JP5740240B2 - 励磁突入電流抑制装置 - Google Patents

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本発明は、遮断器を投入する際に生じる励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置に関する。
一般に、変圧器鉄心に残留磁束がある状態で電源投入により無負荷励磁を行うと、大きな励磁突入電流が流れることが知られている。この励磁突入電流の大きさは変圧器の定格負荷電流の数倍になる。このように大きな励磁突入電流が流れると、系統電圧が変動し、その電圧変動が大きい場合、需要者に影響を与えることがある。
このため、励磁突入電流を抑制する方法として、投入抵抗と接点とが直列に接続された抵抗体付き遮断器を用いることが知られている。抵抗体付き遮断器は、遮断器主接点と並列に接続する。この抵抗体付き遮断器は、遮断器主接点に先行して投入する。これにより、励磁突入電流が抑制される。
また、他の抑制方法として、直接接地系の三相変圧器を3台の単相型遮断器で投入する際、任意の1相を先行投入し、その後に残りの2相を投入させるようにして励磁突入電流を抑制する方法が知られている。
さらに、非有効接地系の三相変圧器を三相一括操作型遮断器で投入する際の励磁突入電流を抑制する方法として、変圧器が遮断された時の鉄心に残留する磁束の値を計測し、変圧器投入時の励磁突入電流を遮断器の投入位相を制御することが知られている。
一方、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する方法として、スコット結線、ウッドブリッジ結線変圧器、又は変形ウッドブリッジ結線等が知られている。これらの結線の変圧器は、例えば、単相電気炉又は単相交流電気車などに給電する場合に用いられる。
特開2002−75145号公報 特開2008−160100号公報 特開2008−140580号公報
John H.Brunke、外1名,"Elimination of Transformer Inrush Currents by Controlled Switching -Part I: Theoretical Considerations", IEEE TRANSACTIONS ON POWER DELIVERY, IEEE,2001年4月,Vol.16,No.2,p.276−280
しかしながら、上述のような励磁突入電流を抑制する方法では、以下のような問題がある。
抵抗体付き遮断器による励磁突入電流抑制方法では、通常の遮断器に対して抵抗体付き遮断器を付加する必要があるため、遮断器全体としてみた場合、大型化してしまう。
また、いずれの励磁突入電流を抑制する方法も、上述のような三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器を投入することは想定されていない。
例えば、残留磁束を計測し、遮断器の投入位相を制御する方法では、電力系統に用いられる三相変圧器に対する制御方法を、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器にそのまま適用することはできない。これらの結線の変圧器の場合は、三相交流側の相電圧又は線間電圧を計測しても、変圧器鉄心の磁束をそのまま算出することができないからである。
本発明の実施形態の目的は、電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制するための投入位相の制御をすることのできる励磁突入電流抑制装置を提供することにある。
本発明の実施形態の観点に従った励磁突入電流抑制装置は、電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置であって、前記変圧器の単相交流電圧を計測する変圧器側単相交流電圧計測手段と、前記変圧器側単相交流電圧計測手段により計測された前記変圧器の単相交流電圧を、前記変圧器の三相交流電圧に変換する変圧器側電圧変換手段と、前記変圧器側電圧変換手段により変換された三相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の三相の残留磁束を演算する残留磁束演算手段と、前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測する電源側三相交流電圧計測手段と、前記電源側三相交流電圧計測手段により計測された三相交流電圧に基づいて、前記変圧器の三相の定常磁束を演算する定常磁束演算手段と、前記残留磁束演算手段により演算された前記三相の残留磁束のうち絶対値が最大の相を判断する相判断手段と、前記相判断手段により判断された前記相において、前記残留磁束演算手段により演算された前記残留磁束と前記定常磁束演算手段により演算された前記定常磁束とが一致するような第1の位相を判断する第1の位相判断手段と、前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相で、前記相判断手段により判断された前記相の前記遮断器を投入する第1の投入手段と、前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相よりも後に、前記相判断手段により判断された前記相の前記電源側の交流電圧が、前記相判断手段により判断された前記相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断する第2の位相判断手段と、前記第2の位相判断手段により判断された前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入する第2の投入手段とを備えている。
本発明の第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係るウッドブリッジ結線変圧器の構成を示す構成図。 第1の実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器の1次側相電圧をベクトルで示すベクトル図。 第1の実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器の2次側電圧をベクトルで示すベクトル図。 第1の実施形態に係る変圧器電圧計測部により計測された2組の単相交流電圧の電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係る変圧器電圧変換部による変換後の1次側相電圧の電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器の1次側相電圧の電圧波形を示す波形図。 第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の遮断前後の1次側相電圧を示す波形図。 第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の遮断前後の1次側相磁束を示す波形図。 第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の投入前後の1次側相電圧を示す波形図。 第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の投入前後の1次側相磁束を示す波形図。 第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の投入前後の1次側相電流(励磁突入電流)を示す波形図。 本発明の第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の遮断前後の1次側相電圧を示す波形図。 第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の遮断前後の1次側相磁束を示す波形図。 第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の投入前後の1次側相電圧を示す波形図。 第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の投入前後の1次側相磁束を示す波形図。 第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の投入前後の1次側相電流(励磁突入電流)を示す波形図。 本発明の第3の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 本発明の第4の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置の適用された電力系統システムの構成を示す構成図。 第4の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の遮断前後の1次側相磁束の残留磁束を示す波形図。 第4の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置による遮断器の遮断前後の2次側巻線磁束の残留磁束を示す波形図。
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6の適用された電力系統システムの構成を示す構成図である。なお、以降の図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
本実施形態に係る電力系統システムは、電源母線(電力系統の母線)1と、遮断器2と、変形ウッドブリッジ結線変圧器3と、電源母線1に設けられた三相分の電源電圧検出器4U,4V,4Wと、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側に設けられた2相分の変圧器2次側電圧検出器5M,5Tと、励磁突入電流抑制装置6とを備えている。
電源母線1は、U相、V相、及びW相からなる三相交流の電源を備えた電力系統の母線である。
変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、遮断器2を介して、電源母線1に接続されている。変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、有効接地系又は非有効接地系に設置されている。変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、電源母線1から供給される三相交流電圧を2組の単相交流電圧に変換する。変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、三相交流側を1次側とし、単相交流側を2次側とする。なお、変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、変成原理の同じウッドブリッジ結線変圧器を用いてもよい。従って、以下(以降の実施形態も含む)においても、変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、特に区別しない限り、ウッドブリッジ結線変圧器に置き換えられるものとする。
遮断器2は、電源母線1と変形ウッドブリッジ結線変圧器3との間に設けられている。遮断器2は、U相、V相、及びW相の各相の主接点を個別に操作する各相操作型の遮断器である。遮断器2が投入されることにより、変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、電源母線1による電源投入がされる。遮断器2が開放されることにより、変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、電源母線1から遮断(電気的な接続の切り離し)される。
3つの電源電圧検出器4U,4V,4Wは、それぞれ電源母線1のU相、V相、W相のそれぞれの相電圧(対地電圧)を計測するための計測用機器である。電源電圧検出器4U,4V,4Wは、例えば、計器用変圧器(VT, Voltage Transformer)である。電源電圧検出器4U,4V,4Wは、検出値を検出信号として、励磁突入電流抑制装置6に出力する。
2相分の変圧器2次側電圧検出器5M,5Tは、それぞれ変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側の各端子(主座、T座)のそれぞれの端子電圧(単相交流電圧)VT,VMを計測するための計測用機器である。変圧器2次側電圧検出器5M,5Tは、例えば、計器用変圧器である。変圧器2次側電圧検出器5M,5Tは、検出値を検出信号として、励磁突入電流抑制装置6に出力する。
励磁突入電流抑制装置6は、電源電圧検出器4U,4V,4W及び変圧器2次側電圧検出器5M,5Tのそれぞれから受信した検出信号に基づいて、遮断器2の主接点に対して投入指令を出力する。これにより、遮断器2は投入される。
図2は、本実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器3の構成を示す構成図である。
変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、主座変圧器(M座変圧器)302とT座変圧器301とを備えている。
主座変圧器302は、2次側に等しい巻数の巻線2個を持つ。T座変圧器301は、2次側で1:0.366:0.366の巻数比となる巻線を持つ単巻変圧器と接続される。変形ウッドブリッジ結線変圧器3は、主座変圧器302及びT座変圧器301の2次側同士が2つのデルタ結線された巻線で背中合わせになるように接続されている。
次に、変圧器3がウッドブリッジ結線である場合について説明する。
図3は、本実施形態に係るウッドブリッジ結線変圧器3の構成を示す構成図である。
ウッドブリッジ結線変圧器3のT座変圧器301は、変形ウッドブリッジ結線で用いた単巻変圧器の代わりに、2次側に1:0.366:0.366の巻数比となる巻線を持つ。その他の点は、変形ウッドブリッジ結線変圧器3と同様の構成である。
図4は、本実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器3の1次側相電圧Vu,Vv,Vwをベクトルで示すベクトル図である。図5は、本実施形態に係る変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側電圧Vt,Vmをベクトルで示すベクトル図ある。
1次側のVW相間の電圧Vvwは、主座変圧器302の2次側端子c−a間に印加される電圧(主座の2次側電圧)Vmと同位相になる。また、1次側のU相電圧Vuは、T座変圧器301の2次側端子b−d間に印加される電圧(T座の2次側電圧)Vtと同位相になる。よって、T座の2次側電圧Vtは、主座の2次側電圧Vmよりも90度位相が進む。
励磁突入電流抑制装置6は、電源電圧計測部601と、定常磁束算出部602と、変圧器電圧計測部603と、変圧器電圧変換部610と、残留磁束算出部604と、位相検出部605と、投入指令出力部606とを備えている。
電源電圧計測部601は、電源電圧検出器4U,4V,4Wにより検出された検出信号に基づいて、電源母線1の各相電圧Vv,Vu,Vwを計測する。電源電圧計測部601は、計測した各相電圧を定常磁束算出部602に出力する。
定常磁束算出部602は、電源電圧計測部601により計測された各相電圧Vv,Vu,Vwをそれぞれ積分する。定常磁束算出部602は、この積分された値を、定常時の磁束(定常磁束)φTu,φTv,φTwとする。定常磁束算出部602は、遮断器2が投入されるまで、定常磁束φTu,φTv,φTwを演算する。定常磁束算出部602は、演算した定常磁束φTu,φTv,φTwを位相検出部605に出力する。
変圧器電圧計測部603は、変圧器2次側電圧検出器5T,5Mにより検出された検出信号に基づいて、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側の各組の単相交流電圧Vt,Vmを計測する。変圧器電圧計測部603は、計測した2組の単相交流電圧Vt,Vmを変圧器電圧変換部610に出力する。
変圧器電圧変換部610は、変圧器電圧計測部603により計測された2組の単相交流電圧Vt,Vmを、次式により、1次側相電圧VDu,VDv,VDwに変換する。1次側相電圧VDuは、変換後のU相電圧である。1次側相電圧VDvは、変換後のV相電圧である。1次側相電圧VDwは、変換後のW相電圧である。変圧器電圧変換部610は、変換した1次側相電圧VDu,VDv,VDwを残留磁束算出部604に出力する。
VDu=Vt/√3 …式(1)
VDv=(1/2)(−Vt/√3+Vm) …式(2)
VDw=−(1/2)(Vt/√3+Vm) …式(3)
なお、p.u.(定格に対する割合)表示で、1次側相電圧VDu,VDv,VDwに変換する演算をする場合、上記の式(1)〜(3)の中の√3で割る演算は不要である。
図6〜図8を参照して、本実施形態に係る変圧器電圧変換部610による演算処理について説明する。
図6は、変圧器電圧計測部603により計測された2組の単相交流電圧Vt,Vmの電圧波形を示す波形図である。図7は、変圧器電圧変換部610による変換後の1次側相電圧VDu,VDv,VDwの電圧波形を示す波形図である。図8は、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の1次側相電圧Vu,Vv,Vwの電圧波形を示す波形図である。
変圧器電圧変換部610は、図6に示す2組の単相交流電圧Vt,Vmを、図7に示す1次側相電圧VDu,VDv,VDwに変換する。これにより、変圧器電圧変換部610は、pu値(定格に対する割合)で換算して、図8に示す1次側相電圧Vu,Vv,Vwと同一の電圧波形を求めることができる。
残留磁束算出部604は、遮断器2による変形ウッドブリッジ結線変圧器3の遮断直後に、変圧器電圧変換部610により変換された各相電圧VDu,VDv,VDwをそれぞれ積分する。残留磁束算出部604は、この積分された値を、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の鉄心の残留磁束(1次側相磁束)φZu,φZv,φZwとする。残留磁束算出部604は、演算した残留磁束φZu,φZv,φZwを位相検出部605に出力する。
位相検出部605は、定常磁束算出部602により演算された定常磁束φTu,φTv,φTw及び残留磁束算出部604により演算された残留磁束φZu,φZv,φZwに基づいて、2段階の投入目標位相Tc1,Tc2をそれぞれ同定(判断)する。1段階目の投入目標位相Tc1は、先行して1相の遮断器2を投入するための位相である。2段階目の投入目標位相Tc2は、後から残りの2相の遮断器2を投入するための位相である。位相検出部605は、同定した2段階の投入目標位相Tc1,Tc2をそれぞれ投入指令出力部606に出力する。
具体的には、位相検出部605は、三相の残留磁束φZu,φZv,φZwのうち絶対値が最大の相を検出(判断)する。位相検出部605は、検出した相において、残留磁束と定常磁束が一致するような位相を1段階目の投入目標位相Tc1として同定する。位相検出部605は、投入目標位相Tc1から予め設定されている時間経過後に、残留磁束の絶対値が最大の相(検出した相)の相電圧が、同相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような位相を2段階目の投入目標位相Tc2として同定する。2段階目の投入目標位相Tc2の同定は、1段階目の投入目標位相Tc1時点の定常磁束の値に基づいて、励磁突入電流抑制装置6で内部的に演算してもよいし、電源電圧検出器4U,4V,4Wによる計測値で実際に零点となる相電圧を検出してもよい。また、予め設定する時間は、この設定時間後の次に来る零点が、投入した相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点になるように設定してもよい。これにより、位相検出部605は、単に、設定時間経過後に次に来る零点の位相を投入目標位相Tc2として同定すればよい。
投入指令出力部606は、位相検出部605により検出された2段階の投入目標位相Tc1,Tc2で、遮断器2の各相の主接点を駆動する操作機構に対して2段階に投入指令を出力する。これにより、遮断器2の全ての相は、2段階に分けて投入される。投入指令出力部606は、1段階目の投入目標位相Tc1で、残留磁束の絶対値が最大の相(位相検出部605で検出した相)の遮断器2を投入する。投入指令出力部606は、2段階目の投入目標位相Tc2で、残りの2相の遮断器2を投入する。
次に、図9〜図13を参照して、励磁突入電流抑制装置6による励磁突入電流の抑制について説明する。
図9及び図10は、励磁突入電流抑制装置6による遮断器2の遮断Tp前後の状態の一例を示している。図9は、1次側相電圧Vu,Vv,Vwを示す波形図である。図10は、1次側相磁束φu,φv,φwを示す波形図である。図11〜図13は、励磁突入電流抑制装置6による遮断器2の投入Tc1,Tc2前後の状態の一例を示している。図11は、1次側相電圧Vu,Vv,Vwを示す波形図である。図12は、1次側相磁束φu,φv,φwを示す波形図である。図13は、1次側相電流(励磁突入電流)Iu,Iv,Iwを示す波形図である。
ここで、遮断Tp前又は投入Tc1,Tc2後の1次側相磁束φu,φv,φwは、定常磁束φTu,φTv,φTwを示している。また、遮断Tp後と投入Tc1,Tc2前の間の1次側相磁束φu,φv,φwは、残留磁束φZu,φZv,φZwを示している。
変形ウッドブリッジ結線変圧器3の1次側に図9に示す三相交流電圧Vu,Vv,Vwが印加されている場合、遮断器2が開極した後(遮断Tp後)は、図10に示す残留磁束φZu,φZv,φZwが残る。このとき、絶対値が最大の残留磁束は、U相の残留磁束φZuである。
従って、励磁突入電流抑制装置6は、図12に示すように、U相の定常磁束φTuがU相の残留磁束φZuと略一致する位相を、U相の遮断器2を投入するための1段階目の投入目標位相Tc1として同定する。励磁突入電流抑制装置6は、同定した1段階目の投入目標位相Tc1で、U相の遮断器2を投入する。
次に、励磁突入電流抑制装置6は、図11に示すように、U相の遮断器2を投入してから予め設定された時間経過後に、U相電圧VuがU相の残留磁束φZuと同極性(プラス)から逆極性(マイナス)に遷移する略零点となる位相を残りのV相及びW相の遮断器2を投入するための2段階目の投入目標位相Tc2として同定する。励磁突入電流抑制装置6は、同定した2段階目の投入目標位相Tc2で、V相及びW相の遮断器2を投入する。
2段階目の投入目標位相Tc2を同定するための“予め設定された時間”は、投入されていないV相及びW相の残留磁束φZv,φZwを充分に近づけるための時間である。この時間は、主に変圧器3の特性に基づいて設定される。
このように励磁突入電流抑制装置6が遮断器2を投入することにより、図13に示すように、各相の遮断器電流(励磁突入電流)Iu,Iv,Iwが抑制される。各相の遮断器電流Iu,Iv,Iwは、最大で10[A]程度である。これは、変圧器の励磁電流レベルである。
本実施形態によれば、絶対値が最大の残留磁束の相の遮断器2を残留磁束と定常磁束が一致するような位相で投入し、所定時間経過後に、既に投入した相の相電圧が零点となるような位相で、残りの相の遮断器2を投入することで、励磁突入電流Iu,Iv,Iwを抑制することができる。
これにより、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側に電圧検出器5M,5Tが設置されていれば、1次側に電圧検出器が設置されていなくても、励磁突入電流抑制装置6は、励磁突入電流Iu,Iv,Iwを抑制するように、遮断器2を投入することができる。
また、2段階の投入目標位相Tc1,Tc2は、残留磁束の絶対値が最大となる相を判断した後は、1つの相の相電圧と定常磁束を監視すれば、他の2つの相を監視しなくても同定できる。従って、2段階の投入目標位相Tc1,Tc2を同定するための励磁突入電流抑制装置6における演算負荷を軽減することができる。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Aの適用された電力系統システムの構成を示す構成図である。
励磁突入電流抑制装置6Aは、図1に示す第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6において、位相検出部605を位相検出部605Aに代えたものである。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
位相検出部605Aは、1段階目の投入目標位相Tc1の同定方法が異なる点以外は、第1の実施形態に位相検出部605と同様である。
位相検出部605Aは、三相の残留磁束φZu,φZv,φZwのうち絶対値が最大の相を検出する。位相検出部605Aは、検出した相において、定常磁束が残留磁束の極性と一致した波高値(波形の最大値)となるような位相を1段階目の投入目標位相Tc1として同定する。この同定した1段階目の投入目標位相Tc1の時点での同相の相電圧は、零点である。
次に、図15〜図19を参照して、励磁突入電流抑制装置6Aによる励磁突入電流の抑制について説明する。
図15及び図16は、励磁突入電流抑制装置6Aによる遮断器2の遮断Tp前後の状態の一例を示している。図15は、1次側相電圧Vu,Vv,Vwを示す波形図である。図16は、1次側相磁束φu,φv,φwを示す波形図である。図17〜図19は、励磁突入電流抑制装置6Aによる遮断器2の投入Tc1,Tc2前後の状態の一例を示している。図17は、1次側相電圧Vu,Vv,Vwを示す波形図である。図18は、1次側相磁束φu,φv,φwを示す波形図である。図19は、1次側相電流(励磁突入電流)Iu,Iv,Iwを示す波形図である。
変形ウッドブリッジ結線変圧器3の1次側に図15に示す三相交流電圧Vu,Vv,Vwが印加されている場合、遮断器2が開極した後(遮断Tp後)は、図16に示す残留磁束φZu,φZv,φZwが残る。このとき、絶対値が最大の残留磁束は、U相の残留磁束φZuである。
従って、励磁突入電流抑制装置6Aは、図18に示すように、U相の定常磁束φTuがU相の残留磁束φZuと同一の極性で略波高値となる位相を、U相の遮断器2を投入するための1段階目の投入目標位相Tc1として同定する。1段階目の投入目標位相Tc1は、図17に示すように、U相電圧Vuが零点の位相でもある。従って、この場合は、U相電圧Vuが零点の位相を1段階目の投入目標位相Tc1として同定してもよい。励磁突入電流抑制装置6Aは、同定した1段階目の投入目標位相Tc1で、U相の遮断器2を投入する。
U相の遮断器2を投入後、励磁突入電流抑制装置6Aは、第1の実施形態と同様に、2段階目の投入目標位相Tc2を同定し、残りのV相及びW相の遮断器2を投入する。
このように励磁突入電流抑制装置6Aが遮断器2を投入することにより、図19に示すように、各相の遮断器電流(励磁突入電流)Iu,Iv,Iwが抑制される。各相の遮断器電流Iu,Iv,Iwは、数10[A]程度である。これは、変圧器の励磁電流レベルよりも多いが、通常の励磁突入電流レベルよりも少ない。
本実施形態によれば、定常磁束φTu,φTv,φTwの波高値を検出して、1段階目の投入目標位相Tc1を同定するため、第1の実施形態よりも、1段階目の投入目標位相Tc1を同定する演算負荷を軽減することができる。また、1段階目の投入目標位相Tc1から2段階目の投入目標位相Tc2までの時間(位相)は、波高値から零点までの時間となるため、常に一定にすることができる。これにより、2段階目の投入目標位相Tc2を同定する精度を高め、演算負荷を軽減することができる。
(第3の実施形態)
図20は、本発明の第3の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Bの適用された電力系統システムの構成を示す構成図である。
励磁突入電流抑制装置6Bは、図1に示す第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6において、位相検出部605の代わりに、位相検出部605Bを設け、計測情報保持部607、開極位相制御部608、及び開極指令出力部609を追加した構成である。その他の構成は、第1の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6と同様である。
励磁突入電流抑制装置6Bの運用前に、計測情報保持部607は、遮断器2を複数回遮断したときにおける、変圧器電圧変換部610により算出された1次側相電圧VDu,VDv,VDwの電圧遮断位相と、残留磁束算出部604により算出された残留磁束φZu,φZv,φZwの磁束信号とを計測する。計測情報保持部607は、計測された電圧遮断位相及び磁束信号に基づいて、遮断位相と残留磁束との関係などの残留磁束の特性に関する情報を計測情報として保持する。
開極位相制御部608には、計測情報保持部607に保持された計測情報及び電源電圧計測部601により計測された電源母線1の各相電圧Vu,Vv,Vwが入力される。開極位相制御部608は、計測情報から各相の残留磁束φZu,φZv,φZwを推定する。開極位相制御部608は、推定した各相の残留磁束φZu,φZv,φZw及び各相電圧に基づいて、遮断位相が常に同じになるように、遮断器2の主接点の開極位相を制御する。開極位相制御部608は、制御した開極位相を開極指令出力部609に出力する。
開極指令出力部609は、開極位相制御部608から受信した開極位相に基づいて、遮断器2の主接点を駆動する操作機構に対して開極指令を出力する。これにより、遮断器2は、開放される。
位相検出部605Bには、計測情報保持部607に保持されている計測情報及び定常磁束算出部602により算出された各相の定常磁束φTu,φTv,φTwが入力される。位相検出部605Bは、計測情報保持部607に保持されている計測情報から各相の残留磁束φZu,φZv,φZwを推定する。位相検出部605Bは、各相の残留磁束φZu,φZv,φZw及び各相の定常磁束φTu,φTv,φTwに基づいて、遮断器2を投入する2段階の投入目標位相Tc1,Tc2を同定する。2段階の投入目標位相Tc1,Tc2を同定する方法については、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
ここで、開極位相制御部608は、常に遮断位相が同じになるように、位相制御をしている。従って、位相検出部605Bは、計測情報保持部607に保持されている情報に変更がなければ(計測情報を更新していなければ)、常に2段階の投入目標位相Tc1,Tc2は同じでよい。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
電力系統に遮断器2及び変形ウッドブリッジ結線変圧器3などを一旦設置した後は、この電力系統の回路条件は、常に同じである。このため、遮断器2が遮断するときの位相を常に同じにしておけば、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の残留磁束φZu,φZv,φZwの値も常に同じになるはずである。
励磁突入電流抑制装置6Bは、遮断器2で変形ウッドブリッジ結線変圧器3を遮断する際、遮断位相が常に同じになるように遮断器2の開極位相を制御して遮断する。即ち、励磁突入電流抑制装置6Bは、各相の残留磁束φZu,φZv,φZwを常に同じ値とすることができる。従って、励磁突入電流抑制装置6Bは、遮断器2を投入させて変形ウッドブリッジ結線変圧器3を励磁させるときも、励磁突入電流の抑制をするための投入位相を常に同じ位相にすることができる。
従って、変圧器2次側電圧検出器5M,5Tが常時接続されていない場合でも、励磁突入電流抑制装置6Bは、計測情報保持部607に保持されている計測情報に基づいて、遮断器2が遮断した後の変形ウッドブリッジ結線変圧器3の残留磁束φZu,φZv,φZwの情報を常に得ることができる。従って、変圧器2次側電圧検出器5M,5Tは、計測情報保持部607による計測時のみ接続し、通常の運用状態では取り外すこともできる。もちろん、変圧器1次側電圧検出器5M,5Tは、恒久的に設置されていても良い。
(第4の実施形態)
図21は、本発明の第4の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Cの適用された電力系統システムの構成を示す構成図である。
励磁突入電流抑制装置6Cは、図20に示す第3の実施形態に係る励磁突入電流抑制装置6Bにおいて、残留磁束算出部604を残留磁束算出部604Cに代え、計測情報保持部607を計測情報保持部607Cに代え、位相検出部605Bを位相検出部605Cに代え、変圧器電圧変換部610及び定常磁束算出部602を取り除いた構成である。その他の構成については、第3の実施形態と同様である。
残留磁束算出部604Cは、遮断器2による変形ウッドブリッジ結線変圧器3の遮断直後に、変圧器電圧計測部603により計測された2組の単相交流電圧Vt,Vmをそれぞれ積分する。残留磁束算出部604Cは、この積分された値を、変形ウッドブリッジ結線変圧器3の鉄心の残留磁束(2次側磁束)φZt,φZmとする。残留磁束算出部604Cは、演算した残留磁束φZt,φZmを位相検出部605Cに出力する。
励磁突入電流抑制装置6Cの運用前に、計測情報保持部607Cは、遮断器2を複数回遮断したときにおける、変圧器電圧計測部603により計測された2次側電圧Vm,Vtの電圧遮断位相と、残留磁束算出部604Cにより算出された残留磁束φZt,φZmの磁束信号とを計測する。計測情報保持部607Cは、計測された電圧遮断位相及び磁束信号に基づいて、遮断位相と残留磁束との関係などの残留磁束の特性に関する情報を計測情報として保持する。
開極位相制御部608には、計測情報保持部607Cに保持された計測情報及び電源電圧計測部601により計測された電源母線1の各相電圧Vu,Vv,Vwが入力される。開極位相制御部608は、計測情報から変形ウッドブリッジ結線変圧器3の2次側巻線の残留磁束φZm,φZtを推定する。開極位相制御部608Cは、推定した残留磁束φZm,φZt及び各相電圧に基づいて、遮断位相が常に同じになるように、遮断器2の主接点の開極位相を制御する。開極位相制御部608Cは、制御した開極位相を開極指令出力部609に出力する。
開極指令出力部609は、開極位相制御部608から受信した開極位相に基づいて、遮断器2の主接点を駆動する操作機構に対して開極指令を出力する。これにより、遮断器2は、開放される。
位相検出部605Cには、計測情報保持部607Cに保持されている計測情報及び電源電圧計測部601により計測された電源母線1の各相電圧Vu,Vv,Vwが入力される。位相検出部605Cは、遮断器2を投入する2段階の投入目標位相Tc1,Tc2を同定する。2段階の投入目標位相Tc1,Tc2を同定する方法については、第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
次に、図22及び図23を参照して、励磁突入電流抑制装置6Cによる励磁突入電流の抑制について説明する。
図22及び図23は、励磁突入電流抑制装置6Cによる遮断器2の遮断Tp前後の状態の一例を示している。図22は、変形ウッドブリッジ変圧器3の1次側相磁束φu,φv,φwの残留磁束φZu,φZv,φZwを示す波形図である。図23は、変形ウッドブリッジ変圧器3の2次側巻線磁束φt,φmの残留磁束φZt,φZmを示す波形図である。図22及び図23は、p.u.表示で示している。
ここで、変形ウッドブリッジ変圧器3の2次側のT座の単相電圧Vtと1次側のU相電圧Vuとは、同位相である。
図22及び図23に示すように、これらを積分したT座の2次側巻線磁束φtと1次側U相磁束φuも同位相となる。また、p.u.表示すれば、T座の2次側巻線磁束φtの残留磁束φZtと1次側U相磁束φuの残留磁束φZuは、同じになる。
従って、開極位相制御部608が、常にT座の2次側巻線磁束φtが最大の絶対値(波高値)となるように同じ位相で開極位相を制御することで、位相検出部605Cは、1次側U相電圧Vuの計測のみに基づいて、2段階の投入目標位相Tc1,Tc2の同定をすることができる。
具体的には、開極位相制御部608は、T座の2次側巻線磁束φtが波高値となる位相で、遮断器2を開放するように位相を制御する。これにより、T座の2次側巻線の残留磁束φZtは、最大(定常磁束φtの波高値)となる。従って、1次側U相の残留磁束φZuも、1次側V相の残留磁束φZv及び1次側W相の残留磁束φZwよりも大きくなるはずである。開極位相制御部608がこのように遮断器2を開放させることで、位相検出部605Cは、U相電圧VuがT座の2次側巻線の残留磁束φZtと同極性から逆極性に遷移する略零点となる位相を1段階目の投入目標位相Tc1として同定すればよい。
本実施形態によれば、第3の実施形態による作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
なお、各実施形態において、電源電圧検出器4U,4V,4Wにより、電源母線1の各相電圧を計測したが、電源母線1の各線間電圧を計測してもよい。各線間電圧を相電圧に変換することで、各実施形態と同様の構成にすることができる。
また、各実施形態において、三相交流電圧を単相交流電圧に変換する変圧器として、変形ウッドブリッジ結線又はウッドブリッジ結線による変圧器について説明したが、他の結線による変圧器でもよい。例えば、有効接地系に適用される変圧器としては、ルーフデルタ結線変圧器でもよい。
さらに、各実施形態において、励磁突入電流抑制装置6等での位相制御における各種パラメータは、より精度を高めるため等により補正をしてもよい。例えば、遮断器2の投入において、主接点間に発生するプレアークと呼ばれる先行放電や、操作機構の動作ばらつきなどに起因する投入時間のばらつきが存在する。このプレアークによる投入ばらつきや、遮断器投入時のばらつきは、あらかじめその特性を取得しておくことにより、位相制御を行う際にこの特性による補正をする。このような補正をすることで、これらのばらつきがあっても、励磁突入電流をより確実に抑制することができる。
また、各実施形態において、定常磁束及び残留磁束を演算する場合に、相電圧から線間電圧、又は線間電圧から各種巻線電圧などのように、電圧を変換してから磁束を求めたが、磁束を求めた後に、磁束を変換してもよい。例えば、各相電圧から各線間の磁束を求める場合、先に各相の磁束を求めた後に、各線間の磁束を求めてもよい。また、その他の演算においても、結果が同じになるのであれば、演算の順序や演算をさせる場所(励磁突入電流抑制装置の内部や外部を問わず、コンピュータや各種検出器等)は、適宜変更することができる。
さらに、第1から第3の実施形態において、定常磁束φTu,φTv,φTwを演算する構成としたが、定常磁束φTu,φTv,φTwは、実際に演算しなくてもよい。具体的には、定常磁束φTu,φTv,φTwが相電圧Vv,Vu,Vwよりも90度遅れることを考慮することで、実質的な演算とみなすことができる。これ以外の演算についても、このような演算については同様である。また、第4の実施形態も同様に、このような演算については演算しなくてもよい。
また、第4の実施形態において、残留磁束算出部604Cは、T座の残留磁束φZtを演算すれば、必ずしも主座の残留磁束φZmを演算しなくてもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電源母線、2…遮断器、3…変形ウッドブリッジ結線変圧器、4U,4V,4W…電源電圧検出器、5M,5T…変圧器2次側電圧検出器、6…励磁突入電流抑制装置、601…電源電圧計測部、602…定常磁束算出部、603…変圧器電圧計測部、604…残留磁束算出部、605…位相検出部、606…投入指令出力部、610…変圧器電圧変換部。

Claims (10)

  1. 電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置であって、
    前記変圧器の単相交流電圧を計測する変圧器側単相交流電圧計測手段と、
    前記変圧器側単相交流電圧計測手段により計測された前記変圧器の単相交流電圧を、前記変圧器の三相交流電圧に変換する変圧器側電圧変換手段と、
    前記変圧器側電圧変換手段により変換された三相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の三相の残留磁束を演算する残留磁束演算手段と、
    前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測する電源側三相交流電圧計測手段と、
    前記電源側三相交流電圧計測手段により計測された三相交流電圧に基づいて、前記変圧器の三相の定常磁束を演算する定常磁束演算手段と、
    前記残留磁束演算手段により演算された前記三相の残留磁束のうち絶対値が最大の相を判断する相判断手段と、
    前記相判断手段により判断された前記相において、前記残留磁束演算手段により演算された前記残留磁束と前記定常磁束演算手段により演算された前記定常磁束とが一致するような第1の位相を判断する第1の位相判断手段と、
    前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相で、前記相判断手段により判断された前記相の前記遮断器を投入する第1の投入手段と、
    前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相よりも後に、前記相判断手段により判断された前記相の前記電源側の交流電圧が、前記相判断手段により判断された前記相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断する第2の位相判断手段と、
    前記第2の位相判断手段により判断された前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入する第2の投入手段と
    を備えたことを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  2. 電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置であって、
    前記変圧器の単相交流電圧を計測する変圧器側単相交流電圧計測手段と、
    前記変圧器側単相交流電圧計測手段により計測された前記変圧器の単相交流電圧を、前記変圧器の三相交流電圧に変換する変圧器側電圧変換手段と、
    前記変圧器側電圧変換手段により変換された三相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の三相の残留磁束を演算する残留磁束演算手段と、
    前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測する電源側三相交流電圧計測手段と、
    前記電源側三相交流電圧計測手段により計測された三相交流電圧に基づいて、前記変圧器の三相の定常磁束を演算する定常磁束演算手段と、
    前記残留磁束演算手段により演算された前記三相の残留磁束のうち絶対値が最大の相を判断する相判断手段と、
    前記相判断手段により判断された前記相において、前記定常磁束演算手段により演算された前記定常磁束が残留磁束演算手段により演算された前記残留磁束と極性が一致する波高値となるような第1の位相を判断する第1の位相判断手段と、
    前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相で、前記相判断手段により判断された前記相の前記遮断器を投入する第1の投入手段と、
    前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相よりも後に、前記相判断手段により判断された前記相の前記電源側の交流電圧が、前記相判断手段により判断された前記相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断する第2の位相判断手段と、
    前記第2の位相判断手段により判断された前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入する第2の投入手段と
    を備えたことを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  3. 前記遮断器を少なくとも1回開放操作したときの前記変圧器の残留磁束及び前記遮断器の遮断位相を計測した情報を保持する計測情報保持手段と、
    前記計測情報保持手段に保持された情報に基づいて、同一の遮断位相で前記遮断器を開放するための開放手段とを備え、
    前記投入手段は、前記開放手段による前記遮断位相に基づいて、前記遮断器を投入すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の励磁突入電流抑制装置。
  4. 電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を第1の相と第2の相からなる2組の単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制装置であって、
    前記変圧器の単相交流電圧を計測する変圧器側単相交流電圧計測手段と、
    前記変圧器側単相交流電圧計測手段により計測された前記変圧器の単相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の単相交流側巻線の前記第1の相の残留磁束を演算する残留磁束演算手段と、
    前記遮断器を少なくとも1回開放操作したときの前記変圧器の残留磁束及び前記遮断器の遮断位相を計測した情報を保持する計測情報保持手段と、
    前記計測情報保持手段に保持された情報に基づいて、前記残留磁束演算手段により演算された前記第1の相の残留磁束が最大となるような遮断位相で前記遮断器を開放するための開放手段と、
    前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測する電源側三相交流電圧計測手段と、
    前記電源側三相交流電圧計測手段により計測された三相交流電圧のうち前記第1の相と同位相の相電圧が、前記残留磁束演算手段により演算された前記第1の相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第1の位相を判断する第1の位相判断手段と、
    前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相で、前記第1の相と同位相の前記相の前記遮断器を投入する第1の投入手段と、
    前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相よりも後に、前記第1の相と同位相の前記相の相電圧が、前記残留磁束演算手段により演算された前記第1の相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断する第2の位相判断手段と、
    前記第2の位相判断手段により判断された前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入する第2の投入手段と
    を備えたことを特徴とする励磁突入電流抑制装置。
  5. 前記第2の位相判断手段は、前記第1の位相判断手段により判断された前記第1の位相後、予め設定された時間後の零点を、前記第2の位相として判断すること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の励磁突入電流抑制装置。
  6. 電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制方法であって、
    前記変圧器の単相交流電圧を計測し、
    計測した前記変圧器の単相交流電圧を、前記変圧器の三相交流電圧に変換し、
    変換した前記変圧器の三相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の三相の残留磁束を演算し、
    前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測し、
    計測した前記電源側の三相交流電圧に基づいて、前記変圧器の三相の定常磁束を演算し、
    演算した前記三相の残留磁束のうち絶対値が最大の相を判断し、
    判断した前記相において、演算した前記残留磁束と演算した前記定常磁束とが一致するような第1の位相を判断し、
    判断した前記第1の位相で、判断した前記相の前記遮断器を投入し、
    判断した前記第1の位相よりも後に、判断した前記相の前記電源側の交流電圧が、判断した前記相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断し、
    判断した前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入すること
    を含むことを特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  7. 電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制方法であって、
    前記変圧器の単相交流電圧を計測し、
    計測した前記変圧器の単相交流電圧を、前記変圧器の三相交流電圧に変換し、
    変換した前記変圧器の三相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の三相の残留磁束を演算し、
    前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測し、
    計測した前記電源側の三相交流電圧に基づいて、前記変圧器の三相の定常磁束を演算し、
    演算した前記三相の残留磁束のうち絶対値が最大の相を判断し、
    判断した前記相において、演算した前記定常磁束が演算した前記残留磁束と極性が一致する波高値となるような第1の位相を判断し、
    判断した前記第1の位相で、判断した前記相の前記遮断器を投入し、
    判断した前記第1の位相よりも後に、判断した前記相の前記電源側の交流電圧が、判断した前記相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断し、
    判断した前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入すること
    を含むことを特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  8. 前記遮断器を少なくとも1回開放操作したときの前記変圧器の残留磁束及び前記遮断器の遮断位相を計測した情報を保持し、
    保持した情報に基づいて、同一の遮断位相で前記遮断器を開放し、
    前記遮断器の投入は、開放した前記遮断位相に基づいて行うこと
    を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の励磁突入電流抑制方法。
  9. 電源を備えた三相交流の電力系統と三相交流電圧を第1の相と第2の相からなる2組の単相交流電圧に変換する接地された変圧器との接続を相毎に開閉する遮断器の励磁突入電流を抑制する励磁突入電流抑制方法であって、
    前記変圧器の単相交流電圧を計測し、
    計測した前記変圧器の単相交流電圧に基づいて、前記遮断器による前記変圧器の遮断後の前記変圧器の単相交流側巻線の前記第1の相の残留磁束を演算し、
    前記遮断器を少なくとも1回開放操作したときの前記変圧器の残留磁束及び前記遮断器の遮断位相を計測した情報を保持し、
    保持した情報に基づいて、演算した前記第1の相の残留磁束が最大となるような遮断位相で前記遮断器を開放し、
    前記遮断器よりも前記電源側の三相交流電圧を計測し、
    計測した前記電源側の三相交流電圧のうち前記第1の相と同位相の相電圧が、演算した前記第1の相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第1の位相を判断し、
    判断した前記第1の位相で、前記第1の相と同位相の前記相の前記遮断器を投入し、
    判断した前記第1の位相よりも後に、前記第1の相と同位相の前記相の相電圧が、演算した前記第1の相の残留磁束と同極性から逆極性に遷移する零点となるような第2の位相を判断し、
    判断した前記第2の位相で、投入されていない他の2相の前記遮断器を投入すること
    を含むことを特徴とする励磁突入電流抑制方法。
  10. 前記第2の位相の判断は、判断した前記第1の位相後、予め設定された時間後の零点を、前記第2の位相として判断すること
    を特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の励磁突入電流抑制方法。
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