JP4566961B2 - 鋼線伸線装置 - Google Patents
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Description
多段スリップ型湿式伸線装置に用いられる鋼線引抜用のダイスとしては、タングステンカーバイト(WC)などの硬質の炭化物または窒化物の粉末を焼結してなる超硬合金を用いて形成した超硬合金ダイスが用いられていたが、タイヤ補強用スチールコードの素線等に用いられる高強度鋼線の製造においては、従来の伸線以上の発熱を伴うために、製造されるブラスめっき鋼線の延性を確保するのが困難であるだけでなく、ダイスの引抜穴の穴壁面が荒れてブラスめっき鋼線の引抜抵抗が大きくなり、ブラスめっき鋼線の表面のブラスめっき層の引張残留応力を十分に緩和することが困難であった。
そこで、多段スリップ型湿式伸線装置の最終ダイス、又は、最終ダイスと最終ダイスより上流側の数個のダイスとして、上記超硬合金ダイスに代えて、超硬合金よりも硬い焼結ダイヤモンドを用いて形成した焼結ダイヤモンドダイスを用いることが知られている。焼結ダイヤモンドダイスは、優れた自己潤滑性(低摩擦抵抗)と優れた耐磨耗性とを備え、鋼線伸線時の発熱を抑制できるので、ブラスめっき鋼線の表面のブラスめっき層の引張残留応力を十分に緩和することができ、ゴムとの接着性に優れたブラスめっき鋼線を得ることができる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、延性の優れたブラスめっき鋼線を製造可能な鋼線伸線装置を提供することを目的とする。
最終ダイス、あるいは、最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスの引抜穴の直径が、ダイスに入る直前の鋼線の断面の直径±0.002mmの寸法に形成されたことも特徴とする。
最終ダイス、あるいは、最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスが、粒径1μm以下の単結晶ダイヤモンドのダイヤモンド粒子を焼結して形成されたことも特徴とする。
ダイスの引抜穴の直径が、ダイスに入る直前の鋼線の断面の直径±0.002mmの寸法に形成されたので、鋼線のブラスめっき表層部の加工が安定して行われることによって、ゴムとの接着性に優れ、かつ、延性の優れたブラスめっき鋼線を製造できる。
最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスとして、粒径1μm以下の単結晶ダイヤモンドのダイヤモンド粒子を焼結して形成されたダイスを用いたことで、製造されるブラスめっき鋼線の延性が向上する。
実施例2では、最終パス12Zを第1ダイス(最終ダイス1Z)のみで構成し、第1ダイスの減面率が0%、第1ダイスのベアリング長(=総ベアリング長)が第1ダイスの引抜穴2の直径の50%である。
実施例3では、最終パス12Zを第1ダイス(最終ダイス1Z)のみで構成し、第1ダイスの減面率が0%、第1ダイスのベアリング長(=総ベアリング長)が第1ダイスの引抜穴2の直径の70%である。
実施例1乃至実施例3では、使用した焼結ダイヤモンドダイス1は、最終パス12Zにおける最終ダイス1Zとしての第1ダイスだけであるので、ダイスコストは同じであるが、第1ダイスの引抜穴のベアリング長を30%から70%の範囲内で長くするほど、初期接着性、耐久接着性、延性値が良くなることがわかった。
実施例4では、従来例2と比べてダイスコストを低くできて、得られたブラスめっき鋼線11の性能評価(初期接着性、耐久接着性、延性値)は従来例2と同じように優れていた。
実施例5では、従来例2と比べて得られたブラスめっき鋼線11の延性値が優れていた。
実施例4;5によれば、最終パス12Zに複数の焼結ダイヤモンドダイス1による複数のダイスを設ける場合には、ダイスの減面率を0%とし、複数のダイスの総ベアリング長を60%から150%の範囲内に設定することで、従来例2よりも延性の優れたブラスめっき鋼線11を得られることがわかった。
繰返し捻り試験値(=延性値)RTは、上記繰返し捻り試験においてブラスめっき鋼線11にクラックが発生するまでに加えた捻り及び捻り戻しの総量を、長さ100d当たりの捻り回数で表した値で、以下のようにして求める。N0回の捻り及び捻り戻しサイクルをn回繰返した次のサイクルで、Nf1回(Nf1≦N0)捻った時点でクラックが発生したとすると、繰返し捻り試験値RT(回/100d)は、以下の式で表わせる。
RT=(2nN0+Nf1)/(L/100d)
また、N0回の捻り及び捻り戻しサイクルをn回繰返した次のサイクルはN0回の捻りで、ここからNf2回(Nf2≦N0)捻り戻した時点でクラックが発生したとすると、繰返し捻り試験値RT(回/100d)は、以下の式で表わせる。
RT={(2n+1)N0+Nf1}/(L/100d)
上記繰返し捻り試験の好適条件は以下の通りである。
(1)ブラスめっき鋼線の長さ‥‥約50m
(2)ブラスめっき鋼線の軸方向張力 ‥‥約1.0kg
(3)ブラスめっき鋼線の捻り速度 ‥‥約30回/分
(4)クラック発生の検出‥‥クラック発生に伴うアコースティックエ
ミッション(AE)波を検出
AE波は、固体が変形または破壊する際の歪エネルギーの開放によって発生する弾性波で、これをAEセンサを用いて電気信号として検出することにより、試験片が破断する以前の微小なクラック発生をも正確に検出することができるので、繰返し捻り試験によるブラスめっき鋼線のクラック発生を精度良く評価することができる。図3では、各実施例及び従来例での結果を、従来例1の場合を基準100とした評価指数値で表示した。値が大きいほど延性値(捻回特性値)が優れていることを示す。
Claims (3)
- ブラスめっきを施した鋼線を複数のダイスを用いて伸線加工する鋼線伸線装置において、最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスが、焼結ダイヤモンドにより形成され、かつ、引抜穴を通過する鋼線に対する減面率が1%未満となるような直径の引抜穴を備え、最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスに形成された引抜穴の直径が同じであり、これらダイスのベアリング長の合計値が、これらダイスの引抜穴の直径の40%以上200%以下に設定されたことを特徴とする鋼線伸線装置。
- 最終ダイス、あるいは、最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスの引抜穴の直径が、ダイスに入る直前の鋼線の断面の直径±0.002mmの寸法に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の鋼線伸線装置。
- 最終ダイス、あるいは、最終ダイス及び最終ダイスの前段に設置される1つ又は複数のダイスが、粒径1μm以下の単結晶ダイヤモンドのダイヤモンド粒子を焼結して形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋼線伸線装置。
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