JP2004359987A - 給電体および水電解セル - Google Patents

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Abstract

【課題】給電体と電極板との間の電気抵抗等を低減することにより、電気分解のエネルギー効率を高めることができる給電体と、該給電体の利点を有する水電解セルを提供することを課題とする。
【解決手段】水電解セル30に用いられる給電体であって、少なくとも導電性板2が設けられており、前記導電性板2は、平板状の板部分と、該板部分から突出した複数の突出部とを備え、前記導電性板2には、その厚さ方向を貫通する複数の貫通孔が形成されていることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質膜を利用して水素ガスおよび酸素ガスを発生させる水素酸素発生装置等の水電解装置に関し、詳しくは、該水電解装置を構成する水電解セルおよび該水電解セルに用いられる給電体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術に係る水素酸素発生装置を構成する水電解セルとしては、例えば、特開平8−239788号公報に開示されたものが知られている。この水電解セルは、固体電解質膜の両面側に電極板を備えた固体電解質膜ユニットが所定組並べ合わされて構成されている。かかる水電解セルが、いわゆる複極式の場合は、並べ合わせた固体電解質膜ユニットの両端(水電解セルの両端)の電極板に直流電圧を印加すると、水電解セルの両端の電極板はそれぞれ陽極および陰極として機能し、水電解セルの中間部(単極式電極板で挟まれた中間部)に位置する電極板では、その一方の面側は陽極として機能し、他方の面側は陰極として機能する。
【0003】
かかる水電解セル100を、図5を参照して説明すると、固体電解質膜ユニット105は、固体電解質膜101と、固体電解質膜101を挟持すべくその両面側に配設された電極板103(陽極側電極板および陰極側電極板)と、固体電解質膜101と電極板103との間に配設された給電体102(陽極側給電体および陰極側給電体)等により構成されている。固体電解質膜101の両面(陽極側および陰極側)には、電極触媒層(図示せず)が配設されている。また、かかる固体電解質膜ユニット105を並べ合わせ、水電解セル100として組み立てる際には、水電解セル100の両端に設けた一対のエンドプレート110,110と、各エンドプレート110を連結する複数の締付ボルト111,111…とを用いて、固体電解質膜ユニット105の各構成部材を互いに密着させるように加圧する。
【0004】
そして、このように構成された水素酸素発生装置を運転する際には、締付ボルト111を締め付けることによって一対のエンドプレート110,110を介して、それらの間に挟まれた固体電解質膜ユニット105に所定の圧力を加えた状態で使用する。即ち、所定の圧力を加えることによって給電体102と固体電解質膜101とを圧接させ、純水を陽極側に供給し、各電極板103に通電することにより、陽極側給電体に接触する電極触媒層において酸素ガスを発生させ、陰極側給電体に接触する電極触媒層において水素ガスを発生させる。
【0005】
固体電解質膜101の両面側に配設された給電体102は、固体電解質膜101に対してこのように圧接された状態で使用されることにより、互いを均一に接触させて電気分解のエネルギー効率の向上が図られる。
【0006】
図5に示す水電解セル100では、給電体102として、電極板103側に金属メッシュ52が、固体電解質膜101側に導電性を有する焼結体51がそれぞれ配設され、これら金属メッシュ52と焼結体51とが一体的に形成された、いわゆる二重構造給電体が使用されている。
【0007】
かかる給電体102は、空隙率の大きな金属メッシュ52によって純水の必要供給量を確保することができる。また、固体電解質膜101は、空隙率の小さな焼結体51の平滑な面に接触しているため、固体電解質膜ユニット105に所定の圧力をかけた場合等に固体電解質膜101が損傷され難く、さらに温度変化による水電解セル100の伸縮が生じた際にも給電体102と固体電解質膜101との良好な接触状態が維持される。このため、給電体102と固体電解質膜101との間の電気抵抗が常時ほぼ一定となって、水電解セル100のランニングコストの上昇が抑えられる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−279479号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる給電体102において、金属メッシュ52は網目構造を有し、該網目を構成する線状体により凹凸が形成されている。このため、金属メッシュ52の電極板103に対する接触面積が狭くなり、給電体102と電極板103との間の電気抵抗(接触抵抗)は高いものであった。また、上述した従来例のように、給電体102に焼結体51を用いる場合には、金属メッシュ52の焼結体51に対する接触面積も狭くなり、金属メッシュ52と焼結体51との間の電気抵抗も高くなって金属メッシュ52を介して給電体102の焼結体51部分と電極板103との間の電気抵抗が高くなっていた。
【0010】
そして、このように給電体と電極板との間の電気抵抗が高いと、電気分解の際の電流分布に偏りが生じ、電気分解の際に、水電解セル100の両端の電極板103,103に印加する直流電圧(以下、電解電圧という。)が上昇して、電気分解のエネルギー効率が低くなる。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、給電体と電極板との間の電気抵抗を低減することにより、電気分解のエネルギー効率を高めることができる給電体と、該給電体の利点を有する水電解セルを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る給電体は、前記目的を達成するために、水電解セルに用いられる給電体であって、少なくとも導電性板が設けられており、前記導電性板は、平板状の板部分と、該板部分から突出した複数の突出部とを備え、前記導電性板には、その厚さ方向を貫通する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、導電性板は、板部分または該板部分から突出した複数の突出部を介して電極板または焼結体と接触するため、給電体と電極板との間の電気抵抗が低くなって、電解電圧の上昇を抑制することができる。また、導電性板の厚さ方向を貫通する複数の貫通孔により、給電体の空隙率は大きいまま維持されるため、純水の必要供給量を確保することができる。
【0014】
前記突出部は、前記貫通孔の周縁部から延びる脚部と、前記板部分と略平行な平面部とを備えた突出片であることが好ましい。
【0015】
かかる好ましい構成によれば、導電性板は、板部分または該板部分と略平行な突出片の平面部を介して電極板または焼結体と面接触するため、給電体と電極板との間の電気抵抗が更に低くなって、電解電圧の上昇を更に効果的に抑制することができる。
【0016】
前記突出片は、前記板部分に前記貫通孔を形成する切り目を入れて片面側に突出させて形成されたものであることが好ましい。
【0017】
かかる好ましい構成によれば、突出片が導電性板から構成されると共に、該導電性板から前記突出片が抜けた部分が貫通孔となるため、該貫通孔の周縁部から延びる脚部と、前記板部分と略平行な平面部とを備えた突出片を容易に形成することができる。
【0018】
前記突出片の脚部と前記板部分とがなす角度が30°以上であることが好ましい。
【0019】
かかる好ましい構成によれば、板部分による各突出片の支持も安定し、水電解セル内に所定の圧力をかけた際に、導電性板が電極板に強く押圧されて突出片が陥没する可能性が皆無となり、導電性板と電極板との接触も良好なまま維持できる。
【0020】
前記導電性板の開口率(複数の貫通孔の総開口面積/導電性板の片面の総面積)が30%以上70%以下であることが好ましい。
【0021】
かかる好ましい構成によれば、導電性板と電極板との間の電気抵抗の低減と、導電性板と焼結体との間の電気抵抗の低減とを両立することができる。
【0022】
前記導電性板が導電性を有する板材を加工して得られたものであり、該板材の厚さが0.2mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
【0023】
かかる好ましい構成によれば、平板状の板部分と、該板部分から突出した複数の突出部とを備え、厚さ方向を貫通する複数の貫通孔が形成された導電性板を容易に形成できると共に、該導電性板の強度も確保できる。
【0024】
前記導電性板に、更に導電性焼結体が積層され構成されていることが好ましい。
【0025】
かかる好ましい構成によれば、導電性板は、板部分または該板部分と略平行な突出片の平面部を介して導電性焼結体と面接触するため、導電性板と導電性焼結体との間の電気抵抗が低くなって、電解電圧の上昇を抑制することができると共に、水電解セル内に所定の圧力をかけた際、導電性板が導電性焼結体に強く圧接されても、導電性焼結体は、損傷されることなく導電性板との均一な接触状態を維持する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給電体および水電解セルの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1に、本実施形態に係る給電体の断面図を示す。図1を参照して、本実施形態の給電体10は、金属繊維が圧縮成形され焼結されてなる繊維焼結体1と、金属等からなり、導電性を有する導電プレート2とを具備した、いわゆる二重構造給電体10である。なお、本実施の形態では、繊維焼結体1と導電プレート2とは単に並べ合わされているだけで、互いに接合されていない。
【0028】
また、図2に、本実施形態における水電解セルの一部断面分解図を示す。図2を参照して、本実施形態の水電解セル30は、固体電解質膜11の両面側に電極板13,13(陽極側電極板および陰極側電極板)が配設され、かつ固体電解質膜11と電極板13との間に上述した二重構造給電体10(陽極側給電体および陰極側給電体)が介在するように設けられた固体電解質膜ユニット15が所定組並べ合わされてなるものである。ここで、陽極側給電体は、陽極側電極板と固体電解質膜11とで閉じられて構成される陽極室内に収容されており、陰極側給電体は、陰極側電極板と固体電解質膜11とで閉じられて構成される陰極室内に収容されている。
【0029】
固体電解質膜11としては、固体高分子電解質を膜状に形成した固体高分子電解質膜の両面(陽極側および陰極側)に、白金族金属からなる多孔質層からなる電極触媒の層(図示せず)を設けて構成されたものを用いている。この固体電解質膜11は、陽極室で発生するガスと陰極室で発生するガスとを隔てるセパレータ、水素イオン等を伝導させるイオン伝導体、および前記した電極触媒の担体として機能するものである。
【0030】
この二重構造給電体10では、繊維焼結体1が固体電解質膜11側に、導電プレート2が電極板13側にそれぞれ配設されている。さらに、所定組並べ合わされた固体電解質膜ユニット15で構成される水電解セル30の両端には一対のエンドプレート20,20が配設され、水電解セル30は該一対のエンドプレート20,20を連結する複数の締付ボルト21,21…によって両端より加圧されて構成されている。
【0031】
図2に示す状態で、水電解セル30の両端の電極板13,13に直流電圧を印加し、各電極板13に通電すると共に、陽極側の電極板13の下部に配設された入口ポート(図示せず)を通して陽極室に純水を供給すると、まず陽極側の導電プレート2に該純水が供給され、該導電プレート2および繊維焼結体1をこの順で通過して固体電解質膜11に前記純水が到達する。そして、陽極側の二重構造給電体10に接触する電極触媒層に電子が放出され、前記純水が電解されて酸素ガスと水素イオンが発生する。該酸素ガスと電解されずに残った純水とは、陽極側の電極板13の上部に配設された出口ポート(図示せず)を通って外部に排出される。一方、前記水素イオンは、固体電解質膜11を通過し、陰極側の固体電解質膜11の電極触媒層において電子を授受して水素ガスが発生する。該水素ガスは、陰極側の電極板13の上部に配設された出口ポートを通って外部に排出され、該水素ガスは更に除湿されて利用に供される。
【0032】
本実施の形態では、繊維焼結体1としては、陽極側および陰極側共に、チタン繊維をプレス成形機等で圧縮成形した後、焼結してなるものを使用するが、陽極側に、このチタン繊維を圧縮成形後に焼結したものを使用し、陰極側にカーボン繊維をプレス成形機等で圧縮成形した後、焼結してなるものを使用することもできる。二重構造給電体10においては、供給された純水を固体電解質膜11へ通水し、電解されずに残った純水や発生した酸素ガス等を排出するための透過性が要求されることから、繊維焼結体1の空隙率は40%以上70%以下であることが好ましい。繊維焼結体1の空隙率が40%以上70%以下であれば、純水を通過させる際の圧力損失を低く維持することができ、同時に酸素ガス等の透過性も確保できる。また、繊維焼結体1と、固体電解質膜11や導電プレート2との接触性もさらに良好となる。
【0033】
本実施の形態では、導電プレート2には、チタン製の板材を使用する。該板材には、加工前の板厚が0.2mm以上1.0mm以下であるものが好ましく使用できる。図3(a)および図3(b)に、導電プレート2の平面図を示す。このように、導電プレート2において、平板状の板部分を構成する導電プレート本体40に複数の通水孔41が整列配列されて形成されている。図3(a)および図3(b)中、矢印50は、純水の流れの方向を示しており、図3(a)は、通水孔41が該純水の流れの方向に沿って横長の形態のものを示し、図3(b)は、通水孔41が該純水の流れの方向に沿って縦長の形態のものを示す。
【0034】
各通水孔41は、導電プレート2の厚さ方向を貫通して形成されたものであり、電極板13側または固体電解質膜11側に突出し、通水孔41の形状に合わせて形成された突出片42によって、電極板13側から見た平面視において略覆われている。これにより、各突出片42を介して導電プレート2と電極板13とを接触させる場合において、導電プレート2の電極板13に接触する面の平滑性が高まり、二重構造給電体10と電極板13との間の電気抵抗がさらに低くなる。なお、図3(a)および図3(b)においては、導電プレート2の一部領域にのみ通水孔41および突出片42が配列された状態を模式的に示しているが、実際には、通水孔41および突出片42は、導電プレート2の全面に配列されている。
【0035】
図3(a)および図3(b)に示した通水孔41および突出片42の拡大図を図4に示す。図4(a)は、通水孔41および突出片42の拡大平面図であり、図4(b)は、図4(a)のA−A線における断面図である。図4(a)は、図3(a)および図3(b)において、通水孔41および突出片42の電極板13側から見た状態を拡大したものである。図4(a)中、矢印50は、純水の流れの方向を示す。
【0036】
図4(a)および図4(b)を参照して、各通水孔41は、その開口形状が略長方形である。ここで、通水孔41の長辺の長さは、3.0mm以上5.0mm以下であることが好ましく、通水孔41の短辺の長さは、2.0mm以上3.0mm以下であることが好ましい。また、長辺と短片の比は、1.1:1乃至2.5:1であることが好ましい。
【0037】
また、突出片42は、一対の脚部45,45を有している。前記突出片42は、各通水孔41の両短辺部(一対の支持部44,44)から延びる前記脚部45,45によって導電プレート本体40に支持されており、各脚部45と導電プレート本体40とは角度θ(°)をなしている。また、各突出片42と導電プレート本体40との間に、矢印50で示す純水の流れの方向に整列した一対の開口43,43が形成されている。
【0038】
本実施形態では、図2に示すように、導電プレート2は、突出片42の突出した側の面(図4(b)の下側の面、以下、導電プレート2の表面という。)で電極板13に接触し、導電プレート本体40の側の面(図4(b)の上側の面、以下、導電プレート2の裏面という。)で繊維焼結体1に接触している。
【0039】
図4(b)を参照して、突出片42の断面は、略台形を形成しており、該突出片42の平面部(台形の上底部に形成された平面)が導電プレート本体40と略平行となっているため、図2を参照して、導電プレート2は、その表面で突出片42を介して電極板13と面接触する。このため、導電プレート2と電極板13との充分な接触面積が確保される。この結果、二重構造給電体10と電極板13との間の電気抵抗(接触抵抗)が低くなり、電解電圧の上昇を抑制することができる。なお、導電プレート2と電極板13との接触面積を可能な限り高めるため、各突出片42の導電プレート2の表層面からの高さは、略同等であることが好ましい。また、導電プレート2の厚さ(=導電プレート本体40の厚さ+各突出片42の導電プレート本体40の表層面からの高さ)は、0.6mm以上3.0mm以下であることが好ましく、導電プレート本体40の厚さは、0.2mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
【0040】
また、突出片42の各脚部45と導電プレート本体40とがなす角度θ(°)は、導電プレート2と電極板13との接触面積を可能な限り高めるため、理想的には90°に近付けることが望ましいが、後述する製造方法における成形の容易性等を勘案すれば実際上は30°以上であることが好ましい。該角度θが30°以上であることにより、導電プレート2を加工後、突出片42の支持部44における支持が安定し、固体電解質膜ユニット15に所定の圧力をかけた際に、導電プレート2が電極板13に強く押圧されて突出片42が陥没する可能性が少なくなり、導電プレート2と電極板13との接触も良好なまま維持できる。
【0041】
また、突出片42の各脚部45の長さは、突出片42の平面部の面積を維持しながら、陥没しない程度に長くすることができる。これにより、導電プレート本体40に対して突出片42が支持される強度が更に向上する。
【0042】
また、突出片42は、導電プレート本体40上で縦方向または横方向に所定の間隔を置いて整列配列することが好ましい。これにより、導電プレート2と電極板13との接触面積が高められる。なお、導電プレート2は、図3(b)に示したように、各突出片42の長辺方向を導電プレート2の長手方向と一致させてもよい。これにより、導電プレート2の圧縮強度および撓みに対する強度が高められる。なお、陰極側の導電プレート2については、各突出片42の開口43,43を純水の流れ方向に直交する向きに整列するように構成してもよい。これにより、陰極側の開口43,43の整列方向が、陽極側の導電プレート2の開口43,43の整列方向と直交し、固体電解質膜ユニット15の撓みに対する強度が高められる。
【0043】
導電プレート2の裏面は、図4(b)を参照して、凹凸のない平滑な状態となっており、本実施の形態では、導電プレート2は、その裏面で繊維焼結体1と面接触している。このため、導電プレート2と繊維焼結体1との間に充分な接触面積が確保され、導電プレート2と繊維焼結体1との間の電気抵抗が低くなり、電解電圧の上昇を抑制することができると共に、固体電解質膜ユニット15に所定の圧力をかけた際、繊維焼結体1が導電プレート2に強く圧接されても、繊維焼結体1は、損傷されることなく導電プレート2との均一な接触状態を維持する。
【0044】
導電プレート2の開口率は、30%以上70%以下であることが好ましく、40%以上55%以下であることがより好ましい。ここで、開口率とは、複数の通水孔41の総開口面積を導電プレート2の片面(表面または裏面)の総面積で除した数値(%)を指す。導電プレート2の開口率が、30%以上70%以下であれば、導電プレート2と電極板13との間の電気抵抗の低減と、導電プレート2と繊維焼結体1との間の電気抵抗の低減とを両立することができる。
【0045】
前記突出片42は、平板状の板材に前記通水孔41を形成する切り目を入れて片面側に突出させて形成されたものである。具体的には、前記導電プレート2が、チタン等の金属製である場合は、例えば、平板状の金属製の板材を複数の矩形状突起で押圧して、該複数の矩形状突起によって、前記板材に複数の貫通孔を穿孔すると共に、各貫通孔の位置で前記板材の一部を該板材の片面側に突出させて突出片を形成する冷間プレス法によって形成されたものである。このようにすれば、突出片が板材から構成されると共に、該板材から前記突出片が抜けた部分が貫通孔となるため、該貫通孔の周縁部から延びる脚部と、前記板材の板部分と略平行な平面部とを備えた突出片を容易に形成することができる。
【0046】
以上のように、本実施の形態の水電解セル30によれば、導電プレート2は、平板状の導電プレート本体40、または該導電プレート本体40と略平行な突出片42の平面部を介して電極板13または繊維焼結体1と面接触するため、二重構造給電体10と電極板13との間の電気抵抗が低くなって、電解電圧の上昇が抑制され、電気分解のエネルギー効率を高めることができる。また、また、導電プレート2の厚さ方向を貫通する複数の通水孔41により、二重構造給電体10の空隙率は大きいまま維持されるため、純水の必要供給量を確保することができる。
【0047】
また、導電プレート2は、平板状の板材によって構成されているため、二重構造給電体10の各構成部材の相互の接触が良好となって、圧縮性が高められる。また、導電プレート2を使用した電解室内で純水および電解により発生したガスの流れがスムーズとなり、これにより電気分解のエネルギー効率が高められると共に、純水による固体電解質膜11の冷却効果が向上し、固体電解質膜11が電解時の過熱により焼損する虞が少なくなる。
【0048】
尚、本発明は、その要旨を変更しない限り、上述した実施形態に何ら限定されるものではない。上述した実施形態においては、導電性板である導電プレート2、および、導電性焼結体である繊維焼結体1の材料として、機械的強度が高く、安価で入手容易であることからチタンを使用したが、二重構造給電体10が陽極側に用いられる場合には、耐酸性があり、かつ金属の溶出が少ないものであれば、チタンの他、ニオブ、チタン−パラジウム合金等も使用できる。また、二重構造給電体10が陰極側に用いられる場合には、導電プレート2および繊維焼結体1の材料として、チタンやカーボンの他、ステンレス鋼、グラファイト等も使用できる。また、繊維焼結体1には、耐酸性を高めるべく、白金メッキを施すこともできる。
【0049】
また、導電プレート2と繊維焼結体1とは、本実施の形態のように、単に並べ合わせるだけでもよいが、例えば、スポット溶接等で接合することもできる。その他の接合方法としては、導電プレート2と繊維焼結体1とを一体化することによって給電体全体の電気抵抗を低減できる任意の方法、例えば、焼結、ロウ付等を適用することができる。また、本発明に係る給電体は、二重構造に限定されるものではなく、3以上の部材を接合して構成することや、導電プレート2のみで給電体を構成することも可能である。
【0050】
また、導電プレート2と組み合わせる導電性焼結体として金属繊維が圧縮成形され焼結されてなる繊維焼結体1を用いたが、金属粉末が圧縮成形され焼結されてなる粉末焼結体を用いても構わない。
【0051】
また、導電プレート2に形成された通水孔41の形状は略長方形としたが、純水等の通水性が確保でき、かつ導電プレート2の形成も容易に行える形状であれば、正方形、菱形、円形、楕円形等でもよい。また、各通水孔41に対応して設けた突出片42の断面が略台形を形成し、該突出片42の平面部が導電プレート本体40と略平行となるように構成したが、導電プレート2と電極板13との充分な接触面積が確保される限り、例えば、突出片42の断面を略半円形としてもよい。
【0052】
また、導電プレート2は、突出片42の突出した側の面(表面)で電極板13に接触させたが、導電プレート本体40の側の面(裏面)で電極板13に接触させてもよい。
【0053】
また、導電プレート2において、突出片42と導電プレート本体40との間に、純水の流れの方向に整列した一対の開口43,43を形成したが、突出片42と導電プレート本体40との間に、純水の流れの上流側(前記入口ポート側)に向かって開口した開口のみを形成してもよい。これにより、該導電プレート2を陽極側の給電体に導電プレート2の表面で電極板13に接触する状態で使用した場合において、導電プレート2に供給された純水が、導電プレート2における複数の通水孔41を通過する際、まず前記開口を通過し、次いで突出片42に衝突し、その後各通水孔41を通って流れ出るため、前記純水は、固体電解質膜11の方向に付勢されるようになる。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、給電体と電極板との間の電気抵抗が低減され、電気分解のエネルギー効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給電体の一実施形態を示す断面図。
【図2】本発明に係る水電解セルの一実施形態を示す一部断面分解図。
【図3】(a)は、本発明に係る導電プレートの一実施形態を示す平面図であり、(b)は、別の形態を示す平面図。
【図4】図3(a)および図3(b)に示す通水孔および突出片の拡大図。
【図5】従来技術に係る水電解セルの一部断面分解図。
【符号の説明】
1…繊維焼結体(導電性焼結体)、2…導電プレート(導電性板)、10…二重構造給電体、11…固体電解質膜、13…電極板、15…固体電解質膜ユニット、20…エンドプレート、21…締付ボルト、30…水電解セル、40…導電プレート本体、41…通水孔、42…突出片、43…開口、44…支持部、45…脚部、50…矢印、51…焼結体、52…金属メッシュ、100…水電解セル、101…固体電解質膜、102…給電体、103…電極板、105…固体電解質膜ユニット、110…エンドプレート、111…締付ボルト

Claims (8)

  1. 水電解セルに用いられる給電体であって、少なくとも導電性板が設けられており、前記導電性板は、平板状の板部分と、該板部分から突出した複数の突出部とを備え、前記導電性板には、その厚さ方向を貫通する複数の貫通孔が形成されていることを特徴とする給電体。
  2. 前記突出部は、前記貫通孔の周縁部から延びる脚部と、前記板部分と略平行な平面部とを備えた突出片である請求項1に記載の給電体。
  3. 前記突出片は、前記板部分に前記貫通孔を形成する切り目を入れて片面側に突出させて形成されたものである請求項2に記載の給電体。
  4. 前記突出片の脚部と前記板部分とがなす角度が30°以上である請求項2または3に記載の給電体。
  5. 前記導電性板の開口率(複数の貫通孔の総開口面積/導電性板の片面の総面積)が30%以上70%以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の給電体。
  6. 前記導電性板が導電性を有する板材を加工して得られたものであり、該板材の厚さが0.2mm以上1.0mm以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の給電体。
  7. 前記導電性板に、更に導電性焼結体が積層され構成されている請求項2乃至6のいずれかに記載の給電体。
  8. 固体電解質膜と、該固体電解質膜の両面側に配設された電極板とを備える水電解セルであって、請求項1乃至7のいずれかに記載の給電体が、各電極板と前記固体電解質膜との間に介在するように設けられていることを特徴とする水電解セル。
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