JP3495821B2 - 光源装置 - Google Patents

光源装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザビームプリン
タ、レーザファクシミリ等の画像記録装置や、半導体レ
ーザを利用する光ディスクのピックアップユニット等に
用いられる光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビームプリンタ、レーザファクシ
ミリ等の画像記録装置や、半導体レーザを利用する光デ
ィスクのピックアップユニット等の光源装置は、半導体
レーザから発生されたレーザ光を平行化して所定の断面
形状のレーザ光を得るためのコリメータレンズや、半導
体レーザを駆動用IC等を搭載した回路基板と結合さ
れ、ユニット化されている。
【0003】図4は、上記画像記録装置の一般的な構成
を説明するもので、ユニット化された光源装置E0 から
発生されたレーザ光L0 はシリンドリカルレンズCを経
てポリゴンミラーRに照射され、これによって走査偏向
され、結像レンズFを経て折返しミラーMによって反射
され、図示しない感光ドラムの表面に結像される。感光
ドラムに結像するレーザ光は、ポリゴンミラーRの回転
による主走査および感光ドラムの回転による副走査によ
って静電潜像を形成する。また、ポリゴンミラーRによ
って偏向走査されたレーザ光の一部分は検出ミラーBに
よって走査開始信号検出器Dへ導入され、走査開始信号
検出器Dの出力信号によって光源装置E0 の半導体レー
ザが書込み変調を開始する。なお、光源装置E0 、ポリ
ゴンミラーR、結像レンズF、検出ミラーB、走査開始
信号検出器D、折返しミラーM等は筐体H0 に取りつけ
られ、筐体H0 の上部開口は図示しないふたによって閉
塞される。
【0004】図5は、光源装置E0 を拡大して示すもの
で、これは、取付穴101aを有する板状の支持体10
1と、ビス101bによって支持体101の表面101
cに締結された回路基板102と、支持体101の取付
穴101aに装着された半導体レーザ103と、支持体
101の回路基板102を装着した表面101cと反対
側の表面101dにビス101eによって締結された鏡
筒ホルダ104と、鏡筒ホルダ104の筒状部分104
aに嵌入された鏡筒105と、その内側に保持されたコ
リメータレンズ106からなる。半導体レーザ103は
円板状の基部103aを有し、半導体レーザ103の組
み付けは、基部103aを支持体101の取付穴101
aに圧入して支持体101に固定することによって行な
われる。必要であれば、基部103aを図示しないバネ
等によって支持体101に付勢し両者を堅固に一体化す
る。なお、半導体レーザ103は、回路基板102を貫
通するリードピン103b〜103dを有し、これらに
よって回路基板102上の図示しない駆動用IC等に接
続されている。また、ビス101eは、支持体101お
よび回路基板102にそれぞれ設けられた図示しない貫
通孔を貫通して鏡筒ホルダ104の図示しないねじ穴に
螺着されるもので、前記貫通孔はビス101eの外径よ
り大きな内径を有する。
【0005】鏡筒ホルダ104を支持体101に組み付
けるに際しては、ビス101eを緩めた状態で鏡筒ホル
ダ104を前記貫通孔の許す範囲で移動させ、鏡筒ホル
ダ104に保持されたコリメータレンズ106と支持体
101に固着された半導体レーザ103の光軸合わせを
行なったうえで、ビス101eを締めつける。続いて、
鏡筒ホルダ104の筒状部分104aに対して鏡筒10
5を軸方向へ摺動させてコリメータレンズ106の焦点
合わせを行なったのちに、鏡筒ホルダ104の筒状部分
104aに設けられた図示しない孔から該筒状部分10
4aと鏡筒105の間に接着剤を導入し、これを硬化さ
せて鏡筒ホルダ104と鏡筒105を一体化する。
【0006】また、近年では光源装置の製造コストを削
減するために、半導体レーザの支持体を鏡筒ホルダおよ
び鏡筒と一体化し、その取付穴に直接半導体レーザを圧
入することで組立部品点数を削減しかつ組立工程を簡略
化したものも開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、半導体レーザを支持体等の取付穴に圧
入するときに、取付穴の内面が削られて微小な破片や粉
塵が発生し、これらが半導体レーザと取付穴の間に挟ま
れて半導体レーザの正確な組み付けを障げるおそれがあ
り、また、半導体レーザの発光側の表面に付着したり、
鏡筒の内部に残留して半導体レーザのレーザ光を遮ぎる
等のトラブルを発生する。
【0008】特に、バネ等を用いることなく、半導体レ
ーザを取付穴に圧入するだけで半導体レーザの組み付け
を行なう場合には、取付穴の内径を半導体レーザの基部
の外径よりかなり小さく設定しなければ半導体レーザの
組み付けを堅固に行なうことはできない。また、市販の
汎用半導体レーザを用いるときはその基部が一般的に鉄
製であるため、半導体レーザの支持体等を鉄より軟質の
材料、例えば、亜鉛、アルミニウム、合成樹脂等で製作
すると、半導体レーザを取付穴に圧入するときの必要圧
力が少なくてすむ反面、半導体レーザを取付穴に圧入す
るときにその内面が深く削られて多量の破片や粉塵が発
生し、前述のようなトラブルのために光源装置の光学特
性を著しく劣化させる。
【0009】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、半導体レーザをその支持
手段の取付穴に圧入するときに発生する破片や粉塵等の
副成物のために光学特性が劣化するおそれのない光源装
置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の光源装置は、半導体レーザと、これを圧入する
取付穴を有する支持手段と、前記半導体レーザをその発
光方向と逆向きに前記取付穴に圧入したときに発生する
副成物を所定の空間部に閉じ込める閉塞手段を有するこ
とを特徴とする。
【0011】
【0012】
【0013】閉塞手段が、支持手段に対して半導体レー
ザの位置決めを行なう位置決め部材によって構成されて
いるとよい。
【0014】位置決め部材が、支持手段と一体的に形成
されているとよい。
【0015】また、位置決め部材が、半導体レーザの放
熱を促進する放熱部材を兼ねているとよい。
【0016】
【作用】支持手段の取付穴に半導体レーザを圧入する
と、取付穴の内面が削られて破片や粉塵等の副成物が発
生し、このような副成物が半導体レーザのレーザ光の光
路に侵入するとレーザ光が遮られて光源装置の光学特性
が劣化する。そこで、支持手段の取付穴に半導体レーザ
を圧入するときに、その発光方向と逆向きに圧入するこ
とで、前記副成物が半導体レーザのレーザ光の光路に侵
入するのを防ぐ。また、閉塞手段によって所定の空間部
に副成物を閉じ込めることで、副成物が支持手段に対す
る半導体レーザの組み付け位置を狂わせたり、他の光学
部品を汚染する等のトラブルを回避できる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は一実施例による光源装置E1 を示す
模式断面図であって、これは、図示しないレーザチップ
を支持する基部11と前記レーザチップを保護するキャ
ップ12を備えた半導体レーザ10と、取付穴21aを
有する支持部21とこれと一体である鏡筒部分22を備
えた支持手段であるレーザホルダ20を有し、半導体レ
ーザ10の基部11をレーザホルダ20の支持部21の
取付穴21aに圧入することで半導体レーザ10とレー
ザホルダ20が一体化され、このようにしてユニット化
されたものがビス23によって画像記録装置等の筐体H
1 に固着される。
【0019】レーザホルダ20の鏡筒部分22の自由端
には、コリメータレンズ30と光学絞り31を保持する
レンズホルダ32が装着され、レーザホルダ20の反対
側へ突出する半導体レーザ10の各リードピン13は、
回路基板40を貫通してその表面の駆動用IC等に接続
される。なお、回路基板40は、図示しないビスによっ
てレーザホルダ20あるいは筐体H1 に固着される。
【0020】レーザホルダ20の鏡筒部分22の内面2
2aは、半導体レーザ10の取付穴21aから遠ざかる
につれてテーパー状に拡大しており、半導体レーザ10
の発光側、すなわちレーザホルダ20の鏡筒部分22の
自由端から半導体レーザ10を取付穴21aに圧入する
ための案内手段を構成している。
【0021】レーザホルダ20の支持部21は、取付穴
21aに近接して閉塞手段である位置決め部材24を有
し、これは、レーザホルダ20の鏡筒部分22の自由端
から圧入された半導体レーザ10の基部11に当接され
る半導体レーザ当接面24aを有する環状部材であり、
支持部21の内面に一体的に形成される。なお、位置決
め部材24の中心穴には、半導体レーザ10を取付穴2
1aに圧入したときに半導体レーザ10の各リードピン
13と干渉しないだけの充分な内径が必要であることは
言うまでもない。
【0022】位置決め部材24は、半導体レーザ当接面
24aの径方向外方に、取付穴21aに面した凹所24
bを有し、該凹所24bは、取付穴21aに半導体レー
ザ10を圧入したときにその基部11によって密閉さ
れ、空間部である密閉空間21bを形成する。
【0023】レーザホルダ20に対する半導体レーザ1
0の組み付けは、レーザホルダ20の鏡筒部分22の自
由端からその内部へ半導体レーザ10を挿入し、基部1
1を支持部21の取付穴21aに圧入することによって
行なわれる。半導体レーザ10の基部11が位置決め部
材24の半導体レーザ当接面24aに当接されたところ
で半導体レーザ10の組み付けは完了するが、半導体レ
ーザ10を取付穴21aに圧入するときに取付穴21a
の内面が削られて発生する破片や粉塵等の副成物は位置
決め部材24の凹所24bに収容される。従って、取付
穴21aの内面や位置決め部材24の半導体レーザ当接
面24aと半導体レーザ10の基部11との間に挟まれ
て半導体レーザ10の組み付け位置を狂わせるおそれは
ない。
【0024】また、半導体レーザ10が位置決め部材2
4に当接されると同時に半導体レーザ10の基部11が
位置決め部材24の凹所24bを密閉して密閉空間21
bが形成され、この中に前述の副成物が閉じ込められ
る。従ってこのような副成物が、組立完了後の光源装置
1 を画像記録装置の筐体H1 に組み付ける際に他の光
学部品を汚染するおそれもない。
【0025】図2は、半導体レーザ10をレーザホルダ
20に組み付ける工程を説明するもので、まず、図2の
(a)に示すように、半導体レーザ10の基部11をレ
ーザホルダ20の取付穴21aに圧入する前の状態で
は、半導体レーザ10の基部11の外径A1 と、レーザ
ホルダ20の取付穴21aの内径A2 と、位置決め部材
24の内径A3 の間には以下の関係が成立する。
【0026】A1 >A2 >A3 レーザホルダ20をレーザホルダ治具Sの基準面によっ
て位置決めし、半導体レーザ10を半導体レーザ治具T
の先端T1 に吸着してレーザホルダ20の鏡筒部分22
へ挿入し、図2の(b)に示すように半導体レーザ10
の基部11をレーザホルダ20の取付穴21aに圧入す
る。この過程で取付穴21aの内面がX1 に示すように
削られてゆき、遂には同図(c)に示すような破片X2
や粉塵X3 となる。
【0027】半導体レーザ10の基部11が位置決め部
材24の半導体レーザ当接面24aに当接されると密閉
空間21bが形成され、この中に、破片X2 や粉塵X3
が閉じ込められる。
【0028】半導体レーザをレーザホルダに圧入するこ
とで両者を一体化する方法は、治具によって保持された
半導体レーザをレーザホルダの取付穴に押し込むだけで
あるから、その工程は極めて簡単で、光源装置の組み立
てを自動化する場合にも最適であり、光源装置の低価格
化に大きく役立つものである。本実施例はこのように光
源装置の低価格化に大きく貢献する圧入法を採用し、し
かもこれに伴なって発生する破片や粉塵によるトラブル
を完全に回避することで光源装置の高性能化と低価格化
の双方を大きく促進するものである。
【0029】なお、半導体レーザの基部に当接される位
置決め部材をレーザホルダの支持部と一体的に設ける替
わりに、図3の(a)に示すように、半導体レーザ10
の支持部11に当接される半導体レーザ当接面54aを
有する位置決め部材54を別体として製作し、これを同
図(b)に示すようにレーザホルダ20の支持部21の
段差21cに装着してもよい。位置決め部材54は、半
導体レーザ当接面54aを一端面とする筒状部分54b
と、レーザホルダ20の支持部21の段差21cに固定
されるフランジ部54cからなるフランジ部材であり、
筒状部分54bはレーザホルダ20の支持部21の内周
面との間に空所54dを形成し、これは、図3の(c)
に示すように、取付穴21aに対する半導体レーザ10
の圧入が完了した時点で密閉空間21bとなる。
【0030】本変形例においては、レーザホルダが樹脂
製である場合に、位置決め部材の材質を例えば、強度や
放熱性の観点からより望ましい金属にすることができる
ため、数多くの利点が付加される。すなわち、金属製の
位置決め部材を用いることで、半導体レーザを取付穴に
圧入したときの圧力によって位置決め部材が損傷するの
を回避できるうえに、半導体レーザの発光中は金属製の
位置決め部材が半導体レーザの放熱部材として機能する
ため、半導体レーザの長寿命化に役立つという特筆すべ
き長所がある。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0032】半導体レーザをその支持体の取付穴に圧入
するときに発生する破片や粉塵等の副成物に起因するト
ラブルを回避できる。半導体レーザを支持体の取付穴に
圧入してこれと一体化する方法は極めて簡単で、半導体
レーザと支持体をユニット化する工程の工程数の削減に
大きく役立つものであり、上記のトラブルを回避するこ
とで、光源装置の低価格化と高性能化の双方を大幅に促
進できる。
【0033】このような光源装置を用いれば、安価で高
性能な画像記録装置等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による光源装置を示す模式断面図であ
る。
【図2】図1の装置を組み立てる工程を説明するもので
ある。
【図3】一変形例の組み立て工程を示すものである。
【図4】画像記録装置の全体を説明する斜視図である。
【図5】従来例による光源装置を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
10 半導体レーザ 20 レーザホルダ 21 支持部 21a 取付穴 21b 密閉空間 22 鏡筒部分 24,54 位置決め部材 24a,54a 半導体レーザ当接面 24b 凹所 54d 空所

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザと、これを圧入する取付穴
    を有する支持手段と、前記半導体レーザをその発光方向
    と逆向きに前記取付穴に圧入したときに発生する副成物
    を所定の空間部に閉じ込める閉塞手段を有する光源装
    置。
  2. 【請求項2】 閉塞手段が、支持手段に対して半導体レ
    ーザの位置決めを行なう位置決め部材によって構成され
    ていることを特徴とする請求項記載の光源装置。
  3. 【請求項3】 位置決め部材が、支持手段と一体的に形
    成されていることを特徴とする請求項記載の光源装
    置。
  4. 【請求項4】 位置決め部材が、半導体レーザの放熱を
    促進する放熱部材を兼ねていることを特徴とする請求項
    または記載の光源装置。
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