JP4565830B2 - 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法 - Google Patents

燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4565830B2
JP4565830B2 JP2003395969A JP2003395969A JP4565830B2 JP 4565830 B2 JP4565830 B2 JP 4565830B2 JP 2003395969 A JP2003395969 A JP 2003395969A JP 2003395969 A JP2003395969 A JP 2003395969A JP 4565830 B2 JP4565830 B2 JP 4565830B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact portion
land
gas diffusion
fuel cell
diffusion layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003395969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005158515A (ja
Inventor
隆士 山本
喜隆 木野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP2003395969A priority Critical patent/JP4565830B2/ja
Publication of JP2005158515A publication Critical patent/JP2005158515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4565830B2 publication Critical patent/JP4565830B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、燃料電池用のガス拡散層に関し、詳しくは耐久性の高い燃料電池を与える燃料電池用ガス拡散層に関する。
固体高分子電解質型燃料電池の最小発電単位である単位セルは、一般にMEA(膜−電極接合体)の両面をガス拡散層及びセパレータで狭持したものである。ガス拡散層は燃料ガス(水素など)又は酸化剤ガス(酸素など)や、反応により生成した水等を拡散・透過させ且つ反応電極で発生した電子を透過できる層である。セパレータは燃料ガス流路又は酸化剤ガス流路を備えたものである。本明細書におけるMEAは電子を通さず、イオンを透過する電解質膜と、その電解質膜の両面に設けられた主に貴金属からなる反応触媒を含む反応電極とからなる狭義の意味で用いる。実用上はこの単位セルを多数積層したスタックとして用いる。
従来のガス拡散層は、機械的性質を向上するための基材と、フッ素樹脂などからなる撥水性を付与するための材料やカーボン粉末などからなる導電性を付与するための材料との混合物からなりその基材上に形成された膜とから構成されたものが知られている。基材としてはペーパ型繊維基材やクロス型繊維基材が汎用される。ペーパ型繊維基材は炭素繊維を抄紙した基材であり、クロス型繊維基材は炭素繊維を織物とした基材である。
しかしながら、ガス拡散層の基材としてクロス型繊維基材を採用すると、ガス拡散層と接触する電解質膜(又はMEA)の表面を損傷させるおそれがあった。電解質膜の損傷は燃料電池内部での微短絡を生じ、発電効率を低下させるとともに、耐久性を低下させる。つまり、クロス型繊維基材は炭素繊維を織っているので表面に凹凸があり、セパレータから加わる面圧が凸部に集中する結果、繊維が電解質膜に突き刺さり損傷を与えるおそれがあるが、繊維の密度が低いので燃料ガスなどの透過性や排水性は高い。一方、ペーパ型繊維基材はクロス型繊維基材の表面よりも凹凸が小さいので電解質膜への損傷は少ないが、繊維の密度が高いので燃料ガスなどの透過性及び水の排水性に劣る。
電解質膜の損傷は燃料電池の耐久性に影響を与え、拡散層における燃料ガスなどの透過性や排水性は燃料電池の性能に影響を与える。従って、両者を両立するガス拡散層の提供が求められている。従来技術としてはガス拡散層の表面の80%以上に被覆層を設け、繊維の突き刺さりを防止する技術が開示されている(特許文献1)。また、微細連通孔を有する炭素膜構造体を使用し開放孔以外の表面が平滑である電極基材(ガス拡散層)を開示している(特許文献2)。
特開2002−184412号公報 特開2002−170574号公報
しかしながら、特許文献1に記載のガス拡散層は表面のほとんどを被覆していることからガス透過性及び排水性が低くなる。また、特許文献2に記載のガス拡散層はガス透過性及び排水性についての問題はないものの、依然として電解質膜への攻撃性が高い問題点がある。つまり、面圧が加わる部分において開放孔以外の部分が平滑にされており、ある程度攻撃性が緩和されているものの、高い気孔率をもつ開放孔の存在によって凹凸が形成されており、その凹凸により電解質膜を損傷するおそれが高い。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、高い性能をもつと共に耐久性の高い燃料電池を提供できるガス拡散層を提供すること及びそのようなガス拡散層を製造する方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の燃料電池用ガス拡散層は、電解質膜又はMEAに一面側で接触し、燃料又は酸化剤の流路と該流路を区画するランド部とから構成された面をもつセパレータに他面側で接触し、微細な連通孔を有し、
該他面側は該ランド部に接触するランド接触部と該流路に接触する流路接触部とをもつ燃料電池用ガス拡散層であって、
ランド接触部の裏面に位置する該一面側の表面部分であるランド接触部裏面部は、前記流路接触部の裏面に位置する該一面側の表面部分である流路接触部裏面部よりも平滑度が高いことを特徴とする(請求項1)。
燃料電池用ガス拡散層における面圧が加わる部分はセパレータのランド部分に接触するランド接触部である。このランド接触部の裏面に位置するランド接触部裏面部により電解質膜などへの攻撃性が主に決定されると考えられる。従って、ランド接触部裏面部を攻撃性の低い構造にしている。そして、その他の部分についてはガス透過性及び排水性を考慮した構造にすることで高い性能を発揮できる。
そして、「平滑度が高い」との定義について以下に例を挙げる。すなわち、前記ランド接触部裏面部の前記平滑度が高いとは、以下の手順により求められたdの値が所定値以下とすることが採用できる(請求項2、3)。
前記dは、
該ランド接触部裏面部の凹凸の深さを任意の直線に沿って1mm以上の長さにおいて測定したプロファイルデータを得る工程と、
該プロファイルデータに対して、10μm以下の開口部をもつ微細構造を除去した後、表面の凹凸の深さを任意の直線に沿って10μm間隔で100個の点について測定した測定データ群を得る工程と、
該測定データ群において隣接する該点の間で深さの差を求め、その差の絶対値の最大値をdとする工程と、により求められる(請求項2)。
又は、前記dは、
該ランド接触部裏面部に対して接触している前記電解質膜又はMEAの表面の凹凸の深さを任意の直線に沿って10μm間隔で100個の点について測定した測定データ群を得る工程と、
該測定データ群において隣接する該点の間で深さの差を求め、その差の絶対値の最大値をdとする工程と、により求められる(請求項3)
なお、本明細書中の「10μm以下の開口部をもつ微細構造を除去」における「開口部」とは、一見して凹んで見える部分である凹部のうち、プロファイルデータの接線の傾きがランド接触部裏面部の拡がり方向に対して45°以上になった部分から45°未満に戻る部分までである。「10μm以下の開口部をもつ微細構造を除去」するとは、前述の開口部の幅が10μm以下の部分についてその両端を線で結び凹部である開口部を平坦にする操作である。なお、「10μm以下の開口部」を除くのは開口部の幅が10μm以下であれば電解質膜などへの攻撃性が低くなるからである。
また、プロファイルデータを得る工程は、燃料電池用ガス拡散層を切断した切断面から直接測定したり、表面形状を測定した測定データなどの三次元的の形状データから任意の直線に沿ったある線分部分のデータを抜き出すことなどで行うことができる。
ここで、測定データ群を得るためには10μm間隔のほかに5μm間隔を採用することもできる。また、境界から境界線を求める際に凹部を除く基準である開口部の大きさとしては10μm以下に代えて5μm以下を採用することもできる。更に、平滑度を表すdの大きさとしては20μm以下や5μm以下を採用することも可能である。また、dの大きさとしては組み合わされる電解質膜の厚み以下とすることもできる。例えば、本発明のガス拡散層に対して厚みが11μmの電解質膜が組み合わされる場合の好ましいdの値としては11μm以下である。
そして、該流路接触部の部分における組成は、該ランド接触部の部分における組成とは異なることを特徴とすることもできる(請求項)。流路接触部に求められる性能(ガス透過性及び排水性)と、ランド接触部に求められる性能(電解質膜への攻撃性が低いこと、電子伝導性、熱伝導性などが高いこと)とを膜の組成を変えることで適正化できる。ここで、膜の「組成が異なる」とは化学構造が異なるもの(例えば、別種の高分子材料から構成されているなど)を意味するほか、膜の微細構造が異なるもの(例えば、ペーパ型繊維基材及びクロス型繊維基材など)をも意味する。
また、前記ランド接触部の裏面に位置する前記一面側には、表面の平滑度が高い緩衝層が積層することができる(請求項)。電解質膜への攻撃性が低い緩衝層をランド接触部の裏面に狭持することで電解質膜への攻撃性を低下している。
更に、前記ランド接触部には、クロス型繊維基材からなる緩衝層が積層することができる(請求項)。クロス型繊維基材は繊維の密度が低いのでクッション性を有し、ランド接触部に加わる面圧を低下できる。
ここで、前記ランド接触部の部分は、ペーパ型繊維基材及びクロス型繊維基材の少なくとも一方からなる基材と、必要に応じて用いられる導電性樹脂とを含むことで、ランド接触部の裏面に位置する一面側の表面について電解質膜への攻撃性が低下できる(請求項)。
更に上記課題を解決する本発明の燃料電池用ガス拡散層は、電解質膜又はMEAに一面側で接触し、燃料又は酸化剤の流路と該流路を区画するランド部とから構成された面をもつセパレータに他面側で接触し、微細な連通孔を有し、該他面側は該ランド部に接触するランド接触部と該流路に接触する流路接触部とをもつ燃料電池用ガス拡散層であって、
該ランド接触部の裏面に位置する該一面側には、表面の平滑度が高い緩衝層が積層されることを特徴とする(請求項)。緩衝層の電解質膜に接触する部分の平滑度を高くすることで、他の部分の構造に関係なく、電解質膜への攻撃性を低下できる。他の部分についてはガス透過性及び排水性など燃料電池性能を向上するために組成などが適正化できる。
ランド接触部の裏面に位置する一面側と電解質膜との間に狭持する前記緩衝層はペーパ型繊維基材と該ペーパ型繊維体に含浸された導電性樹脂材料とから構成されることが好ましい(請求項)。
上記課題を解決する本発明の燃料電池用ガス拡散層の製造方法は、上述した本発明の燃料電池用ガス拡散層を製造する1つの方法である。多孔質である基材の該ランド接触部に相当する部位に導電性樹脂材料を含浸させる工程を有することを特徴とする(請求項1)。導電性を含浸させることで、電解質膜への攻撃性を低下している。また、流路接触部におけるガス透過性及び排水性を向上するために、前記流路接触部に相当する部位に連通孔を穿孔する工程を有することができる(請求項1)。
(第1形態)
本実施形態の燃料電池用ガス拡散層は燃料電池の電解質膜又はMEAとセパレータとの間に狭持して用いる。本燃料電池用ガス拡散層を電解質膜に適用する場合には本燃料電池用ガス拡散層に白金などの触媒金属微粒子を担持することができる。セパレータは一般的な構造をもち、流路とその流路を区画するランド部とから構成される。流路には燃料ガス又は酸化剤ガスが流れるとともに、反応により生成する水が流れる。セパレータを構成する材料は特に限定されない。例えば、炭素材料や金属材料などから形成される。
本燃料電池用ガス拡散層は微細な連通孔をもち、一面側にて電解質膜又はMEAに接触し、他面側でセパレータに接触する。他面側はセパレータの流路に接触する流路接触部とランド接触部とをもつ。ランド接触部の裏面に位置する一面側の表面部分の平滑度が流路接触部の裏面に位置する一面側の部分より高い。連通孔は膜の表裏面を連通する孔である。連通孔を介して反応ガスや排水のやり取りを行う。
本燃料電池用ガス拡散層は、多孔質の基材をもつことができる。この基材に前述のフッ素樹脂などを含浸乃至は被覆することで目的の性能が達成できる。基材は炭素繊維にて形成できる。炭素繊維からなる基材はペーパ型繊維基材とクロス型繊維基材とに大きく分類できる。これらの基材に一般的な目地処理を行うことで本発明の燃料電池用ガス拡散層を構成することができる。目地処理はフッ素樹脂、炭素材料、導電性樹脂材料などをスクリーン印刷などの方法で基材中に充填することにより行うことができる。また、これら目地処理により平滑度を調節することができる。
ペーパ型繊維基材は抄紙と同様の方法にて炭素繊維を紙状に成形したものである。例えば、炭素繊維をフッ素樹脂などの結着剤にて結着したり、炭素繊維を高分子材料にて結着した後、高分子材料を炭化させたりすることで、ばらばらの状態の炭素繊維が積層したペーパ型繊維基材が得られる。
クロス型繊維基材は炭素繊維から織物と同様の方法にて布状に成形したものである。
ランド接触部の裏面に位置する一面側の部分であるランド接触部裏面部は、流路接触部の裏面に位置する一面側の部分と比較して、平滑度が高い。平滑度の制御方法は特に限定しないが、以下に例を挙げる。例えば、平滑度が高い表面をもつ部材に押しつけるなどして表面の平滑度を上げることができる。特に、熱可塑性樹脂材料などを目地処理にて含浸させた後に表面の平滑度が高い部材にてホットプレスを行うことで高い平滑度をもつ表面が得られる。そして、燃料電池の反応性を向上するためには連通孔の存在比を挙げることが好ましい。連通孔の存在比は直接測定することが煩雑なので、気孔率や通気率で代用することができる。通気率はできるだけ高いことが好ましい。そして、気孔率は5%以上が好ましい。また、ガス拡散層の強度を保つためには気孔率は95%以下であることが好ましい。気孔率を制御する方法としては特に限定しない。例えば、レーザ加工、電子ビーム加工、放電加工、ジェット加工や、機械的方法(多数の針などを突き刺すなど)などで穿孔したり、基材の形成条件(繊維の径、結着方法)を変化させて孔の生成を制御したりする方法がある。また、ガス拡散層の形成後、容易に除去できる材料を混ぜて平滑度の高いガス拡散層を得た後に、容易に除去できる材料を除去することで気孔率を上げることができる。例えば、何らかの塩(塩化ナトリウムなど)や酸化されやすい材料を混ぜて膜を形成した後、その塩などを水などに溶解したり、酸化したりすることで除去することで目的とする気孔率が達成できる。残存する塩は水洗や酸洗などにより燃料電池反応に影響がなくなるまで除去できる。
ペーパ型繊維基材はクロス型繊維基材に比較して表面の平滑度が高いものが得られることが多い。従って、ランド接触部の部分にペーパ型繊維基材を用い、流路接触部の部分にクロス型繊維基材を用いることが好ましい。このほかにもランド接触部の部分と流路接触部の部分とで組成を異ならせたものにすることができる。
更に、ランド接触部の裏面に位置する一面側と電解質膜との間に表面の平滑度が高い緩衝層を積層することができる。この緩衝層はセパレータのランド部から加わる面圧を平滑度が高い表面にて和らげる作用をもつ。表面の平滑度が高い緩衝層としてはペーパ型繊維基材や、ペーパ型繊維基材又はクロス型繊維基材に目地処理したものが例示できる。ここで、緩衝層の表面の平滑度としてはランド接触部裏面部と同様の評価方法が採用できる。
また、ランド接触部とセパレータのランド部との間に緩衝層を積層することもできる。この緩衝層はセパレータのランド部から加わる面圧を柔軟性をもって和らげる作用をもつ。例えば、この緩衝層としてはクロス型繊維基材が採用できる。
(燃料電池用ガス拡散層:第2形態)
本実施形態の燃料電池用ガス拡散層は、一般的なガス拡散層と、その一般的なガス拡散層の電解質膜に接触する一面側に積層された緩衝層とからなる。緩衝層はランド接触部の裏面側に積層される。その他の構成は特に限定されない。緩衝層については第1実施形態で説明したものが適用できる。
以下、本発明について実施例に基づいて説明する。使用する図面は模式図であり、説明の都合上、細部の形態、縮尺などが正確でない部分がある。なお、燃料電池用ガス拡散層を構成する各要素について、同様の位置に配設されている場合には材質・組成などの相違にかかわらず同じ符号を付けている。
本実施例の燃料電池用ガス拡散層は炭素繊維からなるペーパ型繊維基材と必要な部分に充填した導電性樹脂材料とからなる。図1に示すように、ペーパ型繊維基材11には連通孔111が一面に穿孔されている。そして、一部、方形状に導電性樹脂材料が充填された領域10がある。本燃料電池用ガス拡散層は図1(b)及び(c)における図面下方にてMEA(図略)と接触する一面側である。表面の平滑度が高く、導電性樹脂材料との親和性が低く、表面の平滑度が高い板材に対して、ペーパ型繊維基材の一面側を接触させた状態で図面上方から溶融させた導電性樹脂材料を充填する。そのまま、高い圧力を加えながら、導電性樹脂材料を凝固させることで一面側の表面の平滑度が高くなる。導電性樹脂材料を充填した部位以外は元のペーパ型繊維基材のままであるか、フッ素樹脂等が基材を構成する繊維上に付着させてもよい。導電性樹脂材料には粒子径の細かい塩化ナトリウム粉末(平均粒径10μm以下)が混ぜられている。塩化ナトリウムは水に溶解し、連通孔を形成する。
導電性樹脂材料が充填された領域10の他面側にはセパレータ(図略)のランド部が接触する。ランド部が接触する部分は領域10内で領域10の大きさより一回り小さくする。その結果、ランド部は確実に領域10内に接触して、ランドから加わる面圧は導電性樹脂材料にて平滑度が高くされた一面側を通じてMEAに加わる。従って、電解質膜などに対して局所的に高い圧力が加わるおそれは少ない。
流路接触部の部分には連通孔111が形成されているので、反応ガスや排水の透過性に優れている。また、連通孔111を形成する位置を調節することで反応ガス供給の均一性や排水性が向上できる。
(変形例)
本変形例では実施例1におけるペーパ型繊維基材に代えてクロス型繊維基材を採用している。実施例1では連通孔が設けられていたが、本変形例ではクロス型繊維基材のガス透過性が高いので連通孔を設けることなく使用できる。但し、ガス流量、排水量確保などの目的で必要に応じて実施例1と同様に連通孔を設けても良い。
本実施例の燃料電池用ガス拡散層は、図2に示すように、実施例1の燃料電池用ガス拡散層(又は、実施例1の変形例)のランド接触部にクロス型繊維基材からなる緩衝層20が積層されている。緩衝層20はクロス型繊維基材なので柔軟性に富み、セパレータのランド部から加わる面圧を分散してランド接触部の領域10に伝達する。従って、本実施例の燃料電池用ガス拡散層は、実施例1の燃料電池用ガス拡散層が発揮する作用効果に加えて、MEAへの攻撃性が更に低くできるという作用効果を発揮する。
本実施例の燃料電池用ガス拡散層は、図3に示すように、実施例1の燃料電池用ガス拡散層(又は、実施例1の変形例)のランド接触部の裏面に位置する一面側にペーパ型繊維基材からなる緩衝層30が積層されている。ペーパ型繊維基材は表面の平滑度が高い。更に、緩衝層30は導電性樹脂材料を含浸させることもできる。導電性樹脂材料を含浸すると表面の平滑度が更に高くできる。また、緩衝層30は導電性樹脂材料を含浸させて平滑度を高くしたクロス型繊維基材を用いることもできる。
緩衝層30は表面の平滑度が高く、セパレータのランド部から加わる面圧を分散してMEAに伝達する。従って、本実施例の燃料電池用ガス拡散層は、実施例1の燃料電池用ガス拡散層が発揮する作用効果に加えて、MEAへの攻撃性が更に低くできるという作用効果を発揮する。領域10には導電性樹脂材料が含浸されているので、ランド部からの圧力にて変形して性能が劣化するおそれが少ない。
(変形例)
本変形例の燃料電池用ガス拡散層は実施例1の燃料電池用ガス拡散層に代えて従来の燃料電池用ガス拡散層をそのまま採用して、そのランド接触部の裏面に位置する一面側にペーパ型繊維基材からなる緩衝層30が積層することもできる。緩衝層30を採用することによりMEAへの攻撃性を低くできる。
本実施例の燃料電池用ガス拡散層は、図4に示すように、実施例1の燃料電池用ガス拡散層のランド接触部にクロス型繊維基材からなる緩衝層20が積層されているとともに、ランド接触部の裏面に位置する一面側にペーパ型繊維基材からなる緩衝層30が積層されている。緩衝層30は導電性樹脂材料を含浸させることもできる。導電性樹脂材料を含浸すると表面の平滑度が更に高くできる。また、緩衝層30は導電性樹脂材料を含浸させて平滑度を高くしたクロス型繊維基材を用いることもできる。
緩衝層20はクロス型繊維基材なので柔軟性に富み、セパレータのランド部から加わる面圧を分散してランド接触部の領域10に伝達する。そして、緩衝層30は表面の平滑度が高く、セパレータのランド部から加わる面圧を分散してMEAに伝達する。従って、本実施例の燃料電池用ガス拡散層は、実施例1〜3の燃料電池用ガス拡散層が発揮する作用効果に加えて、MEAへの攻撃性が更に低くできるという作用効果を発揮する。
(変形例)
本変形例の燃料電池用ガス拡散層は実施例1の燃料電池用ガス拡散層に代えて従来の燃料電池用ガス拡散層をそのまま採用して、そのランド接触部にクロス型繊維基材からなる緩衝層20が積層されているとともに、ランド接触部の裏面に位置する一面側にペーパ型繊維基材からなる緩衝層30が積層することもできる。緩衝層20及び30を採用することによりMEAへの攻撃性を低くできる。
実施例1の燃料電池用ガス拡散層の平面模式図(a)、断面模式図(b)、(c)である。 実施例2の燃料電池用ガス拡散層の平面模式図(a)、断面模式図(b)、(c)である。 実施例3の燃料電池用ガス拡散層の平面模式図(a)、断面模式図(b)、(c)である。 実施例4の燃料電池用ガス拡散層の平面模式図(a)、断面模式図(b)、(c)である。
符号の説明
11…基材 111…連通孔111 10…導電性樹脂材料を含浸させた領域(ランド接触部の部分)
20、30…緩衝層

Claims (11)

  1. 電解質膜又はMEAに一面側で接触し、燃料又は酸化剤の流路と該流路を区画するランド部とから構成された面をもつセパレータに他面側で接触し、微細な連通孔を有し、
    該他面側は該ランド部に接触するランド接触部と該流路に接触する流路接触部とをもつ燃料電池用ガス拡散層であって、
    ランド接触部の裏面に位置する該一面側の表面部分であるランド接触部裏面部は、前記流路接触部の裏面に位置する該一面側の表面部分である流路接触部裏面部よりも平滑度が高いことを特徴とする燃料電池用ガス拡散層。
  2. 前記ランド接触部裏面部において、前記平滑度が高いとは以下の手順により求められたdの値が前記電解質膜又はMEAの厚み以下となることである請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層。
    前記dは、
    該ランド接触部裏面部の凹凸の深さを任意の直線に沿って1mm以上の長さにおいて測定したプロファイルデータを得る工程と、
    該プロファイルデータに対して、10μm以下の開口部をもつ微細構造を除去した後、表面の凹凸の深さを任意の直線に沿って10μm間隔で100個の点について測定した測定データ群を得る工程と、
    該測定データ群において隣接する該点の間で深さの差を求め、その差の絶対値の最大値をdとする工程と、により求められる。
  3. 前記ランド接触部裏面部において、前記平滑度が高いとは以下の手順により求められたdの値が前記電解質膜又はMEAの厚み以下となることである請求項1に記載の燃料電池用ガス拡散層。
    前記dは、
    該ランド接触部裏面部に対して接触している前記電解質膜又はMEAの表面の凹凸の深さを任意の直線に沿って10μm間隔で100個の点について測定した測定データ群を得る工程と、
    該測定データ群において隣接する該点の間で深さの差を求め、その差の絶対値の最大値をdとする工程と、により求められる。
  4. 前記流路接触部の部分における組成は、前記ランド接触部の部分における組成とは異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  5. 前記ランド接触部の裏面に位置する前記一面側には、表面の平滑度が高い緩衝層が積層される請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  6. 前記ランド接触部には、クロス型繊維基材からなる緩衝層が積層される請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  7. 前記ランド接触部の部分は、ペーパ型繊維基材及びクロス型繊維基材の少なくとも一方からなる基材と、必要に応じて含浸される導電性樹脂材料とを含む請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層。
  8. 電解質膜又はMEAに一面側で接触し、燃料又は酸化剤の流路と該流路を区画するランド部とから構成された面をもつセパレータに他面側で接触し、微細な連通孔を有し、
    該他面側は該ランド部に接触するランド接触部と該流路に接触する流路接触部とをもつ燃料電池用ガス拡散層であって、
    該ランド接触部の裏面に位置する該一面側には、表面の平滑度が高い緩衝層が積層されることを特徴とする燃料電池用ガス拡散層。
  9. 前記緩衝層はペーパ型繊維基材と該ペーパ型繊維体に含浸された導電性樹脂材料とから構成される請求項5又は8に記載の燃料電池用ガス拡散層。
  10. 電解質膜又はMEAに一面側で接触し、燃料又は酸化剤の流路と該流路を区画するランド部とから構成された面をもつセパレータに他面側で接触し、微細な連通孔を有し、
    該他面側は該ランド部に接触するランド接触部と該流路に接触する流路接触部とをもつ燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
    多孔質である基材の該ランド接触部に相当する部位に導電性樹脂材料を含浸させ、該ランド接触部の裏面に位置する該一面側の表面部分であるランド接触部裏面部の平滑度を、前記流路接触部の裏面に位置する該一面側の表面部分である流路接触部裏面部よりも高くする工程を有することを特徴とする燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
  11. 前記流路接触部に相当する部位に連通孔を穿孔する工程を有する請求項10に記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。
JP2003395969A 2003-11-26 2003-11-26 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4565830B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003395969A JP4565830B2 (ja) 2003-11-26 2003-11-26 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003395969A JP4565830B2 (ja) 2003-11-26 2003-11-26 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005158515A JP2005158515A (ja) 2005-06-16
JP4565830B2 true JP4565830B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=34721589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003395969A Expired - Fee Related JP4565830B2 (ja) 2003-11-26 2003-11-26 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4565830B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007103241A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Mitsubishi Electric Corp 燃料電池
JP2007273215A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Equos Research Co Ltd 燃料電池用拡散層の製造方法。

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000067888A (ja) * 1998-08-25 2000-03-03 Toyota Motor Corp 燃料電池用集電体およびその製造方法
JP2002124270A (ja) * 2000-08-11 2002-04-26 Sanyo Electric Co Ltd 燃料電池
JP2003036860A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Toray Ind Inc 電極基材およびその製造方法並びにそれを用いた燃料電池
JP2003286085A (ja) * 2002-03-27 2003-10-07 Toray Ind Inc 多孔質炭素板およびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000067888A (ja) * 1998-08-25 2000-03-03 Toyota Motor Corp 燃料電池用集電体およびその製造方法
JP2002124270A (ja) * 2000-08-11 2002-04-26 Sanyo Electric Co Ltd 燃料電池
JP2003036860A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Toray Ind Inc 電極基材およびその製造方法並びにそれを用いた燃料電池
JP2003286085A (ja) * 2002-03-27 2003-10-07 Toray Ind Inc 多孔質炭素板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005158515A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100745935B1 (ko) 가스 확산층 및 이것을 이용한 연료전지
CN100459254C (zh) 流场板几何结构
US9243335B2 (en) Metal substrate for fuel cells
EP1939960B1 (en) Gas diffusion electrode material and producting method thereof
JP5061454B2 (ja) 燃料電池
JP5421227B2 (ja) 燃料電池のガス拡散層の製造方法、製造装置および燃料電池
JP2005191002A (ja) 燃料電池用ガス拡散層、電極及び膜電極接合体及びその製造方法
EP1139471A1 (en) Porous, electrically conductive sheet and method for production thereof
JP2002343379A (ja) 燃料電池、燃料電池用電極、燃料電池用電極の処理方法
US7625661B2 (en) Diffusion media with continuous micro-porous layers incorporating non-uniformity
CN108370039A (zh) 气体扩散电极和燃料电池
JP2006228501A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP2007103241A (ja) 燃料電池
JP5153159B2 (ja) 燃料電池
JP4565830B2 (ja) 燃料電池用ガス拡散層及びその製造方法
JP2010102879A (ja) 燃料電池用ガス拡散層およびその製造方法
JP2008066208A (ja) 燃料電池
JP2007179870A (ja) ガス拡散電極、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池およびそれらの製造方法
CN101218699B (zh) 电解质膜及其制造方法
US7318976B2 (en) Electrodes with adjustable gas permeability, and method of producing such electrodes
JP2008041348A (ja) 固体高分子型燃料電池及びその製造方法
JP2009277370A (ja) 膜電極接合体
JP2007149454A (ja) ガス拡散層、ガス拡散電極、膜電極接合体及び高分子電解質形燃料電池
JP2007005122A (ja) 燃料電池の製造方法および燃料電池用拡散層の製造方法
KR100957786B1 (ko) 막 전극 접합체 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100722

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees