JP4567182B2 - 抽出分離機構、冷凍サイクル装置の熱源機、冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の更新方法 - Google Patents

抽出分離機構、冷凍サイクル装置の熱源機、冷凍サイクル装置および冷凍サイクル装置の更新方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の技術分野】
この発明は冷凍サイクル装置あるいは空調・冷凍装置の冷媒の置換に関する。さらに詳しくは、冷凍サイクル装置の冷媒を置換する際に既存の冷凍機油を抽出分離する抽出分離機構とそれを用いた冷凍サイクル装置に関する。
具体例としては、主に、HFC系冷媒を用いた冷凍・空調機を新設する場合において、HCFC系冷媒もしくはCFC系冷媒を用いた冷凍空調機に用いられていた既設の延長配管を流用する場合、既設配管中に残留するHCFC系もしくはCFC系冷媒用の冷凍機油を洗浄・回収する抽出分離機構および抽出分離機構を有する冷凍・空調機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図23は、特開2000−9368号公報に記載の既設配管を用いた冷凍・空調機であって、既設配管中に残留する鉱油を洗浄・回収する冷凍サイクル装置の従来例である。図23に示す冷凍サイクルにおいて、冷房運転を行う場合は、圧縮機23で圧縮された高温高圧のガス冷媒はHFC用冷凍機油と共に圧縮機23を吐出され、油分離器53に入る。ここで、HFC用の冷凍機油は完全に分離され、ガス冷媒のみが、四方弁24を経て、熱源側熱交換器25へ流入し、凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は第一の操作弁57を経て第一の接続配管Cを流れる。HFCの液冷媒が第一の接続配管Cを流れるときに、第一の接続配管Cに残留している鉱油等を少しずつ洗浄してHFCの液冷媒と共に流れ、絞り装置40へ流入し、ここで、低圧まで減圧されて低温の二相状態となり、負荷側熱交換器39で蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒は、第二の接続配管Dに流入する。第二の接続配管Dに流入している鉱油は、ガス冷媒との速度差から生じる鉱油と冷媒ガス界面のせん断力を推進力とし、配管内面を引きずられるように流れる。接続配管Dを流れた鉱油を含むガス冷媒は、四方弁24を介して異物捕獲手段55へ流入する。ここで、鉱油はガス冷媒から分離され、ガス冷媒のみがアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。
【0003】
また、図24は特開平09‐324756号公報に記載の密閉型圧縮機で、液面を制御して冷凍機油と液冷媒を分離する機構の従来例である。密閉ケーシング70の底面と同じ高さに抽出口66を設け、密閉ケーシング70の上部と底面と密閉ケーシング70の底面と同じ高さに設けた抽出口66とを抽出配管67で結び、その抽出配管67の中にHFCを主成分とする液状の冷媒68の液面と連動して動く比重を有するフロート65を設けることで、密閉ケーシング70内の底面から、二相分離した液冷媒を抽出し、非溶解性潤滑油71を給油管64より吸入するようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−9368号公報記載の冷凍サイクル装置では、室外機の中で新規の冷凍機油として用いられるエステル油もしくはエーテル油を完全に回収する必要があり、高性能な油分離器が必要となり、構造が複雑になったり、製造にコストがかかるという課題があった。
【0005】
さらに、圧縮機に液冷媒が寝込んだ状態で圧縮機を起動すると、フォーミングによって圧縮機内の冷凍機油が一時的に多量に流出するため、高性能な油分離器でも全ての冷凍機油を捕らえきれない可能性がある。この場合、一旦、室外機から新規の油が流出してしまうと、既設配管中から回収した鉱油とエステル油もしくはエーテル油が混ざり、エステル油もしくはエーテル油のみを分離し圧縮機へ返油することが不可能になるので、圧縮機の油が枯渇し、信頼性を失う可能性があった。
【0006】
また、特開平09‐324756号公報に示されるような抽出機構では、新規の冷凍機油として用いられるエステル油もしくはエーテル油と既設配管中に残留した冷凍機油である鉱油とが混合した混合油が二相分離し冷媒液の上に浮く場合には、既設配管中に残留していた冷凍機油のみを分離・回収することができず、新規のエステル油もしくはエーテル油が劣化した鉱油の影響で劣化し、信頼性を失うという課題があった。
【0007】
この発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、第一の冷媒、例えばHCFC系もしくはCFC系冷媒が用いられていた既設配管を流用する冷凍サイクル装置あるいは冷凍・空調装置において、第二の冷媒、例えばHFC系冷媒の冷凍機油である新規のエステル油やエーテル油等と既設配管中に残留していたCFC系もしくはHCFC系冷凍サイクルの冷凍機油である鉱油とが混合した場合でも、冷凍・空調機が通常の運転をしつつ、既設配管中に残留していた鉱油を分離回収し、新規のエステル油もしくはエーテル油の劣化を抑え、既設配管を使用する冷凍・空調機の施工を容易にし、冷凍サイクルの信頼性を高めることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項1に記載のように、圧縮機、熱源側熱交換器、アキュムレータ、前記圧縮機の吐出側に接続された油分離器を含む冷凍サイクル装置の熱源機において、抽質と原溶媒とが混合した抽料と抽剤とを二相分離する比率で混合し、抽料中の抽質を抽剤に抽出すると共に抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、抽残液のみを分離する機構を備えた抽出分離機構と、抽残液貯留容器とを備え、前記油分離器の冷媒出口側の下流と前記抽出分離機構の抽剤流入配管とを絞り手段を介して接続し、前記アキュムレータの下部と前記抽出分離機構の抽料流入配管とを接続すると共に、前記圧縮機の吸入配管と前記抽出分離機構の抽出液流出配管とを接続し、かつ、前記油分離器の冷媒出口側の下流から前記絞り手段の間の配管と、前記圧縮機の吸入配管と前記抽出液流出配管の間の配管を熱交換させる冷媒熱交換器を備え、前記抽出分離機構の抽残液流出配管と前記抽残液貯溜容器とを接続したものである。
【0009】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のものにおいて、前記抽出分離機構が鉛直方向に長さを有し、前記抽残液流出配管が、前記抽剤流入配管および前記抽料流入配管より高い位置に配置され、抽剤により抽料から所定成分を抽出する抽出容器と、鉛直方向に長さを有し前記抽出液流出配管を有する液面発生容器とを、それぞれ鉛直方向の下部および上部で互いに連通させ、前記抽出液流出配管と前記抽残液流出配管とを前記抽出液流出配管により形成する液面よりも前記抽残液流出配管により形成する液面が高くなるように配置したものである。
【0010】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機が備える前記抽出分離機構は、請求項3に記載のように、請求項2に記載のものにおいて、前記抽料流入配管を前記抽剤流入配管よりも低い位置に配置したものである。
【0011】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項4に記載のように、請求項1に記載のものにおいて、前記抽出分離機構が、鉛直方向に長さを有し抽剤により抽料から所定成分を抽出する抽出容器と、前記抽出容器内の底面と液面との圧力差を一定にする制御機構とを含み、前記抽残液流出配管が、前記抽剤流入配管および前記抽料流入配管より高い位置に配置され、前記抽出液流出配管が、前記抽料流入配管より低い位置に配置され、前記抽出容器内に抽剤のみがある場合の液面高さより前記抽残液流出配管により形成する液面が高くなるように前記抽残液流出配管を配置したものである。
【0013】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項に記載のように、請求項2〜のいずれかに記載の前記抽出容器において、前記抽残液流出配管の接続部近傍の水平方向の断面積を前記接続部近傍より低い部分の水平方向の断面積よりも小さくしたものである。
【0024】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項に記載のように、請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記抽残液貯溜容器には、抽残液貯溜容器内の液が外部へ逆流することを防止する機構を設けたものである。
【0025】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項に記載のように、請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記抽残液貯溜容器内部には抽残液もしくは原溶媒を吸着する吸着材を設けたものである。
【0026】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項に記載のように、請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記抽剤としてハイドロフルオロカーボン系の冷媒、前記抽料としてエステル油もしくはエーテル油のいずれかと鉱油もしくはハードアルキルベンゼン油のいずれかとの混合油としたものである。
【0027】
本願発明による冷凍サイクル装置の熱源機は、請求項に記載のように、請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記抽出容器内の温度は、冷凍サイクルの低圧の飽和温度とするものである。
【0028】
本願発明による冷凍サイクル装置は、請求項10に記載のように、利用側熱交換器を含む利用側機と、請求項のいずれかに記載の熱源機とを接続配管により接続して冷媒回路を構成したものである。
【0029】
本願発明による冷凍サイクル装置は、請求項11に記載のように、請求項10に記載のものにおいて、前記接続配管として、既設の冷凍サイクル装置の接続配管を利用したものである。
【0030】
本願発明による冷凍サイクル装置の更新方法は、請求項12に記載のように、既設の冷凍サイクル装置の熱源機を請求項のいずれかに記載の熱源機に置換するとともに冷媒を置換するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略化ないし省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す抽出分離機構を搭載した冷凍サイクル装置あるいは冷凍・空調装置の冷媒回路を示す。図1において、23は圧縮機、24は四方弁、25は熱源側熱交換器、26はアキュムレータである。1は抽出容器であり、抽料流入配管2を介してアキュムレータ26の下部と接続され、流入配管22および弁31を介して熱源側熱交換器25の下流で熱源側熱交換器25と液管38との間に接続される。さらに、抽残液流出配管4を介して抽残液貯留容器29に接続され、抽残液貯溜容器29の上部と吸入配管30aとは冷媒配管で接続される。6は液面発生容器であり、抽出容器1と液面発生容器6は上部連結管8と下部連結管9とで接続される。流出配管7は一端を液面発生容器6に接続され、他端は冷媒熱交換器28および弁32を介して配管30により圧縮機23の吸入配管30aに接続され、これらにより熱源機あるいは室外機51を形成する。また、39は負荷側熱交換器あるいは利用側熱交換器、40は絞り装置であり、これらにより利用側機52あるいは室内機52を形成する。室外機51と室内機52は、液管38(第一の接続配管)およびガス管37(第二の接続配管)によって連結される。なお、図面の添え字のa,bは、室内機が複数存在するマルチ式冷凍・空調システムであることを示すが、説明においては簡略化のため添字a,bを省略する。
【0032】
第一の冷媒、例えばHCFC系もしくはCFC系の冷媒と、第一の冷凍機油(潤滑油)、例えば鉱油もしくはハードアルキルベンゼン油が用いられていた既存の冷凍・空調装置を、第二の冷媒、例えばHFC系冷媒と、第二の冷凍機油(潤滑油)、例えばエステル油もしくはエーテル油を用いる冷凍・空調装置に置換して、上記のような冷媒回路を形成する。
【0033】
上記のような構成の冷凍・空調機を施工する場合で、HCFC系もしくはCFC系の冷媒を充填したユニットに用いられていた液管およびガス管、もしくは液管・ガス管および室内機を流用し、HFC系冷媒を用い、冷凍機油にエステル油を用いる室外機を新設した場合、液管とガス管および室内機にはHCFC系またはCFC系の冷凍機油として用いられていた鉱油が残留している。このような状態で冷凍サイクルを冷房運転した場合の動作について説明する。圧縮機23を吐出した高温・高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器25で放熱し、凝縮・液化して液管38を流れる。液管38を流れる液冷媒は、液管38内に残留する鉱油を、液冷媒と鉱油の間に生じる界面せん断力でひきずりながら液管38中の鉱油を洗浄していく。液管38を流れた液冷媒は、室内機52に入り、蒸発気化し、ガス管37を流れ、ガス配管37中に残留する鉱油を、ガス冷媒と鉱油の間に生じるせん断力でひきずりながらガス管中の鉱油を洗浄していく。ガス管37を流れたガス冷媒は、室外機51に戻り、四方弁24およびアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。このとき、圧縮機23から持出されたエステル油が冷媒と共に既設の冷媒配管中を循環し、既設配管中に残留していた鉱油と混合し、冷媒と共にアキュムレータ26に入る。
【0034】
既設配管から回収した鉱油を分離する場合には、弁31、弁32および弁34を開き、弁31で高圧の液冷媒を低圧の二相冷媒まで絞り、流入配管22を介して抽出容器1に導く。また、アキュムレータ26からは既設配管から回収した鉱油とエステル油の混合油が抽料流入配管2を介して抽出容器1に流入する。抽出容器1では、鉱油とエステル油の混合油中のエステル油が冷媒に抽出され、抽残液である鉱油に富む油が上層となって二相分離し、鉱油に富む油の量が多くなると、抽残液流出配管4を介して抽残液貯留容器29に貯留される。下層となる冷媒とエステル油に富む油の混合液は、液面発生容器6内を通り流出配管7から流出し、冷媒熱交換器28で液冷媒が蒸発・気化し、エステル油に富む油のみが圧縮機23の吸入配管30aへ流入する。
【0035】
次に、暖房運転した場合の動作について説明する。圧縮機23を吐出した高温・高圧のガス冷媒は、ガス管37を流れ、ガス管37中に残留する鉱油を、ガス冷媒と鉱油の間に生じるせん断力でひきずりながらガス管中の鉱油を洗浄していく。ガス管37を流れたガス冷媒は、負荷側熱交換器39で放熱し、凝縮・液化して絞り装置40で絞られ低圧の二相冷媒になる。この低圧の二相冷媒は液管38を流れ、液管38内に残留する鉱油を、液もしくはガスと鉱油の間に生じる界面せん断力でひきずりながら液管38中の鉱油を洗浄していく。液管38を流れた気液二相冷媒は、室外機51に入り、熱源側熱交換器25で蒸発し、四方弁24およびアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。このとき、圧縮機23から持出されたエステル油が冷媒と共に既設の冷媒配管中を循環し、既設配管中に残留していた鉱油と混合し、冷媒と共にアキュムレータ26に入る。また、アキュムレータ26には、冷房と暖房における必要冷媒量の差に相当する量の液冷媒が貯められる。
【0036】
既設配管から回収した鉱油を分離する場合には、弁31は閉じ、弁32、弁34を開く。アキュムレータ26内では、余剰の液冷媒が溜まっているので、既設配管から回収した鉱油は液面付近に浮遊しているかもしくは液冷媒に溶けているかの2通りである。このとき、アキュムレータ26内の液面付近に浮遊している鉱油に富む油は暖房運転中は圧縮機23へ戻ることはないので、冷媒に溶解している鉱油の回収のみを考える。アキュムレータ26からは既設配管から回収した鉱油とエステル油の混合油が冷媒に溶解して抽料流入配管2を介して抽出容器1に流入する。抽出容器1では、熱源(図示せず)によって抽出容器1内を過熱し、冷媒を所定量まで蒸発させる。ここで、熱源は抽料流入配管2上に配置してもよい。この時、液冷媒の減少に伴い液冷媒への溶解度以上となった量の鉱油に富む油が析出し、抽出容器1内の液面付近に相をなす。
ここで、抽残液貯留容器29は冷媒配管により圧縮機の吸入配管30aと接続されているため、抽残液貯留容器29内の圧力を抽出容器1内の圧力よりも低くすることができる。従って、抽出容器1の液面付近に相をなす鉱油に富む油は、抽出容器1と抽残液貯留容器29の圧力差に従って抽残液流出配管4を介して抽出容器1から抽残液貯留容器29に流れ込み、抽残液貯留容器29に貯留される。
冷媒とエステル油に富む油の混合液は、液面発生容器6内を通り流出配管7から流出し、冷媒熱交換器28で液冷媒が、若干、蒸発・気化し圧縮機23の吸入配管へ流入する。
【0037】
つぎに、抽出分離機構の構造および抽出分離の原理について説明する。図2は抽出分離機構の概略構成図である。図2において、1は抽出容器であり、抽出容器1には、抽料流入配管2、抽剤流入配管3、抽残液流出配管4が接続される。また、これらの配管を接続する位置は、密度の小さい抽料と密度の大きい抽剤を混合する観点から、鉛直方向の上から抽残液流出配管4、抽剤流入配管3、抽料流入配管2の順で抽出容器1に接続し、浮力により抽出容器1内を上昇する抽料と抽出容器1内を下降する抽剤とが適度に混ざり合うようにすることが望ましい。6は液面発生容器であり、抽出容器1と液面発生容器6とは、上部連結管8および下部連結管9とにより接続される。液面発生容器6には流出配管7が抽残液流出配管4よりやや低い位置に接続される。このとき、流出配管7と抽残液流出配管4の鉛直方向の高さの差は、抽出容器1内において、液面上部に相をなす抽残液の厚さによって決定する。
なお、図2の抽出分離機構を図1の冷媒回路に適用する場合、図1の流入配管22と図2の抽剤流入配管3とは同じものとなる。
【0038】
係る構成の抽出分離機構における抽質分離動作について説明する。抽剤流入配管3から冷媒液を流入させると、抽出容器1内の液面は、パスカルの原理から流出配管7の位置とほぼ同位置にくる。流出配管7が抽残液流出配管4よりやや低い位置とすることにより、抽残液が発生しない場合には、抽出容器1内に形成される液面高さが抽残液流出配管4より低くなるので、抽残液流出配管4から液冷媒が流出するのを防ぐことができる。次に、抽料流入配管2から、エステル油と鉱油の混合油を流入させると、抽出容器1内において、鉱油とエステル油の混合油からエステル油が冷媒に抽出され、密度差から抽残液である鉱油に富む油が二相分離して上面に浮く。この時の現象を図3の模式図を使って説明する。いま、抽出容器1内には、液冷媒がH3の高さまで、鉱油がH2の高さまで入っており、液面発生容器6にはH1まで冷媒液が入っているものとする。鉱油は冷媒液よりも密度が小さいので、図4に示すように、H2の高さが高くなるほど、抽出容器1と液面発生容器6との液面高さの差ΔHが大きくなる。そこで、流出配管7を抽残液流出配管4よりΔHの範囲内においてやや低くすることによって、抽出容器1内で分離し、抽出容器1の液面上部に相をなす鉱油に富む油を抽残液流出配管4から排出することができる。また、抽出容器1に鉱油が無い場合には、流出配管7と抽残液流出配管4の液面高さが同一となり、流出配管7が抽残液流出配管4よりやや低い位置にあることから、抽残液流出配管4から液冷媒が流出することはない。
【0039】
さらに、エステル油と鉱油の混合油と冷媒を抽出容器1へ流入させる比率とその流入量に関しては次のように決定する。図5に相分離特性曲線、図6に平衡曲線を示す。図5と図6とは水平に並べると相互の関係が理解しやすいが、出願書式の制約から出願時には水平に配列することができないので、上下に配列して示す。図5と図6を水平に配置して両図の横軸が同一延長線上にあるようにすると、図5の線分E−Jと図6のJの線分とは同一延長線上でつながるものである。
図5において、Aは鉱油100%、Bは冷媒100%のポイント、Fは抽料の組成、Sは抽剤の組成であり、ΣはFの組成の抽料とSの組成の抽剤をある比率で混ぜ合わせた場合で、かつ、二相分離しないと仮定した場合の組成である。Σが二相分離する領域内にある場合には、上部組成Rと下部組成Eに分離する。このときのE点は、図6に示す平衡曲線から決定できる。上部の相におけるエステル油と鉱油の比率PRは、B点とR点を結んだ延長線と線分ACとの交点として求めることができ、鉱油の比率が最も大きくなるように抽料と抽剤の混合比を決定する。ここで、エステル油と鉱油の混合油と冷媒を抽出容器1へ流入させるときの流入量は、抽出速度により予め決定し、抽出容器1への冷媒とエステル油と鉱油の混合油の流入量の制御は配管の流路抵抗等によって行う。
抽出容器1内の温度に関しては、できるだけ低く設定することで、抽料が小量の場合でも二相分離するので、小量の鉱油まで分離することができる。特に、この抽出分離機構を図1に示すような冷凍サイクルと組合せて使用する場合には、抽出容器1が低圧となるようにすることで、二相分離して鉱油に富む油が析出しやすくなるので、鉱油の分離精度を高める効果がある。また、試験的に鉱油の分離精度を確かめることで、抽出容器1内の圧力を、適宜、高圧と低圧の間の中間圧としてもかまわない。一般には、抽出容器1内の温度は、冷凍サイクルの低圧の飽和温度とするのがよい。
【0040】
したがって、CFC系もしくはHCFC系の冷媒を用いて運転した冷凍・空調装置に用いられ、CFC系もしくはHCFC系冷凍サイクルの冷凍機油である鉱油が残留した既設配管を使用し、室外機もしくは室外機および室内機を新設し、冷媒にHFC系の冷媒を用いた冷凍空調装置において、通常運転を行いながら必要に応じて既設配管または既設配管および室内機に残留していた鉱油を回収し、劣化した鉱油とエステル油の混合により、エステル油が劣化するのを防止することができる。なお、抽剤をR407C、R404A、R410A、R32等のHFC系冷媒とした場合、抽質としてはエステル油の変わりにエーテル油等の冷媒に相溶な油であればなんでも同様の効果を奏する。また、CFC系もしくはHCFC系で用いられる既設配管中に残留した油としては、鉱油の変わりにCFC系もしくはHCFC系の冷媒に溶解する油で密度が液冷媒よりも小さければどんな冷凍機油でもよく、例えばHAB油等でも同様の効果がある。
【0041】
また、抽残液貯留容器29には、逆流防止の弁を配置することにより、一旦、抽残液貯留容器29に回収した鉱油が冷媒の寝込み等により逆流し、冷媒回路内へ再流出することを防止することができる。さらに、抽残液貯留容器29内に鉱油を吸着する吸着剤を内蔵することにより、一旦、抽残液貯留容器29に回収した鉱油が冷媒回路内へ再流出することを、簡易な構成で安価に防止することができる。
【0042】
また、鉱油をより精度よく分離するための抽出分離機構を図7に示す。図7において、添え字のa、bは抽出分離機構が2系統存在することを示し、抽残液流出配管4aと抽料流入配管2bを接続した構成としている。ただし、以下の説明では添え字のa、bを省略する場合がある。図7において、1は抽出容器であり、抽出容器1には、抽料流入配管2、抽剤流入配管3、抽残液流出配管4が接続される。また、これらの配管を接続する位置は、密度の小さい抽料と密度の大きい抽剤を混合する観点から、鉛直方向の上から抽残液流出配管4、抽剤流入配管3、抽料流入配管2の順で抽出容器1に接続し、浮力により抽出容器1内を上昇する抽料と抽出容器1内を下降する抽剤とが適度に混ざり合うようにすることが望ましい。6は液面発生容器であり、抽出容器1と液面発生容器6とは、上部連結管8および下部連結管9とにより接続される。液面発生容器6には流出配管7が抽残液流出配管4よりやや低い位置に接続される。このとき、流出配管7と抽残液流出配管4の鉛直方向の高さの差は、抽出容器1内において、液面上部に相をなす抽残液の厚さによって決定する。
【0043】
係る構成の抽出分離機構の動作について説明する。抽剤流入配管3aと3bから、各々、抽出容器1a,1bに液冷媒を流入させると、抽出容器1aと液面発生容器6aおよび抽出容器1bと液面発生容器6bの液面は、各々、同じ高さで上昇する。液面発生容器6a,6b内の液面が、各々、流出配管7a,7bの位置までくると、液冷媒は、各々、流出配管7a,7bから流出するので、抽出容器1a,1bの液面は、各々、流出配管7a,7bの位置で一定となる。抽残液流出配管4a,4bは、各々、流出配管7a,7bよりも高い位置にあるので、液冷媒が抽残液流出配管4a,4bから流出することはない。ここで、抽料流入配管2aから、エステル油と鉱油の混合油を抽出容器1aに流入させると、エステル油が液冷媒に抽出され、鉱油に富む油が二相分離し、その量が増加すると、抽残液流出配管4aから流出し、抽料流入配管2bを介して、抽出容器1bに流入する。抽出容器1bに流入した鉱油に富む油は、抽出容器1b内の液冷媒と接触して再びエステル油が抽出され、さらに鉱油に富んだ油が抽出容器1b内で二相分離し、やがて、抽残液流出配管4bから流出する。
【0044】
図8を用いて、図7における抽出分離機構の鉱油分離動作を説明する。図8において、Cは鉱油100%、Bは冷媒100%のポイント、Fは抽料の組成、Sは抽剤の組成であり、Σ1はFの組成の抽料とSの組成の抽剤をある比率で混ぜ合わせた場合で、かつ、二相分離しないと仮定した場合の組成である。Σ1は上部組成R1と下部組成E1に分離する。組成R1の上部の相を抽残液として分離し、再度、抽剤Sを混ぜると、上部組成R2と下部組成E2に分離する。組成R2における鉱油の比率は組成R1よりも小さくなるので、鉱油を分離する抽出分離機構としては精度を上げることができる。なお、同様に3つ以上の抽出分離機構をつなぎあわせると、より高い鉱油分離性能が得られる。
【0045】
図9は、本発明の実施の形態1による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路の他の例を示す。
図9において、53は圧縮機23の吐出側と四方弁24との間に挿入された油分離器であり、分離された油を絞り装置36を介して返油管35によりアキュムレータ26に返油する。72は配管(冷媒回路)であり、油分離器53の出口側から弁31、冷媒熱交換器28、絞り装置58を介して冷媒流入管22に接続されている。その他は図1と同様であるから説明を省略する。
この冷媒回路において、流入配管22に流入させる液冷媒は、図9に示すように、流出配管7から流出する低温の二相冷媒と冷媒回路72を流れる高温・高圧のガス冷媒を、冷媒熱交換器28で熱交換させ、冷媒回路72を流れる冷媒を凝縮・液化し、その液化した冷媒を絞り装置58で絞った後、流入配管22を介して抽出容器1内へ導いている。このような構成によっても同様の効果を奏する。
【0046】
なお、以上説明したこの発明の概念は次のようにも要約できる。この発明の抽出分離機構は、抽質と原溶媒とが混合した抽料と、抽剤とを、二相分離する比率で混合し、抽料中の抽質を抽剤に抽出すると共に、抽残液の密度と抽出液の密度との相違を利用して、抽残液のみを分離するものである。
ここで、具体例としては、抽料は、原溶媒としての鉱油もしくはハードアルキルベンゼン油に、抽質としてのエステル油もしくはエーテル油が混合したものが該当する。また、抽剤としてハイドロフルオロカーボン系の冷媒が該当する。抽残液としては、抽質であるエステル油もしくはエーテル油が抽出された後の、原溶媒である鉱油もしくはハードアルキルベンゼン油に富む油が該当する。
【0047】
また、図2に示す抽出分離機構は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、液面発生容器6と抽出容器1とを上部連結管8と下部連結管9とで接続し、抽出容器1に接続された抽料流入配管2、抽剤流入配管3、抽残液流出配管4とを備えると共に、液面発生容器6に流出配管(7)を接続し、抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、溶液面発生容器6内に発生した液面位置より抽出容器1と接続される抽残液流出配管4の接続口の下部の方を高く位置させたものである。
【0048】
また、図1に示す冷凍サイクル装置の熱源機は次のようにも要約できる。すなわち、この熱源機は、圧縮機23、熱源側熱交換器25およびアキュムレータ26を備え、熱源側熱交換器25と液配管38との間の配管と流入配管22(図2の抽出分離機構の抽剤流入配管3に対応)とを接続する配管と、アキュムレータ26の下部と抽料流入配管2とを接続する配管と、圧縮機23の吸入配管を分岐し流出配管7と接続する配管と、抽残液流出配管4と接続され抽残液を貯留する抽残液貯溜容器29を有するものである。
【0049】
また、図9に示す冷凍サイクル装置の熱源機は次のようにも要約できる。すなわち、この熱源機は、圧縮機23、熱源側熱交換器25、アキュムレータ26および圧縮機23の吐出側に接続された油分離器53を備え、油分離器53の下流と流入配管22(図2の抽出分離機構の抽剤流入配管3に対応)とを接続する配管72と、アキュムレータ26の下部と抽料流入配管2とを接続する配管と、圧縮機23の吸入配管を分岐し流出配管7と接続する配管と、抽残液流出配管4と接続され抽残液を貯留する抽残液貯溜容器29とを有するものである。
【0050】
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2による抽出分離機構の構成の概要図である。図10中、10はシェル、11、12、13は仕切板、14は仕切板11に開けられた孔、15は仕切板13に開けられた孔で、孔14を孔15よりもやや低い位置とする。16、17は仕切板12の上部と下部に開けられた孔である。2は抽料流入配管であり、抽料流入配管2はシェル10内の仕切板12と仕切板13で仕切られた空間43内に一端を開口して接続される。3は抽剤流入配管であり、抽剤流入配管3はシェル10内の仕切板12と仕切板13で仕切られた空間43内に一端を開口して接続される。さらに、5は抽出液流出配管であり、抽出液流出配管5はシェル10内の仕切板12と仕切板13で仕切られた空間43内の底部付近などの下部に一端を開口して接続される。なお、抽出液流出配管5は、シェル10内の仕切板11と仕切板12で仕切られた空間42の下部に一端を開口して接続してもよい。
【0051】
係る構成の抽出分離機構の動作について説明する。抽剤流入配管3から冷媒液を流入させると、空間42と空間43の液面は共に孔14に位置まで上昇する。液面が孔14以上になると孔14から液冷媒が空間41側に流出し、空間42および空間43の液面が孔14の位置に保たれる。ここで、抽料流入配管2からエステル油と鉱油の混合油を流入させると、空間43において、エステル油が冷媒液に抽出されるとともに、鉱油が分離し、鉱油と冷媒液の密度差から空間43の液面上部に鉱油に富む液相を形成する。この鉱油に富む油の相が厚くなると、空間42の液面高さよりも空間43の液面高さの方が高くなり、孔15から空間44に鉱油が流れ込むようになる。また、空間43に流れ込む鉱油の量が減少すると、空間43に形成される鉱油の相の厚さが減少し、液面高さも孔15の位置に達しなくなり、空間44には液冷媒が流れ込むことはない。
したがって、エステル油と鉱油の混合油から、抽出分離した鉱油を貯留する容器を抽出分離機構と一体化することにより安価に製造することができる。
【0052】
なお、図10の抽出分離機構を図1の冷媒回路に適用するときは、図10の抽出液流出配管5は、図1の流出配管7の位置に接続する。また、図10では抽残液は内部に貯留するので、図1の抽残液流出配管4に相当するものは外部には出ていない。したがって接続する必要はない。
【0053】
なお、図10に示す抽出分離機構は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、シェル10内の空間42(液面発生容器に相当)と空間43(抽出容器に相当)とを上部孔16(上部連結管に相当)と下部孔17(下部連結管に相当)とで接続し、空間43に接続された抽料流入配管2と抽剤流入配管3と、孔15(抽残液流出配管に相当)とを備えると共に、空間42に孔14(流出配管に相当)を設け、抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、空間42に発生した液面位置より空間43の孔15の方を高く位置させたものである。
【0054】
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3による抽出分離機構の構成の概要図である。図11中、20は外円筒形容器、21は内円筒形容器であり、外円筒形容器20は内円筒形容器21を内封する。外円筒形容器20と内円筒形容器21の間には空間43、内円筒形容器21の内部には空間42が形成される。また、内円筒形容器21の上部と下部には孔16と孔17が開けられている。空間43には、抽料流入配管2、抽剤流入配管3および抽残液流出配管4が接続されている。空間42には、流出配管7が挿入され、空間42内部における流出配管7の端部は、抽残液流出配管4よりやや低い位置とする。
【0055】
係る構成の抽出分離機構の動作について説明する。抽剤流入配管3から冷媒液が空間43に入ると、孔17を通って空間42にも冷媒液が流れ、空間42と空間43の液面の高さは同一となって上昇する。空間42において液面高さが流出配管7の端部以上に上昇すると、液冷媒は流出配管7に流れ込み、液面の高さは流出配管7の端部の位置に保たれる。この時、空間43においても、同位置に液面が保たれ、抽残液流出配管7から液冷媒が流出することはない。次に、抽料流入配管2からエステル油と鉱油の混合油を流入させると、エステル油が冷媒液に抽出され、鉱油が分離し、鉱油と冷媒液の密度差から空間43の液面上部に鉱油に富む液相を形成する。この鉱油の相が厚くなると、空間42の液面高さよりも空間43の液面高さの方が高くなり、抽残液流出配管4から鉱油に富む油が流出する。
したがって、抽出分離機構を二重円筒構造とすることにより、安価でコンパクトに製造することができる。
なお、図11の抽出分離機構は図1などの冷媒回路にそのまま適用できる。
【0056】
なお、図11に示す抽出分離機構の構成は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、内円筒形容器21内の空間42(液面発生容器に相当)と、内円筒形容器21と外円筒形容器20とで形成する空間43(抽出容器に相当)とを上部孔16(上部連結管に相当)と下部孔17(下部連結管に相当)とで接続し、空間43に接続された抽料流入配管2と抽剤流入配管3と抽残液流出配管4とを備えると共に、空間42に流出配管7を設け、抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、空間42に発生した液面位置より空間43の抽残液流出配管4の方を高く位置させたものである。
【0057】
実施の形態4.
図12は、本発明の実施の形態4による抽出分離機構の構成の概要図である。
図12において、1は抽出容器であり、抽出容器1には、上部から抽残液流出配管、抽剤流入配管3、抽料流入配管2および抽出液流出配管7が順次接続される。また、抽出液流出配管7には電磁弁96が配設される。さらに、抽出容器1の上部のガス中には第1の圧力センサー98、抽出液の底部の液中には第2の圧力センサー99が設置され、第1の圧力センサー98と第2の圧力センサー99の検知値から、制御器97を介して電磁弁96が開閉される。
動作について説明する。抽出容器1には、抽剤流入配管3から抽剤が流入し、抽料流入配管2からは抽料が流入し、抽出容器1内で抽剤と抽料が混合し、抽残液と抽出液に分離する。ここで、電磁弁96の開閉動作により、第1の圧力センサー98と第2の圧力センサー99の検知の差が一定になるように制御することで、密度の軽い抽残液の量が多くなる程、抽出容器1内の抽残液とガス部の界面の高さは抽出液のみがある場合の液面高さよりも高くすることができる。したがって、抽残液流出配管4を抽出液のみがある場合の液面高さよりも高い位置で抽出容器1と接続することで、抽残液のみを抽残液流出配管4から流出させることが可能となる。
なお、図12の抽出分離機構を図1または図9の冷媒回路に適用するときは、図10の抽出液流出配管5は、図1または図9の流出配管7に接続する。
【0058】
また、図12に示した抽出分離機構の構成は次のようにも要約できる。すなわち、抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、抽出容器1と、抽出容器1に接続された抽料流入配管2、抽剤流入配管3、抽出液流出配管5、抽残液流出配管4とを備え、抽出容器1内の抽残液の液面と抽出容器1の底面との圧力差を一定とする制御機構と、圧力差が一定で抽出容器1内に抽剤のみがある場合の液面高さより抽残液流出配管4の接続口の下部の方を高く位置させたものである。
【0059】
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路を示す。図13において、23は圧縮機、24は四方弁、25は熱源側熱交換器、26はアキュムレータである。1は抽出容器であり、抽出容器1は、抽料流入配管2および弁59を介してアキュムレータ26と接続されると共に、抽残液流出配管4を介して抽残液貯留容器29に接続される。6は液面発生容器であり、抽出容器1と液面発生容器6は上部連結管8と下部連結管9とで接続される。流出配管7は一端を液面発生容器6に接続され、他端は冷媒熱交換器28および弁32を介して圧縮機23の吸入配管30aに接続される。さらに、流入配管22は弁31を介して熱源側熱交換器25と液管38との間に接続される。抽出液流出配管5は流出配管7と冷媒熱交換器28との間の配管と接続される。以上の構成により室外機51を形成する。また、39は負荷側熱交換器、40は絞り装置であり、これらにより室内機52を形成する。室外機51と室内機52は、液管38およびガス管37によって連結される。なお、図13において、添え字のa,bは、室内機が複数存在するマルチ式冷凍・空調システムであることを示すが、説明では簡略化のため添え字を省略する場合がある。
【0060】
上記のような構成の冷凍・空調機を施工する場合で、HCFC系もしくはCFC系の冷媒を充填したユニットに用いられていた液管およびガス管もしくは液管・ガス管および室内機を流用し、冷媒にHFC系冷媒・冷凍機油にエステル油を用いる室外機を新設した場合、液管とガス管および室内機にはHCFC系またはCFC系の冷凍機油として用いられていた鉱油が残留している。このような状態で冷凍サイクルを冷房運転した場合の動作について説明する。圧縮機23を吐出した高温・高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器で放熱し、凝縮・液化して液管38を流れ、液管38内に残留する鉱油を、液もしくはガスと鉱油の間に生じる界面せん断力でひきずりながら液管38中の鉱油を洗浄していく。液管38を流れた液冷媒は、室内機52に入り、蒸発気化し、ガス管37を流れ、ガス配管中に残留する鉱油を、ガス冷媒と鉱油の間に生じるせん断力でひきずりながらガス管中の鉱油を洗浄していく。ガス管37を流れたガス冷媒は室外機51に戻り、四方弁24およびアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。このとき、圧縮機から持出されたエステル油が冷媒と共に既設の冷媒配管中を循環し、既設配管中に残留していた鉱油と混合し、冷媒と共にアキュムレータ26に入る。
【0061】
図14は、本発明の実施の形態5による抽出分離機構の構成の概要図であり、図13の冷凍サイクル装置に適用できるものである。図14中、1は抽出容器であり、抽出容器1には抽料流入配管2、抽残液流出配管4、抽出液流出配管5が接続される。6は液面発生容器であり、抽出容器1と液面発生容器6は上部連結管8と下部連結管9とで接続されている。また、液面発生容器6には流入配管22と流出配管7とが接続されている。ここで、流出配管7と液面発生容器6との接続位置は、抽残液流出配管4よりも鉛直方向にやや低くする。
【0062】
係る構成の抽出分離機構の動作について説明する。流入配管22から気液二相冷媒を液面発生容器6に流入させ、流出配管7から流出させると、流出配管7の位置に液面が発生する。また、液面発生容器6と抽出容器1は上部連絡管8と下部連絡管9で接続されているので、均圧されて、抽出容器1内にも流出配管7と同位置に液面が生じる。ここで、抽料流入配管2からエステル油と鉱油の混合油を流入させると、エステル油が冷媒液に抽出され、鉱油が分離し、鉱油と冷媒液の密度差から抽出容器1の液面上部に鉱油に富む液相を形成する。この鉱油の相が厚くなると、液面発生容器6の液面高さよりも抽出容器1の液面高さの方が高くなり、抽残液流出配管4から鉱油が流出する。
【0063】
図15は、本発明の実施の形態5による抽出分離機構の構成の変形例の概要図である。図15に示すように、抽出容器1において、抽残液流出配管4の接続部近傍の水平方向の断面積を他の部分、特に抽残液流出配管4の接続部近傍より低い部分の水平方向の断面積より小さくすることによって、分離された鉱油が少ない場合でも、分離された鉱油の相の高さを高くすることができるので、小量の鉱油でも分離が可能となる。
【0064】
図16は本発明の実施の形態5による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路の他の例を示す。図16において、23は圧縮機、53は油分離器、24は四方弁、25は熱源側熱交換器、26はアキュムレータである。1は抽出容器であり、抽出容器1は、抽料流入配管2および弁34を介して返油回路35と接続されると共に、抽残液流出配管4を介して抽残液貯留容器29に接続される。6は液面発生容器であり、抽出容器1と液面発生容器6は上部連結管8と下部連結管9とで接続される。流出配管7は一端を液面発生容器6に接続され、他端は冷媒熱交換器28および弁32を介して圧縮機23の吸入配管30aに接続される。さらに、流入配管22は弁31を介して熱源側熱交換器25と液管38との間に接続される。抽出液流出配管5は、流出配管7と冷媒熱交換器28との間の配管と接続される。以上のように室外機51を形成する。また、39は負荷側熱交換器、40は絞り装置であり、これらにより室内機52を形成する。室外機51と室内機52は、液管38およびガス管37によって連結される。なお、図16において、添え字のa,bは、室内機が複数存在するマルチ式冷凍・空調システムであることを示すが、説明では簡略化のために記載を省略する。
【0065】
上記のような構成の冷凍・空調機を施工する場合で、HCFC系もしくはCFC系の冷媒を充填したユニットに用いられていた液管およびガス管もしくは液管・ガス管および室内機を流用し、冷媒にHFC系冷媒・冷凍機油にエステル油を用いる室外機を新設した場合、液管とガス管および室内機にはHCFC系またはCFC系の冷凍機油として用いられていた鉱油が残留している。このような状態で冷凍サイクルを冷房運転した場合の動作について説明する。圧縮機23を吐出した高温・高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器で放熱し、凝縮・液化して液管38を流れ、液管38内に残留する鉱油を、液もしくはガスと鉱油の間に生じる界面せん断力でひきずりながら液管38中の鉱油を洗浄していく。液管38を流れた液冷媒は、室内機52に入り、蒸発気化し、ガス管37を流れ、ガス配管中に残留する鉱油を、ガス冷媒と鉱油の間に生じるせん断力でひきずりながらガス管中の鉱油を洗浄していく。ガス管37を流れたガス冷媒は室外機51に戻り、四方弁24およびアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。このとき、圧縮機23から持出されたエステル油が冷媒と共に既設の冷媒配管中を循環し、既設配管中に残留していた鉱油と混合し、冷媒と共にアキュムレータ26に入る。
【0066】
既設配管から回収した鉱油を分離する場合には、弁31、弁32および弁34を開き、弁31で高圧の液冷媒を低圧の二相冷媒まで絞り、流入配管22を介して液面発生容器6に導く。また、返油回路35からは既設配管から回収した鉱油とエステル油の混合油が弁34にて低圧まで絞られて、抽料流入配管2を介して抽出容器1に流入する。抽出容器1では、エステル油が冷媒に抽出され、抽残液である鉱油に富む油が上層となって二相分離し、鉱油に富む層の厚さが厚くなると、鉱油に富む油が抽残液流出配管4を介して抽残液貯留容器29に流れ貯留される。抽出液である冷媒とエステル油に富む油の混合液は、抽出液流出配管5から流出し、流出配管7から流出した気液二相冷媒と合流した後、冷媒熱交換器28で液冷媒が蒸発・気化し、エステル油に富む油のみが圧縮機23の吸入配管へ流入する。
【0067】
従って、冷媒流量が小さく冷媒回路内で圧力差がつきにくい条件においても、油分離器53と抽出容器1の圧力差を大きくとることができ、抽出容器1への油の流動をスムーズにできるので、冷凍サイクルの広い運転範囲において、抽出分離することができる。
【0068】
なお、図16に示す冷凍サイクル装置の熱源機の構成は次のようにも要約できる。すなわち、この熱源機は、圧縮機23、この圧縮機23の吐出側に接続された油分離器53、熱源側熱交換器25およびアキュムレータ26を備え、熱源側熱交換器25と液配管27との間の配管と流入配管(22)とを接続した図14および図15に記載の抽出分離機構と、油分離器53から絞り機構36を介してアキュムレータ26に返油する返油回路35と、返油回路35を分岐し抽料流入配管2とを接続する配管と、圧縮機23の吸入配管を分岐し流出配管7と接続する配管と、圧縮機23の吸入配管を分岐し抽出液流出配管5と接続する配管と、抽残液流出配管4と接続され抽残液を貯留する抽残液貯溜容器を有するものである。
【0069】
実施の形態6.
図17は本発明の実施の形態6による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路を示す。図17において、23は圧縮機、53は油分離器、24は四方弁、25は熱源側熱交換器、26はアキュムレータである。アキュムレータ26の内部は、仕切板83により、上部空間26aと下部空間26bに分離され、上部空間26aと下部空間26bは冷媒戻し管75により連通される。73は両端を開放した通気管であり、通気管73は一端を上部空間26aの上部に、他端を上部空間26aの底部に位置するように設置される。また、通気管73と冷媒戻し管75は、仕切板83からの鉛直方向の距離が等しい各々の中間の位置で、連通管74によって連通される。76は気液分離用のデミスタ、84は一端を下部空間26bの上部に開口し、他端をアキュムレータ26の外部に開口するU字管であり、U字の最下端は下部空間26bの底部の位置に来るように設置される。また、U字管の最下端付近には、返油孔77が開けられている。29は抽残液貯留容器であり、上部空間26aとは抽残液流出配管4および逆止弁80を介して連通される。抽残液流出配管4は連通管74よりもおよそ各配管の半径の和よりも高い位置に接続することが望ましい。また、抽残液貯留容器29の上部は、背圧管85および絞り79を介してU字管出口と接続される。
【0070】
上記のような構成の冷凍・空調機を施工する場合で、HCFC系もしくはCFC系の冷媒を充填したユニットに用いられていた液管およびガス管、もしくは液管・ガス管および室内機を流用し、冷媒にHFC系冷媒・冷凍機油にエステル油を用いる室外機を新設した場合、液管とガス管および室内機にはHCFC系またはCFC系の冷凍機油として用いられていた鉱油が残留している。このような状態で冷凍サイクルを冷房運転した場合の動作について説明する。圧縮機23を吐出した高温・高圧のガス冷媒は、油分離器53でガス冷媒中に含まれるエステル油の噴霧を分離され、熱源側熱交換器25で放熱し、凝縮・液化して液管38を流れる。液管38を流れる液冷媒は、液管38内に残留する鉱油を、液冷媒と鉱油の間に生じる界面せん断力でひきずりながら液管中の鉱油を洗浄していく。液管38を流れた液冷媒は、室内機52に入り、蒸発気化し、ガス管37を流れ、ガス配管中に残留する鉱油を、ガス冷媒と鉱油の間に生じるせん断力でひきずりながらガス管中の鉱油を洗浄していく。ガス管37を流れたガス冷媒は、室外機51に戻り、四方弁24およびアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。
【0071】
ここで、アキュムレータ26内部での鉱油の分離動作について説明する。圧縮機23内部のエステル油に既設配管中に残留した鉱油が混ざった場合には、油分離器53で分離されたエステル油と鉱油の混合油が返油配管35と絞り36を介してアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)45に流入し、既設配管から回収された鉱油と混合する。さらに、熱源側熱交換器25で凝縮した液冷媒が絞り78で低圧まで絞られアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)45に流入し、前記エステル油と鉱油の混合油と混ざり合いエステル油と鉱油の混合油からエステル油が冷媒液に抽出され、アキュムレータ26に流入する。アキュムレータ26に流入した冷媒ガス・エステル油の溶けた冷媒液およびわずかにエステル油が溶けた鉱油は気液分離用デミスタ76によってガス冷媒と液体とに分離され上部空間26aに入る。上部空間26a内のガス冷媒は冷媒戻し管75を介して下部空間26bに流入しU字管84を流れて圧縮機23に戻る。気液分離用デミスタ76で分離された液は、上部空間26の底部に溜まり、わずかにエステル油が溶けた鉱油が上相、エステル油が溶けた冷媒液が下相となって二相分離する。上相のわずかにエステル油の溶けた鉱油は抽残液流出配管4および逆止弁80を介して抽残液貯留容器29に溜まる。一方、上部空間26aの下相をなすエステル油の溶けた液冷媒は上相の圧力に押されて通気管73を上昇し、連通管74および冷媒戻し管75を介して下部空間26bに流れ、下部空間26bの底部に溜まる。下部空間26bの底部に溜まったエステル油の溶けた液冷媒は、冷媒流量に応じた量だけ返油孔77からU字管84内部に流入し、冷媒ガスと共に圧縮機23に流入する。
【0072】
次に、暖房運転した場合の動作について説明する。圧縮機23を吐出した高温・高圧のガス冷媒は、ガス管37を流れ、ガス管37中に残留する鉱油を、ガス冷媒と鉱油の間に生じるせん断力でひきずりながらガス管中の鉱油を洗浄していく。ガス管37を流れたガス冷媒は、負荷側熱交換器39で放熱し、凝縮・液化して絞り装置40で絞られ低圧の二相冷媒になる。この低圧の二相冷媒は液管38を流れ、液管38内に残留する鉱油を、液もしくはガスと鉱油の間に生じる界面せん断力でひきずりながら液管38中の鉱油を洗浄していく。液管38を流れた気液二相冷媒は、室外機51に入り、熱源側熱交換器25で蒸発し、四方弁24およびアキュムレータ26を介して圧縮機23へ戻る。このとき、圧縮機23から持出されたエステル油が冷媒と共に既設の冷媒配管中を循環し、既設配管中に残留していた鉱油と混合し、冷媒と共にアキュムレータ26に入る。また、アキュムレータ26には、冷房と暖房における必要冷媒量の差に相当する量の液冷媒が貯められる。ここで、アキュムレータ26内部での鉱油の分離動作は冷房時と同様である。
【0073】
従って、鉱油とエステル油の混合油と冷媒液をアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)45中で混合させることにより、効率よく混合するので、冷媒液へのエステル油の抽出を確実に行うことができる。この結果、既設配管から回収した鉱油を確実に分離し、冷凍サイクルの信頼性を高めることができる。
【0074】
図18は、本発明の実施の形態6による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路の他の例を示す。
上記の図16では、仕切板83によりアキュムレータ26を上下2段に分割した例を示したが、図18に示す例でも同様の効果を得ることができる。つまり、仕切板83aおよび仕切板83bによって左右の空間94aと94bに分割し、仕切板83aには上部の隙間93aと下部の隙間93bを設けると共に、仕切板83bの高さを隙間93aと隙間93bの間の高さとすると、空間94aにはわずかにエステル油が溶けた鉱油が上相、エステル油が溶けた冷媒液が下相となって二相分離する。空間94aの底部の液冷媒は隙間93bを通って仕切板83aと仕切板83bの間に溜まり、空間94a内の鉱油の量が増加するにしたがって、仕切板83aと仕切板83bの間の冷媒液面の高さも上昇し、その高さが仕切板83bの上端まで来ると、空間94bに流れ込むようになるので、鉱油は空間94aに溜めることができる。
【0075】
なお、図17に示す抽出分離機構の構成は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、抽出容器1内の上部に一端を開口し、他端を抽出容器1底部に開口する通気管73と、抽出容器1の上部に一端を開口し他端を抽出容器1外に開口する液戻し管75と、通気管73と液戻し管75を連通管74にて連通し、連通管74よりも高い位置で抽残液流出配管4を抽出容器1と接続し、抽残液流出配管4と抽残液貯溜容器29を逆止弁80を介して接続した抽出分離機構において、混合配管45にて抽料と抽剤を混合した後に抽出容器1内に導くものである。
【0076】
また、図17に示す冷凍サイクル装置の熱源機の構成は次のようにも要約できる。すなわち、この熱源機は、圧縮機23、油分離器53、熱源側熱交換器25およびアキュムレータ26と、油分離器53から絞り機構36を介して混合配管45に返油する返油回路35とを備え、熱源側熱交換器25と液配管27との間の配管を分岐し混合配管45と接続すると共に、返油回路35を混合配管45と接続し、混合配管45の出口とアキュムレータ26の入口とを接続し、アキュムレータ26内部において上下に階層分けされた第1の空間(上部空間)26aと第2の空間(下部空間)26bを設け、第1の空間26aの上部に一端を開口し他端を第1の空間26aの底部に開口する通気管73と、第1の空間26aの上部に一端を開口し他端を第2の空間26bに開口する液戻し管75と、通気管73と液戻し管75を連通管74にて連通し、連通管74よりも高い位置で抽残液流出配管4を第1の空間26aと接続し、抽残液流出配管4と抽残液貯溜容器29を逆止弁80を介して接続したものである。
【0077】
また、図18に示す抽出分離機構は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、容器1内の空間94aと空間94bとを上部孔93aと下部孔93bとで接続し、空間94aに接続された抽料と抽剤との混合配管45を備えると共に、空間94bを中間の高さで開放し、抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、空間94bから抽出液を外部へ流出させるものである。
【0078】
実施の形態7.
図19は本発明の実施の形態7による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路を示す。図19において、実施の形態5と同一部分には、同一の記号を付し、説明を省略する。図19において、73は通気管であり、上部空間26aに上向きに突出して一端を開口し、他端は仕切板83を貫通し下部空間26b側に開口する。75は冷媒液戻し管であり、一端を上部空間26aに開口すると共に、他端を下部空間26bに開口する。冷媒液戻し管75の上部空間26a側の端部には、鉱油と冷媒液の中間の密度のフロート弁81を設置し、上部空間26a内の冷媒液の量によって上下に運動する。
【0079】
ここで、図19に示した冷媒回路において、冷房または暖房運転を行いながら既設配管から回収した鉱油とエステル油の混合油から鉱油を分離する動作について説明する。圧縮機23内部のエステル油に既設配管中に残留した鉱油が混ざった場合には、油分離器53で分離されたエステル油と鉱油の混合油が返油配管35と絞り36を介してアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)45に流入し、既設配管から回収された鉱油と混合する。さらに、熱源側熱交換器で凝縮した液冷媒が絞り78で低圧まで絞られアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)45に流入し、前記エステル油と鉱油の混合油と混ざり合い、エステル油と鉱油の混合油からエステル油が冷媒液に抽出され、アキュムレータ26に流入する。アキュムレータ26に流入した冷媒ガス・エステル油の溶けた冷媒液および鉱油は気液分離用デミスタ76によってガス冷媒と液体とに分離され上部空間26aに入る。上部空間26a内のガス冷媒は通気管73を介して下部空間26bに流入し、U字管84を流れて圧縮機23に戻る。気液分離用デミスタ76で分離された液は、上部空間26aの底部に溜まり、わずかにエステル油が溶けた鉱油が上相、エステル油が溶けた冷媒液が下相となって二相分離する。ここで、フロート弁81の密度は、鉱油より重く、冷媒液よりも軽いので、上相と下相の界面付近に浮遊する。下相をなす冷媒液の量が増加すると、フロート弁81が冷媒液の高さに応じて上昇し、冷媒液戻し管75の端部を開き、上部空間26aの底部に溜まった冷媒液を下部空間26bに流す。下部空間26bの底部に溜まったエステル油の溶けた液冷媒は、冷媒流量に応じた量だけ返油孔77からU字管84内部に流入し、冷媒ガスと共に圧縮機23に流入する。
【0080】
従って、鉱油と冷媒液の界面をフロート弁81で制御し、エステル油の溶けた冷媒液を下部空間26bを介して圧縮機へ戻すことにより、上部空間26aに鉱油を貯めることが可能となり、簡易な構成で既設配管から回収した鉱油を分離・除去でき、かつ、冷凍サイクルの信頼性を高めることができる。
【0081】
図20は、本発明の実施の形態7による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路の他の例を示す。
図20の抽出分離機構と冷媒回路は、図18に示したものに、さらにフロート弁81により制御される抽出液の液面高さよりも高い位置で抽残液流出配管4を抽出容器1と接続し、抽残液流出配管4と抽残液貯溜容器29とを逆止弁80を介して接続したものである。
【0082】
図21は、本発明の実施の形態7による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路のさらに他の例を示す。
図18の例では、仕切板83によりアキュムレータ26を上下2段に分割した例を示したが、図21に示す例でも同様の効果を得ることができる。つまり、仕切板83によって左右の空間94aと94bに分割し、仕切板83には上部の隙間93を設ける。空間94aの底部と空間94bの底部はフロート式開閉弁92を介して配管93で接続される。フロート91は鉱油の密度より大きく冷媒液の密度よりも軽くすることにより、フロート91は、空間94a内で鉱油と冷媒液の界面付近に浮遊する。従って、空間94aの底部の冷媒液の量が増加すると、フロート91が上昇すると共に、フロート式開閉弁92が開き、配管93を介して冷媒液を空間94aから空間94bへ流すことによって、鉱油のみを空間94aに溜めることができる。
【0083】
なお、図19に示す抽出分離機構は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、抽出容器1内の底部に一端を開口し、他端を抽出容器1外に開口する液戻し管75と、抽出容器1の上部と容器外部とを連通する通気管と、抽料と抽剤を混合した後に抽出容器1内に導く混合配管45と、抽残液の密度と抽出液の密度の間の密度となるフロート弁81を液戻し管75の開閉装置として設け、抽出容器1内の抽出液の液面高さが所定値以上となると、フロート弁81を開放し抽出液のみを抽出容器1外へ排出するものである。
【0084】
また、図21に示す抽出分離機構は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、容器1内の空間94aと空間94bとを上部孔93で連通させるとともに、互いの下部をフロート式開閉弁92を介して接続し、フロート91によって開閉弁92を開閉し、抽出液を空間94aから空間94bへ移動させるものである。
【0085】
実施の形態8.
図22は本発明の実施の形態8による抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路を示す。図22において、実施例5と同一部分には、同一の記号を付し、説明を省略する。図22において、73は通気管であり、上部空間26aに上向きに突出して一端を開口し、他端は仕切板83を貫通し下部空間26b側に開口する。87は冷媒液吸引管、96は電磁弁であり、冷媒液吸引管87の一端は上部空間26aの底部に開口すると共に、他端は電磁弁96を介してU字管84の出口と接続される。
【0086】
ここで、図22の装置で、冷房または暖房運転を行いながら既設配管から回収した鉱油とエステル油の混合油から鉱油を分離する動作について説明する。圧縮機23内部のエステル油に既設配管中に残留した鉱油が混ざった場合には、油分離器53で分離されたエステル油と鉱油の混合油が返油配管35と絞り36を介してアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)管45に流入し、既設配管から回収された鉱油と混合する。さらに、熱源側熱交換器25で凝縮した液冷媒が絞り78で低圧まで絞られアキュムレータ26の混合配管(吸入配管)45に流入し、前記エステル油と鉱油の混合油と混ざり合い、エステル油と鉱油の混合油からエステル油が冷媒液に抽出され、アキュムレータ26に流入する。アキュムレータ26に流入した冷媒ガス・エステル油の溶けた冷媒液および鉱油は気液分離用デミスタ76によってガス冷媒と液体とに分離され上部空間26aに入る。上部空間26a内のガス冷媒は、通気管73を介して下部空間26bに流入し、U字管84を流れて圧縮機23に戻る。気液分離用デミスタ76で分離された液は、上部空間26aの底部に溜まり、わずかにエステル油が溶けた鉱油が上相、エステル油が溶けた冷媒液が下相となって二相分離する。下相をなす冷媒液の量が増加した場合には、界面センサ82が冷媒液と鉱油の界面の上昇を検知し、電磁弁96を開く。電磁弁96を開くと、上部空間26aの底部に溜まった冷媒液が、冷媒液吸引管87を流れ電磁弁96を介してU字管出口に流れ込む。また、一時的に、冷媒液の流入量が大きくなり、界面センサ88に位置まで界面が上昇した場合には、電磁弁89を開き、配管90を介して上部空間26aの底部の冷媒液を下部空間26bに流す。
【0087】
従って、鉱油とエステル油の界面を精度よく検知することにより、鉱油の分離精度を高めると共に、アキュムレータへの冷媒液流入量が一時的に増加した場合でも、冷媒液を下部空間26bに適切に貯留することができるので、鉱油を確実に貯留することができる。
【0088】
なお、ここで、界面センサとしては、静電容量センサや、赤外線等の吸光度を検知するものや、光の屈折率の差を検知するものなどが一般的である。
【0089】
なお、図22に示す抽出分離機構は次のようにも要約できる。すなわち、この抽出分離機構は、抽出容器1の上部と容器外部の空間とを連通する通気管73と、冷媒液吸引管87と、抽料と抽剤を混合した後に抽出容器1内に導く混合配管45と、抽残液と抽出液の界面の移動を検出する界面センサー82と、界面センサー82の信号によって冷媒吸引管87から抽出液を吸引する電磁弁96を設けたものである。
【0090】
【発明の効果】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項1に記載したように、圧縮機、熱源側熱交換器、アキュムレータ、前記圧縮機の吐出側に接続された油分離器を含む冷凍サイクル装置の熱源機において、抽質と原溶媒とが混合した抽料と抽剤とを二相分離する比率で混合し、抽料中の抽質を抽剤に抽出すると共に抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、抽残液のみを分離する機構を備えた抽出分離機構と、抽残液貯留容器とを備え、前記油分離器の冷媒出口側の下流と前記抽出分離機構の抽剤流入配管とを絞り手段を介して接続し、前記アキュムレータの下部と前記抽出分離機構の抽料流入配管とを接続すると共に、前記圧縮機の吸入配管と前記抽出分離機構の抽出液流出配管とを接続し、かつ、前記油分離器の冷媒出口側の下流から前記絞り手段の間の配管と、前記圧縮機の吸入配管と前記抽出液流出配管の間の配管を熱交換させる冷媒熱交換器を備え、前記抽出分離機構の抽残液流出配管と前記抽残液貯溜容器とを接続したので、抽質と抽残液とを確実に分離することができ、既設配管中から回収した鉱油にエステル油やエーテル油といったHFC系冷媒対応の冷凍機油が混合した場合でも、鉱油を分離回収することができる。
【0091】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項2,3に記載したように、抽剤により抽料から所定成分を抽出する抽出容器と、抽出液流出配管を有する液面発生容器とを、それぞれ鉛直方向の下部および上部で互いに連通させ、抽出液流出配管と抽残液流出配管とを抽出液流出配管により形成する液面よりも抽残液流出配管により形成する液面が高くなるように配置したので、抽出容器内の液面の位置を簡易に制御し、抽残液を効果的に分離することができる。
【0092】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項4に記載したように、抽剤により抽料から所定成分を抽出する抽出容器と、抽出容器内の底面と液面との圧力差を一定にする制御機構とを含み、抽出容器内に抽剤のみがある場合の液面高さより抽残液流出配管により形成する液面が高くなるように抽残液流出配管を配置したので、抽残液のみを確実に分離することができる。
【0094】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項に記載したように、抽出容器において、抽残液流出配管の接続部近傍の水平方向の断面積を接続部近傍より低い部分の水平方向の断面積よりも小さくしたので、抽残液の量が小量の場合でも、抽残液を確実に分離できる。
【0104】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項に記載したように、抽残液貯留容器には、抽残液貯留容器内の液が外部へ逆流することを防止する機構を設けたので、抽残液貯留容器内に貯留された鉱油が、冷媒回路内に再流出することを防止する。
【0105】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項に記載したように、抽残液貯留容器内部には抽残液もしくは原溶媒を吸着する吸着材を設けたので、抽残液貯留容器内に貯留された鉱油を簡易に確実に捕獲できる。
【0106】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項に記載したように、抽剤としてハイドロフルオロカーボン系の冷媒、抽料としてエステル油もしくはエーテル油のいずれかと鉱油もしくはハードアルキルベンゼン油のいずれかとの混合油としたので、エステル油の回収効率を高め、圧縮機の潤滑油が枯渇することを防止し、信頼性を高めることができる。
【0107】
本発明に係る冷凍サイクル装置の熱源機によれば、請求項に記載したように、抽出容器内の温度を、冷凍サイクルの低圧の飽和温度以下としたので、より精度よく鉱油を抽出することができる。
【0108】
本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、請求項10に記載したように、利用側熱交換器を含む利用側機と、請求項11〜20のいずれかに記載の熱源機とを接続配管により接続して冷媒回路を構成したので、抽料から抽質の分離を行える冷凍サイクル装置が得られる。
【0109】
本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、請求項11に記載したように、接続配管として、既設の冷凍サイクル装置の接続配管を利用したので、効率的に更新した冷凍サイクル装置が得られる。
【0110】
本発明に係る冷凍サイクル装置の更新方法によれば、請求項12に記載したように、既設の冷凍サイクル装置の熱源機を請求項のいずれかに記載の熱源機に置換するとともに冷媒を置換するので、既設の冷凍サイクル装置の接続配管等を利用して更新を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の抽出分離機構の概略構成図である。
【図3】 抽出容器と液面発生容器中の液面レベルを示す模式図である。
【図4】 抽出容器内の鉱油の比率の変化に対する抽出容器と液面発生容器の液面レベルの差の変化を示す図である。
【図5】 三角座標を用いた液相3成分系の相状態を示す図である。
【図6】 液相3成分系の平衡曲線を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の抽出分離機構の他の概略構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の抽出分離機構の他の例における三角座標を用いた液相3成分系の相状態を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態1の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルのその他の例を示す冷媒回路図である。
【図10】 本発明の実施の形態2の抽出分離機構の概略構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態3の抽出分離機構の概略構成図である。
【図12】 本発明の実施の形態4の抽出分離機構の概略構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態5の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図を示す図である。
【図14】 本発明の実施の形態5の抽出分離機構の概略構成図である。
【図15】 本発明の実施の形態5の抽出分離機構の他の概略構成図である。
【図16】 本発明の実施の形態5の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図の他の例を示す図である。
【図17】 本発明の実施の形態6の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルのその他の例を示す冷媒回路図である。
【図18】 本発明の実施の形態6の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態7の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルのその他の例を示す冷媒回路図である。
【図20】 本発明の実施の形態7の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態7の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図を示す図である。
【図22】 本発明の実施の形態8の抽出分離機構を搭載した冷凍サイクルの冷媒回路図を示す図である。
【図23】 従来例の抽出分離機構の概略構成図である。
【図24】 他の従来例の抽出分離機構の概略構成図である。
【符号の説明】
1 抽出容器、 2 抽料流入配管、 3 抽剤流入配管、 4 抽残液流出配管、 5 抽出液流出配管、 6 液面発生容器、 7 流出配管、 8 上部連絡管、 9 下部連絡管、 10 シェル、 11,12,13 仕切板、 14,15,16,17 孔、 20 外円筒形容器、 21 内円筒形容器、22 流入配管、 23 圧縮機、 24 四方弁、 25 熱源側熱交換器、 26 アキュムレータ、 26a 上部空間、 26b 下部空間、 27液ライン配管、 28 冷媒熱交換器、 29 抽残液貯留容器、 30 配管、 30a 吸入配管、 31,32 弁、 33 配管、 34 弁、 返油回路、 36 絞り装置、 37 ガス管、 38 液管、 39 負荷側熱交換器、 40 絞り装置、 41,42,43,44 空間、 45 混合配管(吸入配管)、 51 室外機、 52 室内機、 53 油分離器、 54返油穴、 55 異物捕獲手段、 56,57 操作弁、 58 絞り装置、61 機械部、 62 副軸受、 63 給油装置、 64 給油管、 65フロート、 66 抽出口、 67 抽出配管、 68 HFCを主成分とする液状冷媒、 69 バネ、 70 密閉ケーシング、 71 非相溶性潤滑油、 72 冷媒回路、 73 通気管、 74 連通管、 75 冷媒液戻し管、 76 気液分離用デミスタ、 77 返油孔、 78 絞り、 79 絞り、 80 逆止弁、 81 フロート弁、 82 界面センサ、 83 仕切板、 84 U字管、 85 背圧管、 86 配管、 87 冷媒液吸引管、 88 界面センサ、 89 電磁弁、 90 配管、 91 フロート、 92フロート式開閉弁、 93 配管、 94 空間、 96 電磁弁。

Claims (12)

  1. 圧縮機、熱源側熱交換器、アキュムレータ、前記圧縮機の吐出側に接続された油分離器を含む冷凍サイクル装置の熱源機において、
    抽質と原溶媒とが混合した抽料と抽剤とを二相分離する比率で混合し、抽料中の抽質を抽剤に抽出すると共に抽残液の密度が抽出液の密度よりも小さい抽出分離機構において、抽残液のみを分離する機構を備えた抽出分離機構と、抽残液貯留容器とを備え、
    前記油分離器の冷媒出口側の下流と前記抽出分離機構の抽剤流入配管とを絞り手段を介して接続し、前記アキュムレータの下部と前記抽出分離機構の抽料流入配管とを接続すると共に、前記圧縮機の吸入配管と前記抽出分離機構の抽出液流出配管とを接続し、かつ、前記油分離器の冷媒出口側の下流から前記絞り手段の間の配管と、前記圧縮機の吸入配管と前記抽出液流出配管の間の配管を熱交換させる冷媒熱交換器を備え、前記抽出分離機構の抽残液流出配管と前記抽残液貯溜容器とを接続したことを特徴とする冷凍サイクル装置の熱源機。
  2. 前記抽出分離機構は、鉛直方向に長さを有し、
    前記抽残液流出配管は、前記抽剤流入配管および前記抽料流入配管より高い位置に配置され、
    抽剤により抽料から所定成分を抽出する抽出容器と、鉛直方向に長さを有し前記抽出液流出配管を有する液面発生容器とを、それぞれ鉛直方向の下部および上部で互いに連通させ、
    前記抽出液流出配管と前記抽残液流出配管とを前記抽剤流出配管により形成する液面よりも前記抽残液流出配管により形成する液面が高くなるように配置したことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置の熱源機
  3. 前記抽料流入配管を前記抽剤流入配管よりも低い位置に配置したことを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル装置の熱源機
  4. 前記抽出分離機構は、鉛直方向に長さを有し抽剤により抽料から所定成分を抽出する抽出容器と、前記抽出容器内の底面と液面との圧力差を一定にする制御機構とを含み、
    前記抽残液流出配管は、前記抽剤流入配管および前記抽料流入配管より高い位置に配置され、
    前記抽出液流出配管は、前記抽料流入配管より低い位置に配置され、
    前記抽出容器内に抽剤のみがある場合の液面高さより前記抽残液流出配管により形成する液面が高くなるように前記抽残液流出配管を配置したことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置の熱源機
  5. 前記抽出容器において、前記抽残液流出配管の接続部近傍の水平方向の断面積を前記接続部近傍より低い部分の水平方向の断面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項2〜のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の熱源機
  6. 前記抽残液貯溜容器には、抽残液貯溜容器内の液が外部へ逆流することを防止する機構を設けたことを特徴とする請求項のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の熱源機。
  7. 前記抽残液貯溜容器内部には抽残液もしくは原溶媒を吸着する吸着材を設けたことを特徴とする請求項のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の熱源機。
  8. 前記抽剤としてハイドロフルオロカーボン系の冷媒、前記抽料としてエステル油もしくはエーテル油のいずれかと鉱油もしくはハードアルキルベンゼン油のいずれかとの混合油としたことを特徴とする請求項のいずかに記載の冷凍サイクル装置の熱源機。
  9. 前記抽出容器内の温度は、冷凍サイクルの低圧の飽和温度とすることを特徴とする請求項のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の熱源機。
  10. 利用側熱交換器を含む利用側機と、請求項のいずれかに記載の熱源機とを接続配管により接続して冷媒回路を構成したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  11. 前記接続配管として、既設の冷凍サイクル装置の接続配管を利用したことを特徴とする請求項10に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 既設の冷凍サイクル装置の熱源機を請求項のいずれかに記載の熱源機に置換するとともに冷媒を置換することを特徴とする冷凍サイクル装置の更新方法。
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