JP4567520B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明によれば、ステアリングホイールと舵角検出手段とを連結機構により機械的な動力伝達が不能に分離、もしくは機械的な動力伝達が可能に連結可能となる。このため、非連結状態においては、ステアリングホイールの回転を舵角検出手段に伝達することができなくなり、舵角検出手段は、操舵角を検出することができない。一方、連結状態においては、ステアリングホイールの回転を舵角検出手段に伝達することができ、当該舵角検出手段によって操舵角を検出することができる。このため、例えば車両の駐車時において、ステアリングホイールと舵角検出手段とを連結機構によって非連結状態にさせることでステアリング操舵を無効にすることができる。従って、機械的にステアリングホイールを規制する盗難防止装置を付与する必要がなくなり、インストルメントパネル周辺の構成を簡素化することができる。よって、盗難防止性を損なわず、構成を簡素化することができる。
以下、本発明をバイワイヤ方式の車両用操舵装置を備えた車両システムに具体化した第1実施形態を図1〜図3(a),(b)に従って説明する。
図1に示すように、車両システム1は、車両2に搭載される車載装置3、車輪4及び車両2の所有者(運転者)によって所持される携帯機5を備えている。携帯機5は、車載装置3と車両周辺の車外領域A1、車両室内の室内領域A2内において相互通信可能となっている。携帯機5を所持した所有者が車外領域A1に進入すると、携帯機5は車載装置3から出力される車外リクエスト信号を受信して、所定のIDコードを含むIDコード信号を自動的に送信する。車載装置3は、IDコード信号を受信すると、自身に設定されたIDコードと該IDコード信号に含まれるIDコード信号とを比較(IDコード照合)する。車載装置3は、車外領域A1にある携帯機5とのIDコード照合が成立すると、ドア錠を解錠する。また、車載装置3は、携帯機5を所持した運転者が車外領域A1の外に移動して車外リクエスト信号に対して携帯機5が応答しないと、ドア錠を施錠する。
図2に示すように、ステアリングシャフト21は、一端がステアリングホイール11と一体に回転可能に固定されており、他端がステアリングコラム31を貫通して連結機構41に接続されている。ステアリングシャフト21は、ステアリングコラム31内において、図示しない自在継手により連結されており、同ステアリングコラム31とともに車両室内における天井及び床方向(以下「上下方向」という)に移動可能となっている。
ステアリングコラム31には、チルトモータ32及びテレスコピックモータ33が配設されている。チルトモータ32及びテレスコピックモータ33はそれぞれ制御装置61と電気的に接続されている。また、ステアリングコラム31には、ステアリングシャフト21を覆うコラムチューブ34が配設されている。コラムチューブ34は、図示しない連結ピンによって前記ステアリングコラム31と連結されている。ステアリングコラム31は、前記チルトモータ32の駆動に基づき、連結ピンを回転の中心として前記上下方向に移動可能となっている。また、ステアリングコラム31は、前記テレスコピックモータ33の駆動に基づきステアリングホイール11とともに図1に矢印X及び矢印Yで示す車両2の前後方向(以下「前後方向」という)に移動可能となっている。即ち、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト21、ステアリングコラム31及びコラムチューブ34は、チルトモータ32及びテレスコピックモータ33の駆動によって一体的に移動する。
図3(a),(b)に併せ示すように、連結機構41は、前記ステアリングシャフト21と一体に回転するシャフト側回転体42と、舵角検出部51(図2参照)内にて回転する検出側回転体52とを備えている。
図2に示すように、制御装置61は、前記回転角センサ53、ドア錠駆動モータ81、エンジン制御部91及びインストルメントパネルに設けられたプッシュスイッチSWと電気的に接続されている。制御装置61は、回転角センサ53からの検出信号を検出すると、その検出信号に基づいて検出側回転体52の回転量を算出する。制御装置61は、この算出された回転量に基づいて車輪4の転舵角度を決定し、その旨を示す駆動信号を操舵アクチュエータ71に出力する。操舵アクチュエータ71は、制御装置61から入力される駆動信号に基づいて車輪4の転舵角度を変更する。
次に、上記車両システム1の動作について説明する。
<非連結位置→連結位置>
図1及び図2に示すように、携帯機5を所持した運転者が車両周辺の車外領域A1内に進入すると、携帯機5は車外用アンテナ62から送信される車外リクエスト信号を受信する。そして、予め設定されたIDコードを含むIDコード信号が携帯機5から制御装置61の車外用アンテナ62へ送信される。そして、制御装置61は、自身に設定されたIDコードと、車外領域A1にある携帯機5からのIDコード信号のIDコードとのIDコード照合を行う。その結果、IDコード照合が成立すると、制御装置61から解錠駆動信号がドア錠駆動モータ81に出力される。そして、ドア錠が解錠する。
図1及び図2に示すように、エンジンの駆動状態において運転者がプッシュスイッチSWを押圧すると、エンジン停止信号が制御装置61からエンジン制御部91に出力され、エンジンの駆動が停止される。そして、エンジンの駆動が停止されると、制御装置61から第2テレスコ駆動信号がテレスコピックモータ33に、第2チルト駆動信号がチルトモータ32に出力され、ステアリングコラム31(ステアリングホイール11)は運転位置から最収縮位置に移動する。
従って、上記第1実施形態の車両用操舵装置10によれば、以下のような効果を得ることができる。
以下、本発明をバイワイヤ方式の車両用操舵装置を備えた車両システムに具体化した第2実施形態を図4(a)〜(c)に従って説明する。この実施形態に係る車両用操舵装置は、連結機構のみが第1実施形態と異なるため、その重複する説明を省略する。
<非連結位置→連結位置>
エンジン制御部91がエンジン許可状態において、運転者がプッシュスイッチSWを押圧操作するとエンジンが始動する。そして、ステアリングシャフト21が図4(c)に示す非連結位置から図4(b)に矢印Yで示す方向に移動すると、シャフト側回転体142も同方向に移動する。このシャフト側回転体142の移動に伴い、検出側回転体152の突出部155はシャフト側回転体142の内側面145を摺動する。そして、シャフト側回転体142の貫通孔143が検出側回転体152の突出部155に達すると、検出側回転体152は突出部155のテーパ156に沿って徐々に貫通孔143に入り込む。その後さらにシャフト側回転体142が図4(c)に矢印Yで示す方向に移動すると、突出部155の先端はシャフト側回転体142の貫通孔143に完全に入り込み、連結位置に到達する(図4(b)参照)。
エンジンの駆動状態において、運転者がプッシュスイッチSWを押圧するとエンジンの駆動が停止される。そして、図4(b)に示すように、ステアリングシャフト21が図4(b)に矢印Xで示す方向に移動すると、シャフト側回転体142の貫通孔143も同方向に移動する。この貫通孔143の移動に伴い、腕部154は突出部155のテーパ156に沿って内側に撓む。そして、突出部155が貫通孔143から完全に抜け出すと、突出部155の先端はシャフト側回転体142の内側面145に係止される。その後さらにシャフト側回転体142が図4(b)に矢印Xで示す方向に移動すると、突出部155の先端は内側面145に沿って摺動して、非連結位置に到達する(図4(c)参照)。
以下、本発明をバイワイヤ方式の車両用操舵装置を備えた車両システムに具体化した第3実施形態を図5(a),(b)に従って説明する。この実施形態に係る車両用操舵装置は、連結機構のみが第1実施形態と異なるため、その重複する説明を省略する。
<非連結位置→連結位置>
エンジン制御部91がエンジン許可状態において、運転者がプッシュスイッチSWを押圧操作するとエンジンが始動する。そして、図5(a)に示す非連結位置からステアリングシャフト21が図5(a)に矢印Yで示す方向に移動すると、シャフト側回転体142も同方向に移動する。シャフト側回転体242の内側面242aは検出側回転体252の外側面252aと密着する(連結位置)。この状態において、検出側回転体252がシャフト側回転体242に一体に固定され、シャフト側回転体242の回転を検出側回転体252に伝達することができる。
エンジンの駆動状態において、運転者がプッシュスイッチSWを押圧するとエンジンの駆動が停止される。そして、図5(b)に示す連結位置からステアリングシャフト21が図5(b)に矢印Xで示す方向に移動すると、シャフト側回転体242も同方向に移動する。そして、シャフト側回転体242の内側面242aが検出側回転体252の外側面252aから離間する(非連結位置)。それに伴って、シャフト側回転体242と検出側回転体252とにおける「しまりばめ」の関係も解除される。この状態において、ステアリング操舵に基づいてシャフト側回転体242を回転させると、シャフト側回転体242は空転するのみで、検出側回転体252を回転させることができない。このため、ステアリング操舵に基づく検出側回転体252の回転を舵角検出部51内の回転角センサ53によって検出することができなくなる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態では、シャフト側回転体142を検出側回転体152よりも外側になるように配設したが、シャフト側回転体142を検出側回転体152よりも内側になるように配設してもよい。即ち、図6(a)に示すように、検出側回転体152aの突出部155aを内側に向かって形成する。そして、上記第2実施形態同様にシャフト側回転体142の移動に基づいて突出部155aと貫通孔143との嵌合及びその嵌合の解除を行い、シャフト側回転体142と検出側回転体152aとの連結及び分離(非連結)を行う。例えば、図6(a)に示すように、シャフト側回転体142と検出側回転体152aとが連結した連結位置において、テレスコピックモータ33の駆動によりステアリングシャフト21が図6(a)に矢印Xで示す方向に移動すると、シャフト側回転体142も同方向に移動する。そして、腕部154aは突出部155aのテーパ156aに沿って外側に撓む。その後さらにシャフト側回転体142が図6(a)に示すXで示す方向に移動すると、突出部155aの先端は外周面に沿って摺動して、図6(b)に示す非連結位置に到達する。また、シャフト側回転体142が図6(b)に矢印Yで示す方向に移動すると、検出側回転体152aは突出部155aのテーパ156aに沿って徐々に貫通孔143に入り込み、図6(a)に示す連結位置に到達する。このような構成にした場合にも、上記(1)〜(3)の効果を得ることができる。
(付記)
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
Claims (7)
- 車輪と機械的な動力伝達が不能に分離されたステアリングホイールと、前記ステアリングホイールの操舵に基づく操舵力が伝達されることによりステアリングホイールの操舵角を検出する舵角検出手段と、前記車輪の角度を変更する操舵アクチュエータと、前記舵角検出手段により検出された操舵角に基づいて前記操舵アクチュエータの作動を制御する制御手段とを備えた車両用操舵装置であって、
前記ステアリングホイールと前記舵角検出手段との間には、当該ステアリングホイールと舵角検出手段とを機械的な動力伝達が不能に分離する非連結状態と、機械的な動力伝達が可能に連結する連結状態とを切換える連結機構が設けられた車両用操舵装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
前記連結機構は、前記ステアリングホイールと一体に回転する第1回転部材と、
前記第1回転部材と機械的な動力伝達が不能に分離、もしくは機械的な動力伝達が可能に連結する第2回転部材とを備え、
前記第2回転部材は、前記第1回転部材との連結状態において当該第1回転部材と一体に回転可能であり、
前記舵角検出手段は、前記第2回転部材の回転を検出することでステアリングホイールの操舵に基づく操舵角を検出することを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2に記載の車両用操舵装置において、
前記第1回転部材もしくは第2回転部材のうちどちらか一方が前記ステアリングホイールの軸方向にスライド移動することで、当該第1回転部材と第2回転部材との分離及び連結を行うことを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2又は請求項3に記載の車両用操舵装置において、
前記第1回転部材及び第2回転部材の一方には少なくとも1つの凹部が形成され、他方には前記凹部に係合可能な凸部が形成され、前記第1回転部材及び第2回転部材は、該凸部が凹部に係合することで連結状態となり、前記凹部と凸部との係合が解除されることで非連結状態となることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項4に記載の車両用操舵装置において、
前記凹部は、前記ステアリングホイールの軸方向と平行に形成された溝部であり、
前記凸部は、前記溝部に係合する第1の突部であることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項4に記載の車両用操舵装置において、
前記凹部は、前記ステアリングホイールの軸方向と直交する方向に形成された貫通孔であり、
前記凸部は、前記貫通孔に嵌合する第2の突部であることを特徴とする車両用操舵装置。 - 請求項2〜請求項6のうちいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
前記連結状態において、前記第1回転部材及び第2回転部材を互いに連結させる固定部材を設けたことを特徴とする車両用操舵装置。
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