JP4564682B2 - 交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交換装置に関し、特に、回線を介して接続される送受信装置間に設けられ、情報の中継伝送をなす交換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信データの欠損あるいは重複が生じないようにクロックを切替制御する技術として、特開平2−306740号公報に開示されている従属同期方式がある。図7にこの従属同期方式におけるデータ通信システムの中継方式のブロック図を示す。これは、データ伝送網において、現用系の従属クロックに障害が発生した場合、同期クロックを予備系の従属クロックあるいは自走クロックへ切り替えを行っているものである。
【0003】
図7において、デジタル網20は網同期クロック源である主クロック源10を有し、デジタル信号を交換するデジタル交換機6と、デジタル信号を伝送するデジタル伝送路200−1〜200−nを介し、同期多重化装置4−0〜4−nに接続されている。同期多重化装置4−0〜4−nは、夫々デジタル伝送路400−0〜400−nを介してデジタル交換機6に接続されている。同期多重化装置4は、クロック抽出部40と、自走クロック源42と、切替スイッチ44とを有し、クロック抽出部40は、その入力がデジタル伝送路200に接続されている。
【0004】
クロック抽出部40は、その出力が切替スイッチ44の一方の入力に接続され、クロック抽出部40で抽出された網同期クロック10がクロック供給線401に出力される。切替スイッチ44は、他方の入力が自走クロック源42に接続されており、その出力がクロック供給線401を介しデジタル交換機6に接続されている。また、同期多重化装置4は障害情報線402を介し、デジタル交換機6に接続されている。
【0005】
デジタル交換機6は、信号線400−0〜400−n,401−0〜401−n,402−0〜402−nを介し同期多重化装置4−0〜4−nに接続されている。デジタル交換機6は、障害監視部60と、正常系クロック選択部62と、自走クロック源64と、切替スイッチ66とを有する。障害監視部60には、デジタル交換機6に接続されている同期多重化装置4の夫々の障害情報線402−0〜402−nと、クロック供給線401−0〜401−nとが接続されている。
【0006】
正常系クロック選択部62には、クロック供給線401−0〜401−nが接続され、障害監視部60からの障害監視結果600に基づきクロック供給線401−0〜401−nの中から何れかが選択出力される。正常系クロック選択部62は、選択した正常系クロック602を切替スイッチ66の一方に出力する。切替スイッチ66は、他方が自走クロック64に接続され、正常系クロック602あるいは自走クロック64の何れかを選択し、デジタル交換機6の内部に供給する。
【0007】
次に、この従属同期方式におけるデータ通信の動作について簡単に説明する。
デジタル交換機6に供給されている同期多重化装置4−0からの網同期クロック10をクロック供給線401−0を介して正常系クロック選択部62が選択している場合、デジタル伝送路200−0の障害を同期多重化装置4−0が検出すると、スイッチ44−0をクロック抽出部40−0側から自走クロック42−0側へ切り替えると共に、障害情報線402−0を介してデジタル交換機6の障害監視部60へ通知する。
【0008】
障害監視部60は、この通知を受けると障害監視結果600を介し正常系クロック選択部62に網同期クロック10の切り替えを指示する。正常クロック選択部62は、クロック供給線を401−0から他の正常な網同期クロック10を供給している401−1に切り替える。これにより、デジタル網20の主クロック源10に従属したシステムの同期が図られている。
【0009】
また、デジタル伝送路200−0〜200−nの全てに障害が発生したことを障害監視部60が検出すると、正常系クロック選択部62が同期多重化装置4−0〜4−nの自走クロック源42−0〜42−nの何れかを選択し、デジタル交換機6は、これに同期する。更に、障害監視部60が、クロック供給線401−0〜401−nの全ての異常を検出すると、デジタル交換機6は切替スイッチ66を切り替え自走クロック源64による独立運用を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図7に示す従属同期方式では、伝送路に障害が発生した場合、クロックの状態を従属クロックあるいは自走クロックへ切り替えることにより、システムの同期を図っているものである。すなわち、クロック状態の切り替えを行うことが主目的となっており、クロック状態の切り替わりに伴う影響については何等考慮されていない。かかる場合、クロック状態の切り替わりによって、その瞬間クロックの精度が劣化するため、その間に送受信装置間に伝送される制御信号やデータ信号は誤り率が増加し、最悪の場合通信エラーになるという問題がある。この通信エラーを回復するためには、送信装置から受信装置に対して再度制御信号やデータ信号を送信する必要があるため、データ伝送効率が悪く、処理が複雑になるという課題もある。
【0011】
また、クロック状態の切り替わりにおいて、一時的なクロック精度の劣化に伴い誤り率の高い制御信号やデータ信号が伝送されても、送受信装置に対してそれがクロック状態の切り替わりに起因するものである旨の通知をする手段がないため、送受信装置においては原因不明の誤り率の増加や通信エラーが発生するという問題もある。
【0012】
そこで、本発明はかかる従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、クロック状態の切り替わりにおいて、一時的なクロック精度の劣化に伴う制御信号やデータ信号の誤り率の増加を防止すると共に、送受信装置に対して、クロック状態が切り替わっている旨を通知する優れた交換装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
送信装置からのデータを一時蓄積する受信バッファと、
この受信バッファからのデータをスイッチング処理するスイッチ手段と、
このスイッチ手段の出力データを一時蓄積して受信装置へ送信する送信バッファと、
前記送信装置からの受信データのクロック成分に従属した従属クロックに同期して動作する従属モードと自走クロックに同期して動作する自走モードとを切り替え制御するモード制御手段と、
を含む交換装置であって、
前記モード制御手段によるモード切り替え時に、前記受信バッファからのデータの送出は停止せずに、前記送信バッファからのデータの送出を停止制御する制御手段を含むことを特徴とする交換装置が得られる。
【0014】
そして、前記送信バッファからのデータの送出の停止を前記受信装置へ通知する通知手段を、更に含むことを特徴とし、前記モード切り替え後のクロックの状態を監視するクロック監視手段を更に含み、前記制御手段は、この監視結果が許容値以内であれば前記送信バッファからのデータの送出停止を解除するようにしたことを特徴とする。また、前記モード制御手段は、前記送信装置からのデータ伝送回線の回線品質に応じて前記モード切替え制御をなすようにしたことを特徴とする。
【0015】
更に、ATM(Asynchronous Transfer Mode)通信システムに用いられ、前記通知手段はOAM(Operation And Maintenance:保守運用)セルによる通知をなすことを特徴とする。
【0016】
本発明の作用を述べる。交換装置の同期クロックが、回線の品質に応じて、従属クロックから自走クロックへ、自走クロックから従属クロックへ、あるいは従属クロックから他の従属クロックへ切り替えられる間、送信バッファ信号と受信バッファ信号とを用いて送信バッファ部からのデータ出力と受信バッファ部からのデータ出力とを一時的に中断する。更に、送信データバッファリング通知信号を用いて、送受信装置に対してデータの中継伝送が中断状態である旨を通知すると共に、クロック精度監視部において、切り替え後のクロックの精度を監視する。クロック精度が許容範囲以内に収まれば、切り替え後のクロック状態が安定したと判断され、送受信バッファ部の中断状態は解除され、送受信装置間のデータ伝送が再開される。これにより、クロック状態の切替に伴う送受信装置間の通信エラーを改善することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の一形態における交換装置の構成を示すブロック図である。図1において、本発明による交換装置は、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機を想定しており、受信部1と、スイッチ機能部2と、送信部3とから構成され、受信部1の外部には送信装置4が、送信部3の外部には受信装置5が夫々接続されている。
【0018】
受信部1は、従属クロック抽出部11と、受信バッファ部12とから構成されている。スイッチ機能部2は、制御部21と、自走クロック生成部22と、従属クロック回線選択部23と、クロックモード選択部24と、クロック精度監視部25と、システムクロック供給部26と、スイッチ部27とから構成されている。送信部3は、送信バッファ部31から構成される。また、従属クロック抽出部11、受信バッファ部12、および送信バッファ部31を図1のように受信部1と送信部3とに夫々独立して設けることなく、スイッチ機能部2と一体化して構成しても動作に支障はないが、スイッチ機能部2に現用系と予備系といった冗長機能を持たせることを考慮すると、これ等は受信部1と送信部3とに夫々分離して設ける必要がある。
【0019】
受信バッファ部12は、外部に接続された送信装置から入力されたデータを受信ATMセル104として受信し、クロックデータ101と受信データ105とに分離する。従属クロック抽出部11には受信バッファ部12からのクロックデータ101が入力され、従属クロック回線選択部23に対して抽出クロック102を供給している。受信バッファ部12は従属クロック抽出部11へクロックデータ101を出力すると共に、外部に接続された送信装置4からの受信ATMセル104を受信し、スイッチ部27へ受信データ105として送出する。また、受信バッファ部12は、制御部21から受信バッファリング信号103を受信すると、スイッチ部27への受信データ105の送出を停止状態にする。
【0020】
制御部21には受信バッファ部12への受信バッファリング信号103と、従属クロック回線選択部23への従属クロック回線選択信号201と、クロックモード選択部24へのクロックモード選択信号202と、クロック精度監視部25へのクロック精度監視信号203と、送信バッファ部31への送信バッファリング信号301および送信データバッファリング通知信号302が接続されている。
【0021】
自走クロック生成部22は、クロックモード選択部24に対して自走クロック204を供給している。従属クロック回線選択部23は、制御部21からの従属クロック回線選択信号201により、従属クロック抽出部11からの抽出クロック102を選択し、クロックモード選択部24へ従属クロック205を供給する。クロックモード選択部24は、制御部21からのクロックモード選択信号202により、自走クロック生成部22から供給される自走クロック204と、従属クロック回線選択部23から供給される従属クロック205との何れかを選択し、クロック精度監視部25およびシステムクロック供給部26へシステムクロック206を供給する。
【0022】
クロック精度監視部25には、制御部21との間にクロック精度監視信号203が接続され、クロックモード選択部24からシステムクロック206が供給される。システムクロック供給部26にはクロックモード選択部24からシステムクロック206が供給され、受信部1、スイッチ機能部2、および送信部3に対して基準クロックを供給する。スイッチ部27は、受信バッファ部12からの受信データ105を送信バッファ部31への送信データ303として転送する。
【0023】
送信バッファ部31は、スイッチ部27からの送信データ303を受信し、外部に接続された受信装置5へ送信ATMセル304として送出する。また、送信バッファ部31は、制御部21から送信バッファリング信号301を受信すると、受信装置5への送信ATMセル304の送出を停止状態にする。更に、送信バッファ部31は、制御部21から送信データバッファリング通知信号302を受信すると、受信装置5に対して、送信バッファ31が送信ATMセル304の送出を停止状態にしている旨、および送信装置4に対して、受信バッファ12が受信データ105の送出を停止状態にしている旨を夫々通知する。
【0024】
次に、本発明の実施の一形態における交換装置の動作について図2および図3を参照しながら詳細に説明する。図2は本発明の交換装置の通常動作(クロック状態変更無し)時における動作を示すフローチャート図であり、図3および図4はクロック状態変更時の動作を示すフローチャート図である。
【0025】
まず、通常動作について図2を用いて説明する。図2において、ステップ(以下、「S」という)1の処理において、受信ATMセル104が送信装置4から受信部1へ受信される。S2において、受信ATMセル104は受信バッファ部12で一時蓄積される。また、S3の処理では、受信ATMセル104に含まれるクロックデータ101がクロック抽出部11に送出される。この時、制御部21からのクロックモード選択信号202によるクロックモード設定や、クロックモード選択信号202に関わらず、S4の処理では、常時従属クロック抽出部11において、クロックデータ101から抽出クロック102が抽出される。ここで、抽出クロック102として抽出されるクロックは、周波数が同一で、送信装置が接続されている回線毎に位相の異なる複数の従属クロックである。そして、S5の処理では、従属クロック回線選択信号201の指示により、従属クロック回線選択部23が従属クロック回線を選択する。更に、S6の処理では従属クロック回線選択部23が従属クロック205をクロックモード選択部24に送出する。すなわち、抽出クロック102の中から選択された回線のクロックが従属クロック205としてクロックモード選択部24へ送出される。
【0026】
更に、S7の処理において、制御部21からのクロックモード選択信号202により、クロックモード選択部24のクロックモードが、従属モードと自走モードとの何れに設定されているか否かの判別がなされる。クロックモードが自走モードに設定されている場合(S7:N)は、S9の処理へ移行し、自走クロック生成部22は自走クロック204をクロックモード選択部24に送出する。そして、S10の処理で、クロックモード選択部24は、自走クロック204をシステムクロック206としてクロック精度監視部25に送出する。
【0027】
一方、クロックモードが従属モードに設定されている場合(S7:Y)は、S8の処理へ移行し、クロックモード選択部24は、従属クロック回線選択部23により選択された従属クロック205をシステムクロック206としてクロック精度監視部25に送出する。その後、S11の処理で、システムクロック206はクロック精度監視部25において精度監視がなされる。その後、S12の処理において、システムクロック206がシステムクロック供給部26に供給される。そして、システムクロック206は、交換装置を構成する受信部1、スイッチ機能部2、および送信部3に対して供給される基準クロックとなる。
【0028】
また、受信バッファ部12から出力された受信データ105は、スイッチ部27へ送出され、更に送信データ303としてスイッチ27から送信部3へ送出される。送信バッファ部31では、送信データ303を一時蓄積して、送信ATMセル304として受信装置5へ出力する。
【0029】
次に、クロック状態変更時の動作について図3および図4を用いて説明する。
回線の品質に応じてクロック状態の変更が発生すると、S20の処理において、制御部21から受信バッファ部12に対し、受信バッファリング信号103を用いて、受信データ105の送出停止を指示する。S21の処理においても同様に、制御部21から送信バッファ部31に対し、送信バッファリング信号301を用いて、送信ATMセル304の送出停止を指示する。更に、S22の処理で、制御部21からの送信データバッファリング通知信号302を用いて、送信装置4および受信装置5に対して、データの中継伝送が中断状態である旨を通知する。これにより、送信装置4、および受信装置5においてデータ伝送が停止している原因が交換装置のクロック切り替えによるものであるということを認識することができる。また、この時、送信ATMセル304にはOAM(Operation And Maintenance:保守運用)セルが送信される。
【0030】
ここで、クロック状態が変化する場合として自走モードから従属モード、従属モードから自走モード、および従属モードから従属モードに変化する場合があるため、夫々の場合について説明する。まず、自走モードから従属モードに変化する場合は、S23の処理で、前述した図2のS3,S4,S5、およびS6の各処理を実行する。すなわち、予め選択された従属クロック205がクロックモード選択部24に送出されているのである。S24の処理では、制御部21からのクロックモード選択信号202によって、クロックモード選択部24のクロックモードは従属モードに設定される。そして、S25の処理で、クロックモード選択部24は、予め選択された従属クロック205をシステムクロック206としてクロック精度監視部25に送出する。
【0031】
次に、従属モードから自走モードに変化する場合は、S26の処理で、前述した図2のS3,S4,S5、およびS6の各処理を実行する。すなわち、予め選択された従属クロック205がクロックモード選択部24に送出されているのである。S27の処理では、自走クロック生成部22は自走クロック204をクロックモード選択部24に送出する。そして、S28の処理では、制御部21からのクロックモード選択信号202によってクロックモードは自走モードに設定されるため、クロックモード選択部24は、自走クロック204をシステムクロック206としてクロック精度監視部25に送出し、選択されない従属クロック205はクロックモード選択部24の入口で破棄される。
【0032】
最後に、従属モードから異なる回線の従属モードに変化する場合は、S29の処理で、前述した図2のS3、およびS4の各処理を実行する。すなわち、周波数が同一で、送信装置が接続されている回線毎に位相の異なる複数の従属クロックを含む抽出クロック102が従属クロック回線選択部23に供給されているのである。そして、S30の処理で、制御部21からの従属クロック回線選択信号201によって、従属クロック回線選択部23は従属クロック回線を切り替え、異なる従属クロック回線を新たに選択する。更に、S31の処理で、従属クロック回線選択部23は、この新たに選択した従属クロック205をクロックモード選択部24に送出する。そして、S32の処理で、クロックモード選択部24は、選択後の従属クロック205をシステムクロック206としてクロック精度監視部25に送出する。
【0033】
上述した3通りのクロック状態の変化時には、クロックの周波数や位相の精度が瞬間的に悪化する。そのため、S33の処理では、クロック精度監視部25において、状態変化後のクロック精度を検出している。S34の処理において、クロック精度が予め設定されたクロック精度許容値以内かどうかの判別を行い、許容値以内であれば(S34:Y)、S35へ移行し、許容値を外れていれば(S34:N)、S33の処理に戻る。
【0034】
S35の処理では、状態変化後のクロック精度が安定し、許容値の範囲内に収まったため、クロック精度監視部25は制御部21からのクロック精度監視信号203を解除し、クロック精度が安定した旨を通知する。ここで、クロック精度許容値とは、制御信号やデータ信号の損失に実使用上影響しないクロック周波数や位相差の範囲のことで、ATM交換機システム起動時の初期設定時に制御部21からクロック精度監視部25に対してクロック精度監視信号203を用いて設定される数値のことをいう。
【0035】
S36の処理において、制御部21は送信バッファリング信号301を解除することにより、送信バッファ部31からの送信ATMセル304の送出停止を解除する。そして、S37の処理において、制御部21は送信データバッファリング通知信号302を解除することにより、受信装置5に対し、データ伝送の中断状態が解除された旨を通知し、OAMセルの送信を停止する。
【0036】
また、S38の処理において、制御部21は受信バッファリング信号103を解除することにより、受信バッファ部12からの受信データ105の送出停止を解除する。そして、S39の処理において、制御部21は送信バッファリング通知信号302を解除することにより、送信装置4に対し、データ伝送の中断状態が解除された旨を通知する。これにより、クロック状態の変更がなされデータ通信が再開される。なお、図3および図4に示した一連の動作は、制御部21内に格納されている記憶手段(図示せず)に記憶されたプログラムを実行することにより実現可能であり、その際、記憶手段として、ROM(Read Only Memory)やその他の記憶媒体が用いられる。
【0037】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。図5は、本発明の他の実施の形態における交換装置の構成を示すブロック図である。図5において、制御部21と送信バッファ部31との間に、送信バッファ閾値超過信号305が設けられている点以外は、図1の場合と同様であり、それ以外の図1と同等部分については同一符号で示している。
【0038】
図5において図1と異なるところは、クロック状態変更時に、制御部21からの送信バッファリング信号301により、送信バッファ部31からの送信ATMセル304の送出を停止状態にするのみで、受信バッファ部12からスイッチ部27への受信データ105の送出は停止状態にしないという点である。更に、制御部21からの送信データバッファリング通知信号302により、受信装置5に対しては、送信バッファ31が送信ATMセル304の送出を停止状態にしている旨通知するが、送信装置4に対しては通知することを要しない。
【0039】
次に、本発明の他の実施の形態における交換装置の動作について図6を参照しながら詳細に説明する。図6は本発明の他の実施の形態における交換装置のクロック状態変更時の動作を示すフローチャート図である。図6において、回線の品質に応じてクロック状態の変更が発生すると、S40,S41の処理で、制御部21から送信バッファ部31に対し、送信バッファリング信号301を用いて、送信ATMセル304の送出停止を指示すると共に、制御部21からの送信データバッファリング通知信号302を用いて、受信装置5に対してデータの中継伝送が中断状態である旨を通知する。これにより、受信装置5においてデータ伝送が停止している原因が交換装置のクロック切り替えによるものであるということを認識することができる。この時、送信ATMセル304にはOAMセルが送信される点は先の実施の形態の場合と同じである。
【0040】
ここで、クロック状態が変化する場合として自走モードから従属モード、従属モードから自走モード、および従属モードから従属モードに変化する場合があるが、これらの動作については先の実施の形態の場合と同様であるため、S42,S43およびS44の処理についての詳細な説明は省略する。そして、S42,S43およびS44の処理が終了した後、S45およびS46の処理において、状態変化後のクロック精度をクロック精度監視部25で検出し、許容値以内かどうかの判別を行う。
【0041】
S46の処理で、クロック精度が許容値以内であれば(S46:Y)、S47の処理へ移行し、クロック精度が許容値を外れていれば(S46:N)、S50の処理へ移行する。S50の処理では、状態変化後のクロック精度が安定しない状態において、送信ATMセル304の送出を停止している送信バッファ部31の蓄積量が閾値を超えているかどうかの判別を行う。S50の処理において、閾値を超えていれば(S50:Y)、送信バッファ部31から制御部21に対し、送信バッファ閾値超過信号305を用いてその旨通知し、S51の処理へ移行する。また、閾値を超えていなければ(S50:N)、S46の処理へ戻り、クロック精度が許容値以内かどうかの判別を行う。
【0042】
S51の処理では、送信バッファ部31の蓄積量が閾値を超えているため、制御部21から受信バッファ部12に対し、受信バッファリング信号103を用いて、受信データ105の送出停止を指示する。そして、S52の処理で、制御部21からの送信データバッファリング通知信号302を用いて、送信装置4に対してデータの中継伝送が中断状態である旨を通知する。そして、S46の処理へ戻り、クロック精度が許容値以内かどうかの判別を行う。
【0043】
S47の処理では、状態変化後のクロック精度が安定し、許容値の範囲内に収まったため、クロック精度監視部25は制御部21からのクロック精度監視信号203を解除し、クロック精度が安定した旨を通知する。そして、S48の処理において、送信ATMセル304の送出を停止している送信バッファ部31の蓄積量が閾値を超えているかどうかの判別を行い、閾値を超えていなければ(S48:N)、S49の処理へ移行し、閾値を超えていれば(S48:Y)、S53の処理へ移行する。
【0044】
S53の処理では、前述したS51とS52の処理を実行する。すなわち、受信バッファ部12に対して受信データ105の送出停止を指示すると共に、送信装置4に対して、データの中継伝送が中断状態である旨を通知する。S48の処理において、送信バッファ部31の蓄積量が閾値を超えていないと判断された場合(S48:N)、あるいは閾値を超えていると判断され(S48:Y)、S53の処理を行った場合は、夫々S49の処理へ移行する。S49の処理では、送信バッファ部31から制御部21に対する送信バッファ閾値超過信号305を解除した後、図3のS36とS37の処理を実行する。すなわち、送信バッファ部31からの送信ATMセル304の送出停止を解除し、受信装置5に対しデータ伝送の中断状態が解除された旨を通知する。
【0045】
この図6の実施の形態によれば、クロック精度の検出からデータ通信が再開されるまでの間に、送信バッファ部31のバッファの蓄積量が閾値を超えた場合、送信バッファ閾値超過信号305により、送信バッファ部31から制御部21に対してその旨通知される。そして、制御部21は受信バッファ部12に対して受信バッファリング信号103により受信データ105の送出停止を指示し、送信データバッファリング通知信号302を用いて送信装置4に対してデータの中継伝送が中断状態であることを通知するのである。
【0046】
かかる場合、上述した図3および図4の場合と比較して、送信バッファ部31に蓄積される送信ATMセル304の閾値を監視する機能は必要となるが、送信ATMセル304が送信バッファ部31の閾値を超えなければ、受信バッファ部12に対する制御が不要となる。よって、クロック状態の変更が短時間で収まる場合には、送信装置4に対して何等制御を行うことなく、データ伝送の再開までの制御処理の負担が軽減されるという効果がある。
【0047】
なお、本発明が上記実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更され得ることは明らかである。例えば、上記実施の形態で、クロック状態の変更後のクロック精度として周波数や位相差を監視しているが、変更後のクロックの安定性が確認できるものであれば他のパラメータを用いることも可能である。
【0048】
【発明の効果】
叙上の如く、本発明によれば、クロック状態が切り替わる際、一時的にデータの中継伝送を停止状態にすると共に、切り替え後のクロック精度を監視し、精度が安定した後にデータ伝送の停止状態を解除することとしているため、クロック状態の切り替わり時の精度劣化に伴う送受信装置間の誤り率の増加や通信エラーの発生を未然に防ぐことが可能となる。従って、送信装置から受信装置に対するデータの再送処理が不要となり、伝送効率が改善されるという効果がある。
【0049】
また、本発明によれば、送受信装置に対してデータ伝送の停止状態を通知しているため、送受信装置においてデータ伝送が停止している原因が交換装置のクロック切り替えによるものであるということを認識することができる。従って、送信装置が一方的にデータを送信し続けたり、受信装置で原因不明の通信エラーが発生するのを回避することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における交換装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の交換装置の通常動作(クロック状態変更無し)時における動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の交換装置のクロック状態変更時の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の交換装置のクロック状態変更時の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における交換装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の交換装置のクロック状態変更時の動作を示すフローチャート図である。
【図7】従来の交換装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受信部
2 スイッチ機能部
3 送信部
4 送信装置
5 受信装置
11 従属クロック抽出部
12 受信バッファ部
21 制御部
22 自走クロック生成部
23 従属クロック回線選択部
24 クロックモード選択部
25 クロック精度監視部
26 システムクロック供給部
27 スイッチ部
31 送信バッファ部
101 クロックデータ
102 抽出クロック
103 受信バッファリング信号
104 受信ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)セル
105 受信データ
201 従属クロック回線選択信号
202 クロックモード選択信号
203 クロック精度監視信号
204 自走クロック
205 従属クロック
206 システムクロック
301 送信バッファリング信号
302 送信データバッファリング通知信号
303 送信データ
304 送信ATMセル
305 送信バッファ閾値超過信号
Claims (5)
- 送信装置からのデータを一時蓄積する受信バッファと、
この受信バッファからのデータをスイッチング処理するスイッチ手段と、
このスイッチ手段の出力データを一時蓄積して受信装置へ送信する送信バッファと、
前記送信装置からの受信データのクロック成分に従属した従属クロックに同期して動作する従属モードと自走クロックに同期して動作する自走モードとを切り替え制御するモード制御手段と、
を含む交換装置であって、
前記モード制御手段によるモード切り替え時に、前記受信バッファからのデータの送出は停止せずに、前記送信バッファからのデータの送出を停止制御する制御手段を含むことを特徴とする交換装置。 - 前記送信バッファからのデータの送出の停止を前記受信装置へ通知する通知手段を、更に含むことを特徴とする請求項1記載の交換装置。
- 前記モード切り替え後のクロックの状態を監視するクロック監視手段を、更に含み、
前記制御手段は、この監視結果が許容値以内であれば前記送信バッファからのデータの送出停止を解除するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の交換装置。 - 前記モード制御手段は、前記送信装置からのデータ伝送回線の回線品質に応じて前記モード切替え制御をなすようにしたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の交換装置。
- ATM(Asynchronous Transfer Mode)通信システムに用いられ、前記通知手段はOAM(Operation And Maintenance:保守運用)セルによる通知をなすことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の交換装置。
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