JP2000067888A - 燃料電池用集電体およびその製造方法 - Google Patents
燃料電池用集電体およびその製造方法Info
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Abstract
の接触面積を拡大することのできる燃料電池用集電体を
提供する。 【解決手段】 固体電解質11の表面に設けられた電極
12に接触されらせて該電極12と電気的に導通すると
ともに、電極12の表面との間にガス流路13を区画し
て成形する燃料電池用集電体であって、前記電極12の
表面に対向する板面部14に、電極12側に突出して電
極12に接触させられる多数の突起部15が形成され、
その突起部15の電極12に接触する頂部に、電極12
の表面に沿う方向に張り出した膨出部16が形成されて
いる。
Description
型燃料電池などの固体電解質型の燃料電池で使用される
集電体およびその製造方法に関するものである。
子膜を電解質として使用した燃料電池が知られている。
これを、模式的に示せば図3のとおりである。図3にお
いて、電解質膜1は、例えばプロトン透過性のある高分
子膜の両側に拡散層を有する電極2,3を表面側に積層
して形成したものであって、その電極2,3は、多孔質
のカーボンに白金やロジウムなどの触媒を担持させて構
成されている。その電解質膜1を挟んだ両側に集電体
(セパレータ)4が密着して配置されている。
にガス流路を確保するとともに、各電極2,3に電気的
に導通して外部に電力を取り出すためのものであり、カ
ーボンなどの耐食性および導電性に優れた材料によって
形成されている。その形状は図3に模式的に示すよう
に、平板部分5に、その一方の面側に凸となる多数の突
起6を成形した形状であって、その突起6の先端部を電
極2,3に突き当てることにより電極2,3に密着させ
られ、かつその各突起6同士の間に電解質膜1と平板部
分5とによって形成される空間部分が、ガス流路7とさ
れている。
集電体4が、いわゆる背中合わせに配置されている。す
なわち各集電体4はそれぞれの突起6が互いに反対方向
に向いて凸となるように各々の平板部分5を密着させて
電解質膜1の間に挟み込まれている。そしてそのいわゆ
る背中合わせの突起6同士によってそれぞれの内側に区
画して形成される空間部分が、冷却水を流すための冷却
用流路8とされている。
一方のガス流路7に燃料ガスとして例えば水素ガスを供
給し、また他方のガス流路5に酸化性ガスとして例えば
空気を供給すると、一方の電極(燃料極)で電離して生
じたプロトンが電解質膜1を透過して他方の電極(空気
極)側に移動し、ここで酸素と反応して水を生じる。そ
して、前記一方の電極で生じた電子が集電体4を介して
外部に取り出される。したがって水素ガスが供給される
ガス流路7を形成している集電体2が陰極となり、空気
が供給されるガス流路7を形成している集電体4が陽極
となる。
電気化学的に反応するガスの量が多いほど、得られる起
電力が増大するから、ガスの供給量を増大させるため
に、前述した各ガス流路7の体積を可及的に大きくする
ことが望まれる。また、起電力は各電極のみならず、前
記の集電体4を介して外部に取り出されるので、電極と
集電体との間の電気抵抗を可及的に減少させることが望
まれる。
たように平板部分5に多数の突起6を形成した構成であ
るから、ガス流路7の体積を増大させるために突起6の
外径を小さくするとすれば、集電体4の電極に対する接
触面積が減少し、その部分の電気抵抗が大きくなって燃
料電池の発電容量が低下してしまう。これとは反対に、
集電体4と電極との接触面積を増大させて両者の間の電
気抵抗を低下させるために、突起6の外径を大きくする
とすれば、ガス流路7の体積が減少させられ、その結
果、ガスの供給量が少なくなって燃料電池の発電容量が
低下する問題が生じる。このように集電体4と電極との
積極面積の拡大と、ガス流路7の体積の増大とは相反す
る要求事項であり、一方の要求を満たすと他方の要求が
満たされなくなり、結局、燃料電池の性能(発電容量)
を向上させることが困難であった。
いガス流路体積を確保できると同時に、電極との接触面
積を拡大することのできる燃料電池用集電体およびその
集電体を製造する方法を提供することを目的とするもの
である。
的を達成するために、請求項1の発明は、固体電解質の
表面に設けられた電極に接触させて該電極と電気的に導
通するとともに、電極の表面との間にガス流路を区画し
て成形する燃料電池用集電体において、前記電極の表面
に対向する板面部に、電極側に突出して電極に接触させ
られる多数の突起部が形成され、その突起部の電極に接
触する頂部に、電極の表面に沿う方向に張り出した膨出
部が形成されていることを特徴とするものである。
部の頂部に形成されている膨出部を電極の表面に接触さ
せた状態で集電体が燃料電池に組み込まれる。その集電
体と電極とは、前記膨出部によって電気的に接触してい
るから、その接触面積が広くなる。また、その膨出部は
突起部の頂部を電極の面方向に張り出させて形成したも
のであって、突起部自体を太くしたものではないから、
突起部同士の間に形成されるガス流路の体積が、集電体
と電極との接触面積の増大によって減少させられること
がなく、ガス流路の体積を大きくすることができる。
に加えて、前記突起部の肉厚が、前記板面部の肉厚より
薄いことを特徴とするものである。
部が板面部より脆弱もしくは軟弱になるので、その突起
部の頂部を、電極の面方向に張り出させて膨出部とする
加工が容易になる。
表面に設けられた電極に接触させて電極と電気的に導通
するとともに、電極の表面との間にガス流路を区画して
成形する燃料電池用集電体の製造方法において、導電性
板状素材の複数箇所をその板厚方向に突出させて複数の
突起部を形成し、それらの突起部の頂点部分を、突起部
の突出方向に対して垂直な面方向に拡大させて膨出部を
形成することを特徴とする方法である。
ス流路の体積を減少させることなく、電極との接触面積
を拡大することのできる集電体を得ることができる。
成に加えて、前記板状素材の複数箇所をその板厚方向に
変形させると同時にその変形部分の板厚を減少させて前
記突起部を形成し、その突起部をその突出方向とは反対
方向に加圧して前記膨出部を形成することを特徴とする
方法である。
極に電気的に接触する膨出部を容易に形成することがで
きる。
具体的に説明する。図1の(A)はこの発明に係る集電
体10の一部を示す平面図であり、また図1の(B)は
そのB−B線拡大断面図であり、この集電体10は、ア
ルミニウム、アルミ合金、ステンレス鋼などの金属によ
って形成されている。その金属材料としては、加工性お
よび重量の点で、アルミニウムあるいはその合金が好ま
しい。また、クラッド材のような二種類以上の金属から
なる材料を使用することもできる。この集電体10は、
前述した図3に示す従来のものと同様に、電解質膜11
の表面に形成された電極12に電気的に導通した状態に
密着させられるものであり、その電極12の表面との間
にガス流路13を確保した状態で電極12と電気的に接
触させるために、板面部14から突出させた多数の突起
15が形成されている。
のピッチPで縦横に配列されている。またその突起部1
5の突出高さ(突出量)Hは、板面部14の板厚Tの2
倍程度である。さらに突起部15の形状は、円形断面あ
るいは方形断面もしくは矩形断面など適宜の断面形状で
あってよく、図1の例では、円形断面のものを示してあ
る。各突起部15の頂部は、その突出方向に対して垂直
な面に沿う方向すなわち板面部14もしくは電極12の
表面と平行な方向に張り出しており、この部分が膨出部
16となっている。
図1の(B)には突起部15の全周に亘って突き出した
形状を示してあるが、要は、突起部15の外回りの寸法
が最も小さい部分の対して外側に突き出した形状であれ
ばよく、突起部15の頂部における外周の一部のみが外
側に突き出した形状であってもよい。円形断面であれ
ば、膨出部16の外径が突起部15の中間部の外径より
大きくなっている。またこの膨出部16を形成すること
により、突起部15の頂部が平坦面とされている。電極
12の表面に電気的に導通させて接触させるためであ
る。
の板厚Tよりも薄くなっている。これは、膨出部16を
形成する加工を容易にするためであり、突起部15を形
成することに伴って肉厚が減少して板面部14の板厚T
より薄くなったものであってもよく、あるいは板厚を減
じる加工を施したことによるものであってもよい。
て形成したことにより、突起部15同士の間隔Lが、膨
出部16より図1の(B)での下側の部分で広くなって
いる。言い換えれば、図1に示す構成では、先端部の面
積が膨出部16と同じ面積の中空柱状の突起部を形成し
た場合の突起部同士の間隔よりも広い間隔の突起部15
が形成され、しかもその突起部15の電極12に対する
接触面積が広くなっている。
る。この発明の方法は、集電体10を金属製としたこと
に伴って材料の塑性変形を利用して所期の形状を得る方
法である。図2の(A),(B)にこの発明に係る方法
による製造過程を模式的に示してある。先ず、アルミ合
金などの導電性のある板状素材20を用意し、その複数
箇所を板厚方向に変形させて突起部15を形成する。こ
の加工は、プレス加工などの加圧装置による加工であっ
てよく、あるいは流体圧により塑性変形を生じさせる加
工あるいは硬球などを衝突させることによる衝撃力で塑
性変形を生じさせる加工などを採用することができる。
の単なる変形にとどまらず、材料の延びなどによる板厚
tの減少を伴う加工である。そのため、突起部15を形
成する際には、板面部14のシワ押さえを確実におこな
うことが好ましい。したがってその加工は、張り出し加
工(コイニング)に分類することのできる加工である。
15の頂部を、その突出方向とは反対の方向から加圧し
て頂部を平坦形状に圧潰する。この加工は、例えば平面
パンチ21によって突起部15の頂部を一部圧潰するこ
とによりおこなえばよい。その結果、突起部15の頂部
が、板厚が減じられて脆弱もしくは軟弱になっているこ
とにより、板面部14と平行な方向に押し広げられた形
状に変形し、膨出部16を形成する。その場合、突起部
15の頂部と平面パンチ21との相対的な摺動を滑らか
にして突起部15の頂部が平面パンチ21に沿って押し
広げられるようにするために、平面パンチ21の加工面
を可及的に平坦に形成し、あるいは潤滑油を供給する。
これら両者の間の摩擦係数が小さいほど、膨出部16の
平面径を大きくすることができる。さらに、膨出部16
の加工を容易にするために、突起部15の頂部を圧潰す
る際に突起部15を加熱してもよい。
部15同士の間隔Lを減少させずに、その頂部すなわち
電極12に接触する部分の面積を拡大させた集電体10
を得ることができる。
って集電体を形成することとしたが、この発明の集電体
は金属製であることが好ましいものの、これに限定され
ないのであって、必要に応じて適宜の導電性材料を使用
することができる。また、上述した具体例では、板面部
の一方の面側にのみ突出した突起部を形成した例を示し
たが、この発明では、板面部の両側に突出させて突起部
を形成してもよい。さらにこの発明の集電体では、突起
部の中間部を細くすることにより、突起部の頂部を相対
的に大きくして膨出部としてもよい。
れば、突起部の頂部を電極の表面に沿う方向に突起部の
外側に張り出させて膨出部を形成し、その膨出部によっ
て電極の表面に電気的に接触させるように構成したか
ら、電極に対する接触面積を広くして導電性を向上させ
ることができ、また同時に、その膨出部は突起部の頂部
を電極の面方向に張り出させて形成したものであって、
突起部自体を太くしたものではないから、突起部同士の
間に形成されるガス流路の体積が、集電体と電極との接
触面積の増大によって減少させられることがなく、ガス
流路の体積を大きくすることができる。したがって請求
項1の発明によれば、燃料電池の発電容量を増大させる
ことのできる集電体を得ることができる。換言すれば、
電解質および集電体を多数積層して構成される燃料電池
の小型化を図ることができる。
板面部より脆弱もしくは軟弱になるので、その突起部の
頂部を、電極の面方向に張り出させて膨出部とする加工
が容易になる。
の頂部を圧潰して突起部の外側に張り出させることによ
り膨出部を形成するので、ガス流路の体積を減少させる
ことなく、電極との接触面積を拡大することのできる集
電体を得ることができる。
圧潰して膨出部とする突起部の肉厚を薄くしてあるの
で、電極に電気的に接触する膨出部を容易に形成するこ
とができる。
面図であり、(B)は(A)のB−B線拡大断面図であ
る。
を説明するための過程を示す図である。
3…ガス流路、 14…板面部、 15…突起部、 1
6…膨出部。
Claims (4)
- 【請求項1】 固体電解質の表面に設けられた電極に接
触させて該電極と電気的に導通するとともに、電極の表
面との間にガス流路を区画して成形する燃料電池用集電
体において、 前記電極の表面に対向する板面部に、電極側に突出して
電極に接触させられる多数の突起部が形成され、その突
起部の電極に接触する頂部に、電極の表面に沿う方向に
張り出した膨出部が形成されていることを特徴とする燃
料電池用集電体。 - 【請求項2】 前記突起部の肉厚が、前記板面部の肉厚
より薄いことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用
集電体。 - 【請求項3】 固体電解質の表面に設けられた電極に接
触させて電極と電気的に導通するとともに、電極の表面
との間にガス流路を区画して成形する燃料電池用集電体
の製造方法において、 導電性板状素材の複数箇所をその板厚方向に突出させて
複数の突起部を形成し、それらの突起部の頂点部分を、
突起部の突出方向に対して垂直な面方向に拡大させて膨
出部を形成することを特徴とする燃料電池用集電体の製
造方法。 - 【請求項4】 前記板状素材の複数箇所をその板厚方向
に変形させると同時にその変形部分の板厚を減少させて
前記突起部を形成し、その突起部をその突出方向とは反
対方向に加圧して前記膨出部を形成することを特徴とす
る請求項3に記載の燃料電池用集電体の製造方法。
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1998
- 1998-08-25 JP JP23820998A patent/JP4110626B2/ja not_active Expired - Fee Related
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