JP4565876B2 - コンクリート構造物の補強方法 - Google Patents
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Description
この補強方法としては、例えば下記手順にて補強方法する補強方法A〜Cが知られている(特許文献1〜3参照)。
1.コンクリート表面のサンディング処理(レイタンス除去)
2.プライマー塗布
3.パテ材塗布
3.含浸接着剤下塗り
4.補強用繊維シート成形物貼りつけ
5.含浸接着剤塗布
6.保護塗装
<補強方法B>
1.コンクリート表面のサンディング処理
2.接着剤塗布
3.補強用繊維シート成形物貼りつけ
4.保護塗装
<補強方法C>
1.コンクリート表面のサンディング処理
2.補強用繊維シート成形物を仮固定し、シート側面をシール
3.接着剤をコンクリートと補強用繊維シート成形物との間に注入
4.保護塗装
従って、本発明では、表面層に補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を貼り付けるのではなく、コンクリート構造材の内部に食い込んでいる粗骨材が露出した箇所に、その部分を覆うように補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を接着する。
即ち、コンクリート構造物の引張応力(曲げ応力)が加わる側の表面を(例えばコンクリート構造物の長手方向に沿って)長方形状で溝状に切削して、粗骨材が露出させ、その該粗骨材が露出した箇所の底面全体を覆うように、引張応力の引張方向に沿って補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を接着する。
従って、極めて補強強度が高いという利点がある。
尚、前記粗骨材としては、砂利や砕石などの骨材のうち、5mmふるいに85%以上とどまる材料が挙げられる。
前記補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物としては、1枚のシート又は複数枚のシートを積層した積層シートを用いることができる。また、1枚のシートの厚みとしては、0.1〜1mmが挙げられる。積層枚数としては、2〜10枚程度が挙げられる。前記積層シートは、コンクリート構造体に順次シートを貼り付けることにより形成でき、積層シートの方が補強強度が高い。
尚、補強用アラミド繊維シート成形物とは、補強用アラミド繊維シートの材料である繊維を、エポキシ、ウレタン、アクリル系の樹脂等をバインダーとして固定して成形物としたものである。(以下同様)
これにより、補強強度を高めることができる。例えば直交して配置する方法を採用できる。なお、溝を交差させて形成し、その両方の溝に補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を貼り付けることが望ましいが、交差させる一方にのみ溝を形成してもよい。
これにより、補強強度を高めることができる。
特に、水平方向に配置される床版や梁の様な場合には、床版においては短辺方向、また梁においては軸方向に対して垂直に大きな力(曲げ応力)が発生するが、本発明の場合には十分な補強強度を有する。
図1に示す様に、本実施例では、コンクリート構造物である床版1の表面、即ち床版1の下面(同図では下面を上方にしてある)3の一部を切削して、長方形状(帯状)の溝5が設けられ、その溝5に、補強用のアラミド繊維シート成形物7が接着されている。
前記溝5は、例えば約縦410mm×横50mm×平均の深さ7mmの帯状であり、下面3の中央に形成されている。また、溝5の底面9は、粗骨材が露出するまで削られている。尚、溝5の深さとしては、例えば鉄筋位置までの範囲で、適宜設定することができる。
1)まず、床版1の下面1に対して、溝削り処理を行う。
具体的には、ダイモンドカッター・ショットブラスト・サンドブラスト・ジェットタガネ・ウォータージェットなどを用いて、床版1の下面1を、その表面から鉄筋位置までの範囲で削り、前記図1に示す溝5を形成する。これにより、コンクリートの(セメントペーストや細骨材等からなる)表面層が除去され、粗骨材が露出した底面9が得られる。
c)次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例について説明する。
ここでは、下記表1に示す様に、試料No.1〜10の試料を用いた実験例について説明する。尚、表1では、試料No.6〜10(実施例1〜4)が本発明の例であり、試料No.1〜6(ブランク、比較例1〜5)が本発明の範囲外の例である。
尚、図3及び図4の左図は長手方向に沿って破断した縦断面図、右図は長手方向の中央にて長手方向と垂直に破断した横断面図である。
この様に、本実施例では、床版等のコンクリート構造体の下面等に、粗骨材が露出するまで溝を形成し、その溝を埋める様にアラミド繊維シート成形物を接着するので、その曲げ強度及び歪みの特性が優れているという顕著な効果を奏する。
本実施例は、前記実施例1とは、その補強の手順等が異なるが、コンクリート構造物の構造等は、前記実施例1とほぼ同様であるので、図面は省略する。
具体的には、ダイモンドカッター・サンドブラスト・ショットブラスト・ジェットタガネ・ウォータージェットなどを用いて、床版の下面を、その表面から鉄筋位置までの範囲で削り、前記実施例1と同様な溝を形成する。
3)次に、含浸接着剤が乾く前に、アラミド繊維シート成形物を貼り付ける。これにより、含浸接着剤が内側からアラミド繊維シート成形物内に侵入し、アラミド繊維シート成形物が強固に接着される。
従って、上述した方法により、床版の補強を行うことができる。
本実施例によっても、前記実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例は、前記実施例1とは、その補強の手順等が異なるが、コンクリート構造物の構造等は、前記実施例1とほぼ同様であるので、図面は省略する。
具体的には、ダイモンドカッター・ショットブラスト・ショットブラスト・ジェットタガネ・ウォータジェットなどを用いて、床版の下面を、その表面から5〜30mmの範囲まで削り、前記実施例1と同様な溝を形成する。
3)次に、アラミド繊維シート成形物の側面を例えば、エポキシ樹脂パテ材、ジョリシールJB−2(アイカ工業株式会社製)等のシール材によりシールする。
5)次に、アラミド繊維シート成形物の上に、保護塗装を行う。
本実施例によっても、前記実施例と同様な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
3…下面
5…溝
7…アラミド繊維シート成形物
9…底面
Claims (8)
- コンクリート構造物の引張応力が加わる側の表面を長方形状で溝状に切削して、粗骨材を露出させ、該粗骨材が露出した箇所の底面全体を覆うように、前記引張応力の引張方向に沿って補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を接着することを特徴とするコンクリート構造物の補強方法。
- 前記表面を切削した部分の深さが、鉄筋位置までの範囲であることを特徴とする前記請求項1に記載のコンクリート構造物の補強方法。
- 複数の前記補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を、交差して配置して接着することを特徴とする前記請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の補強方法。
- 複数の前記補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を、並列に配置して接着することを特徴とする前記請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の補強方法。
- コンクリート構造物が、水平方向、鉛直方向、垂直方向、又は斜め方向に配置される構造物であることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法。
- 下記手順にて、前記補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を接着することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法。
1.コンクリート表面を切削
2.切削した箇所にプライマー塗布
3.パテ材塗布
3.含浸接着剤下塗り
4.補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物貼りつけ
5.含浸接着剤塗布
6.保護塗装 - 下記手順にて、前記補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を接着することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法。
1.コンクリート表面を切削
2.切削した箇所に接着剤塗布
3.補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物貼りつけ
4.保護塗装 - 下記手順にて、補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を接着することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載のコンクリート構造物の補強方法。
1.コンクリート表面を切削
2.切削した箇所に補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物を仮固定し、シート側面をシール
3.接着剤をコンクリートと補強用アラミド繊維シート又は補強用アラミド繊維シート成形物との間に注入
4.保護塗装
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