造した種々の形状の錠剤を概略的に説明する図であり、図9中、左欄に、各々の錠剤の概略的な平面図を、また、右欄に、各々の錠剤の概略的な側面図を示す。
図10は、実験例で製造した種々の形状の錠剤を概略的に説明する図であり、図10中、左欄に、各々の錠剤の概略的な平面図を、また、右欄に、各々の錠剤の概略的な側面図を示す。
図11は、実験例で製造した種々の形状の錠剤を概略的に説明する図であり、図11中、左欄に、各々の錠剤の概略的な平面図を、また、右欄に、各々の錠剤の概略的な側面図を示す。
図12は、打錠圧力と、製造される錠剤の硬度との相関関係を示すグラフである。
図13は、時間と、溶出率との相関関係を示すグラフである。
図14は、時間と、溶出率との相関関係を示すグラフである。
図15は、ホッパー内に収容された滑沢剤を導管内に定量的に供給する装置(定量フィーダ)を概略的に示す断面図である。
図16は、図15に示す装置(定量フィーダ)に用いられている弾性体膜の一例を概略的に示す平面図である。
図17は、図15に示す装置(定量フィーダ)の動作を概略的に説明する説明図である。
図18は、図15に示す装置(定量フィーダ)に用いられている弾性体膜の他の一例を概略的に示す平面図である。
図19は、空気脈動波発生装置の他の一例を概略的に示す断面図である。
図20は、錠剤の構成を概略的に説明する説明図であり、図20(a)は、マルチプルユニット系の錠剤を説明する説明図、図20(b)及び図20(c)は、マルチプルユニット系の錠剤に含まれる顆粒の構成を説明する説明図である。
図21は、特公昭41−11273号公報に記載の錠剤の製造方法を概略的に示す工程図である。
図22は、特開昭56−14098号公報に記載の従来の錠剤の製造方法を概略的に示す工程図である。

Claims (5)

  1. 臼と上下1組の杵とを用いて、少なくとも、基剤マトリックス中に有効成分を含有させている顆粒または有効成分を含有する部分を皮膜で覆った顆粒を含む錠剤を製造する、錠剤の製造方法であって、
    前記有効成分を含有する顆粒と賦形剤とを混合し、前記有効成分を含有する顆粒を含み、滑沢剤を含ませると、0.7〜1.3ton/cm の打錠圧では、実用レベルの硬度を有する錠剤が得られない成形材料を、実質上滑沢剤を含ませないで準備する工程と、
    前記臼及び上下1組の杵を、散布室内に収容し、前記散布室内に、空気脈動波に混和した滑沢剤を噴霧して、前記散布室内に収容された臼及び上下1組の杵の表面に、前記滑沢剤を塗布する工程と、
    前記滑沢剤が表面に塗布された臼と上下1組の杵とを用いて、前記有効成分を含有する顆粒を含む前記成形材料を0.7〜1.3ton/cmの打錠圧で打錠する工程とを備える、錠剤の製造方法。
  2. 賦形剤が、乳糖および結晶セルロースである、請求項1記載の錠剤の製造方法。
  3. 前記有効成分を含有する顆粒が、腸溶性顆粒または徐放性顆粒である、請求項1または2に記載の錠剤の製造方法。
  4. 前記空気脈動波が、正圧の空気脈動波であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
  5. 前記杵の表面及び前記臼の表面に塗布する滑沢剤が、ステアリン酸金属塩であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
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