JP2000147331A

JP2000147331A - Ｌｄアレイ光の集光装置

Info

Publication number: JP2000147331A
Application number: JP10321194A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Sakurai; 努櫻井
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1998-11-12
Filing date: 1998-11-12
Publication date: 2000-05-26

Abstract

(57)【要約】【課題】複数のＬＤアレイから出射されるレーザー光
を効率よく集光するＬＤアレイ光の集光装置を提供す
る。【解決手段】ＬＤアレイ１から出射されるレーザー光
をファイバーレンズ６により平行光にして扇形カライド
４に入射して集光させユニットを前記扇形カライド４を
密着積層して複数ユニットに構成する。ＬＤアレイ１か
ら出射されるレーザー光が扇形カライド４の出射端面の
外側で集光されるように前記ファイバーレンズをアライ
メントする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数のＬＤアレイ
からのレーザー光を効率よく集光し、集光されたレーザ
ー光をレーザー加工等の用に供するＬＤアレイ光の集光
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１０に示すように、複数のＬＤアレイ
２１ａ、２１ｂ、２１ｃを積層配置し、各ＬＤアレイ２
１ａ、２１ｂ、２１ｃから出射されるレーザー光を扇形
カライド２２により集光することによって大きなレーザ
ー出力を得ることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レーザ
ー光は扇形カライドの厚さ方向の上下面で多重反射して
出射端面に向かうため、多重反射による反射損失が大き
くなり、また、扇形カライドによる集光は出射端面側で
焦点を結ぶものでなく、出射端面の開口径で面発光する
状態となるため、出射端面でのレーザー光の広がりが大
きく、光ファイバーなどの光学系とのカップリング効率
が低い問題点があった。

【０００４】本発明が目的とするところは、積層配置し
た複数のＬＤアレイから出射されるレーザー光を効率よ
く集光するＬＤアレイ光の集光装置を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の第１発明に係るＬＤアレイ光の集光装置は、複
数のレーザーダイオードを一直線上に配列して構成され
たＬＤアレイと、このＬＤアレイのレーザーダイオード
の配列方向に配設されたファイバーレンズと、平面形状
が円をその中心点から所定角度で切り取った扇形に形成
され、円弧側の平面方向の幅がＬＤアレイのレーザーダ
イオード配列方向の幅に対応し、中心点側が中心点から
円弧側寄りの所定位置で直線カットされ、その厚さが円
弧側から中心点側に向けて減少するテーパー角度に形成
され、円弧側をレーザー光の入射端面、中心点側をレー
ザー光の出射端面とする扇形カライドとを１ユニットと
して、複数の前記扇形カライドをその平面で密着積層さ
せた状態にして複数のユニットに組み合わせ、各ＬＤア
レイから出射されたレーザー光が各扇形カライドの出射
端面より外側の位置で集光されるように各ファイバーレ
ンズをアライメントしてなることを特徴とする。

【０００６】上記第１発明の構成によれば、複数に配設
された各ＬＤアレイから出射されたレーザー光は、各フ
ァイバーレンズによって平行光にして扇形カライドに入
射されて集光される。各ＬＤアレイからのレーザー光
は、各扇形カライドの積層方向には、扇形カライドの出
射端面より外側の位置で焦点を結ぶように各ファイバー
レンズがアライメントされるので、扇形カライド内の上
下面での多重反射はなく、多重反射による損失は生じな
い。扇形カライドの幅方向には所定幅に集光されるの
で、扇形カライドの出射端面の外側には扇状カライドの
幅方向に線状に集光された状態となり、これを線状に並
べた複数の光ファイバーに導波するような光学系に集光
することができる。

【０００７】また、上記目的を達成するための本願の第
２発明に係るＬＤアレイ光の集光装置は、複数のレーザ
ーダイオードを一直線上に配列して構成されたＬＤアレ
イをレーザーダイオードの配列方向を平行にして複数層
に積層配置したＬＤアレイ群と、平面形状が円をその中
心点から所定角度で切り取った扇形に形成され、円弧側
の平面方向の幅がＬＤアレイのレーザーダイオードの配
列方向の幅に対応し、扇形の中心点側が中心点から円弧
側寄りの所定位置で直線カットされ、その厚さが複数の
ＬＤアレイの積層厚さに対応するように形成され、円弧
側をレーザー光の入射端面、中心点側を出射端面として
形成されてなる扇形カライドとの間に、各ＬＤアレイの
レーザーダイオードの配列方向にそれぞれ集光レンズを
配設し、各ＬＤアレイから出射されたレーザー光が扇形
カライドの平面方向には前記扇形カライドにより集光さ
れると同時に、扇形カライドの厚さ方向には前記集光レ
ンズにより扇形カライドの出射端面の外側で集光される
ように構成されてなることを特徴とする。

【０００８】上記第２発明の構成によれば、複数に配設
された各ＬＤアレイから出射されたレーザー光は、各集
光レンズによって平行光にして扇形カライドに入射され
て集光される。各ＬＤアレイからのレーザー光は、扇形
カライドの出射端面より外側の位置で焦点を結ぶように
各集光レンズがアライメントされるので、扇形カライド
内の上下面での多重反射はなく、多重反射による損失は
生じない。扇形カライドの幅方向には所定幅に集光され
るので、扇形カライドの出射端面の外側には扇状カライ
ドの幅方向に線状に集光された状態となり、これを線状
に並べた複数の光ファイバーに導波するような光学系に
集光することができる。

【０００９】上記構成において、集光レンズは、シリン
ドリカルレンズもしくはファイバーレンズもしくはロッ
ドレンズで形成することができる。

【００１０】また、上記目的を達成するための本願の第
３発明に係るＬＤアレイ光の集光装置は、複数のレーザ
ーダイオードを一直線上に配列して構成されたＬＤアレ
イと、このＬＤアレイに密着するレーザー光の入射端面
の幅と厚さとが出射端面に向けてそれぞれ所定のテーパ
ー角度で減少するように形成された台形カライドとを１
ユニットとして、複数の前記台形カライドを厚さ方向に
積層させた状態にして複数のユニットに組み合わせ、各
ＬＤアレイから出射されたレーザー光が各台形カライド
により集光されるように構成されてなることを特徴とす
る。

【００１１】上記第３発明の構成によれば、各ＬＤアレ
イの出射面に各台形カライドの入射端面を密着させて配
置されるので、この間のカップリング損失はなく、レー
ザー光は各台形カライドによって集光され、台形カライ
ドの出射端面から出射される。

【００１２】上記第３発明の構成において、複数の台形
カライドの出射端面に、レーザー光によって励起される
発振プレートを配設して構成することにより、台形カラ
イドの出射端面から広がるレーザー光は、発振プレート
により平行光に変換されるので、出射端面に接続される
光学系とのＮＡ差による損失を減少させることができ
る。

【００１３】また、上記目的を達成するための本願の第
４発明に係るＬＤアレイ光の集光装置は、複数のレーザ
ーダイオードを一直線上に配列して構成されたＬＤアレ
イと、入射端面の幅と厚さとが出射端面に向けてそれぞ
れ所定のテーパー角度で減少するように形成され、入射
端面にＬＤアレイのレーザーダイオード配列方向と直交
する方向の拡がり光を出射端面より外側の位置で焦点を
結ぶようにアール面が形成された台形カライドとを１ユ
ニットとして、複数の前記台形カライドを厚さ方向に積
層すると共に、各台形カライドによる焦点位置が同一位
置に一致する状態にして複数のユニットに組み合わせて
なることを特徴とする。

【００１４】上記第４発明の構成によれば、各台形カラ
イドの入射端面に形成されたアール面により、ＬＤアレ
イのレーザーダイオード配列方向と直交する方向の拡が
り光を集光して出射端面より外側の位置で焦点を結ぶよ
うになるので、出射ＮＡが小さくなり、台形カライドの
出射端面に結合される光ファイバーとのカップリング効
率を向上させることができる。

【００１５】また、上記目的を達成するための本願の第
５発明に係るＬＤアレイ光の集光装置は、複数のレーザ
ーダイオードを一直線上に配列して構成されたＬＤアレ
イと、平面形状が円をその中心点から所定角度で切り取
った扇形に形成され、円弧側の平面方向の幅がＬＤアレ
イのレーザーダイオードの配列方向の幅に対応し、扇形
の中心点側が中心点から円弧側寄りの所定位置で直線カ
ットされ、その厚さが入射端面から出射端面に向け所定
のテーパー角度で減少するように形成され、入射端面に
ＬＤアレイのレーザーダイオード配列方向と直交する方
向の拡がり光を出射端面より外側の位置で焦点を結ぶよ
うにアール面が形成された台形カライドとを１ユニット
として、複数の前記扇形カライドを厚さ方向に積層する
と共に、各扇形カライドによる焦点位置が同一位置に一
致する状態にして複数のユニットに組み合わせてなるこ
とを特徴とする。

【００１６】上記第５発明の構成によれば、各扇形カラ
イドの入射端面に形成されたアール面により、ＬＤアレ
イのレーザーダイオード配列方向と直交する方向の拡が
り光を集光して出射端面より外側の位置で焦点を結ぶよ
うになり、扇形によるＬＤアレイの幅方向の拡がり光も
集光されるので、出射ＮＡが小さくなり、扇形カライド
の出射端面に結合される光ファイバーとのカップリング
効率はより向上させることができる。

【００１７】また、上記目的を達成するための本願の第
６発明に係るＬＤアレイ光の集光装置は、複数のレーザ
ーダイオードを一直線上に配列して構成されたＬＤアレ
イをレーザーダイオードの配列方向を平行にして複数層
に配置したＬＤアレイ群と、平面形状が円をその中心点
から所定角度で切り取った扇形に形成され、円弧側の平
面方向の幅がＬＤアレイのレーザーダイオードの配列方
向の幅に対応し、扇形の中心点側が中心点から円弧側寄
りの所定位置で直線カットされ、その厚さが複数のＬＤ
アレイの積層厚さに対応するように形成され、円弧側を
レーザー光の入射端面、中心点側を出射端面として形成
されてなる扇形カライドとの間に、円形断面の対角でカ
ットしたカットファイバーレンズを各ＬＤアレイに対応
するように配列し、各ＬＤアレイから出射されるレーザ
ー光が前記扇形カライドの出射端面より外側の位置で集
光されるように各カットファイバーレンズのカット幅及
び配列位置を調整して、ビルドブロックに組み合わせた
ファイバーレンズブロックが配設されてなることを特徴
とする。

【００１８】上記第６発明の構成によれば、ビルドブロ
ックによりカットファイバーレンズを一体的に構成する
ことにより、ファイバー固有の曲がりやＬＤアレイ間の
ピッチ誤差の影響をなくすことができるので、極めて高
密度に集光できるようにアライメントすることができ
る。

【００１９】上記第６発明において、各カットファイバ
ーレンズと各ＬＤアレイとの間に、カットファイバーレ
ンズによりレーザー光を集光するのに必要な厚みに調整
された透明平板を各カットファイバーレンズに密着させ
て配設することにより、各カットファイバーレンズのア
ライメントが容易で、複数のカットファイバーレンズを
一体的に構成するビルドブロックに形成することができ
る。

【００２０】また、上記各構成において、入射端面の形
状が扇形カライドまたは台形カライドの平面方向への拡
がり光の幅に対応する方向に広い偏平断面に形成され、
円形断面の出射端面に向けてテーパー角度が形成された
偏平テーパーファイバーにより、扇形カライドまたは台
形カライドからの出射光を導波するように構成すること
により、扇形カライドまたは台形カライドによって、そ
の平面方向に拡がりをもつ形状に集光されたレーザー光
は平面方向に偏平な入射端面の形状に形成された偏平テ
ーパーファイバーに入射されるので、ケラレがなく効率
よく光導波させることができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の一実施形態について説明し、本発明の理解に供する。
尚、以下に示す実施形態は本発明を具体化した一例であ
って、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

【００２２】図１は、本発明の第１の実施形態に係るＬ
Ｄアレイ光の集光装置の構成を示すもので、同図（ａ）
は平面図、同図（ｂ）は側面図である。

【００２３】図１（ａ）に示すＬＤアレイ１、ファイバ
ーレンズ６、扇形カライド４は、これを１ユニットとし
て、これを同図（ｂ）に示すように、３ユニットをｘ軸
方向に積層配置して構成されている。前記ＬＤアレイ１
は、複数のＬＤ（レーザーダイオード）２をｙ軸方向の
一直線上に配列して構成されている。このＬＤアレイ１
（１ａ〜１ｃ）から出射されるレーザー光は、図１
（ｂ）に示すようにファイバレンズ６（６ａ〜６ｃ）に
よりほぼ平行にして扇形カライド４（４ａ〜４ｃ）にそ
の入射端面から入射される。扇形カライド４は、所定半
径の円を前記ＬＤアレイ１のＬＤ２の配列方向に対応す
る幅の円弧に切り取った扇形の平面形状に形成され、円
弧側をｘ軸方向に所定厚さに形成して、これを入射端面
とし、この入射端面の厚さは中心点側（ｚ軸方向）に向
けて減少するテーパー角度が形成されている。中心点側
は円の中心点から円弧側への所定位置で直線カットされ
た面を出射端面として形成されている。このように形成
された扇形カライド４は、図１（ｂ）に示すように３個
の扇形カライド４ａ、４ｂ、４ｃを扇形平面で密着させ
て積層配置される。

【００２４】上記構成において、各ＬＤアレイ１ａ、１
ｂ、１ｃそれぞれから出射されるレーザー光は、各ファ
イバーレンズ６ａ、６ｂ、６ｃをアライメントすること
によって、各扇形カライド４ａ、４ｂ、４ｃの出射端面
より外側の位置でｘ軸方向の１点で集光されるように設
定される。従って、各ＬＤアレイ１ａ、１ｂ、１ｃから
出射されたレーザー光は、各扇形カライド４ａ、４ｂ、
４ｃによってｙ軸方向に出射端面の幅に集光されると共
に、ｘ軸方向には１点に集光された線状の高密度なレー
ザー光として出力される。

【００２５】図２は、本発明の第２の実施形態に係るＬ
Ｄアレイ光の集光装置の構成を示すもので、同図（ａ）
は平面図、同図（ｂ）は側面図である。

【００２６】図２（ａ）に示すように、第２の実施形態
に係るＬＤアレイ光の集光装置は、ＬＤアレイスタック
３、シリンドリカルレンズ群７、扇形カライド８の順に
ｚ軸方向に配設して構成されている。前記ＬＤアレイス
タック３は、同図（ｂ）に示すように、３個のＬＤアレ
イ１ａ、１ｂ、１ｃをｘ軸方向に等間隔に配設して一体
化して構成されている。また、前記シリンドリカルレン
ズ群７は、各ＬＤアレイ１ａ、１ｂ、１ｃそれぞれに対
応して配設され、各ＬＤアレイ１ａ、１ｂ、１ｃから出
射されたレーザー光を扇形カライド８の出射端面より外
側の位置でｘ軸方向の１点に焦点を結ぶように各シリン
ドリカルレンズ７ａ、７ｂ、７ｃの曲率及び配設ピッチ
が調整される。また、扇形カライド８は、所定半径の円
を前記ＬＤアレイ１のＬＤ２の配列方向に対応する幅の
円弧に切り取った扇形の平面形状に形成され、円弧側を
前記ＬＤアレイスタック３のｘ軸方向の幅に対応する厚
さに形成され、中心点側は円の中心点から円弧側への所
定位置で直線カットされた面を出射端面として形成され
ている。

【００２７】上記構成において、ＬＤアレイスタック３
の各ＬＤアレイ１ａ、１ｂ、１ｃそれぞれから出射され
るレーザー光は、ｘ軸方向には各シリンドリカルレンズ
７ａ、７ｂ、７ｃによって集光され、ｙ軸方向には各扇
形カライド８によって集光される。従って、ＬＤアレイ
スタック３から出射されたレーザー光は、各扇形カライ
ド８のｙ軸方向に出射端面の幅に集光されると共に、ｘ
軸方向には１点に集光された線状の高密度なレーザー光
として出力される。

【００２８】上記第２の実施形態の構成は、図３（ａ）
に示すように、シリンドリカルレンズ７に代えて第１の
実施形態の構成と同様にファイバーレンズ６（６ａ〜６
ｃ）を配設してもよい。この第１及び第２の実施形態の
構成において、扇形カライド４、８の出射端面にｙ軸方
向に線状に集光されたレーザー光を、図３（ａ）（ｂ）
に示すように、ｙ軸方向に複数本の光ファイバーを列設
したバンドルファイバー１１に導き、このバンドルファ
イバー１１の延長端側で、図３（ｃ）に示すように円形
に束め、ここから出射されるレーザー光をコンデンサー
レンズ１２により集光すると、微小スポット径で高ピー
ク密度のレーザー光出力が得られ、レーザー加工等の用
に供することができる。

【００２９】また、図４に示すように、上記バンドルフ
ァイバー１１に代えて偏平テーパーファイバー２８を用
いて構成することができる。偏平テーパーファイバー２
８は、図４（ｂ）に示すように、扇形カライド８の出射
光のｙ軸方向のライン形状に合わせてテーパーファイバ
ーの入射端を偏平させたもので、図４（ｃ）に示すよう
に、入射端面が偏平形状で出射端面が円形形状となるテ
ーパー形状に形成される。この構成により扇形カライド
８からの出射光はケラレがなく偏平テーパーファイバー
２８に入射され、偏平テーパーファイバー２８自体の集
光作用により、入射端面のＹ軸方向に幅広の入射光は、
出射端面の径の円形に出射される。

【００３０】尚、テーパーファイバーの入射端面と出射
端面とのＮＡ（ｎｕｍｅｒｉｃａｌａｐｅｒｔｕｒｅ：
開口数）比は、入射径と出射径の比と下式（１）の関係
にあるため、大きな入射径の丸形テーパーファイバーを
用いた場合よりも、上記偏平テーパーファイバー２８の
場合には、出射端面でのＮＡ値を小さくすることができ
る。

【００３１】出射ＮＡ／入射ＮＡ＝入射径／出射径……（１）図５は、本発明の第３の実施形態に係るＬＤアレイ光の
集光装置の構成を示すもので、同図（ａ）は平面図、同
図（ｂ）は側面図である。

【００３２】第３の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光
装置は、図５（ａ）（ｂ）に示すように、ｘ軸方向に配
列された５個のＬＤアレイ１（１ａ〜１ｅ）、ファイバ
ーレンズブロック２０、扇形カライド８の順にｚ軸方向
に配設して構成されている。

【００３３】前記ファイバーレンズブロック２０は、同
図（ｂ）に示すように、円形断面のファイバーレンズを
ＬＤアレイ１から出射されるレーザー光のｘ軸方向の拡
がりよるケラレが生じない幅にＨカットしたカットファ
イバーレンズ２２ａ〜２２ｅを配列し、その両側に直方
体形状のブロック２５、２６を配して透明平板２３、２
４で挟んで構成される。このファイバーレンズブロック
２０の形成方法は次のようになされる。

【００３４】まず、ｘ軸方向に配置された透明平板２３
に各ＬＤアレイ１ａ〜１ｅを密着配置し、透明平板２３
に１つめのカットファイバーレンズ２２ａの円弧面を密
着させ、ブロック２５に押し当ててファイバー固有の曲
がりを矯正すると共に透明平板２３上をスライドさせ、
ＬＤアレイ１ａから出射されるレーザー光が所望の焦点
位置ｆに集光する位置にアライメントする。次に、２つ
めのカットファイバーレンズ２２ｂを１つめのカットフ
ァイバーレンズ２２ａに押し当てたとき、前記焦点位置
ｆに集光されるようにカット幅を調整する。尚、１つめ
のカットファイバーレンズ２２ａとの間に隙間が生じる
場合には、シムを挟んで調整することができる。以下、
同様の手順により３つめ以降のカットファイバーレンズ
２２ｃ、２２ｄ、２２ｅの位置をアライメントし、図示
するようにブロック２６、透明平板２４を配してファイ
バーレンズブロック２０に完成させる。

【００３５】本実施形態の構成によるＬＤアレイ光の集
光構造は、第２の実施形態の構成と同様であるが、ファ
イバーレンズブロック２０を構成することにより、ファ
イバーの曲がりや各ＬＤアレイ１ａ〜１ｅ間の配列ピッ
チの誤差の影響をなくすことができ、極めて高密度に集
光できるアライメントが可能となる。具体的な実施デー
タとしては、ＬＤ２のｘ軸方向の発光幅１μｍに対し
て、集光幅はＬＤ２の端面から３０ｍｍ離れた位置で
０．３ｍｍとなった。

【００３６】図６は、本発明の第４の実施形態に係るＬ
Ｄアレイ光の集光装置の構成を示すもので、同図（ａ）
は平面図、同図（ｂ）は側面図である。

【００３７】図６（ａ）（ｂ）に示すように、第４の実
施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置は、ＬＤアレイ１
ａ、１ｂ、１ｃそれぞれのレーザー光の出射面に密着さ
せて台形カライド９ａ、９ｂ、９ｃを配設して構成され
ている。各台形カライド９ａ、９ｂ、９ｃは、ＬＤアレ
イ１のｙ軸方向の幅に一致する入射端面の幅がｚ軸方向
に減少する台形に形成され、ｘ軸方向には入射端面の厚
さが出射端面に向けて減少するテーパー角度が形成さ
れ、各台形カライド９ａ、９ｂ、９ｃは、図６（ｂ）に
示すように互いに密着させた状態で積層されている。

【００３８】上記構成において、各ＬＤアレイ１ａ、１
ｂ、１ｃそれぞれから出射されるレーザー光は、各台形
カライド９ａ、９ｂ、９ｃによって集光され、光密度を
上げて出射端面から出射される。この出射端面から出射
されるレーザー光は、出射端面での面発光の状態でＮＡ
値が大きく、出射端面に光ファイバーを接続したときの
周辺部でのケラレが生じて導波ロスが大きくなる。これ
を解決するために、図７に示すように、台形カライド９
の出射端面に発振プレート１４を配設することができ
る。

【００３９】図７は、前記発振プレート１４の配設部分
を拡大図示するもので、発振プレート１４は、図示する
ように台形カライド９ａ、９ｂ、９ｃと光ファイバー１
３と間に配置され、台形カライド９内での反射角度が大
きくなったレーザー光を平行光にして光ファイバー１３
に入射させるので、ＮＡ差によるケラレは少なくなる。
また、光ファイバー１３への入射角度が大きくなる端部
側のレーザー光を平行光に変換するように、図示するよ
うに中心部が開口された発振プレート１４を配設する
と、ＮＡ差によるケラレの発生は抑制される。

【００４０】前記発振プレート１４は、ＬＤアレイ１か
ら出射されるレーザー光の波長が８１０ｎｍのときに
は、Ｎｄのドープ量が１〜３％のＹＶＯ₄結晶を厚さ
０．３〜１ｍｍの平行平板にカットしたプレートのレー
ザー光入射面側に全反射コート、反対面に１０６４ｎｍ
に対して９０〜９８％の反射コートを施して形成するこ
とができ、変換効率は６０％以上となる。

【００４１】図８は、本発明の第５の実施形態に係るＬ
Ｄアレイ光の集光装置の構成を示すもので、同図（ａ）
は平面図、同図（ｂ）は側面図である。

【００４２】図８（ａ）（ｂ）に示すように、第４の実
施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置は、ｘ軸方向に配
列された各ＬＤアレイ１ａ、１ｂ、１ｃそれぞれに台形
カライド１５ａ、１５ｂ、１５ｃを配設して構成されて
いる。各台形カライド１５ａ、１５ｂ、１５ｃは、ＬＤ
アレイ１のｙ軸方向の幅に対応する入射端面の幅がｚ軸
方向に減少する台形に形成され、ｘ軸方向には入射端面
の厚さが出射端面に向けて減少するテーパー角度が形成
され、更に、図８（ｂ）に示すように、入射端面に厚さ
方向のアール面が形成されており、これら各台形カライ
ド１５ａ、１５ｂ、１５ｃは、互いに密着させた状態で
積層されている。

【００４３】上記構成において、各ＬＤアレイ１ａ、１
ｂ、１ｃそれぞれから出射されるレーザー光のｘ軸方向
の拡がり光は、各台形カライド１５ａ、１５ｂ、１５ｃ
それぞれの入射端面に形成されたアール面により、各台
形カライド１５ａ、１５ｂ、１５ｃの出射端面より外側
の所望の焦点位置ｆに集光される。従って、各台形カラ
イド１５ａ、１５ｂ、１５ｃの出射端面でのｘ軸方向の
出射ＮＡ値は小さくなり、光ファイバーに結合するカッ
プリング効率を向上させることができる。

【００４４】図９は、本発明の第６の実施形態に係るＬ
Ｄアレイ光の集光装置の構成を示すもので、同図（ａ）
は平面図、同図（ｂ）は側面図である。

【００４５】図９（ａ）（ｂ）に示すように、第５の実
施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置は、ｘ軸方向に配
列された各ＬＤアレイ１ａ、１ｂ、１ｃそれぞれに扇形
カライド１６ａ、１６ｂ、１６ｃを配設して構成されて
いる。各扇形カライド１６ａ、１６ｂ、１６ｃは、所定
半径の円を前記ＬＤアレイ１のＬＤ２の配列方向に対応
する幅の円弧に切り取った扇形の平面形状に形成され、
円弧側は前記ＬＤアレイスタック３のｘ軸方向の幅に対
応する厚さに形成され、中心点側は円の中心点から円弧
側への所定位置で直線カットされた面を出射端面として
形成すると共に、ｘ軸方向に入射端面の厚さが出射端面
に向けて減少するテーパー角度が形成され、更に、入射
端面に厚さ方向のアール面が形成されてなり、これら各
扇形カライド１６ａ、１６ｂ、１６ｃは、互いに密着さ
せた状態で積層されている。

【００４６】上記構成において、各ＬＤアレイ１ａ、１
ｂ、１ｃそれぞれから出射されるレーザー光のｘ軸方向
の拡がり光は、各扇形カライド１６ａ、１６ｂ、１６ｃ
それぞれの入射端面に形成されたアール面により、各台
形カライド１６ａ、１６ｂ、１６ｃの出射端面より外側
の所望の焦点位置ｆに集光されると共に、ｙ軸方向にも
扇形の円弧によるアール面が形成されている。従って、
各扇形カライド１６ａ、１６ｂ、１６ｃの出射端面での
ｘ軸方向に加えてｙ軸方向にも出射ＮＡ値は小さくな
り、光ファイバーに結合するカップリング効率を更に向
上させることができる。

【００４７】上記第５及び第６の実施形態の構成では、
台形カライド１５もしくは扇形カライド１６により集光
のためのアライメントを行うことができ、ファイバーレ
ンズ等によるアライメントに比して大きなサイズの要素
を取り扱うので、アライメントの作業は簡便になる。

【００４８】

【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば、複数
のＬＤアレイから出射されるレーザー光を効率よく集光
し、導波ロスを少なくして光ファイバーに導くことがで
きるので、ＬＤアレイから光密度の高いレーザービーム
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置
の構成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図２】第２の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置
の構成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図３】集光装置によって集光されたレーザー光を光フ
ァイバーに導波する構成を示す（ａ）は側面図、（ｂ）
はＢ−Ｂ線、（ｃ）はＣ−Ｃ線の矢視断面図。

【図４】上記構成を偏平テーパーファイバーに代えた構
成を示す（ａ）は側面図、（ｂ）はＢ−Ｂ線矢視断面
図、（ｃ）は偏平テーパーファイバーの断面形状の変化
を示す模式図。

【図５】第３の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置
の構成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図６】第４の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置
の構成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図７】発振プレートの構成を示す側面図。

【図８】第５の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置
の構成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図９】第６の実施形態に係るＬＤアレイ光の集光装置
の構成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【図１０】従来技術に係るＬＤアレイ光の集光装置の構
成を示す（ａ）は平面図、（ｂ）は側面図。

【符号の説明】

１、１ａ、１ｂ、１ｃＬＤアレイ２ＬＤ（レーザーダイオード）３ＬＤアレイスタック４、８扇形カライド６、６ａ、６ｂ、６ｃファイバーレンズ７、７ａ、７ｂ、７ｃシリンドリカルレンズ９、９ａ、９ｂ、９ｃ台形カライド１１、１３光ファイバー１４発振プレート２０ファイバーレンズブロック２２ａ〜２２ｅカットファイバーレンズ２３、２４透明平板２５、２６ブロック２８偏平テーパーファイバー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数のレーザーダイオードを一直線上に
配列して構成されたＬＤアレイと、このＬＤアレイのレ
ーザーダイオードの配列方向に配設されたファイバーレ
ンズと、平面形状が円をその中心点から所定角度で切り
取った扇形に形成され、円弧側の平面方向の幅がＬＤア
レイのレーザーダイオード配列方向の幅に対応し、中心
点側が中心点から円弧側寄りの所定位置で直線カットさ
れ、その厚さが円弧側から中心点側に向けて減少するテ
ーパー角度に形成され、円弧側をレーザー光の入射端
面、中心点側をレーザー光の出射端面とする扇形カライ
ドとを１ユニットとして、複数の前記扇形カライドをそ
の平面で密着積層させた状態にして複数のユニットに組
み合わせ、各ＬＤアレイから出射されたレーザー光が各
扇形カライドの出射端面より外側の位置で集光されるよ
うに各ファイバーレンズをアライメントしてなることを
特徴とするＬＤアレイ光の集光装置。
【請求項２】複数のレーザーダイオードを一直線上に
配列して構成されたＬＤアレイをレーザーダイオードの
配列方向を平行にして複数層に積層配置したＬＤアレイ
群と、平面形状が円をその中心点から所定角度で切り取
った扇形に形成され、円弧側の平面方向の幅がＬＤアレ
イのレーザーダイオードの配列方向の幅に対応し、扇形
の中心点側が中心点から円弧側寄りの所定位置で直線カ
ットされ、その厚さが複数のＬＤアレイの積層厚さに対
応するように形成され、円弧側をレーザー光の入射端
面、中心点側を出射端面として形成されてなる扇形カラ
イドとの間に、各ＬＤアレイのレーザーダイオードの配
列方向にそれぞれ集光レンズを配設し、各ＬＤアレイか
ら出射されたレーザー光が扇形カライドの平面方向には
前記扇形カライドにより集光されると同時に、扇形カラ
イドの厚さ方向には前記集光レンズにより扇形カライド
の出射端面の外側で集光されるように構成されてなるこ
とを特徴とするＬＤアレイ光の集光装置。
【請求項３】集光レンズが、シリンドリカルレンズも
しくはファイバーレンズもしくはロッドレンズで形成さ
れてなる請求項２記載のＬＤアレイ光の集光装置。
【請求項４】複数のレーザーダイオードを一直線上に
配列して構成されたＬＤアレイと、このＬＤアレイに密
着するレーザー光の入射端面の幅と厚さとが出射端面に
向けてそれぞれ所定のテーパー角度で減少するように形
成された台形カライドとを１ユニットとして、複数の前
記台形カライドを厚さ方向に積層させた状態にして複数
のユニットに組み合わせ、各ＬＤアレイから出射された
レーザー光が各台形カライドにより集光されるように構
成されてなることを特徴とするＬＤアレイ光の集光装
置。
【請求項５】複数の台形カライドの出射端面に、レー
ザー光によって励起される発振プレートが配設されてな
る請求項４記載のＬＤアレイ光の集光装置。
【請求項６】複数のレーザーダイオードを一直線上に
配列して構成されたＬＤアレイと、入射端面の幅と厚さ
とが出射端面に向けてそれぞれ所定のテーパー角度で減
少するように形成され、入射端面にＬＤアレイのレーザ
ーダイオード配列方向と直交する方向の拡がり光を出射
端面より外側の位置で焦点を結ぶようにアール面が形成
された台形カライドとを１ユニットとして、複数の前記
台形カライドを厚さ方向に積層すると共に、各台形カラ
イドによる焦点位置が同一位置に一致する状態にして複
数のユニットに組み合わせてなることを特徴とするＬＤ
アレイ光の集光装置。
【請求項７】複数のレーザーダイオードを一直線上に
配列して構成されたＬＤアレイと、平面形状が円をその
中心点から所定角度で切り取った扇形に形成され、円弧
側の平面方向の幅がＬＤアレイのレーザーダイオードの
配列方向の幅に対応し、扇形の中心点側が中心点から円
弧側寄りの所定位置で直線カットされ、その厚さが入射
端面から出射端面に向け所定のテーパー角度で減少する
ように形成され、入射端面にＬＤアレイのレーザーダイ
オード配列方向と直交する方向の拡がり光を出射端面よ
り外側の位置で焦点を結ぶようにアール面が形成された
台形カライドとを１ユニットとして、複数の前記扇形カ
ライドを厚さ方向に積層すると共に、各扇形カライドに
よる焦点位置が同一位置に一致する状態にして複数のユ
ニットに組み合わせてなることを特徴とするＬＤアレイ
光の集光装置。
【請求項８】複数のレーザーダイオードを一直線上に
配列して構成されたＬＤアレイをレーザーダイオードの
配列方向を平行にして複数層に配置したＬＤアレイ群
と、平面形状が円をその中心点から所定角度で切り取っ
た扇形に形成され、円弧側の平面方向の幅がＬＤアレイ
のレーザーダイオードの配列方向の幅に対応し、扇形の
中心点側が中心点から円弧側寄りの所定位置で直線カッ
トされ、その厚さが複数のＬＤアレイの積層厚さに対応
するように形成され、円弧側をレーザー光の入射端面、
中心点側を出射端面として形成されてなる扇形カライド
との間に、円形断面の対角でカットしたカットファイバ
ーレンズを各ＬＤアレイに対応するように配列し、各Ｌ
Ｄアレイから出射されるレーザー光が前記扇形カライド
の出射端面より外側の位置で集光されるように各カット
ファイバーレンズのカット幅及び配列位置を調整して、
ビルドブロックに組み合わせたファイバーレンズブロッ
クが配設されてなることを特徴とするＬＤアレイ光の集
光装置。
【請求項９】各カットファイバーレンズと各ＬＤアレ
イとの間に、カットファイバーレンズによりレーザー光
を集光するのに必要な厚みに調整された透明平板を各カ
ットファイバーレンズに密着させて配設されてなる請求
項８記載のＬＤアレイ光の集光装置。
【請求項１０】入射端面の形状が扇形カライドまたは
台形カライドの平面方向への拡がり光の幅に対応する方
向に広い偏平断面に形成され、円形断面の出射端面に向
けてテーパー角度が形成された偏平テーパーファイバー
により、扇形カライドまたは台形カライドからの出射光
を導波するように構成されてなる請求項１〜９いずれか
一項に記載のＬＤアレイ光の集光装置。