JP6269311B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物で構成された電解質を用いた固体酸化物型の燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に関するものである。
この種の燃料電池として、平板状の単セルを複数積層した平板積層型のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この平板状の単セルは、平板状の電解質と、電解質の一面側に設けられた平板状の空気極と、電解質の他面側に設けられた平板状の燃料極とを有するものである。
平板積層型の燃料電池では、単セルに対して単セル表面に平行に反応ガスを供給する構造となっている。具体的には、燃料極表面に対向して配置された流路形成部材によって、燃料極に燃料ガスを供給するための燃料ガス流路が、燃料極表面に面するとともに、燃料極表面に平行に延びるように形成されている。これにより、燃料ガス流路を燃料極表面に平行に流れる燃料ガスが、燃料極表面から電解質側に向かって燃料極内部を拡散し、燃料極の電解質側の反応層で電気化学反応(発電反応)が生じる。
また、特許文献1には、平板積層型の燃料電池において、燃料極表面上に、直接、平板状の熱伝導層を配置した構造が記載されている
特開2004−22471号公報
ところで、平板積層型の燃料電池では、発電反応による燃料ガスの消費により、単セルに面する燃料ガス流路の燃料ガス濃度は、燃料ガス流れ方向中央部で高く、中央部から下流側に向かうにつれて低くなる。このため、単セルは、燃料ガス流れ方向中央部が最も温度が高く、燃料ガス流れ方向中央部よりも下流側に向かうにつれて温度が低くなるという温度分布が生じる。この温度分布が大きいと、すなわち、最大温度と最小温度の差が大きいと、熱応力によってセル割れが生じてしまう。したがって、この単セルの面方向での温度分布(温度差)を低減することが必要となる。
そこで、この温度分布の低減方法として、特許文献1のように熱伝導部材を用いることが考えられる。具体的には、燃料極よりも熱伝導しやすい平板状の熱伝導部材を燃料極表面に接触させる。このとき、熱伝導部材の燃料極との接触部を平面形状とし、燃料極表面と熱伝導部材の接触面積を大きくする等によって、燃料極と熱伝導部材との間の熱抵抗(接触抵抗)をできる限り小さくする。これにより、単セルの熱を燃料極から熱伝導部材へ直に移動させ、その熱を熱伝導部材内で単セルの面方向に移動させることが考えられる。
しかし、この場合、燃料極表面のうち熱伝導部材に対向する領域全体が、熱伝導部材に直接覆われてしまうため、燃料ガス流路からの燃料ガスの供給が阻害される。このため、熱伝導部材を用いない場合と比較して、単セルの発電出力が落ちてしまうという問題が生じる。
なお、単セルの面方向での温度分布の低減方法としては、平板状の熱伝導部材を空気極表面に接触させることも考えられる。しかし、この場合も空気極表面のうち熱伝導部材に対向する部分は、熱伝導部材に直接覆われてしまうため、空気流路からの空気の供給が阻害されるという問題が生じる。
本発明は上記点に鑑みて、電極への反応ガスの供給を阻害せずに、単セルの面方向での温度分布を小さくできる燃料電池を提供することを目的とする。
本願発明者が従来の平板状の単セルにおける熱コンダクタンスを熱回路モデルから算出した結果、単セル表面に垂直な方向でのセルと燃料ガスとの間の熱コンダクタンスが、単セル表面に平行な方向での単セル内部の熱コンダクタンスよりも圧倒的に大きいことを見出し(図6参照)、本願発明を創出するに至った。なお、熱コンダクタンスは、熱の伝わりやすさを意味し、熱抵抗の逆数で表される。
すなわち、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
固体酸化物で構成され、主表面を有する平板状の電解質(21)と、
電解質の主表面(21a、21b)に設けられ、電解質側とは反対側に電極表面(22a、23a)を有する平板状の電極(22、23)と、
電極表面に対向して配置され、電極表面との間に反応ガスが電極表面に平行に流れる反応ガス流路(6、7)を形成する流路形成部材(3)と、
電極表面と流路形成部材との間に配置され、電極および流路形成部材よりも単位断面積当たりの有効熱伝導率が高い熱伝導部材(9)とを備え、
流路形成部材は、熱伝導部材を介さずに、電極表面と電気的に接続された部分(8)を有し、
熱伝導部材は、反応ガス流れ方向に延伸しているとともに、電極表面との間に反応ガスが流れる空間を形成しており、
熱伝導部材と電極表面との間に形成される反応ガスが流れる空間は、熱伝導部材が配置されていない状態での電極表面と流路形成部材との間の空間よりも狭くなっていることを特徴としている。
これによれば、熱伝導部材と電極表面との間に反応ガスが流れる空間を形成しており、電極表面のうち熱伝導部材に対向する領域が熱伝導部材に直接覆われていないので、熱伝導部材によって電極への反応ガスの供給は阻害されない。
さらに、電解質と電極を有して構成される単セルと反応ガスとの間の熱コンダクタンスは、単セル内部の熱コンダクタンスよりも大きい。このため、本発明によれば、反応ガスを媒体として、単セルの熱を熱伝導部材に移動させ、その熱を熱伝導部材内で反応ガス流れ方向に移動させることができる。
よって、本発明によれば、電極への反応ガスの供給を阻害せずに、単セルの面方向での温度分布を小さくできる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態におけるスタック構造の燃料電池を示す模式図である。 図1の単セル同士の間に配置されるセパレータの下面図である。 図2中のIII−III線矢視断面図である。 図2、図3中のIV−IV線矢視断面図である。 比較例1における単セルとセパレータの断面図である。 比較例1の単セルとセパレータの積層構造体の熱回路モデルを示す図である。 第1実施形態と比較例1のそれぞれについての単セルの温度分布の解析結果である。 第2実施形態における単セルとセパレータの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本実施形態の燃料電池1は、固体酸化物型の燃料電池(SOFC)である。図1に示すように、燃料電池1は、燃料ガスと酸化剤ガス(本実施形態では空気)との電気化学反応により電気エネルギを出力する平板状の単セル2を上下方向に複数積層した平板積層型のスタック構造で構成されている。単セル2は、図2に示すセパレータ3を介して複数積層される。
図3、4に示すように、単セル2は、一面(本実施形態では上面)21aと他面(本実施形態では下面21b)を有する平板状の電解質21と、電解質21の一面21a側に設けられた平板状の酸化剤極(本実施形態では空気極)22と、電解質21の他面21b側に設けられた平板状の燃料極23とを備えている。なお、空気極22がカソード電極であり、燃料極23がアノード電極である。
電解質21は、酸化物イオンを空気極22側から燃料極23側へ伝導する機能を有する酸化物イオン伝導体で構成されている。電解質21としては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等の固体酸化物(セラミックス)で構成されたものを採用できる。電解質21の一面21aおよび他面21bが、電解質21の平行な2つの主表面である。
空気極22は、反応ガス(酸化剤ガス)を電解質21まで通すことが可能な導電性を有する多孔質体で構成されている。空気極22としては、ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物(LSCF)等で構成されたものを採用できる。空気極22は、電解質側とは反対側に、電解質21の一面21aに平行な電極表面(空気極表面)22aを有している。
燃料極23は、反応ガス(燃料ガス)を電解質21まで通すことが可能な導電性を有する多孔質体で構成されている。燃料極23としては、例えば、ニッケル(Ni)とイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のサーメット(Ni−YSZ)等で構成されたものを採用できる。燃料極23は、電解質側とは反対側に、電解質21の他面21bに平行な電極表面(燃料極表面)23aを有している。
単セル2は、平板状のフレーム4によって支持されている。フレーム4は、単セル2の外周縁部にガラスシール材5を介して接合されている。本実施形態では、フレーム4は、後述する一対のセパレータ3の間の空間を空気流路6と燃料ガス流路7とに分け隔てている。フレーム4は、ステンレス等の金属材料で構成されている。なお、フレーム4は、導電性セラミックス等の金属材料以外の導電性材料で構成されていてもよい。
セパレータ3は、図3に示すように、単セル2の電極表面22a、23aに対向して配置され、電極表面22a、23aとの間に反応ガスが電極表面22a、23aに平行に流れる反応ガス流路6、7を単セル2毎に形成する流路形成部材であり、隣り合う単セル2のそれぞれの反応ガス流路6、7を分け隔てている。なお、図3中の紙面垂直方向が反応ガスの流れ方向である。また、セパレータ3は、ステンレス等の金属材料で構成されており、隣り合う単セル2の電極同士を電気的に接続している。セパレータ3は、導電性セラミックス等の金属材料以外の導電性材料で構成されていてもよい。
具体的には、図3、4に示すように、セパレータ3は、1つの単セル2を1対のセパレータ31、32が挟むように配置されている。そして、単セル2の下側に位置する下側セパレータ32と単セル2の燃料極23およびフレーム4との間に燃料ガスが流れる燃料ガス流路7が形成されている。
燃料ガス流路7は、図4に示すように、燃料極表面23aに面する表面側流路7aと、燃料極23よりも燃料ガス流れ上流側に位置する上流側流路7bと、燃料極23よりも燃料ガス流れ下流側に位置する下流側流路7cとを有して構成される。上流側流路7b、表面側流路7aおよび下流側流路7cは、いずれも、燃料極表面23aに平行に延びており、各流路内部を燃料極表面23aに平行に燃料ガスが流れるようになっている。
表面側流路7aは、燃料極表面23aと下側セパレータ32との間に形成された空間によって構成される流路である。また、燃料極表面23aに面するとは、燃料極表面23aに向き合って接することを意味する。上流側流路7bは、セパレータ3の図示しない燃料ガス入口側(図4中左側)において、フレーム4と下側セパレータ32との間に形成された空間によって構成される流路である。下流側流路7cは、セパレータ3の図示しない燃料ガス出口側(図4中右側)において、フレーム4と下側セパレータ32との間に形成された空間によって構成される流路である。
表面側流路7aは、上流側流路7bおよび下流側流路7cと直接連通している。このため、図4中の矢印のように、燃料ガスは、上流側流路7b、表面側流路7a、下流側流路7cの順に、燃料極表面23aに平行に流れる。
また、図3に示すように、下側セパレータ32は凹凸形状を有しており、この凹凸形状によって、表面側流路7aが複数形成されているとともに、燃料極表面23aと電気的に接続される集電部8が複数形成されている。
具体的には、図2に示すように、セパレータ3(下側セパレータ32)には、下面3aから突出した凸部3bが形成されている。凸部3bは、一方向(図2中の左右方向)に延伸しており、その延伸方向に垂直な方向(図2中の上下方向)に複数並んでいる。凸部3bは、セパレータ3の上面3cでは凹部3dを構成している(図3、4参照)。凹部3dは、セパレータ3のうち燃料極23に対向する位置に形成されている(図3、4参照)。
そして、図3に示すように、セパレータ3(下側セパレータ32)の上面3cが燃料極表面23aに接しており、セパレータ3の上面3cに対して設けられた複数の凹部3dと燃料極表面23aとによって、一方向に平行に延びる複数の表面側流路7aが形成されている。なお、セパレータ3のうち燃料極表面23aと接触している部分が集電部8である。
このため、上流側流路7bを流れる燃料ガスは、上流側流路7bから複数の表面側流路7aに分配され、複数の表面側流路7aを通過した燃料ガスは、下流側流路7cに流入して合流するようになっている。
また、図3に示すように、単セル2の上側に位置する上側セパレータ31と単セル2の空気極22およびフレーム4との間に空気が流れる空気流路6が形成されている。なお、図3では、上側セパレータ31と空気極22との間に形成された空気流路6を示している。
空気流路6は、燃料ガス流路7と同様に、空気極表面22aに面する表面側流路6aと、空気極22よりも空気流れ上流側に位置する上流側流路(図示せず)と、空気極22よりも空気流れ下流側に位置する下流側流路(図示せず)とを有して構成される。空気流路6の上流側流路、表面側流路6aおよび下流側流路は、いずれも、空気極表面22aに平行に延びており、各流路内部を空気極表面22aに平行に空気が流れるようになっている。
本実施形態では、上側セパレータ31と下側セパレータ32は同じ形状であり、セパレータ3として1種類の形状のものを採用している。このため、下側セパレータ32と同様に、上側セパレータ31も凹凸形状を有しており、この凹凸形状によって、空気流路6の表面側流路6aが複数形成されているとともに、空気極表面22aと電気的に接続される集電部8が複数形成されている。このため、空気流路6の上流側流路を流れる空気は、上流側流路から複数の表面側流路6aに分配され、複数の表面側流路6aを通過した空気は、下流側流路に流入して合流するようになっている。
本実施形態では、各単セル2への燃料ガスの供給方向と空気の供給方向、すなわち、燃料ガス流路7内の燃料ガスの流れ方向と空気流路6内の空気の流れ方向は反対方向である(図2参照)。なお、各単セル2への燃料ガスの供給方向と空気の供給方向を同じ方向としてもよい。
また、本実施形態では、図3、4に示すように、セパレータ3が形成する複数の表面側流路7aのそれぞれの内部に熱伝導部材9が配置されている。熱伝導部材9は、燃料極23およびセパレータ3よりも単位断面積当たりの有効熱伝導率が高い部材である。一般的な燃料極23やセパレータ3の有効熱伝導率は、20.0W/mKも小さいことから、熱伝導部材9は、下記式を満たすものである。
熱伝導部材9の単位断面積当たりの有効熱伝導率=物質の熱伝導率×(100−断面空隙率(%))/100>20.0W/mK
本実施形態では、熱伝導部材9として、Cu金属で構成された緻密体を採用している。なお、熱伝導部材9は、Cuに限らず、Ni、Ag等の他の金属で構成されていてもよい。
本実施形態では、熱伝導部材9の形状は円柱である。したがって、熱伝導部材9は、セパレータ3と形体が異なっており、セパレータ3と別体のものである。なお、別体とは、形体が異なることを意味する。熱伝導部材9は、円柱の軸心方向が表面側流路7aの延伸方向(表面側流路7a内の燃料ガス流れ方向)と一致するように、1つの表面側流路7aに熱伝導部材9が1本ずつ配置されている。したがって、熱伝導部材9は、表面側流路7a内で、燃料ガス流れ方向に延伸している。
図3に示すように、熱伝導部材9は、燃料極表面23aとセパレータ3に挟まれた状態で、セパレータ3に固定されている。このため、燃料極23に対向する熱伝導部材9の表面の一部は燃料極表面23aと線接触し、燃料極23に対向する熱伝導部材9の表面のその他の部分は燃料極表面23aから離間している。すなわち、熱伝導部材9は、燃料極表面23aとの線接触部分を除き、燃料極表面23aとの間に燃料ガスが流れる隙間(空間)7、7aを形成している。
また、図4に示すように、燃料ガス流れ方向における熱伝導部材9の長さは、燃料ガス流れ方向における燃料極23の幅と同じであり、燃料極23の燃料ガス流れ方向での一端23c1から他端23c2までの範囲と対向している。なお、熱伝導部材9は、少なくとも燃料極23の一端23c1から他端23c2までの範囲と対向していれば、燃料極23の幅よりも長くてもよい。
このように構成される本実施形態の燃料電池1では、空気流路6を空気が流れることで単セル2の空気極22に空気中の酸素が供給され、燃料ガス流路7を燃料ガスが流れることで単セル2の燃料極23に燃料ガスが供給される。
燃料ガスとして水素が供給されることで、以下の反応式(1)、(2)に示す電気化学反応により、電気エネルギが出力される。
〈燃料極(アノード)〉
2H+2O →2HO+4e・・・(1)
〈空気極(カソード)〉
+4e→2O2−・・・(2)
また、燃料ガスとして一酸化炭素(CO)が供給されることで、以下の反応式(3)、(4)に示す電気化学反応により、電気エネルギが出力される。
〈燃料極(アノード)〉
2CO+2O2−→2CO+4e・・・(3)
〈空気極(カソード)〉
+4e→2O2−・・・(4)
次に、本実施形態の特徴について説明する。
まず、比較例1の単セルとセパレータの積層構造体の熱回路モデルについて説明する。比較例1のセルとセパレータの積層構造体は、図5に示すように、上記した図3、4に示す本実施形態のセルとセパレータの積層構造体に対して熱伝導部材9を省略したものである。本発明者が、この比較例1のセルとセパレータの積層構造体における熱コンダクタンスを熱回路モデルから算出したところ、図6に示す結果となった。
図6に示す比較例1の熱回路モデルでは、単セル2の物性と形状に基づいて算出した各熱コンダクタンスC1〜C11の結果を線の太さで示している。なお、各熱コンダクタンスCは、熱抵抗Rの逆数であり(C=1/R)、線が太い方が細い方よりも熱移動しやすいことを示す。また、熱回路中の矢印は熱の移動方向を示す。
C1は単セル2内部の熱伝導λに関する熱コンダクタンス、C2は単セル2とフレーム4の接触抵抗に関する熱コンダクタンス、C3はフレーム4の熱伝導λに関する熱コンダクタンスである。C4は空気流れに関する熱コンダクタンス、C5、C6は、空気の熱伝達αに関する熱コンダクタンスである。C7は、上側セパレータ31内部の熱伝導λに関する熱コンダクタンスである。C8は燃料ガス流れに関する熱コンダクタンス、C9、C10は、燃料ガスの熱伝達αに関する熱コンダクタンスである。C11は、下側セパレータ32内部の熱伝導λに関する熱コンダクタンスである。
各熱コンダクタンスC1〜C11を算出した結果、単セル2から燃料ガスに至るまでの熱コンダクタンスC9や燃料ガスから下側セパレータ32に至るまでの熱コンダクタンスC10等の単セル2表面に垂直な方向での熱コンダクタンスの方が、単セル2内部の熱コンダクタンスC1や上側、下側セパレータ31、32内部の熱コンダクタンスC7、C11等の単セル2表面に平行な方向での熱コンダクタンスよりも、圧倒的に大きいことがわかった。これは、比較例1のような平板状の単セル2では、反応ガス流路(燃料ガス流路7)を流れる反応ガス(燃料ガス)の流速が高く、反応ガス(燃料ガス)の熱伝達係数αが大きいためである。ただし、燃料ガスは熱容量が小さいので、比較例1のように燃料ガスの近くに熱伝導部材が存在しない場合、単セル2からの熱移動が少ないため、単セル2の面方向での温度分布が大きくなっていた。
そこで、本実施形態では、燃料ガス流路7の表面側流路7aの内部、すなわち、燃料極表面23aと下側セパレータ32との間に熱伝導部材9を配置する。このとき、熱伝導部材9を燃料極23の燃料ガス流れ方向での一端23c1から他端23c2までの範囲と対向させるとともに、燃料極表面23aと熱伝導部材9との間に燃料ガスが流れる空間を形成するように、熱伝導部材9を配置する。これにより、燃料ガスを媒体として、単セル2の熱を熱伝導部材9に移動させ、その熱を熱伝導部材9内で燃料ガスの流れ方向に移動させることができる。すなわち、単セル2の熱を、熱伝達と熱伝導によって、燃料ガスの流れ方向に移動させることができる。
このため、本実施形態によれば、図7の単セルの温度分布の解析結果に示すように、比較例1と比較して、燃料ガス流れ方向における単セル内部の温度差を低減できる。なお、図7は、図6と同様の熱回路モデルを用いて、本実施形態と比較例1のそれぞれにおいて、燃料流れ方向での単セル2(燃料極23)の一端23c1から他端23c2までの範囲内における各位置での温度を算出した結果である。図7に示す結果によると、本実施形態によれば、単セルの最大温度と最小温度の温度差ΔT1を、比較例1での単セルの最大温度と最小温度の温度差ΔT2に対して、温度差ΔT2の8割程減らした大きさにできる。
また、熱伝導部材9は、燃料極表面23aと線接触しているが、熱伝導部材9の燃料極表面23aとの接触部は平面形状ではないので、熱伝導部材9は燃料極表面23aを直接覆っていない。したがって、燃料極表面23aのうち熱伝導部材9に対向する領域が熱伝導部材9に直接覆われていないので、熱伝導部材9によって燃料極23への燃料ガスの供給は阻害されない。
ちなみに、本実施形態と異なり、燃料極表面23aに平面部を有する熱伝導部材を直に接触させた場合、燃料極表面23aと熱伝導部材の接触抵抗を低減させなければならない。そのためには、接触面積を大きくしたり、荷重を大きくしたり、表面粗さを小さくしたりする等が必要となってしまう。これに対して、本実施形態によれば、燃料極表面23aと熱伝導部材9との間に空間を形成するので、これらを不要にできる。
(第2実施形態)
図8に示すように、本実施形態は、燃料ガス流路7の表面側流路7aの内部において、熱伝導部材9が燃料極表面23aから離れて配置されている点が、第1実施形態と異なるものである。その他の構成は第1実施形態と同じである。なお、図8は、図3に対応する単セル2とセパレータ3の断面図である。
本実施形態の熱伝導部材9は、その横断面の面積が第1実施形態の熱伝導部材よりも小さいものである。また、熱伝導部材9は、セパレータ3に固定されている。本実施形態においても、熱伝導部材9と燃料極表面23aとの間に燃料ガスが流れる空間を形成しているので、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)上記各実施形態では、熱伝導部材9は横断面形状が円であったが、円でなく、多角形等の他の形状であってもよい。ただし、横断面形状が円以外の形状であっても、熱伝導部材9は、燃料極表面23aと線接触、もしくは、燃料極表面23aから離れて配置される。
(2)上記各実施形態では、熱伝導部材9は、燃料ガス流れ方向における燃料極23の幅と同じであったが、それよりも短くても良い。すなわち、熱伝導部材9は、燃料極23の燃料ガス流れ方向での一端23c1から他端23c2までの範囲と対向していなくてもよい。熱伝導部材9は、単セル2の燃料ガス流れ方向での温度差を低減できるように、燃料ガス流れ方向に延伸していればよい。
(3)上記各実施形態では、図3、4に示すように、複数の表面側流路7aをセパレータ3の凹凸形状によって形成していたが、セパレータ3の形状ではなく、セパレータ3とは別の部材によって複数の表面側流路7aを形成してもよい。例えば、セパレータ3を平面形状として、燃料極表面23aとの間に空間を形成するように、セパレータ3を配置する。そして、燃料極表面23aとセパレータ3との間に、両者の間の空間を複数の流路に仕切る仕切部材を配置することで、複数の表面側流路7aを形成してもよい。
(4)上記各実施形態では、熱伝導部材9を燃料ガス流路7の表面側流路7aの内部に配置していたが、熱伝導部材9を空気流路6の表面側流路6aの内部のみに配置しても良い。また、熱伝導部材9を、燃料ガス流路7と空気流路6の両方の内部に配置してもよい。
(5)上記各実施形態では、平板状の単セルが複数積層された燃料電池1に本発明を適用したが、平板状の単セルを1つのみ有する燃料電池においても、本発明の適用が可能である。
(6)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
2 単セル
21 電解質
22 空気極(電極)
23 燃料極(電極)
23a 燃料極表面(電極表面)
3 セパレータ(流路形成部材)
7 燃料ガス流路
9 熱伝導部材

Claims (6)

  1. 固体酸化物で構成され、主表面を有する平板状の電解質(21)と、
    前記電解質の主表面(21a、21b)に設けられ、前記電解質側とは反対側に電極表面(22a、23a)を有する平板状の電極(22、23)と、
    前記電極表面に対向して配置され、前記電極表面との間に反応ガスが前記電極表面に平行に流れる反応ガス流路(6、7)を形成する流路形成部材(3)と、
    前記電極表面と前記流路形成部材との間に配置され、前記電極および前記流路形成部材よりも単位断面積当たりの有効熱伝導率が高い熱伝導部材(9)とを備え、
    前記流路形成部材は、前記熱伝導部材を介さずに、前記電極表面と電気的に接続された部分(8)を有し、
    前記熱伝導部材は、前記反応ガス流れ方向に延伸しているとともに、前記電極表面との間に反応ガスが流れる空間を形成しており、
    前記熱伝導部材と前記電極表面との間に形成される反応ガスが流れる空間は、前記熱伝導部材が配置されていない状態での前記電極表面と前記流路形成部材との間の空間よりも狭くなっていることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記熱伝導部材は、前記電極表面(23a)の反応ガス流れ方向での一端(23c1)から他端(23c2)までの範囲と対向していることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記熱伝導部材は、前記反応ガス流路内で、前記電極表面と線接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記熱伝導部材は、前記反応ガス流路内で、前記電極表面から離れていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  5. 前記反応ガス流路は、前記流路形成部材に設けられた凹部によって形成されており、
    前記熱伝導部材は、前記凹部の内部で反応ガス流れ方向に延伸していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池。
  6. 前記反応ガス流路は複数であり、複数の前記反応ガス流路のそれぞれは、前記流路形成部材に設けられた複数の凹部によって形成されており、
    前記熱伝導部材は複数であり、複数の前記熱伝導部材のそれぞれは、前記複数の凹部のそれぞれの内部で反応ガス流れ方向に延伸していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の燃料電池。
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