JP4564152B2 - 磁心 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスイッチング電源などに用いられる磁心に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種電子機器等の安定化電源として小型、軽量化が可能なスイッチング電源が多用されている。このようなスイッチング電源においては、スイッチング周波数を基本周波数とする高周波ノイズ等が発生するため、ノイズ対策が重要な課題となっている。
【0003】
上記ノイズ対策に用いられるものとして、例えばアモルファス磁性体からなるトロイダルコアを用いたノイズ抑制素子が挙げられる。
【0004】
このノイズ抑制素子20は、例えば図7に示されるような外筒部21と内筒部22とからなるトロイダルコア用ケース部にトロイダルコア23を挿入し、さらにキャップ部24を取り付けることによって作製されている。
【0005】
そして、前記内筒部22にリードを挿入することにより、リードに発生したノイズを抑制するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトロイダルコア用ケースを用いた場合、ケース内でトロイダルコアが動くのを防止しするため、接着剤によりトロイダルコアを固定しなければならなかった。また、トロイダルコア挿入後にキャップを被せ、接着剤で固定しなければならなかった。
【0007】
接着剤を使用した場合、接着剤を均一な厚さで塗布する必要があると共に、接着剤を乾燥させなければならない。従って、従来のトロイダルコア用ケースを用いた場合、接着剤の塗布や乾燥のために手間や時間がかるため、製造効率を向上させることができなかった。また、ケース上から巻線処理を施して使用する過飽和コア、高周波トランスコア、各種センサー用コアなどの各種磁心においても同様の問題が生じていた。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであって、接着剤を使用せずに、効率的かつ確実にトロイダルコアを収容できるトロイダルコア用ケースを用いた磁心を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁心は、外筒部と内筒部とを有し、前記外筒部と内筒部とは一方の端部が封止され他方の端部が開口され、開口された端部近傍の前記外筒部内面および前記内筒部外面にキャップ止め部が形成されているケース部と、中心部に開口部を有すると共に挿入方向面に高さが0.1mm以上2mm以下かつ円周方向に等間隔となる少なくとも3つの突起部を有し、前記ケース部の前記外筒部と前記内筒部との間隙にはめこまれるキャップ部とを具備する絶縁性樹脂からなるトロイダルコア用ケースと、前記トロイダルコア用ケースに収容される軟磁性合金薄帯を巻回したトロイダルコアとを具備する磁心であって、ケース収容部の高さをS、前記キャップ部と前記トロイダルコアとの隙間の高さをTとしたときの[T/S]×100(%)が20〜40%であり、前記トロイダルコアは接着剤を使用せずに前記トロイダルコア用ケース内に固定されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明のトロイダルコア用ケースは、外筒部内面および前記内筒部外面の開口側端部近傍にキャップ止め部を形成し、このキャップ止め部を越えてキャップ部を挿入することにより、接着剤を使用せずにトロイダルコアを効率的にかつ確実にケース内に収容することができる。
【0011】
前記キャップ止め部は外筒部内面および内筒部外面に環状に形成することで、より一層確実にトロイダルコアを保持することが可能となる。
【0012】
前記キャップ止め部の前記外筒部内面および前記内筒部外面からの高さは0.05mm以上1mm以下の範囲内とすることにより、キャップ部の挿入が容易になると共に、トロイダルコアやキャップ部がケース部から脱落するのを抑制することが可能となる。
【0013】
また、キャップ部の挿入方向面には少なくとも3つの突起部が円周方向に等間隔に形成されていることで、ケース部内でのトロイダルコアの不必要な動きを抑制することができる。前記突起部の形状としては、例えば放射状に形成されているものが挙げられる
【0014】
前記ケース部およびキャップ部の材料としては、例えばPBT、PET、LCP(液晶ポリマー)等の絶縁性樹脂が挙げられる。このような材料を使用することで、加工性や耐久性を確保することが可能となる。
【0015】
本発明の磁心は、上記したようなトロイダルコア用ケースにトロイダルコアを挿入した後、キャップ部で封止したものである。トロイダルコアは、磁性合金薄帯を巻回したものである。また、ケース収容部の高さをS、キャップ部とトロイダルコアの隙間の高さをTとしたとき、[T/S]×100(%)が20〜40%である。このようにすることで、トロイダルコアに不必要な応力がかかるのを抑制し、保磁力や角形比等が変化するのを抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は本発明のトロイダルコア用ケースに用いられるケース部の一例を示した断面図である。図2は本発明のトロイダルコア用ケースにキャップ部のみを挿入した場合の断面図である。
【0018】
図1に示されるように、ケース部1は外筒部2およびその内側に設けられる内筒部3とからなる。外筒部2と内筒部3とは一端に設けられた封止部4で封止され、他端が開放されている。また、前記内筒部3の内側は両端部とも開放されている。本発明のトロイダルコア用ケースとしては、例えば外筒部2の直径が3mm〜50mm、外筒部2と内筒部3との間隔が0.5mm〜10mmのものが挙げられる。
【0019】
外筒部2の内面の開放側端部付近にはキャップ止め部5が形成され、内筒部3の外面の開放側端部付近にも同様にキャップ止め部6が形成されている。また、図1においては図1中に示したような凸部5、6をそれぞれキャップ止め部とした。
【0020】
このように、開放部側の端部付近に凸部5、6を形成することで、キャップ部を挿入した後、この凸部5、6にキャップ部を引っかけて、キャップ部およびトロイダルコアを確実に固定することができる。
【0021】
凸部5、6は挿入方向に進むにつれて、高さ(H)が高くなるような形状、例えば楔形に形成することが好ましい。このようにすることで、トロイダルコアやキャップ部の挿入を容易に行うことができる。また、凸部5、6の挿入方向の終端部は外筒部内面および内筒部外面に垂直な平面とすることが好ましい。終端部を垂直な平面とすることで、キャップ部との引っかかりを確実なものとすることができ、トロイダルコアやキャップ部を確実に固定することができる。
【0022】
本発明では、凸部の終端部より先の部分を平坦なものとすることで、図2に示すように、トロイダルコアが挿入されていない場合にはキャップ部7が底部まで落下する。このため、誤ってトロイダルコアが挿入されなかった場合でも、キャップ部7の位置を確認することで容易にトロイダルコアの未挿入を判別することができ、製品不良を防止することができる。
【0023】
このような凸部5、6は外筒部内面および内筒部外面を一周するように環状に設けられていることが好ましい。凸部5、6を環状に設けることで、キャップ部7への引っかかり部分が多くなるので、仮に凸部5、6の高さ(H)を低くしたとしても確実にキャップ部7を固定することが可能となる。
【0024】
このような凸部5、6の高さ(H)は、最も高い部分で0.05mm以上1mm以下とするのが望ましい。凸部5、6の高さが0.05mmよりも低いとキャップ部がはずれやすくなると共に、固定力が弱くなりトロイダルコアがケース部1内で動き、異音発生の可能性がある。また、1mmを越えるとキャップ部の挿入が困難となるおそれがある。
【0025】
図3は本発明のトロイダルコア用ケースに用いられるキャップ部の一例を示した平面図および側面図である。
【0026】
図3(a)はトロイダルコアとの対向面8を示した平面図、図3(b)は側面図である。
【0027】
本発明におけるキャップ部7は例えば円盤状をしており、中央部にケース部1の内筒部3を挿入するための開口部9が設けられている。
【0028】
本発明におけるキャップ部7は平板状のものであっても構わないが、図3に示されるように突起部10が設けられていることが好ましい。突起部10を設けることで、単なる平板状のキャップ部に比べてトロイダルコアを確実に固定することが可能となる。
【0029】
突起部10は開口部9の端部よりキャップ部7の外縁まで放射状に設けることでより確実にトロイダルコアを固定することができる。突起部10の数は少なくとも3個設けることがよい。突起部10の数が3個未満であると、トロイダルコアを押さえる際のバランスが悪くなりトロイダルコアが動いてしまうおそれがある。突起部10の数は3個以上であれば特に数に制限はなく、円周方向に均等に配置されていることが望ましい。
【0030】
突起部10の高さ(h)は特に制限されるものではないが、0.1mm以上2mm以下とするのがよい。高さ(h)が0.1mm未満では突起部10以外の部分がトロイダルコアに接触する可能性があり突起部10を設けた効果が現れにくく、2mmを越える場合には効果が変わらないと共に、ケースのサイズが大きくなってしまうので好ましくない。また、2mmを超えるとケース内に収納されたトロイダルコアに不要な応力を与え易くなってしまうことからも好ましくない。
【0031】
突起部10の幅(w)は特に制限されるものではないが、1mm以上10mm以下とするのがよい。1mm未満ではキャップ部を押しつけた際に突起部10が変形してしまうおそれがあり、10mmを越える場合には突起形状として突起部を設ける効果が得られない。
【0032】
本発明のトロイダルコア用ケースにおいては、通常のトロイダルコア用ケースに用いられる材料と同様のものを用いることができる。このような材料としては絶縁性樹脂、絶縁性セラミックス等が挙げられる。特に好ましいものとしては、絶縁性樹脂である液晶ポリマーである。液晶ポリマーは耐熱性に優れるため、リフロー工程(ろう付け工程)中の約150〜200℃程度の高温中においても型崩れ等の不具合が生じにくく加工がしやすい。また、ケースをPBT、PET、LCP等の絶縁性樹脂で形成した場合、絶縁性樹脂には弾力性があることから、キャップ部を挿入する際に押圧力を加えてもケースが破損することがない。また、ケースを絶縁性樹脂で形成すれば、例えば図4に示したようなキャップ止め部にすることも可能である。具体的には、キャップ止め部に凹部形状を具備させることにより、キャップ止め部にさらにスプリングバック特性を持たせることができるのでキャップ部を挿入する際の押圧力を低減できる。
【0033】
次に本発明の応用例について説明する。
【0034】
図5は本発明のトロイダルコア用ケースを用いた磁心11を示した断面図である。なお、図5においては巻線処理を施していないが、必要に応じて巻線処理を施してよいことは言うまでもない。
【0035】
図5に示されるように、ケース部1は外筒部2およびその内側に設けられる内筒部3からなり、外筒部2および内筒部3は封止部4で一端が封止されている。
内筒部3内側は両端部とも開放されている。外筒部2の内面の開放側端部付近には凸部5が形成されている。また、内筒部3の外面の開放側端部付近にも同様に凸部6が形成されている。
【0036】
このようなケース部1に、磁性体からなるトロイダルコア12が、その開口部がケース部1の内筒部3に被さるようにはめ込まれる。さらに、磁性体の挿入方向と同じ方向より、キャップ部7がその開口部9がケース部1の内筒部3に被さるように、凸部5、6の終端部を越えてはめ込まれる。トロイダルコア12としてはアモルファス磁性体からなるものの他、フェライト、微細結晶を有する軟磁性合金等からなるものも用いることができる。また、アモルファス磁性体は急冷ロール法等により作製される磁性薄帯を巻回したものであってもよい。
【0037】
このようにして作製された磁心11は、例えば前記内筒部3にリードを貫通させて使用するノイズ抑制素子に使用することができる。また、磁心11に巻線処理を施すことにより、過飽和磁心、高周波トランス用磁心、各種センサー用磁心など様々な分野の磁心に使用することができる。
【0038】
上記したように、ノイズ抑制素子等の各種用途に用いられる磁心作製に本発明のトロイダルコア用ケースを用いることで、接着剤の塗布等の煩雑な作業が必要でなくなると共に、接着剤の乾燥にかける時間も削減できるため、製造効率を大幅に大幅に向上させることができる。また、本発明では接着剤を使用しないため、これらがもたらす弊害、例えばリード挿入部分が接着剤により塞がれてしまうことも防止することが可能となる。
【0039】
また、別の実施形態として図6に示したようにキャップ部とトロイダルコアとの間に所定量の隙間を設ける形態も有効である。この隙間の高さ(T)はケース収納部の高さ(S)の20〜80%(=[T/S]×100)、好ましくは20〜40%の範囲である。隙間のない状態であると、キャップ部がトロイダルコアに接触しているためトロイダルコアは常にキャップ部からの応力を受けた状態であることから必ずしも好ましい状態であるとは言えない。
【0040】
特に、トロイダルコアが磁性薄帯を巻回したコアであると影響がある。これはキャップ部からの応力を磁性薄帯の表面ではなく側面で受けることから実質的に全ての磁性薄帯に応力がかかってしまうためであると考えられる。このような応力を緩和するためにもキャップ部の挿入方向面に突起部を設けることは有効であると言える。突起部の形態は図3に示したような放射状のものであってもよいし、キャップ部の円周方向に突起部を設ける形態であってもよい。なお、磁性薄帯を積層したトロイダルコアまたはフェライトコアのような圧粉磁心、焼結磁心においてはこのような問題は比較的少ない。言い換えれば、本発明のケース部は磁性合金薄帯を巻回してなるトロイダルコアに対して最も有効であると言える。
【0041】
また、本発明ではキャップ部を押圧して挿入することからも隙間(T)は所定量存在していた方がトロイダルコアを傷つけないで済む。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態について実施例を参照して説明する。
【0043】
本発明のトロイダルコア用ケースと従来のトロイダルコア用ケースとの違いを調べるために、ノイズ抑制素子を作製して効果を調べた。
【0044】
参考例1
ケース部として図1に示されるような、外筒部および内筒部からなり、外筒部および内筒部が一端で封止されているものを用いた。内筒部内側は両端部とも開放されている。また、外筒部内面の開放側端部付近および内筒部外面の開放側端部付近には、円周方向に不連続な凸部を3個等間隔に形成した。
【0045】
このケース部に開放部側より、アモルファス磁性体を巻回してなるトロイダルコアを挿入し、平板状のキャップ部を凸部を越えて挿入した。
【0046】
参考例2
ケース部として図1に示されるような、外筒部および内筒部からなり、外筒部および内筒部が一端で封止されているものを用いた。内筒部内側は両端部とも開放されている。また、外筒部内面の開放側端部付近および内筒部外面の開放側端部付近には、円周方向に環状の凸部を設けた。
【0047】
このケース部に開放部側より、アモルファス磁性体を巻回してなるトロイダルコアを挿入し、平板状のキャップ部を凸部を越えて挿入した。
【0048】
実施例
ケース部として参考例1と同様のものを用いた。このケース部に開放部側より、アモルファス磁性体を巻回してなるトロイダルコアを挿入し、突起部を3個有するキャップ部を凸部を越えて挿入した。
【0049】
実施例
ケース部として参考例2と同様のものを用いた。このケース部に開放部側より、アモルファス磁性体からなるトロイダルコアを挿入し、突起部を3個有するキャップ部を凸部を越えて挿入した。
【0050】
比較例1
ケース部として、外筒部および内筒部からなり、外筒部および内筒部が一端で封止され、外筒部内面および内筒部外面が平坦であるものを用いた。このケース部の内部に接着剤を塗布し開放部側よりアモルファス磁性体からなるトロイダルコアを挿入した。さらに、接着剤を塗布した平板状のキャップ部をケース部の外筒部と内筒部の間にはめ込むようにしてトロイダルコアに接合した。
【0051】
なお、各実施例比較例、参考例にかかるトロイダルコア用ケースはいずれも液晶ポリマーで形成されたものとし、外筒部の直径は20mm、外筒部と内筒部の間隔は5mm、キャップ止め部は外筒部の内面および内筒部の外面から高さ0.1mmの範囲内に設けたものとする。またキャップ部については、突起部の高さ(h)を0.2〜0.4mm、突起部の幅(w)を1〜2mmとし、[隙間の高さ(T)/収納部の高さ(S)]×100(%)を20〜30%の範囲に統一した。
【0052】
表1に実施例比較例、参考例のノイズ抑制素子の製造時間およびコアの安定性についての調査結果を示す。コアの安定性の評価は、各実施例比較例、参考例にかかるノイズ抑制素子を各100個作製し、コアを左右上下に動かした際にコアの振動音がするか否かで判断した。振動音が一つも無かったものを「特に安定性に優れるもの」として◎で表示し、100個中、振動音が発生するものが1〜2個程度のものを「必要十分な安定性のもの」として○で示した。
【0053】
【表1】
Figure 0004564152
表1に示されるように、本発明の実施例では従来のものに比べて大幅に製造時間を減らせることがわかった。これは、本発明の実施例においてはキャップ部をはめ込むだけで、トロイダルコアおよびキャップ部の固定ができるのに対し、従来のものではトロイダルコアの挿入時とキャップ部挿入時に接着剤で止める必要があり、接着剤の塗布と乾燥に時間がかかるためである。
【0054】
また、本発明の実施例ではいずれの場合にもトロイダルコアの安定性は必要十分なものあったが、特に実施例においては安定性に優れており、従来の接着剤を用いてトロイダルコアを固定したものと同程度の安定性を確保できることがわかった。
【0055】
実施例3〜9、比較例2〜3、参考例3、4
次に、突起部の数、[隙間の高さ(T)/収納部の高さ(S)]×100(%)を表2のように変えて磁心を作製した。このような磁心に対し、コアの安定性、保磁力の変化率、角形比の変化率を測定した。
【0056】
保磁力および角形比の変化率は、ケース内に収納する前のCo系アモルファス磁性薄帯を巻回してなるトロイダルコアの保磁力および角形比に対して、ケース内に収納後の磁心の保磁力および角形比を測定し、その変化率にて表示した。この変化率が小さいということはケース内でトロイダルコアに不要な応力がかかっていない状態を示すものである。
【0057】
なお、ケース部の外筒部の直径は30mm、外筒部と内筒部との間隔は4mm、キャップ止め部は外筒部の内面および内筒部の外面から高さ0.1mmの範囲に設けたものとする。また、キャップ部における突起部の高さ(h)は実施例3〜5および参考例3で0.2mm、実施例6〜9、参考例4および比較例2〜3で1mmとした。
【0058】
また、保磁力および角形比の変化率の測定は、交流(100kHz,80A/m)の保磁力Hc[A/m]と角形比Br/Bm[%]について、(ケース内に収納する前の値/ケース内に収納した後の値)×100%により変化率を測定した。
その結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
Figure 0004564152
本発明の実施例は、振動音の発生を抑えることができると共に、保磁力や角形比等の磁気特性の変化率を抑えることができる。
【0060】
それに対し、比較例2のものは確かにコアにかかる応力が少ないため保磁力および角形比の変化率は低いものの、振動音の発生が大きく、振動の発生が起こるものは磁心を安定した状態で使用しているのであれば問題はないが、振動が発生するような環境(例えば、携帯用電子機器)においては磁心の特性が不安定になってしまう。そのため接着剤等で固定しなくてはならなくなり製造性を悪くしてしまう。
【0061】
また、比較例3のように隙間(T)が大きすぎるのもよくないことが分かる。
これは隙間(T)が大きすぎるため、ケース内でトロイダルコアが動いてしまいやすいためであると考えられる。
【0062】
【発明の効果】
本発明のトロイダルコア用ケースは、ケース部の外筒部内面および内筒部外面に凸部を形成することで、キャップ部をこの凸部に引っかけて固定することができる。従って、これまでのように接着剤を用いる必要がなくなり、これらの塗布、乾燥にかかる時間を大幅に削減することができる。
【0063】
また、キャップ部のトロイダルコアと対向する面に突起部を設けることで、トロイダルコアの動きを抑制し、異音等の発生も有効に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトロイダルコア用ケースのケース部を示した断面図。
【図2】ケース部にキャップ部のみを挿入した場合の一例を示した断面図。
【図3】本発明のトロイダルコア用ケースのキャップ部を示した平面図及び側面図。
【図4】本発明のトロイダルコア用ケースのケース部の他の例を示した断面図。
【図5】本発明の磁心の一例を示した断面図。
【図6】キャップ部とトロイダルコアとの間に所定量の隙間を設けた場合の本発明の磁心を示した断面図。
【図7】従来のトロイダルコア用ケースを用いたノイズ抑制素子を示した断面図。
【符号の説明】
1……ケース部
2……外筒部
3……内筒部
4……封止部
5、6……凸部(キャップ止め部)
7……キャップ部
9……開口部
10……突起部

Claims (5)

  1. 外筒部と内筒部とを有し、前記外筒部と内筒部とは一方の端部が封止され他方の端部が開口され、開口された端部近傍の前記外筒部内面および前記内筒部外面にキャップ止め部が形成されているケース部と、中心部に開口部を有すると共に挿入方向面に高さが0.1mm以上2mm以下かつ円周方向に等間隔となる少なくとも3つの突起部を有し、前記ケース部の前記外筒部と前記内筒部との間隙にはめこまれるキャップ部とを具備する絶縁性樹脂からなるトロイダルコア用ケースと、
    前記トロイダルコア用ケースに収容される軟磁性合金薄帯を巻回したトロイダルコアと
    を具備する磁心であって、
    ケース収容部の高さをS、前記キャップ部と前記トロイダルコアとの隙間の高さをTとしたときの[T/S]×100(%)が20〜40%であり、前記トロイダルコアは接着剤を使用せずに前記トロイダルコア用ケース内に固定されていることを特徴とする磁心
  2. 前記キャップ止め部は前記外筒部内面および前記内筒部外面に環状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁心
  3. 前記キャップ止め部の前記外筒部内面および前記内筒部外面からの高さが0.05mm以上1mm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2記載の磁心
  4. 前記突起部は放射状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の磁心
  5. 前記トロイダルコア用ケースへの収容前後での前記トロイダルコアの保磁力および角形比の変化が抑制されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の磁心。
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