JP3079124B2 - 橋脚補強方法 - Google Patents

橋脚補強方法

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JP3079124B2 JP12152797A JP12152797A JP3079124B2 JP 3079124 B2 JP3079124 B2 JP 3079124B2 JP 12152797 A JP12152797 A JP 12152797A JP 12152797 A JP12152797 A JP 12152797A JP 3079124 B2 JP3079124 B2 JP 3079124B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設橋梁の橋脚の
補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】既設の橋梁の補強では、橋全体系のじん
性を向上させて粘り強い構造とすることが必要である。
このため、鉄筋コンクリート橋脚で支持された橋では、
剪断耐力とじん性の向上が求められる。橋脚躯体の地震
時保有水平力を向上させすぎると大きな地震を受けた場
合に、橋脚躯体から基礎構造物へ伝達される地震力も大
きくなり、基礎を含めた大規模な補強が必要となる場合
がある。したがって基本的にはできるだけ橋脚のじん性
を向上させ曲げ耐力が過度に上がらないような工法が望
まれる。
【0003】このような工法として、これまでに既設の
橋脚躯体に鋼板又はカーボン繊維布(以下CFRPとい
う)を巻き立て、エポキシ樹脂等の接着剤により全体を
一体化する巻き立て工法が採用されている。
【0004】これらの工法において、巻き立てられた鋼
板あるいはCFRPは、既設帯鉄筋と同様に作用するこ
とにより帯鉄筋増加の効果を期待することのできるもの
である。すなわち、これらの工法は、帯鉄筋を増加させ
ることにより、剪断力を向上させ、そして、帯鉄筋によ
って、コンクリートを拘束し、コンクリートの応力にひ
ずみ関係を向上(大きなひずみまで破壊しない)させて
構造物のじん性を向上させるという工法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの工
法のうち、CFRPによる橋脚の補強方法におけるいく
つかの課題を解決しようとするものである。
【0006】一つは、積層されたCFRPは、接着剤8
により躯体5に付着して一体となっているため、図13
に示すように、躯体に発生したひび割れ9の開きに対し
ては、ひび割れ幅Wc相当箇所の△Lの部分のみで対応
するため、応力が該部分に集中し、最終強度を発揮する
ことなく破断してしまう。このとき、Wc以外の一般部
では、破断するほどの応力は作用していない。
【0007】もう一つは、CFRPの剛性が小さいた
め、コンクリートを十分に拘束できない。特に長方形断
面において、その傾向が強く、この場合長方向に中間帯
鉄筋が設けられることもある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するため、まず、一つ目の課題に対しては、C
FRPを他の部材との付着を切ることにより解決し、も
う一つの課題に対しては、拘束を帯鉄筋によるのではな
く、周囲からのプレストレスによって解決しようとする
ものである。
【0009】そして詳しくは、既設橋脚の躯体周囲に適
宜の間隔で、棒状のスペーサーを設置するとともに、そ
の周囲に、使用する接着剤に付着しない材質のシート状
物を位置させ、このシート状物にCFRPを接着剤を用
いて積層、硬化させた後、シート状物と躯体間に形成さ
れた隙間に高性能膨脹セメントグラウトを充填する橋脚
補強方法を提供するものである。
【0010】
【実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基き説明す
る。
【0011】図1乃至図4は、施工手順を示す概略斜視
図である。
【0012】まず、補修を必要とする既設橋脚におい
て、図1に示すようにその躯体5の周囲に適宜の間隔で
スペーサー1を設置する。スペーサー1は鉄筋、PC鋼
棒、棒状に形成された連続繊維補修材等の棒材を使用す
る。
【0013】ついで、図2に示すように、スペーサー1
の外側から、シート状物2を躯体1の周囲を覆うように
して位置させる。シート状物2は、後述するCFRPを
積層する際に使用する接着剤たとえばエポキシ樹脂とは
付着しない材料たとえばポリエチレンシート等を用い
る。
【0014】シート状物2を位置させた後は、図3に示
すように、その周囲にエポキシ樹脂等の接着剤を含浸さ
せたCFRP3を必要量積層する。
【0015】CFRPの硬化後、図4に示すように、シ
ート状物2と躯体5とにより形成された隙間6に高性能
膨脹セメントグラウト4を充填する。
【0016】図5は、図1乃至図4に示した手順により
補強を行った橋脚躯体の横断端面図である。このように
して本発明に係る橋脚補強方法は実施される。
【0017】図6は、本発明に係る橋脚補強方法が実施
された別の形態を示す横断端面図である。この図におい
て、躯体5は横断端面が長方形状をしている。躯体5の
周囲に適宜の間隔で、棒状のスペーサーを設置するとと
もに、その周囲に、使用する接着剤に付着しない材質の
シート状物2を位置させ、このシート状物2にCFRP
3を接着剤を用いて積層、硬化させた後、シート状物2
と躯体5間に形成された隙間に高性能膨脹セメントグラ
ウト4を充填してある。
【0018】つぎに、本発明の作用を説明する。
【0019】シート状物は、使用する接着剤に付着しな
いので、CFRP3と躯体5とは、図14に示すように
付着が切れた構造となる。そのため、発生したひび割れ
の開きにより躯体の全体の長さがひび割れ幅Wcだけ伸
びても引張り応力は、CFRPのひび割れ幅Wc相当箇
所に集中することなく、引張り方向△Lに均等に発生す
る。
【0020】シート状物と躯体5との隙間に高性能膨脹
セメントグラウトを充填するので、プレストレスはその
膨脹力を利用することにより与えられる。プレストレス
の量は、帯鉄筋が負担すべき耐力(帯鉄筋が耐力を発揮
した時のコンクリートの外に膨らもうとする圧力)に対
して導入する。
【0021】棒状のスペーサーを用いたので、隙間に充
填された高性能セメントグラウトは、棒状のスペーサー
に沿って平均的に膨脹する。
【0022】ここで、棒状スペーサーを用いないときと
用いたときの差を以下に説明する。
【0023】図7は、棒状のスペーサーを用いずに、躯
体5の周囲に隙間6を設けてシート状物2を位置させる
とともにその外側にCFRP3をエポキシ樹脂等の接着
剤を用いて積層した場合を示す。この図において、図8
に示すように隙間6に高性能膨張セメントグラウト4を
充填すると高性能膨張セメントグラウト4は、シート状
物2、CFRP3方向へ膨張すると同時に躯体5の軸方
向へも膨張する。そのため、躯体5への圧力の大きさ
は、図9に示すように端部で低下する。
【0024】図10は、棒状のスペーサー1を用いてシ
ート状物2を位置させるとともにその外側にCFRP3
をエポキシ樹脂等の接着剤を用いて積層した場合を示
す。この図において、図11に示すように隙間に高性能
膨張セメントグラウト4を充填すると高性能膨張セメン
トグラウト4はシート状物2、CFRP3方向へ膨張す
ると同時に躯体5の軸方向へも膨張する。このとき、ス
ペーサー1があると高性能膨張セメントグラウト4は、
これに沿って平均的に膨張する。そのため躯体5への圧
力の大きさは、図12に示すように端部でも低下しな
い。
【0025】
【発明の効果】本発明は、上述のようにしてなるので、
つぎの効果を有する。
【0026】シート状物は、使用する接着剤に付着して
いないので、躯体との付着が切れた構造となっている。
そのためCFRPには躯体のひび割れ部の相当箇所等で
の応力の集中はなく、均等な応力が発生する。したがっ
て、CFRPの最終強度近くまでの能力を利用できる。
【0027】シート状物と躯体との隙間に高性能膨脹セ
メントグラウトを充填したので、躯体に高性能膨脹セメ
ントグラウトの膨脹による周方向からのプレストレスが
作用するため、より大きな拘束力が作用する。特に長方
形断面橋脚の長方向等において、中間帯鉄筋(貫通PC
鋼棒等)を設けることなく、じん性補強を行うことがで
きる。
【0028】プレストレスを導入することにより、コン
クリートの剪断力が向上するうえ、プレストレス導入に
よる形状拘束(ひび割れが入っても周圧により形状を保
持する)により既設橋脚の剪断力の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る橋脚補強方法の施工の手順中、橋
脚躯体の周囲にスペーサーを設置した状態を示す概略斜
視図である。
【図2】本発明に係る橋脚補強方法の施工の手順中、ス
ペーサーの周囲にシート状物を位置させた状態を示す概
略斜視図である。
【図3】本発明に係る橋脚補強方法の施工の手順中、シ
ート状物にCFRPを積層した状態を示す概略斜視図で
ある。
【図4】本発明に係る橋脚補強方法の施工の手順中、シ
ート状物と躯体との隙間に高性能膨脹セメントグラウト
を充填した状態を示す概略斜視図である。
【図5】本発明に係る橋脚補強方法が実施された橋脚躯
体の横断端面図である。
【図6】本発明に係る橋脚補強方法が実施された橋脚躯
体の別の実施の形態を示す横断端面図である。
【図7】スペーサーが設置されていないシート状物と躯
体との隙間を示す説明図である。
【図8】図7において、シート状物と躯体との隙間に高
性能膨張セメントグラウトを充填したときの高性能膨張
セメントグラウトの膨張方向を示す説明図である。
【図9】図8において、高性能膨張セメントグラウトの
軸方向における橋脚躯体への圧力の大きさを示す説明図
である。
【図10】スペーサーがシート状物と躯体との間に設置
されている状態を示す説明図である。
【図11】図10において、シート状物と躯体との隙間
に高性能膨張セメントグラウトを充填したときの高性能
膨張セメントグラウトの膨張方向を示す説明図である。
【図12】図11において、高性能膨張セメントグラウ
トの軸方向における躯体への圧力の大きさを示す説明図
である。
【図13】従来のCFRPを積層して巻き立てた補修方
法の課題の一つを示す説明図である。
【図14】本発明の作用の一つを示す説明図である。
【符号の説明】
1 スペーサー 2 シート状物 3 CFRP 4 高性能膨脹セメントグラウト 5 躯体 6 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 21/00 E01D 19/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設橋脚の躯体周囲に適宜の間隔で、棒
    状のスペーサーを設置するとともに、その周囲に、使用
    する接着剤に付着しない材質のシート状物を位置させ、
    このシート状物にカーボン繊維布を接着剤を用いて積
    層、硬化させた後、シート状物と躯体間に形成された隙
    間に高性能膨脹セメントグラウトを充填することを特徴
    とする橋脚補強方法。
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