JP2007103241A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極基材に設ける貫通孔により触媒層で生成された水が電極基材内に滞留することなく排出されて反応ガスの供給の妨げにならないとともに貫通孔を設けることによる電極基材の強度の低下をわずかに抑えられる燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池は、カソードガス拡散層、カソード触媒層、高分子電解質膜、アノード触媒層、アノードガス拡散層を順に積層して構成される膜電極接合体および上記膜電極接合体を両側から挟持するセパレータ板を備え、上記カソードガス拡散層に貫通孔および上記セパレータ板の上記膜電極接合体に面する面にガス流路が設けられている燃料電池において、上記カソードガス拡散層は、酸化剤ガスが流される上記ガス流路に面する面に上記ガス流路と上記貫通孔とを連通する溝が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、水素と酸素が反応して発電するときに生成する水を外部に排出する燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、アノード電極、カソード電極、ガス流路が形成されているセパレータ板および両電極間を隔てる高分子電解質膜から構成されている。アノード電極およびカソード電極は、ガス拡散層とも呼ぶ電極基材、触媒と固体電解質成分からなる触媒層および触媒層と電極基材との電気的接続と電極基材の平坦性を向上する多孔性導電層で構成されている。
電極基材は、触媒層と接触して集電するとともに触媒層に反応ガスを供給する一方反応によって生成した水を排出する経路を提供している。
電極基材には一般的に導電性の高い炭素繊維からなる多孔材料が用いられており、その繋がった空孔を通じてセパレータ板のガス流路から反応ガスが触媒層に供給される。一方、触媒層上で生成した水もその空孔を通じてガス流路に排出される。燃料電池内の水は気相と液相の両方の状態で存在しているが、燃料電池を高い加湿状態で運転する場合には液相の割合が大きく、液相の水が電極基材内に滞留すると反応ガス供給の妨げとなる。そこで、特にカソード電極における電極基材内に水が滞留し、ガス供給空間を閉塞させることがないように電極基材の炭素繊維表面に撥水処理が施されている。
しかし、電極基材のような細孔内部の濡れ性が撥水処理によって低い状態にあると、液相の水の通過が困難となる。撥水処理されて、接触角が大きい状態にある電極基材内部は水が極めて通過しにくい。そこで、水を通過しやすくするために、電極基材自体の空孔よりも大きな径の貫通孔がガス拡散層を貫通している。具体的には、電極基材に高い密度で直径100μm以上の貫通孔を形成すると水の通過抵抗は著しく低くなる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−38738号公報
しかし、電極基材に貫通孔が形成されていても、貫通孔の近傍だけからは水が容易に排出されるようになるが、その効果が及ぶ範囲は限られており、貫通孔から離れた電極基材の部分からの水の排出に寄与しないという問題がある。
また、セパレータ板のガス流路に面している貫通孔は水の排出経路として機能するが、ガス流路間のセパレータ板に接触している貫通孔は開口が塞がれた形になるので機能しない。従って、実際に貫通孔により水の排出が促進される部分はガス流路に面している貫通孔の近傍だけであるので、電極面全体に占める割合は小さいという問題がある。
この発明の目的は、電極基材に設ける貫通孔により触媒層で生成された水が電極基材内に滞留することなく排出されて反応ガスの供給の妨げにならないとともに貫通孔を設けることによる電極基材の強度の低下をわずかに抑えられる燃料電池を提供することである。
この発明に係わる燃料電池は、カソードガス拡散層、カソード触媒層、高分子電解質膜、アノード触媒層、アノードガス拡散層を順に積層して構成される膜電極接合体および上記膜電極接合体を両側から挟持するセパレータ板を備え、上記カソードガス拡散層に貫通孔および上記セパレータ板の上記膜電極接合体に面する面にガス流路が設けられている燃料電池において、上記カソードガス拡散層は、酸化剤ガスが流される上記ガス流路に面する面に上記ガス流路と上記貫通孔とを連通する溝が形成されている。
この発明に係わる燃料電池の効果は、カソードガス拡散層に貫通孔とセパレータ板と接触する面に溝が設けられ、カソード触媒層で生成した水が貫通孔、溝を経由してガス流路に排出されているので、カソードガス拡散層中に水が滞留することなく排出され、燃料電池の出力電圧が向上する。特に、水が滞留しやすい高加湿運転時や水の発生が多い高負荷運転時の電圧が著しく向上する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる燃料電池の部分概略図である。図1において発明の特徴を明示できるように、カソード側のセパレータ板だけを膜電極接合体から離して図示し、アノード側のセパレータ板の図示は省略してある。
この発明の実施の形態1に係わる燃料電池1は、図1に示すように、プロトン導電性を有する高分子電解質膜2、高分子電解質膜2の両面から挟持するアノード電極3およびカソード電極4、高分子電解質膜2を挟持するアノード電極3およびカソード電極4に接するセパレータ板5を有している。これら一組がセルを構成し、複数のセルが積層されて燃料電池1が構成される。
そして、アノード電極3とカソード電極4は、それぞれ触媒層6a、6b、ガス拡散層7a、7b、導電性多孔層8を有している。触媒層6a、6bは、反応の場であり、導電性多孔層8を介在して高分子電解質膜2に面している。ガス拡散層7a、7bは、触媒層6a、6bとセパレータ板5とを電気的に接続する。また、ガス拡散層7a、7bは、セパレータ板5のガス流路9を流れてきたガスを触媒層6a、6bに供給するために伝達するとともに触媒層6a、6bで生成された水をガス流路9に排出するための伝達する通路の働きを果たす。
導電性多孔層8は、触媒層6a、6bのガス拡散層7a、7bの反対の面に形成されている。この導電性多孔層8は、カーボンブラック等の粒子状導電材料とフッ素系樹脂等のバインダーからなる。導電材料、バインダーともに燃料電池1内の高温高湿環境で安定なものが使用される。
カソード電極4のカソードガス拡散層7bは、カソードガス拡散層7bを貫通する水の排出経路となる貫通孔11と、セパレータ板5に接触する面に並行する溝12が形成されている。
貫通孔11は、頭切の四角錐の孔であり、一方の開口部は一辺約250μm、他方の開口部は一辺約100μmの正方形状である。細孔を水が通過するために必要な細孔の出入口間の圧力差ΔPは、ΔP=4×σ×cosα÷Dによって求められる。なお、σは表面張力、αは接触角、Dは孔径である。この式から分かるように水を通過しやすくするためには細孔の孔径を大きくすることが有効である。そして、カソードガス拡散層7bに直径100μm以上の貫通孔11を形成すると水の通過抵抗が著しく低くなる。そこで、実施の形態1に係わる貫通孔11を小さな開口部の1辺が100μmとなるようにして形成している。
溝12は、貫通孔11を連通する三角溝である。
なお、貫通孔11として頭切の四角錐を説明したが、これに限らずに頭切の円錐、頭切の三角錐などであってもよい。
また、溝12の断面形状が三角形であるとして説明したが、これに限るものではない。
ガス拡散層7a、7bには、燃料電池1内の環境において安定な導電性多孔体を用いることができる。一般的にはカーボンペーパーやカーボンクロスといった、カーボン繊維で形成された多孔体が用いられる。
触媒層6a、6bは、主に触媒粒子、触媒粒子とイオンのやりとりをする高分子電解質からなり、必要に応じて無機質粒子やポリマー粒子・カーボン粒子等の添加物を混入することも可能である。こうした添加物は、触媒層6a、6bの親水・撥水性を制御したり、空孔率を向上したりする目的で適宜用いられる。
触媒粒子としては、カーボンブラック粒子表面に白金など触媒活性を持つ金属微粒子を担持したものが一般的に用いられる。
触媒層6a、6bの形成法としては、高分子電解質膜2上に直接塗布形成する方法、高分子電解質膜2とは別の基材上に形成した後に高分子電解質膜2上に転写する方法などを用いることができる。
高分子電解質膜2としては燃料電池1内の環境において安定で、プロトン伝導性とガスバリア性が高く、電子導電性のないものが用いられる。一般にはパーフルオロ系主鎖とスルホン酸基からなる高分子電解質が用いられる。
セパレータ板5としては燃料電池1内の環境においても安定で緻密な導電性板を用いることができる。一般にはカーボン板にガス流路9の溝を形成したものが用いられる。
詳しい説明は省略するがガスシール部が電極部の周囲に形成されている。燃料電池1内の環境で安定で、ガスバリア性が高い材料が用いられる。また、ガスシール部には各セルにガスや冷却液を分配供給するためのマニホールド穴が設けられることがあるので、ガスシール材は冷却液に接しても安定なものが用いられる。
このような燃料電池1は、カソードガス拡散層7bを貫通する貫通孔11とカソードガス拡散層7bの表面で貫通孔11とセパレータ板5のガス流路9とを連通する溝12が設けられることにより、カソード触媒層6bで生成された水が貫通孔11と溝12とを経由して容易にガス流路9に排出される。
また、カソードガス拡散層7b内に3次元的な水の排出経路が形成されるので、カソードガス拡散層7bの機械的強度が低下するほどには貫通孔11を設けなくてもよい。
また、高分子電解質膜2の乾燥度合いが均一になり、高分子電解質膜2の寿命の偏りが少なくできる。
次に、ガス拡散層7a、7bの製造方法について説明する。
電極基材として厚さ300μm、空孔率80%のカーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H90)31を用いる。
また、貫通孔11を形成するための貫通孔用金型21として厚さ10mmの金属板の表面に機械加工によって複数の突起を形成して用意した。突起の形状は、図2に示すように、底面が1辺0.5mmの正方形で高さが0.93mmの四角錐である。この四角錐を格子間距離1mmの正方格子状に配列した。
また、溝12を形成するための溝用金型22として厚さ10mmの金属板の表面に多数の平行線状の突起を機械加工によって形成して用意した。突起の形状は、図3に示すように、先端が尖った平行線状で、高さが0.93mm、底面の巾が0.5mmの2等辺三角形状の断面である。この線状突起を1mm間隔で平行線状に配列した。
次に、図4に示すように、カーボンペーパー31を厚さ25μmのPETフィルム32で挟んで貫通孔用金型21の上に置き、さらにその上に厚さ200μmのポリエチレンフィルム33と厚さ5mmのポリカーボネート板34を重ね、平板プレスで全体を加圧した。
貫通孔用金型21の突起はPETフィルム32、カーボンペーパー31、ポリエチレンフィルム33を貫通し、突起の先端がポリカーボネート板34の中にくい込む。
次に、プレスによって穿孔したカーボンペーパー31を超音波洗浄して脱落した炭素繊維を除去した。カーボンペーパー31には頭切の四角錐の貫通孔11が穿孔され、顕微鏡観察を行ったところ、一方の開口部は一辺約250μm、他方の開口部は一辺約100μmの正方形状であった。この大きな方の開口部をセパレータ板5に面するように配置する。
次に、図5に示すように、貫通孔11を形成したカーボンペーパー31上に溝用金型22を乗せ、加圧しながら平行線方向(図5の矢印の方向)に擦過することでカーボンペーパー31上に溝12を形成した。カーボンペーパー31の貫通孔11の開口部の大きい側と平行線状の突起を対向させ、貫通孔11と溝12の位置が重なるように位置合わせを行って溝成形加工を行った。
次に、溝12を形成したカーボンペーパー31をフッ素樹脂ディスパージョン液に浸漬し、乾燥後に400℃に加熱することでフッ素樹脂を炭素繊維上に定着させた。
次に、フッ素樹脂を定着したカーボンペーパー31の貫通孔11の開口部が小さい面に、導電性多孔層8を塗布形成した。すなわち、カーボンブラックとフッ素樹脂ディスパージョン液とを混合してペースト状とし、これをドクターブレード法でカーボンペーパー31上に塗布した。
このようにしてカソードガス拡散層7bが製造される。
また、アノードガス拡散層7aは、カソードガス拡散層7bと同様なカーボンペーパーを用意して、フッ素樹脂を定着し、一方の面に導電性多孔層8をカソードガス拡散層7bと同様にして形成した。アノードガス拡散層7aはカソードガス拡散層7bと異なり、貫通孔11と溝12の形成は省略されている。
次に、カソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aの形成について説明する。
カソード触媒粒子としては白金をカーボンブラック上に50wt%担持したものを用いた。アノード触媒粒子としては白金-ルテニウム系金属をカーボンブラック上に50wt%担持したものを用いた。
そして、カソード触媒粒子1重量部に水1重量部、パーフルオロ系高分子電解質溶液(デュポン社製、Nafion(登録商標)溶液)3重量部を添加し、攪拌混合して均一な状態のカソード触媒ペーストを得た。
また、アノード触媒粒子1重量部に水1重量部、パーフルオロ系高分子電解質溶液6重量部を添加し、攪拌混合して均一な状態のアノード触媒ペーストを得た。
それから、カソード触媒ペーストとアノード触媒ペーストをそれぞれ別々にPETフィルム上に所定サイズにスクリーン印刷した後に乾燥してカソード触媒層6b、アノード触媒層6aを得る。
次に、膜−触媒接合体の形成について説明する。
高分子電解質膜2として厚さ50μmのデュポン社製Nafion(登録商標)膜を用いた。高分子電解質膜2の大きさはカソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aの外形よりも全周で7mm大きくなるようにトリミングした。
次に、高分子電解質膜2と、カソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aがそれぞれ形成されたPETフィルムとをカソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aがそれぞれ高分子電解質膜2に接触するように積層し、140℃で3分間ホットプレスした。このプレスによってカソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aはPETフィルムから高分子電解質膜2上に転写され、カソード触媒層6b、アノード触媒層6aおよび高分子電解質膜2が一体化した膜−触媒接合体を得た。
次に、アノードガス拡散層7aおよびカソードガス拡散層7bにガスシール部を形成することについて説明する。
カソードガス拡散層7bおよびアノードガス拡散層7aの外形寸法が、カソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aの外形寸法よりも一周の長さが2mm大きくなるように加工する。
また、厚み240μmのポリオレフィン系熱可塑樹脂シートを、外形寸法が、カソードガス拡散層7bおよびアノードガス拡散層7aの外形寸法よりも一周の長さが20mm大きくなるように加工する。さらに、この熱可塑樹脂シートの中央にカソード触媒層6bおよびアノード触媒層6aの外形と同じ大きさの窓を開けた。
そして、熱可塑樹脂シートとカソードガス拡散層7bとを導電性多孔層8が熱可塑樹脂シート側にくるようにして全周の重なりが均一になるように積層し、全体を120℃で2分間ホットプレスすることでガスシール付きカソードガス拡散層7bを得た。また、熱可塑樹脂シートとアノードガス拡散層7aとを導電性多孔層8が熱可塑樹脂シート側にくるようにして全周の重なりが均一になるように積層し、全体を120℃で2分間ホットプレスすることでガスシール付きアノードガス拡散層7aを得た。
次に、膜電極接合体10の形成について説明する。
ガスシール付きカソードガス拡散層7bとガスシール付きアノードガス拡散層7aとで膜−触媒接合体をガスシールが膜−触媒接合体に面するようにして挟み込み、全体を120℃で1分間ホットプレスすることで膜電極接合体10を得た。
次に、性能評価用セルの形成について説明する。
この膜電極接合体10をカーボン製のセパレータ板5で両側から挟み、その外部から、発熱体を内蔵した金属板で面圧をかけて、性能評価用セルとした。セパレータ板5のガス流路9は、図6に示すようなサーペンタイン型であり、ガス流路9の巾は0.8mm、流路間の巾も0.8mmとした。また、カソードガス拡散層7bの表面に加工した溝12がガス流路9に直角に交わるように図1に示すように積層した。
次に、性能評価用セルの運転と特性の評価について説明する。
性能評価用セルを外部負荷に接続し、アノード側には常圧の水素ガスを、カソード側には常圧の空気を供給して発電を行った。水素ガスの利用率は70%に、空気側の酸素利用率は40%になるように流量を設定した。ガスは外部加湿器で加湿を行ってからセルに供給した。また、セルの温度は75℃になるように発熱体によって温度調節した。供給ガスの湿度については両極とも露点75℃となるように外部加湿器を調節した。そして、電流密度250mA/cmで24時間連続運転時点での電圧は736mVであった。また、電流密度500mA/cmにおける電圧は634mVであった。
なお、実施の形態1に係わる燃料電池1の特性と比較するために、比較例1としてカソードガス拡散層7bの表面に溝加工を行わないこと以外は実施の形態1と同様な性能評価用セルを形成した。この性能評価用セルを実施の形態1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで734mVであった。また、電流密度500mA/cmで電圧は624mVであった。
また、比較例2としてカソードガス拡散層7bをアノードガス拡散層7aと同様にしたこと以外は実施の形態1と同様な性能評価用セルを形成した。この性能評価用セルを実施の形態1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで728mVであった。また、電流密度500mA/cmにおける電圧は598mVであった。
この発明に係わる燃料電池1は、カソードガス拡散層7bに設けられた貫通孔11につながり、カソードガス拡散層7bのセパレータ板5と接触する面に刻まれた溝12が、貫通孔11とセパレータ板5のガス流路9とを連通し、カソード触媒層6b上で生成された水が貫通孔11および溝12を経由してガス流路9に排出されるので、水が移動しやすい連続した空間によってカソード触媒層6bとガス流路9が連通されているためにカソードガス拡散層7b中に水が滞留することなく排出される。その結果、燃料電池1の出力電圧が向上する。特に、水が滞留しやすい高加湿運転条件や水の発生が多い高負荷運転時の電圧が著しく向上する。
また、貫通孔用金型21を用いて貫通孔11を穿孔するとき残る可能性のある小さい方の開口部の縁のバリを導電性多孔層8により平坦化するので、高分子電解質膜2へダメージを与えることが防がれる。
なお、水の排出性やガスの拡散性を向上するための貫通孔11や溝12は主にカソード側に適用するが、アノード側への適用も可能であり、ガス拡散性を向上することが可能になる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係わるカソード側のセパレータ板5Bとカソードガス拡散層7Bbの様子を示す図である。なお、セパレータ板5Bのカソードガス拡散層7Bbに面する面の様子を分かりやすくするために、セパレータ板5Bを上下逆さにして図示している。
この発明の実施の形態2に係わる燃料電池は、実施の形態1に係わる燃料電池1と溝14がカソードガス拡散層7Bbではなくセパレータ板5Bに設けられていることが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態2に係わるカソードガス拡散層7Bbは、図7に示すように、実施の形態1に係わるカソードガス拡散層7bの溝12が設けられていないこと以外同様である。
実施の形態2に係わるカソード側のセパレータ板5Bは、図7に示すように、ガス流路9間のカソードガス拡散層7Bbと接触する面に隣接するガス流路9を連通する溝14が形成されている。この溝14は、実施の形態1に係わるカソードガス拡散層7bに設けられているのと同様なカソードガス拡散層7Bbの貫通孔11の開口部に面する位置に形成され、貫通孔11とガス流路9を連通している。溝14の形状は実施の形態1と同様である。
このセパレータ板5Bと、カソードガス拡散層7Bbを用いて実施の形態1と同様に作製した膜電極接合体と、を組み合わせて電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで736mV、また、電流密度500mA/cmにおける電圧は734mVであった。
このような燃料電池は、セパレータ板5Bのカソードガス拡散層7Bbと面する面に貫通孔11に面する位置に溝14が設けられているので、貫通孔11とセパレータ板5Bのガス流路9が溝14により連通され、電池の出力を向上することができる。
実施の形態3.
図8は、この発明の実施の形態3に係わるカソードガス拡散層の部分概略図である。
この発明の実施の形態3に係わる燃料電池は、図8に示すように、実施の形態1に係わる燃料電池1と溝15がカソードガス拡散層7Cbのカソード触媒層6bに面する面に設けられていることが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
このカソードガス拡散層7Cbを用いて実施の形態1と同様にして膜電極接合体を作製し、実施の形態1と同様に性能評価用セルを形成した。この性能評価用セルを実施の形態1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで734mVであった。また、電流密度500mA/cmにおける電圧は629mVであった。
このような燃料電池は、カソードガス拡散層7Cbのカソード触媒層6bに接する面に溝15が設けられているので、カソード触媒層6bで生成された水が溝15を伝わって貫通孔11を経由してガス流路9に導かれ、カソードガス拡散層7Cb中の滞留水を減少することができる。
なお、実施の形態3においてカソードガス拡散層7Cbのカソード触媒層6bに面する面だけに溝15を設けているが、実施の形態1のような溝12を併せて設けてもよい。
実施の形態4.
図9は、この発明の実施の形態4に係わる貫通孔とガス流路との位置関係を示す図である。
この発明の実施の形態4に係わる燃料電池は、図9に示すように、実施の形態1に係わる燃料電池1の貫通孔11と形状が異なる貫通孔16がカソードガス拡散層に設けられ、それに関わって実施の形態1に係わる燃料電池1の溝12がカソードガス拡散層に設けられていないことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態4に係わる貫通孔16は、カソードガス拡散層の面方向の断面形状が長辺1000μm、短辺100μmの長方形である。そして、カソードガス拡散層とセパレータ板とを組み立てるとき、貫通孔16の長辺がセパレータ板のガス流路9に直角に交わるように組み立てられている。
このカソードガス拡散層を用いて性能評価用セルを実施の形態1と同様にして作成した。この性能評価用セルを実施の形態1と同様に電池運転したところ、8時間経過時点の電圧は電流密度250mA/cmで735mVであった。また、電流密度500mA/cmにおける電圧は633mVであった。
この貫通孔16のカソードガス拡散層の面方向の断面形状の長辺が、セパレータ板の複数のガス流路9を跨っているので、貫通孔16のセパレータ板に面する開口部の一部は必ずガス流路9に開口している状態になっている。従って、カソードガス拡散層の少なくとも一方の面に溝を設けなくてもカソード触媒層からガス流路9へ水が容易に排出される。
なお、貫通孔16のカソードガス拡散層の面方向の断面形状として長方形を例に挙げたが、例えば楕円など長方形に限るものではない。
この発明の実施の形態1に係わる燃料電池の部分概略図である。 実施の形態1に係わる貫通孔を形成するための貫通孔用金型の概略図である。 実施の形態1に係わる溝を形成するための溝用金型の概略図である。 実施の形態1に係わる貫通孔を穿孔する様子を示す図である。 実施の形態1に係わる溝を形成する様子を示す図である。 実施の形態1に係わる貫通孔、溝およびガス流路の位置関係を示す図である。 この発明の実施の形態2に係わるセパレータ板とカソードガス拡散層の様子を示す図である。 この発明の実施の形態3に係わるカソードガス拡散層の部分概略図である。 この発明の実施の形態4に係わる貫通孔とガス流路の位置関係を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池、2 高分子電解質膜、3 アノード電極、4 カソード電極、5、5B セパレータ板、6a アノード触媒層、6b カソード触媒層、7a アノードガス拡散層、7b、7Bb、7Cb カソードガス拡散層、8 導電性多孔層、9 ガス流路、10 膜電極接合体、11、16 貫通孔、12、14、15 溝、21 貫通孔用金型、22 溝用金型、31 カーボンペーパー、32 PETフィルム、33 ポリエチレンフィルム、34 ポリカーボネート板。

Claims (5)

  1. カソードガス拡散層、カソード触媒層、高分子電解質膜、アノード触媒層、アノードガス拡散層を順に積層して構成される膜電極接合体および上記膜電極接合体を両側から挟持するセパレータ板を備え、上記カソードガス拡散層に貫通孔および上記セパレータ板の上記膜電極接合体に面する面にガス流路が設けられている燃料電池において、
    上記カソードガス拡散層は、酸化剤ガスが流される上記ガス流路に面する面に上記ガス流路と上記貫通孔とを連通する溝が形成されていることを特徴とする燃料電池。
  2. カソードガス拡散層、カソード触媒層、高分子電解質膜、アノード触媒層、アノードガス拡散層を順に積層して構成される膜電極接合体および上記膜電極接合体を両側から挟持するセパレータ板を備え、上記カソードガス拡散層に貫通孔および上記セパレータ板の上記膜電極接合体に面する面にガス流路が設けられている燃料電池において、
    上記カソードガス拡散層に接触する上記セパレータ板は、上記カソードガス拡散層に面する面に上記ガス流路と上記貫通孔とを連通する溝が形成されていることを特徴とする燃料電池。
  3. 上記カソードガス拡散層は、上記カソード触媒層と面する面に上記貫通孔に接続される溝が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載する燃料電池。
  4. カソードガス拡散層、カソード触媒層、高分子電解質膜、アノード触媒層、アノードガス拡散層を順に積層して構成される膜電極接合体および上記膜電極接合体を両側から挟持するセパレータ板を備え、上記カソードガス拡散層に貫通孔およびが上記セパレータ板の上記膜電極接合体に面する面にガス流路が設けられている燃料電池において、
    上記貫通孔は、上記セパレータ板に面する開口部の一部が上記セパレータ板に設けられたガス流路に開口していることを特徴とする燃料電池。
  5. 上記貫通孔は、上記セパレータ板に面する開口部の長辺の長さが、隣り合う位置にあるガス流路間の距離よりも長いことを特徴とする請求項4に記載する燃料電池。
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