JP4567213B2 - 半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法 - Google Patents
半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体レーザの励起や微細加工処理等の光源として使用される半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置におけるレンズ位置固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザは、スペクトル幅が狭く、効率が高いという特徴を有するため、発振波長をNd:YAG等の固体レーザ結晶の吸収スペクトルに適合させれば、効率よく固定レーザ結晶を励起することが可能であり、固体レーザ励起用光源として用いられている。また、近年では、半導体レーザを微細加工用の光源として用いることも検討されている。このように半導体レーザを固体レーザの励起や微細加工処理等の光源として用いる場合には、高出力化及び高光密度化を図るために、レーザ出射点を1次元方向に多数配列したバー状の半導体レーザアレイ、又は、この半導体レーザアレイを2次元状に複数積層した半導体アレイスタックを用いた半導体レーザ装置が使用されている。
【0003】
こうした半導体レーザ装置では、各レーザ出射点からの発熱が大きいため、レーザ素子の出力特性が低下すると共に素子寿命が著しく短くなってしまうおそれがある。そのため、半導体レーザアレイは、熱伝導率が高く放熱特性に優れたヒートシンクに載置された状態(半導体レーザアレイスタックは、各半導体レーザアレイ間にヒートシンクを挟み込んだ状態)で使用される。このような技術は、例えば特開平10−200199号公報に開示されている。
【0004】
また、こうした半導体レーザ装置では、出射されるレーザ光の発散角が大きく、レーザ光を効率よく集光するには出射されたレーザ光を平行化することが必要になる。そのため、半導体レーザ装置には、出射されたレーザ光を平行化するためのシリンドリカルレンズ等の集光レンズが出射面近傍に配置される。このような技術は、例えば特開平10−284779号に開示されている。
【0005】
図14、図15及び図16は、単一の半導体レーザアレイを用いた従来の半導体レーザ装置を示すそれぞれ斜視図、側面図及び平面図である。これらの図に示すように、この半導体レーザ装置100では、バー状の半導体レーザアレイ101の上下面にそれぞれカバープレート102及びサブマウントベース103が接合されており、ヒートシンク104上に載置されている。また、断面が半円形状である柱状の集光レンズ105が、半導体レーザアレイ101の出射面に沿うように配置され、ヒートシンク104の前面(出射方向側の面)に支持されている。この半導体レーザ装置101において、半導体レーザアレイ101の各レーザ出射点から出射されたレーザ光は、出射直後に集光レンズ105によって平行化される。
【0006】
また、図17は、半導体レーザアレイスタックを用いた従来の半導体レーザ装置を示す斜視図である。同図に示すように、この半導体レーザ装置110では、半導体レーザアレイ101、カバープレート102及びサブマウントベース103からなるユニットがヒートシンク104を挟み込んで交互に積層されて半導体レーザアレイスタックを構成している。この半導体レーザアレイスタックは、U字型のハウジング111の凹部に配置されており、断面が半円形状である柱状の集光レンズ105が、各半導体レーザアレイ101の出射面に沿うように配置され、ハウジング111の前面(出射方向側の面)に両端を支持されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
半導体レーザ装置を固体レーザの励起や微細加工処理等の光源として使用する場合、固体レーザの端面や加工部位等の微小なスポットにレーザ光を集光しなければならない。この集光効率を向上させるためには、出射されたレーザ光を高い精度で平行化しなければならず、レーザ出射面の近傍に配置される集光レンズの位置精度が重要となる。特に、レーザ出射方向についての位置精度が重要であり、集光レンズと半導体レーザアレイの出射面との間隔が一定となるように(長手方向については、図16におけるδ1とδ2とが等しくなるように)集光レンズを配置する必要がある。
【0008】
しかしながら、半導体レーザ装置を作製する場合、半導体レーザアレイと他の各部材とを接合する作業の際にズレが生じやすく、ヒートシンク又はハウジング等のレンズホルダの支持面と半導体レーザアレイのレーザ出射面とが平行でなくなってしまうことがある。例えば、図18に示すように、半導体レーザアレイ101をサブマウントベース103上にマウントする際に図中z軸方向を回転軸とするズレが生じやすいと共に、接合時のはんだ層106の厚さムラによってy軸方向及びx軸方向を回転軸とするズレが生じる。これらにより、半導体レーザアレイ101の出射面200aとヒートシンク104の支持面200bとが平行でなくなってしまう。従って、このような場合には、集光レンズと半導体レーザアレイの出射面の間隔が一定となるように配置することが困難になっていた。
【0009】
また、集光レンズは、半導体レーザアレイの出射面との間隔が一定となるように位置合わせされた後、ヒートシンク又はハウジング等のレンズホルダの支持面に接着剤を用いて固定されるが(図14〜図17における符号107参照)、特に樹脂系の接着剤を用いて固定する際、接着剤の重合収縮に伴なって集光レンズと半導体レーザアレイの出射面との間隔が変化してしまうことがあった。さらには、集光レンズと半導体レーザアレイの出射面の間隔が一定となるように高精度に固定できたとしても、接着の際に重合しなかった残存モノマー成分の重合収縮が時間の経過と共に進行するため、集光レンズと半導体レーザアレイの出射面との間隔が経時的に変化してしまうことがあった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザ出射面と集光レンズとの間隔を一定に保持し、集光効率を向上させることが可能な半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る半導体レーザ装置は、複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイの出射方向近傍に出射面に沿うようにして配置され、半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を長手方向と交差する方向に集光する集光レンズと、集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダと、レンズホルダの摺動面に沿って摺動可能な剛体スペーサとを備え、剛体スペーサの一端が集光レンズと接触した状態で、剛体スペーサをレンズホルダに固定し、集光レンズとレンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって集光レンズがレンズホルダの支持面上に接着されたことを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明に係る半導体レーザ装置は、複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された複数の半導体レーザアレイが、出射方向を同一方向として長手方向及び出射方向と交差する方向にスタック状に配置された半導体レーザアレイスタックと、各半導体レーザアレイの出射方向近傍に出射面に沿うようにして配置され、各半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を長手方向と交差する方向に集光する半導体レーザアレイと同数の集光レンズと、集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダと、レンズホルダの摺動面に沿って摺動可能な剛体スペーサとを備え、剛体スペーサの一端が集光レンズと接触した状態で、剛体スペーサをレンズホルダに固定し、集光レンズとレンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって集光レンズがレンズホルダの支持面上に接着されたことを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法は、複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された半導体レーザアレイと、半導体レーザアレイの出射方向近傍に出射面に沿うようにして配置され、半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を長手方向と交差する方向に集光する集光レンズと、集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダとを備える半導体レーザ装置において集光レンズの位置を固定する方法であって、剛体スペーサをレンズホルダの摺動面に沿って摺動させ、当該剛体スペーサの一端を集光レンズと接触させる第1のステップと、剛体スペーサをレンズホルダに固定する第2のステップと、集光レンズとレンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって集光レンズをレンズホルダの支持面上に接着する第3のステップとを備えることを特徴とする。
【0014】
また、第4の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法は、複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された複数の半導体レーザアレイが、出射方向を同一方向として長手方向及び出射方向と交差する方向にスタック状に配置された半導体レーザアレイスタックと、各半導体レーザアレイの出射方向近傍に出射面に沿うようにして配置され、各半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を長手方向と交差する方向に集光する半導体レーザアレイと同数の集光レンズと、集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダとを備える半導体レーザ装置において集光レンズの位置を固定する方法であって、剛体スペーサをレンズホルダの摺動面に沿って摺動させ、当該剛体スペーサの一端を集光レンズと接触させる第1のステップと、剛体スペーサをレンズホルダに固定する第2のステップと、集光レンズとレンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって集光レンズをレンズホルダの支持面上に接着する第3のステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
これらの発明によれば、集光レンズとレンズホルダの支持面との間隔が一定となるように集光レンズを配置し、剛体スペーサをレンズホルダの摺動面上を摺動させて一端を集光レンズと接触させた後、集光レンズとレンズホルダの支持面との間に接着剤を塗布し、この接着剤を硬化させて集光レンズをレンズホルダの支持面上に接着することによって集光レンズの位置が固定される。このように、剛体スペーサの一端と接触させて集光レンズの位置調整を行なえば、レーザ出射面とレンズホルダの支持面とが平行でない場合であっても、集光レンズとレンズホルダの支持面との間隔が一定となるように配置することが容易になる。また、剛体スペーサの一端を集光レンズと接触させた状態で接着処理を行なえば、接着処理の際又は接着後経時的に接着剤が重合収縮を起こしても、レーザ出射面と集光レンズとの間隔を一定に保持することが可能になる。
【0016】
また、上記第1及び第2の発明に係る半導体レーザ装置において、集光レンズの外周面に平坦面が形成され、上記剛体スペーサの一端は、当該平坦面と接触したことが好ましい。
【0017】
また、上記第3及び第4の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法において、上記集光レンズとして、外周面に平坦面が形成された集光レンズを用い、上記第1のステップでは、上記剛体スペーサの一端を当該平坦面に接触させることが好ましい。
【0018】
これらのように、集光レンズの外周面に平坦面を形成すれば、集光レンズの位置を調整する作業等が容易になると共に、集光レンズを安定した状態でレンズホルダの支持面上に固定することが可能になる。
【0019】
また、上記第1及び第2の発明に係る半導体レーザ装置において、上記レンズホルダの摺動面にガイド溝が形成され、上記剛体スペーサは、当該ガイド溝に沿って摺動可能であることも好ましい。
【0020】
また、上記第3及び第4の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法において、上記レンズホルダの摺動面にガイド溝を形成するステップをさらに備え、上記第1のステップでは、上記剛体スペーサを、当該ガイド溝に沿って摺動させることも好ましい。
【0021】
これらのように、レンズホルダの摺動面にガイド溝を形成し、このガイド溝に沿って剛体スペーサを摺動させれば、剛体スペーサを移動させる作業が容易になると共に、剛体スペーサがガイド溝と交差する方向にぐらつくことがなく集光レンズを安定した状態でレンズホルダの支持面上に固定することが可能になる。
【0022】
また、上記第1及び第2の発明に係る半導体レーザ装置において、上記剛体スペーサは、複数の剛体スペーサを含むことも好ましい。
【0023】
また、上記第3及び第4の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法において、上記剛体スペーサとして、複数の剛体スペーサを用いることも好ましい。
【0024】
これらの場合には、各剛体スペーサの位置等を変えることによって、レンズホルダの支持面に対してアオリ(所定の回転軸についての回転)を与えた状態で集光レンズを固定することが可能になる。すなわち、独立に移動可能な複数のロッド状剛体スペーサを集光レンズの長手方向と交差する方向に並列して配置すれば、集光レンズに与えたアオリを保持するように各ロッド状剛体スペーサの一端と集光レンズとを接触させることができる。また、単一の剛体スペーサを用いる場合と比較して、集光レンズを安定した状態でレンズホルダの支持面上に固定することが可能になる。
【0025】
また、上記第1及び第2の発明に係る半導体レーザ装置において、上記剛体スペーサは、レンズホルダの摺動面上の一点を支点として当該摺動面上を回転移動可能であることも好ましい。
【0026】
また、上記第3及び第4の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法において、上記第1のステップでは、上記剛体スペーサを、レンズホルダの摺動面上の一点を支点として当該摺動面上を回転移動させ、当該剛体スペーサの一端を集光レンズと接触させることも好ましい。
【0027】
このように、剛体スペーサをレンズホルダの摺動面上の一点を支点として回転移動させれば、単一の剛体スペーサをもってレンズホルダの支持面に対してアオリを与えた状態で集光レンズを固定することが可能になる。すなわち、剛体スペーサがレンズホルダの摺動面上を回転移動可能であれば、剛体スペーサの一端における集光レンズと接触させる接触面をレンズホルダの支持面に対して任意の角度に配置することができるため、この接触面によって集光レンズに与えたアオリを保持することが可能になる。
【0028】
また、上記第1及び第2の発明に係る半導体レーザ装置において、上記剛体スペーサは、紫外線を透過する特性を有することも好ましい。
【0029】
さらに、上記第3及び第4の発明に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法において、上記剛体スペーサとして、紫外線を透過する特性を有する剛体スペーサを用いることも好ましい。
【0030】
集光レンズとレンズホルダの支持面を接着するための接着剤として、紫外線を照射することによって接着作用を有する紫外線硬化型の接着剤(例えば、アクリル系モノマーと紫外線照射によってラジカルを発生する重合開始剤とから構成される接着剤)を使用する場合には、このように紫外線を透過する特性を有する剛体スペーサを用いることによって、紫外線硬化型の接着剤をまんべんなく硬化させることが可能になる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、実施形態においては、半導体レーザアレイのレーザ出射面に向かって左方向をx軸正方向、レーザ出射方向をy軸正方向、レーザ出射面に向かって上方向をz軸正方向とする右手系の直交座標を用いて説明する。
【0032】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1及び図2は、それぞれ第1の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す斜視図及び側面図である。この半導体レーザ装置1は、バー状の半導体レーザアレイ11と、カバープレート12と、サブマウントベース13と、ヒートシンク14と、集光レンズ15とを備えて構成される。
【0033】
半導体レーザアレイ11は、GaAs等からなる化合物半導体から構成されており、発光領域の大きさが100μm×2μm程度の1チャンネルのレーザ出射点を出射面20a上に多数配列してバー状に形成したものである。この半導体レーザアレイ11には、カバープレート12及びサブマウントベース13がはんだ付けによって上下面から挟み込むように接合されており、レーザ出射方向が図中x軸正方向、半導体レーザアレイ11の長手方向(レーザ出射点の配列方向)が図中y軸方向となるようにヒートシンク104上に載置されている。サブマウントベース13及びヒートシンク14は熱伝導性に優れた材質から構成されており、ヒートシンク14の内部には水路(図示せず)が設けられて冷却水を循環流通させることが可能になっている。
【0034】
ヒートシンク14のy軸方向に面した側面(摺動面)には、コの字型のスペーサ支持具22が取り付けられており、紫外線透過性を有する材質から構成された角柱状の剛体スペーサ18が、x軸方向に沿ってヒートシンク14の摺動面とスペーサ支持具22との間に差し通されている(図3参照)。また、集光レンズ15は、円柱状のレンズに研削加工等を施すことによって平坦面20cが形成された断面が半円形状のレンズであり、その平坦面20cを半導体レーザアレイ11の出射面20aの方向(x軸負方向)に向けて出射面20aに沿うように配置されており、剛体スペーサ18と接触した状態で、剛体スペーサ18をヒートシンク14の側面(摺動面)または突起部22に接着剤等で固定し、平坦面20cとヒートシンク14の支持面20bとの間に塗布された接着剤17によってヒートシンク14の支持面20b上に固定されている。以下、この集光レンズの位置固定方法について詳細に説明する。
【0035】
この位置固定方法では、まず、ヒートシンク14の支持面20bから約300μm程度前側(x軸正方向側)に集光レンズ15を配置し、半導体レーザアレイ11の出射面20aと集光レンズ15の平坦面20cとの間隔が一定となるように(すなわち、半導体レーザアレイ11の出射面20aと集光レンズ15の平坦面20cとが平行になるように)集光レンズ15の位置合わせを行なう。この位置合わせ処理は、例えば、半導体レーザアレイ11を作動させて、集光レンズ15によって集光されたレーザ光をモニターしながら行なわれ、モニター出力が最大になるように集光レンズ15の位置が調整される。
【0036】
集光レンズ15の位置合わせ処理が行なわれた後、図3に示すように、ヒートシンク14の摺動面とスペーサ支持具22との間に差し通された剛体スペーサ18をx軸方向に摺動させ、この剛体スペーサ18の一端20dを集光レンズ15の平坦面20cに接触させる。その状態で、剛体スペーサ18をヒートシンク14の側面(摺動面)または突起部22に接着剤により固定(例えば紫外線硬化型接着剤に紫外線ランプ等を照射することで硬化させることで接着する)した後、集光レンズ15の平坦面20cとヒートシンク14の支持面20bとの間に紫外線硬化型の接着剤17を塗布した後、紫外線ランプ(図示せず)等を用いてこの接着剤17に紫外線を照射し、接着剤17を硬化させることによって集光レンズ15をヒートシンク14の支持面20b上に接着させる。このとき、剛体スペーサ18は紫外線透過性を有するため、多方向から紫外線を照射することを必要とせずに接着剤17をまんべんなく硬化させることができる。
【0037】
図4は、このようにして集光レンズ15が固定された半導体レーザ装置1の平面図であり、図中δ及びδ’は、それぞれ各端における出射面20aと集光レンズ15の平坦面20cとの間隔を示す値である。単に接着剤17のみによって固定した場合、接着処理の際又は接着後経時的に接着剤17の重合収縮が進行し、特にその収縮量が各端によって異なると集光レンズ15の位置がずれて半導体レーザアレイ11の出射面20aと集光レンズ15の平坦面20cとの間隔が一定ではなくなってしまう(すなわち、δ≠δ’となってしまう)。本実施形態では、剛体スペーサ18の一端20dを集光レンズ15に接触させた状態で、剛体スペーサ18をヒートシンク14の側面(摺動面)または突起部22に接着剤等で固定し、集光レンズ15の平坦面20cとヒートシンク14の支持面20bとを接着するため、接着剤17が重合収縮を起こしても、ヒートシンク14の側面(摺動面)または突起部22に固定された剛体スペーサ18によって出射面20aと集光レンズ15の平坦面20cとの間隔を一定に(すなわち、δ=δ’に)保持することができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5及び図6は、それぞれ第2の実施形態に係る半導体レーザ装置を示す斜視図及び側面図である。この半導体レーザ装置2では、第1の実施形態と同様にして形成された半導体レーザアレイ11、カバープレート12及びサブマウントベース13からなるユニットが、ヒートシンク14を挟み込んでz軸方向に交互に積層されて半導体レーザアレイスタックを構成し、この半導体レーザアレイスタックがU字型のハウジング21の凹部に配置されている。
【0039】
ハウジング21のy軸方向に面した側面(摺動面)には、コの字型のスペーサ支持具22が各半導体レーザアレイ11につき2つずつz軸方向に並んで設けられており、ハウジング21の摺動面と各スペーサ支持具22との間には、角柱状の剛体スペーサ18がx軸方向に沿って差し通されている。また、半導体レーザアレイ11と同数の断面が半円形状である集光レンズ15が、平坦面20cを各半導体レーザアレイ11の出射面20aの方向(x軸負方向)に向けて出射面20aに沿うように配置されており、剛体スペーサ18と接触した状態で、剛体スペーサ18がハウジング21の側面(摺動面)または突起部22に固定され、平坦面20cとハウジング21の支持面20bとの間に塗布された接着剤17によってハウジング21の支持面20b上に固定されている。
【0040】
この半導体レーザ装置2における各集光レンズ15は、第1の実施形態において説明した位置固定方法と同様の方法を用いて固定される。すなわち、各半導体レーザアレイ11の出射面20aと各集光レンズ15の平坦面20cとの間隔が一定となるように各集光レンズ15の位置合わせを行なった後、ハウジング21の摺動面と各スペーサ支持具22との間に差し通された剛体スペーサ18をx軸方向に摺動させ、この剛体スペーサ18の一端20dを集光レンズ15の平坦面20cに接触させる。その状態で、剛体スペーサ18をハウジング21の側面(摺動面)または突起部22に接着剤により固定(例えば紫外線硬化型接着剤に紫外線ランプ等を照射することで硬化させることで接着する)した後、集光レンズ15の平坦面20cとハウジング21の支持面20bとの間に紫外線硬化型の接着剤17を塗布した後、この接着剤17に紫外線を照射し、接着剤17を硬化させることによって集光レンズ15をハウジング21の支持面20b上に接着させる。
【0041】
本実施形態においても、剛体スペーサ18の一端20dを集光レンズ15の平坦面20cに接触させた状態で、剛体スペーサ18をハウジング21の側面(摺動面)または突起部22に接着剤等で固定し、各集光レンズ15の平坦面20cとハウジング21の支持面20bとを接着するため、接着剤17が重合収縮を起こしても、ハウジング21の側面(摺動面)または突起部22に固定された剛体スペーサ18によって各半導体レーザアレイ11の出射面20aと各集光レンズ15の平坦面20cとの間隔を一定に保持することができる。また、本実施形態では、各集光レンズ15の一端につき2本の剛体スペーサ18を用いるため、単一の剛体スペーサを用いる場合と比較して、集光レンズ15を安定した状態でハウジング21の支持面20b上に固定することができる。
【0042】
なお、本実施形態に係る半導体レーザ装置2において、図7に示すように、半導体レーザアレイ11とサブマウントベース13との間のはんだ層16の厚さムラによって、長手方向(y軸方向)を回転軸とするズレが生じ、半導体レーザアレイ11の出射面がハウジング21の支持面20b(yz平面)に対して角度αだけ傾いてしまうことがある。このように、半導体レーザアレイ11の出射面20aとハウジング21の支持面20bとが平行でない場合には、集光レンズ15にアオリ(y軸方向を回転軸とする回転)を与える必要があるが、同図に示すように、上側の剛体スペーサ18を下側の剛体スペーサ18よりx軸正方向側に摺動させて各剛体スペーサ18を集光レンズ15に接触させれば、集光レンズ15にy軸に対するアオリを与えた状態で容易に固定することができる。
【0043】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、図8に示すように、第2の実施形態に係る半導体レーザ装置2におけるハウジング21の支持面20bに切り欠き面(摺動面)20eが形成されており、この切り欠き面20eにコの字型のスペーサ支持具22が各半導体レーザアレイ11につき2つずつz軸方向に並んで設けられており、この切り欠き面20eと各スペーサ支持具22との間には、角柱状の剛体スペーサ18がx軸方向に沿って差し通されている。各集光レンズ15を固定する際には、上記第2の実施形態と同様に、剛体スペーサ18を切り欠き面20eに沿って摺動させた後、剛体スペーサ18の一端がレンズの平坦面20cに接触した状態で、剛体スペーサ18がハウジング21の切り欠き面20eまたは突起部22に固定され、集光レンズ15の平坦面20cとハウジング21の支持面20bとの間に塗布された接着剤17を硬化させることによって集光レンズ15がハウジング21の支持面20b上に接着される。
【0044】
本実施形態のように、ハウジング21の支持面20bに切り欠き面20eを形成し、この切り欠き面20eに沿って剛体スペーサ18を摺動させることによっても、各半導体レーザアレイ11の出射面20aと各集光レンズ15の平坦面20cとの間隔を一定に保持することができると共に、集光レンズ15にアオリを与えた状態で容易に固定することができる。
【0045】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、図9に示すように、ハウジング21の支持面20bに形成された切り欠き面(摺動面)20eに2本のガイド溝23が設けられており、ロッド状の剛体スペーサ19がこのガイド溝23に沿って摺動可能になっている。集光レンズ15を固定する際には、剛体スペーサ18をガイド溝23に沿って摺動させた後、剛体スペーサ18の一端がレンズの平坦面20cに接触した状態で、剛体スペーサ18がハウジング21の切り欠き面20eに固定され、集光レンズ15の平坦面20cとハウジング21の支持面20bとの間に塗布された接着剤17を硬化させることによって集光レンズ15がハウジング21の支持面20b上に接着される。
【0046】
本実施形態のように、ハウジング21の切り欠き面(摺動面)20eにガイド溝23を形成し、このガイド溝23に沿って剛体スペーサ19を挿入すれば、剛体スペーサ19がガイド溝23と交差する方向にぐらつくことがなく、集光レンズ15を安定した状態でハウジング21の支持面20b上に固定することができる。
【0047】
最後に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では、図10に示すように、剛体スペーサ18がx軸方向に摺動させた後、この剛体スペーサ18の一点を固定具24を用いてハウジング21のy軸方向に面した側面(摺動面)上に固定することによって、この固定具24を支点として剛体スペーサ18が摺動面上を回転可能になる。集光レンズ15を固定する際には、集光レンズ15の平坦面20cのアオリ角に合わせて剛体スペーサ18を回転移動させて剛体スペーサ18の一端20dを集光レンズ15の平坦面20cに接触させた後、剛体スペーサ18をハウジング21の側面(摺動面)に接着剤等で固定し、集光レンズ15の平坦面20cとハウジング21の支持面20bとの間に塗布された接着剤17を硬化させることによって集光レンズ15がハウジング21の支持面20b上に接着される。
【0048】
本実施形態のように、剛体スペーサ18をハウジング21の摺動面上の一点を支点として回転移動させることによっても、ハウジング21の支持面20bに対してアオリを与えた状態で集光レンズ15を固定することができる。すなわち、剛体スペーサ18がハウジング21の摺動面上を回転移動可能であれば、剛体スペーサ18の一端20dにおける集光レンズ15の平坦面20cと接触させる接触面をハウジング21の支持面20bに対して任意の角度に配置することができるため、これによって集光レンズ15に与えたアオリを保持することができる。
【0049】
なお、本発明に係る半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法は、上記実施形態に記載の態様に限定されるものではなく、他の条件等に応じて種々の変形態様をとることが可能である。例えば、上記実施形態では、放熱のためのヒートシンクや半導体レーザアレイスタックを収納するためのハウジングをレンズホルダとし、これらに集光レンズを固定する例について説明したが、これらとは別個にレンズホルダを設けてそのレンズホルダに集光レンズを固定してもよい。
【0050】
また、上記第2の実施形態等では、予め半導体レーザアレイスタックを構成した後、各レーザ出射面に対して集光レンズを固定する例について説明したが、各半導体レーザアレイをヒートシンク等を介して積層するごとにその半導体レーザアレイの出射方向近傍に集光レンズを固定し、これらの作業を順次繰り返すことによって半導体レーザアレイスタックを構成してもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、集光レンズの光学部分(すなわち、集光に関与する部分)と剛体スペーサの一端とを接触させた状態で接着する例について説明したが、集光レンズに専用の支持部を設け、この支持部と剛体スペーサの一端とを接触させた状態で集光レンズを固定してもよい。例えば、図11に示すように、集光レンズ15の下部に突起部25を設け、この突起部25に形成された平坦面部分に剛体スペーサ18を接触させることとしてもよい。
【0052】
また、上記第5の実施形態では、剛体スペーサの一点を固定具を用いて摺動面に固定することによって剛体スペーサを摺動面上で回転可能とする例について説明したが、例えば、図12に示すように、剛体スペーサ18の側面をy軸方向に貫通する貫通孔26を設け、図13(a)に示すような剛体ピン28を貫通孔26を通してハウジング21の摺動面に押し付け、これを支点として剛体スペーサ18を回転させた後、この剛体ピン28を抜いて剛体スペーサ18の他端側に接着剤27を塗布して剛体スペーサ18をハウジング21の摺動面上に接着することとしてもよい。なお、この場合、剛体ピン28に代え、ばね等の弾性体によって構成された弾性体ピン29(図13(b)参照)を用いれば、押し付ける際にハウジング21の摺動面に過度な力がかからず、剛体スペーサ18の回転移動等の操作も容易になる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る半導体レーザ装置、及び、半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法によれば、レーザ出射面と集光レンズとの間隔を一定に保持し、集光効率を向上させることが可能になる。
【0054】
すなわち、剛体スペーサの一端と接触させて集光レンズの位置調整を行なうことによって、レーザ出射面とレンズホルダの支持面とが平行でない場合であっても、集光レンズとレンズホルダの支持面との間隔が一定となるように配置することが容易になる。また、剛体スペーサの一端を集光レンズと接触させた状態で剛体スペーサをレンズホルダに固定し、レンズとレンズホルダの支持面との接着処理を行なうことによって、接着処理の際又は接着後経時的に接着剤が重合収縮を起こしても、レーザ出射面と集光レンズとの間隔を一定に保持することが可能になる。
【0055】
また、集光レンズの外周面に平坦面を形成することによって、集光レンズの位置を調整する作業等が容易になると共に、集光レンズを安定した状態でレンズホルダの支持面上に固定することが可能になる。
【0056】
また、レンズホルダの摺動面にガイド溝を形成し、このガイド溝に沿って剛体スペーサを摺動させることによって、剛体スペーサを移動させる作業が容易になると共に、剛体スペーサがガイド溝と交差する方向にぐらつくことがなく集光レンズを安定した状態でレンズホルダの支持面上に固定することが可能になる。
【0057】
また、独立に移動可能な複数のロッド状剛体スペーサを集光レンズの長手方向と交差する方向に並列して配置すれば、集光レンズに与えたアオリ(所定の回転軸についての回転)を保持するように各ロッド状剛体スペーサの一端と集光レンズとを接触させることが可能になる。また、単一の剛体スペーサを用いる場合と比較して、集光レンズを安定した状態でレンズホルダの支持面上に固定することが可能になる。
【0058】
また、剛体スペーサをレンズホルダの摺動面上の一点を支点として回転移動させれば、単一の剛体スペーサをもってレンズホルダの支持面に対してアオリを与えた状態で集光レンズを固定することが可能になる。
【0059】
また、紫外線を透過する特性を有する剛体スペーサを用いることによって、紫外線硬化型の接着剤をまんべんなく硬化させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の側面図である。
【図3】第1の実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法を説明する摸式図である。
【図4】第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の平面図である。
【図5】第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の側面図である。
【図7】第2の実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法を説明する模式図である。
【図8】第3の実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法を説明する模式図である。
【図9】第4の実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法を説明する模式図である。
【図10】第5の実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法を説明する側面図である。
【図11】実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法の変形例を説明する側面図である。
【図12】実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法の変形例を説明する側面図である。
【図13】実施形態に係る半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法の変形例に用いられる固定具を示す図である。
【図14】第1の従来例に係る半導体レーザ装置の斜視図である。
【図15】第1の従来例に係る半導体レーザ装置の側面図である。
【図16】第1の従来例に係る半導体レーザ装置の平面図である。
【図17】第2の従来例に係る半導体レーザ装置の斜視図である。
【図18】半導体レーザアレイとサブマウントベースとを接合する際に生じるズレを説明する模式図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ装置、2…半導体レーザ装置、11…半導体レーザアレイ、12…カバープレート、13…サブマウントベース、14…ヒートシンク、15…集光レンズ、16…はんだ層、17…接着剤、18…剛体スペーサ、19…剛体スペーサ、20a…レーザ出射面、20b…支持面、20c…平坦面、20d…端部、20e…切り欠き面、21…ハウジング、22…スペーサ支持具、23…ガイド溝、24…固定具、25…突起部、26…貫通孔、27…接着剤、28…剛体ピン、29…弾性体ピン、100…半導体レーザ装置、101…半導体レーザアレイ、102…カバープレート、103…サブマウントベース、104…ヒートシンク、105…集光レンズ、106…はんだ層、107…接着剤、110…半導体レーザ装置、111…ハウジング、200a…レーザ出射面、200b…支持面
Claims (14)
- 複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された半導体レーザアレイと、
前記半導体レーザアレイの出射方向近傍に前記出射面に沿うようにして配置され、前記半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を前記長手方向と交差する方向に集光する集光レンズと、
前記集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダと、
前記レンズホルダの摺動面に沿って摺動可能な剛体スペーサと
を備え、
前記剛体スペーサの一端が前記集光レンズと接触した状態で、前記剛体スペーサを前記レンズホルダに固定し、前記集光レンズと前記レンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって前記集光レンズが前記レンズホルダの支持面上に接着されたことを特徴とする半導体レーザ装置。 - 複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された複数の半導体レーザアレイが、出射方向を同一方向として前記長手方向及び前記出射方向と交差する方向にスタック状に配置された半導体レーザアレイスタックと、
前記各半導体レーザアレイの出射方向近傍に前記出射面に沿うようにして配置され、前記各半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を前記長手方向と交差する方向に集光する前記半導体レーザアレイと同数の集光レンズと、
前記集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダと、
前記レンズホルダの摺動面に沿って摺動可能な剛体スペーサと
を備え、
前記剛体スペーサの一端が前記集光レンズと接触した状態で、前記剛体スペーサを前記レンズホルダに固定し、前記集光レンズと前記レンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって前記集光レンズが前記レンズホルダの支持面上に接着されたことを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記集光レンズの外周面に平坦面が形成され、前記剛体スペーサの一端は、当該平坦面と接触したことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ装置。
- 前記レンズホルダの摺動面にガイド溝が形成され、前記剛体スペーサは、当該ガイド溝に沿って摺動可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 前記剛体スペーサは、複数の剛体スペーサを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 前記剛体スペーサは、前記レンズホルダの摺動面上の一点を支点として当該摺動面上を回転移動可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 前記剛体スペーサは、紫外線を透過する特性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された半導体レーザアレイと、前記半導体レーザアレイの出射方向近傍に前記出射面に沿うようにして配置され、前記半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を前記長手方向と交差する方向に集光する集光レンズと、前記集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダとを備える半導体レーザ装置において前記集光レンズの位置を固定する方法であって、
剛体スペーサを前記レンズホルダの摺動面に沿って摺動させ、当該剛体スペーサの一端を前記集光レンズと接触させる第1のステップと、
前記剛体スペーサを前記レンズホルダに固定する第2のステップと、
前記集光レンズと前記レンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって前記集光レンズを前記レンズホルダの支持面上に接着する第3のステップと
を備えることを特徴とする半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。 - 複数のレーザ出射点が出射面上において長手方向に配列された複数の半導体レーザアレイが、出射方向を同一方向として前記長手方向及び前記出射方向と交差する方向にスタック状に配置された半導体レーザアレイスタックと、前記各半導体レーザアレイの出射方向近傍に前記出射面に沿うようにして配置され、前記各半導体レーザアレイから出射されたレーザ光を前記長手方向と交差する方向に集光する前記半導体レーザアレイと同数の集光レンズと、前記集光レンズを支持するための支持面及び当該支持面と交差する摺動面を有するレンズホルダとを備える半導体レーザ装置において前記集光レンズの位置を固定する方法であって、
剛体スペーサを前記レンズホルダの摺動面に沿って摺動させ、当該剛体スペーサの一端を前記集光レンズと接触させる第1のステップと、
前記剛体スペーサを前記レンズホルダに固定する第2のステップと、
前記集光レンズと前記レンズホルダの支持面との間に塗布された接着剤を硬化させることによって前記集光レンズを前記レンズホルダの支持面上に接着する第3のステップと
を備えることを特徴とする半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。 - 前記集光レンズとして、外周面に平坦面が形成された集光レンズを用い、
前記第1のステップでは、前記剛体スペーサの一端を当該平坦面に接触させることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。 - 前記レンズホルダの摺動面にガイド溝を形成するステップをさらに備え、
前記第1のステップでは、前記剛体スペーサを、当該ガイド溝に沿って摺動させることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。 - 前記剛体スペーサとして、複数の剛体スペーサを用いることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。
- 前記第1のステップでは、前記剛体スペーサを、前記レンズホルダの摺動面上の一点を支点として当該摺動面上を回転移動させ、当該剛体スペーサの一端を前記集光レンズと接触させることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。
- 前記剛体スペーサとして、紫外線を透過する特性を有する剛体スペーサを用いることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の半導体レーザ装置のレンズ位置固定方法。
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