JP4562747B2 - 変圧器励磁突入電流抑制制御方法及びその装置 - Google Patents

変圧器励磁突入電流抑制制御方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、高調波を含む電力系統に変圧器を接続して使用する際に発生する励磁突入電流を抑制制御するための変圧器励磁突入電流抑制制御方法及び変圧器励磁突入電流抑制制御装置に関するものである。
従来、変圧器を電力系統に接続して使用する場合に、その接続位相角を制御することで、励磁突入電流を抑制することが行われている。例えば、特開平11−345546号公報(特許文献1)では、変圧器の端子に設けられた遮断器の遮断動作時に基準とする相の電圧零点の時刻から予め定められた時間後に変圧器を切り離し、該遮断器の投入動作時に当該基準とする相の電圧零点の時刻から予め定められた時間後に変圧器を投入するためにゼロクロスコンバータを用いて制御基準点を求めることが記載されている。
また、特開平10−164754号公報(特許文献2)では、変圧器への電源が遮断されたことが検出されると、電源遮断時の電源電圧の位相角度を記憶しておき、変圧器への電源が再投入されたことが検出されると記憶された前回遮断時の電源電圧位相角度にもとづき突入電流を小さくする電源投入タイミングを求めてそのタイミングに達した時点でスイッチング素子をオンすることが記載されている。
また、特開昭55−100034号公報(特許文献3)では、変圧器の端子に設けられた遮断器が開放された時点における変圧器の端子電圧位相を記憶し、該遮断器の再投入を電源電圧位相が記憶された電圧位相に一致するように制御することが記載されている。
特開平11−345546号公報 特開平10−164754号公報 特開昭55−100034号公報
しかしながら、前述の特許文献1の技術では、図23の101に示すように、高調波を含む波形では電圧零点の時刻が3点検出される場合があり、ゼロクロスコンバータが有効に機能しないという問題が有る。
また、特許文献2の技術では、低圧用単相変圧器の電源電圧の位相角を検出して開閉器としてスイッチング素子を利用しているが、特別高圧の電力系統では、定格電圧50万V、定格遮断電流5万A程度に対応出来るスイッチング素子がなく対応が出来ないという問題がある。
また、特許文献3の技術では、実測による検出手段がないため、図24に示すように、電力系統に短絡事故等が発生した時には、リレー動作による遮断器動作点111よりも前にあたかも変圧器遮断状態となるので、遮断器が開放される以前の残留磁束検出がもっとも有効である。図24は、電力系統で3線短絡事故が発生した場合の変圧器電圧と磁束の演算結果を示す。残留磁束は、事故発生位相角により異なり、例えば、事故発生位相角は、a相が138.3度、b相が19.5度、c相が255.6度である。他方、残留磁束は、a相が0.73、b相が−0.42、c相が−0.31となり、最適制御相は、c相で制御位相角が−72度となる。特許文献3の技術では、c相が255.6度で投入することになるため、その位相差32度で遮断器を投入することとなり、変圧器にかなりの励磁突入電流が流れるものである。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、3相交流変圧器を遮断する際の残留磁束を測定し、その残留磁束から励磁突入電流が最小となる制御相及び制御位相角を検出し、その制御相及び制御位相角で3相交流変圧器の投入制御を行なうことで、高調波を含む電力系統に3相交流変圧器を接続して使用する際に発生する励磁突入電流を抑制制御することが出来る変圧器励磁突入電流抑制制御方法及び変圧器励磁突入電流抑制制御装置を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御方法は、3相交流変圧器の端子に設けられた遮断器の投入を制御する方法であって、前記3相交流変圧器の遮断時の残留磁束を測定し、3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相を投入相として、その投入相の残留磁束の値を用いて、Φr(min):3相交流変圧器の遮断時の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の、θ:位相角、とした時に、θ=cos―1(−Φr(min))によって、2つのθを演算し、Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束、Ik(a,1),Ik(b,1),Ik(c,1):第1のθの時の各相の仮想突入電流、Ik(a,2),Ik(b,2),Ik(c,2):第2のθの時の各相の仮想突入電流、とした時に、Ik(a,1)=cos(θ)+Φr(a)、Ik(b,1)=cos(θ−120)+Φr(b)、Ik(c,1)=cos(θ+120)+Φr(c)、Ik(a,2)=cos(−θ)+Φr(a)、Ik(b,2)=cos(−θ−120)+Φr(b)、Ik(c,2)=cos(−θ+120)+Φr(c)によって、各相のθの第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求め、それらの仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として前記遮断器の投入を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置は、3相交流変圧器の端子に設けられた遮断器の投入を制御する装置であって、前記3相交流変圧器の遮断時の残留磁束を測定する残留磁束測定器と、前記残留磁束測定器により測定された3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相を投入相とする投入相設定手段と、前記投入相設定手段により設定された投入相の残留磁束の値を用いて、Φr(min):3相交流変圧器の遮断時の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の、θ:位相角、とした時に、θ=cos―1(−Φr(min))によって、2つのθを演算する投入位相角演算手段と、Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束、Ik(a,1),Ik(b,1),Ik(c,1):第1のθの時の各相の仮想突入電流、Ik(a,2),Ik(b,2),Ik(c,2):第2のθの時の各相の仮想突入電流、とした時に、Ik(a,1)=cos(θ)+Φr(a)、Ik(b,1)=cos(θ−120)+Φr(b)、Ik(c,1)=cos(θ+120)+Φr(c)、Ik(a,2)=cos(−θ)+Φr(a)、Ik(b,2)=cos(−θ−120)+Φr(b)、Ik(c,2)=cos(−θ+120)+Φr(c)によって、前記投入位相角演算手段により求めた各相のθの第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求める仮想突入電流演算手段と、前記仮想突入電流演算手段により求められた各仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として遮断器の投入を制御する遮断器投入制御手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御方法によれば、各相の位相角θのcos−1における第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求め、それらの仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として遮断器の投入を制御することにより励磁突入電流を最小とすることが出来る。
また、本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置によれば、仮想突入電流演算手段により各相の位相角θのcos−1における第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求め、遮断器投入制御手段により、それらの仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として遮断器の投入を制御することにより励磁突入電流を最小とすることが出来る。
図により本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御方法及び変圧器励磁突入電流抑制制御装置の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置の構成を示す回路図、図2及び図3は制御部の内部構成を説明するブロック図、図4は設定画面の一例を示す図、図5は監視画面の一例を示す図、図6は投入/遮断設定画面の一例を示す図、図7は本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置の動作を説明するフローチャート、図8は変圧器の遮断位相角と残留磁束との相関関係を示す図、図9は1相飽和状態の磁束と電流との相関関係を示す図、図10は2相飽和状態の磁束と電流との相関関係を示す図、図11は変圧器の遮断制御を説明するタイムチャート、図12は残留磁束の測定結果の一例を示す図、図13は遮断時刻検出器により遮断の検証を行う様子を示す図、図14は遮断時間測定器により遮断時間の検証を行う様子を示す図、図15は遮断位相角と残留磁束との相関関係を示す図、図16は位相角の判定を行う様子を示すフローチャート、図17は変圧器の投入制御を示すタイムチャート、図18は投入時刻検出器により投入の検証を行う様子を示す図、図19は投入時間測定器により投入時間の検証を行う様子を示す図、図20は本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置により変圧器の投入制御を行った場合の母線電圧と変圧器電流の変化を示す図、図21は母線電圧の位相角をsin−1位相角検出器で位相角を算出し、次のサンプリング値で更に位相角を算出し、その変化幅がサンプリング位相角よりも大きくサンプリング位相角の2倍以下を検出する様子を説明する図、図22は従来制御で変圧器の投入を行った場合の母線電圧と変圧器電流の変化を示す図である。
図1において、1は母線4に接続された3相交流変圧器2の主回路であり、母線4に接続され、変圧器2の一次側に設けられた母線電圧検出用変圧器(VT-1)5と、該母線電圧検出用変圧器(VT-1)5と変圧器2の一次側端子との間に設けられ、変圧器2の一次側を遮断し得る変圧器1次側遮断器(CB-1)6と、変圧器2の二次側端子に設けられ、変圧器2の二次側を遮断し得る変圧器2次側遮断器(CB-2)8と、母線4に接続され、変圧器2次側遮断器(CB-2)8と変圧器2との間に設けられた検出用変圧器(VT-2)7とを有して構成されている。
3は変圧器1次側遮断器(CB-1)6の遮断/投入を制御するための遮断器操作開閉器であり、9は変圧器1次側遮断器(CB-1)6の遮断操作を行なうための遮断操作開閉器であり、10は変圧器1次側遮断器(CB-1)6の投入操作を行なうための投入操作開閉器である。
11は3相交流変圧器2の端子に設けられた変圧器1次側遮断器6の投入/遮断を制御する変圧器励磁突入電流抑制制御装置であり、検出用変圧器5,7により変圧された母線電圧及び3相交流変圧器2の2次側電圧を詳しくは図2及び図3に示して後述する制御部12に適合した電圧に変換する入力変換器13,14、制御部12に遮断器6の遮断指令を知らせる補助装置15、制御部12に遮断器6の投入指令を知らせる補助装置16、制御部12からの遮断器6の遮断指令を高速で該遮断器6に与えるスイッチング回路17、制御部12からの遮断器6の投入指令を高速で該遮断器6に与えるスイッチング回路18、遮断器6への遮断指令を高速で制御部12に知らせる高速遮断指令検出器19、遮断器6への投入指令を高速で制御部12に知らせる高速投入指令検出器20を有して構成される。
21は遮断器操作回路であり、変圧器1次側遮断器6の汎用型操作回路により構成される。22は電気信号を機械力に変換するためのトリップコイルであり、23は同じく電気信号を機械力に変換するためのクロージングコイルであり、24,25は補助開閉器である。
図2及び図3は制御部12の構成を示す図であり、3相交流変圧器2の遮断時の残留磁束を測定する残留磁束測定器26、該残留磁束測定器26により測定された3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相を投入相とする投入相設定手段となる投入相設定器27、該投入相設定器27により設定された投入相の残留磁束の値を用いて、Φr(min):3相交流変圧器の遮断時の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の、θ:位相角とした時に、θ=cos―1(−Φr(min))によって、2つのθを演算する投入位相角演算手段となる最適投入位相角演算器28と、Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束、Ik(a,1),Ik(b,1),Ik(c,1):第1のθの時の各相の仮想突入電流、Ik(a,2),Ik(b,2),Ik(c,2):第2のθの時の各相の仮想突入電流とした時に、Ik(a,1)=cos(θ)+Φr(a)、Ik(b,1)=cos(θ−120)+Φr(b)、Ik(c,1)=cos(θ+120)+Φr(c)、Ik(a,2)=cos(−θ)+Φr(a)、Ik(b,2)=cos(−θ−120)+Φr(b)、Ik(c,2)=cos(−θ+120)+Φr(c)によって、最適投入位相角演算器28により求めた各相のθの第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求める仮想突入電流演算手段となる仮想突入電流演算器29と、該仮想突入電流演算器29により求められた各仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として遮断器6の投入を制御する遮断器投入制御手段となる変圧器投入装置30とを有している。
また、制御部12は、予め設定された特定の相の投入位相角と、投入指令により遮断器6に投入指令を与えた時刻と、該遮断器6が実際に投入された時刻との時間差のうち最短時間である投入時間から投入加算時間を求める投入加算時間演算手段となる投入加算時間演算器31と、遮断器6の投入指令を受信すると、その受信時にサンプリングした母線電圧の瞬時値から、VB(a),VB(b),VB(c):母線電圧の瞬時値、Vm:母線電圧の最大値、θ:特定の相の位相角、VB:特定の相の母線電圧の瞬時値とした時に、
によって、投入指令受信時に第1のサンプリング時の投入相位相角をsin−1位相角手法で求める第1投入位相角演算手段となる第1投入位相角演算器78と、投入指令受信時に第2のサンプリング時の投入相位相角をsin−1位相角手法で求める第2投入位相角演算手段となる第2投入位相角演算器79と、前記第2投入位相角演算器79により求めた第2のサンプリング時の投入位相角から前記第1投入位相角演算器78により求めた第1のサンプリング時の投入位相角を差し引いた投入位相角変化幅が、前記第2のサンプリング時刻から前記第1のサンプリング時刻を差し引いた時間を位相角で表したサンプリング時間幅よりも大きく、該サンプリング時間幅の2倍よりも小さな値を投入基準点とする投入基準点検出手段となる投入基準点検出器71と、前記投入基準点検出器71により検出した投入基準点から投入基準時間を演算する投入基準時間演算手段となる投入基準時間演算器34と、前記投入基準時間演算器34により演算した投入基準時間と、前記投入加算時間演算器31により求めた投入加算時間との和を投入待ち時間として、該投入待ち時間経過後、投入指令を前記遮断器6に与える投入指令手段となる投入指令出力装置36とを有している。
また、変圧器励磁突入電流抑制装置11により投入された遮断器6の投入時間を最新の投入時間として前回の投入時間に上書きする投入時間変更手段となる投入時間設定器37を有する。
また、変圧器励磁突入電流抑制装置11により投入された遮断器6が実際に投入された時刻における各相母線電圧の位相角と、該変圧器励磁突入電流抑制装置11により投入された遮断器6が実際に投入された時刻の所定時間前の母線実効値電圧と所定時間後までの母線実効値電圧最低値との差である瞬時電圧低下量と、投入時間設定器37により随時上書きされた最新の投入時間とを表示する表示手段となる表示部38が設けられている。
また、遮断器6が実際に投入された時刻は、3相交流変圧器2の遮断器6の2次側電圧変化を過電圧検出器47が検出した時刻とする。
また、制御部12は、過電圧検出器47が検出した投入時刻の1サンプリング前から1サイクル間の母線電圧データをフーリエ展開して基本波を抽出する基本波抽出手段となる基本波抽出器94と、該基本波抽出器94により抽出された基本波の位相角に1サンプリング分の位相角を加えた値を3相交流変圧器2の投入位相角に設定する投入位相角設定手段となる投入位相角設定器77を有する。
また、制御部12は、Φm:最大残留磁束、Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束とした時に、Φr(a)=Φm、Φr(b)=−Φm/2、Φr(c)=−Φm/2を満足する変圧器2の遮断位相角を演算する遮断位相角演算手段となる遮断位相角設定器39を有している。
また、制御部12は予め設定された特定の相の遮断位相角と、遮断指令により遮断器6に遮断指令を与えた時刻と、該遮断器6が実際に遮断された時刻との時間差のうち最短時間である遮断時間から遮断加算位相角を求める遮断加算時間演算手段となる遮断加算時間演算器40と、遮断器6の遮断指令を受信すると、その受信時にサンプリングした母線電圧の瞬時値からVB(a),VB(b),VB(c):母線電圧の瞬時値、Vm:母線電圧の最大値、θ:特定の相の位相角、VB:特定の相の母線電圧の瞬時値とした時に、
によって、遮断指令受信時に第1のサンプリング時の遮断相位相角をsin−1位相角手法で求める第1遮断位相角演算手段となる第1遮断位相角演算器81と、遮断指令受信時に第2のサンプリング時の遮断相位相角をsin−1位相角手法で求める第2遮断位相角演算手段となる第2遮断位相角演算器82と、該第2遮断位相角演算器82により求めた第2のサンプリング時の遮断位相角から第1遮断位相角演算器81により求めた第1のサンプリング時の遮断位相角を差し引いた遮断位相角変化幅が、前記第2のサンプリング時刻から前記第1のサンプリング時刻を差し引いた時間を位相角で表したサンプリング時間幅よりも大きく、該サンプリング時間幅の2倍よりも小さな値を遮断基準点とする遮断基準点検出手段となる遮断基準点検出器62と、該遮断基準点検出器62により検出した遮断基準点から遮断基準時間を演算する遮断基準時間演算手段となる遮断基準時間演算器41と、該遮断基準時間演算器41により演算した遮断基準時間と、遮断加算時間演算手段となる遮断加算時間演算器40により求めた遮断加算時間との和を遮断待ち時間として、該遮断待ち時間経過後、遮断指令を遮断器6に与える遮断指令手段となる遮断指令出力装置43を有している。
また、制御部12は、変圧器励磁突入電流抑制装置11により遮断された遮断器6の遮断時間を最新の遮断時間として前回の遮断時間に上書きする遮断時間変更手段となる遮断時間設定器44を有している。
また、制御部12は、変圧器1次側遮断器6が実際に遮断された時刻を、3相交流変圧器2の母線電圧と該母線電圧の検出用変圧器の検出電圧との差電圧変化を過電圧検出器47が検出した時刻とする。
また、制御部12は、過電圧検出器47が検出した遮断時刻の1サンプリング前から1サイクル間の母線電圧データをフーリェ展開して基本波を抽出する基本波抽出手段となる基本波抽出器94と、該基本波抽出器94により抽出された基本波の位相角に1サンプリング分の位相角を加えた値を3相交流変圧器2の遮断位相角に設定する遮断位相角設定手段となる遮断位相角設定器39とを有している。
また、制御部12は、変圧器励磁突入電流抑制装置11により遮断された遮断器6が実際に遮断された時刻における各相母線電圧の位相角と、遮断時間設定器44により随時上書きされる最新の遮断時間を表示する表示手段となる表示部38を有して構成されている。
図22に示すように、3相交流変圧器2を格別な投入制御をしないで電力系統に接続したとき(変圧器投入)、過大な電流である励磁突入電流が流れ変圧器保護装置の誤動作や瞬時電圧低下が発生することが知られている。図22は格別に3相交流変圧器2の投入制御を行なわなかった場合の励磁突入電流と母線電圧との関係を示すグラフであり、図20は本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制装置11により、3相交流変圧器2の投入制御を行なった場合の励磁突入電流と母線電圧との関係を示すグラフである。尚、図20及び図22では所定の基準電圧を1puとした電圧の単位とし、10MVAベース電流を1puとした電流の単位として示す。
図4は図2に示す入力装置45により入力される各種設定情報が表示部38により表示された設定入力画面46であり、周波数選択欄46aに設けられたリストボタン46a1をクリックして3相交流変圧器2が設けられた系統の周波数を「50Hz」又は「60Hz」から適宜選択入力する。
また、変圧器タップ電圧欄46bには、変圧器励磁突入電流抑制装置11を使用する時の変圧器タップ電圧(kV)を適宜数値入力する。この変圧器タップ電圧欄46bに設定された電圧で残留磁束の補正を行う。
また、変圧器結線欄46cには1次結線、2次結線、3次結線毎にそれぞれの結線表示を「Y(スター結線)」「△(デルタ結線)」「千鳥(千鳥結線)」から適宜選択し、適用する結線を選択入力する。尚、3次結線が無い場合は、「無し」を選択する。
また、変圧器電圧取り込み場所欄46dには、リスト一覧から「変圧器1次側」「変圧器2次側」「変圧器3次側」の何れかを適宜選択入力する。
図5は遮断器6の制御指令値の整定及び投入/遮断動作の実測値を表示部38により表示する監視制御画面48であり、次回の投入/遮断操作に関連した入力項目、前回の実測値が着色文字表示される。図6(a),(b)は図5の監視制御画面48上で設定ボタン48aをクリックした時にそれぞれ表示部38により表示される投入設定画面49と遮断設定画面50である。
次回の制御時が投入操作である場合は、図6(a)に示す投入設定画面49が表示され、次回の制御時が遮断操作である場合は、図6(b)に示す遮断設定画面50が表示される。尚、設定を行わない場合は最適制御となるが、大きな励磁突入電流を発生させたい時等、制御相や制御位相角を変更する場合は、各制御相欄49a,50aにおいて予め設定された各相の配線色を適宜選択入力すると共に、各位相角欄49b,50bに位相角値を適宜入力し、各決定ボタン49c,50cをクリックすると、図5の監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bに反映して表示される。図5の監視制御画面48において、遮断投入指令値欄48b及び遮断投入実測値欄48cには前回の遮断投入指令値及び遮断投入実測値がそれぞれ表示されている。
変圧器励磁突入電流抑制装置11を運用開始する場合には、図5に示す監視制御画面48の設定ボタン48aをクリックして図6に示す投入設定画面49及び遮断設定画面50を表示させ、投入指令値及び遮断指令値をそれぞれ入力した後、各決定ボタン49c,50cをクリックすると、変圧器励磁突入電流抑制装置11の運用開始に設定される。
また、3相交流変圧器2の遮断操作を行う場合には、図1の遮断操作開閉器9により「切」操作を行なうと、図5の監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bに表示された各遮断投入指令値で遮断指令を出力する。3相交流変圧器2の遮断操作後は、図7に示して後述する変圧器遮断学習装置51の動作により、図5の監視制御画面48の遮断投入実測値欄48cに遮断投入実測値が表示される。
図5の監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bにおいて、遮断欄48c1の動作時間欄48c2には3相交流変圧器2の各相の遮断時間(ms)を実測した値が示されており、遮断欄48c1の遮断・投入位相角欄48c3には3相交流変圧器2の遮断時の各相の位相角(度)を実測した値が示されている。これにより制御機能の確認が容易に出来る。
また、図5の監視制御画面48の確認表示欄48dの残留磁束欄48d1及び最適制御欄48d2には3相交流変圧器2の投入制御に必要な残留磁束と、最適制御の制御相と位相角とが表示される。遮断欄48d3の残留磁束欄48d1には3相交流変圧器2の遮断時に測定された各相の残留磁束であり、遮断欄48d3の最適制御欄48d2には、遮断欄48d3の残留磁束欄48d1に表示された残留磁束で最適制御相と最適位相角を演算した結果が表示される。
一方、3相交流変圧器2の投入操作において、図1に示す投入操作開閉器10により「入」操作を行うと、図5の監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bの投入欄48b2に表示された投入指令値で投入指令を出力する。
3相交流変圧器2の投入操作後は、変圧器投入学習装置52の動作により図5の監視制御画面48の遮断投入実測値欄48cの投入欄48c4に各投入実測値が表示される。図5の監視制御画面48の遮断投入実測値欄48cにおいて、投入欄48c4の動作時間欄48c2には、3相交流変圧器2の投入時の各相の投入時間を実測した値が表示され、投入欄48c4の遮断・投入位相角欄48c3には3相交流変圧器2の投入時の各相の位相角を実測した値が表示される。これにより制御機能の確認が容易に出来る。
また、図5に示す監視制御画面48の確認表示欄48dの投入欄48d4の瞬時電圧低下量欄48d5には瞬時電圧低下量(%)が表示される。尚、投入欄48d4の瞬時電圧低下量欄48d5の上段には前回の投入時の瞬時電圧低下量(%)が表示され、下段には今回の投入時の瞬時電圧低下量(%)が表示される。
図7は本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置11の動作を説明するフローチャートであり、その概略を説明すると、先ず、ステップSにおいて、図2に示す変圧器整定入力装置45により運用開始前の初期設定を行う。次にステップSにおいて、遮断操作開閉器9により変圧器1次側遮断器6の遮断操作を行う。次にステップSにおいて、前記遮断操作開閉器9による遮断操作を補助装置15を介して制御部12がリアルタイムで受信し、該制御部12から遮断指令を変圧器1次側遮断器6に通知し、3相交流変圧器2を遮断する。
次にステップSにおいて、3相交流変圧器2が遮断後、非リアルタイムで次回の投入操作に向けて最適投入演算器54により最適投入情報を演算する。また、ステップSにおいて、変圧器遮断学習装置51により3相交流変圧器2の遮断状態を非リアルタイムで学習する。
次にステップSにおいて、投入操作開閉器10により変圧器1次側遮断器6の投入操作を行う。次にステップSにおいて、前記投入操作開閉器10による投入操作を補助装置16を介して制御部12がリアルタイムで受信し、該制御部12から投入指令を変圧器1次側遮断器6に通知し、3相交流変圧器2を投入する。
次にステップSにおいて、変圧器投入学習装置52により3相交流変圧器2の投入状態を非リアルタイムで学習する。
図7のステップSにおいて、変圧器整定入力装置45は図6に示す投入設定画面49及び遮断設定画面50において、投入する投入相、投入時間(ms)、投入位相角(度)、遮断する遮断相、遮断時間(ms)、遮断位相角(度)をそれぞれ設定する。
図6(a)では投入する投入相を「青」に設定し、図6(b)では遮断する遮断相を「白」に設定した場合の一例である。投入時間及び遮断時間については変圧器1次側遮断器6の点検データを引用して設定する。投入位相角については3相交流変圧器2の遮断後、自動演算される。
3相交流変圧器2の遮断位相角としては、3相交流変圧器2の遮断時の2相飽和現象を防止するために、遮断位相角演算手段となる遮断位相角設定器39により図8に示す遮断位相角と残留磁束との相関図に示すように、Φm:最大残留磁束、Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束とした時に、Φr(a)=Φm、Φr(b)=−Φm/2、Φr(c)=−Φm/2を満足する遮断位相角を演算し、これを3相交流変圧器2の遮断位相角とすることが出来る。
尚、図8において、横軸はa相基準遮断位相角(度)、縦軸は残留磁束(pu)を示し、55は3相交流変圧器2の投入時に1相飽和現象が発生する変圧器遮断ゾーンであり、56は3相交流変圧器2の投入時に2相飽和現象が発生する変圧器遮断ゾーンである。
図9は3相交流変圧器2の投入時に発生した1相飽和現象を実測した磁束と電流との相関図の一例であり、図10は3相交流変圧器2の投入時に発生した2相飽和現象を実測した磁束と電流との相関図の一例である。尚、図9及び図10において、横軸は時間(ms)であり、図9の縦軸は磁束(pu)及び電流(A)を示し、図10の縦軸は磁束(pu)及び電流(A)を示す。磁束(pu)は所定の基準磁束とした磁束の単位としている。
図7のステップSに示す3相交流変圧器2の遮断操作は、図1に示す遮断操作開閉器9で行う。図11は3相交流変圧器2の遮断制御を説明するタイムチャートであり、57は図1に示す補助装置15の動作時刻を示す。58は補助装置15の信号を受信して母線電圧の位相角を変化幅位相角検出器60により算出する位相角検出時刻であり、59は遮断時間、制御位相角を考慮して遮断指令を出力する遮断指令出力時刻である。そして、図1に示す主回路1及び高速スイッチング回路17により変圧器1次側遮断器6に引き外し指令を与え、3相交流変圧器2を遮断する。
ここで、変化幅位相角検出器60は、遮断操作開閉器9による遮断操作を補助装置15を介して制御部12が受信したら、母線電圧の位相角をsin−1位相角検出器61で位相角を算出し、次のサンプリング値で更に位相角を算出し、その変化幅がサンプリング位相角の2倍以下を検出する。
即ち、図2に示す遮断加算時間演算手段となる遮断加算時間演算器40により、予め設定された特定の相の遮断位相角と、遮断指令により変圧器1次側遮断器6に遮断指令を与えた時刻と、該変圧器1次側遮断器6が実際に遮断された時刻との時間差のうち最短時間である遮断時間から遮断加算位相角を求めておき、受信時位相角演算手段となる受信時位相角演算器32により、変圧器1次側遮断器6の遮断指令を受信すると、その受信時にサンプリングした母線電圧の瞬時値から、VB(a)、VB(b)、VB(c):母線電圧の瞬時値、Vm:母線電圧の最大値、θ:特定の相の位相角、VB:特定の相の母線電圧の瞬時値とした時に、
によって、第1遮断位相角演算手段となる第1遮断位相角演算器81により遮断指令受信時に第1のサンプリング時の遮断相位相角をsin−1位相角手法で求め、第2遮断位相角演算手段となる第2遮断位相角演算器82により遮断指令受信時に第2のサンプリング時の遮断相位相角をsin−1位相角手法で求め、遮断基準点検出手段となる遮断基準点検出器62により、第2遮断位相角演算器82により求めた第2のサンプリング時の遮断位相角から第1遮断位相角演算器81により求めた第1のサンプリング時の遮断位相角を差し引いた遮断位相角変化幅が、前記第2のサンプリング時刻から前記第1のサンプリング時刻を差し引いた時間を位相角で表したサンプリング時間幅よりも大きく、該サンプリング時間幅の2倍よりも小さな値を遮断基準点とする。そして、遮断基準時間演算手段となる遮断基準時間演算器41により、遮断基準点検出器62により検出した遮断基準点から遮断基準時間を演算する。そして、遮断指令手段となる遮断指令出力装置43により、遮断基準時間演算器41により演算した遮断基準時間と、前記遮断加算時間演算手段となる遮断加算時間演算器40により求めた遮断加算時間との和を遮断待ち時間として、該遮断待ち時間経過後、変圧器1次側遮断器6に遮断指令を与えるものである。
図11は、3相交流変圧器2の遮断制御の一例を説明するタイムチャートである。図11において、非リアルタイムで実行する仕事θは、遮断相の遮断位相角であり、遮断時間は、遮断時間変更手段となる変圧器遮断時間上書き器28により上書きされた当該変圧器1次側遮断器6の最新の遮断時間である。
1例として、遮断位相角(θ)=60度とし、遮断時間66.7msとすると、サンプリングカウント数に直せば、遮断位相角は20サンプリング、遮断時間は400カウントになる。これらより、遮断加算時間は100カウントとなる。
リアルタイムで実行する仕事としては、遮断指令を受信し、第1遮断位相角演算手段となる第1遮断位相角演算器81により求めた第1のサンプリング時の位相角演算結果をθとし、次の第2遮断位相角演算手段となる第2遮断位相角演算器82により求めた第2のサンプリング時の位相角演算結果をθとし、その値の位相角変化がサンプリング時間幅よりも大きく該サンプリング幅の2倍よりも小さな値を遮断基準点として、遮断基準時間を求める。
1例として、遮断基準点検出器62で求めた遮断基準点が30度の場合、サンプリングカウント数に直せば、10カウントとなるので、遮断基準時間演算器41では110カウントを演算する。
そこで、遮断待ち時間演算器42は、前記遮断加算時間と遮断基準時間の和であるので、遮断待ち時間は、210カウントと演算する。
これらより、遮断基準点検出器62が動作を開始してから210カウント後に、遮断指令59を遮断指令出力装置43に引渡し、該変圧器1次側遮断器6の遮断時間が経過して変圧器1次側遮断器6が遮断される。
図12は図2に示す残留磁束測定器26により3相交流変圧器2の遮断時の残留磁束を測定した残留磁束測定結果である。図12(a)は検出用変圧器5の相電圧波形であり、図12(b)は図12(a)に示す検出用変圧器5の相電圧を時間積分した磁束波形を示し、磁束波形終端の収束部が残留磁束となる。尚、図12の横軸は時間で、図12(a)の縦軸は電圧(pu)、図12(b)の縦軸は磁束(pu)である。
図3に示す投入相設定手段となる投入相設定器27は、3相交流変圧器2の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相を最適投入相として検出する。例えば、図12(b)に示すように、残留磁束は「a相」が約−0.128、「b相」が約+0.478、「c相」が約−0.341となり、この場合の最適投入相として「a相」が検出される。
図3に示す投入位相角演算手段となる投入位相角設定器77は、投入相設定器27により検出した最適投入相の残留磁束の値を用いて、Φr(min):3相交流変圧器の遮断時の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の、θ:位相角とした時に、θ=cos―1(−Φr(min))によって、2つのθを演算し、仮想突入電流演算手段となる仮想突入電流演算器29によりΦr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束、Ik(a,1),Ik(b,1),Ik(c,1):第1のθの時の各相の仮想突入電流、Ik(a,2),Ik(b,2),Ik(c,2):第2のθの時の各相の仮想突入電流とした時に、Ik(a,1)=cos(θ)+Φr(a)、Ik(b,1)=cos(θ−120)+Φr(b)、Ik(c,1)=cos(θ+120)+Φr(c)、Ik(a,2)=cos(−θ)+Φr(a)、Ik(b,2)=cos(−θ−120)+Φr(b)、Ik(c,2)=cos(−θ+120)+Φr(c)によって、各相のθの第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求め、遮断器投入制御手段となる変圧器投入装置30により、それらの仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として変圧器1次側遮断器6の投入を制御する。
例えば、図12(b)に示すように、「a相」の残留磁束Φr(a)が約−0.128、「b相」の残留磁束Φr(b)が約+0.478、「c相」の残留磁束Φr(c)が約−0.341となる場合、3相交流変圧器2の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相として「a相」が検出され、その絶対値の最小の残留磁束Φr(min)=0.128を用いてθ=±cos―1(0.128)=±82.6(度)が求められ、第1のθを+82.6(度)、第2のθを−82.6(度)とする。
そして、第1のθ(+82.6(度))の時の各相の仮想突入電流はそれぞれIk(a,1)=cos(82.6)−0.128、Ik(b,1)=cos(82.6−120)+0.478=1.272、Ik(c,1)=cos(82.6+120)−0.341=−1.264となり、第2のθ(−82.6(度))の時の各相の仮想突入電流はそれぞれIk(a,2)=cos(−82.6)−0.128=0、Ik(b,2)=cos(−82.6−120)+0.478=−0.445、Ik(c,2)=cos(−82.6+120)−0.341=0.453となり、これらのうち仮想突入電流の絶対値が1以下になるθは第2のθ(−82.6(度))の時であり、この第2のθ(−82.6(度))を投入位相角として変圧器1次側遮断器6の投入を制御する。これにより3相交流変圧器2の3相共に突入電流を最小にすることが出来る。
次に、図2に示す遮断基準点検出器62として、検出用変圧器5により検出した母線電圧(VB)と検出用変圧器7により検出した変圧器電圧(VT)との差電圧(ΔV)に過電圧検出器47を設け、その動作を検出点とした。即ち、変圧器1次側遮断器6が実際に遮断された時刻は、3相交流変圧器2の母線電圧(VB)と、該母線電圧(VB)の検出用変圧器7の検出電圧との差電圧変化を過電圧検出器47が検出した時刻とする。
図13は遮断時刻を検出する様子を示すグラフであり、横軸は位相角(度)、縦軸は電圧(pu)である。63,64は過電圧検出器47の検出設定電圧であり、ここでは±0.05(pu)に設定されている。65は検出用変圧器5により検出された「a相」の母線電圧(VB)であり、66は3相交流変圧器2の母線電圧(VB)と、該母線電圧(VB)の検出用変圧器7の検出電圧との差電圧変化を示す。そして、差電圧66が過電圧検出器47の検出設定電圧63,64に最初に到達した時点を遮断時刻67として検出する。
遮断時間の検出は図2に示す変圧器遮断時間検出器25により検出される。3相交流変圧器2の遮断時の遮断時間については、補修記録で測定されたトリップ時間は無電圧開極時間であるので、変圧器1次側遮断器6の種類によっては零点遮断を考慮する必要があるが、この対策として、変圧器遮断学習装置51の学習機能による遮断時間設定器44は、図1に示す高速遮断指令検出器19と遮断基準点検出器62との時間差で求めると、零点遮断を考慮した遮断時間が測定出来る。図14は変圧器遮断時間検出器25により検出した遮断時間の一例を示す図である。尚、図14において、横軸はサンプリングカウント数、縦軸は電圧(pu)である。
変圧器1次側遮断器6の遮断時間は、遮断時間変更手段となる変圧器遮断時間上書き器28により毎回最新の遮断時間として前回の遮断時間に上書きされ、図5に示す監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bの遮断欄48b1の動作時間欄に動作時間(遮断時間)として表示される。
図2に示す遮断位相角演算手段となる遮断位相角設定器39は、遮断基準点検出器62により検出した図13に示す遮断時刻67から1サンプリング前の1サイクル間の母線電圧データをフーリエ展開により基本波を抽出し、その位相角に1サンプリングを加えて遮断位相角を測定する。
ここで、遮断位相角と残留磁束との相関を図15に示す。図15において、横軸は位相角(度)、縦軸は残留磁束(pu)である。一般にX−Yの相関を求める場合には数多くのデータが必要であるが、本実施形態では、1回の遮断位相角と残留磁束とでその相関がsin関数に回帰できるものとした。従来では、この回帰式を求めるのに、図15に示すように、少なくとも3組のデータが必要であった。
そこで、実測した各相の残留磁束と遮断位相角とを求め、各相の残留磁束の位相角を求める。即ち、3相交流変圧器2の遮断位相角は、
上記数式で求めた3相交流変圧器2の各相毎の遮断位相角θ(a),θ(b),θ(c)は±90度表現になるため、図16に示す位相角判定処理フローにより、3相交流変圧器2の各相毎の遮断位相角θ(a),θ(b),θ(c)を0度〜360度表現にすることが出来る。先ず、図16のステップS11において、「a相」の残留磁束Φr(a)が0以上である場合にはステップS12に進み、「c相」の残留磁束Φr(c)が「b相」の残留磁束Φr(b)以上であれば、上記数式で求めた3相交流変圧器2の各相毎の遮断位相角θ(a),θ(b),θ(c)とする(ステップS15)。
前記ステップS12において、「c相」の残留磁束Φr(c)が「b相」の残留磁束Φr(b)よりも小さい場合には、180度から上記数式で求めた3相交流変圧器2の各相毎の遮断位相角θ(a),θ(b),θ(c)をそれぞれ差し引いた角度を遮断位相角とする(ステップS14)。
前記ステップS11において、「a相」の残留磁束Φr(a)が0よりも小さい場合にはステップS13に進み、「b相」の残留磁束Φr(b)が「c相」の残留磁束Φr(c)以上であれば、180度から上記数式で求めた3相交流変圧器2の各相毎の遮断位相角θ(a),θ(b),θ(c)をそれぞれ差し引いた角度を遮断位相角とする(ステップS16)。
前記ステップS13において、「b相」の残留磁束Φr(b)が「c相」の残留磁束Φr(c)よりも小さい場合には、360度に上記数式で求めた3相交流変圧器2の各相毎の遮断位相角θ(a),θ(b),θ(c)をそれぞれ加算した角度を遮断位相角とする(ステップS17)。
一方、3相交流変圧器2の投入操作は図1に示す投入操作開閉器10で行う。図17は3相交流変圧器2の投入制御タイムチャートである。図17において、68は図1に示す補助装置16の動作時刻を示し、69は補助装置16の動作信号を受信して母線電圧の位相角を図2に示す変化幅位相角検出器60により算出する位相角検出時刻であり、3相交流変圧器2の投入時間、投入位相角を考慮して投入指令出力時刻70にて投入指令を与え、3相交流変圧器2を投入する。
ここで、変化幅位相角検出器60は、投入操作開閉器10による投入操作を補助装置16を介して制御部12が受信したら、母線電圧の位相角をsin−1位相角検出器61で位相角を算出し、次のサンプリング値で更に位相角を算出し、その変化幅がサンプリング位相角の2倍以下を検出する。
即ち、図3に示す投入加算時間演算手段となる投入加算時間演算器31により、予め設定された特定の相の投入位相角と、投入指令により変圧器1次側遮断器6に投入指令を与えた時刻と、該変圧器1次側遮断器6が実際に投入された時刻との時間差のうち最短時間である投入時間から投入加算時間を求めておき、変圧器1次側遮断器6の投入指令を受信すると、その受信時にサンプリングした母線電圧の瞬時値から、VB(a),VB(b),VB(c):母線電圧の瞬時値、Vm:母線電圧の最大値、θ:特定の相の位相角、VB:特定の相の母線電圧の瞬時値とした時に、
によって、第1投入位相角演算手段となる第1投入位相角演算器78により、投入指令受信時に第1のサンプリング時の投入相位相角をsin−1位相角手法で求め、第2投入位相角演算手段となる第2投入位相角演算器79により、投入指令受信時に第2のサンプリング時の投入相位相角をsin−1位相角手法で求める。そして、投入基準点検出手段となる投入基準点検出器71により、第2投入位相角演算器79により求めた第2のサンプリング時の投入位相角から第1投入位相角演算器78により求めた第1のサンプリング時の投入位相角を差し引いた投入位相角変化幅が、前記第2のサンプリング時刻から前記第1のサンプリング時刻を差し引いた時間を位相角で表したサンプリング時間幅よりも大きく、該サンプリング時間幅の2倍よりも小さな値を投入基準点とする。そして、投入基準時間演算手段となる投入基準時間演算器34により、投入基準点検出器71により検出した投入基準点から投入基準時間を演算する。そして、投入指令手段となる投入指令出力装置36により、投入基準時間演算器34により演算した投入基準時間と、前記投入加算時間演算手段となる投入加算時間演算器31により求めた投入加算時間との和を投入待ち時間として、該投入待ち時間経過後、変圧器1次側遮断器6に投入指令を与えるものである。
図17は、3相交流変圧器2の投入制御を示すタイムチャートである。図17において、非リアルタイムで実行する仕事θは、投入位相角演算手段となる最適投入位相角演算器28により求められた投入相の投入位相角であり、投入時間は、投入時間変更手段となる変圧器投入時間上書き器53により上書きされた当該変圧器1次側遮断器6の最新の投入時間である。
1例として、投入位相角(θ)=60度とし、投入時間66.7msとすると、サンプリングカウント数に直せば、投入位相角は20サンプリング、投入時間は400カウントになる。これらより、投入加算時間は100カウントとなる。
リアルタイムで実行する仕事としては、投入指令を受信し、第1投入位相角演算手段となる第1投入位相角演算器78により求めた第1のサンプリング位相角演算結果をθとし、第2投入位相角演算手段となる第2投入位相角演算器79により求めた次の第2サンプリング位相角演算結果をθとし、その値の位相角変化がサンプリング時間幅よりも大きく該サンプリング幅の2倍よりも小さな値を投入基準点として、投入基準時間を求める。
1例として、投入基準点検出器71で求めた投入基準点が30度の場合、サンプリングカウント数に直せば、10カウントとなるので、投入基準時間演算器34では110カウントを演算する。
そこで、投入待ち時間演算器35は、前記投入加算時間と投入基準時間との和であるので、投入待ち時間は、210カウントと演算する。
これらより、投入基準点検出器71が動作を開始してから210カウント後に、投入指令70を投入指令出力装置36に引渡し、該変圧器1次側遮断器6の投入時間が経過して変圧器1次側遮断器6が投入される。
図3に示す投入基準点検出器71としては、検出用変圧器7に過電圧検出器47を設けて、その動作を検出点とした。即ち、変圧器1次側遮断器6が実際に投入された時刻は、3相交流変圧器2の変圧器1次側遮断器6の2次側電圧変化となる検出用変圧器7の検出電圧変化を過電圧検出器47が検出した時刻としたものである。
図18は投入基準点検出器71により投入時刻を検出する様子を示すグラフであり、横軸はサンプリングカウント数、縦軸は電圧(pu)である。72,73は過電圧検出器47の検出設定電圧であり、ここでは±0.05(pu)に設定されている。74は検出用変圧器7により検出された変圧器電圧である。そして、変圧器電圧74が過電圧検出器47の検出設定電圧72,73に最初に到達した時点を投入時刻75として検出する。
投入時間の測定は図3に示す変圧器投入時間検出器76により測定される。3相交流変圧器2の投入時の投入時間については、補修記録で測定されたクローズ時間は無電圧開極時間であるので、プレアーク時間を考慮する必要があるが、この対策として、変圧器投入学習装置52の学習機能による変圧器投入時間検出器76は、図1に示す高速投入指令検出器20と投入基準点検出器71との時間差で求めると、プレアーク時間を考慮した投入時間が測定出来る。図19は変圧器投入時間検出器76により検出した投入時間の一例を示す図である。尚、図19において、横軸は位相角(度)、縦軸は電圧(pu)である。
変圧器1次側遮断器6の投入時間は、投入時間変更手段となる変圧器投入時間上書き器53により毎回最新の投入時間として前回の投入時間に上書きされ、図5に示す監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bの投入欄48b2の動作時間欄に動作時間(投入時間)として表示される。
図3に示す投入位相角演算手段となる投入位相角設定器77は、投入基準点検出器71により検出した図18に示す投入時刻75から1サンプリング前の1サイクル間の母線電圧データをフーリエ展開により基本波を抽出し、その位相角に1サンプリングを加えて投入位相角を測定する。
図21は、母線電圧の位相角をsin−1位相角検出器で位相角を算出し、次のサンプリング値でさらに位相角を算出し、その変化幅がサンプリング位相角の2倍以下を検出する様子を説明するタイムチャートである。
ここで、横軸は、位相角を単位とした時刻であり、縦軸は、sin−1位相角検出器で求めた位相角である。この図から、時刻−9度の位相角は−12度であり、次のサンプリング値である時刻−6度の位相角は−3度であり、その差が9度で上記判定条件を逸脱している。
次のサンプリング時刻−3度の位相角は+2.5度であるので、その差が5.5度となり上記の判定条件を満足していることから、−3度を基準点として、投入基準点検出器71が応動する。
そして、表示手段となる表示部38により、変圧器1次側遮断器6が実際に投入された時刻における各相母線電圧の位相角が図5に示す監視制御画面48の遮断投入実測値欄48cの投入欄48c4の遮断・投入位相角欄48c3に表示され、変圧器1次側遮断器6が実際に投入された時刻の所定時間前の母線実効値電圧と所定時間後までの母線実効値電圧最低値との差である瞬時電圧低下量が図5に示す監視制御画面48の確認表示欄48dの瞬時電圧低下量欄48d5に表示され、最新の投入時間が図5に示す監視制御画面48の遮断投入指令値欄48bの投入欄48b2の動作時間欄に表示される。
本発明の活用例として、高調波を含む電力系統に変圧器を接続して使用する際に発生する励磁突入電流を抑制制御するための変圧器励磁突入電流抑制制御方法及び変圧器励磁突入電流抑制制御装置に適用することが出来る。
本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置の構成を示す回路図である。 演算部の内部構成を説明するブロック図である。 演算部の内部構成を説明するブロック図である。 設定画面の一例を示す図である。 監視画面の一例を示す図である。 投入/遮断設定画面の一例を示す図である。 本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置の動作を説明するフローチャートである。 変圧器の遮断位相角と残留磁束との相関関係を示す図である。 1相飽和状態の磁束と電流との相関関係を示す図である。 2相飽和状態の磁束と電流との相関関係を示す図である。 変圧器の遮断制御を説明するタイムチャートである。 残留磁束の測定結果の一例を示す図である。 遮断時刻検出器により遮断の検証を行う様子を示す図である。 遮断時間測定器により遮断時間の検証を行う様子を示す図である。 遮断位相角と残留磁束との相関関係を示す図である。 位相角の判定を行う様子を示すフローチャートである。 変圧器の投入制御を示すタイムチャートである。 投入時刻検出器により投入の検証を行う様子を示す図である。 投入時間測定器により投入時間の検証を行う様子を示す図である。 本発明に係る変圧器励磁突入電流抑制制御装置により変圧器の投入制御を行った場合の母線電圧と変圧器電流の変化を示す図である。 母線電圧の位相角をsin−1位相角検出器で位相角を算出し、次のサンプリング値で更に位相角を算出し、その変化幅がサンプリング位相角の2倍以下を検出する様子を説明する図である。 従来制御で変圧器の投入を行った場合の母線電圧と変圧器電流の変化を示す図である。 特許文献1の課題を説明する図である。 特許文献3の課題を説明する図である。
1…主回路、2…3相交流変圧器、3…遮断器操作開閉器、4…母線、5…母線電圧検出用変圧器(VT-1)、6…変圧器1次側遮断器(CB-1)、7…検出用変圧器(VT-2)、8…変圧器2次側遮断器(CB-2)、9…遮断操作開閉器、10…投入操作開閉器、11…変圧器励磁突入電流抑制制御装置、12…制御部、13,14…入力変換器、15,16…補助装置、17,18…スイッチング回路、19…高速遮断指令検出器、20…高速投入指令検出器、21…遮断器操作回路、22…トリップコイル、23…クロージングコイル、24…補助開閉器、25…変圧器遮断時間検出器、26…残留磁束測定器、27…投入相設定器、28…変圧器遮断時間上書き器、29…仮想突入電流演算器、30…変圧器投入装置、31…投入加算時間演算器、32…受信時位相角演算器、33…n次位相角演算部、34…投入基準時間演算器、35…投入待ち時間演算器、36…投入指令出力装置、37…投入時間設定器、38…表示部、39…遮断位相角設定器、40…遮断加算時間演算器、41…遮断基準時間演算器、42…遮断待ち時間演算器、43…遮断指令出力装置、44…遮断時間設定器、45…変圧器整定入力装置、46…設定入力画面、46a…周波数選択欄、46a1…リストボタン、46b…変圧器タップ電圧欄、46c…変圧器結線欄、46d…変圧器電圧取り込み場所欄、47…過電圧検出器、48…監視制御画面、48a…設定ボタン、48b…遮断投入指令値欄、48b1…遮断欄、48b2…投入欄、48c…遮断投入実測値欄、48c1…遮断欄、48c2…動作時間欄、48c3…遮断・投入位相角欄、48c4…投入欄、48d…確認表示欄、48d1…残留磁束欄、48d2…最適制御欄、48d3…遮断欄、48d4…投入欄、48d5…瞬時電圧低下量欄、49…投入設定画面、50…遮断設定画面、49a,50a…制御相欄、49b,50b…位相角欄、49c,50c…決定ボタン、51…変圧器遮断学習装置、52…変圧器投入学習装置、53…変圧器投入時間上書き器、54…最適投入演算器、55,56…変圧器遮断ゾーン、57…動作時刻、58…位相角検出時刻、59…遮断指令出力時刻、60…変化幅位相角検出器、61…sin−1位相角検出器、62…遮断基準点検出器、63,64…検出設定電圧、66…差電圧、67…遮断時刻、68…動作時刻、69…位相角検出時刻、70…投入指令出力時刻、71…投入基準点検出器、72,73…検出設定電圧、74…変圧器電圧、75…投入時刻、76…変圧器投入時間検出器、77…投入位相角設定器、78…第1投入位相角演算器、79…第2投入位相角演算器、81…第1遮断位相角演算器、82…第2遮断位相角演算器、83…遮断基準点検出器、84…遮断基準時間演算器、94…基本波抽出器

Claims (2)

  1. 3相交流変圧器の端子に設けられた遮断器の投入を制御する方法であって、
    前記3相交流変圧器の遮断時の残留磁束を測定し、3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相を投入相として、その投入相の残留磁束の値を用いて、
    Φr(min):3相交流変圧器の遮断時の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の
    θ:位相角、
    とした時に、
    θ=cos―1(−Φr(min))
    によって、2つのθを演算し、
    Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束、
    Ik(a,1),Ik(b,1),Ik(c,1):第1のθの時の各相の仮想突入電流、
    Ik(a,2),Ik(b,2),Ik(c,2):第2のθの時の各相の仮想突入電流、
    とした時に、
    Ik(a,1)=cos(θ)+Φr(a)
    Ik(b,1)=cos(θ−120)+Φr(b)
    Ik(c,1)=cos(θ+120)+Φr(c)
    Ik(a,2)=cos(−θ)+Φr(a)
    Ik(b,2)=cos(−θ−120)+Φr(b)
    Ik(c,2)=cos(−θ+120)+Φr(c)
    によって、各相のθの第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求め、
    それらの仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として前記遮断器の投入を制御することを特徴とする変圧器励磁突入電流抑制制御方法。
  2. 3相交流変圧器の端子に設けられた遮断器の投入を制御する装置であって、
    前記3相交流変圧器の遮断時の残留磁束を測定する残留磁束測定器と、
    前記残留磁束測定器により測定された3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の相を投入相とする投入相設定手段と、
    前記投入相設定手段により設定された投入相の残留磁束の値を用いて、
    Φr(min):3相交流変圧器の遮断時の3相のうちで残留磁束の絶対値の最小の
    θ:位相角、
    とした時に、
    θ=cos―1(−Φr(min))
    によって、2つのθを演算する投入位相角演算手段と、
    Φr(a),Φr(b),Φr(c):各相残留磁束、
    Ik(a,1),Ik(b,1),Ik(c,1):第1のθの時の各相の仮想突入電流、
    Ik(a,2),Ik(b,2),Ik(c,2):第2のθの時の各相の仮想突入電流、
    とした時に、
    Ik(a,1)=cos(θ)+Φr(a)
    Ik(b,1)=cos(θ−120)+Φr(b)
    Ik(c,1)=cos(θ+120)+Φr(c)
    Ik(a,2)=cos(−θ)+Φr(a)
    Ik(b,2)=cos(−θ−120)+Φr(b)
    Ik(c,2)=cos(−θ+120)+Φr(c)
    によって、前記投入位相角演算手段により求めた各相のθの第1、第2の解についてそれぞれ仮想突入電流を求める仮想突入電流演算手段と、
    前記仮想突入電流演算手段により求められた各仮想突入電流の絶対値が1以下になるθを投入位相角として遮断器の投入を制御する遮断器投入制御手段と、
    を有することを特徴とする変圧器励磁突入電流抑制制御装置。
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