JP4562965B2 - スプレー型糊料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスプレー型糊料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、繊維製品の糊付けはデンプン糊やポリ酢酸ビニルなどの高分子化合物が配合された乳液型の糊料を用いて洗濯工程の濯ぎの段階で処理する方法が行われていたが、より簡便性の点からアイロンがけの際に、繊維製品に直接スプレーして使用するスプレー型糊料が開発されている。特開昭58−18476号公報には、オルガノポリシロキサンにポリオキシエチレンを共重合するか、又はアニオン化あるいはカチオン化して得られる水溶性シリコーン、及び水を含有してなる衣料用アイロン仕上げ剤が開示されている。また、特開平5−239774号公報には粒子径が特定の範囲内にある水不溶性シリコーンを含有する衣料用仕上げ剤が開示されている。更に、特開平8−260356号公報には、水溶性合成高分子、水溶性シリコーン、水を含有するスプレー型糊料組成物が開示されている。一方、特開平9−241973号公報には、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーをPH3.5〜7.5の範囲で使用することにより、シリコーン系アイロン滑り剤を用いなくとも良好なアイロン滑り性が得られるスプレー用処理剤が開示されている。特開平10−110386号公報には、炭素数13〜200の多価アルコールと水溶性ポリマーを含む、アイロン滑りの良好なスプレー型衣料用仕上げ剤組成物が開示されている。特開平11−229266号公報には、水溶性高分子糊料、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩などのアニオン性活性剤、及び水溶性シリコーンを含有するアイロン底面と布との接着がなく、長期安定性に優れたスプレー式糊料組成物が開示されている。また、特開平11−189768号公報には、親水基含有ポリマーと多価アルコールを含有する化学繊維用帯電防止剤組成物が開示されている。
【0003】
これら技術は、衣料などの繊維製品にスプレーしアイロン仕上げすることにより、適度に張り性を与え、且つ形を整える(以下、賦形効果という)ものである。しかしながら、このような処理衣料を着用した場合、時間と共にスラックスの折目などは形が崩れ、衣料全体にしわが増加するなどの衣料の形態が劣化する。
このため、着用した時に発生するシワを抑制し、スラックスなどの折り目を長時間保持できる効果(以下、形態安定化効果という)を有するスプレー型糊料が求められている。
【0004】
一方、工業的にはワイシャツなどの衣料にホルマリンガス、あるいはホルマリン放出体や液体アンモニア等を用いて形態安定化処理が施された衣料が市販されている。また、特開平11−158773号公報には、特定の水溶性ビニル共重合体と無機塩とを含有する水性液によるセルロース布帛への形態安定効果の付与方法が開示されている。しかしながら、前者は一般家庭で行うには安全性に問題があり、後者はセルロース布帛に効果が限定されるため、化繊やウールなどの衣料には形態安定効果を付与することはできない。さらにこれら技術は、衣料に賦形効果を付与することができない。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、繊維製品にスプレー処理し、アイロンがけすることにより、好ましい賦形効果と優れた形態安定化効果を付与できるスプレー型糊料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)下記モノマー単位(A)、モノマー単位(B)及びモノマー単位(C)から選択される〔この場合において、モノマー単位(C)が選択されない場合は、モノマー単位(A)及びモノマー単位(B)の両方のモノマー単位から選択される〕モノマー単位を含み、且つ、全構成モノマー単位中のモノマー単位(A)、(B)及び(C)の比率が合計で50〜100モル%を占めるビニル系重合体〔以下、(a)成分という〕、(b)シリコーン化合物〔以下、(b)成分という〕、(c)下式(1)で表される化合物〔以下、(c)成分という〕、並びに水を含有する糊料組成物を、スプレー容器に充填してなるスプレー型糊料に関する。
モノマー単位(A):カルボキシル基を有するビニル系モノマー単位
モノマー単位(B):水酸基を有するビニル系モノマー単位
モノマー単位(C):カルボキシル基と水酸基とを有するビニル系モノマー単位
【0007】
【化2】
【0008】
〔式中、R1、R3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基、R2は水素原子又はCH3、nは45〜5000の整数である。〕
【0009】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明では(a)成分として下記のモノマー単位(A)、モノマー単位(B)及びモノマー単位(C)から選択される(この場合において、モノマー単位(C)が選択されない場合は、モノマー単位(A)及びモノマー単位(B)の両方のモノマー単位から選択される)モノマー単位を含み、且つ全構成モノマー単位中のモノマー単位(A)、(B)及び(C)の比率が合計で50〜100モル%であるビニル系重合体を用いる。
モノマー単位(A):カルボキシ基を有するビニル系モノマー単位
モノマー単位(B):水酸基を有するビニル系モノマー単位
モノマー単位(C):カルボキシ基と水酸基とを有するビニル系モノマー単位
カルボキシ基を有するモノマー単位(A)を得るためのビニル系モノマー(A)の例としては、下記式(A1)〜(A3)で表される化合物から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0010】
【化3】
【0011】
〔式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、CH2COOM5(M5は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4、有機アミン)を示す。M1、M2、M3、M4は、同一又は異なって、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4、有機アミンを示す。ここで、有機アミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。〕。
【0012】
式(A1)〜(A3)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等又はこれらの塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。なお、イタコン酸やマレイン酸は下記式(A4)及び(A5)で表される酸無水物であってもよい。酸無水物は、加水分解されて本発明の重合体を構成するモノマー単位となる。
【0013】
【化4】
【0014】
上記のなかでもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸又はこれらのナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。特に、マレイン酸等のジカルボン酸もしくはそのナトリウム塩、カリウム塩又は無水マレイン酸、無水イタコン酸がより好ましい。
【0015】
本発明のビニル系重合体を得るために用いられる、水酸基を有するモノマー単位(B)を得るために用いられるビニル系モノマー(B)の例としては、下記式(B6)〜(B11)で表される化合物から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0016】
【化5】
【0017】
〔式中、R3、R5、R7、R9、R11、R13は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜100のアルキル基、R4、R6、R8、R10、R12、R14は、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキレン基、mは平均付加モル数であり、2〜100の数を示す。〕。
【0018】
式(B6)の具体例としては、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(6−ヒドロキシヘキシル)(メタ)アクリルアミド等の炭素数2〜6のヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。ここで(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルの意味である。式(B7)の具体例としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。式(B8)の具体例としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のオキシエチレン(以下EOとする)、オキシプロピレン(以下POとする)等を単独或いは併用して得られる(メタ)アクリルアミドのポリオキシアルキレン付加物が挙げられる。式(B9)の具体例としては、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のEO、PO等を単独或いは併用して得られる(メタ)アリルエーテルのポリオキシアルキレン付加物が挙げられる。式(B10)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素数2〜6のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。式(B11)の具体例としては、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のEO、PO等を単独或いは併用して得られる(メタ)アクリル酸のポリオキシアルキレン付加物が挙げられる。
【0019】
式(B6)〜(B11)におけるR3、R5、R7、R9、R11、R13がアルキル基の場合の炭素数は、好ましくは1〜22であり、特に好ましくは1〜5である。式(B8)、(B9)、(B11)のポリオキシアルキレン平均付加モル数mは、好ましくは2〜50である。
【0020】
本発明のカルボキシ基と水酸基の両方を有するモノマー単位(C)はモノマー単位(A)やモノマー単位(B)と共存してもよいし、しなくともよい。カルボキシ基と水酸基の当量比を計算するには、カルボキシ基と水酸基の両方を有するモノマー単位(C)の場合は、それぞれの基が1当量ずつあるとして計算する。
このようなモノマー単位(C)を得るために用いられるビニル系モノマー(C)の具体例としては、α−ヒドロキシアクリル酸等が挙げられる。
【0021】
本発明のビニル系重合体は、モノマー単位(A)、(B)及び(C)以外のモノマー単位(D)を有していてもよい。このようなモノマー単位(D)を得るためのビニル系モノマー(D)の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、イソプロプルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド誘導体、式(D12)で表される(メタ)アクリル酸のポリオキシアルキレン付加物のモノアルキルエーテル、式(D13)で表される(メタ)アクリル酸アミド類のポリオキシアルキレン付加物のモノアルキルエーテル、式(D14)で表される(メタ)アリルアルコールのポリオキシアルキレン付加物のモノアルキルエーテルが挙げられる。
【0022】
【化6】
【0023】
〔式中、R15、R18、R21は、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜100のアルキル基、R17、R20、R23は、同一又は異なって、炭素数1〜100のアルキル基、R16、R19、R22は、同一又は異なって、炭素数2〜6のアルキレン基、mは平均付加モル数であり、2〜100の数を示す〕。
【0024】
式(D12)、(D13)、(D14)におけるR15、R17、R18、R20、R21、R23がアルキル基の場合の炭素数は、好ましくは1〜22である。また、ポリオキシアルキレン平均付加モル数mは好ましくは2〜50モルである。
【0025】
その他のビニル系モノマー(D)としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、スチレンスルホン酸又はその塩等のスチレン誘導体、エチレン、プロピレン等のオレフィン系炭化水素類、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸等のスルホン酸塩含有ビニルモノマー又はそれらの塩等が挙げられる。これらのモノマーを塩として使用する場合の好ましい塩は、式(A1)〜(A3)で用いられる塩と同様である。
【0026】
本発明で用いられるビニル系重合体は、モノマー単位(A)、モノマー単位(B)及びモノマー単位(C)の合計が、全構成モノマー単位中に50〜100モル%、好ましくは60〜100モル%、特に好ましくは70〜100モル%である。特に形態安定化の点で、該ビニル系重合体中のカルボキシ基と水酸基の当量比は、好ましくはカルボキシ基:水酸基=9:1〜1:9、より好ましくは8:2〜1:9、特に好ましくは7:3〜2:8である。ここで、式(A4)及び(A5)で表される酸無水物はカルボキシ基が2当量分とする。なお、この比率は重合時に用いられるビニル系モノマー量比によって求めたもの(モノマーの仕込みモル比)であってもよい。
【0027】
また、式(B10)〜(B11)で表されるビニル系モノマーの1種以上が本発明の重合体を構成するモノマー単位となる場合は、式(A1)〜(A5)で表されるモノマー単位(A)は、重合体中に5〜50モル%であることが好ましく、特に5〜45モル%であることが好ましい。この範囲であれば、より効率的にビニル系重合体の分子内あるいは分子間の架橋が形成され、より高い形態安定性が繊維の種類を問わずに得られる。
【0028】
本発明で用いられる成分(a)のビニル系重合体の合成方法は、例えば特開平6−206750号公報に記載されている様な方法が適用できる。具体的には、ラジカル開始剤の存在下に、前記の各モノマーを所定のモル比率で、ラジカル共重合することにより得られる。この様にして得られたビニル系重合体の重量平均分子量は1,000〜1,000,000〔ゲル浸透式液体クロマトグラフィー(以下GPCと記載)法、ポリエチレングリコール(以下PEGと記載)換算〕の範囲のものが好ましく用いられる。なかでも5,000〜800,000の範囲がより好ましく、さらに10,000〜500,000が好ましく、特に10,000〜100,000が好ましい。
【0029】
また、本発明では(a)成分として、以上のようなビニル系重合体の異なる組成又は異なる重量平均分子量のものを2種以上組み合わせて使用することもできる。
【0030】
<(b)成分>
本発明では、(b)成分としてシリコーン化合物を用いる。シリコーン化合物としては、未変性、もしくはポリエーテル基、アミノ基、アミノポリエーテル基、アミドポリエーテル基から選ばれる少なくとも1種の変性基を有するシリコーン化合物が好ましく、特に未変性シリコーン化合物が、賦形性、形態安定性及びアイロンすべり性の点から好適である。ここで未変性シリコーン化合物とは直鎖状、又は架橋構造を持つポリジメチルシロキサンのオイル、又はガム、又はそれらの混合物である。これらシリコーン化合物を使用する場合、そのままの形態で用いても良く、又はそれらを水などに乳化/分散させたエマルションの形態で用いても良い。
【0031】
本発明では、市販されているシリコーンを用いることも可能であり、好ましいものとしては東芝ジーイーシリコーン(株)のKT−97E、TEX100、TEX101、TEX102、TEX103、TEX104、TSF451、TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、XF42−B5370、TSF4452、XF42−B5371、TSF4460、XS65−822、日本ユニカ(株)のL−720、L−7001、L−7002、L−7002、L−7604、L−7605、L−7607N、Y−7006、FZ−2120、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、FZ−2165、FZ−2166、信越シリコーン(株)のKF−351A、KF−352A、KF−353A、KF−354A、KF−615A、KF−618、KF−945A、KF−6008、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)のBY22−019、SH−3746、SH−3771、SH−8400、SF−8410、SH−8700を挙げることができる。
【0032】
<(c)成分>
本発明では(c)成分として、下式で表される化合物を用いる。
【0033】
【化7】
【0034】
〔式中、R、R''は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基、R’は水素原子又はCH3、nは2以上の正の整数である。〕。
【0035】
上記化合物の具体的な例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールジブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテルが挙げられる。
【0036】
本発明の(c)成分としては特に重量平均分子量2,000〜200,000のポリエチレングリコールがアイロンハリ付き防止、賦形効果及び形態安定化効果の点から好適であり、特に重量平均分子量1,000〜20,000、更に2,000〜10,000のポリエチレングリコールが最も好ましい。重量平均分子量は、(a)のビニル系重合体と同じ方法により求めることができる。
【0037】
<糊料組成物>
本発明のスプレー型糊料に用いられる糊料組成物は、(a)成分を好ましくは5〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%含有する。また、(b)成分を好ましくは0.005〜7.5質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.05〜2.5質量%含有する。更に、(c)成分を好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.01〜7.5質量%、特に好ましくは0.05〜5質量%含有する。この範囲であれば、好ましい賦形効果と高い形態安定効果を得ることができる。
【0038】
本発明の糊料組成物は上記(a)成分〜(c)成分を水に溶解、または分散させた水溶液の形態であり、20℃におけるpHは好ましくは2.0〜7.0、より好ましくは2.5〜6.0、特に好ましくは3.0〜5.0である。この範囲において繊維の強度劣化が起こらず、また形態安定性が良好となる。pHは、繊維処理剤等に公知に使用されている酸やアルカリ剤により調整してもよく、また後述する水溶性無機塩により調整してもよい。
【0039】
本発明の糊料組成物には形態安定化効果をさらに向上させる目的から(d)成分として水溶性無機塩を配合することが好ましい。本発明で言うところの水溶性とは、20℃における溶解度が0.1g/水100g以上のものを指す。具体的には、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等のリン酸類、ホウ酸、メタホウ酸、などのホウ酸類、ケイ酸、メタケイ酸等のケイ酸類、硫酸、亜硫酸等の硫酸類から選ばれる酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩又はアミン類塩である。本発明では、特に亜リン酸、次亜リン酸、リン酸、メタリン酸、ポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩が形態安定性向上の点で好ましい。本発明の糊料組成物は、(d)成分を好ましくは0.005〜10質量%、より好ましくは0.05〜7.5質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%含有する。
【0040】
本発明において、(a)成分に対する(d)成分の質量比率は、形態安定性向上の点で、(a)成分:(d)成分が好ましくは1:0〜1:1、より好ましくは1:0.05〜1:0.5、特に好ましくは1:0.1〜1:0.3である。
【0041】
本発明の糊料組成物は、さらに(e)成分として低分子型多価カルボン酸を含有させることが、形態安定効果の点から好ましい。
【0042】
(e)成分とは、1分子中に2つ以上のカルボキシ基を有する有機酸又はその塩であり、好ましくは隣接する炭素原子にそれぞれ結合する少なくとも2つのカルボキシ基を有する有機酸又はその塩である。酸としての分子量は116〜1,000、好ましくは116〜800、より好ましくは116〜500である。このような化合物としてはコハク酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、シトラコン酸、アコニット酸、イタコン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、フェニルコハク酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロオクタンジカルボン酸、1,2−シクロヘプタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,3−ジメチルコハク酸、2,3−ジエチルコハク酸、2−エチル−3−メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、3,3−ジメチル−シス−1,2−シクロプロパンジカルボン酸、2,3−ジ−tert−ブチルコハク酸、トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸等が挙げられる。また、界面活性能を有する多価カルボン酸として、炭素数8〜18のアルケニルコハク酸等が挙げられる。これらの酸はその一部をアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩としても使用でき、或いは例えば無水マレイン酸や無水コハク酸のような酸無水物としても使用できる。さらに2種以上の酸、酸無水物を組み合わせても使用できる。
【0043】
これらの(e)成分のうち、特にクエン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸又はこれらの塩が形態安定効果を向上させる点で好ましい。
【0044】
本発明の糊料組成物は、このような(e)成分を、酸として好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%含有する。
【0045】
本発明の糊料組成物には必要に応じて、アイロン滑り性を向上させるためのワックス或いはその乳化物、保存安定性を向上させるための抗菌・殺菌・防黴剤や使用感を良好にするための香料等の衣料用スプレー糊料に使用されている成分を任意に配合することができる。これら成分は糊料組成物中に0〜15質量%含有させることができる。
【0046】
本発明の糊料組成物の残部は水であり、好ましくは55〜99.9質量%、更に好ましくは65〜99.5質量%、特に好ましくは75〜99.5質量%含有される。
【0047】
<スプレー型糊料>
本発明のスプレー型糊料は、上記糊料組成物を、スプレー容器に充填してなり、繊維製品に上記糊料組成物をスプレー処理をして含浸させ、アイロン処理等の加熱処理することで簡便に賦形効果及び形態安定化効果を得ることができる。
【0048】
スプレー処理にはエアゾール式、手動式トリガー、手動式ポンプ等のスプレーヤーを用いることができ、なかでも手動式トリガー又は手動式ポンプが好ましく、特に手動式トリガーが好ましい。本発明では、上記組成物をこれらのスプレーヤーを備えた容器に充填してなる物品として使用することが最も好ましい。これらスプレーヤーの構成は、好ましくは1回の噴霧で0.1〜1.5g、好ましくは0.2〜1.0g、特に好ましくは0.25〜0.8gの糊料組成物が噴出するものが良好である。さらに繊維製品から15cm離れた場所から噴霧したとき、1回の噴霧で繊維製品に該糊料組成物が付着する面積は50〜800cm2、特に100〜600cm2になる容器が好ましい。さらに例えば実開平4−37554号公報や特開平9−122547号公報に開示されているような蓄圧式トリガーを用いるとスプレーミストの均一性や液だれ・ボタ落ちの無さの点で良好である。
【0049】
本発明では、上記のようなスプレー処理によって繊維製品100gに対して該ビニル系重合体が平均0.01〜20g、好ましくは0.1〜15g、特に好ましくは0.5〜10gを均一に付着させるのがアイロン処理により加熱する際、アイロン底面との接着がなく、アイロン底面による焦げ付きもなく、アイロン滑り性に優れた、形態安定効果を付与する点で好ましい。
【0050】
本発明では、以上のように糊料組成物を繊維製品へスプレー処理をした後、60〜300℃の加熱処理を行うことにより、好ましい賦形効果と高い形態安定効果及び適度な風合いや肌触りを有する繊維製品が得られる。加熱処理はアイロン以外に一般に普及しているズボンプレッサーや温風乾燥機等を用いて行うことも可能であるが、加熱処理とシワの除去や折り目つけなどの整形処理を同時に行えるアイロンとズボンプレッサーが好ましく、特にアイロンが簡便であり好ましい。アイロンの設定温度は繊維素材に適した温度で行うが、好ましくは120〜220℃、特に好ましくは140〜200℃である。またアイロンがけ時間は好ましくは繊維製品100cm2あたり1〜90秒間、特に好ましくは2〜60秒間である。
【0051】
また、スプレー処理と加熱処理の間に自然乾燥が任意に加わっても構わなく、それにより本発明の目的を達するのに妨げにはならない。
【0052】
本発明の糊料組成物の最適配合とスプレー糊料を以下に示す。
(I)(a)成分として、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸及び無水マレイン酸から選ばれるカルボキシ基を有するビニル系モノマー(A)から得られるモノマー単位(A)と、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、POA付加モノ(メタ)アクリルアミド及びPOA付加モノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、POA付加モノ(メタ)アクリレートから選ばれる水酸基を有するビニル系モノマー(B)から得られるモノマー単位(B)とを有するビニル系共重合体であって、該重合体の構成モノマー単位中にこれらのモノマー(A)及び(B)が合計70〜100モル%を占め、カルボキシ基と水酸基の当量比が、カルボキシ基:水酸基=7:3〜2:8であるようなビニル系共重合体 0.5〜10質量%
(b)成分として、ジメチルポリシロキサン、水酸基含有ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンもしくは水酸基含有ジメチルポリシロキサンのオイル、もしくはガム、並びにこれらのオイルもしくはガムの乳化物 0.05〜2.5質量%(シリコーン分として)
(c)成分として、ポリエチレングリコール(分子量1,000〜20,000)0.05〜5質量%
(II)次亜リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はカリウム、リン酸二水素ナトリウム又はカリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウムから選ばれる水溶性無機塩
0.1〜5質量%
(III)必要に応じて水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸、硫酸、塩酸から選ばれるpH調整剤
と残部の水とからなり、20℃におけるpHが4.0〜6.5である液状の糊料組成物であり、さらに、該組成物をトリガー式のスプレーヤーを備えた容器に充填してなるスプレー式糊料が挙げられる。
【0053】
本発明の糊料組成物を繊維製品に含浸させ熱処理することで(a)成分のビニル系重合体の分子内あるいは分子間で架橋が形成されるとともに、高分子皮膜が形成され、賦形効果及び形態安定効果を繊維製品に付与できる。従って、本発明の糊料組成物は、熱処理が可能で且つ水による損傷を実質的に受けないものであれば、いかなる繊維製品に対しても使用することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、繊維の種類を問わずに家庭で簡便に優れた形態安定性、すなわちシワ抑制効果及び折り目保持効果を着用時のみならず洗濯後においても繊維製品に付与するとともに、形態安定効果を損なわず、好ましいハリ性を有し、適度な風合い、肌触りを繊維製品に付与することができる繊維製品用のスプレー型糊料が得られる。
【0055】
【実施例】
以下に(a)成分の合成例を挙げる。
【0056】
合成例1(ビニル系共重合体a−1の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸114.00g、水130.00g、EO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6]116.33gを加えた後、槽内温度を70℃に昇温し、96%水酸化ナトリウム48.47gを水46.53gに溶解した溶液を加えた。
さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、35%過酸化水素水65.92g、過硫酸ナトリウム6.93gからなる開始剤水溶液を6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/EO付加型アリルエーテル(=80/20モル比)共重合体の重量平均分子量(PEG換算、以下Mwとする)は、下記の方法により測定を行ったところ2.1万であった。
【0057】
[分子量測定法]
GPCを用いて下記の条件に従い測定を行った。
カラム:東ソー(株)製 G4000PWXL+G2500PWXL
溶離液:リン酸二水素カリウム0.1mol/Lとリン酸水素二ナトリウム1mol/Lとを含む水溶液とアセトニトリルとの9:1の容量比混合物
検出器:示差屈折率計
流速:1.0mL/分
カラム(測定)温度:40℃
標準サンプル:PEG(9.20×105、5.10×105、2.50×105、9.50×104、4.60×104、3.90×104)
サンプル濃度:5mg/mL
溶離液サンプル注入量:100μL
分子量は上記標準サンプルから得られる検量線を用いて、PEG換算分子量を算出した。なお、この分子量範囲から外れるサンプルについては、検量線を外挿する方法により換算分子量を算出した。
【0058】
合成例2(ビニル系共重合体a−2の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸78.40g、水166.00g、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数2、トリブロック型:アリルエーテル(EO)2(PO)2(EO)4]87.60gを加えた後、槽内温度を70℃に昇温し、96%水酸化ナトリウム28.33gを水66.34gに溶解した溶液を加えた。
さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、35%過酸化水素水42.74g、過硫酸ナトリウム4.76gからなる開始剤水溶液を6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/アリルエーテル(EO)2(PO)2(EO)4(=80/20モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ2.0万であった。
【0059】
合成例3(ビニル系共重合体a−3の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸156.80g、水308.80g、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数1、トリブロック型:アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4]152.00gを加えた後、槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液120.00gを加えた。さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、35%過酸化水素水85.49g、過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液を6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4(=80/20モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ1.5万であった。
【0060】
合成例4(ビニル系共重合体a−4の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸156.80g、水360.00g、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数0.5、トリブロック型:アリルエーテル(EO)2(PO)0.5(EO)4]140.40gを加えた後、槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液120.00gを加えた。さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、35%過酸化水素水85.49g、過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液を6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/アリルエーテル(EO)2(PO)0.5(EO)4(=80/20モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ1.8万であった。
【0061】
合成例5(ビニル系共重合体a−5の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸156.80g、水308.80g、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数1、ランダム型:アリルエーテル(EO/PO)7]152.20gを加えた。槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液120.00gを加えた。さらに、槽内を窒素置換後、さらに98℃まで昇温し、35%過酸化水素水85.49g、過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液を6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/アリルエーテル(EO/PO)7(=80/20モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ1.8万であった。
【0062】
合成例6(ビニル系共重合体a−6の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸127.38g、水370.66g、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数1、トリブロック型:アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4]243.28gを加えた後、槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液97.49gを加えた。さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸12.44gと水50.00gからなるモノマー溶液と、35%過酸化水素水94.23g、過硫酸ナトリウム9.24gからなる開始剤水溶液とを同時に6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(=65/32/3モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ1.8万であった。
【0063】
合成例7(ビニル系共重合体a−7の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸88.20g、水506.20g、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数1、トリブロック型:アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4]418.00gを加えた後、槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液67.50gを加えた。槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、35%過酸化水素水116.57g、過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液を6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4(=45/55モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ1.5万であった。
【0064】
合成例8(ビニル系共重合体a−8の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸156.80g、水302.84gを加え、槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液120.00gを加えた。さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド46.04gからなるモノマー溶液、35%過酸化水素水116.57gと過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液とを同時に6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(=80/20モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ3.5万であった。
【0065】
合成例9(ビニル系共重合体a−9の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、無水マレイン酸78.40g、水216.52gを加え、槽内温度を70℃に昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液66.67gを加えた。さらに、槽内を窒素置換後、98℃まで昇温し、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド138.12gからなるモノマー溶液、35%過酸化水素水116.57gと過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液とを同時に6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたマレイン酸/N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(=20/80モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ3.0万であった。
【0066】
合成例10(ビニル系共重合体a−10の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、EO付加型アリルエーテル[EO付加モル数8]384.00g、水441.67gを加え、槽内を窒素置換後、槽内温度を90℃に昇温し、アクリル酸57.67gと48%水酸化ナトリウム水溶液53.33gからなるモノマー水溶液、35%過酸化水素水116.57gと過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液とを同時に6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたアクリル酸/EO付加型アリルエーテル(=40/60モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ4.0万であった。
【0067】
合成例11(ビニル系共重合体a−11の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、EOPO付加型アリルエーテル[EO付加モル数6、PO付加モル数1、トリブロック型:アリルエーテル(EO)2(PO)1(EO)4]418.00g、水475.67gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を70℃まで昇温し、アクリル酸57.67g、48%水酸化ナトリウム水溶液53.33g、N,N−ジメチルアクリルアミド9.91gからなるモノマー溶液と、35%過酸化水素水116.57gと過硫酸ナトリウム9.53gからなる開始剤水溶液とを同時に6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を98℃に保った。得られたアクリル酸/EOPO付加型アリルエーテル/N,N−ジメチルアクリルアミド(=40/55/5モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ4.0万であった。
【0068】
合成例12(ビニル系共重合体a−12の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、水475.00g、イソプロピルアルコール(以下、IPAと記載)25.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、アクリル酸64.88g、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド143.00gからなるモノマー溶液と、過硫酸ナトリム0.95gと水50.00gからなる開始剤水溶液とを同時に2時間かけて滴下し、4時間槽内温度を75℃に保ったままさらに重合を行った。得られた反応溶液から75℃、減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留去しなくなくなるまで濃縮し、アクリル酸/N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド(=55/45モル比)共重合体の透明水溶液を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ12.0万であった。
【0069】
合成例13(ビニル系共重合体a−13の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、水475.00g、IPA25.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、アクリル酸57.67g、N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド143.00g、N,N−ジメチルアクリルアミド9.91gからなるモノマー溶液と、過硫酸ナトリム0.95gと水50.00gからなる開始剤水溶液とをそれぞれ2時間かけて滴下し、4時間槽内温度を75℃に保ったままさらに重合を行った。得られた反応溶液から75℃、減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留去しなくなくなるまで濃縮し、アクリル酸/N−(3−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド/N,N−ジメチルアクリルアミド(=40/55/5モル比)共重合体の透明水溶液を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ10.0万であった。
【0070】
合成例14(ビニル系重合体aa−1の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコの槽内を窒素置換後、無水マレイン酸156.80g、イオン交換水202.08gを加え、槽内温度を70℃まで昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液133.33gを加えた。さらに、槽内温度を98℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート45.28gから成るモノマーと、35%過酸化水素水85.49g、過硫酸ナトリウム9.53gから成る開始剤水溶液を、それぞれ6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内を98℃以上に保った。得られたマレイン酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート(=80/20モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、下記載の方法により測定を行ったところ3.5万であった。
【0071】
合成例15(ビニル系重合体aa−2の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコの槽内を窒素置換後、無水マレイン酸58.80g、イオン交換水217.28g加え、槽内温度を70℃まで昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液50.00gを加えた。さらに、槽内温度を98℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート158.48gから成るモノマーと、35%過酸化水素水85.49g、過硫酸ナトリウム9.53gから成る開始剤水溶液をそれぞれ6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内を還流温度に保った。得られたマレイン酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート(=30/70モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ4.1万であった。
【0072】
合成例16(ビニル系重合体aa−3の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコの槽内を窒素置換後、無水マレイン酸148.96g、イオン交換水192.00g加え、槽内温度を70℃まで昇温し、48%水酸化ナトリウム水溶液126.67gを加えた。さらに、槽内温度を98℃まで昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート43.02g、N,N−ジメチルアクリルアミド9.91gから成るモノマーと、35%過酸化水素水97.14g、過硫酸ナトリウム9.53gから成る開始剤水溶液を、それぞれ6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内を還流温度に保った。得られたマレイン酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/N,N−ジメチルアクリルアミド(=76/19/5モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ4.8万であった。
【0073】
合成例17(ビニル系重合体aa−4の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコの槽内を窒素置換後、無水マレイン酸98.00g、イオン交換水435.00g加え、槽内温度を70℃まで昇温し、48%水酸化ナトリウム83.33gを加えた。さらに、槽内温度を98℃まで昇温し、ポリオキシエチレン付加型アクリレート(EO付加モル数約6)336.09gから成るモノマーと、35%過酸化水素水85.49g、過硫酸ナトリウム9.53gから成る開始剤水溶液を、それぞれ6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内を還流温度に保った。得られたマレイン酸/ポリオキシエチレン付加型アクリレート(=50/50モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ5.8万であった。
【0074】
合成例18(ビニル系重合体aa−5の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、イオン交換水100.00g、イソプロピルアルコール(以下IPAと記載)400.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、アクリル酸115.34g、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.44gから成るモノマーと、過硫酸ナトリウム0.95g、イオン交換水40.00gから成る開始剤水溶液を、それぞれ2時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を75℃に保った。得られた反応溶液から75℃減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留出しなくなるまで濃縮し、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート(=80/20モル比)共重合体の透明水溶液を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は合成例1記載の方法により測定を行なったところ5.3万であった。
【0075】
合成例19(ビニル系重合体aa−6の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコの槽内を窒素置換後、無水マレイン酸58.80g、イオン交換水236.88g加え、槽内温度を70℃まで昇温し、48%水酸化ナトリウム83.33gを加えた。さらに、槽内温度を98℃まで昇温し、3−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト178.08gから成るモノマーと、35%過酸化水素水85.49gから成る開始剤水溶液を、それぞれ6時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内を還流温度に保った。得られたマレイン酸/3−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト(=30/70モル比)共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ5.2万であった。
【0076】
合成例20(ビニル系重合体aa−7の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、イオン交換水475.00g、IPA25.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、アクリル酸7.20g、2−ヒドロキシエチルアクリレート215.10gから成るモノマーと、過硫酸ナトリム4.76gとイオン交換水50.00gから成る開始剤水溶液を、それぞれ2時間かけて上記反応槽に滴下し、4時間槽内温度を75℃に保った。得られた反応溶液から75℃減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留出しなくなるまで濃縮し、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート(=5/95モル比)共重合体の透明水溶液を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行なったところ17.5万であった。
【0077】
合成例21(ビニル系重合体aa−8の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、イオン交換水475.00g、IPA25.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、アクリル酸136.97g、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.32gから成るモノマーと、過硫酸ナトリム4.76gをイオン交換水50.00gから成る開始剤水溶液を、それぞれ2時間かけて上記反応槽に滴下し、さらに4時間槽内温度を75℃に保った。得られた反応溶液から75℃減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留出しなくなるまで濃縮し、アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート(=95/5モル比)共重合体の透明水溶液を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行なったところ15.0万であった。
【0078】
合成例22(ビニル系重合体aa−9の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、α−ヒドロキシアクリル酸110.00gと、過硫酸ナトリウム6.60g、水400.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を70℃まで昇温し、6時間槽内温度を70℃に保ったまま重合を行い、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸ナトリウムの透明水溶液を得た。得られたポリマーのMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ15.0万であった。
【0079】
合成例23(ビニル系共重合体a’−1の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、水475.00g、IPA25.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、メタクリル酸86.09g、N,N−ジメチルアクリルアミド99.13gからなるモノマー溶液と、過硫酸ナトリウム0.95gと水50.00gからなる開始剤水溶液とを同時に2時間かけて滴下し、4時間槽内温度を75℃に保ったままさらに重合を行った。得られた反応溶液から75℃、減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留去しなくなくなるまで濃縮し、メタクリル酸/N,N−ジメチルアクリルアミド(=50/50モル比)共重合体の透明水溶液を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ17.5万であった。
【0080】
合成例24(ビニル系共重合体a’−2の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、IPA500.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を75℃まで昇温し、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド184.16g、メチルメタクリレート44.00gからなるモノマー溶液と、V−65[和光純薬製 試薬]0.99gとIPA50.00gからなる開始剤水溶液とを同時に2時間かけて滴下し、4時間槽内温度を75℃に保ったままさらに重合を行った。得られた反応溶液から75℃、減圧(10,600〜13,300Pa)下において、IPAが留去しなくなくなるまで濃縮し、メチルメタクリレート/N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(=20/80モル比)共重合体の固体を得た。得られた共重合体のMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ5.0万であった。
【0081】
合成例25(ビニル系共重合体a’−3の合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却装置、温度計を取り付けた1L4つ口フラスコに、スチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー社製スピノマーNaSS、純度88%)110.00gと、過硫酸ナトリウム6.60g、水400.00gを加え、窒素雰囲気下で、槽内温度を70℃まで昇温し、6時間槽内温度を70℃に保ったまま重合を行い、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの透明水溶液を得た。得られたポリマーのMw(PEG換算)は、合成例1記載の方法により測定を行ったところ20.0万であった。
【0082】
以上の合成例で得られたビニル系重合体からなる成分(a)を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
また、(b)成分を以下に示す。
b−1:BY22−019(ジメチルポリシロキサンオイルエマルション、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
b−2:XS65−822(ジメチルポリシロキサンガムエマルション、ジーイー東芝シリコーン(株)製)
b−3:KT−97E(ジメチルポリシロキサンガムエマルション、ジーイー東芝シリコーン(株)製)。
【0085】
表2に、上記の(a)、(b)成分を配合する処方例x−1〜x−3を示す。
【0086】
【表2】
【0087】
*1:重量平均分子量3,000、片山化学工業(株)製
*2:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン液、アビシア(株)製。
【0088】
上記(a)、(b)成分は表3、4に示すように表2の処方例に配合し、表3、4の糊料組成物を得た。得られた糊料組成物を用いて、下記に示す方法により形態安定性の評価を行った。その結果を表3、4に示す。
【0089】
(試験布の調製)
木綿100%ブロード#60(白色無地、蛍光晒し有り)(染色試材(株)谷頭商店から入手)を衣料用洗剤アタック(花王(株)製)にて全自動洗濯機を用いて、洗浄12分−ためすすぎ1回−脱水3分、の工程を5サイクル繰り返した後、家庭用二槽式洗濯機で、流水すすぎ15分−脱水5分、を行い、自然乾燥した後、15cm×25cm(長方向が縦糸と平行方向)に裁断したものを試験布とする。
【0090】
表3、4の糊料組成物を100%o.w.f.(on the weight of fabrics, 布の質量に対する該組成物質量)になるように、スプレーバイアル(マルエム製No.6)を用いて、試験布全体に均一にスプレーした後、長辺のほぼ中心で2つ折りにして、すみやかに家庭用アイロン(松下電器製NI−A55自動アイロン)の木綿設定でアイロンがけを60秒間行う。さらに2つ折りのまま、裏返して引き続き60秒間アイロンがけを行う。
【0091】
1つの糊料組成物につき5枚の処理を同様に行う。そのうち1枚をハリ性の評価に供し、1枚を風合いの評価に供す。残り3枚の処理布を広げて、全自動洗濯機(松下電器製NA−F50K1)を用いて、洗浄12分−ためすすぎ2回−脱水40秒、高水位、衣料用洗剤アタックの標準使用量、にて洗濯を行い、広げた状態で平干しにて自然乾燥したものを形態安定性の評価に供す。
【0092】
(ハリ性の評価)
上記処理試験布について、ハリ性の評価を5人のパネラーによって、20℃/60%RHの条件下において、対照(水のみをスプレーし同様の温度・時間でアイロンがけを行ったもの)との相対評価を下記の基準で行った。5人のパネラーの平均を求め、1以上1.5未満を◎、1.5以上2未満を○、2以上3以下を×として判定した。結果を表3、4に示す。
対照に比べ十分なハリ性を有する 1
対照に比べ少しハリ性を有する 2
対照と同等であった 3。
【0093】
(風合いの評価)
上記処理試験布について、風合いの評価を5人のパネラーによって、20℃/60%RHの条件下において、対照(水のみをスプレーし同様の温度・時間でアイロンがけを行ったもの)との相対評価を下記の基準で行った。5人のパネラーの平均を求め、1以上1.5未満を◎、1.5以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上を×として判定した。結果を表3、4に示す。
対照に比べ有意に好ましい風合いを有する 1
対照に比べ多少好ましい風合いを有する 2
対照と同等であった 3
対照に比べ好ましくない風合いを有する 4。
【0094】
(形態安定性の評価)
乾燥後の試験布について、シワ抑制効果と折り目保持効果を5人のパネラーによる自然光下での視覚判定で行った。すなわち、対照(水のみをスプレーし同様の温度・時間でアイロンがけを行い、同様に洗浄、乾燥したもの)との相対評価を、シワ抑制効果、折り目保持効果のそれぞれについて、下記の基準で行った。
5人のパネラーの平均を求め、1以上1.5未満を◎、1.5以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上を×として判定した。結果を表3、4に示す。
【0095】
(シワ抑制効果)
対照と比較してシワが少ない 1
対照と比較してややシワが少ない 2
対照と比較して同等のシワがある 3
対照と比較してシワが多い 4。
【0096】
(折り目保持効果)
対照と比較して明らかに折り目が残っている 1
対照と比較して折り目が残っている 2
対照と比較して同等の折り目の残りかたである 3
対照と比較してより折り目が残っていない 4
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
Claims (4)
- (a)下記モノマー単位(A)、モノマー単位(B)及びモノマー単位(C)から選択される〔この場合において、モノマー単位(C)が選択されない場合は、モノマー単位(A)及びモノマー単位(B)の両方のモノマー単位から選択される〕モノマー単位を含み、且つ、全構成モノマー単位中のモノマー単位(A)、(B)及び(C)の比率が合計で50〜100モル%を占めるビニル系重合体5〜30質量%、(b)シリコーン化合物0.005〜7.5質量%、(c)重量平均分子量2,000〜10,000のポリエチレングリコール0.005〜10質量%、(d)亜リン酸、次亜リン酸、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸から選ばれるリン酸類のアルカリ金属塩0.005〜10質量%、並びに水を含有し、20℃におけるpHが2.0〜7.0である糊料組成物を、スプレー容器に充填してなるスプレー型糊料。
モノマー単位(A):カルボキシル基を有するビニル系モノマー単位
モノマー単位(B):水酸基を有するビニル系モノマー単位
モノマー単位(C):カルボキシル基と水酸基とを有するビニル系モノマー単位 - (a)のカルボキシル基と水酸基の当量比が、カルボキシル基:水酸基=7:3〜2:8である請求項1記載のスプレー型糊料。
- (a)が重量平均分子量1,000〜1,000,000の高分子重合体である請求項1又は2記載のスプレー型糊料。
- 請求項1〜3の何れか1項記載のスプレー型糊料を用いて繊維製品に前記糊料組成物をスプレー処理して含浸させ、加熱処理する、繊維製品の糊付け処理方法であって、繊維製品100gに対して(a)のビニル系重合体が平均0.01〜20g付着するように前記糊料組成物をスプレー処理する、繊維製品の処理方法。
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